JP2003062605A - 条鋼圧延用複合ロールおよび製造方法 - Google Patents

条鋼圧延用複合ロールおよび製造方法

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JP2003062605A
JP2003062605A JP2001254082A JP2001254082A JP2003062605A JP 2003062605 A JP2003062605 A JP 2003062605A JP 2001254082 A JP2001254082 A JP 2001254082A JP 2001254082 A JP2001254082 A JP 2001254082A JP 2003062605 A JP2003062605 A JP 2003062605A
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outer layer
composite
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speed steel
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Yoshio Katayama
善雄 片山
Atsushi Funakoshi
淳 船越
Hiroyuki Kimura
広之 木村
Takeru Morikawa
長 森川
Kazuhiko Hayashi
和彦 林
Tsunao Kawanaka
綱夫 川中
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Kubota Corp
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Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高速度鋼系合金でカリバーを形成し、耐摩耗性
・耐亀裂性に優れた条鋼圧延用複合ロールを得る。 【解決手段】この複合ロールは、ロール軸体(2)の表面
に設けた外層(3)の断面積比R(= S1/ S2)(S1:外層の断
面積,S2:軸体の断面積)がR≧1である積層体であっ
て、ロール軸体(2)はカリバーの凹凸形状に対応する軸
方向の複数個所に形設された、カリバーのフランジ高さ
を越えない円周突起(4)を有し、該円周突起のなす凹凸
部にカリバー形状に沿って高速度鋼系鋳造合金からなる
外層(3)が形成されている。ロール軸材(12)に円周突起
形成部材(14)と外層形成部材(13)とを交互に嵌装した部
材組付け体を拡散接合した後、カリバー加工、調質熱処
理等を施すことにより製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は条鋼圧延用ロールに
係り、詳しくは高速度鋼系合金層でカリバーを形成され
た複合ロールの安定性、特に熱衝撃等に対する亀裂抵抗
性を高め耐用寿命を改善するための複合構造の改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】条鋼圧延用ロールは、ロール周面にカリ
バーの凹凸を形成された上下一対のロールをもって構成
される。その耐摩耗性・耐用寿命の改善策として、図1
0に示すようにロール軸体(2)の胴部まわりに耐摩耗
性合金からなる外層(3’)を積層形成し、これに機械
加工を施して図11のように所要の凹凸形状に仕上げた
下ロール(1A)及び上ロール(1B)からなる複合ロール
が提案されている。
【0003】この複合ロールの外層(3’)は、耐摩耗
性合金溶湯をロール軸体のまわりに鋳込む肉盛鋳掛け法
(CPC法)により、あるいは耐摩耗性合金の円筒をロ
ール軸体に嵌合し、嵌合界面を拡散接合する方法等によ
り形成される。外層合金としてダクタイル鋳鉄や高クロ
ム合金鋼等が使用され、近時は高速度鋼系合金の適用も
試みられている。殊に、高速度鋼系合金は卓抜した高硬
度・摩耗抵抗性を有する材料であることから、条鋼圧延
用ロールの耐久性向上に対する顕著な効果が期待されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】条鋼圧延用複合ロール
は、大型サイズの条鋼圧延に使用されるものほど、外層
(3’)の層厚をカリバーの溝深さに対応して厚く設計
することが必要である。しかし、外層(3’)を高速度
鋼系合金で形成した複合ロールの場合、外層を厚くする
に伴ってロールの製造工程(調質熱処理過程等)や実機
使用過程で熱衝撃による亀裂を生じ易くなる。図12は
カリバー溝の側壁面(5)に発生するヒートクラック
(D)の形態を示している。ヒートクラック(D)はロ
ール径方向に略直交する向き(周方向)に伸びた形態を
呈し、その発生面域はカリバーの溝深さ方向の下半分域
に集中している。
【0005】通常圧延ロールの表面には圧縮の残留応力
が発生しているため、圧延応力以外の応力でヒートクラ
ックが進展することはないが、高速度鋼系合金のように
残留応力の高いロールに深いカリバー加工を施すと、カ
リバー側壁面の一部に引張りの残留応力が発生する。そ
の引張り残留応力によりヒートクラックが成長し、深い
位置まで進展して破壊に到る場合もある。この熱衝撃に
よる不具合の発生傾向は、外層の断面積比R(=S1/S2)
(S1:外層断面積,S2:ロール軸体断面積)がR≧1であ
るような厚い外層を設けた複合ロールにおいて顕著であ
る。
【0006】本発明は、上記に鑑み、外層を高速度鋼系
合金で形成した条鋼圧延用複合ロールの耐熱衝撃性を高
め、外層断面積比Rの大きい複合構造においてもヒート
クラックを生じ難く、高速度鋼系合金の材料特性に基づ
く耐久性改善効果を十分に発揮させることを可能にする
改良された複合構造を有する条鋼圧延用ロールを提供す
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の条鋼圧延用複合
ロールは、ロール軸体の表面に耐摩耗性合金からなる外
層を有し、外層の断面積比R≧1であって、ロール軸体
は、カリバーの凹凸形状に対応する軸方向の複数個所に
形設された、カリバーのフランジ高さを越えない円周突
起を有し、該円周突起のなす凹凸部にカリバー形状に沿
って高速度鋼系鋳造合金からなる外層が形成されている
複合構造を有する。外層の径方向断面積比Rは、外層
(3)の最大外径(カリバーのフランジ天面)とロール
軸体の周面に接する内径との間の径方向断面積(S1)と
ロール軸体(2)の径方向断面積(S2)の比(R=S1/S
2)として定義される(図3参照)。
【0008】本発明の複合ロールは、ロール軸体となる
円柱体に、外層形成部材である高速度鋼系合金の中空円
筒体(鋳造材)と円周突起形成部材である中空円筒体と
を軸方向に交互に嵌装し、これを熱間等方圧加圧処理
(HIP)に付し各部材同士の当接界面を拡散接合した
後、得られた複合体にカリバー加工を含む機械加工、調
質熱処理等を施すことにより製造される。
【0009】本発明の条鋼圧延用ロールの複合構造を従
来のそれとを対比すると、従来の複合構造(図10,図
11)の場合、ロール表面付近の軸方向及び周方向の残
留応力はカリバー加工により緩和解消されるが、溝底付
近はそのような応力緩和がなく、結果的に側壁面の下半
部領域に径方向の引張り残留応力(図12に示すヒート
クラックDの発生要因となる)が生じる。他方、本発明
の複合構造ではこのような現象がなく、半径方向の引張
り残留応力を付随せず、側壁面の下半部領域に径方向の
圧縮残留応力が発生する。その圧縮残留応力の導入効果
としてヒートクラック(D)の発生・成長が抑制防止さ
れる。
【0010】本発明の複合ロールにおける上記残留応力
の分布形態(半径方向の引張り残留応力がなく圧縮残留
応力を帯有)は、外層をカリバー形状に沿って形成して
いる(カリバーのフランジ内に円周突起4が介在してい
る)という複合構造の特異性に基づくものである。これ
により大型サイズの条鋼圧延に使用される外層断面積比
R(= S1/S2)の大きい複合ロールにおいても、ヒート
クラックの発生・成長が抑制防止されると共に、高速度
鋼系合金の材料特性が十分に発揮され、摩耗減肉の少な
い健全なカリバー形状が安定に維持される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について実施例を示
す図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の条
鋼圧延用複合ロールの軸方向断面を示している。この複
合ロールは、ロール軸体(2)の軸方向の複数個所に形
設された円周突起(4)の凹凸部に、高速度鋼系合金か
らなる外層(3)を形成した複合形態(溝と溝の間のフ
ランジ6に円周突起4が介在)を有している。
【0012】上記複合ロールにおける円周突起(4)
は、フランジ(6)の高さに等しい突出高さを有し、円
周突起(4)の外周面はフランジ(6)の天面を形成し
ている。このように円周突起(4)をフランジ(6)の
高さ方向に貫通させ、隣合う外層(3)(3)同士を円
周突起(4)で分断した構造とすることは、カリバー側
壁面(5)の残留応力の制御(引張り残留応力の解消と
圧縮残留応力の導入)にとって最も好ましいことであ
る。この複合ロールは、下ロール(1A)(フランジ6の
天面は被圧延材と接触しないので高耐摩耗性を必要とし
ない)として好適に使用される。
【0013】図2は、本発明複合ロールの他の例を示し
ている。この複合ロールは、図1のそれと同様にロール
軸体(2)の軸方向の複数個所に設けられた円周突起
(4)の凹凸に沿ってカリバー形状の外層(3)を形成
した複合構造を有しているが、図1の複合ロールとは凹
凸を反転した形態が与えられている。また円周突起
(4)の天面が高速度鋼系合金の外層(3)で被覆され
ている点において、図1の複合ロールと相違している。
この複合ロールは上ロール(1B)(そのフランジ6の天
面は被圧延材を押圧するので耐摩耗性が要求される)と
して好適である。
【0014】この上ロール(1B)(図2)についても、
残留応力の制御((側壁面の引張り残留応力の解消と圧
縮残留応力の導入)の点からは、前記図1のように円周
突起(4)がフランジ(6)の天面まで貫通した形態と
することが望ましいが、このロールのフランジ天面は圧
延使用面となるので、図示のようにフランジ(6)の天
面を高速度鋼系合金層(3)で被覆した形態とするのが
よい。ただし、引張り残留応力の発生が抑制回避される
ように、円周突起(4)の天面高さh(図4参照)は、
フランジ高さHの1/3より外側に突出する高さ(h/H
≧1/3)であるのが好ましい。より好ましくはh/H≧1
/2である。
【0015】外層(3)と円周突起(4)の境界面
(7)は、図5(1)(2)に例示されるように、垂直
面(同図(1))又は傾斜面(同図(2))等の形態が
与えられる。この境界面の形態は、後記のように複合ロ
ールを製作する際の部材組付け体(図6,図8)の外層
形成部材(13)(13,13)及び円周突起形成部材
(14)として、互いの側面を垂直面又は傾斜面等に成
形したものを使用することにより任意に調整することが
できる。
【0016】外層(3)を形成するは高速度鋼系合金は
鋳造材が適用される。耐摩耗性のみに注目すれば、鋳造
材よりも、高速度鋼系合金粉末をHIP処理して形成さ
れる高緻密質の焼結合金が有利であるが、HIP焼結合
金では条鋼圧延時に受ける熱衝撃に過敏なために、本発
明の複合構造に基づく耐ヒートクラック性の改善効果を
確保し難い。鋳造合金は、HIP焼結合金と異なって、
比較的粗粒の炭化物粒子(粒径約10μm以上)がマト
リックス中に分散した組織を有し、その分散相粒子が熱
亀裂の伝播を抑制するバリアーとして機能することによ
り上記不具合を回避することができ、本発明の複合構造
に基づくヒートクラック(D)(図12)の防止効果を
確保することが可能となる。
【0017】高速度鋼系合金はJIS G4403に規定された
各種高速度工具鋼を適用することができる。このほか、
重量%で、C:1.5〜3.5%,Si:0.3〜3.
5%,Mn:0.2〜0.6%,Cr:3〜8%,N
i:3%以下,Mo:3〜9%,W:5〜14%,C
o:14%以下、残部は実質的にFeからなる化学組
成、又はそのFeの一部が一定量のV,Ti,Nbで置
換された化学組成、すなわち上記諸元素と共にV,T
i,Nbの1種ないし2種以上の元素:11%以下(複
数含有の場合は合計量)を含有する化学組成を有する高
速度鋼系合金が好適に使用される。この場合、ロール外
層としての材質強度をより高める観点からC量は2.2
%以下(1.5〜2.2%)であるのがより好ましい。
【0018】ロール軸体(2)の材種は、条鋼圧延用ロ
ールとして必要な機械性質を有するものであればよく、
その具体例としてこの種ロールに通常使用されている各
種強靭性合金、例えばJIS G4105(機械構造用
合金鋼)のクロムモリブデン鋼(SCM415,SCM420,SCM4
30等)が挙げられる。円周突起(4)の材種は、ロール
軸体(2)と同様の各種機械構造用合金鋼を適用すれば
よい。
【0019】次に本発明の複合ロールの製造工程につい
て説明する。図6は、前記図1の複合ロール(下ロール
1A)を製作するための部材組付け構造の例を示してい
る。12はロール軸体(2)となる円柱体、13は外層
(3)を形成するための高速度鋼系合金からなる中空円
筒体、14は円周突起(4)となる中空円筒体である。
外層形成部材(高速度鋼系合金)である中空円筒体(1
3)は鋳造材(遠力鋳造管体等)が使用される。円周突
起形成用中空円筒体(14)も鋳造材であってよい。中
空円筒体(13)と(14)はロール軸材(12)の軸
方向に沿って交互に嵌装されている。
【0020】上記部材組付け体をカプセル(15)(例
えば軟鋼製容器)で被包し、脱気・密封したうえ、HI
P処理に付して各部材の当接界面を拡散接合する。HI
P処理後、カプセルを機械加工等により除去して図7の
複合体(拡散接合体)を取出す。ついで、該複合体の高
速度鋼系合金部(13)のカリバー加工等を含む機械加
工(鎖線)、調質熱処理、および仕上げ機械加工の各工
程を経て図1の複合ロールを得る。
【0021】図8は、前記図2の複合ロール(上ロール
1B)を製作するための部材組付体の構成例を示してい
る。13および13は、外層を形成する高速度鋼系
合金の中空円筒体(遠心鋳造材等)である。外層形成部
材(13)は円周突起形成部材(14)の外周面に積
層されている。中空円筒体(13)と(14)は円柱体
(12)の軸方向に沿って交互に嵌装される。この部材
組付体を、前記下ロール(1B)の製作工程と同様にカプ
セル(15)で被包しHIP処理(部材同士の拡散接
合)した後、カリバー加工を含む機械加工、調質熱処
理、仕上げ機械加工の各工程を経て図2の複合ロールを
得る。
【0022】上記ロール製造工程において、部材組付け
体(図2)のHIP処理は、温度:約1000〜120
0℃、加圧力:50〜150MPaの加熱加圧下に適当
時間(例えば0.5-6Hr)保持することにより行なわれ
る。HIP処理後の複合体の調質熱処理(焼き入れ・焼
戻し)の焼入れは1000〜1150℃に加熱保持した
後空冷し、焼戻しは530〜570℃に加熱保持した後
空冷することによりそれぞれ達成される。この熱処理に
より外層(3)はベイナイト(又はベイナイトに焼戻し
マルテンサイト混在)からなるマトリックスに炭化物粒
子が分散した組織となる。
【0023】次に本発明複合ロールの応力解析結果につ
いて従来の複合ロール(図11)と対比して説明する。 [1]供試ロール(発明例)の製作 部材組付け体(図6)のHIP処理、HIP処理された
複合体(図7)のカリバー加工を含む機械加工、調質熱
処理等を経て、図1の形態を有する供試ロールA及び
を製作する。構成部材、HIP処理、調質熱処理条
件等は次のとおりである。
【0024】(1.1)部材構成 ・ロール軸材(12):強靭性合金鋼(JIS G4105規格SC
M440市販材) ・外層形成部材(13):高速度鋼系合金中空円筒体(遠
心力鋳造材)より調製 (C:1.86,Si:0.77,Mn:0.68,P:0.005,S:0.011,Ni:0.11,C
r:6.53,Mo:2.02,W:3.88,V:4.45,Fe:Bal、wt%) ・円周突起形成部材(14):強靭性合金鋼(ロール軸材
と同一材種)の中空円筒体(遠心力鋳造材)より調製
【0025】(1.2)HIP処理 温度:1100℃,加圧力:100MPa,処理時間:
5Hr (1.3)調質熱処理 焼入れ:1100℃/空冷→焼戻し:550℃/空冷
【0026】(1.4)諸元サイズ 供試ロールA(図9(1)) 軸体半径r228mm,外層厚t125mm,溝幅w145mm,深さ
d81.75mm,側壁天部肉厚v12.5mm,側壁傾斜角θ76゜ 外層断面積比R(S1/S2):1.4 胴部軸長:1000mmカリバー溝数:3
【0027】供試ロールA(図9(2)) 軸体半径r228mm,外層肉厚t125mm,溝幅w145mm,深
さd81.75mm,側壁天部肉厚v22.5mm,側壁傾斜角θ:76
゜ 外層断面積比R(S1/S2):1.4 胴部軸長:1000mm カリバー溝数:3
【0028】[2]比較例ロールの製作 ロール軸材に外層となる高速度鋼系合金の中空円筒体
(遠心力鋳造材)を嵌装しHIP処理(拡散接合)によ
り複合体(図12)を得、カリバー加工、調質熱処理、
仕上げ機械加工を経て、図11(2)に示す複合構造を
有する比較ロールBを得た。
【0029】(1.1)材種 ロール軸体:強靭性合金鋼(発明例の供試ロールの軸体
と同一) 外層:高速度鋼系合金(発明例の供試ロールの外層と同
一) (1.2)HIP処理および調質熱処理 発明例の供試ロールと同一。
【0030】(1.2)諸元サイズ(図9(3)) 軸体半径r228mm,外層肉厚t125mm 溝幅w145mm,深さd81.75mm,側壁傾斜角θ:76゜ 外層断面積R(S1/S2):1.4 胴部軸長:1000mm カリバー溝数:3
【0031】図11に各供試ロールのカリバー側壁面の
残留応力(半径方向)を示す。図の横軸(1〜5の数字)
は、図10における〜の各測定位置を表示してい
る。 ロールA(発明例)…図1(溝部:図9(1)) ロールA(発明例)…図1(溝部:図9(2)) ロールB(比較例)…図13(2)(溝部:図9(3))
【0032】図11に示したように、従来の複合ロール
(B)は、側壁面の〜の領域に引張の残留応力が発
生している。この領域〜は線状亀裂D(図12)の
発生面域に対応している。これに対し、発明例の複合ロ
ール(A)(A)は、〜に圧縮の残留応力が導
入されており、圧縮応力の効果として側壁面の亀裂の発
生が抑制防止される。なお、残留応力分布の詳細な解析
結果によれば、本発明の複合ロールは、上記残留応力
(半径方向)のほか、ロール周方向,軸方向のいずれに
も、ロールの亀裂損傷を助長・誘起する要因となる応力
の残留がないことも確認されている。
【0033】前記説明では、溝形鋼(チャンネル)圧延
のカリバー形状を有するロールを例に挙げているが、本
発明これに限定されず、山形鋼(アングル),I形鋼,
H形鋼,T形鋼等の各種形鋼、および丸鋼,角鋼等の棒
鋼圧延用ロール等に適用して同様の効果を奏するもので
ある。
【0034】
【発明の効果】本発明の条鋼圧延用複合ロールは、耐ヒ
ートクラック性にすぐれ、大型サイズの条鋼圧延に使用
されるロールにおいても高速度鋼系合金の材料特性を十
分に活かすことができ、その卓抜した耐摩耗性によりロ
ールの耐用寿命・メンテナンスを改善し、条鋼圧延操業
の安定化・効率向上に大きく奏効するするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合ロールの実施例を示す軸方向断面
図である。
【図2】本発明の複合ロールの他の実施例を示す軸方向
断面図である。
【図3】外層の断面積比の軸方向断面説明図である。
【図4】フランジ部の積層構造の軸方向断面説明図であ
る。
【図5】外層と円周突起の境界面の形態を示す軸方向要
部断面図である。
【図6】本発明の複合ロールを製造するためのHIP処理
に付される部材組付け体の例を示す軸方向断面図であ
る。
【図7】図6の部材組付け体を拡散接合(HIP処理)し
た複合体を示す軸方向断面図である。
【図8】本発明の複合ロールを製造するためのHIP処理
に付される部材組付け体の他の例を示す軸方向断面図で
ある。
【図9】複合ロールのカリバー溝部と諸元サイズの断面
説明図である。
【図10】従来の複合ロールの製作に使用される複合体
を示す軸方向断面図である。
【図11】従来の条鋼圧延用複合ロールを示す軸方向断
面図である。
【図12】カリバー溝の側壁面のヒートクラック発生形
態を示す模式的説明図である。
【図13】実施例における供試ロールの残留応力測定位
置を示す説明図である。
【図14】実施例におけるカリバー溝の側壁面の残留応
力を示すグラフである。
【符号の説明】
1(1A,1B):本発明の条鋼圧延用複合ロール 2:ロール軸体 3,3’:外層 4:円周突起 5:溝の側壁面 6:フランジ 7:外層と円周突起の境界面 10:複合体(拡散接合体) 12:ロール軸材 13,13,13:外層形成部材(高速度鋼系鋳造
合金) 14:円周突起形成部材 15:カプセル D:亀裂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 広之 兵庫県尼崎市西向島町64番地 株式会社ク ボタ尼崎工場内 (72)発明者 森川 長 兵庫県尼崎市西向島町64番地 株式会社ク ボタ尼崎工場内 (72)発明者 林 和彦 兵庫県尼崎市西向島町64番地 株式会社ク ボタ尼崎工場内 (72)発明者 川中 綱夫 兵庫県尼崎市西向島町64番地 株式会社ク ボタ尼崎工場内 Fターム(参考) 4E016 AA04 DA03 DA06 EA03 EA04 EA09 FA04 FA17 FA20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロール軸体の表面に耐摩耗性合金からな
    る外層を有し、外層の径方向断面積比R(= S1/ S2)(S
    1:外層の断面積,S2:軸体の断面積)がR≧1であっ
    て、ロール軸体は、カリバーの凹凸形状に対応する軸方
    向の複数個所に形設された、カリバーのフランジ高さを
    越えない円周突起を有し、該円周突起のなす凹凸部に、
    カリバー形状に沿って高速度鋼系鋳造合金からなる外層
    が形成されている条鋼圧延用複合ロール。
  2. 【請求項2】 カリバー溝の側壁表面に圧縮残留応力が
    導入されている請求項1に記載の条鋼圧延用複合ロー
    ル。
  3. 【請求項3】 高速度鋼系鋳造合金は、粒径10μm以
    上の炭化物が分散した組織を有する請求項1又は2に記
    載の条鋼圧延用複合ロール。
  4. 【請求項4】 高速度鋼系鋳造合金は、重量%で、C:
    1.5〜3.5%,Si:0.3〜3.5%,Mn:
    0.2〜0.6%,Cr:3〜8%,Ni:3%以下,
    Mo:3〜9%,W:5〜14%,Co:14%以下、
    残部は実質的にFe、又はFeの一部がV,Ti,Nb
    から選択される1種ないし2種以上の元素:11%以下
    (複合含有の場合は合計量)で置換された化学組成を有
    する請求項3項に記載の条鋼圧延用複合ロール。
  5. 【請求項5】 円周突起はフランジ高さに略等しい突出
    高さを有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の条鋼
    圧延用複合ロール。
  6. 【請求項6】 円周突起は溝深さの1/3より上方に位
    置する突出高さを有し、その突起天面を高速度鋼系合金
    層で被覆されている請求項1〜4のいずれか1項に記載
    の条鋼圧延用複合ロール。
  7. 【請求項7】ロール軸体となる円柱体に、外層形成部材
    である高速度鋼系鋳造合金からなる中空円筒体と円周突
    起形成部材である中空円筒体とが軸方向に交互に嵌装さ
    れた部材組付け体に、熱間等方圧加圧処理を施して部材
    同士の当接界面を拡散接合された複合体を得る工程、該
    複合体の高速度鋼系合金部をカリバー加工する工程、及
    び高速度鋼系合金部を調質熱処理する工程を有する請求
    項5に記載の条鋼圧延用複合ロールの製造方法。
  8. 【請求項8】ロール軸体となる円柱体に、外層となる高
    速度鋼系鋳造合金からなる中空円筒体と外周面に高速度
    鋼系鋳造合金層を積層された円周突起形成部材である中
    空円筒体とが軸方向に交互に嵌装された部材組付け体
    に、熱間等方圧加圧処理を施して部材同士の当接界面を
    拡散接合された複合体を得る工程、該複合体の高速度鋼
    系合金部をカリバー加工する工程、及び高速度鋼系合金
    部を調質熱処理する工程を有する請求項6に記載の条鋼
    圧延用複合ロールの製造方法。
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