JP2003061874A - 電気掃除機用の吸引口アタッチメント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 折り曲げ可能でありながらも適度な姿勢保
持力を有し、また通風抵抗も低く抑えることができる電
気掃除機用の吸引口アタッチメントを提供する。 【解決手段】 この吸引口アタッチメント(１)は、ホー
ス(２)の先端部に吸引ノズル(４)を取り付けてなり、ホ
ース(２)は、樹脂製の帯状体(10)を螺旋状に巻回させな
がら、その帯状体(10)の一端縁に形成した一対の挟持片
(11)(11)間に、他端縁に形成した係止片(12)を挿入して
係合させるとともに、係止片(12)を、挟持片(11)(11)の
互いに対向する内壁面に押圧させた状態でホース軸方向
に移動可能とすることで、使用態様にあわせて折り曲げ
可能であるとともに、自重や風力等の負荷に抵抗しなが
ら折り曲げ姿勢を維持するよう構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば天井近く
に配された長押や鴨居、たんす等の家具上面、天井に取
り付けられた照明器具、吸込口体が入り込めないような
隙間等に溜まった埃を吸い取る際に、電気掃除機の延長
管や可撓性ホースに取り付けて使用する電気掃除機用の
吸引口アタッチメントに関する。

【０００２】

【従来の技術】電気掃除機の延長管や可撓性ホースに取
り付けて使用する吸引口アタッチメントとしては、特開
平１１−１５１１８６号公報や特開２０００−３２５２
７６号公報に開示されたものがある。これら公報記載の
吸引口アタッチメントは、蛇腹管の先端部に吸引ノズル
を取り付けた構造となっており、蛇腹管を折り曲げるこ
とによって、吸引ノズルの向きを自由に変えることがで
きるようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
吸引口アタッチメントにおいては、蛇腹管が薄肉に形成
されていて姿勢保持力が弱く、このため一定の折り曲げ
姿勢を維持することが困難で、掃除中に吸引ノズルが揺
れ動いて安定せず、操作性が悪いといった不具合があっ
た。

【０００４】また、このように姿勢保持力が弱いため、
アタッチメント先端に比較的重量のある別途のアタッチ
メントを付け足すことも困難であり、アタッチメント自
体の適用範囲が狭く、汎用性に乏しかった。

【０００５】さらに、アタッチメントの揺れ動きを防止
するため、アタッチメントを挿入する姿勢保持用の外筒
を設けたり、アタッチメント先端に切り欠きを形成した
ものもあるが、この場合、構造が複雑になり、製造コス
トが高騰するといった問題もあった。

【０００６】さらにまた、蛇腹管の内壁面には、大きな
凹凸が形成されているので、蛇腹管内の通風抵抗が大き
くなり、このため吸引ノズルからの吸引力が弱くなって
清掃効率が悪いといった欠点もあった。

【０００７】そこで、この発明は、上記の不具合を解消
して、折り曲げ可能でありながらも適度な姿勢保持力を
有し、また通風抵抗も低く抑えることができる電気掃除
機用の吸引口アタッチメントを提供することを目的とす
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明の電気掃除機用の吸引口アタッチメント
は、ホースの先端部に吸引ノズルを一体又は別体に取り
付けてなり、前記のホースは、樹脂製の帯状体を螺旋状
に巻回させながら、その帯状体の一端縁に形成した一対
の挟持片間に、他端縁に形成した係止片を挿入して係合
させるとともに、前記の係止片を、前記の挟持片の互い
に対向する内壁面に押圧させた状態でホース軸方向に移
動可能とすることで、使用態様にあわせて折り曲げ可能
であるとともに、自重や風力等の負荷に抵抗しながら折
り曲げ姿勢を維持するよう構成されていることを特徴と
する。

【０００９】また、一対の挟持片は、その互いに対向す
る内壁面が、係止片の挿入前の状態においてホース軸方
向に沿って互いに平行に配され、その開口端には、互い
に向き合う方向に突出する抜け止め部が夫々形成されて
おり、係止片の先端には、抜け止め部に係合する膨出部
が形成され、この膨出部は、ホース軸と直交する方向の
肉厚が前記の内壁面間の間隔よりも大とされて、前記の
内壁面に押圧されている。

【００１０】さらに、膨出部が断面略三角形状に形成さ
れ、その両側の頂部が前記の内壁面に押圧されている。

【００１１】さらにまた、挟持片の互いに対向する内壁
面又は係止片の少なくとも一方に、挟持片及び係止片よ
りも硬度が低くて耐摩耗性に優れた合成樹脂製の保護膜
が取り付けられている。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。この発明の一実施形態に係
る電気掃除機用の吸引口アタッチメント(１)は、図１に
示すように、折り曲げ可能なホース(２)の先端部に、ゴ
ミや埃などを吸引するための吸引口(３)が形成された吸
引ノズル(４)を一体に取り付けるとともに、ホース(２)
の後端部に、掃除機本体側の延長管(５)に接続するため
の接続筒(６)を一体に取り付けることによって構成され
ている。

【００１３】なお、吸引ノズル(４)や接続筒(６)を、ホ
ース(２)とは別体のものとして、ホース(２)に着脱可能
に取り付けるようにしても良い。また、形状や機能の異
なる数種類の吸引ノズル(４)を用意しておき、これら吸
引ノズル(４)を、状況に応じて選択的にホース(２)に取
り付けるようにしても良い。

【００１４】そして、ホース(２)は、図２及び図３に示
すように、合成樹脂製の帯状体(10)を螺旋状に巻回させ
ながら、その帯状体(10)の一端縁に形成した弾性を有す
る一対の挟持片(11)(11)間に、他端縁に形成した係止片
(12)を挿入して係合させることで、円筒状に形成されて
いる。

【００１５】一対の挟持片(11)(11)は、図３及び図４に
示すように、ホース軸方向に沿ってほぼ一定の厚みで延
びて、その開口端には、互いに向き合う方向に突出する
抜け止め部(13)(13)が夫々形成されている。これら挟持
片(11)(11)は、互いに平行に配されており、これによっ
て係止片(12)の挿入前の状態において互いに対向する内
壁面が、ホース軸方向に沿って互いに平行に配されてい
る。

【００１６】係止片(12)は、ホース軸方向に沿ってほぼ
一定の厚みで延びて、その先端には、抜け止め部(13)(1
3)に係合する膨出部(14)が形成されている。この膨出部
(14)は、断面略三角形状に形成され、ホース軸と直交す
る方向の肉厚Ｌすなわち両側の頂部間の距離が、挟持片
(11)(11)の内壁面間の間隔Ｓよりも大とされている。こ
のため、係止片(12)は、膨出部(14)の両側の頂部が挟持
片(11)(11)の内壁面に押圧されて、挟持片(11)(11)をわ
ずかに押し広げるような状態で、挟持片(11)(11)間に移
動可能に挿入されている。

【００１７】従って、ホース(２)に対して、挟持片(11)
(11)の内壁面と係止片(12)の膨出部(14)との摩擦抵抗力
よりも大きな力を加えて、挟持片(11)(11)間において膨
出部(14)を摺動させることで、ホース(２)を使用態様に
合わせて折り曲げたり、伸縮させたり、さらには口径を
変えることができるようになっている。

【００１８】しかも、挟持片(11)(11)の内壁面と膨出部
(14)との摩擦抵抗力は、ホース(２)の自重及び吸引ノズ
ル(４)の自重、さらには吸引に伴う風力に抵抗しなが
ら、掃除中におけるホース(２)の折り曲げ姿勢を含む各
種姿勢を維持することができるように設定されているの
で、このように自由に姿勢を切り換えることができるに
もかかわらず、掃除に際して支障をきたすことのない姿
勢保持力を有するホース(２)となっている。なお、膨出
部(14)の摺動範囲の全長に亘って、充分な姿勢保持力を
持たせるためには、膨出部(14)の肉厚Ｌを、挟持片(11)
(11)の内壁面間の間隔Ｓに対して、Ｌ=１.０５Ｓ以上と
することが望ましい。

【００１９】また、このホース(２)において、図５に示
すように、挟持片(11)(11)の互いに対向する内壁面に、
挟持片(11)(11)及び係止片(12)よりも硬度が低くて耐摩
耗性に優れた例えばウレタン系のエラストマー(ＴＰＥ)
等の合成樹脂製の保護膜(15)(15)を夫々貼り付けて、こ
の保護膜(15)(15)に対して係止片(12)の膨出部(14)を押
圧させるようにしても良い。

【００２０】さらに、図６に示すように、係止片(12)の
膨出部(14)に、前記の保護膜(15)を貼り付けても良く、
さらにまた、挟持片(11)(11)の互いに対向する内壁面及
び係止片(12)の膨出部(14)の双方に、前記の保護膜(15)
(15)…を貼り付けるようにしても良い。

【００２１】この場合、係止片(12)の膨出部(14)を挟持
片(11)(11)の内壁面に直接押圧させるときと比べて、摩
擦抵抗力をさらに高めることができ、また挟持片(11)(1
1)の内壁面及び係止片(12)の膨出部(14)の長期使用によ
る摩耗を低減できることから、長期に亘って安定した姿
勢保持力を維持することができる。

【００２２】図７は、上記構成の吸引口アタッチメント
(１)の使用例を示しており、掃除機本体(20)から延びる
延長管(５)に吸引口アタッチメント(１)を接続して、そ
のホース(２)を折り曲げて吸引ノズル(４)の吸引口(３)
を下向きにすることで、例えば天井近くの長押(25)と壁
(26)との間の隙間に溜まった埃を簡単に吸い取ることが
できる。

【００２３】この掃除中において、ホース(２)は一定の
折り曲げ姿勢を維持するので、吸引ノズル(４)が揺れ動
くといったことがなく、操作性が良好である。なお、図
７において、(27)は、掃除機本体(20)に接続された可撓
性ホース、(28)は、可撓性ホース(27)と延長管(５)との
間に介在された手元操作部である。

【００２４】この発明は、上記実施形態に限定されるも
のではなく、この発明の範囲内で上記実施形態に多くの
修正及び変更を加え得ることは勿論である。

【００２５】例えば、上記実施形態においては、挟持片
(11)(11)の内壁面は、係止片(12)の挿入前においてホー
ス軸方向に沿って互いに平行に配されていたが、例えば
挟持片(11)(11)の開口端に向かうにつれて間隔が狭くな
ったり、広くなるように配しても良い。

【００２６】また、挟持片(11)(11)や係止片(12)の厚み
を一定にするのではなく、例えば挟持片(11)(11)であれ
ば、開口端に向かうにつれてその厚みを厚くしたり、ま
た係止片(12)であれば、先端部に向かうにつれてその厚
みを厚くするといったように、それらの厚みに変化を持
たせるようにしても良い。

【００２７】さらに、係止片(12)に、膨出部(14)とは別
に１又は複数の突起を設けて、それら突起を挟持片(11)
(11)の内壁面に押圧させても良い。さらにまた、係止片
(12)の膨出部(14)を、断面略三角形状にするのではな
く、例えば断面略円形状や略菱形状、略台形状に形成し
ても良い。

【００２８】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明の吸引口アタッチメントは、使用態様にあわせて任意
に折り曲げることができるにもかかわらず、自重や風力
等の負荷に抵抗しながら折り曲げ姿勢を維持するような
姿勢保持力を有していることから、蛇腹管を用いた従来
のアタッチメントのように、掃除中に吸引ノズルが揺れ
動くことがなく、このため操作性が良くて、吸引口を目
的の場所に的確に導いて効率良く掃除することができ
る。

【００２９】また、このように高い姿勢保持力を有して
いるため、アタッチメント先端に別途のアタッチメント
を付け足すことも可能となり、汎用性に優れたアタッチ
メントとすることができる。

【００３０】さらに、従来のようにアタッチメントの揺
れ動きを防止するために構造を複雑にしなくても良く、
簡単な構造で安価なアタッチメントを提供することがで
きる。

【００３１】しかも、ホースは、帯状体を螺旋状に巻回
して形成されているので、その内周面において蛇腹管の
ような大きな凹凸が生じることがなく、このため通風抵
抗を低く抑えて、清掃効率の向上を図ることができる。

【００３２】また、帯状体の巻回に際して、挟持片の互
いに対向する内周面に、係止片の膨出部における両側の
頂部を押圧させているので、ホース内の気密性を高める
ことができ、挟持片と係合片との隙間からの空気の漏れ
をほとんどなくして、清掃効率の良好なアタッチメント
とすることができる。

【００３３】さらに、挟持片の内壁面や係止片には、挟
持片及び係止片よりも硬度が低くて耐摩耗性に優れた合
成樹脂製の保護膜が取り付けられているので、係止片と
挟持片との摩擦抵抗力が大きくなって、姿勢保持力をさ
らに高めることができ、また長期使用により繰り返し折
り曲げられても、安定した姿勢保持力を維持することが
できる信頼性の高いアタッチメントを提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施形態に係る電気掃除機用の吸
引口アタッチメントを示す斜視図である。

【図２】ホースの拡大縦断面図である。

【図３】同じくその要部の拡大縦断面図である。

【図４】帯状体の拡大縦断面図である。

【図５】挟持片の内壁面に保護膜を貼り付けた帯状体の
拡大縦断面図である。

【図６】係止片の膨出部に保護膜を貼り付けた帯状体の
拡大縦断面図である。

【図７】吸引口アタッチメントの使用例を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

(１) 吸引口アタッチメント (２) ホース (４) 吸引ノズル (10) 帯状体 (11) 挟持片 (12) 係止片 (13) 抜け止め部 (14) 膨出部 (15) 保護膜

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高嶋 正利 大阪府高槻市栄町１丁目２番１号 東拓工 業株式会社内 (72)発明者 那波 恒博 大阪府高槻市栄町１丁目２番１号 東拓工 業株式会社内 Ｆターム(参考） 3B061 AA18 AA44

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホースの先端部に吸引ノズルを一体又は
   別体に取り付けてなる電気掃除機用の吸引口アタッチメ
   ントであって、前記のホースは、樹脂製の帯状体を螺旋
   状に巻回させながら、その帯状体の一端縁に形成した一
   対の挟持片間に、他端縁に形成した係止片を挿入して係
   合させるとともに、前記の係止片を、前記の挟持片の互
   いに対向する内壁面に押圧させた状態でホース軸方向に
   移動可能とすることで、使用態様にあわせて折り曲げ可
   能であるとともに、自重や風力等の負荷に抵抗しながら
   折り曲げ姿勢を維持するよう構成されていることを特徴
   とする電気掃除機用の吸引口アタッチメント。
2. 【請求項２】 一対の挟持片は、その互いに対向する内
   壁面が、係止片の挿入前の状態においてホース軸方向に
   沿って互いに平行に配され、その開口端には、互いに向
   き合う方向に突出する抜け止め部が夫々形成されてお
   り、係止片の先端には、抜け止め部に係合する膨出部が
   形成され、この膨出部は、ホース軸と直交する方向の肉
   厚が前記の内壁面間の間隔よりも大とされて、前記の内
   壁面に押圧されている請求項１記載の電気掃除機用の吸
   引口アタッチメント。
3. 【請求項３】 膨出部が断面略三角形状に形成され、そ
   の両側の頂部が前記の内壁面に押圧されている請求項２
   記載の電気掃除機用の吸引口アタッチメント。
4. 【請求項４】 挟持片の互いに対向する内壁面又は係止
   片の少なくとも一方に、挟持片及び係止片よりも硬度が
   低くて耐摩耗性に優れた合成樹脂製の保護膜が取り付け
   られている請求項１乃至３のいずれかに記載の電気掃除
   機用の吸引口アタッチメント。