JP2003068371A

JP2003068371A - 鉛蓄電池再生器とその動作方法

Info

Publication number: JP2003068371A
Application number: JP2001250853A
Authority: JP
Inventors: Daian Ko; 江台安
Original assignee: DAISHO KAGI KOFUN YUGENKOSHI
Current assignee: DAISHO KAGI KOFUN YUGENKOSHI
Priority date: 2000-10-20
Filing date: 2001-08-21
Publication date: 2003-03-07
Also published as: US6344729B1

Abstract

(57)【要約】【目的】鉛蓄電池の電極の鉛酸化合物を急速に分離す
る鉛蓄電池再生器とその動作方法を提供する。【構成】発振器と、周波数分割器と、２つのトランジ
スターとを具備し、発振器が周波数信号を出力し、周波
数分割器が周波数信号を受信して、複数の重複しない動
作周波数信号に細分するとともに、動作周波数信号を動
作周波数出力端子へそれぞれ送り込み、第１トランジス
ターの３つの端子が、誘電子の一端と、鉛蓄電池の負端
子と、動作周波数出力端子の一端に電気接続され、誘電
子の他端が、鉛蓄電池の負端子に接続され、第２トラン
ジスターの３つの端子が、抵抗器の一端と、鉛蓄電池の
正端子と、動作周波数出力端子の一端に電気接続され、
抵抗器の他端が、鉛蓄電池の正端子に電気接続される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、バッテリー再生器
（battery rejuvenator）とその動作方法に関し、特
に、鉛（酸）蓄電池再生器とその動作方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】鉛蓄電池を放電すると、バッテリー溶液
中のイオンが、例えば鉛板または酸化鉛板といった電極
板に引き寄せられ、鉛酸化合物(lead-acid compounds)
を生成する。この化合物の堆積により電極板上に積重ね
層が次第に形成される。電極板上の積重ね層は、電極板
をバッテリー溶液から次第に絶縁して、イオン交換を妨
げるものとなる。従って、繰り返し使用することによる
鉛酸化合物の蓄積によって、バッテリーの内部抵抗が次
第に増加し、効率性を失う結果となる。鉛蓄電池内部の
電力は、充電中に直流電流が鉛蓄電池を通過した後に若
干回復するが、直流電流は非常に弱く、電極板に蓄積さ
れた鉛酸化合物を除去するまでには至らない。実際、充
電・放電周期の繰り返し後における鉛板上の鉛酸化合物
の付着性は、弱まるというよりむしろ強化される。従っ
て、バッテリー放電ごとに、より多量の鉛酸化合物を鉛
板上に堆積させるだけでなく、鉛酸化合物の一部をさら
に除去しにくい鉛酸結晶に変換させるものとなる。

【０００３】この鉛酸蓄積問題に取り組むために、米国
特許第４８７１９５９号、米国特許第５０６３３４１
号、米国特許第５０８４６６４号でGaliらが、また米国
特許第５４９１３９９号でGregoryらが、鉛蓄電池再生
器を提案した。彼らの発明によると、それぞれの鉛蓄電
池再生器は、鉛蓄電池の電極板を通過する周期的な波形
を変圧器を用いて発生させていた。電極板上に蓄積した
鉛酸化合物が次第に剥離され、剥離された鉛酸化合物が
バッテリー溶液に再溶解するか、もしくはバッテリーの
底部近くに堆積するものとなっていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、両タイ
プの鉛蓄電池再生器は、必要とする周期的な波形を発生
するために、変圧器に依存する回路構成を有していた。
そのため、発生させられる周期的な波形の最大周波数
は、変圧器により制約されるものとなっており、最大値
でも８ＫＨｚであった。比較的低い周波数の周期的な波
形の適用でも電極板上の鉛酸化合物の一部を除去できる
ものの、除去速度が非常に遅く、除去効率も低いものと
なっていた。

【０００５】鉛蓄電池電極板上の鉛酸結晶を除去するに
は、特許となった鉛蓄電池再生器が提供するものよりも
高い共振周波数が必要となる。従って、理想的な再生器
は、動作が簡単で、鉛蓄電池の中にある鉛酸結晶を経済
的かつ効率的に分離できるものでなければならない。

【０００６】そこで、この発明の第１の目的は、鉛蓄電
池の電極にある鉛酸化合物を急速に分離するために、発
振器と、周波数分割器と、２つのトランジスターを有す
る鉛蓄電池再生器を提供することにある。この発明の第
２の目的は、鉛蓄電池の電極に付着した鉛酸結晶の分離
方法を提供することにある。この発明の第３の目的は、
鉛蓄電池中の鉛酸結晶間の結合を緩めるためのプロセス
を提供することにある。この発明の第４の目的は、電極
上の鉛酸化合物を分離できるように、従来技術を超える
パルス周波数を発生させることで、鉛蓄電池が再生する
方法を提供することにある。この発明の第５の目的は、
パルス信号および反転されたパルス信号を交互に作り出
すことができる鉛蓄電池の再生方法を提供することにあ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、所望
の目的を達成するために、この発明にかかる鉛蓄電池再
生器は、発振器と、周波数分割器と、トランジスター
と、誘電子と、抵抗器とから構成されるものである。

【０００８】

【発明の実施形態】以下、この発明にかかる好適な実施
形態を図面に基づいて説明する。＜第１実施形態＞図１において、この発明にかかる鉛蓄
電池再生器の第１実施形態のブロック図を示すと、鉛蓄
電池再生器１００は、発振器１１０と、周波数分割器１
２０と、トランジスター１３０と、トランジスター１４
０とを有する。発振器１１０は、発振周波数を出力し、
周波数分割器１２０は、複数の動作周波数出力端子を有
する。さらに、周波数分割器１２０は、発振器１１０か
らの周波数信号を受信し、その周波数信号を複数の動作
周波数に細かく分割することができる。これらの動作周
波数は、それぞれの動作周波数出力端子から出力され
る。トランジスター１３０の３つの端子は、誘電子１５
０の一端と、鉛蓄電池の負端子１８０と、動作周波数出
力端子Ａにそれぞれ電気接続されている。誘電子１５０
の他端は、鉛蓄電池の正端子に電気結合されている。ト
ランジスター１４０の３つの端子は、抵抗器１６０の一
方の端子と、鉛蓄電池の負端子１８０と、第２動作周波
数出力端子Ｂにそれぞれ電気接続されている。抵抗器１
６０の他端は、鉛蓄電池の正端子１７０に電気接続され
ている。

【０００９】図１が示すこの発明の第１実施形態におい
て、発振器１１０は、周波数分割器１２０へ周波数信号
を出力し、周波数分割器１２０は、ＡおよびＢのような
複数の動作周波数出力端子を有する。周波数分割器１２
０は、入力周波数信号をいくつかの重複しない動作周波
数に細かく分け、その動作周波数は、個々の動作周波数
出力端子（ＡおよびＢなど）に送られる。

【００１０】さらに、トランジスター１３０の３つの端
子は、誘電子１５０の一端と、鉛蓄電池の負端子１８０
と、動作周波数出力端子Ａにそれぞれ電気結合されてい
る。誘電子１５０の他端は、鉛蓄電池の正端子１７０に
電気接続されている。トランジスター１４０の３つの端
子は、抵抗器１６０の一端と、鉛蓄電池の負端子１８０
と、動作周波数出力端子Ｂにそれぞれ電気接続されてい
る。抵抗器１６０の他端は、鉛蓄電池の正端子１７０に
電気接続されている。

【００１１】図１に示すトランジスター１３０およびト
ランジスター１４０は、バイポーラトランジスターとし
て示されているが、その他の電子デバイスも用いること
もできる。言い換えれば、バイポーラトランジスターと
類似した機能を有する任意のデバイスをこの発明におい
て用いることができ、例えば、金属酸化物半導体（ＭＯ
Ｓ）トランジスターを用いることができる。

【００１２】図２において、図１の鉛蓄電池再生器の回
路システムが発生させる波形を示す。発振器１１０によ
り生成される波形をＯＳＣで標記すると、周波数分割器
１２０は、波形ＯＳＣを波形Ｃと波形Ｄとをそれぞれ有
する２つの重複しない動作周波数に分割する。波形Ｃ
は、動作周波数出力端子Ａに提供され、波形Ｄは、動作
周波数出力端子Ｂに提供される。波形Ｃと波形Ｄとはど
の時点においても重複していないが、完全に重複しない
ことが再生器の動作における主要な基準でははなく、一
部重複しないパルスを有する設計であっても差し支えな
い。

【００１３】波形Ｃが、動作周波数出力端子Ａからトラ
ンジスター１３０へ送られる時、波形Ｃによりトランジ
スター１３０がオン・オフされる。同様に、波形Ｄによ
りトランジスター１４０がオン・オフされる。信号波形
をトランジスター１３０およびトランジスター１４０へ
送ることで、図２に示す出力波形Ｏｕｔｐｕｔが、鉛蓄
電池の正端子１７０と負端子１８０との間に生成される
（図１に示す再生器回路による）。図２に示す波形Ｏｕ
ｔｐｕｔには、パルス間を分割する区切りｔがあり、こ
れは、トランジスター１３０およびトランジスター１４
０の独立したスィッチングを確実なものとして、この回
路手段を介して過度な電流が流れることを防止するもの
である。

【００１４】鉛酸化合物の構造は、中心領域に鉛イオ
ン、そして外周領域に硫酸または亜硫酸ラジカル(sulfu
rous acid radicals)を伴う構造を有する。上述した実
施形態で提供される周波数分割装置１２０は、周波数５
００〜７００ＫＨｚの範囲で動作して、鉛蓄電池の電極
から鉛酸結晶を有効かつ効率的に除去することができ
る。この鉛蓄電池再生器をより有効なものとするため
に、動作周波数をさらに高く設定することもできる。

【００１５】＜第２実施形態＞この発明の第２実施形態
において、第１パルス信号を周波数分割器１２０に送
る。第１パルス終結後の所定インターバル、例えば0.5
または１周波数のインターバル後に、反転パルス信号が
生成される。この過程は、正位相パルスと負位相パルス
とが交互に発信される形で繰り返される。従って、一連
の交代位相パルスが、鉛蓄電池の電極板へ送られる。

【００１６】一連の交代位相パルスを鉛蓄電池の電極板
へ送ることで、鉛酸化合物の除去にいくつかのプラス効
果をもたらすことができる。これは、鉛酸化合物の鉛イ
オンが重いため、結果として異なる双極子モーメントと
なるので、鉛イオンが、ある角度範囲の電極板側面に置
かれる。交代する正パルスと負パルスとを導入すること
で、電極表面からの鉛酸化合物の分離を増進することが
できる。

【００１７】この発明にかかる第1実施形態および第２
実施形態の発振器１１０からの周波数信号に基づいて、
周波分割器１２０により２つの動作周波数だけが提供さ
れているが、これは、この発明を制限するものとして解
釈されるべきではない。さらには、この再生器回路のト
ランジスターの数についても、２つに限定するものでは
ない。実際に、この再生器回路で使われるトランジスタ
ーの数が増加すると、各トランジスターを制御するため
に、それに対応して動作周波数出力端子も増加させる必
要がある。なお、動作周波数を５００〜７００ＫＨｚの
範囲で選択した理由については、上述した通りである。

【００１８】以上のごとく、この発明を好適な実施形態
により開示したが、もとより、この発明を限定するため
のものではなく、当業者であれば容易に理解できるよう
に、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更
ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特
許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等
な領域を基準として定めなければならない。

【００１９】

【発明の効果】上記構成により、この発明は、有効かつ
効率的な鉛蓄電池再生器ならびに鉛蓄電池内部の鉛酸化
合物を分離する革新的な方法を提供するものである。従
って、産業上の利用価値が高い。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明にかかる鉛蓄電池再生器の第１実施形
態を示す回路ブロック図である。

【図２】この発明にかかる図１の鉛蓄電池再生器の回路
システムが発生させる波形を示すタイミング図である。

【符号の説明】

１００鉛蓄電池再生器１１０発振器１２０周波数分割器１３０トランジスター１４０トランジスター１５０誘電子１６０抵抗器１７０鉛蓄電池の正端子１８０鉛蓄電池の負端子

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】周波数信号を出力するための発振器と、複数の動作周波数出力信号を有するとともに、前記発振
器から前記周波数信号を受信し、入力された前記周波数
信号を複数の重複しない動作周波数信号に分割して、前
記動作周波数信号をそれぞれの動作周波数信号出力端子
に分配する周波数分割器と、その負荷端子が誘電子の一端に電気接続され、前記誘電
子の他端が鉛蓄電池の正端子へ電気接続され、そのアー
ス端子が前記鉛蓄電池の負端子へ電気接続され、その制
御端子が前記周波数分割器の前記動作周波数出力端子の
一端に電気接続される第1トランジスターと、その負荷端子が抵抗器の一端に電気接続されると同時
に、前記抵抗器の他端子が前記鉛蓄電池の正端子へ電気
接続され、そのアース端子が前記鉛蓄電池の負端子に電
気接続され、その制御端子が前記周波数分割器の前記動
作周波数出力端子の一端に電気接続される第２トランジ
スターとを具備する鉛蓄電池再生器。
【請求項２】上記動作周波数が、５００〜７００ＫＨ
ｚの範囲である請求項１記載の鉛蓄電池再生器。
【請求項３】パルス信号を提供するステップと前記パ
ルス信号が終了した後の所定期間に反転パルス信号を提
供するステップとを具備する鉛蓄電池再生器の動作方
法。