JP2003057201A - 構造物のコーティングの組織変化に起因する劣化の非破壊検査方法並びに基材の損傷の非破壊検査方法 - Google Patents

構造物のコーティングの組織変化に起因する劣化の非破壊検査方法並びに基材の損傷の非破壊検査方法

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JP2003057201A
JP2003057201A JP2001241459A JP2001241459A JP2003057201A JP 2003057201 A JP2003057201 A JP 2003057201A JP 2001241459 A JP2001241459 A JP 2001241459A JP 2001241459 A JP2001241459 A JP 2001241459A JP 2003057201 A JP2003057201 A JP 2003057201A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材を覆うコーティングィング、特に動翼等
における耐食コーティングの劣化状態を非破壊で検査す
る。また、耐食コーティングで覆われた基材の損傷を非
破壊で検査する。 【解決手段】 検査対象となる構造物のコーティングと
同じ材料を使って劣化状況と導電率との相関を示す検定
曲線を求めておき、コーティングの導電率を測定し、こ
の導電率の変化量から検定曲線を利用してコーティング
の劣化状況を推定するようにしている。また、基材の表
面にコーティングが施された構造物例えばガスタービン
動翼などの高温で使用される高温部品の基材の損傷を、
コーティングに沿って磁性を測定し、磁性が強くなって
いる箇所が検出されたときに当該高温部品の基材が損傷
していると推定することによって非破壊検査するように
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材をコーティン
グで覆った構造物のコーティングの組織変化による劣化
並びに基材の損傷を非破壊で検査する方法に関する。さ
らに詳述すると、本発明は、ガスタービン動翼などの高
温で使用される部品や構造物(以下、本明細書ではこれ
らを総称して高温部品と呼ぶ)のコーティングの保守技
術、例えば耐食コーティングのリコーティング時期の最
適化や高温部品の廃棄処分の判定などに有用な高温部品
の耐食コーティングの組織変化による劣化並びに基材の
損傷を非破壊で検査する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】発電用ガスタービンの高効率化を実現す
るには燃焼ガスの高温化が有効であることから、動翼、
静翼、燃焼器などの高温部品には厳しい運転条件が課せ
られる。特に、高速回転する動翼、中でも高圧高温のガ
スが最初に吹き付けられる初段動翼においては、厳しい
条件と高い安全性とが課せられる。そこで、これら高温
部品の場合には、耐熱性・耐久性に優れる高級な材料が
使用され、更に耐食性のメタルコーティングが施されて
耐久性が増されている。そして、この耐食コーティング
は、設計に基づく高い安全率が見込まれた運転時間を経
過したときに一律にリコーティングを行うことが推奨さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高温部
品もさることながらリコーティングにも多大の費用がか
かる。しかも、推奨されているリコーティングまでの時
間は、一般に極めて安全側に設定されることから、耐食
コーティングが十分寿命を有する動翼に適用するには経
済性の面から不利である。
【0004】また、耐食コーティングの組織変化による
劣化やエロージョンによる欠損などは、コーティングの
色の変化で認められることもときとしてあるが、それで
も動翼を割って組織を観察しなければ正確には判断でき
ない。特に、コーティングの欠損により基材までが損傷
しているか否かは、動翼を割って光学顕微鏡や電子顕微
鏡などで組織を観察しない限り確認することができず、
高価な高温部品だけに廃棄処分の判断が難しい。耐食コ
ーティングが剥げて基材に損傷が生じたものは安全のた
めリコーティングせずに廃棄処分としなければならない
が、耐食コーティングが部分的に単に剥げただけの場合
にはリコーティングで済む。しかし、リコーティングで
足りるのか、リコーティングで済まされないほどに基材
まで損傷しているのかは外部観察からだけでは容易に判
断できない。
【0005】そこで、リコーティング時期の最適化を図
るため、このような高温部品の耐食コーティングの劣化
を定量的に評価する技術の開発が経済的観点から強く望
まれている。また、高温部品の廃棄処分の判定の適正化
を図るためにも、高温部品の基材の損傷を定量的に評価
する技術の開発が経済的観点から強く望まれている。ま
た、耐食コーティングに限らず、導体となる組成を含む
コーテイング、例えば耐摩耗コーティングなどにおいて
も組織変化に起因する劣化の進行状況等を定量的に評価
することが望まれる。
【0006】本発明は、構造物のコーティング、特にガ
スタービン動翼等における耐食コーティングの組織変化
に因る劣化状態を非破壊で検査することができる非破壊
検査方法を提供することを目的とする。また、本発明
は、コーティングを施した構造物、特にガスタービン動
翼等の高温部品の基材の損傷を非破壊で検査することが
できる非破壊検査方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明者らが種々研究・実験した結果、高温部品の
耐食コーティングは製造時には磁性を示さないが、高温
雰囲気下で使用されると強磁性体となり磁性を示し、更
に加熱されていると次第に磁性を失いその後は導電性が
変わってくる現象を起こすことを知見した。即ち、基材
とそれを覆って保護する耐食コーティングとは、ある程
度(例えば300時間程度)高温で使われると、磁性が
無視できなくなる程に小さくなって電磁気的に同じ材料
となるが、更に加熱されるとコーティング部分の導電性
が変わることを知見するに至った。これは、耐食コーテ
ィング中の組織変化に起因する劣化現象と相関を有する
ものと考えられる。例えば、ニッケルベースの超合金基
材にCoCrAlYの耐食コーティングを施したタービン動翼
の場合を例に挙げると、CoCrAlY耐食コーティングは、
その中のAlがAlを生成して耐食性バリアを作
るが、これが回転中に高温高速の燃焼ガスの衝突で摩耗
し吹き飛んでしまう(エロージョン)と、Alが表面に
浸出してAlを次々に生成して耐食性を維持する
のであるが、Alの量が減ってくると、Alを生
成できずにOが基材側へ侵入し、基材を酸化(錆)さ
せる耐食劣化を引き起こすと考えられる。そして、この
ときのAlの欠乏に伴う組織変化が導電性を低下させる
という現象として表れていると考えられる。即ち、組織
変化に起因する耐食コーティングの劣化が導電率の変化
と相関をもっているということを知見するに至った。ま
た、このことは耐食コーティングでなくとも、導体とな
る組成、殊に強磁性体と成りうる組成を含むコーティン
グにおいても起きるものである。
【0008】また、基材部分に損傷がある場合には強い
磁性が検出されることを知見するに至った。コーティン
グに覆われていた基材部分は、通常は、製造時の状態の
まま磁性を有していないが、耐食コーティングの欠損に
より露出されるとその表面に酸化物が生成され、これが
高温に曝されることによって強磁体になり、磁性を生じ
るものと考えられる。また、基材中の強磁性となり得る
組成物が表層に析出して密度を高めこれが高温に直接曝
されて強磁性化することによって磁性を生じているもの
とも考えられる。一方、耐食コーティングの磁性は、高
温に曝された直後には高い値を示していたが、その後次
第に磁性を失い殆ど無視できる程になっている。したが
って、定期検査時などの、相当長い時間使用した時期に
磁性を検出すれば、基材に損傷ありと判断することがで
き、廃棄処分の判定の目安とすることができる。このこ
とはガスタービン動翼の基材に限らず、酸化することに
より磁性を呈する組成、更には強磁性元素を含む材料を
基材とする構造物においても起きるものである。
【0009】請求項1記載の発明はかかる知見に基づく
ものであって、構造物のコーティングの組織変化による
劣化を検出する方法において、コーティングと同じ材料
を使って劣化状況と導電率との相関を示す検定曲線を求
めておき、コーティングの導電率を測定し、この導電率
の変化量から検定曲線を利用してコーティングの劣化状
況を推定するようにしている。この場合、導電率とコー
ティングの劣化度との相関を示す検定曲線と、検査対象
となるコーティングの測定導電率から、コーティングの
劣化状況が判明する。例えば耐食コーティングの場合、
測定導電率が検定曲線の耐食性を損なう導電率まで達し
ているか否かを判断することによって、最適なリコーテ
ィング時期を判断することができる。
【0010】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載のコーティングの非破壊劣化検査方法において用いら
れる検定曲線が、コーティングの劣化状況の異なる複数
の高温部材を対比試験体とし、該対比試験体のコーティ
ングの劣化状態に対応する渦電流信号をプロットして得
たものであり、かつ検査しようとするコーティングの導
電率が当該コーティング内に生じる渦電流に基づき得ら
れる渦電流信号であることを特徴としている。この場合
には、コーティングの組織変化に伴う導電率の変化は、
渦電流の電流量そのものを変えて出力信号に反映され、
同時に透磁率に変化が生じている場合にもこれを検出す
ることができる。しかも、渦電流による導電率の変化量
の測定はコーティングの表面に形成される酸化膜を除去
しなくても測定できる。
【0011】更に、請求項3記載の発明は、基材の表面
にコーティングが施された構造物の基材の損傷を検査す
る方法において、コーティングに沿って磁性を測定し、
磁性が強くなっている箇所が検出されたときに当該高温
部品の基材が損傷していると推定するようにしている。
したがって、強い磁性を検出した際には、基材が損傷し
ているから、リコーティングを行わずに廃棄処分が適切
であると判断できる。
【0012】また、請求項4記載の発明は、請求項3記
載の構造物の基材の損傷の非破壊検査方法において、磁
性の測定が渦電流法によって行なわれるようにしてい
る。この場合には、渦電流信号が比較的小さなときには
コーティングの劣化状況即ち導電率の変化を反映するも
のであるが、突出した大きな出力が得られたときには強
い磁性を検出したものであることから、コーティングの
一部に欠損があり尚かつ基材にも損傷が生じているもの
と判断することができるので、コーティングのリコーテ
ィングを行わずに高温部品を廃棄処分とすることができ
る。即ち、コーティングのリコーティング時期に達した
か否かと高温部品の廃棄処分が適切か否かとを同時に適
切に判定できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。本発明の
コーティングの非破壊劣化検査方法は、基材の表面にコ
ーティングを施した構造物の組織変化による劣化、特に
ガスタービン動翼などの高温部品の耐食コーティングの
組織変化による劣化を検出するのに適した方法であっ
て、定期検査時や任意の検査時にコーティングの導電率
(あるいは導電率に関連する電気的物性値)を測定し、
あらかじめ求めておいた導電率とコーティングの劣化度
との相関を示す検定曲線を利用して測定導電率からコー
ティングの劣化状況を推定するものである。そして、こ
れによってコーティングの寿命評価を行い、リコーティ
ング時期の最適化を図るものである。即ち、測定導電率
が検定曲線の耐食性を損なう導電率まで達しているか否
かを判断することによって、最適なリコーティング時期
を判断することができる。
【0014】ここで、検定曲線は、コーティングの劣化
状況の異なる複数の高温部材を対比試験体とし、該対比
試験体のコーティングの劣化状態に対応する渦電流信号
をプロットして得たものであることが好ましい。この場
合には、検査対象となる耐食コーティングの導電率は、
渦電流法によって検出される当該コーティングに発生す
る渦電流の検出信号で表されるので、そのまま検定曲線
を利用することができる。この渦電流法による測定の場
合、耐食コーティングの表面に酸化膜が生じていても導
電率を測定することができる。勿論、耐食コーティング
そのものに電流を流す直流四端子法により得られた抵抗
値から導電率を換算するようにしても良い。この場合に
は、対比試験体並びに検査対象となる実機のコーティン
グのそれぞれの表面の酸化膜を研磨などで除去してから
測定することが必要である。
【0015】また、定期検査時に耐食コーティングの磁
性を測定し、強い磁性となっている箇所が検出されたと
きには、基材表面が高温に曝されて酸化膜が形成されて
いるか、基材表層での組織変化が起きて磁性をもったと
いうことに帰結するので、基材に損傷ありと判断するこ
とができる。したがって、耐食コーティングが表面に施
されたガスタービン動翼などの高温部品の廃棄時期を判
定する目安とすることができる。
【0016】これら電気的・磁気的物性値の測定は、渦
電流法による測定、即ち渦電流試験法(Eddy Current T
esting、以下「ECT」という)によれば同時に実施でき
る。渦電流法は、磁性体に交流磁界を与えて電磁誘導に
より渦電流を発生されてそれがつくる鎖交磁束を測定す
るものである。渦電流がつくる磁束は磁性材料の透磁率
並びに導電率を反映しているものなので、透磁率の変化
並びに導電率の変化が渦電流量や磁束の変化としてEC
T出力に影響を与えるため、これら出力信号から透磁率
と導電率に関連する変化を測定できる。そして、透磁率
と導電率に関連する変化は渦電流検出信号の大きさが大
きく異なるため容易に区別される。また、これら電気的
・磁気的物性値の測定は、通常、室温で行われる。
【0017】
【実施例】以下にガスタービンの初段動翼に施される耐
食コーティングの劣化並びに基材の損傷を検査する手法
を説明する。
【0018】1.試験片の作製 初段動翼材料の電気・磁気的物性測定用およびコーティ
ング劣化評価用に、初段動翼と同じ材質の試験片を作製
した。具体的には、1100℃級ガスタービン初段動翼
の基材に用いられているニッケル超合金IN738LCの円柱
状の試験片の平面部に耐食コーティングに用いられるCo
CrAlY を真空プラズマ溶射してコーティングした。そし
て、試験片を人工的に劣化させるために、大気中におい
て2個ずつ950℃および1000℃の熱時効試験に供じ、熱
時効材を作製した。尚、ニッケル基合金の化学組成を表
1に、耐食コーティングCoCrAlYの化学組成を表2にそ
れぞれ示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】2.初段動翼材料の電気・磁気的物性 2.1 電気・磁気的物性の測定 ECTによって、これらの熱時効材並びに未時効材の導
電率および比透磁率を測定した。
【0022】本実施例は定期検査での非破壊評価を見据
えた物性データの取得であるため、室温でデータを取得
した。導電率は直流四端子法により得られた抵抗値から
換算した。なお、熱時効材表面に付着した酸化膜のた
め、抵抗測定が不可能であったため、試験片を研磨した
後、導電率および比透磁率を測定した。
【0023】(1)導電性 ニッケル基超合金およびCoCrAlYの未時効材における導
電率測定結果の上限・下限値および平均値を表3に示
す。この結果は試験片の両平面部中心に4端子プローブ
3を押し付けて測定した結果である。ニッケル基超合金
およびCoCrAlY は電気的にほぼ等しいことが判った。初
段動翼のメタル温度を考慮して、熱時効材の導電率の平
均値を図3に示す。両材料ともに時間の経過とともに若
干変化するが、変化量は未時効材における測定結果のば
らつきの程度であった。
【0024】
【表3】
【0025】(2)磁性 ガスタービン動翼の製造時の状態に匹敵する未時効材の
比透磁率をμメータにより測定した結果を表3に示す。
この結果は、試験片の両平面部中心にμメータプローブ
を押し付けて測定した結果である。表3から、ニッケル
基超合金およびCoCrAlY の磁性はECT において無視でき
るほど小さい。即ち、加熱処理しない状態では磁性を示
していないことが分かる。しかし、基材となるIN738LC
の熱時効材では高温(950℃,1000℃)での加熱処理直
後には顕著な磁性が見られず、500時間加熱処理した以
降で試験片表層が酸化して磁性が生じていた。ここで、
ニッケル基合金は大気中に曝さなければ(コーティング
されていれば)、製造時と同じく非磁性のままである
が、曝されると表層に酸化膜が生成されて磁化されるも
のと考えられる。また、両者の比透磁率は試験時間とと
もに上昇傾向を示す。IN738LCおよびCoCrAlY に磁性が
生じたのは、それぞれの主成分であるNiおよびCoが強磁
性元素であり、それらの化合物の結晶構造が磁化し易い
結晶構造に変化したことが原因と考えられる。
【0026】950℃で1000時間加熱した熱時効材・試
験片の表面と内部を切り出し、振動試料型磁力計(Vibra
ting Sample Magnetometer、VSM)により得られた磁化曲
線を図5に示す。この図から表面部(Portion A、初期比
透磁率:1.283)は内部(Portion B、初期比透磁率:1.04
4)に比べて磁性が強いことが判った。
【0027】3.渦電流法に基づく非破壊劣化検査 3.1 測定システム 円筒状試験片の平面部をAスキャン(1点測定)、また
は、曲面部をラスタースキャンするための渦電流測定シ
ステム1を構築した。本システム1は、渦電流探傷器
2、スキャナ4、制御装置5およびプローブ3から構成
される。システム1の外観および構成を図6に示す。
【0028】渦電流探傷器2は4チャンネルの物理チャ
ンネルを有し、アブソリュート型/ディファレンシャル
型プローブ3およびトランスミット−レシーブ型プロー
ブ3のすべてのプローブ3を接続可能である。アブソリ
ュート型プローブ3などは内部のブリッジ回路を平衡に
するため、試験用プローブ3以外にそれと同仕様の比較
用プローブ3を必要とした。しかし、渦電流探傷器2
は、ブリッジ回路の平衡を電気的に調節することができ
るため、比較用プローブ3を必要としない。試験周波数
範囲は1kHz〜6MHzと通常の渦電流探傷器2より広い帯
域である。
【0029】スキャナ4から得られるプローブ3の位置
情報を処理するエンコーダを渦電流探傷器2に増設し、
渦電流探傷器2と制御装置5をEther(イーサー) ケーブ
ルで接続できるようにした。これによって、探傷データ
とプローブ位置データを高速に取得できるだけでなく、
検査結果の審査官が現場に常駐せずにリアルタイムで探
傷結果の判定が可能となる。スキャナ4は円柱状試験片
の曲面に対して、ラスタースキャンが可能である。軸方
向の可動距離は80mmであり、軸方向および周方向の移動
間隔はそれぞれ0.1mmおよび1度である。
【0030】3.2 コーティング劣化評価 初段動翼の劣化評価へのECT の適用性を明らかにするた
め、渦電流測定システム1を用いて熱時効材を測定し
た。熱時効試験の温度は950℃および1000℃である。パ
ンケーキコイルプローブ3を試験周波数1.5MHzで用い、
熱時効材コーティング面中心上にリフトオフ0.2mmでA
スキャンした。
【0031】未時効材の信号を基準にして、熱時効材か
ら得られた信号を図1に示す。(a)の複素平面図の縦
軸に探傷器2の出力の垂直成分(V comp.)、横軸に水
平成分(H comp.)をとり、同図には参考のためリフト
オフ変化(L.O.)による信号を載せている。熱時効材の信
号はリフトオフ変化による信号と位相角が異なるため、
熱時効材の信号はリフトオフ設定誤差によるものではな
いことが判る。図1の(b)から熱時効初期には強い信
号が得られ、約300時間で未時効材とほぼ等しい信号と
なり、後に信号強度が上昇することが観測される。300
時間に至るまでの信号はCoCrAlYの磁性に起因すると考
えられる。
【0032】磁性による影響が無視できるほど小さくな
った後の信号は、何に起因するかを把握するため、未時
効材において基材およびコーティングのそれぞれの渦電
流による信号(コイルの誘導電圧)と全体の信号の関係を
数値解析によって明らかにした。得られた結果を図4に
示す。この図から、コーティングによる信号が試験周波
数1MHzで基材による信号を上回ることが確認された。
よって、磁性が無視できるほど小さくなった後の信号は
コーティングの導電率変化によるものと予想される。な
お、試験周波数600kHz、800kHzおよび1MHzについても
測定を実施したが、上記と同様の結果を得ている。
【0033】図7は熱時効前後の試験片縦断面の電子顕
微鏡観察結果である。熱時効前のコート材は、CoCrのマ
トリックスに金属間化合物β-CoAl が分散したCoCrAlY
コーティング層、IN738LC 基材と両者の間に存在する拡
散層から成る。熱時効を行うとコーティング層と基材の
相互拡散が進行し、拡散層厚さが増大する。またCoCrAl
Yコーティング層では、コート材表面の酸化の進行に伴
いAl濃度が減少し、β相が消失した領域が増大する。い
ずれの領域でも構成相がコーティング層や基材と異なる
ため、それぞれの領域の増大に伴い電磁気特性が変化す
る可能性がある。しかしながらECT が試料の表層の変化
に対してより敏感であることを考えると、時効に伴う導
電率変化はβ消失層厚さ変化に対応して生じたものと考
えられる。図8に時効前後の試験片Al、Co、Ni量を面分
析した結果を示す。この結果からは、β消失層でβ相に
対応するAl濃度の高い粒子状の領域がなくなっている以
外、元素の分布に大きな変化はみられなかった。従って
導電率の変化はβ相消失そのものに対応していると考え
られる。β相の消失はコーティングの耐食性能の減少を
意味しており、従って導電率変化からコーティングの残
留耐食能を評価できる可能性がある。そこで、導電率と
耐食コーティングの劣化度との相関を示す検定曲線を求
めておけば、測定導電率から耐食コーティングの劣化状
況が判明する。
【0034】なお、導電率変化によるコーティング劣化
評価法を実機に適用する際、適用部位にき裂がある場合
は、劣化とき裂による複合信号が得られる。個々の信号
に位相分離性があれば、この複合信号から劣化に対する
成分を抽出することは原理的に可能である。ただし、現
場でのいろいろなノイズ要因を考慮すると、き裂が発生
せず、なおかつコーティングの劣化の顕著な部位を選定
することが好ましい。
【0035】3.3 高温部品の廃棄評価 ガスタービン動翼の基材・IN738LC(ニッケル系超合
金)を950℃で1000時間加熱した試験片の表面と内部
を切り出し、VSM により得られた磁化曲線を図5に示す
示す。この図から表面部(Portion A、初期比透磁率:1.
283)は内部(Portion B、初期比透磁率:1.044)に比べて
磁性が強いことが判った。即ち、ニッケル超合金IN738L
Cは、動翼製造時には磁性を示さない(低透磁率:Porti
on B)が、表層部分の組成変化のため酸化膜が生成され
ると強磁性(高透磁率:Portion A)となることが分か
る。一方で、耐食コーティングは、図2に示すように、
定格運転を開始して300時間ほどで製造時の磁性を示
さない状態と変わらなくなり、ほとんど磁性を無視でき
る程になっている。したがって、耐食コーティングのリ
コーティングしなければならない時期(定格運転で例え
ば数万時間経過している時など)においては、磁性は検
出されずそれよりも低い導電率の変化が検出されること
となる。その導電率の測定時に突出した出力があれば、
それは磁性を検出したものであり、コーティングがエロ
ージョンなどで無くなり、基材が露出して高温に直接曝
され損傷を生じているものと判断できる。ECTによる
導電率の検出値と透磁率の検出値とでは1桁以上大きさ
が異なる(透磁率の方が遙かに大きい)ので、容易に判
断できる。そこで、このような場合には、耐食コーティ
ングが一部において完全に剥がれ、基材が損傷(酸化な
どの組成変化を起こしたり、傷付いたりしている状態)
した結果として磁性を帯びていると推定できるので、耐
食コーティングのリコーティングを行わずに高温部品そ
のものを廃棄処分とする。
【0036】尚、耐食コーティングの色が変化している
場合には、経験的にその部分でコーティングが無くなっ
ていることを判断できるが、正確な判断は組織を観察し
ないて判断できないし、ましてや基材の損傷までは判断
できない。しかし、本発明によると、本来検出されない
磁性を検出することで基材の損傷を非破壊でも正確に推
定して判定できる。
【0037】なお、上述の実施形態は本発明の好適な実
施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能で
ある。
【0038】例えば、ここでは本発明をタービン動翼に
適用した好適例を示したが、これは一例にすぎず、高温
雰囲気下で使用されるタービン動翼以外の高温部材ある
いは構造物にも適用可能であることはいうまでもない。
また、本実施例では、ECTを用いて導電率を測定した
が、これに特に限定されるものではない。ECTの場合
には、1つの機器で磁性と導電性とを検出できるので、
組織変化に対応した導電率を検出するのと同時に透磁率
も測定してコーティングの欠損箇所での基材表層での磁
化を検出することができるので好ましい。
【0039】更に、本実施形態では、ニッケル超合金IN
738LCの基材にCoCrAlYのコーテイング層を形成した11
00℃級ガスタービン初段動翼を例に挙げて主に説明し
ているが、これに特に限られず、NiCoCrAlYやCoNiCrAlY
などの耐食コーティングについても適用可能であるし、
また、導体となり得る組成を有するコーティングであれ
ば耐摩耗コーティングやその他の用途のコーティングの
劣化検査にも適用できることは言うまでもない。更に、
アルミパックのような非磁性材料(比透磁率が1に近
く、強い磁性を示さない材料)で覆われた1300℃ガ
スタービン初段動翼のようなものでも適用可能である。
【0040】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1記載の耐食コーティングの劣化の非破壊検査方法によ
ると、検査対象となる耐食コーティングの導電性を測定
し、導電率と劣化との相関を示す検定曲線を利用して耐
食コーティングの劣化状況を推定することができるの
で、組織観察のため動翼を破壊する必要がなく、耐食コ
ーティングの劣化状態を簡単に評価することが可能とな
り、経済性の面からも有利となる。しかも、耐食コーテ
ィングの劣化を非破壊的に評価することができるので、
耐食コーティングの寿命評価およびリコーティング時期
の最適化を図ることができる。
【0041】また、請求項2記載の耐食コーティングの
劣化の非破壊検査方法によると、耐食コーティングの表
面に形成される酸化膜を除去しなくともそのまま導電率
を測定することができ、例えばガスタービン動翼などの
高温部品の実機の劣化状態を簡単に評価することが可能
となる。
【0042】更に、請求項3記載の発明によると、耐食
コーティングがなくなって露出した基材の表面に生成さ
れた酸化物あるいは表層部分に析出して密度を増した強
磁性体となり得る組成物の磁性を検出してコーティング
の剥がれと基材の損傷を推定するので、非破壊でかつ簡
単に基材の損傷を検出できる。そして、磁性を検出すれ
ば、基材に欠損ありと判断できるので、廃棄処分の判断
が容易にできる。
【0043】更に、請求項4記載の発明によると、渦電
流信号が耐食コーティングの導電率の変化と基材の磁性
とを同時に検出できるものであることから、耐食コーテ
ィングの劣化状況耐食コーティングの一部に欠損があり
尚かつ基材にも損傷が生じているものと判断することが
できるので、耐食コーティングのリコーティングを行わ
ずに高温部品を廃棄処分とするすることができる。即
ち、耐食コーティングのリコーティング時期と高温部品
の廃棄の有無を同時に判定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱時効材に対するECT信号を示す(a)複素平
面図および(b)振幅図である。
【図2】熱時効材に対するμメータの出力値を示すグラ
フである。
【図3】熱時効材の導電率の変化を示すグラフである。
【図4】基材およびコーティングの渦電流によるECT信
号を示すグラフである。
【図5】IN738LCの磁化特性を示すグラフである。
【図6】渦電流測定システムの構成を示す図である。
【図7】熱時効前後における組織の変化を示す顕微鏡写
真である。
【図8】コート材のEPMA面分析結果を示す顕微鏡写
真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G053 AA11 AA14 AB07 AB21 BA14 BC02 BC14 CA03 CB24 CB27 DB05 2G060 AA11 AE29 AF08 EA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物のコーティングの組織変化による
    劣化を検出する方法において、前記コーティングと同じ
    材料を使って劣化状況と導電率との相関を示す検定曲線
    を求めておき、前記コーティングの導電率を測定し、こ
    の導電率の変化量から前記検定曲線を利用して前記コー
    ティングの劣化状況を推定することを特徴とするコーテ
    ィングの劣化の非破壊検査方法。
  2. 【請求項2】 前記検定曲線は、コーティングの劣化状
    況の異なる複数の高温部材を対比試験体とし、該対比試
    験体のコーティングの劣化状態に対応する渦電流信号を
    プロットして得たものであり、かつ検査しようとする前
    記コーティングの導電率は当該コーティング内に生じる
    渦電流に基づき得られる渦電流信号であることを特徴と
    する請求項1記載のコーティングの劣化の非破壊検査方
    法。
  3. 【請求項3】 基材の表面にコーティングが施された構
    造物の前記基材の損傷を検査する方法において、前記コ
    ーティングに沿って磁性を測定し、磁性が強くなってい
    る箇所が検出されたときに当該構造物の前記基材が損傷
    していると推定することを特徴とする高温部品の基材の
    損傷の非破壊検査方法。
  4. 【請求項4】 前記磁性の測定は渦電流法によって行う
    ことを特徴とする請求項3記載の構造物の基材の損傷の
    非破壊検査方法。
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