JP2003056661A - トラニオンシャフト、トラニオン本体部、トラニオン、およびトラニオンの製造方法 - Google Patents

トラニオンシャフト、トラニオン本体部、トラニオン、およびトラニオンの製造方法

Info

Publication number
JP2003056661A
JP2003056661A JP2001242392A JP2001242392A JP2003056661A JP 2003056661 A JP2003056661 A JP 2003056661A JP 2001242392 A JP2001242392 A JP 2001242392A JP 2001242392 A JP2001242392 A JP 2001242392A JP 2003056661 A JP2003056661 A JP 2003056661A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
trunnion
shaft
insertion hole
shaft insertion
outer peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001242392A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuomi Nakayama
達臣 中山
Masahiro Komata
正博 小又
Minoru Ota
稔 太田
Yutaka Makuchi
裕 馬久地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2001242392A priority Critical patent/JP2003056661A/ja
Publication of JP2003056661A publication Critical patent/JP2003056661A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Friction Gearing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性を向上することができるトロイダル形
無段変速機用のトラニオンシャフトを提供する。 【解決手段】 トラニオンシャフト2の先端部近傍に環
状の溝21を設けた。これにより、押し付け部材61に
よりトラニオン本体部101のシャフト挿入穴102外
周部からかしめることにより、容易にトラニオン本体部
とトラニオンシャフトを接続することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、本発明は、トロイ
ダル形無段変速機用のトラニオンシャフト、トラニオン
本体部、トラニオン、およびトラニオンの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】トロイダル形無段変速機は、たとえば特
開平07−286649号公報、特開2001−328
99号公報などに開示されているものがある。
【0003】これらに開示されたトロイダル形無段変速
機の重要な部材の一つにトラニオンがある。
【0004】図13は、従来のトラニオンを示す図面で
ある。
【0005】図示するように従来のトラニオン100
は、トラニオン本体部101とトラニオンシャフト11
1がピン103により接続されている。
【0006】このようなトラニオン100は、トラニオ
ン本体部101のシャフト挿入穴102と、トラニオン
シャフト111の先端部外周部を所定の径となるように
加工し、その後、トラニオンシャフト111をトラニオ
ン本体部101のシャフト挿入穴102に挿入したうえ
で、トラニオン本体部101の外部より、トラニオン本
体部101およびトラニオンシャフト111を貫通する
ピン穴を加工し、その後にピン103を圧入することに
より組み立てられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな方法で製造されるトラニオンは、トラニオン本体部
にトラニオンシャフトを挿入した後の穴加工が必要とな
るばかりか、ピンの加工やピンを圧入するための組み付
け機が必要となり、完成にいたるまでの工程が長く、生
産性が上がり難いと言う問題点があった。
【0008】そこで、本発明の目的は、生産性を向上す
ることができるトロイダル形無段変速機用のトラニオン
シャフト、およびトラニオン本体部を提供することであ
り、また、これらを用いたトラニオンと、その製造方法
を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以下の
構成により達成される。
【0010】(1)トロイダル形無段変速機用トラニオ
ンにおけるトラニオン本体部のシャフト挿入穴に挿入さ
れて当該トラニオン本体部と接続されるトラニオンシャ
フトにおいて、前記シャフト挿入穴に挿入される側の先
端近傍の外周部に凹部を有することを特徴とするトラニ
オンシャフト。
【0011】(2)前記凹部は、少なくとも一つの環状
の溝であることを特徴とする。
【0012】(3)前記溝は、らせん状であることを特
徴とする。
【0013】(4)前記トラニオンシャフトの前記溝形
成部分の一部に、前記溝よりも大きな凹部がさらに設け
られていることを特徴とする。
【0014】(5)前記(1)〜(4)のいずれか一つ
に記載のトラニオンシャフトを有することを特徴とする
トロイダル形無段変速機用トラニオン。
【0015】(6)前記(1)〜(4)のいずれか一つ
に記載のトラニオンシャフトが接続されるトラニオン本
体部であって、当該トラニオン本体部のシャフト挿入穴
の外周部に、肉薄部を有することを特徴とするトラニオ
ン本体部。
【0016】(7)前記(1)〜(4)のいずれか一つ
に記載のトラニオンシャフトが接続されるトラニオン本
体部であって、当該トラニオン本体部のシャフト挿入穴
が前記トラニオンシャフトの挿入長さに合わせたとまり
穴であることを特徴とするトラニオン本体部。
【0017】(8)前記(1)〜(4)のいずれか一つ
に記載のトラニオンシャフトが接続されるトラニオン本
体部であって、当該トラニオン本体部のシャフト挿入穴
の外周部に、焼き入れ後に一部除去された部分を有する
ことを特徴とするトラニオン本体部。
【0018】(9)前記(1)〜(4)のいずれか一つ
に記載のトラニオンシャフトと、前記(6)〜(8)の
いずれか一つに記載のトラニオン本体部とを接続したこ
とを特徴とするトロイダル形無段変速機用トラニオン。
【0019】(10)前記(1)〜(4)のいずれか一
つに記載のトラニオンシャフトをトラニオン本体部のシ
ャフト挿入穴に挿入し、前記トラニオン本体部のシャフ
ト挿入穴外周部より、押し付け力を印加し、シャフト挿
入穴を内側にかしめることにより前記トラニオン本体部
と前記トラニオンシャフトを接続することを特徴とする
トロイダル形無段変速機用トラニオンの製造方法。
【0020】(11)前記(1)〜(4)のいずれか一
つに記載のトラニオンシャフトを前記(6)〜(8)の
いずれか一つに記載のトラニオン本体部のシャフト挿入
穴に挿入し、前記トラニオン本体部のシャフト挿入穴外
周部より、押し付け力を印加し、シャフト挿入穴を内側
にかしめることにより前記トラニオン本体部とトラニオ
ンシャフトを接続することを特徴とするトロイダル形無
段変速機用トラニオンの製造方法。
【0021】(12)前記押し付け力は、前記トラニオ
ン本体部のシャフト挿入穴外周部を挟んで対向するよう
に第1ローラおよび第2ローラを設け、当該第1ローラ
および第2ローラを前記シャフト挿入穴外周部に回転さ
せつつ押し付けることにより印加することを特徴とす
る。
【0022】(13)前記かしめることにより前記トラ
ニオン本体部トラニオンシャフトを接続した後、さら
に、接続部を溶接することを特徴とする。
【0023】(14)前記かしめることにより前記トラ
ニオン本体部トラニオンシャフトを接続した後、さら
に、接続部をろう付けすることを特徴とする。
【0024】(15)前記かしめることにより前記トラ
ニオン本体部トラニオンシャフトを接続した後、さら
に、接続部を接着することを特徴とする。
【0025】
【発明の効果】本発明は、請求項ごとに以下のような効
果を奏する。
【0026】請求項1記載の本発明によれば、トラニオ
ンシャフトの、シャフト挿入穴に挿入される側の先端近
傍の外周部に凹部を設けたので、トラニオン本体部のシ
ャフト挿入穴に、このトラニオンシャフトを挿入後、シ
ャフト挿入穴の外周部からかしめにより、容易にトライ
オン本体部とトラニオンシャフトを接続することが可能
となり、従来のようなピンを用いないため、ピン穴加工
およびピンの製作が不要となり生産性が向上する。
【0027】請求項2記載の本発明によれば、トラニオ
ンシャフトに設ける凹部を少なくとも一つの環状の溝と
したので、トラニオンシャフト自身を製作する場合と同
じく、鍛造または旋削加工などによって容易に成形する
ことができる。また、溝は、トラニオンシャフトの外周
部に環状に形成されているため、接続後におけるトラニ
オンシャフトの軸方向の拘束力を向上することができ
る。
【0028】請求項3記載の本発明によれば、トラニオ
ンシャフトに設ける凹部をらせん状の溝としたので、ト
ラニオンシャフト自身を製作する場合と同じく、鍛造ま
たは旋削加工などによって容易に成形することができ、
また、接続後におけるシャフトの軸方向の拘束力をより
一層向上することができる。
【0029】請求項4記載の本発明によれば、溝形成部
分の一部に、溝よりも大きな凹部を設けたので、トラニ
オンシャフトの外周部を加工する際に、同時に凹部の加
工できるため、凹部の加工が容易である上、トラニオン
シャフトをかしめによりトラニオン本体部と接続した際
に、この凹部にかしめられたトラニオン本体部の肉に入
り込むため、トラニオンシャフトを軸方向とともに、回
転方向にも同時に拘束することができる。
【0030】請求項5記載の本発明によれば、トラニオ
ン本体部とトラニオンシャフトの加工、組み付けが容易
となり、製造コストの低減が図れたトロイダル形無段変
速機用トラニオンを提供できる。
【0031】請求項6記載の本発明によれば、請求項1
〜4のいずれか一つに記載のトラニオンシャフトが接続
されるトラニオン本体部のシャフト挿入穴の外周部に、
肉薄部を設けたので、シャフト挿入穴外周部をかしめて
トラニオンシャフトを固定する加工が容易になる。
【0032】請求項7記載の本発明によれば、請求項1
〜4のいずれか一つに記載のトラニオンシャフトが接続
されるトラニオン本体部のシャフト挿入穴を、トラニオ
ンシャフトの挿入長さに合わせたとまり穴としたので、
トラニオンシャフトをシャフト挿入穴に挿入後、シャフ
ト位置や長さの調整加工が不要となり、加工工程をさら
に簡略化することができる。
【0033】請求項8記載の本発明によれば、請求項1
〜4のいずれか一つに記載のトラニオンシャフトが接続
されるトラニオン本体部のシャフト挿入穴の外周部に、
焼き入れ後に一部除去された部分を設けたので、シャフ
ト挿入穴外周部をかしめてトラニオンシャフトを固定す
る加工が容易になる。
【0034】請求項9記載の本発明によれば、前記請求
項1〜4のいずれか一つに記載のトラニオンシャフト
と、前記請求項6〜8のいずれか一つに記載のトラニオ
ン本体部とを接続したので、トラニオン本体部とトラニ
オンシャフトの加工、組み付けが容易となり、製造コス
トの低減が図れたトロイダル形無段変速機用トラニオン
を提供できる。
【0035】請求項10記載の本発明によれば、請求項
1〜4のいずれか一つに記載のトラニオンシャフトをト
ラニオン本体部のシャフト挿入穴に挿入後、シャフト挿
入穴外周部より押し付け力を印加して、シャフト挿入穴
を内側にかしめることによりトラニオン本体部とトラニ
オンシャフトを接続することとしたので、かしめ作業に
より簡単にトラニオン本体部とトラニオンシャフトを接
続することができ、生産性を向上することができる。
【0036】請求項11記載の本発明によれば、請求項
1〜4のいずれか一つに記載のトラニオンシャフトを請
求項6〜8のいずれか一つに記載のトラニオン本体部の
シャフト挿入穴に挿入後、シャフト挿入穴外周部より押
し付け力を印加して、シャフト挿入穴を内側にかしめる
ことによりトラニオン本体部とトラニオンシャフトを接
続することとしたので、かしめ作業により簡単にトラニ
オン本体部とトラニオンシャフトを接続することがで
き、生産性を向上することができる。
【0037】請求項12記載の本発明によれば、トラニ
オン本体部のシャフト挿入穴外周部を挟んで対向するよ
うに設けた第1ローラと第2ローラをシャフト挿入穴外
周部に押し付けて、これら第1ローラと第2ローラを回
転しつつ押し付け力を印加するで、かしめ作業を行うこ
ととしたので、トラニオン本体部とトラニオンシャフト
の接続作業を容易に行うことができる。しかも、第1ロ
ーラと第2ローラを回転しつつ押し付けているため、シ
ャフト挿入穴外周部の全周囲にわたり回転することでか
しめ作業を行うことができるで、ターニングセンタ等の
加工機を用いて接続作業を行うことができる。
【0038】請求項13記載の本発明によれば、かしめ
により接続したトラニオン本体部とトラニオンシャフト
の接続部分をさらに溶接することとしたので、トラニオ
ン本体部とトラニオンシャフトの接続をさらに強固にす
ることができる。
【0039】請求項14記載の本発明によれば、かしめ
により接続したトラニオン本体部とトラニオンシャフト
の接続部分をさらにろう付けすることとしたので、トラ
ニオン本体部とトラニオンシャフトの接続をさらに強固
にすることができる。
【0040】請求項15記載の本発明によれば、かしめ
により接続したトラニオン本体部とトラニオンシャフト
の接続部分をさらに接着することとしたので、トラニオ
ン本体部とトラニオンシャフトの接続をさらに強固にす
ることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0042】(第1の実施の形態)図1は、本発明を適
用したトラニオンシャフトを示す図面である。
【0043】このトラニオンシャフト1は、先端近傍の
外周部に、対向する形で凹部11を設けたものである。
【0044】図2は、このトラニオンシャフトを用いた
トラニオンの製造方法を説明するための図面であり、図
2(a)は側面図、図2(b)は図2(a)におけるA
−A線に沿う断面図である。
【0045】このトラニオンシャフト1を用いたトラニ
オンの製造方法は、まず、あらかじめトラニオンシャフ
ト挿入のための穴加工が行われているトラニオン本体部
101のシャフト挿入穴102に、トラニオンシャフト
1の凹部11を設けた側を挿入する。このとき、トラニ
オンシャフト1を挿入する長さは、凹部11が後述する
かしめ作業のときにかしめる位置となるように調整す
る。
【0046】その後、押し付け部材61によりトラニオ
ン本体部101のシャフト挿入穴102の外周部から押
し付け力を加えて、シャフト挿入穴部分を外側からかし
めることにより、トラニオン本体部101とトラニオン
シャフト1を結合する。
【0047】これにより、たとえば鋼などにより製造し
たトラニオン本体部やトラニオンシャフト1を、かしめ
により容易に接合することができ、従来のようなピン穴
加工およびピンの製作が不要となり、トラニオンの生産
性を向上させることができる。
【0048】また、凹部は鍛造加工や切削、研削加工な
どにより容易に成形することができる。
【0049】(第2の実施の形態)図3は、本発明を適
用した他の形態のトラニオンシャフトを示す図面であ
る。
【0050】このトラニオンシャフト2は、先端近傍の
全外周部にわたる溝21を設けたものである。
【0051】図4は、このトラニオンシャフトを用いた
トラニオンの製造方法を説明するためのトラニオンシャ
フト接合部分の部分断面図である。
【0052】このトラニオンシャフト2を用いたトラニ
オンの製造方法は、まず、あらかじめトラニオンシャフ
ト挿入のための穴加工が行われているトラニオン本体部
101のシャフト挿入穴102に、トラニオンシャフト
2の溝21を設けた側を挿入する。このとき、トラニオ
ンシャフト2を挿入する長さは、溝21が後述するかし
め作業のときにかしめる位置となるように調整する。
【0053】その後、押し付け部材61によりトラニオ
ン本体部101のシャフト挿入穴102の外側から、全
周囲にわたり押し付け力を加えて、シャフト挿入穴部分
を外側からかしめることにより、トラニオン本体部10
1とトラニオンシャフト2を結合する。
【0054】これにより、たとえば鋼などにより製造し
たトラニオン本体部やトラニオンシャフト1を、かしめ
により容易に接合することができ、従来のようなピン穴
加工およびピンの製作が不要となり、トラニオンの生産
性を向上させることができる。
【0055】また、トラニオンシャフト先端部に設けた
溝21は、トラニオンシャフト自身を製作する場合と同
じく、鍛造または旋削加工などによって容易に成形する
ことができる。
【0056】さらに、このようにトラニオンシャフト2
の全周にわたり溝21を設け、トラニオン本体部のシャ
フト挿入穴外周部より全周にわたりかしめたことで、軸
方向の拘束力を容易に向上することができる。
【0057】(第3の実施の形態)図5は、本発明を適
用した他の形態のトラニオンシャフトを示す図面であ
る。
【0058】このトラニオンシャフト3は、先端近傍の
全外周部にわたり、複数の溝31を設けたものである。
【0059】このトラニオンシャフト3を用いたトラニ
オンの製造方法は、前述した第2の実施形態と同様であ
るので説明を省略する。
【0060】これにより、前述した第2の実施の形態と
同様に、かしめにより容易にトラニオン本体とトラニオ
ンシャフトを接合することができる。また、溝を複数設
けたことで、複数の溝のそれぞれの位置でかしめること
により、軸方向の拘束力をより強くすることができる。
【0061】(第4の実施の形態)図6は、本発明を適
用した他の形態のトラニオンシャフトを示す図面であ
る。
【0062】このトラニオンシャフト4は、先端近傍の
全外周部にわたり、らせん状溝41を設けたものであ
る。
【0063】このトラニオンシャフト3を用いたトラニ
オンの製造方法は、前述した第2の実施形態と同様であ
るので説明を省略する。
【0064】これにより、前述した第2の実施の形態と
同様に、かしめにより容易にトラニオン本体とトラニオ
ンシャフトを接合することができる。また、溝をらせん
状に設けたことで、軸方向の拘束力をより強くすること
ができる。しかもらせん溝であるので、シャフトの外周
部加工の際に、同じ工作機により回転加工することで簡
単に成形することができる。
【0065】(第5の実施の形態)図7は、本発明を適
用した他の形態のトラニオンシャフトを示す図面であ
り、図7(a)はトラニオン本体部101に本第5の実
施の形態におけるトラニオンシャフト5を接続した状態
における断面図であり、図7(b)は図7(a)におけ
るB−B線に沿う断面図である。
【0066】このトラニオンシャフト5は、先端近傍の
全外周部にわたる溝51と、側面の一部に、溝51より
も大きな凹部52を設けたものである。
【0067】このトラニオンシャフト5を用いたトラニ
オンの製造方法は、まず、あらかじめトラニオンシャフ
ト挿入のための穴加工が行われているトラニオン本体部
101のシャフト挿入穴102に、トラニオンシャフト
5の溝51を設けた側を挿入する。このとき、トラニオ
ンシャフト5を挿入する長さは、溝51が後述するかし
め作業のときにかしめる位置となるように調整する。
【0068】その後、押し付け部材61によりトラニオ
ン本体部101のシャフト挿入穴102の外側から、全
周囲にわたり押し付け力を加えて、シャフト挿入穴部分
を外側からかしめることにより、トラニオン本体部10
1とトラニオンシャフト5を結合する。
【0069】これにより、かしめにより容易にトラニオ
ンシャフト5とトラニオン本体部101を接合すること
ができ、トラニオンの生産性を向上させることができ
る。しかも、本第5の実施の形態では、凹部52を形成
したことによりかしめられたトラニオン本体部のシャフ
ト挿入穴部分がこの凹部52に、溝51部分よりも多く
入り込むため、トラニオンシャフトの回転をより確実に
止めることができるまた、溝51よりも大きくした凹部
52は、必要により油通路として使うこともできる。
【0070】(第6の実施の形態)図8は、本発明を適
用したトラニオン本体部を説明するためのトラニオン本
体部とトラニオンシャフトの接続部分の断面図である。
【0071】このトラニオン本体部7は、シャフト挿入
穴102部分に、全周にわたり肉厚を一部薄くした肉薄
部72を形成したものである。肉薄部72は、たとえば
切削加工や研削加工、鍛造などにより形成される。
【0072】これにより、前述した第1〜第5の実施の
形態において説明した各トラニオンシャフト(図8に示
したものは第2の実施の形態におけるトラニオンシャフ
ト2である)をシャフト挿入穴102に挿入後、挿入穴
の外側からかしめて、トラニオン本体部7とトラニオン
シャフト2を結合する際に、かしめ作業が容易になり生
産性をより向上することができる。
【0073】(第7の実施の形態)図9は、本発明を適
用した他の形態のトラニオン本体部を説明するためのト
ラニオン本体部とトラニオンシャフトの接続部分の断面
図である。
【0074】このトラニオン本体部8は、シャフト挿入
穴をトラニオンシャフトが挿入される長さに合わせて、
止まり穴82としたものである。
【0075】これにより、前述した第1〜第5の実施の
形態において説明した各トラニオンシャフト(図9に示
したものは第2の実施の形態におけるトラニオンシャフ
ト2である)をシャフト挿入穴82に挿入したとき、シ
ャフト挿入位置の調整が不要となるので、作業が容易に
なり生産性を向上することができる。
【0076】(第8の実施の形態)図10は、本発明を
適用した他の形態のトラニオン本体部の図面である。
【0077】このトラニオン本体部9は、焼き入れ後
に、シャフト挿入穴102の外周部の一部に除去部分9
5を設けたものである。この除去部分95は、トラニオ
ン本体部の焼き入れ後において、ハードターニングによ
りに除去したものである。
【0078】これにより、トラニオンシャフトをシャフ
ト挿入穴に挿入後、挿入穴の外側からかしめてトラニオ
ン本体部とトラニオンシャフトを結合する際に、かしめ
作業が容易になり生産性をより向上することができる。
【0079】(第9の実施の形態)図11は、本発明を
適用したトラニオンの製造方法を説明するための図面で
ある。
【0080】本第9の実施の形態は、上述した第1〜5
の実施の形態によるトラニオンシャフトのいずれかと、
通常のトラニオン本体部または上述した第6または7の
実施の形態によるトラニオン本体部を接続するトラニオ
ンの製造方法である。なお、図11には、トラニオンシ
ャフトとして第2の実施の形態によるトラニオンシャフ
ト2を示し、トラニオン本体部としては従来型のトラニ
オン本体部101を示したが、これらは、他の実施の形
態により説明したトラニオンシャフト1または3〜4の
いずれでもよく、また同様に、トラニオン本体部7また
は8でもよい。
【0081】この製造方法は、トラニオン本体部101
のシャフト挿入穴を外周部外側からかしめるための押し
付け部材として、シャフト挿入穴外周部との当接面が円
弧面となった第1押し付けローラ91と、シャフト挿入
穴外周部との当接面が平坦面となった第2押し付けロー
ラ92を用いるものである。
【0082】第1押し付けローラ91と第2押し付けロ
ーラ92は、それぞれモータ93および94によって回
転駆動する。
【0083】実際の作業は、トラニオン本体部101の
シャフト挿入穴102に、トラニオンシャフト2を挿入
後、図示するように、シャフト挿入穴外周部の対向する
位置に第1押し付けローラ91と第2押し付けローラ9
2を設置し、それぞれをシャフト挿入穴中心方向へ押し
付けつつ、モータ93および94により回転させる。こ
のとき、トラニオン本体部101とトラニオンシャフト
2はともに回転自在に保持しておく。
【0084】このように、第1押し付けローラ91およ
び第2押し付けローラ92を用いることで、トラニオン
本体部101のシャフト挿入穴102の外周部から全周
にわたり容易にかしめ作業を行うことができるので、簡
単にトラニオンの組み立てを行うことができる。なお、
第1押し付けローラ91の先端を円弧状にし、他方第2
押し付けローラ92は平面としたのは、第1押し付けロ
ーラ91に実際のかしめ作業を行わせて、他方の第2押
し付けローラ92は、このかしめ作業時にトラニオン本
体部を支えるようにしたものである。
【0085】また、第1押し付けローラ91および第2
押し付けローラ92を回転させるモータとしては、ター
ニングセンタなどの加工機を用いることで、作業効率が
向上し、生産性を上げることができる。
【0086】(第10の実施の形態)図12は、本発明
を適用したトラニオンを示す図面である。
【0087】本第10の実施の形態によるトラニオン
は、上述した第1〜5の実施の形態によるトラニオンシ
ャフトのいずれかと、通常のトラニオン本体部または上
述した第6または7の実施の形態によるトラニオン本体
部を接続した後、さらに接続部分を溶接、またはろう付
け、あるいは接着剤により接着したものである。なお、
図12には、前述した第2の実施の形態におけるトラニ
オンシャフト2と、前述した第6の実施の形態における
トラニオン本体部7を示した。また、図において符号9
9は、溶接、ろう付け、または接着部を示す。
【0088】この場合、溶接は、たとえばトラニオン本
体部を組み立て加工後、接合部にレーザ溶接を行う。レ
ーザ溶接を用いた場合、トラニオン本体部の焼き入れと
溶接を同じ機械上で行うことができる。
【0089】また、接着剤を用いる場合には、エポキシ
系接着剤が強固に接着できることから好ましい。
【0090】このように、接続部分を、さらに、溶接、
ろう付け、または接着することで、トラニオン本体部を
トラニオンシャフトの結合をより強くすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した第1の実施の形態における
トラニオンシャフトを示す図面である。
【図2】 上記トラニオンシャフトを用いたトラニオン
の製造方法を説明するための図面であり、図2(a)は
側面図、図2(b)は図2(a)におけるA−A線に沿
う断面図である。
【図3】 本発明を適用した第2の実施の形態における
トラニオンシャフトを示す図面である。
【図4】 上記トラニオンシャフトを用いたトラニオン
の製造方法を説明するためのトラニオンシャフト接合部
分の部分断面図である。
【図5】 本発明を適用した第3の実施の形態における
トラニオンシャフトを示す図面である。
【図6】 本発明を適用した第4の実施の形態における
トラニオンシャフトを示す図面である。
【図7】 本発明を適用した第5の実施の形態における
トラニオンシャフトを説明するための図面であり、トラ
ニオンシャフト接続部分の部分断面図であり、図7
(b)は図7(a)におけるB−B線に沿う断面図であ
る。
【図8】 本発明を適用した第6の実施の形態における
トラニオン本体部を説明するためのトラニオン本体部と
トラニオンシャフトの接続部分の断面図である。
【図9】 本発明を適用した第7の実施の形態における
トラニオン本体部を説明するためのトラニオン本体部と
トラニオンシャフトの接続部分の断面図である。
【図10】 本発明を適用した第8の実施の形態におけ
るトラニオン本体部を示す図面である。
【図11】 本発明を適用したトラニオンの製造方法を
説明するための図面である。
【図12】 本発明を適用したトラニオンを示す図面で
ある。
【図13】 従来のトラニオンを示す図面である。
【符号の説明】
1、2、3、4、5、111…トラニオンシャフト 7、8、9…トラニオン本体部 11…凹部 21、31、41、51…溝 52…凹部 61…押し付け部材 72…肉薄部 82…シャフト挿入穴 91…第1ローラ 92…第2ローラ 93、94…モータ 95…除去部分 99…溶接部、ろう付け部、または接着部、 100…トラニオン 101…トラニオン本体部 102…シャフト挿入穴 103…ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 稔 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 馬久地 裕 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3J051 AA03 BE09 CB06 EC03 ED20

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トロイダル形無段変速機用トラニオンに
    おけるトラニオン本体部のシャフト挿入穴に挿入されて
    当該トラニオン本体部と接続されるトラニオンシャフト
    において、 前記シャフト挿入穴に挿入される側の先端近傍の外周部
    に凹部を有することを特徴とするトラニオンシャフト。
  2. 【請求項2】 前記凹部は、少なくとも一つの環状の溝
    であることを特徴とする請求項1記載のトラニオンシャ
    フト。
  3. 【請求項3】 前記溝は、らせん状であることを特徴と
    する請求項2記載のトラニオンシャフト。
  4. 【請求項4】 前記トラニオンシャフトの前記溝形成部
    分の一部に、前記溝よりも大きな凹部がさらに設けられ
    ていることを特徴とする請求項2または3記載のトラニ
    オンシャフト。
  5. 【請求項5】 前記請求項1〜4のいずれか一つに記載
    のトラニオンシャフトを有することを特徴とするトロイ
    ダル形無段変速機用トラニオン。
  6. 【請求項6】 前記請求項1〜4のいずれか一つに記載
    のトラニオンシャフトが接続されるトラニオン本体部で
    あって、 当該トラニオン本体部のシャフト挿入穴の外周部に、肉
    薄部を有することを特徴とするトラニオン本体部。
  7. 【請求項7】 前記請求項1〜4のいずれか一つに記載
    のトラニオンシャフトが接続されるトラニオン本体部で
    あって、 当該トラニオン本体部のシャフト挿入穴が前記トラニオ
    ンシャフトの挿入長さに合わせたとまり穴であることを
    特徴とするトラニオン本体部。
  8. 【請求項8】 前記請求項1〜4のいずれか一つに記載
    のトラニオンシャフトが接続されるトラニオン本体部で
    あって、 当該トラニオン本体部のシャフト挿入穴の外周部に、焼
    き入れ後に一部除去された部分を有することを特徴とす
    るトラニオン本体部。
  9. 【請求項9】 前記請求項1〜4のいずれか一つに記載
    のトラニオンシャフトと、前記請求項6〜8のいずれか
    一つに記載のトラニオン本体部とを接続したことを特徴
    とするトロイダル形無段変速機用トラニオン。
  10. 【請求項10】 前記請求項1〜4のいずれか一つに記
    載のトラニオンシャフトをトラニオン本体部のシャフト
    挿入穴に挿入し、 前記トラニオン本体部のシャフト挿入穴外周部より、押
    し付け力を印加し、シャフト挿入穴を内側にかしめるこ
    とにより前記トラニオン本体部と前記トラニオンシャフ
    トを接続することを特徴とするトロイダル形無段変速機
    用トラニオンの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記請求項1〜4のいずれか一つに記
    載のトラニオンシャフトを前記請求項6〜8のいずれか
    一つに記載のトラニオン本体部のシャフト挿入穴に挿入
    し、 前記トラニオン本体部のシャフト挿入穴外周部より、押
    し付け力を印加し、シャフト挿入穴を内側にかしめるこ
    とにより前記トラニオン本体部とトラニオンシャフトを
    接続することを特徴とするトロイダル形無段変速機用ト
    ラニオンの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記押し付け力は、前記トラニオン本
    体部のシャフト挿入穴外周部を挟んで対向するように第
    1ローラおよび第2ローラを設け、 当該第1ローラおよび第2ローラを前記シャフト挿入穴
    外周部に回転させつつ押し付けることにより印加するこ
    とを特徴とする請求項10または11記載のトロイダル
    形無段変速機用トラニオンの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記かしめることにより前記トラニオ
    ン本体部トラニオンシャフトを接続した後、さらに、接
    続部を溶接することを特徴とする請求項10〜12のい
    ずれか一つに記載のトロイダル形無段変速機用トラニオ
    ンの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記かしめることにより前記トラニオ
    ン本体部トラニオンシャフトを接続した後、さらに、接
    続部をろう付けすることを特徴とする請求項10〜12
    のいずれか一つに記載のトロイダル形無段変速機用トラ
    ニオンの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記かしめることにより前記トラニオ
    ン本体部トラニオンシャフトを接続した後、さらに、接
    続部を接着することを特徴とする請求項10〜12のい
    ずれか一つに記載のトロイダル形無段変速機用トラニオ
    ンの製造方法。
JP2001242392A 2001-08-09 2001-08-09 トラニオンシャフト、トラニオン本体部、トラニオン、およびトラニオンの製造方法 Withdrawn JP2003056661A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001242392A JP2003056661A (ja) 2001-08-09 2001-08-09 トラニオンシャフト、トラニオン本体部、トラニオン、およびトラニオンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001242392A JP2003056661A (ja) 2001-08-09 2001-08-09 トラニオンシャフト、トラニオン本体部、トラニオン、およびトラニオンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003056661A true JP2003056661A (ja) 2003-02-26

Family

ID=19072668

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001242392A Withdrawn JP2003056661A (ja) 2001-08-09 2001-08-09 トラニオンシャフト、トラニオン本体部、トラニオン、およびトラニオンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003056661A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7095971B2 (en) 2002-02-01 2006-08-22 Ricoh Company, Ltd. Developing method and apparatus using two-ingredient developer with prescribed coating of particles and resin

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7095971B2 (en) 2002-02-01 2006-08-22 Ricoh Company, Ltd. Developing method and apparatus using two-ingredient developer with prescribed coating of particles and resin

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7748925B2 (en) Rotating member fixing structure
US6298556B1 (en) Connection between inner joint part and driveshaft
JP2003028258A (ja) トロイダル型無段変速機
JP2010525244A (ja) 駆動軸及びその製造方法
EP0571551A1 (en) Constant velocity universal joint and method for making same
CN109604857A (zh) 人字齿轮和人字齿轮的焊接方法
JPH06190641A (ja) 同軸の2つの構成要素の組立方法
US7076875B2 (en) Method of manufacturing compound helical planet gears having different leads
US20010008860A1 (en) Planetary gear reduction mechanism with tapered tooth end
JP2003505249A (ja) 摩擦溶接により製作した軸付き円板形部材及びその製作方法
JP2003056661A (ja) トラニオンシャフト、トラニオン本体部、トラニオン、およびトラニオンの製造方法
JPH09158952A (ja) 軸部材の結合構造
JP6555249B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置及びその組立方法
US6682433B2 (en) Arrangement of a running roller on a coupling journal of a moveable shaft coupling
CN218625019U (zh) 一种三段式电机轴及驱动电机
KR100683937B1 (ko) 유니버셜 조인트
JP4244175B2 (ja) 刈払機用伝動軸およびその製造方法
JP3173664B2 (ja) 複合歯車の製造方法
JPH09280263A (ja) 等速ジョイント
JP3754781B2 (ja) 歯車ポンプの歯車固定構造
JP3058276U (ja) 腕時計用バンド
JP2002211422A (ja) トーションバーの組み付け方法およびその方法に用いるトーションバー
JP2007056945A (ja) 等速自在継手の外側継手部材
JP3329292B2 (ja) 無段変速機におけるプーリのかしめ装置およびかしめ構造ならびにかしめ方法
JPH0211872A (ja) 圧縮機のクランクシャフト

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20081104