JP2003065351A - 軸部材の接合構造 - Google Patents
軸部材の接合構造Info
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Abstract
出力軸ヨークとの摩擦溶接の接合強度の低下を防止する
ことができる。 【解決手段】 内部中空状の円筒状出力軸13の一端部
13aと、出力軸ヨーク14の平坦な基端部20とを摩
擦溶接によって接合する軸部材の接合構造である。前記
出力軸は、内周面にセレーション19が形成されている
と共に、溶接側の一端部の内周面にセレーション19を
ざぐり加工によって円環状の非形成部25を形成した。
これによって、出力軸の一端部と出力軸ヨークの基端部
20外面との溶接時に発生するカール28の円周方向の
肉厚を均一にすることができることから、接合強度の低
下を防止できる。
Description
伝達機構に適用される自在継手などの構成要素である軸
部材とヨーク部材とを摩擦溶接により接合する接合構造
に関する。
や、変速機から終減速装置までの動力伝達機構には、フ
ック式(カルダン式)やダブルカルダン式などの各種の
自在継手が用いられており、その1つとして、例えば特
開平4−113027号公報に記載されたものがある。
の軸部材(セレーション軸)と自在継手のヨーク部材と
の接合に適用されたもので、軸部材は、金属材で内部中
空状に形成されていると共に、その外周面全体に複数の
セレーションが軸方向に沿って形成されている。一方、
ヨーク部材は、同じく金属材で成形され、前記軸部材と
接合されるほぼ円柱状の基端部と、該基端部の一端部に
ほぼU字形状に一体に突設されたヨーク部とから構成さ
れている。
には、溶接機の基台に固定されたヨーク部の基端部に軸
方向から前記軸部材の一端部を突き当てて、該軸部材を
軸方向から所定の圧力トルクで押圧しながら回転させる
ことによって、軸部材とヨーク部材とを摩擦溶接によっ
て結合するようになっている。
へ固定用孔を形成したり、ボルトの締め付けによる基端
部の縮径性を確保するためのスリットなどの形成が不要
になるなどの作用効果が得られる。
来の軸部材は、外周面に形成されたセレーションが前記
一端部の溶接箇所にも形成されているため、軸方向ヨー
ク部材との摩擦溶接時に該溶接箇所に連続して発生する
いわゆるカールの肉厚が変化して、溶接強度が低下して
しまうおそれがある。
円周方向の肉厚が波形状に変化しているため、摩擦溶接
時に、このセレーション部位が溶けて外側へカールした
際に、そのカールの肉厚も変化し、つまり溶接箇所の肉
厚が円周方向に沿って大小変化してしまうのである。こ
のため、かかる溶接箇所での肉厚変化によって、溶接強
度が低下してしまう。特に、かかる溶接方法を入力荷重
の大きな車両のプロペラシャフトの自在継手に適用した
場合には、前記溶接箇所の強度低下によって自在継手の
耐久性が低下してしまうおそれがある。
カールの円周方向の肉厚変化が発生せずに、溶接部の強
度低下を防止し得る軸部材の接合構造を提供することを
目的としている。
は、内外周面の少なくともいずれか一方にセレーション
が形成された軸部材の一端部を、被接合部材に対して摩
擦溶接により接合してなる軸部材の接合構造において、
前記軸部材一端部側の摩擦溶接による溶融箇所に、前記
セレーションの非形成部を形成したことを特徴としてい
る。
い非形成部によって摩擦溶接時における溶接箇所の円周
方向の肉厚を均一にすることができることから、軸部材
と被接合部材との接合強度の低下を防止できる。
体を中空円筒状に形成すると共に、該軸部材の内周面に
前記セレーションを形成し、前記一端部の内周面のセレ
ーション箇所に、ざぐり加工によって前記非形成部を形
成したことを特徴としている。
端部に拡径部を設ける共に、該拡径部の内周面に前記非
形成部を形成したことを特徴としている。
周にダストカバーを取り付けたことを特徴としている。
合構造の各実施形態を図面に基づいて詳述する。この各
実施形態では、車両のエンジンの駆動力を変速機から終
減速装置に伝達するプロペラシャフトの自在継手に適用
したものを示している。
明すると、これはフック式継手であって、変速機側の入
力軸11の一端部に、入力軸ヨーク12が設けられてい
る一方、終減速装置側の軸部材である出力軸13の一端
部に、前記入力軸ヨーク12と対向する被接合部材であ
る出力軸ヨーク14が設けられている。また、前記入力
軸ヨーク12と出力軸ヨーク14との間には、十字軸1
5が各ニードルベアリング16、17を介して回動自在
に介装されている。
れ、縮径状の一端部11aが摩擦溶接によって入力軸ヨ
ーク12の基端部12aに接合されている。
ス成形によってほぼU字形状に折曲形成され、前記基端
部12aの両端縁から折曲された各連結用フランジ部1
2b、12bに保持孔18、18がそれぞれ貫通形成さ
れている。
内部中空状の円筒状に形成され、内周面にはセレーショ
ン19が軸方向に沿って形成され、この内周面にシャフ
ト10がその外周に形成されたセレーションと嵌合して
シャフト10が連結されるようになっている。
すように、薄型鋼板によってプレス成形によってほぼU
字形状に折曲形成され、ほぼ平坦な基端部20と、該基
端部20の両端縁に一体に設けられた一対の連結用フラ
ンジ部21、21とから構成され、この各フランジ部2
1,21にそれぞれ保持孔22、22が穿設されてい
る。
の交点部15aを中心とした90°位置に4つの先端軸
15bが一体に突設されていると共に、該各先端軸15
bには前記各保持孔18,22に挿通保持される前記ニ
ードルベアリング16,17が取り付けられている。前
記各先端軸15bは、交点部15a側の基端部に円環状
のフランジ部15cが一体に形成されていると共に、先
端面の中央位置に円形状の突起15dが一体に設けられ
ている。
宜上、出力軸ヨーク13側のものについて説明すれば、
図4に示すように、前記各保持孔22内に挿通保持され
るほぼ有底円筒状のベアリングカップ23と、該ベアリ
ングカップ23の内周面と前記十字軸15の先端軸15
bとの間に介装された複数のニードルローラ24とから
構成されている。
うに、溶接される側の一端部13aの内周面にセレーシ
ョン19が形成されない非形成部25が形成されている
一方、他端部13bの外周面にテーパ部26が形成され
ていると共に、その内周面にシャフトの良好な挿通性を
確保するために、円環状のざぐり部27が形成されてい
る。
形成されている内周面をざぐり加工によってほぼ円環状
に形成されてなり、その軸方向の長さLが適宜溶接量に
応じて設定され、、この実施形態では約6mmに設定さ
れている。したがって、この非形成部25の形成部位
は、その厚さが他の部位に比較して薄肉円筒状に形成さ
れている。
軸13と出力軸ヨーク14とを摩擦溶接するには、ま
ず、溶接機に固定された出力軸ヨーク14の基端部20
外面に、前記出力軸13の一端部13aの先端縁13c
を当接し、その後、該出力軸13を他端部13b側から
軸方向へ所定トルクで押圧しつつ回転させる。これによ
って、図2〜図3に示すように、前記出力軸一端部13
aの先端縁が摩擦熱によって溶けてカール28内外に発
生して溶接される。このとき、該一端部13aには、非
形成部25が形成されていることから、円周方向の溶接
箇所(カール28)ではセレーション19による肉厚変
化がなくなり、円周方向の肉厚が全体的に均一厚にな
る。
低下が防止されて、十分な接合強度が確保される。この
結果、自在継手の耐久性を向上させることができる。
形成したため、その成形作業が極めて容易になる。
し、出力軸13の一端部13aに拡径部30を形成し、
該拡径部30の内周面に非形成部31を形成したもので
ある。
形態と同様に中空円筒状を呈する均一径の本体の内周面
に、セレーション19が形成され、該本体の一端部13
aに前記拡径部30が一体に設けられている。この拡径
部30は、ほぼ大径な円筒状に形成され、外周面30a
がほぼ平坦な円形面に形成され、その内周面にはセレー
ション19のない非形成部31が形成されている。この
非形成部31は、第1の実施形態と同じく、内周面を切
削加工して平坦状に形成され、その軸方向の長さLが溶
接量に応じて設定されていると共に、この非形成部31
の形成部位の厚さ幅が薄肉に形成されている。
4との溶接時には、非形成部31の存在によって溶接箇
所の円周方向の肉厚が均一になることから、この実施形
態も第1の実施形態と同様な作用効果が得られる。
14の基端部20に対する溶接面積が大きくなることか
ら、接合強度を前記均一厚と相俟ってさらに高くするこ
とができる。
示すように、ダストカバー32の取付座面として利用す
ることが可能になる。つまり、前記拡径部30は、前述
のように、その外周面30aが平坦な円形面に形成され
ている一方、前記ダストカバー32は、ほぼ円筒状を呈
し、その軸方向の長さが出力軸13の約半分程度に設定
されていると共に、一端部32aが縮径状に形成され
て、前記拡径部30の外周面30aに嵌合固定されてい
る。
軸13と前記シャフト10と間へのゴミなどの侵入が防
止されると共に、拡径部30をダストカバー32の取付
座面として有効利用することができることから、ダスト
カバー32を取り付けるための特別な部材が不要になる
とともに、ダストカバー32の取付作業が容易になる。
れるものではなく、例えば非形成部が形成された部位の
肉厚を溶接の態様によって最適な厚さに設定することが
できる。また、軸部材の外周面にセレーションが形成さ
れているものにも適用できると共に、適用対象として自
在継手ばかりではなく、その他の装置などに用いられる
軸部材の摩擦溶接に適用することも可能である。
に記載の発明によれば、軸部材の摩擦溶接側の一端部に
セレーションのない非形成部を形成したことから、被接
合部材との溶接時における溶接箇所の肉厚が均一にな
り、被接合部材との接合強度の低下が防止されて、十分
な接合強度が得られる。
の発明の作用効果に加えて、非形成部を、セレーション
箇所にざぐり加工によって形成したため、その成形作業
が容易になる。
拡径部によって被接合部材との溶接面積が大きくなるこ
とから、前記非形成部の存在と相俟って接合強度が一層
高くなる。
ダストカバーの取付座面として利用することにより、他
の取付部材が不要になると共に、ダストカバーの取付性
が良好になる。
部断面して示す正面図。
図。
図。
断面図。
て示す正面図。
図。
図。
断面して示す正面図。
断面して示す側面図。
Claims (4)
- 【請求項1】 内外周面の少なくともいずれか一方にセ
レーションが形成された軸部材の一端部を、被接合部材
に対して摩擦溶接により接合してなる軸部材の接合構造
において、 前記軸部材一端部側の摩擦溶接による溶融箇所に、前記
セレーションの非形成部を形成したことを特徴とする軸
部材の接合構造。 - 【請求項2】 前記軸部材の全体を中空円筒状に形成す
ると共に、該軸部材の内周面に前記セレーションを形成
し、前記一端部の内周面のセレーション箇所に、ざぐり
加工によって前記非形成部を形成したことを特徴とする
請求項1に記載の軸部材の接合構造。 - 【請求項3】 前記軸部材の一端部に拡径部を設ける共
に、該拡径部の内周面に前記非形成部を形成したことを
特徴とする請求項1または2に記載の軸部材の接合構
造。 - 【請求項4】 前記拡径部の外周にダストカバーを取り
付けたことを特徴とする請求項3に記載の軸部材の接合
構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001258852A JP2003065351A (ja) | 2001-08-29 | 2001-08-29 | 軸部材の接合構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001258852A JP2003065351A (ja) | 2001-08-29 | 2001-08-29 | 軸部材の接合構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003065351A true JP2003065351A (ja) | 2003-03-05 |
Family
ID=19086305
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001258852A Pending JP2003065351A (ja) | 2001-08-29 | 2001-08-29 | 軸部材の接合構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003065351A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014098087A1 (ja) * | 2012-12-18 | 2014-06-26 | 株式会社山田製作所 | ヨークとシャフトの接合構造及びその接合方法 |
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JP2019138417A (ja) * | 2018-02-14 | 2019-08-22 | 自動車部品工業株式会社 | カップリング装置 |
-
2001
- 2001-08-29 JP JP2001258852A patent/JP2003065351A/ja active Pending
Cited By (6)
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