JP2003056360A - ジェットエンジン - Google Patents
ジェットエンジンInfo
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- JP2003056360A JP2003056360A JP2001241686A JP2001241686A JP2003056360A JP 2003056360 A JP2003056360 A JP 2003056360A JP 2001241686 A JP2001241686 A JP 2001241686A JP 2001241686 A JP2001241686 A JP 2001241686A JP 2003056360 A JP2003056360 A JP 2003056360A
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- pressure axial
- compressor
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ジェットエンジンの圧縮機の圧縮効率を低下
させずに内側部分で空気層の流れの剥離を防止し、高い
サージ余裕を有するジェットエンジンを提供しようとす
る。 【解決手段】従来のジェットエンジンにかわって、低圧
軸流圧縮機と、高圧軸流圧縮機と、低圧軸流圧縮機の吐
出口と高圧軸流圧縮機の吸い込み口とを連通する二重円
筒形状のダクトと、燃焼室と、タービンとを備え、前記
ダクトが、低圧軸流圧縮機の吐出口の内径部分と高圧軸
流圧縮機の内径部分とを繋ぐ内筒と、低圧軸流圧縮機の
吐出口の外径部分と高圧軸流圧縮機の外径部分とを繋ぐ
外筒と、内筒の壁に設けられた内側穴と外筒の壁に設け
られた外側穴とを連通する空気流路を有するものとし
た。
させずに内側部分で空気層の流れの剥離を防止し、高い
サージ余裕を有するジェットエンジンを提供しようとす
る。 【解決手段】従来のジェットエンジンにかわって、低圧
軸流圧縮機と、高圧軸流圧縮機と、低圧軸流圧縮機の吐
出口と高圧軸流圧縮機の吸い込み口とを連通する二重円
筒形状のダクトと、燃焼室と、タービンとを備え、前記
ダクトが、低圧軸流圧縮機の吐出口の内径部分と高圧軸
流圧縮機の内径部分とを繋ぐ内筒と、低圧軸流圧縮機の
吐出口の外径部分と高圧軸流圧縮機の外径部分とを繋ぐ
外筒と、内筒の壁に設けられた内側穴と外筒の壁に設け
られた外側穴とを連通する空気流路を有するものとし
た。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、航空機に広く用い
られるターボファン型ジェットエンジンにおいて、取入
れられた空気の流れを円滑にするジェットエンジンの吸
気ダクトに関する。
られるターボファン型ジェットエンジンにおいて、取入
れられた空気の流れを円滑にするジェットエンジンの吸
気ダクトに関する。
【0002】
【従来の技術】ターボファン型のジェットエンジンにお
いては、図5に示すように、空気取入れ口1から取入れ
られた空気は、中央側のコアダクト2と、円周側のバイ
パスダクト3に分離され、コアダクト2に流入した空気
は、低圧軸流圧縮機4、高圧軸流圧縮機5、燃焼室6、
タービン7を介してジェットノズル8より排出され、バ
イパスダクト3に流入した空気はファン12を介してフ
ァンダクト9から排気される。
いては、図5に示すように、空気取入れ口1から取入れ
られた空気は、中央側のコアダクト2と、円周側のバイ
パスダクト3に分離され、コアダクト2に流入した空気
は、低圧軸流圧縮機4、高圧軸流圧縮機5、燃焼室6、
タービン7を介してジェットノズル8より排出され、バ
イパスダクト3に流入した空気はファン12を介してフ
ァンダクト9から排気される。
【0003】一般にターボファンエンジンにおいては、
低圧圧縮機4の直径が高圧圧縮機5の直径よりかなり大
きいため、低圧圧縮機4と高圧圧縮機5を結ぶダクトは
後方に向かうところで一旦軸中心側に湾曲するいわゆる
スワンネック形状になっている。しかし、このような形
状の場合、ダクトの急な曲りのため、軸中心側部分で空
気層の流れの剥離が起りやすくなり、エネルギーの損
失、振動や騒音の発生等の問題を生ずるとともに、下流
側の高圧圧縮機5の作動を不良にする可能性がある。
低圧圧縮機4の直径が高圧圧縮機5の直径よりかなり大
きいため、低圧圧縮機4と高圧圧縮機5を結ぶダクトは
後方に向かうところで一旦軸中心側に湾曲するいわゆる
スワンネック形状になっている。しかし、このような形
状の場合、ダクトの急な曲りのため、軸中心側部分で空
気層の流れの剥離が起りやすくなり、エネルギーの損
失、振動や騒音の発生等の問題を生ずるとともに、下流
側の高圧圧縮機5の作動を不良にする可能性がある。
【0004】出願人は、上記問題を解決する目的で、特
開平06−346792号において、ジェットエンジン
の軸線に対して中央側のコアダクトと、その周囲を囲繞
して配置されたバイパスダクトとが、空気取入れ口近傍
で分岐され、コアダクトは、軸線を含む断面において後
方に向かうに従い内側に湾曲するスワンネック部を有し
て形成されているジェットエンジンの吸気ダクトにおい
て、上記スワンネック部の内側部分の壁と上記バイパス
ダクトの間に、空気流路を形成した発明を開示した。
開平06−346792号において、ジェットエンジン
の軸線に対して中央側のコアダクトと、その周囲を囲繞
して配置されたバイパスダクトとが、空気取入れ口近傍
で分岐され、コアダクトは、軸線を含む断面において後
方に向かうに従い内側に湾曲するスワンネック部を有し
て形成されているジェットエンジンの吸気ダクトにおい
て、上記スワンネック部の内側部分の壁と上記バイパス
ダクトの間に、空気流路を形成した発明を開示した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の吸気ダクトを有
するジェットエンジンの場合、コアダクトのスワンネッ
ク部の内側の壁に空気流路が開口し、これがバイパスダ
クトに通じているので、高圧のコアダクトから低圧のバ
イパスダクトに向けて空気が流れ、湾曲部における空気
流れの剥離を防止するが、コアダクトの圧縮空気の約1
%がバイパスダクトに流れてしまい、圧縮効率の低下を
招いた。
するジェットエンジンの場合、コアダクトのスワンネッ
ク部の内側の壁に空気流路が開口し、これがバイパスダ
クトに通じているので、高圧のコアダクトから低圧のバ
イパスダクトに向けて空気が流れ、湾曲部における空気
流れの剥離を防止するが、コアダクトの圧縮空気の約1
%がバイパスダクトに流れてしまい、圧縮効率の低下を
招いた。
【0006】ところで、コアダクトは、低圧軸流圧縮機
の吐出口から吐出された圧縮空気を高圧軸流圧縮機の吸
い込み口に案内する。低圧軸流圧縮機の直径は高圧軸流
圧縮機の直径よりも大きい。そのため、コアダクトは、
二重円筒形状をしており、低圧軸流圧縮機の吐出口から
高圧軸流圧縮機の吸い込み口に移るのにつれなだらかに
その直径が小さくなる。従って、コアダクトを回転軸を
含む平面で切った断面を見ると、コアダクトは白鳥の首
の様に曲がっているので、スワンネックと呼称される。
の吐出口から吐出された圧縮空気を高圧軸流圧縮機の吸
い込み口に案内する。低圧軸流圧縮機の直径は高圧軸流
圧縮機の直径よりも大きい。そのため、コアダクトは、
二重円筒形状をしており、低圧軸流圧縮機の吐出口から
高圧軸流圧縮機の吸い込み口に移るのにつれなだらかに
その直径が小さくなる。従って、コアダクトを回転軸を
含む平面で切った断面を見ると、コアダクトは白鳥の首
の様に曲がっているので、スワンネックと呼称される。
【0007】スワンネック部での空気の流れの様子を説
明する。図6は、スワンネック部の空気流れの説明図で
ある。このスワンネック部の中を流れる空気は、遠心力
をうけつつコアダクトの壁により回転軸中心方向に誘導
させられる。そのため、コアダクト内を流れる空気の流
線に乱れが生ずる。これが前述した空気層の流れの剥離
の主要な原因である。コアダクトの内筒の壁に沿った空
気流れに着目すると、その空気流れの速度が高圧軸流圧
縮機の吸い込み口に近づくにつれ徐々に低下する。その
結果、コアダクトの内筒の壁付近の圧力が上昇し、コア
ダクトの流れの後方では、外筒の壁付近の圧力と内筒の
壁付近の圧力に差生じる。例えば、出願人が製造する高
バイパスターボファンエンジンでは、0.2〜0.3K
gf/cm2程度の圧力差が生じることが確認されてい
る。
明する。図6は、スワンネック部の空気流れの説明図で
ある。このスワンネック部の中を流れる空気は、遠心力
をうけつつコアダクトの壁により回転軸中心方向に誘導
させられる。そのため、コアダクト内を流れる空気の流
線に乱れが生ずる。これが前述した空気層の流れの剥離
の主要な原因である。コアダクトの内筒の壁に沿った空
気流れに着目すると、その空気流れの速度が高圧軸流圧
縮機の吸い込み口に近づくにつれ徐々に低下する。その
結果、コアダクトの内筒の壁付近の圧力が上昇し、コア
ダクトの流れの後方では、外筒の壁付近の圧力と内筒の
壁付近の圧力に差生じる。例えば、出願人が製造する高
バイパスターボファンエンジンでは、0.2〜0.3K
gf/cm2程度の圧力差が生じることが確認されてい
る。
【0008】本発明は、出願人らが研究の過程で得た上
記知見に基づき、以上に述べた問題点を解決するために
案出されたもので、従来の低圧軸流圧縮機と高圧軸流圧
縮機を有するジェットエンジンにかわって、ジェットエ
ンジンの圧縮機の圧縮効率を低下させずに内側部分で空
気層の流れの剥離を防止し、高いサージ余裕を有するジ
ェットエンジンを提供することを目的とする。
記知見に基づき、以上に述べた問題点を解決するために
案出されたもので、従来の低圧軸流圧縮機と高圧軸流圧
縮機を有するジェットエンジンにかわって、ジェットエ
ンジンの圧縮機の圧縮効率を低下させずに内側部分で空
気層の流れの剥離を防止し、高いサージ余裕を有するジ
ェットエンジンを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るジェットエンジンは、外気を吸い込み
圧縮する低圧軸流圧縮機と、前記低圧軸流圧縮機と同一
回転中心に回転する高圧軸流圧縮機と、低圧軸流圧縮機
の吐出口と高圧軸流圧縮機の吸い込み口とを連通する二
重円筒形状のダクトとを備え、前記ダクトが、低圧軸流
圧縮機の吐出口の内径部分と高圧軸流圧縮機の内径部分
とを繋ぐ内筒と、低圧軸流圧縮機の吐出口の外径部分と
高圧軸流圧縮機の外径部分とを繋ぐ外筒と、内筒の壁に
設けられた内側穴と外筒の壁に設けられた外側穴とを連
通する空気流路を有するものとした。
め、本発明に係るジェットエンジンは、外気を吸い込み
圧縮する低圧軸流圧縮機と、前記低圧軸流圧縮機と同一
回転中心に回転する高圧軸流圧縮機と、低圧軸流圧縮機
の吐出口と高圧軸流圧縮機の吸い込み口とを連通する二
重円筒形状のダクトとを備え、前記ダクトが、低圧軸流
圧縮機の吐出口の内径部分と高圧軸流圧縮機の内径部分
とを繋ぐ内筒と、低圧軸流圧縮機の吐出口の外径部分と
高圧軸流圧縮機の外径部分とを繋ぐ外筒と、内筒の壁に
設けられた内側穴と外筒の壁に設けられた外側穴とを連
通する空気流路を有するものとした。
【0010】上記本発明の構成により、外気が、低圧軸
流圧縮機に吸い込まれ圧縮し、ダクトにより低圧軸流圧
縮機の吐出口から高圧軸流圧縮機の吸い込み口とへ誘導
されるジェットエンジンにおいて、ダクト内で空気通路
が内筒の内側穴と外筒の外側穴を連通するので、内筒の
壁側と外筒の壁側の空気の圧力差によってダクト内を流
れる空気が内側穴から外側穴へ移動し、内筒の壁側の空
気の流れの剥離を抑制して、余分な動力を使用せず、低
圧軸流圧縮機と高圧軸流圧縮機の圧縮効率を低下させず
に、ジェットエンジンの耐サージ特性を向上させる。
流圧縮機に吸い込まれ圧縮し、ダクトにより低圧軸流圧
縮機の吐出口から高圧軸流圧縮機の吸い込み口とへ誘導
されるジェットエンジンにおいて、ダクト内で空気通路
が内筒の内側穴と外筒の外側穴を連通するので、内筒の
壁側と外筒の壁側の空気の圧力差によってダクト内を流
れる空気が内側穴から外側穴へ移動し、内筒の壁側の空
気の流れの剥離を抑制して、余分な動力を使用せず、低
圧軸流圧縮機と高圧軸流圧縮機の圧縮効率を低下させず
に、ジェットエンジンの耐サージ特性を向上させる。
【0011】さらに、本発明に係るジェットエンジン
は、外気を吸い込み圧縮する低圧軸流圧縮機と、前記低
圧軸流圧縮機と同一回転中心に回転する高圧軸流圧縮機
と、低圧軸流圧縮機の吐出口と高圧軸流圧縮機の吸い込
み口とを連通する二重円筒形状のダクトとを備え、前記
ダクトが、低圧軸流圧縮機の吐出口の内径部分と高圧軸
流圧縮機の内径部分とを繋ぐ内筒と、低圧軸流圧縮機の
吐出口の外径部分と高圧軸流圧縮機の外径部分とを繋ぐ
外筒と、内筒の内壁と外筒の内壁とを繋ぐ柱状構造物で
あるストラットと、内筒の壁に設けられた内側穴とスト
ラットの壁に設けられた中側穴とを連通する空気流路
と、を有するものとした。
は、外気を吸い込み圧縮する低圧軸流圧縮機と、前記低
圧軸流圧縮機と同一回転中心に回転する高圧軸流圧縮機
と、低圧軸流圧縮機の吐出口と高圧軸流圧縮機の吸い込
み口とを連通する二重円筒形状のダクトとを備え、前記
ダクトが、低圧軸流圧縮機の吐出口の内径部分と高圧軸
流圧縮機の内径部分とを繋ぐ内筒と、低圧軸流圧縮機の
吐出口の外径部分と高圧軸流圧縮機の外径部分とを繋ぐ
外筒と、内筒の内壁と外筒の内壁とを繋ぐ柱状構造物で
あるストラットと、内筒の壁に設けられた内側穴とスト
ラットの壁に設けられた中側穴とを連通する空気流路
と、を有するものとした。
【0012】上記本発明の構成により、外気が、低圧軸
流圧縮機に吸い込まれ圧縮し、ダクトにより低圧軸流圧
縮機の吐出口から高圧軸流圧縮機の吸い込み口とへ誘導
されるジェットエンジンにおいて、ダクト内で空気通路
が内筒の内側穴とストラットの中側穴を連通するので、
内筒の壁側とストラットの壁側の空気の圧力差によって
ダクト内を流れる空気が内側穴から中側穴へ移動し、内
筒の壁側の空気の流れの剥離を抑制して、余分な動力を
使用せず、低圧軸流圧縮機と高圧軸流圧縮機の圧縮効率
を低下させずに、ジェットエンジンの耐サージ特性を向
上させる。
流圧縮機に吸い込まれ圧縮し、ダクトにより低圧軸流圧
縮機の吐出口から高圧軸流圧縮機の吸い込み口とへ誘導
されるジェットエンジンにおいて、ダクト内で空気通路
が内筒の内側穴とストラットの中側穴を連通するので、
内筒の壁側とストラットの壁側の空気の圧力差によって
ダクト内を流れる空気が内側穴から中側穴へ移動し、内
筒の壁側の空気の流れの剥離を抑制して、余分な動力を
使用せず、低圧軸流圧縮機と高圧軸流圧縮機の圧縮効率
を低下させずに、ジェットエンジンの耐サージ特性を向
上させる。
【0013】また、本発明に係るジェットエンジンは、
内側穴が前記ダクトの内筒の壁の円周帯状領域に均一に
設けられているものとした。上記本発明の構成により、
内筒の壁側と外筒の壁側又はストラットの壁側との空気
の圧力差によって、円周帯状領域の付近の空気が中側穴
または外側穴へ移動し、内筒の壁の円周帯状領域付近の
空気の流れの剥離を抑制して、余分な動力を使用せず、
低圧軸流圧縮機と高圧軸流圧縮機の圧縮効率を低下させ
ずに、ジェットエンジンの耐サージ特性をより向上させ
る。
内側穴が前記ダクトの内筒の壁の円周帯状領域に均一に
設けられているものとした。上記本発明の構成により、
内筒の壁側と外筒の壁側又はストラットの壁側との空気
の圧力差によって、円周帯状領域の付近の空気が中側穴
または外側穴へ移動し、内筒の壁の円周帯状領域付近の
空気の流れの剥離を抑制して、余分な動力を使用せず、
低圧軸流圧縮機と高圧軸流圧縮機の圧縮効率を低下させ
ずに、ジェットエンジンの耐サージ特性をより向上させ
る。
【0014】さらに、本発明に係るジェットエンジン
は、空気流路が、前記内筒の壁と内筒の壁の前記円周帯
状領域をダクトの中心軸側から覆うリング状壁とで囲ま
れた内側円環状空気室を有するものとした。上記本発明
の構成により、ダクト内の空気が、内側穴から内側円環
状空気室へ移動し、内側円環状空気室から連通管を介し
てダクトにもどり、空気の流れをスムーズにすることが
できる。
は、空気流路が、前記内筒の壁と内筒の壁の前記円周帯
状領域をダクトの中心軸側から覆うリング状壁とで囲ま
れた内側円環状空気室を有するものとした。上記本発明
の構成により、ダクト内の空気が、内側穴から内側円環
状空気室へ移動し、内側円環状空気室から連通管を介し
てダクトにもどり、空気の流れをスムーズにすることが
できる。
【0015】さらに、本発明に係るジェットエンジン
は、外側穴が前記ダクトの外筒の壁の円周帯状領域に均
一に設けられているものとした。上記本発明の構成によ
り、内筒の壁側と外筒の壁側の空気の圧力差によって、
内側穴から外筒の壁の円周帯状領域へダクト内を流れる
空気が移動し、内筒の壁側の空気の流れの剥離を抑制し
て、外筒の壁付近の空気を流れを乱さずに、余分な動力
を使用せず、低圧軸流圧縮機と高圧軸流圧縮機の圧縮効
率を低下させずに、ジェットエンジンの耐サージ特性を
向上させる。
は、外側穴が前記ダクトの外筒の壁の円周帯状領域に均
一に設けられているものとした。上記本発明の構成によ
り、内筒の壁側と外筒の壁側の空気の圧力差によって、
内側穴から外筒の壁の円周帯状領域へダクト内を流れる
空気が移動し、内筒の壁側の空気の流れの剥離を抑制し
て、外筒の壁付近の空気を流れを乱さずに、余分な動力
を使用せず、低圧軸流圧縮機と高圧軸流圧縮機の圧縮効
率を低下させずに、ジェットエンジンの耐サージ特性を
向上させる。
【0016】さらに、本発明に係るジェットエンジン
は、空気流路が、前記外筒の壁と外筒の壁の前記円周帯
状領域をダクトの外側から覆うリング状壁とで囲まれた
外側円環状空気室を有するものとした。上記本発明の構
成により、ダクト内の空気が、内側穴から連通管を外筒
の壁にある外側円環状空気室に移動し、外側円環状空気
室を介してダクトにもどり、空気の流れをスムーズにす
ることができる。
は、空気流路が、前記外筒の壁と外筒の壁の前記円周帯
状領域をダクトの外側から覆うリング状壁とで囲まれた
外側円環状空気室を有するものとした。上記本発明の構
成により、ダクト内の空気が、内側穴から連通管を外筒
の壁にある外側円環状空気室に移動し、外側円環状空気
室を介してダクトにもどり、空気の流れをスムーズにす
ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい第一の実
施形態を、図面を参照して説明する。なお、各図におい
て、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明
を省略する。
施形態を、図面を参照して説明する。なお、各図におい
て、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明
を省略する。
【0018】本発明の第一の実施形態に係るジェットエ
ンジンの構造を説明する。図1は、本発明の第一の実施
形態の部分断面図である。図2は、本発明の第一の実施
形態のA−A断面図である。
ンジンの構造を説明する。図1は、本発明の第一の実施
形態の部分断面図である。図2は、本発明の第一の実施
形態のA−A断面図である。
【0019】ジェットエンジンは、ファン12と低圧軸
流圧縮機4と高圧軸流圧縮機5と燃焼室6とタービン7
とを備える。ダクト20が、低圧軸流圧縮機の吐出口と
高圧軸流圧縮機の吸い込み口とを連通する。この低圧軸
流圧縮機の吐出口と高圧軸流圧縮機の吸い込み口を繋ぐ
ダクト(以下、スワンネック部という)を除いた他の部
分は従来と同一構造なのでその説明を省略する。
流圧縮機4と高圧軸流圧縮機5と燃焼室6とタービン7
とを備える。ダクト20が、低圧軸流圧縮機の吐出口と
高圧軸流圧縮機の吸い込み口とを連通する。この低圧軸
流圧縮機の吐出口と高圧軸流圧縮機の吸い込み口を繋ぐ
ダクト(以下、スワンネック部という)を除いた他の部
分は従来と同一構造なのでその説明を省略する。
【0020】以下に、スワンネック部20を説明する。
スワンネック部20は、低圧軸流圧縮機4の吐出口から
出た圧縮空気を高圧軸流圧縮機5の吸い込み口に誘導す
るダクトであり、低圧軸流圧縮機4と高圧軸流圧縮機5
との間に設けられる。スワンネック部20は、コアダク
ト内筒13とコアダクト外筒14とストラット15と抽
気ダクト23と注入ダクト24と連通配管25とを有す
る。そのダクトは、ダクトの内筒13の内壁とダクトの
外筒14の内壁で囲まれた二重円筒形状の空間を構成す
る。
スワンネック部20は、低圧軸流圧縮機4の吐出口から
出た圧縮空気を高圧軸流圧縮機5の吸い込み口に誘導す
るダクトであり、低圧軸流圧縮機4と高圧軸流圧縮機5
との間に設けられる。スワンネック部20は、コアダク
ト内筒13とコアダクト外筒14とストラット15と抽
気ダクト23と注入ダクト24と連通配管25とを有す
る。そのダクトは、ダクトの内筒13の内壁とダクトの
外筒14の内壁で囲まれた二重円筒形状の空間を構成す
る。
【0021】コアダクト内筒13は、所定の直径を有す
る円筒の壁であり、その直径は低圧軸流圧縮機の吐出口
の内径部と高圧軸流圧縮機の吸い込み口の内径部とをな
だらかに繋ぐ様に、変化する。コアダクト外筒14は、
所定の直径を有する円筒の壁であり、その直径は低圧軸
流圧縮機の吐出口の外径部と高圧軸流圧縮機の吸い込み
口部の外径部とをなだらかに繋ぐ様に、変化する。スト
ラット15は、コアダクトの内筒の外壁とコアダクトの
外筒の内壁を繋ぐ柱状構造物である。ダクト内に円周方
向に均等の間隔で複数(例えば、10箇所)設けられ
る。
る円筒の壁であり、その直径は低圧軸流圧縮機の吐出口
の内径部と高圧軸流圧縮機の吸い込み口の内径部とをな
だらかに繋ぐ様に、変化する。コアダクト外筒14は、
所定の直径を有する円筒の壁であり、その直径は低圧軸
流圧縮機の吐出口の外径部と高圧軸流圧縮機の吸い込み
口部の外径部とをなだらかに繋ぐ様に、変化する。スト
ラット15は、コアダクトの内筒の外壁とコアダクトの
外筒の内壁を繋ぐ柱状構造物である。ダクト内に円周方
向に均等の間隔で複数(例えば、10箇所)設けられ
る。
【0022】コアダクト内筒13は、円周の帯状領域に
均一に設けられた複数の穴21(以下、内側穴21とい
う)を有する。帯状領域は、スワンネック部の剥離を起
こしやすい場所に設定するのが好ましい。抽気ダクト2
3は、前記ダクトの内筒13の壁の内側穴21のある領
域をダクトの中心軸側から囲むリング状壁である。その
リング状壁とダクトの内筒13で囲われた空間が、円環
状の空気室(以下、内側円環状空気室という)を構成す
る。
均一に設けられた複数の穴21(以下、内側穴21とい
う)を有する。帯状領域は、スワンネック部の剥離を起
こしやすい場所に設定するのが好ましい。抽気ダクト2
3は、前記ダクトの内筒13の壁の内側穴21のある領
域をダクトの中心軸側から囲むリング状壁である。その
リング状壁とダクトの内筒13で囲われた空間が、円環
状の空気室(以下、内側円環状空気室という)を構成す
る。
【0023】ダクトの外筒14は、円周の帯状領域に均
一に設けられた複数の穴21(以下、外側穴22とい
う)を有する。注入ダクト24は、前記ダクトの外筒1
4の壁の外側穴22のある領域をダクトの外側から囲む
リング状壁である。そのリング状壁とダクトの外筒14
で囲われた空間が、円環状の空気室(以下、外側円環状
空気室という)を構成する。連通管25は、抽気ダクト
23の内側円環状空気室と外側円環状空気室を連通する
管であり、ストラット15の内部に設けられる。内周空
気室と連通管の管内空間と外周空気室が、空気流路を構
成する。
一に設けられた複数の穴21(以下、外側穴22とい
う)を有する。注入ダクト24は、前記ダクトの外筒1
4の壁の外側穴22のある領域をダクトの外側から囲む
リング状壁である。そのリング状壁とダクトの外筒14
で囲われた空間が、円環状の空気室(以下、外側円環状
空気室という)を構成する。連通管25は、抽気ダクト
23の内側円環状空気室と外側円環状空気室を連通する
管であり、ストラット15の内部に設けられる。内周空
気室と連通管の管内空間と外周空気室が、空気流路を構
成する。
【0024】以下に、スワンネック部の働きを説明す
る。ジェットエンジンが作動すると、空気取入れ口1か
ら取入れられた空気は、中央側のコアダクト2と、周縁
側のバイパスダクト3に分離され、コアダクト2に流入
した空気は、低圧軸流圧縮機4で低圧圧縮される。低圧
圧縮された空気は、低圧軸流圧縮機4の吐出口をでて、
スワンネック部に誘導されて、高圧軸流圧縮機の吸い込
み口に入る。スワンネック部では、圧縮空気が遠心力を
受けながら、スワンネック部の外筒の壁14に誘導され
て、軸心側へ移動する。スワンネック部の内筒の壁13
付近の流速が低下して壁から空気の流れを剥離しようと
する力がはたらく。スワンネック部の内筒の壁付近の空
気圧力が、スワンネック部を通過する全体の空気圧に比
較して高くなる。特に、スワンネック部の内筒の壁付近
の空気圧力が、スワンネック部の外筒の壁付近の空気圧
に比較して、高くなる。
る。ジェットエンジンが作動すると、空気取入れ口1か
ら取入れられた空気は、中央側のコアダクト2と、周縁
側のバイパスダクト3に分離され、コアダクト2に流入
した空気は、低圧軸流圧縮機4で低圧圧縮される。低圧
圧縮された空気は、低圧軸流圧縮機4の吐出口をでて、
スワンネック部に誘導されて、高圧軸流圧縮機の吸い込
み口に入る。スワンネック部では、圧縮空気が遠心力を
受けながら、スワンネック部の外筒の壁14に誘導され
て、軸心側へ移動する。スワンネック部の内筒の壁13
付近の流速が低下して壁から空気の流れを剥離しようと
する力がはたらく。スワンネック部の内筒の壁付近の空
気圧力が、スワンネック部を通過する全体の空気圧に比
較して高くなる。特に、スワンネック部の内筒の壁付近
の空気圧力が、スワンネック部の外筒の壁付近の空気圧
に比較して、高くなる。
【0025】空気流路が、内側穴と外側穴とを連通して
おり、内側穴付近の圧力が、外側穴付近の圧力よりも高
いので、スワンネック部の内筒の壁13に沿って流れる
圧縮空気の一部が、内側穴21を通過して、抽気ダクト
23に入る。抽気ダクト23に入った圧縮空気は、連通
管25を通って、注入ダクト24に入る。注入ダクト2
4に入った空気は、外側穴22から再度スワンネック部
に注入される。スワンネック部の内筒の壁13での流れ
が安定する。低圧軸流圧縮機4で圧縮された100%の
圧縮空気が高圧軸流圧縮機に供給され、高圧圧縮され、
燃焼室6に入る。燃料器6で燃料と混合されてできた燃
焼ガスによりタービン7が回転し、タービン7がファン
12と低圧軸流圧縮機4と高圧軸流圧縮器5とを回転さ
せる。
おり、内側穴付近の圧力が、外側穴付近の圧力よりも高
いので、スワンネック部の内筒の壁13に沿って流れる
圧縮空気の一部が、内側穴21を通過して、抽気ダクト
23に入る。抽気ダクト23に入った圧縮空気は、連通
管25を通って、注入ダクト24に入る。注入ダクト2
4に入った空気は、外側穴22から再度スワンネック部
に注入される。スワンネック部の内筒の壁13での流れ
が安定する。低圧軸流圧縮機4で圧縮された100%の
圧縮空気が高圧軸流圧縮機に供給され、高圧圧縮され、
燃焼室6に入る。燃料器6で燃料と混合されてできた燃
焼ガスによりタービン7が回転し、タービン7がファン
12と低圧軸流圧縮機4と高圧軸流圧縮器5とを回転さ
せる。
【0026】次に、本発明の好ましい第二の実施形態
を、図面を参照して説明する。なお、各図において、共
通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略
する。
を、図面を参照して説明する。なお、各図において、共
通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略
する。
【0027】本発明の第二の実施形態に係るジェットエ
ンジンの構造を説明する。図3は、本発明の第二の実施
形態の部分断面図である。図4は、本発明の第二の実施
形態のB−B断面図である。
ンジンの構造を説明する。図3は、本発明の第二の実施
形態の部分断面図である。図4は、本発明の第二の実施
形態のB−B断面図である。
【0028】ジェットエンジンは、ファン12と低圧軸
流圧縮機4と高圧軸流圧縮機5と燃焼室6とタービン7
とを備える。ダクト20が、低圧軸流圧縮機の吐出口と
高圧軸流圧縮機の吸い込み口とを連通する。この低圧軸
流圧縮機の吐出口と高圧軸流圧縮機の吸い込み口を繋ぐ
ダクト(以下、スワンネック部という)を除いた他の部
分は従来と同一構造なのでその説明を省略する。
流圧縮機4と高圧軸流圧縮機5と燃焼室6とタービン7
とを備える。ダクト20が、低圧軸流圧縮機の吐出口と
高圧軸流圧縮機の吸い込み口とを連通する。この低圧軸
流圧縮機の吐出口と高圧軸流圧縮機の吸い込み口を繋ぐ
ダクト(以下、スワンネック部という)を除いた他の部
分は従来と同一構造なのでその説明を省略する。
【0029】以下に、スワンネック部30を説明する。
スワンネック部30は、低圧軸流圧縮機の吐出口から出
た圧縮空気を高圧軸流圧縮機の吸い込み口に誘導するダ
クトであり、低圧軸流圧縮機と高圧軸流圧縮機の間に設
けられる。スワンネック部30は、コアダクト内筒13
とコアダクト外筒14とストラット15と抽気ダクト3
3と連通配管35とを有する。そのダクトは、コアダク
ト内筒13の内壁とコアダクト外筒14の内壁で囲まれ
た二重円筒形状の空間を構成する。
スワンネック部30は、低圧軸流圧縮機の吐出口から出
た圧縮空気を高圧軸流圧縮機の吸い込み口に誘導するダ
クトであり、低圧軸流圧縮機と高圧軸流圧縮機の間に設
けられる。スワンネック部30は、コアダクト内筒13
とコアダクト外筒14とストラット15と抽気ダクト3
3と連通配管35とを有する。そのダクトは、コアダク
ト内筒13の内壁とコアダクト外筒14の内壁で囲まれ
た二重円筒形状の空間を構成する。
【0030】コアダクト内筒13は、所定の直径を有す
る円筒の壁であり、その直径は低圧軸流圧縮機の吐出口
の内径部と高圧軸流圧縮機の吸い込み口の内径部とをな
だらかに繋ぐ様に変化する。コアダクト外筒14は、所
定の直径を有する円筒の壁であり、その直径は低圧軸流
圧縮機の吐出口の外径部と高圧軸流圧縮機の吸い込み口
部の外径とをなだらかに繋ぐ様に変化する。ストラット
15は、コアダクトの内筒の外壁とコアダクトの外筒の
内壁を繋ぐ柱状構造物である。ダクト内を円周方向に均
等の間隔で複数(例えば、10箇所)設けられる。スト
ラットは、ダクト内の側面に穴(以下、中側穴32とい
う)を有する。中側穴32は、ストラット15の両側面
にあるのが好ましく、またスワンネック部の外筒寄り側
にあるのが好ましい。
る円筒の壁であり、その直径は低圧軸流圧縮機の吐出口
の内径部と高圧軸流圧縮機の吸い込み口の内径部とをな
だらかに繋ぐ様に変化する。コアダクト外筒14は、所
定の直径を有する円筒の壁であり、その直径は低圧軸流
圧縮機の吐出口の外径部と高圧軸流圧縮機の吸い込み口
部の外径とをなだらかに繋ぐ様に変化する。ストラット
15は、コアダクトの内筒の外壁とコアダクトの外筒の
内壁を繋ぐ柱状構造物である。ダクト内を円周方向に均
等の間隔で複数(例えば、10箇所)設けられる。スト
ラットは、ダクト内の側面に穴(以下、中側穴32とい
う)を有する。中側穴32は、ストラット15の両側面
にあるのが好ましく、またスワンネック部の外筒寄り側
にあるのが好ましい。
【0031】コアダクト内筒13は、円周の帯状領域に
均一に設けられた複数の穴31(以下、内側穴31とい
う)を有する。抽気ダクト33は、前記ダクトの内筒1
3の壁の内側穴31のある領域をダクトの中心軸側から
囲むリング状壁である。そのリング状壁とコアダクト内
筒13で囲われた空間が、円環状の空気室(以下、内側
円環状空気室という)を構成する。連通管35は、抽気
ダクト33の内側円環状空気室と中側穴32とを連通す
る管であり、ストラット15の内部に設けられる。内側
円環状空気室と連通管の管内空間とが、空気流路を構成
する。
均一に設けられた複数の穴31(以下、内側穴31とい
う)を有する。抽気ダクト33は、前記ダクトの内筒1
3の壁の内側穴31のある領域をダクトの中心軸側から
囲むリング状壁である。そのリング状壁とコアダクト内
筒13で囲われた空間が、円環状の空気室(以下、内側
円環状空気室という)を構成する。連通管35は、抽気
ダクト33の内側円環状空気室と中側穴32とを連通す
る管であり、ストラット15の内部に設けられる。内側
円環状空気室と連通管の管内空間とが、空気流路を構成
する。
【0032】以下に、スワンネック部の働きを説明す
る。ジェットエンジンが作動すると、空気取入れ口1か
ら取入れられた空気は、中央側のコアダクト2と、周縁
側のバイパスダクト3に分離され、コアダクト2に流入
した空気は、低圧軸流圧縮機4で低圧圧縮される。低圧
圧縮された空気は、低圧軸流圧縮機4の吐出口を出て、
スワンネック部に誘導されて、高圧軸流圧縮機の吸い込
み口に入る。スワンネック部では、圧縮空気が遠心力を
受けながら、スワンネック部の外筒の壁14に誘導され
て、軸心側へ移動する。スワンネック部の内筒の壁13
付近の流速が低下して壁から空気の流れを剥離しようと
する力がはたらく。スワンネック部の内筒の壁付近の空
気圧力が、スワンネック部を通過する全体の空気圧に比
較して高くなる。特に、スワンネック部の外筒の壁付近
の空気圧と大きな差が生じる。
る。ジェットエンジンが作動すると、空気取入れ口1か
ら取入れられた空気は、中央側のコアダクト2と、周縁
側のバイパスダクト3に分離され、コアダクト2に流入
した空気は、低圧軸流圧縮機4で低圧圧縮される。低圧
圧縮された空気は、低圧軸流圧縮機4の吐出口を出て、
スワンネック部に誘導されて、高圧軸流圧縮機の吸い込
み口に入る。スワンネック部では、圧縮空気が遠心力を
受けながら、スワンネック部の外筒の壁14に誘導され
て、軸心側へ移動する。スワンネック部の内筒の壁13
付近の流速が低下して壁から空気の流れを剥離しようと
する力がはたらく。スワンネック部の内筒の壁付近の空
気圧力が、スワンネック部を通過する全体の空気圧に比
較して高くなる。特に、スワンネック部の外筒の壁付近
の空気圧と大きな差が生じる。
【0033】空気流路が、内側穴と外側穴とを連通して
おり、内側穴付近の圧力が、中側穴付近の圧力よりも高
いので、スワンネック部の内筒の壁13に沿って流れる
圧縮空気の一部が、内側穴31を通過して、抽気ダクト
33に入る。抽気ダクト33に入った圧縮空気は、連通
管35を通って、中側穴32から再度スワンネック部に
注入される。スワンネック部の内筒の壁13での流れが
安定する。低圧軸流圧縮機4で圧縮された100%の圧
縮空気が高圧軸流圧縮機に供給され、高圧圧縮され、燃
焼室6に入る。燃料器6で燃料と混合されてできた燃焼
ガスによりタービン7が回転し、タービン7がファン1
2と低圧軸流圧縮機4と高圧軸流圧縮器5を回転させ
る。
おり、内側穴付近の圧力が、中側穴付近の圧力よりも高
いので、スワンネック部の内筒の壁13に沿って流れる
圧縮空気の一部が、内側穴31を通過して、抽気ダクト
33に入る。抽気ダクト33に入った圧縮空気は、連通
管35を通って、中側穴32から再度スワンネック部に
注入される。スワンネック部の内筒の壁13での流れが
安定する。低圧軸流圧縮機4で圧縮された100%の圧
縮空気が高圧軸流圧縮機に供給され、高圧圧縮され、燃
焼室6に入る。燃料器6で燃料と混合されてできた燃焼
ガスによりタービン7が回転し、タービン7がファン1
2と低圧軸流圧縮機4と高圧軸流圧縮器5を回転させ
る。
【0034】上述の第一の実施形態のジェットエンジン
を用いれば、二重円筒状のダクトの内筒の壁に沿って流
れる空気の流れが剥離しようとする傾向を押さえ、低圧
軸流圧縮機の吐出口をでた圧縮空気を高圧軸流圧縮機の
吸い込み口へスムースに誘導するので、ジェットエンジ
ンの耐サージ性能が向上する。また、ダクトの内筒から
抽気した空気をダクトに戻すので、低圧圧縮機の圧縮効
率を低下させるおそれがない。また、自然に生じるダク
ト内の内筒付近の圧力と外筒付近の圧力の差を利用し
て、空気流路に空気を流すので、余分な動力を必要とせ
ず、ジェットエンジンの出力低下をおこさない。上述の
第二の実施形態のジェットエンジンを用いれば、二重円
筒状のダクトの内筒の壁に沿って流れる空気の流れが剥
離しようとする傾向を押さえ、低圧軸流圧縮機の吐出口
をでた圧縮空気を高圧軸流圧縮機の吸い込み口へスムー
スに誘導するので、ジェットエンジンの耐サージ性能が
向上する。また、ダクトの内筒から抽気した空気をダク
トに戻すので、低圧圧縮機の圧縮効率を低下させるおそ
れがない。また、自然に生じるダクト内の内筒付近の圧
力とストラットの側面付近の圧力の差を利用して、空気
流路に空気を流すので、余分な動力を必要とせず、ジェ
ットエンジンの出力低下をおこさない。
を用いれば、二重円筒状のダクトの内筒の壁に沿って流
れる空気の流れが剥離しようとする傾向を押さえ、低圧
軸流圧縮機の吐出口をでた圧縮空気を高圧軸流圧縮機の
吸い込み口へスムースに誘導するので、ジェットエンジ
ンの耐サージ性能が向上する。また、ダクトの内筒から
抽気した空気をダクトに戻すので、低圧圧縮機の圧縮効
率を低下させるおそれがない。また、自然に生じるダク
ト内の内筒付近の圧力と外筒付近の圧力の差を利用し
て、空気流路に空気を流すので、余分な動力を必要とせ
ず、ジェットエンジンの出力低下をおこさない。上述の
第二の実施形態のジェットエンジンを用いれば、二重円
筒状のダクトの内筒の壁に沿って流れる空気の流れが剥
離しようとする傾向を押さえ、低圧軸流圧縮機の吐出口
をでた圧縮空気を高圧軸流圧縮機の吸い込み口へスムー
スに誘導するので、ジェットエンジンの耐サージ性能が
向上する。また、ダクトの内筒から抽気した空気をダク
トに戻すので、低圧圧縮機の圧縮効率を低下させるおそ
れがない。また、自然に生じるダクト内の内筒付近の圧
力とストラットの側面付近の圧力の差を利用して、空気
流路に空気を流すので、余分な動力を必要とせず、ジェ
ットエンジンの出力低下をおこさない。
【0035】本発明は以上に述べた実施形態に限られる
ものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変
更が可能である。空気流路が、抽気ダクトと連通管、ま
たは抽気ダクトと連通管と注入ダクトで構成されると説
明し、その構造を説明したがこれに限定されない。例え
ば、空気流路が、ダクトケーシングやストラットに空け
た貫通穴によって構成してもよい。また、内側穴や外側
穴や中側穴の形状はどのような形状でもよく、たとえ
ば、丸穴、楕円穴、長穴、スロット等でもよい。また、
中側穴をストラットの側面に設けた例で説明したがこれ
に限定されず、例えば、ストラットの最後尾に設けても
良い。
ものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変
更が可能である。空気流路が、抽気ダクトと連通管、ま
たは抽気ダクトと連通管と注入ダクトで構成されると説
明し、その構造を説明したがこれに限定されない。例え
ば、空気流路が、ダクトケーシングやストラットに空け
た貫通穴によって構成してもよい。また、内側穴や外側
穴や中側穴の形状はどのような形状でもよく、たとえ
ば、丸穴、楕円穴、長穴、スロット等でもよい。また、
中側穴をストラットの側面に設けた例で説明したがこれ
に限定されず、例えば、ストラットの最後尾に設けても
良い。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明のジェットエ
ンジンは、その構成により、以下の効果を有する。内筒
の壁側と外筒の壁側の空気の圧力差によってダクト内を
流れる空気が内側穴から外側穴へ移動し、内筒の壁側の
空気の流れの剥離を抑制して、余分な動力を使用せず、
低圧軸流圧縮機と高圧軸流圧縮機の圧縮効率を低下させ
ずに、ジェットエンジンの耐サージ特性を向上させる。
また、内筒の壁側とストラットの壁側の空気の圧力差に
よってダクト内を流れる空気が内側穴から中側穴へ移動
し、内筒の壁側の空気の流れの剥離を抑制して、余分な
動力を使用せず、低圧軸流圧縮機と高圧軸流圧縮機の圧
縮効率を低下させずに、ジェットエンジンの耐サージ特
性を向上させる。また、内筒の壁側と外筒の壁側または
ストラットの壁側の空気の圧力差によって、円周帯状領
域の付近の空気が外側穴へ移動し、内筒の壁の円周帯状
領域付近の空気の流れの剥離を抑制して、余分な動力を
使用せず、低圧軸流圧縮機と高圧軸流圧縮機の圧縮効率
を低下させずに、ジェットエンジンの耐サージ特性をよ
り向上させる。ダクト内の空気が、内側穴から内側円環
状空気室へ移動し、連通管を介してダクトにもどり、空
気の流れをスムーズにすることができる。また、内筒の
壁側と外筒の壁側の空気の圧力差によって、内側穴から
外筒の壁の円周帯状領域へダクト内を流れる空気が移動
し、内筒の壁側の空気の流れの剥離を抑制して、外筒の
壁付近の空気を流れを乱さずに、余分な動力を使用せ
ず、低圧軸流圧縮機と高圧軸流圧縮機の圧縮効率を低下
させずに、ジェットエンジンの耐サージ特性を向上させ
る。また、ダクト内の空気が、内側穴から連通管を外筒
の壁にある前記円環状空気室へ移動し、外側円環状空気
室を介してダクトにもどり、空気の流れをスムーズにす
ることができる。従って、ジェットエンジンの圧縮機の
圧縮効率を低下させずに内側部分で空気層の流れの剥離
を防止し、高いサージ余裕を有するジェットエンジンを
提供できる。
ンジンは、その構成により、以下の効果を有する。内筒
の壁側と外筒の壁側の空気の圧力差によってダクト内を
流れる空気が内側穴から外側穴へ移動し、内筒の壁側の
空気の流れの剥離を抑制して、余分な動力を使用せず、
低圧軸流圧縮機と高圧軸流圧縮機の圧縮効率を低下させ
ずに、ジェットエンジンの耐サージ特性を向上させる。
また、内筒の壁側とストラットの壁側の空気の圧力差に
よってダクト内を流れる空気が内側穴から中側穴へ移動
し、内筒の壁側の空気の流れの剥離を抑制して、余分な
動力を使用せず、低圧軸流圧縮機と高圧軸流圧縮機の圧
縮効率を低下させずに、ジェットエンジンの耐サージ特
性を向上させる。また、内筒の壁側と外筒の壁側または
ストラットの壁側の空気の圧力差によって、円周帯状領
域の付近の空気が外側穴へ移動し、内筒の壁の円周帯状
領域付近の空気の流れの剥離を抑制して、余分な動力を
使用せず、低圧軸流圧縮機と高圧軸流圧縮機の圧縮効率
を低下させずに、ジェットエンジンの耐サージ特性をよ
り向上させる。ダクト内の空気が、内側穴から内側円環
状空気室へ移動し、連通管を介してダクトにもどり、空
気の流れをスムーズにすることができる。また、内筒の
壁側と外筒の壁側の空気の圧力差によって、内側穴から
外筒の壁の円周帯状領域へダクト内を流れる空気が移動
し、内筒の壁側の空気の流れの剥離を抑制して、外筒の
壁付近の空気を流れを乱さずに、余分な動力を使用せ
ず、低圧軸流圧縮機と高圧軸流圧縮機の圧縮効率を低下
させずに、ジェットエンジンの耐サージ特性を向上させ
る。また、ダクト内の空気が、内側穴から連通管を外筒
の壁にある前記円環状空気室へ移動し、外側円環状空気
室を介してダクトにもどり、空気の流れをスムーズにす
ることができる。従って、ジェットエンジンの圧縮機の
圧縮効率を低下させずに内側部分で空気層の流れの剥離
を防止し、高いサージ余裕を有するジェットエンジンを
提供できる。
【0037】
【図1】本発明の第一の実施形態の部分断面図である。
【図2】本発明の第一の実施形態のA−A断面図であ
る。
る。
【図3】本発明の第二の実施形態の部分断面図である。
【図4】本発明の第二の実施形態のB−B断面図であ
る。
る。
【図5】ジェットエンジンの全体図である。
【図6】スワンネック部の空気流れの説明図である。
1 空気取入れ口
2 コアダクト
3 バイパスダクト
4 低圧軸流圧縮機
5 高圧軸流圧縮機
6 燃焼室
7 タービン
8 ジェットノズル
9 ファンダクト
10 駆動軸
11 ファンケーシング
12 ファン
13 ダクトの内筒
14 ダクトの外筒
15 ダクトのストラット
20 スワンネック部(ダクト)
21 内側穴
22 外側穴
23 抽気ダクト
24 注入ダクト
25 連通管
30 スワンネック部(ダクト)
31 内側穴
32 中側穴
33 抽気ダクト
35 連通管
Claims (6)
- 【請求項1】 外気を吸い込み圧縮する低圧軸流圧縮機
と、前記低圧軸流圧縮機と同一回転中心に回転する高圧
軸流圧縮機と、低圧軸流圧縮機の吐出口と高圧軸流圧縮
機の吸い込み口とを連通する二重円筒形状のダクトとを
備え、前記ダクトが、低圧軸流圧縮機の吐出口の内径部
分と高圧軸流圧縮機の内径部分とを繋ぐ内筒と、低圧軸
流圧縮機の吐出口の外径部分と高圧軸流圧縮機の外径部
分とを繋ぐ外筒と、内筒の壁に設けられた内側穴と外筒
の壁に設けられた外側穴とを連通する空気流路を有する
ことを特徴とするジェットエンジン - 【請求項2】外気を吸い込み圧縮する低圧軸流圧縮機
と、前記低圧軸流圧縮機と同一回転中心に回転する高圧
軸流圧縮機と、低圧軸流圧縮機の吐出口と高圧軸流圧縮
機の吸い込み口とを連通する二重円筒形状のダクトとを
備え、前記ダクトが、低圧軸流圧縮機の吐出口の内径部
分と高圧軸流圧縮機の内径部分とを繋ぐ内筒と、低圧軸
流圧縮機の吐出口の外径部分と高圧軸流圧縮機の外径部
分とを繋ぐ外筒と、内筒の内壁と外筒の内壁とを繋ぐ柱
状構造物であるストラットと、内筒の壁に設けられた内
側穴とストラットの壁に設けられた中側穴とを連通する
空気流路と、を有することを特徴とするジェットエンジ
ン - 【請求項3】内側穴が前記ダクトの内筒の壁の円周帯状
領域に均一に設けられていることを特徴とする請求項1
または請求項2の一つに記載のジェットエンジン - 【請求項4】空気流路が、前記内筒の壁と内筒の壁の前
記円周帯状領域をダクトの中心軸側から覆うリング状壁
とで囲まれた内側円環状空気室を有することを特徴とす
る請求項3に記載のジェットエンジン - 【請求項5】外側穴が前記ダクトの外筒の壁の円周帯状
領域に均一に設けられていることを特徴とする請求項
1、請求項3又は請求項4の一つに記載のジェットエン
ジン - 【請求項6】空気流路が、前記外筒の壁と外筒の壁の前
記円周帯状領域をダクトの外側から覆うリング状壁とで
囲まれた外側円環状空気室を有することを特徴とする請
求項5に記載のジェットエンジン
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001241686A JP2003056360A (ja) | 2001-08-09 | 2001-08-09 | ジェットエンジン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001241686A JP2003056360A (ja) | 2001-08-09 | 2001-08-09 | ジェットエンジン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003056360A true JP2003056360A (ja) | 2003-02-26 |
Family
ID=19072085
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001241686A Pending JP2003056360A (ja) | 2001-08-09 | 2001-08-09 | ジェットエンジン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003056360A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008501091A (ja) * | 2004-06-01 | 2008-01-17 | ボルボ エアロ コーポレイション | ガスタービン圧縮システム及びコンプレッサ構造部 |
JP2015516537A (ja) * | 2012-05-02 | 2015-06-11 | ゲーコーエヌ エアロスペース スウェーデン アーベー | ガスタービンエンジンの支持構造 |
EP3571413B1 (en) * | 2017-01-19 | 2023-11-29 | GKN Aerospace Sweden AB | Zoned surface roughness |
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2001
- 2001-08-09 JP JP2001241686A patent/JP2003056360A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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