JP2003064466A - 歯切り工具及びその表面改質方法 - Google Patents

歯切り工具及びその表面改質方法

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JP2003064466A
JP2003064466A JP2001250632A JP2001250632A JP2003064466A JP 2003064466 A JP2003064466 A JP 2003064466A JP 2001250632 A JP2001250632 A JP 2001250632A JP 2001250632 A JP2001250632 A JP 2001250632A JP 2003064466 A JP2003064466 A JP 2003064466A
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cutting tool
gear cutting
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temperature
shaving cutter
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Mitsutoshi Sato
満敏 佐藤
Hiroyuki Suma
浩之 須摩
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NDK Inc
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Nihon Denshi Kogyo KK
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  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】最終仕上げの後、寸法精度維持及び寸法変化の
範囲内で、表面を改質し、後処理を不要とすることで、
製作コストを大幅に削減すること。 【解決手段】歯切り工具の表面改質処理において、歯切
り工具の表面に窒素拡散層のみを形成することを特徴と
するもので、シェービングカッタの被処理物を真空処理
炉で、セレーション溝ピッチの寸法変化が1μm以下の
寸法変化の基に、窒素拡散層のみを形成する窒化処理を
するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、歯車の加工に用いられ
る歯切り工具の表面改質処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】歯車の加工に用いられる歯切り工具、特
にシェービングカッタのようなセレーション溝を有する
歯切り工具において、その工具の耐磨耗性を向上させ寿
命を延長させる為に、工具の表面に硬化処理を施してい
る。例えば、従来より用いられている物理蒸着法(PV
D法)、特開昭55−146582号広報に記載の如
く、Ti、V、Cr、Nb、W、炭化物、窒化物層を被
覆する処理を行っていた。しかし、物理蒸着法(PVD
法)は、反応系内に設けた坩堝内にTi化合物を充填さ
せ、電子ビーム等による溶射を行い、Tiを原子サイズ
でコ−ティングする方法であるが、坩堝から放射状に蒸
発して指向性を有するので歯切り工具のセレーション溝
の底部には蒸着されるものの、溝の側面には蒸着しにく
いという欠点がある。また、これらの方法は、TiN−
TiCN等の被膜を密着及び炭化物・窒化物を被覆する
方法である為、精度の要求されるシェービングカッタに
は工数・寸法精度の維持が難しく上記処理後に仕上工程
が必要な場合が多い。即ち、シェービングカッタのセレ
ーションピッチの寸法精度及び寸法変化は1μm程度の
精度が要求される。この為、上記方法では、コストアッ
プにつながるケースが多く、再研磨のみ行い繰り返し使
用しているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】シェービングカッタの
ようなセレーション溝を有する歯切り工具は、熱処理
等、表面を改質等した後に、寸法を適切にする仕上げ処
理が必要であり、これがコストアップにつながってい
る。従って、最終仕上げの後、寸法精度維持及び寸法変
化の範囲内で、表面を改質できれば、後処理が不要とな
り、製作コストを大幅に削減することが出来る。そこ
で、本発明では、被処理材に精度維持及び寸法変化の範
囲内で、窒素拡散層のみを形成させるものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に基づく発明は、
歯切り工具の表面改質処理において、歯切り工具の表面
に窒素拡散層のみを形成することを特徴とするもので、
シェービングカッタの被処理物を真空処理炉で、セレー
ション溝ピッチの寸法変化が1μm以下の寸法変化の基
に、窒素拡散層のみを形成する窒化処理をするものであ
る。上記窒化処理は、例えば、処理温度370℃〜57
0℃で、NHが10〜50%、残部がHの処理ガス
で、処理時間5〜120分の温度保持工程で、シェービ
ングカッタの表面に対して0.001〜2.0mA/c
の電流密度のグロー放電を行い金属部材の表面をプ
ラズマ窒化処理を行う事が出来る。また、本発明の表面
改質処理において、窒化処理前に前記窒化処理の温度保
持工程の処理温度で、Hの処理ガス雰囲気でスパッタ
リングを行うことが好ましい。さらに、上記処理に加え
て、窒化処理後に拡散工程を行うこと、即ち前記窒化処
理の温度保持工程の処理温度で、Hの雰囲気で、窒化
保持時間の2〜3倍程度の拡散処理を行うものである。
そして、上記発明に基づく処理を行い改質を行ったこと
を特徴とするシェービングカッタである。
【0005】本発明は、上述のように、シェービングカ
ッタのセレーション溝に、窒素の拡散による表面硬化が
なされ、化合物層を形成することなく、シェービングカ
ッタのセレーション溝ピッチの寸法変化が1μm程度の
寸法変化に表面改質を行う事が出来る。シェービングカ
ッタのセレーションピッチの寸法精度及び寸法変化を満
足することが出来る。また、請求項2記載に記載のプラ
ズマ窒化を用い20μm以下の窒素拡散層を形成する条
件で処理すると、グロー放電を用いる真空下で、処理温
度も低い処理であることより、表面粗度も処理前とほと
んど変化が無く維持出来るので処理後そのまま使用する
ことが出来る。請求項3の記載の如く、窒化処理前に、
還元性ガスであるHの処理ガス雰囲気で被処理物表面
にスパッタリングを行うことにより被処理物表面の清浄
化及び活性化が行われNの浸入を適切にさせるもので
ある。更に、請求項4に記載の如く、温度保持工程に加
えて、温度保持工程の処理温度で、Hの雰囲気で、窒
化保持時間の2〜3倍程度の拡散工程を設けることで、
窒化された被処理物も窒素が内部に拡散し、その結果残
留応力が少なくなり、靭性が増すように作用する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を外熱
炉式プラズマ窒化装置で処理する実施の形態に基づき説
明するが、拡散層を形成させる他の方法で実施しても良
い。図1は、本実施例で使用した外熱炉式プラズマ窒化
装置は、真空チャンバー10の外壁に加熱ヒーター20
が設置され、チャンバー内部には直流電源21に接続さ
れた直流電極22が配置されている。そしてチャンバー
下部には排気管30が接続され、圧力調整用のバルブ3
1を介して真空ポンプ32に接続されている。チャンバ
ー10の上部に挿入された原料ガス供給用ノズルから、
ガス、NHガスがそれぞれマスフローコントロー
ラ33,34、バルブ35、36および導入管37を介
して真空チャンバー10内に供給される構造となってい
る。
【0007】次いで、上記装置によりシェービングカッ
タの処理工程を図2で説明する。被処理物であるシェー
ビングカッタ4の表面を清浄にして、チャンバー10内
の直流電極22上に配置し、次いで、チャンバー10の
上部に、バルブ36を開き原料ガス供給用ノズルから、
ガスをマスフローコントローラ33を介し導入管3
7を介して真空チャンバー10内に供給する。この状態
で、外壁の加熱ヒーター20で処理温度まで加熱を行う
昇温工程a(図2)を行う。ここで処理温度は、被処理
物の材質等に異なるが、例えば一般的なシェービングカ
ッタに用いる高速度鋼(SKH)では、処理温度510
℃±50程度が好ましい。これは、この範囲より、低い
温度では、適切な拡散層の生成は出来ないからであり、
この範囲より高い範囲では、製品の所定の範囲内の寸法
精度が維持できないからである。
【0008】次いで,Hガスをマスフローコントロー
ラ34を介して導入管37を介して真空チャンバー10
内に供給した状態で直流電源21を投入し、直流電極2
2上の被処理物のシェービングカッタ4の電流密度を調
整し、スパッタリング工程b(図2)を行う。ここでシ
ェービングカッタ4の表面はプラズマ状態の範囲となっ
ており被処理物表面の清浄化及び活性化が行われる。
【0009】次いで、バルブ36を開き、原料ガス供給
用ノズルから、NHガス及びHガスをチャンバー1
0内に供給する。この時、供給ガスの組成割合は、NH
が10〜50%、残部がHの処理ガスとなるように
マスフローコントローラ33、34で供給量を調整す
る。この状態で、直流電源21を投入し、直流電極22
上の被処理物のシェービングカッタ4の表面にグロー放
電を発生させ、この温度状態、ガス状態を保持するよう
に、シェービングカッタ4の表面の電流密度(グロー放
電の強さ)を調整し、表面温度を維持させる温度保持工
程c(図2)を行う。ここで、シェービングカッタ4の
表面は、プラズマ状態の範囲となっており、被処理物の
表面にプラズマ窒化処理が行なわれ、被処理物の表面近
傍に拡散層が生成される。上記温度保持工程cは、例え
ば、保持時間10〜50分程度設けている。ここで、保
持時間が10分以下では、十分な拡散層が生成されてお
らず、50以上では、拡散層生成に伴って、シェービン
グカッタ4の表面が、所定の寸法精度で維持できなくな
る恐れからである。
【0010】次に、上記温度保持工程cに続いて、拡散
工程d(図2)を設ける。拡散工程dは、バルブ36を
閉じ、NHガスの供給を停止し、Hガスのみをマス
フローコントローラ33を介し導入管37を介して真空
チャンバー10内に供給し、Hの雰囲気として前記温
度保持工程cの処理温度と同じ温度を保持した状態を保
つ工程である。そして、この拡散工程の継続時間は、前
記温度保持工程cの2〜3倍程度とする。温度保持工程
の処理時間にもよるが、一般的に2倍以下では、あまり
拡散が十分ではなく、これ以上では、効果が薄いからで
ある。 なお、この拡散工程での温度維持は、前記直流
電源21でグロー放電による加熱、外壁の加熱ヒーター
20によるものいずれでも良い。この拡散工程は、被処
理物内への、窒素の供給が無くなるが、被処理物内へ窒
化時と同様の温度を維持することで、窒素が処理物の内
部にさらに拡散し、その結果、残留応力が少なくなり、
靭性が増すことが出来る。なお、この拡散工程後、グロ
ー放電、加熱ヒーター20による加熱をやめ炉内でシェ
ービングカッタを冷却する。
【0011】図4は、上記図2で処理した、試料の表面
からの硬さ分布を調べたものであり、表面硬さが950
HV以上の硬さを得ることが出来た。そして、上記処理
をしたシェービングカッタを実際に使用した場合、未処
理物に対して、図3に示すように1.5倍以上の加工を
行えた。
【0012】
【発明の効果】本発明は上述のようにシェービングカッ
タのセレーション溝に、窒素の拡散による表面硬化がな
され、シェービングカッタのようなセレーション溝ピッ
チの寸法変化が少なく表面改質を行う事が出来る。ま
た、請求項2記載の条件で処理すると、グロー放電を用
いる真空で、処理温度も低い処理であることにより、表
面粗度も処理前とはとんど変化が無く、維持出来る。処
理後そのまま使用でき作業効率が高い。更に、請求項3
で記載の如く窒化前にHによるスパッタリング工程を
設けることによりシェービングカッタの清浄及び活性化
がなされ、Nの滲入を適切にさせるものである。更
に、請求項4に記載の如く、温度保持工程に加えて、温
度保持工程の処理温度で、Hガスの雰囲気で、拡散工
程を設けることで、靭性が増すことが出来寿命の延長を
図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する熱処理装置の一例を示す説明
図である。
【図2】本発明の処理工程を示す説明図である。
【図3】本発明をシェービングカッタの処理に適用した
場合の加工比較例を示す説明図である。
【図4】本発明の処理品の硬さ推移を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
10 真空チャンバー 20 加熱ヒーター 21 直流電源 22 直流電極 30 排気管 31 圧力調整用のバルブ 32 真空ポンプ 33、34 マスフローコントローラ 35,36 バルブ 4 シェービングカッタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C23F 4/00 C23F 4/00 A Fターム(参考) 3C025 GG03 4K028 AA02 BA02 BA12 4K057 DA01 DA05 DB02 DD01 DE20 DN10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】歯切り工具の表面改質処理において、歯切
    り工具の表面に窒素拡散層のみを形成することを特徴と
    する窒化処理方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の歯切り工具の表面改質処理
    において、プラズマ窒化を用い20μm以下の窒素拡散
    層を形成することを特徴とする歯切り工具の表面改質処
    理方法。
  3. 【請求項3】請求項1・2記載の歯切り工具の表面改質
    処理において、窒化処理前に水素ガスによるスパッタリ
    ングを行うことを特徴とする表面改質処理方法。
  4. 【請求項4】請求項1から3記載の歯切り工具の表面改
    質処理において、窒化処理後に拡散工程を行うことを特
    徴とする表面改質処理方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4記載の歯切り工具の表面改質
    方法により、表面改質したことを特徴とするシェービン
    グカッタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006213997A (ja) * 2005-02-07 2006-08-17 Honda Motor Co Ltd 鉄族系合金基材の窒化処理方法
CN117182195A (zh) * 2023-08-02 2023-12-08 杭州博野精密工具有限公司 一种锯片加工用高精度磨孔修齿一体机

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