JP2003065680A - 横型転炉 - Google Patents
横型転炉Info
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- JP2003065680A JP2003065680A JP2001254038A JP2001254038A JP2003065680A JP 2003065680 A JP2003065680 A JP 2003065680A JP 2001254038 A JP2001254038 A JP 2001254038A JP 2001254038 A JP2001254038 A JP 2001254038A JP 2003065680 A JP2003065680 A JP 2003065680A
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- opening
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- refractory
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 生産能力を増強するため、既存の送風機の能
力を上昇させることなく単位送風量を増加させることが
でき、また単位送風量を増加させたとき炉口から炉外へ
の熔体の飛散を少なく抑えることができる横型転炉を提
供する。 【解決手段】 炉体の軸中心から炉口2の炉内開口部の
羽口4側における耐火煉瓦までの半径r1が、炉口2の
炉内開口部の羽口4と反対側における耐火煉瓦までの半
径r2よりも小さくなるように、羽口4の炉内開口部か
ら炉口2の炉内開口部に向けて異形の耐火煉瓦3aを徐
々に厚くライニングする。また、このライニングと併せ
て又は別に、羽口4の炉内開口部から離れた炉底部の耐
火煉瓦を、羽口4の炉内開口部周辺の耐火煉瓦よりも厚
みを薄くしてライニングする。
力を上昇させることなく単位送風量を増加させることが
でき、また単位送風量を増加させたとき炉口から炉外へ
の熔体の飛散を少なく抑えることができる横型転炉を提
供する。 【解決手段】 炉体の軸中心から炉口2の炉内開口部の
羽口4側における耐火煉瓦までの半径r1が、炉口2の
炉内開口部の羽口4と反対側における耐火煉瓦までの半
径r2よりも小さくなるように、羽口4の炉内開口部か
ら炉口2の炉内開口部に向けて異形の耐火煉瓦3aを徐
々に厚くライニングする。また、このライニングと併せ
て又は別に、羽口4の炉内開口部から離れた炉底部の耐
火煉瓦を、羽口4の炉内開口部周辺の耐火煉瓦よりも厚
みを薄くしてライニングする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅又はニッケル若
しくはこれらの金属の混合硫化鉱のような非鉄金属原料
から、銅やニッケル等の含有非鉄金属を製錬する際に用
いる横型転炉、特にそのライニング構造に関する。
しくはこれらの金属の混合硫化鉱のような非鉄金属原料
から、銅やニッケル等の含有非鉄金属を製錬する際に用
いる横型転炉、特にそのライニング構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、硫化精鉱のような非鉄金属原料か
ら含有金属を得るための酸化製錬において、中間生成物
として得られるカワや白カワは、自熔炉などの製錬炉か
ら抜き出され、レードル等によって搬送されて横型転炉
に移し替えられ、横型転炉で引き続き酸化製錬が行われ
る。
ら含有金属を得るための酸化製錬において、中間生成物
として得られるカワや白カワは、自熔炉などの製錬炉か
ら抜き出され、レードル等によって搬送されて横型転炉
に移し替えられ、横型転炉で引き続き酸化製錬が行われ
る。
【0003】このようなカワや白カワを製錬するための
横型転炉は、図1に示すように、両端を閉鎖した円筒状
の鋼鉄製のシェル1によって炉体の外郭が形成され、こ
のシェル1の内側に耐火煉瓦3をライニングすることに
より炉体が築炉されている。この横型転炉の上部には炉
口2が炉体から外側に突き出して設けられ、レードル等
を用いて搬送されたカワや白カワ及び副原料が炉口2か
ら炉内へ装入されるようになっている。
横型転炉は、図1に示すように、両端を閉鎖した円筒状
の鋼鉄製のシェル1によって炉体の外郭が形成され、こ
のシェル1の内側に耐火煉瓦3をライニングすることに
より炉体が築炉されている。この横型転炉の上部には炉
口2が炉体から外側に突き出して設けられ、レードル等
を用いて搬送されたカワや白カワ及び副原料が炉口2か
ら炉内へ装入されるようになっている。
【0004】また、炉体の上部と炉底部との中間部付近
に複数の羽口4が炉体の長さ方向に沿って設けてあり、
この複数の羽口4から吹き込まれる酸化反応用の空気又
は酸素富化空気によって、炉内に装入されたカワや白カ
ワ等は溶融状態で酸化製錬される。酸化製錬によって得
られる溶融状態のカラミ及び粗銅等の粗金属は、シェル
1の外周に敷設されたタイヤ6を支持したローラー5の
上で転炉を傾転させることによって、再び炉口2から炉
外に排出され、引き続き精製工程に送られて更に不純物
が除去される。
に複数の羽口4が炉体の長さ方向に沿って設けてあり、
この複数の羽口4から吹き込まれる酸化反応用の空気又
は酸素富化空気によって、炉内に装入されたカワや白カ
ワ等は溶融状態で酸化製錬される。酸化製錬によって得
られる溶融状態のカラミ及び粗銅等の粗金属は、シェル
1の外周に敷設されたタイヤ6を支持したローラー5の
上で転炉を傾転させることによって、再び炉口2から炉
外に排出され、引き続き精製工程に送られて更に不純物
が除去される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の横型
転炉においては、図2に示すように、炉体内にライニン
グされた耐火煉瓦3は炉口2の周辺を除き全て同形で、
且つ同じ厚さのものが使用されている。即ち、炉体内に
ライニングされた耐火煉瓦3は、羽口4の炉内開口部か
ら炉口2の炉内開口部にかけの耐火煉瓦3を含めて、そ
の内周面が炉体の軸中心を中心点とした同一半径の円弧
となるようにライニングされている。
転炉においては、図2に示すように、炉体内にライニン
グされた耐火煉瓦3は炉口2の周辺を除き全て同形で、
且つ同じ厚さのものが使用されている。即ち、炉体内に
ライニングされた耐火煉瓦3は、羽口4の炉内開口部か
ら炉口2の炉内開口部にかけの耐火煉瓦3を含めて、そ
の内周面が炉体の軸中心を中心点とした同一半径の円弧
となるようにライニングされている。
【0006】しかし、このような従来の横型転炉の生産
能力を増強するために、羽口4から吹き込む酸化反応用
の空気や酸素富化空気の単位送風量を増加させようとし
た場合、羽口4にかかる熔体7の圧力のため既存の送風
機では能力不足のため、単位送風量を増加させることは
困難であった。
能力を増強するために、羽口4から吹き込む酸化反応用
の空気や酸素富化空気の単位送風量を増加させようとし
た場合、羽口4にかかる熔体7の圧力のため既存の送風
機では能力不足のため、単位送風量を増加させることは
困難であった。
【0007】また、送風機の能力を増強して、羽口4か
ら吹き込む酸化反応用の空気や酸素富化空気の単位送風
量を増加させた場合には、炉内での熔体7の攪拌が激し
くなり、炉口2から炉外への熔体7の飛散が増加すると
いう欠点があった。このため、羽口4からの単位送風量
の増加によって、従来の横型転炉の生産能力を増強する
ことは困難であった。
ら吹き込む酸化反応用の空気や酸素富化空気の単位送風
量を増加させた場合には、炉内での熔体7の攪拌が激し
くなり、炉口2から炉外への熔体7の飛散が増加すると
いう欠点があった。このため、羽口4からの単位送風量
の増加によって、従来の横型転炉の生産能力を増強する
ことは困難であった。
【0008】尚、羽口4にかかる圧力を低減させ又は熔
体7の炉口2からの飛散を防止するために、羽口4の位
置を上方へ変更したり、炉口2の位置を更に上方へ変更
する方法もあるが、これらの方法は設備改造による費用
が極めて大きくなるため現実的ではない。
体7の炉口2からの飛散を防止するために、羽口4の位
置を上方へ変更したり、炉口2の位置を更に上方へ変更
する方法もあるが、これらの方法は設備改造による費用
が極めて大きくなるため現実的ではない。
【0009】本発明は、このような従来の問題に鑑み、
横型転炉の生産能力を増強するために、羽口や炉口の位
置を変更する設備改造を必要とせず、送風機の能力増強
により単位送風量を増加させた場合でも、炉口から炉外
への熔体の飛散を抑えることが可能な横型転炉を提供す
ることを目的とする。
横型転炉の生産能力を増強するために、羽口や炉口の位
置を変更する設備改造を必要とせず、送風機の能力増強
により単位送風量を増加させた場合でも、炉口から炉外
への熔体の飛散を抑えることが可能な横型転炉を提供す
ることを目的とする。
【0010】また、本発明は、横型転炉の生産能力を増
強するために、羽口や炉口の位置を変更する設備改造を
必要とせず、既存の送風機を使用して単位送風量を増加
させることができると共に、単位送風量を増加させても
炉口から炉外への熔体の飛散を抑えることが可能な横型
転炉を提供することを目的とする。
強するために、羽口や炉口の位置を変更する設備改造を
必要とせず、既存の送風機を使用して単位送風量を増加
させることができると共に、単位送風量を増加させても
炉口から炉外への熔体の飛散を抑えることが可能な横型
転炉を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供する第1の横型転炉は、炉体の上部か
ら外側に突き出た炉口と、この炉口と炉底部との間で炉
体の長手方向に沿い炉壁を貫通して設けた複数の羽口
と、炉体内側にライニングされた耐火煉瓦とを備える横
型転炉であって、炉体の軸中心から炉口の炉内開口部の
羽口側における耐火煉瓦までの半径が、炉口の炉内開口
部の羽口と反対側における耐火煉瓦までの半径よりも小
さくなるように、羽口の炉内開口部から炉口の炉内開口
部に向けて耐火煉瓦が徐々に厚くライニングされている
ことを特徴とする。
め、本発明が提供する第1の横型転炉は、炉体の上部か
ら外側に突き出た炉口と、この炉口と炉底部との間で炉
体の長手方向に沿い炉壁を貫通して設けた複数の羽口
と、炉体内側にライニングされた耐火煉瓦とを備える横
型転炉であって、炉体の軸中心から炉口の炉内開口部の
羽口側における耐火煉瓦までの半径が、炉口の炉内開口
部の羽口と反対側における耐火煉瓦までの半径よりも小
さくなるように、羽口の炉内開口部から炉口の炉内開口
部に向けて耐火煉瓦が徐々に厚くライニングされている
ことを特徴とする。
【0012】また、本発明が提供する第2の横型転炉
は、炉体の上部から外側に突き出た炉口と、この炉口と
炉底部との間で炉体の長手方向に沿い炉壁を貫通して設
けた複数の羽口と、炉体内側にライニングされた耐火煉
瓦とを備える横型転炉であって、羽口の炉内開口部から
離れた炉底部の耐火煉瓦が、羽口の炉内開口部周辺の耐
火煉瓦よりも厚みを薄くしてライニングされていること
を特徴とする。
は、炉体の上部から外側に突き出た炉口と、この炉口と
炉底部との間で炉体の長手方向に沿い炉壁を貫通して設
けた複数の羽口と、炉体内側にライニングされた耐火煉
瓦とを備える横型転炉であって、羽口の炉内開口部から
離れた炉底部の耐火煉瓦が、羽口の炉内開口部周辺の耐
火煉瓦よりも厚みを薄くしてライニングされていること
を特徴とする。
【0013】更に、本発明が提供する第3の横型転炉
は、上記第1の及び第2の横型転炉を併用したものであ
って、羽口の炉内開口部から離れた炉底部の耐火煉瓦
が、羽口の炉内開口部周辺の耐火煉瓦よりも厚みを薄く
してライニングされていると同時に、炉体の軸中心から
炉口の炉内開口部の羽口側における耐火煉瓦までの半径
が、炉口の炉内開口部の羽口と反対側における耐火煉瓦
までの半径よりも小さくなるように、羽口の炉内開口部
から炉口の炉内開口部に向けて耐火煉瓦が徐々に厚くラ
イニングされていることを特徴とするものである。
は、上記第1の及び第2の横型転炉を併用したものであ
って、羽口の炉内開口部から離れた炉底部の耐火煉瓦
が、羽口の炉内開口部周辺の耐火煉瓦よりも厚みを薄く
してライニングされていると同時に、炉体の軸中心から
炉口の炉内開口部の羽口側における耐火煉瓦までの半径
が、炉口の炉内開口部の羽口と反対側における耐火煉瓦
までの半径よりも小さくなるように、羽口の炉内開口部
から炉口の炉内開口部に向けて耐火煉瓦が徐々に厚くラ
イニングされていることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明における第1の横型転炉で
は、従来のごとく炉内の全ての耐火煉瓦を一律の厚さに
するのではなく、炉口の炉内開口部の羽口側における耐
火煉瓦を反対側よりも厚くして炉体の軸中心側に突き出
すようにライニングし、即ち炉体の軸中心から炉口の炉
内開口部の羽口側における耐火煉瓦までの半径を、炉口
の炉内開口部の羽口と反対側における耐火煉瓦までの半
径よりも小さくしてある。ただし、羽口の炉内開口部か
ら炉口の炉内開口部にかけての耐火煉瓦を一律に厚くす
るのではなく、羽口の炉内開口部から炉口の炉内開口部
に向けて徐々に耐火煉瓦を厚くする。
は、従来のごとく炉内の全ての耐火煉瓦を一律の厚さに
するのではなく、炉口の炉内開口部の羽口側における耐
火煉瓦を反対側よりも厚くして炉体の軸中心側に突き出
すようにライニングし、即ち炉体の軸中心から炉口の炉
内開口部の羽口側における耐火煉瓦までの半径を、炉口
の炉内開口部の羽口と反対側における耐火煉瓦までの半
径よりも小さくしてある。ただし、羽口の炉内開口部か
ら炉口の炉内開口部にかけての耐火煉瓦を一律に厚くす
るのではなく、羽口の炉内開口部から炉口の炉内開口部
に向けて徐々に耐火煉瓦を厚くする。
【0015】実際の炉内の築炉にあたっては、例えば図
3に示すように、羽口4の炉内開口部近傍の耐火煉瓦は
他の部分と同じく従来の耐火煉瓦3を使用し、羽口4の
炉内開口部の上部から炉口2の炉内開口部にかけての耐
火煉瓦は異形の耐火煉瓦3aを用いることで、羽口4の
炉内開口部から炉口2の炉内開口部に向けて耐火煉瓦層
の表面が滑らかな円弧を描くようにライニングすること
が好ましい。
3に示すように、羽口4の炉内開口部近傍の耐火煉瓦は
他の部分と同じく従来の耐火煉瓦3を使用し、羽口4の
炉内開口部の上部から炉口2の炉内開口部にかけての耐
火煉瓦は異形の耐火煉瓦3aを用いることで、羽口4の
炉内開口部から炉口2の炉内開口部に向けて耐火煉瓦層
の表面が滑らかな円弧を描くようにライニングすること
が好ましい。
【0016】また、別のライニング方法として、例えば
図4に示すように、羽口4の炉内開口部から炉口2の炉
内開口部にかけて、幾つかの厚さ(長さ)の異なる耐火
煉瓦3bを数個づつ階層状に並べることも可能である。
このようにすれば、図3の方法に比べて異形の耐火煉瓦
の種類を削減することができるので、経済的に有利であ
る。尚、図4のように階段状に耐火煉瓦をライニングす
る場合、それぞれの段差は10〜50mmの範囲とする
ことが好ましく、段差が50mmを超えると煉瓦にスポ
ーリングが生じ易くなる。
図4に示すように、羽口4の炉内開口部から炉口2の炉
内開口部にかけて、幾つかの厚さ(長さ)の異なる耐火
煉瓦3bを数個づつ階層状に並べることも可能である。
このようにすれば、図3の方法に比べて異形の耐火煉瓦
の種類を削減することができるので、経済的に有利であ
る。尚、図4のように階段状に耐火煉瓦をライニングす
る場合、それぞれの段差は10〜50mmの範囲とする
ことが好ましく、段差が50mmを超えると煉瓦にスポ
ーリングが生じ易くなる。
【0017】このようにライニングすることにより、本
発明の第1の横型転炉では、図3及び図4に示すよう
に、炉体の軸中心から炉口2の炉内開口部の羽口4側に
おける耐火煉瓦までの半径r1を、炉口2の炉内開口部
の羽口4と反対側における耐火煉瓦までの半径r2より
も小さくすることができる。換言すれば、羽口4の炉内
開口部の上部から炉口2の炉内開口部にかけての耐火煉
瓦層の曲率半径が、同じ厚さの耐火煉瓦を用いた場合の
曲率半径(1点鎖線で示す)よりも小さくなる。その結
果、送風機の能力増強などにより羽口4からの単位送風
量を増加させた場合でも、炉口2から炉外への熔体の飛
散を少なく抑えることが可能となる。
発明の第1の横型転炉では、図3及び図4に示すよう
に、炉体の軸中心から炉口2の炉内開口部の羽口4側に
おける耐火煉瓦までの半径r1を、炉口2の炉内開口部
の羽口4と反対側における耐火煉瓦までの半径r2より
も小さくすることができる。換言すれば、羽口4の炉内
開口部の上部から炉口2の炉内開口部にかけての耐火煉
瓦層の曲率半径が、同じ厚さの耐火煉瓦を用いた場合の
曲率半径(1点鎖線で示す)よりも小さくなる。その結
果、送風機の能力増強などにより羽口4からの単位送風
量を増加させた場合でも、炉口2から炉外への熔体の飛
散を少なく抑えることが可能となる。
【0018】尚、上記第1の横型転炉において、羽口の
炉内開口部から炉口の炉内開口部に向けて徐々に耐火煉
瓦を厚くする範囲は、少なくとも長手方向において炉口
2の炉内開口部周辺から炉体の周方向に沿って羽口の炉
内開口部までの間であってもよいし、炉口2の炉内開口
部周辺から羽口の炉内開口部までの間で炉体の長手方向
全長にわたって耐火煉瓦を厚くしてもよい。
炉内開口部から炉口の炉内開口部に向けて徐々に耐火煉
瓦を厚くする範囲は、少なくとも長手方向において炉口
2の炉内開口部周辺から炉体の周方向に沿って羽口の炉
内開口部までの間であってもよいし、炉口2の炉内開口
部周辺から羽口の炉内開口部までの間で炉体の長手方向
全長にわたって耐火煉瓦を厚くしてもよい。
【0019】本発明の第2の横型転炉では、従来のごと
く炉内の全ての耐火煉瓦を一律の厚さにするのではな
く、羽口の炉内開口部から離れた炉底部の耐火煉瓦の厚
みを、羽口の開口部周辺の耐火煉瓦よりも薄くしてあ
る。例えば図5に示すように、羽口4の炉内開口部周辺
の耐火煉瓦及び炉底部以外の耐火煉瓦は従来の耐火煉瓦
3を使用する一方、羽口4の炉内開口部から離れた炉底
部の耐火煉瓦は他の耐火煉瓦3よりも短寸の耐火煉瓦3
cを用いてライニングする。
く炉内の全ての耐火煉瓦を一律の厚さにするのではな
く、羽口の炉内開口部から離れた炉底部の耐火煉瓦の厚
みを、羽口の開口部周辺の耐火煉瓦よりも薄くしてあ
る。例えば図5に示すように、羽口4の炉内開口部周辺
の耐火煉瓦及び炉底部以外の耐火煉瓦は従来の耐火煉瓦
3を使用する一方、羽口4の炉内開口部から離れた炉底
部の耐火煉瓦は他の耐火煉瓦3よりも短寸の耐火煉瓦3
cを用いてライニングする。
【0020】尚、この場合、羽口4の炉内開口部から離
れた炉底部における短寸の耐火煉瓦3cとしては、他の
耐火煉瓦3よりも薄い1種類のみを用いて単一の曲率半
径となるように滑らかにライニングしてもよいし、2種
類以上を用いて階段状にライニングすることもできる。
ただし、階段状に耐火煉瓦をライニングする場合、その
段差が50mmを超えると煉瓦にスポーリングが生じ易
くなるため、それぞれの段差は10〜50mmの範囲内
とすることが好ましい。
れた炉底部における短寸の耐火煉瓦3cとしては、他の
耐火煉瓦3よりも薄い1種類のみを用いて単一の曲率半
径となるように滑らかにライニングしてもよいし、2種
類以上を用いて階段状にライニングすることもできる。
ただし、階段状に耐火煉瓦をライニングする場合、その
段差が50mmを超えると煉瓦にスポーリングが生じ易
くなるため、それぞれの段差は10〜50mmの範囲内
とすることが好ましい。
【0021】また、操業中に炉内の耐火煉瓦には損耗が
生じるため、炉底部にライニングする短寸の耐火煉瓦3
cの寸法を選択する必要がある。実操業上は、最も損傷
が激しい羽口4付近の耐火煉瓦の損耗に応じて煉瓦の補
修を行うこととなるが、炉底部にライニングする短寸の
耐火煉瓦3cとしては、最も損傷が激しい羽口4付近の
耐火煉瓦の補修頻度の2分の1以下、即ち羽口4付近の
耐火煉瓦の補修2〜3回に対して1度の頻度で補修を行
うような寸法(厚さ)の耐火煉瓦3cを選択するのが経
済的である。
生じるため、炉底部にライニングする短寸の耐火煉瓦3
cの寸法を選択する必要がある。実操業上は、最も損傷
が激しい羽口4付近の耐火煉瓦の損耗に応じて煉瓦の補
修を行うこととなるが、炉底部にライニングする短寸の
耐火煉瓦3cとしては、最も損傷が激しい羽口4付近の
耐火煉瓦の補修頻度の2分の1以下、即ち羽口4付近の
耐火煉瓦の補修2〜3回に対して1度の頻度で補修を行
うような寸法(厚さ)の耐火煉瓦3cを選択するのが経
済的である。
【0022】このようにライニングすることにより、本
発明の第2の横型転炉では、図5に示すように、同一量
の熔体7を装入したとき、全て同じ厚さの耐火煉瓦を用
いた従来の転炉における溶体7の液面レベル7bに比べ
て、熔体7の液面レベル7aが低下するため、既存の送
風機の能力を増強させることなく単位送風量を増加させ
ることが可能であり、その場合でも炉口2から炉外への
熔体7の飛散を少なく抑えることができる。
発明の第2の横型転炉では、図5に示すように、同一量
の熔体7を装入したとき、全て同じ厚さの耐火煉瓦を用
いた従来の転炉における溶体7の液面レベル7bに比べ
て、熔体7の液面レベル7aが低下するため、既存の送
風機の能力を増強させることなく単位送風量を増加させ
ることが可能であり、その場合でも炉口2から炉外への
熔体7の飛散を少なく抑えることができる。
【0023】尚、上記第2の横型転炉においては、耐火
煉瓦を短寸とする(薄くする)範囲は、羽口4の炉内開
口部周辺以外の耐火煉瓦を全て短寸としても良いし、羽
口4の炉内開口部周辺及び羽口4の対面部等の吹錬中に
熔体7が接触しない部分の耐火煉瓦は短寸とせず、吹錬
中に熔体7と接触する部分のみ短寸としてもよい。
煉瓦を短寸とする(薄くする)範囲は、羽口4の炉内開
口部周辺以外の耐火煉瓦を全て短寸としても良いし、羽
口4の炉内開口部周辺及び羽口4の対面部等の吹錬中に
熔体7が接触しない部分の耐火煉瓦は短寸とせず、吹錬
中に熔体7と接触する部分のみ短寸としてもよい。
【0024】
【実施例】実施例1
従来と同じ形状の鋼鉄製のシェルを用い、このシェルの
内側に耐火煉瓦を用いて炉体を築炉する際に、図4に示
すように、羽口4の炉内開口部近傍は従来用いていた耐
火煉瓦3を使用したが、羽口4の炉内開口部上部から炉
口2の炉内開口部に向かって階層状に耐火煉瓦3bが厚
くなるようにライニングした。
内側に耐火煉瓦を用いて炉体を築炉する際に、図4に示
すように、羽口4の炉内開口部近傍は従来用いていた耐
火煉瓦3を使用したが、羽口4の炉内開口部上部から炉
口2の炉内開口部に向かって階層状に耐火煉瓦3bが厚
くなるようにライニングした。
【0025】具体的には、羽口4の炉内開口部近傍にお
ける耐火煉瓦3の厚みは通常の400mmとし、厚さが
425mm、450mm、475mmからなる3種類の
厚さの異なる耐火煉瓦3bを用いて、それぞれの段差が
25mmの段差となるようにライニングして、炉口2の
炉内開口部の羽口4側における耐火煉瓦の厚みを475
mmとした。このとき、炉体の軸中心から炉口2の炉内
開口部の羽口4側における耐火煉瓦までの半径r1は、
炉口2の炉内開口部の羽口4と反対側における耐火煉瓦
までの半径r2よりも約10%短くなった。
ける耐火煉瓦3の厚みは通常の400mmとし、厚さが
425mm、450mm、475mmからなる3種類の
厚さの異なる耐火煉瓦3bを用いて、それぞれの段差が
25mmの段差となるようにライニングして、炉口2の
炉内開口部の羽口4側における耐火煉瓦の厚みを475
mmとした。このとき、炉体の軸中心から炉口2の炉内
開口部の羽口4側における耐火煉瓦までの半径r1は、
炉口2の炉内開口部の羽口4と反対側における耐火煉瓦
までの半径r2よりも約10%短くなった。
【0026】上記の構造となるように築炉した銅製錬用
の横型転炉に、銅自熔炉で産出された通常量のカワをレ
ードルで炉口2から装入し、羽口4から酸化反応用の空
気を単位送風量を通常よりも3%増加して吹き込みなが
ら酸化製錬した場合でも、炉口2からの熔体の飛散は殆
ど発生することがなかった。
の横型転炉に、銅自熔炉で産出された通常量のカワをレ
ードルで炉口2から装入し、羽口4から酸化反応用の空
気を単位送風量を通常よりも3%増加して吹き込みなが
ら酸化製錬した場合でも、炉口2からの熔体の飛散は殆
ど発生することがなかった。
【0027】実施例2
従来と同じ形状の鋼鉄製のシェルを用い、このシェルの
内側に耐火煉瓦を用いて炉体を築炉する際に、図5に示
すように、羽口4の炉内開口部近傍は従来用いていた耐
火煉瓦3を使用したが、羽口4から離れた炉底部は従来
用いていた耐火煉瓦3よりも短寸の耐火煉瓦3cを用い
てライニングした。
内側に耐火煉瓦を用いて炉体を築炉する際に、図5に示
すように、羽口4の炉内開口部近傍は従来用いていた耐
火煉瓦3を使用したが、羽口4から離れた炉底部は従来
用いていた耐火煉瓦3よりも短寸の耐火煉瓦3cを用い
てライニングした。
【0028】具体的には、羽口4の炉内開口部近傍にお
ける耐火煉瓦3の厚みは通常の470mmとし、羽口4
の炉内開口部から離れた炉底部においては、厚みが42
0mmと370mmの2種類からなる短寸の耐火煉瓦3
cを用いて、それぞれの段差が50mmとなるように階
段状にライニングした。
ける耐火煉瓦3の厚みは通常の470mmとし、羽口4
の炉内開口部から離れた炉底部においては、厚みが42
0mmと370mmの2種類からなる短寸の耐火煉瓦3
cを用いて、それぞれの段差が50mmとなるように階
段状にライニングした。
【0029】上記の構造となるように築炉した銅製錬用
の横型転炉では、銅自熔炉で産出された通常量のカワを
レードルで炉口2から装入したところ、全て同じ厚さの
耐火煉瓦で築炉した従来の横型転炉に比べて熔体7の液
面レベルが約5%下がった。また、羽口4にかかる圧力
が5%減少し、送風機の能力を上げずに酸化反応用空気
の単位送風量を通常よりも3%増加させることができ
た。更に、単位送風量を通常よりも3%増加して羽口4
から酸化反応用の空気を吹き込んだ場合でも、炉口2か
らの熔体7の飛散は殆ど発生することがなかった。
の横型転炉では、銅自熔炉で産出された通常量のカワを
レードルで炉口2から装入したところ、全て同じ厚さの
耐火煉瓦で築炉した従来の横型転炉に比べて熔体7の液
面レベルが約5%下がった。また、羽口4にかかる圧力
が5%減少し、送風機の能力を上げずに酸化反応用空気
の単位送風量を通常よりも3%増加させることができ
た。更に、単位送風量を通常よりも3%増加して羽口4
から酸化反応用の空気を吹き込んだ場合でも、炉口2か
らの熔体7の飛散は殆ど発生することがなかった。
【0030】
【発明の効果】本発明の第1の横型転炉によれば、単位
送風量を増加させた場合でも、炉口から炉外への熔体の
飛散を少なく抑えることが可能である。また、本発明の
第2の横型転炉では、既存の送風機の能力を上昇させる
ことなく単位送風量を増加させると共に、単位送風量を
増加させても炉口から炉外への熔体の飛散を少なく抑え
ることができる。
送風量を増加させた場合でも、炉口から炉外への熔体の
飛散を少なく抑えることが可能である。また、本発明の
第2の横型転炉では、既存の送風機の能力を上昇させる
ことなく単位送風量を増加させると共に、単位送風量を
増加させても炉口から炉外への熔体の飛散を少なく抑え
ることができる。
【0031】従って、本発明によれば、炉口から炉外へ
熔体の飛散を起こすことなく、羽口から吹き込む酸化反
応用の空気などの単位送風量を増加させることができる
ので、羽口の位置の変更などの設備改造を必要とせず
に、横型転炉の生産能力を一層増強させることができ
る。
熔体の飛散を起こすことなく、羽口から吹き込む酸化反
応用の空気などの単位送風量を増加させることができる
ので、羽口の位置の変更などの設備改造を必要とせず
に、横型転炉の生産能力を一層増強させることができ
る。
【図1】従来の横型転炉の概略を示す正面図である。
【図2】従来の横型転炉の概略を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の横型転炉における煉瓦積みの一
具体例を示す概略の断面図である。
具体例を示す概略の断面図である。
【図4】本発明の第1の横型転炉における煉瓦積みの別
の具体例を示す概略の断面図である。
の具体例を示す概略の断面図である。
【図5】本発明の第2の横型転炉における煉瓦積みの一
具体例を示す概略の断面図である。
具体例を示す概略の断面図である。
1 シェル
2 炉口
3 耐火煉瓦
3a 異形の耐火煉瓦
3b 厚さの異なる耐火煉瓦
3c 短寸の耐火煉瓦
4 羽口
5 ローラー
6 タイヤ
7 熔体
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 永井 克彦
愛媛県新居浜市西原町3−5−3 住友金
属鉱山株式会社別子事業所内
Claims (3)
- 【請求項1】 炉体の上部から外側に突き出た炉口と、
この炉口と炉底部との間で炉体の長手方向に沿い炉壁を
貫通して設けた複数の羽口と、炉体内側にライニングさ
れた耐火煉瓦とを備える横型転炉であって、炉体の軸中
心から炉口の炉内開口部の羽口側における耐火煉瓦まで
の半径が、炉口の炉内開口部の羽口と反対側における耐
火煉瓦までの半径よりも小さくなるように、羽口の炉内
開口部から炉口の炉内開口部に向けて耐火煉瓦が徐々に
厚くライニングされていることを特徴とする横型転炉。 - 【請求項2】 炉体の上部から外側に突き出た炉口と、
この炉口と炉底部との間で炉体の長手方向に沿い炉壁を
貫通して設けた複数の羽口と、炉体内側にライニングさ
れた耐火煉瓦とを備える横型転炉であって、羽口の炉内
開口部から離れた炉底部の耐火煉瓦が、羽口の炉内開口
部周辺の耐火煉瓦よりも厚みを薄くしてライニングされ
ていることを特徴とする横型転炉。 - 【請求項3】 炉体の軸中心から炉口の炉内開口部の羽
口側における耐火煉瓦までの半径が、炉口の炉内開口部
の羽口と反対側における耐火煉瓦までの半径よりも小さ
くなるように、羽口の炉内開口部から炉口の炉内開口部
に向けて耐火煉瓦が徐々に厚くライニングされているこ
とを特徴とする、請求項2に記載の横型転炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001254038A JP2003065680A (ja) | 2001-08-24 | 2001-08-24 | 横型転炉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001254038A JP2003065680A (ja) | 2001-08-24 | 2001-08-24 | 横型転炉 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003065680A true JP2003065680A (ja) | 2003-03-05 |
Family
ID=19082254
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001254038A Pending JP2003065680A (ja) | 2001-08-24 | 2001-08-24 | 横型転炉 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003065680A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111979428A (zh) * | 2020-09-16 | 2020-11-24 | 金川集团股份有限公司 | 一种卧式转炉炉口区域内衬双拱砌筑结构 |
CN112066733A (zh) * | 2020-09-16 | 2020-12-11 | 金川集团股份有限公司 | 一种卧式转炉炉口区域内衬过渡组合结构 |
-
2001
- 2001-08-24 JP JP2001254038A patent/JP2003065680A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111979428A (zh) * | 2020-09-16 | 2020-11-24 | 金川集团股份有限公司 | 一种卧式转炉炉口区域内衬双拱砌筑结构 |
CN112066733A (zh) * | 2020-09-16 | 2020-12-11 | 金川集团股份有限公司 | 一种卧式转炉炉口区域内衬过渡组合结构 |
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