JP2003060448A - 1倍以上の利得を持つ入力バッファとしてオペアンプicを使用した電流帰還型増幅器 - Google Patents

1倍以上の利得を持つ入力バッファとしてオペアンプicを使用した電流帰還型増幅器

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JP2003060448A
JP2003060448A JP2001290090A JP2001290090A JP2003060448A JP 2003060448 A JP2003060448 A JP 2003060448A JP 2001290090 A JP2001290090 A JP 2001290090A JP 2001290090 A JP2001290090 A JP 2001290090A JP 2003060448 A JP2003060448 A JP 2003060448A
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英和 三浦
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オペアンプICの優れた特性を生かしつつ安定
で広帯域な電力増幅器を構成する。 【解決手段】オペアンプICの電源端子から電流の形で
信号を取り出し次段の増幅回路に送るその出力からオペ
アンプICの出力に電流帰還を掛ける。また電流を取り
出し電圧増幅を行う部分を集積した半導体素子を作れば
より安価により高性能な増幅器を構成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明はオペアンプICの電源端
子から信号を電流の形で取り出し次段の増幅回路で電圧
及び電流増幅を行い、その出力からオペアンプICの出
力へ電流帰還を掛ける増幅回路に関するもので、広帯域
で位相特性の優れた増幅器を低コストで構成し得る電子
回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オペアンプICは、ディスクリートの素
子を用いたオペアンプに対して温度や素子の均一性、信
号経路の短さなど多くの利点を持っている。スピーカー
などの重い負荷を駆動する電力増幅回路にオペアンプI
Cを使用する場合、オペアンプICの出力電圧が±15
V程度、出力電流が±50mA程度と限られているため
ディスクリートのパワーデバイスによる電力増幅回路を
多段接続して、電力増幅回路の出力からオペアンプIC
の入力に帰還を掛ける方法がとられる。
【本発明が解決しようとする課題】
【0003】しかし、従来の方法では開ループ伝達特性
がオペアンプICの開ループ伝達特性と電力増幅回路の
開ループ伝達特性の積になるので位相回転が大きくなる
ため安定な動作が難しく、また複雑な位相補正が必要と
なるため広い周波数特性が得られなくなる。これらの問
題を解決するには帰還ループ内の位相回転をできるだけ
小さくする必要がある。
【発明のヒントとなった従来技術】
【0004】本発明は電流帰還型オペアンプの応用であ
る。電流帰還型オペアンプは広帯域で優れた位相特性を
持つのでオーディオ用パワーアンプ、ビデオ帯で用いら
れている。一般的な電圧帰還型オペアンプでは入力部に
差動対が用いられるのに対して、電流帰還型オペアンプ
では入力部にバッファを用いるので反転入力のインピー
ダンスが低い。図2は電流帰還型オペアンプのブロック
図である。入力バッファ(27)の電源から取り出され
た信号は次段の電圧増幅部(28)で増幅されて出力バ
ッファ(29)から出力される。いま、入出力バッファ
が理想的であるとして閉ループゲインを求める。理想的
なバッファとは入力インピーダンス=∞、出力インピー
ダンス=0、入力電圧=出力電圧(ゲイン=+1)で+
電源から−電源に流れる電流が電源電圧に依存しないよ
うなものである。入力バッファを囲む円についてキルヒ
ホッフの法則を適用する。入力バッファの+側の電源端
子(5)に流れ込む電流をI1、−側の電源端子(6)
から流れでる電流をI2とし、帰還抵抗ri(30),
帰還抵抗rf(8)を流れる電流をそれぞれIri,I
rfとする、ただし方向はグラウンドに向かう方向を正
とする。 I1−I2=Iri−Irf 式1 理想的なバッファであればオペアンプの反転入力(7)
つまりは入力バッファ(27)の出力、非反転入力
(1)の電圧は等しくなるのでオペアンプの非反転入力
(1)の電圧をV+in、反転入力(7)の電圧をV−
inとすると V+in=V−in 式2 式1は次のように書き直すことができる。だだしオペア
ンプの出力(2)の電圧をVoとする。 I1−I2=V+in/ri−(Vo−V+in)/rf 式3 さて入力バッファ以降の増幅段の電流電圧増幅度A2を
次のように定義する。 A2=Vo/(I1−I2) 式4 式4を変形して式3に代入すると閉ループゲインが得ら
れる。 Vo/Vin=A2/(rf+A2)×(ri+rf)/ri 式5 電流電圧増幅度A2が十分大きいとすると次のように近
似できる。 Vo/Vin≒1+rf/ri 式6
【これまでの電流帰還型オペアンプの問題点】
【0005】電流帰還型オペアンプの入力バッファには
一般的に開ループの増幅度1のものが使用される。しか
しこれでは出力インピーダンスは十分に低くなく、線形
性もよくない。また多くはディスクリート回路で構成さ
れるので温度のばらつきにより歪が発生する。
【課題を解決するための手段】
【0006】上述のように入力バッファは開ループのゲ
イン=1倍のものが用いられてきた。しかし、広い意味
では1倍より大きいゲインを持つ増幅器もバッファと考
えることができる。そこで、入力バッファとしてオペア
ンプを閉ループで使用すれば直線性が良くなり、出力イ
ンピーダンスが低くできる。また入力バッファにある程
度のゲインを持たせれば後段の増幅器のゲインを小さく
し全体の特性を良くできる。
【鍵となる発想】
【0007】しばしばオペアンプの電源端子は既知のも
のとして書かれないことがある。しかし実際には電源端
子にも信号電流が流れていることを確認しておく必要が
ある。図1においてオペアンプIC(26)を囲む円に
ついてキルヒホッフの法則を適用してみる。ここでは帰
還抵抗rf(8)は接続されていないとする。オペアン
プは理想的であるとすると、特に入力電流は0であるこ
とに注意すると、オペアンプICの電源端子の+側
(5)に流れ込む電流をI1、−側(6)から流れ出る
電流をI2,帰還抵抗r1(10)及び帰還抵抗r2
(9)に流れる電流をIr(ただしグランドに向かう方
向を正とした。)とすると各電流の関係式は I1=I2+Ir 式7 オペアンプICの電圧ゲインはオペアンプICの出力
(7)の電圧をVopとして Vop/Vin=1+r2/r1 式8 帰還抵抗r1、r2に流れる電流Irは Ir=Vop/(r1+r2)=Vin/r1 式9 +、−電源ラインに流れる電流の差は式7と式9より I1−I2=Vin/r1 式10 このように、オペアンプICの電源ラインには出力端子
と同様に信号が電流の差の形で存在している。電流の形
でオペアンプICを見るとオペアンプICの電源端子を
第2、第3の出力端子、そして通常の出力端子は第3の
入力端子となる。
【発明の実施の形態】
【0008】本発明はオペアンプIC(26)の電源端
子(5)、(6)を電流出力、通常の出力端子(7)を
反転の電流入力端子として利用し入力バッファとして使
用した電流帰還型増幅器である。図1は実際に設計した
回路例である。オペアンプIC(26)は非反転で使用
されている。NPNバイポーラトランジスタ(11)、
PNPバイポーラトランジスタ(12)のそれぞれのエ
ミッタはオペアンプIC(26)の+側(5)、−側
(6)の電源端子にカスコード接続され信号を電流の形
で取り出す。各ベースは+側(23)、−側(24)の
各基準電源につながる。通常、オペアンプIC(26)
の電源電圧の定格は±18V程度である。この回路を用
いてオペアンプIC電源電圧の問題を解決している。N
PNトランジスタ(13)、(14)、(15)、PN
Pトランジスタ(16)、(17)、(18)はそれぞ
れウイルソン型のカレントミラー回路を構成する。この
部分が電圧増幅回路である。NPNトランジスタ(1
9)、PNPトランジスタ(20)はドライバートラン
ジスタ、同じく(21)、(22)は出力トランジスタ
である。この部分が出力バッファである。その出力
(2)からオペアンプICの出力(7)に電流帰還が掛
けられる。入力バッファとして用いるオペアンプICの
入力インピーダンスは無限大、差動開ループゲインはA
1とする。電圧増幅段と出力バッファ回路の電流電圧増
幅度をA2と定義する。 A2=Vo/(I1−I2) 式11 オペアンプICの閉ループ電圧増幅度Aopは入力
(1)の電圧をV+in、オペアンプIC(26)の出
力(7)の電圧をVopとする。 Aop=Vop/V+in=A1/〔1+A1×r1/(r1+r2)〕 式12 求める。オペアンプICを囲む円についてキルヒホッフ
の法則を適用する。 I1−I2+(Vo−Vop)/rf−Vop/(r1+r2)=0 式 13 式13に式11を代入 Vo/A2+ (Vo−Vop)/rf−Vop/(r1+r2)=0 式14 式14を変形 Vo(1/A2+1/rf)=Vop〔1/rf+1/(r1+r2)〕 式15 電圧増幅段の閉ループゲインAdとする。 Ad=Vo/Vop= 〔1/rf+1/(r1+r2)〕/(1/A2 +1/rf) 式16 式12と式16から全体の閉ループゲインAが求まる。 A=Vo/Vin 式17 =Aop×Ad 式18 ={A1/〔1+A1×r1/(r1+r2)〕}×〔1/rf+1/(r 1+r2)〕/(1/A2+1/rf) 式19 A1、A2が十分大きいと見なせる領域では次のように
近似できる。 A≒1+(r2+rf)/r1 式20
【本発明の効果】式19よりオペアンプICによる入力
バッファと後段の増幅回路の安定性を独立して考えても
よいことになり単純に位相管理ができる。帰還回路の抵
抗値を変えることで所望の特性を得ることができる。ま
たオペアンプIC(26)の電源端子(5)、(6)よ
り信号を取り出し電圧増幅を行う回路、図1の設計例で
は(11)〜(18)及び(23)、(24)必要に応
じて電流増幅を行う(19)、(20)を1つの半導体
素子に集積すれば高性能な電力増幅器が簡単に安く構成
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回路構成
【図2】電流帰還型オペアンプのブロック図
【符号の説明】
1入力 2出力 3+の電源 4−の電源 5入力バッファまたはオペアンプICの+側の電源端子 6入力バッファまたはオペアンプICの−側の電源端子 7電流帰還型オペアンプの反転入力 8帰還抵抗rf 9帰還抵抗r2 10帰還抵抗r1 11NPNトランジスタ 12PNPトランジスタ 13PNPトランジスタ 14PNPトランジスタ 15PNPトランジスタ 16NPNトランジスタ 17NPNトランジスタ 18NPNトランジスタ 19NPNトランジスタ 20PNPトランジスタ 21NPNトランジスタ 22PNPトランジスタ 23+側の基準電源 24−側の基準電源 25バイアス回路 26オペアンプIC 27入力バッファ 28電圧増幅部 29出力バッファ 30帰還抵抗ri

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1倍以上の利得を持つ反転または非反転増
    幅回路として使用した、集積化された演算増幅器(以
    下、オペアンプICと呼ぶ)の電源端子より信号を取り
    出し、その信号を次段の増幅器に入力してその出力から
    オペアンプICの出力に帰還を掛ける電流帰還型増幅回
    路。
  2. 【請求項2】請求項1の増幅回路におけるオペアンプI
    Cの電源端子から信号を取り出し、増幅を行う回路を集
    積回路化した半導体素子。
JP2001290090A 2001-08-20 2001-08-20 1倍以上の利得を持つ入力バッファとしてオペアンプicを使用した電流帰還型増幅器 Pending JP2003060448A (ja)

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