JP2003053991A - インクタンク収納容器、該容器を用いるインクジェットプリントヘッドおよびプリント装置 - Google Patents

インクタンク収納容器、該容器を用いるインクジェットプリントヘッドおよびプリント装置

Info

Publication number
JP2003053991A
JP2003053991A JP2001246238A JP2001246238A JP2003053991A JP 2003053991 A JP2003053991 A JP 2003053991A JP 2001246238 A JP2001246238 A JP 2001246238A JP 2001246238 A JP2001246238 A JP 2001246238A JP 2003053991 A JP2003053991 A JP 2003053991A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
ink tank
tanks
tank
print head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001246238A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Ishinaga
博之 石永
Nobuyuki Kuwabara
伸行 桑原
Tetsuya Ohashi
哲也 大橋
Hidemiki Ogura
英幹 小倉
Hiroyuki Inoue
博行 井上
Naoji Otsuka
尚次 大塚
Masahito Yoshida
正仁 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2001246238A priority Critical patent/JP2003053991A/ja
Priority to US10/216,354 priority patent/US6959984B2/en
Priority to EP08165419.6A priority patent/EP2008827B1/en
Priority to AT02018076T priority patent/ATE445502T1/de
Priority to DE60234000T priority patent/DE60234000D1/de
Priority to EP02018076A priority patent/EP1284190B1/en
Priority to KR1020020047983A priority patent/KR100549743B1/ko
Priority to CNB021288283A priority patent/CN1199801C/zh
Publication of JP2003053991A publication Critical patent/JP2003053991A/ja
Priority to US11/181,771 priority patent/US7086725B2/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用するインクの種類が複数ある場合でも、
複数のインクタンク間を仕切りないし隔壁を介在させず
に近接配置することができるようになし、小型にして構
成簡単なインクタンク収納容器を提供する。 【解決手段】 インクを貯蔵するための複数のインクタ
ンク127の各々に、独立に形状を保持するためのフレ
ーム(115)構造を採用し、これらをプリントヘッド
および支持部材131に固定することで、インクタンク
収納容器130内に仕切りを持たずにインクタンクをシ
ンプルかつコンパクトに収容できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクタンク収納
容器、該容器を用いるインクジェットプリントヘッドお
よびプリント装置に関し、特にインクを吐出するための
プリントヘッドに対しインクを間欠的に供給する方式の
インクジェットプリント装置に適用して好適なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリントヘッドを用いて
プリント媒体へとインクを付与することによりプリント
媒体上に画像を形成するインクジェットプリント装置に
は、プリント媒体に対しプリントヘッドを移動させつつ
その過程でインク吐出を行うことにより画像形成を行う
ものや、これとは逆に固定したプリントヘッドに対しプ
リント媒体を移動させつつその過程でインク吐出を行う
ことにより画像形成を行うもの等がある。
【0003】一方、近年、記録技術におけるカラー化の
動向が顕著化する中、インクジェット記録装置において
も複数の色を再現するために複数のインクタンクを保持
するようになった。従来、インクジェット記録装置にお
いて複数のインクタンクを保持する場合、一体の保持部
材に複数のインクタンクを保持させるとともに、各々の
インクタンクのインク収容容積やインク供給性能を独立
化かつ安定化させるために、各々のインクタンクが干渉
しないようにするための隔壁ないし仕切り等を保持部材
内に配設して、それぞれのインクタンクが独立な状態を
保てるような構成が採用されている。あるいはまた、保
持部材自体を各色独立に構成し、それを独立して記録装
置本体側の固定部材に着脱可能に固定するようにしたも
のもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カラー
化に対応するために複数のインクタンクを設ける構成
は、一方で記録装置のコンパクト化の要求と相反し、装
置を大型化する要因ともなっている。そのため、複数の
インクタンクを近接して配置しようとする試みがなされ
てきたが、各色インクを吐出するプリントヘッド本体に
対するインク供給接続部の機械的な制約から、複数のイ
ンクタンクを近接配置することには少なからぬ困難が伴
う。そして各色独立にインクタンクないしは収納容器を
交換できるようにしたものにあっては、プリントヘッド
本体に信頼性高くインクを供給するためにインク供給接
続部に位置的制約が生じ、インク供給の信頼性を優先さ
せる上でインクタンク間はある程度自由度を持たせつつ
互いに干渉しないように仕切り等で分離保持させるよう
にしていた。
【0005】以上のことは、キャリッジ等に搭載されて
往復移動(主走査)するプリントヘッドに一体不可分に
または分離可能にインクタンクを取り付けてインクを供
給する方式の構成を採る場合において特に問題となる。
すなわち、キャリッジと共に移動する部材(プリントヘ
ッド、およびこれに分離不能または可能に一体化される
インクタンク)の主走査方向に垂直な面の方向の投影面
積や体積が大きくなると、主走査に要する空間が大とな
り、ひいては装置全体としての大型化をもたらすものと
なるからである。
【0006】本発明は、使用するインクの種類が複数あ
る場合でも、小型にして構成簡単なインクタンク収納容
器を提供することを目的とする。
【0007】また、本発明は、それによって小型のイン
クジェットプリントヘッドおよびプリント装置の構成に
資することを他の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明イン
クタンク収納容器は、それぞれ独立してインクを収容す
るための複数のインクタンクを、仕切りを介在させずに
配置してなることを特徴とする。
【0009】ここで、前記複数のインクタンクは、収容
するインクの量に応じて変形可能なものとすることがで
きる。
【0010】また、前記複数のインクタンクは、互いに
干渉しない位置と寸法とをもって配置されているものと
することができる。
【0011】また、前記複数のインクタンクは、各々独
立に形状を保持するための構造を有するものとすること
ができる。
【0012】さらに、前記複数のインクタンクのそれぞ
れは、少なくとも一部に前記収容するインク量に応じて
変位または変形する可撓性の薄膜部材が設けられた密閉
型構造を有するものとすることができる。
【0013】ここで、前記可撓性の薄膜部材は、変形可
能な凸形状を有するものとすることができる。また、前
記可撓性の薄膜部材は、インクタンク収納容器に固定さ
れる姿勢保持部材に取り付けられているものとすること
ができる。さらに、前記複数のインクタンクはインク充
填を行うことが可能であり、少なくともインク充填が完
了するまで前記薄膜部材が変位または変形するときに互
いに干渉し合わない位置とサイズとをもって配置されて
いるものとすることができる。
【0014】以上において、前記インクタンクは、プリ
ント媒体に対しインクを吐出するためのプリントヘッド
に直接接続され、前記プリントヘッドのインク吐出部に
形成されるメニスカスの保持力と平衡して前記プリント
ヘッドのインク吐出動作が可能な範囲にある負圧を発生
するばね部材を有するものとすることができる。
【0015】また、前記複数のインクタンクには、対向
する一対の前記薄膜部材が設けられるとともに、前記収
容するインク量の変化時に、前記対向する一対の薄膜部
材の変位ないし変形が実質的に平行な関係を保ちながら
行われるよう規制する部材を有するものとすることがで
きる。
【0016】さらに、前記複数のインクタンクを収納す
る空間を、それを介してのみ外部と連通するための連通
部を有するものとすることができる。
【0017】ここで、前記連通部を介して前記空間を減
圧することにより各々の前記インクタンクの内容積を増
大する方向への前記薄膜部材の変位を行わせて前記複数
のインクタンクのそれぞれにインクを充填する一方、前
記連通部を介して前記空間を大気に開放することにより
各々の前記インクタンクの内容積を縮小する方向への前
記薄膜部材の変位を許容して前記プリントヘッドへのイ
ンク供給を可能とすることができる。
【0018】また、本発明プリントヘッドユニットは、
プリント媒体に対しインクを吐出することによりプリン
トを行うための複数のプリントヘッドと、該複数のプリ
ントヘッドに対応した複数の前記インクタンクを有する
上記のいずれかの形態のインクタンク収納容器と、を具
えたことを特徴とする。
【0019】また、本発明インクジェットプリント装置
は、かかるプリントヘッドユニットを用いてプリント媒
体に対しプリントを行うことを特徴とする。
【0020】さらに、本発明は、プリント媒体に対しイ
ンクを吐出する複数のプリントヘッドを用いてプリント
を行うインクジェットプリント装置であって、前記複数
のプリントヘッドにそれぞれインクを供給するために、
前記複数の前記インクタンクを有する上記のいずれかの
形態のインクタンク収納容器を用いることを特徴とす
る。
【0021】これらプリントヘッドユニットまたはイン
クジェットプリント装置にあって、前記複数のプリント
ヘッドのそれぞれは、前記インクを吐出するために利用
されるエネルギとして、インクに膜沸騰を生じさせる熱
エネルギを発生する発熱素子を有するものとすることが
できる。
【0022】また、前記プリントヘッドおよび前記イン
クタンクは、色調を異にする複数のインクに対応して複
数設けられているものとすることができる。
【0023】さらに、前記複数のプリントヘッドのそれ
ぞれは、前記インクを吐出するために利用されるエネル
ギとして、インクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発
生する発熱素子を有するものとすることができる。
【0024】本発明は、例えば各々のインクタンクが独
立に形状を保持するためのフレーム構造を有すること
で、インクを貯蔵するための複数の独立インクタンクを
ヘッドおよび支持部材に固定し、インクタンク収納容器
内に仕切りを持たずにインクタンクをシンプルかつコン
パクトに収容する。
【0025】また、インクタンク収納容器を小孔の連通
部を介してのみで外部と連通する構成として、インクタ
ンク性能を安定化させるための内圧制御が可能となり、
これにより高速で安定的にインクをタンク内に供給する
ことができる。
【0026】なお、本明細書において、「プリント」と
は、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみなら
ず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るよ
うに顕在化したものであるか否かを問わず、広くプリン
ト媒体上に画像、模様、パターン等を形成する場合、ま
たはプリント媒体の加工を行う場合を言うものとする。
【0027】また、「プリント媒体」とは、一般的なプ
リント装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラ
スチック・フィルム、金属板等、ガラス、セラミック
ス、木材、皮革等、インクを受容可能な物も言うものと
するが、以下では「用紙」または単に「紙」ともいうも
のとする。
【0028】さらに、「インク」(「液体」という場合
もある)とは、上記「プリント」の定義と同様広く解釈
されるべきものであり、プリント媒体上に付与されるこ
とによって、画像、模様、パターン等の形成、プリント
媒体の加工、或いはインクの処理(例えば、プリント媒
体に付与されるインク中の色材の凝固または不溶化)に
供される液体を言うものとする。
【0029】なお、本発明が適用されるプリントヘッド
は、電気熱変換体が発生する熱エネルギを利用して液体
に膜沸騰を生じさせ気泡を形成する形態、電気機械変換
体によって液体を吐出させる形態、静電気あるいは気流
を利用して液滴を形成吐出する形態などのインクジェッ
ト記録で提案される各種形態が挙げられるが、特に小型
化の観点からは電気熱変換体を利用したものが好適に用
いられる。
【0030】また、「ノズル」とは、特にことわらない
限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出
に利用されるエネルギを発生する上記電気熱変換体など
の素子を総括して言うものとする。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を詳
細に説明する。
【0032】(インクジェットプリント装置の構成例)
図1は、本発明の一実施形態として、インク間欠供給方
式を採用したインクジェットプリント装置の全体構成を
示す模式的平面図である。
【0033】図1の構成において、プリントヘッドユニ
ット1は、キャリッジ2に交換可能に搭載されている。
プリントヘッドユニット1は、複数のプリントヘッド
と、プリントヘッドに直接インクを供給する複数のイン
クタンク(後述する第1インクタンクとの関係から、以
下第2インクタンクまたはサブタンクという)を収納し
たインクタンク収納容器とを有し、また、プリントヘッ
ドを駆動してノズルにインク吐出動作を行わせるための
信号などを授受するためのコネクタが設けられている
(不図示)。プリントヘッドユニット1は、キャリッジ
2に位置決めして交換可能に搭載されており、キャリッ
ジ2には、上記コネクタを介して各プリントヘッドに駆
動信号等を伝達するためのコネクタホルダ(電気接続
部)が設けられている。
【0034】キャリッジ2は、主走査方向に延在して装
置本体に設置されたガイドシャフト3に沿って往復移動
可能に案内支持されている。そして、キャリッジ2は主
走査モータ4によりモータプーリ5、従動プーリ6およ
びタイミングベルト7等の伝動機構を介して駆動される
とともに、その位置および移動が制御される。また、キ
ャリッジ2には、例えば透過型フォトインタラプタ形態
のホームポジションセンサ10が設けられる一方、キャ
リッジのホームポジションに対応した装置の固定部位に
は透過型フォトインタラプタの光軸を遮蔽可能に遮蔽板
11が配設されている。これにより、キャリッジ2が移
動してホームポジションセンサ10が遮蔽板11を通過
した際にホームポジションが検出され、その検出位置を
基準としたキャリッジ位置および移動の制御が可能とな
る。
【0035】プリント用紙やプラスチック薄板等のプリ
ント媒体8は、送給モータ15によりギアを介してピッ
クアップローラ13を回転させることにより、オートシ
ートフィーダ(ASF)14から一枚ずつ分離給紙され
る。さらに、搬送ローラ9の回転により、プリントヘッ
ドの吐出口形成面と対向する位置(プリント部)を通っ
て搬送(副走査)される。搬送ローラ9の駆動は、ライ
ンフィード(LF)モータ16の回転を、ギアを介して
伝達することにより行われる。
【0036】その際、給紙がなされたか否かの判定と給
紙時の頭出し(副走査方向におけるプリント媒体上のプ
リント開始位置の確定)とは、プリント媒体搬送経路
上、プリント位置より上流側に配設されたプリント媒体
有無検出用のペーパエンドセンサ12の出力に基づいて
行われる。また、ペーパーエンドセンサ12は、プリン
ト媒体8の後端を検出し、その検出出力に基づいて副走
査方向におけるプリント媒体上の最終プリント位置を確
定するためにも使用される。
【0037】なお、プリント媒体8は、被プリント部に
おいて平坦な被プリント面を形成するように、その裏面
をプラテン(不図示)により支持されている。この場
合、キャリッジ2に搭載されたプリントヘッドユニット
1は、プリントヘッドの吐出口形成面がキャリッジ2か
ら下方へ突出して、プリント媒体8と平行になるように
保持されている。プリントヘッドは、例えば、熱エネル
ギを利用してインクを吐出する形態のインクジェットヘ
ッドであって、インクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギ
を発生するための電気熱変換体を備えたものである。す
なわち、プリントヘッドユニット1のプリントヘッド
は、上記電気熱変換体によって印加される熱エネルギに
よるインクの膜沸騰により生じる気泡の圧力を利用し
て、吐出口よりインクを吐出してプリントを行うもので
ある。もちろん、圧電素子によってインクを吐出するも
の等、その他の方式のものであってもよい。
【0038】50は回復系機構であり、プリントヘッド
側からインクを吸引回復させる動作や、プリントヘッド
の吐出口形成面を保護するために用いられるキャップ部
材を有する。キャップ部材は、不図示のモータにより吐
出口形成面に対し接合/離脱位置に設定可能であって、
接合状態において不図示の吸引ポンプ等によりキャップ
部材内部に負圧を生じさせることで、プリントヘッドの
吸引回復動作等が行われる。また、プリント装置の非使
用時にもキャップ部材を接合状態としておくことで、プ
リントヘッドの吐出口形成面を保護することができる。
【0039】51は、プリントヘッドユニット1側の第
2インクタンクに第1インクタンクを連結するためのプ
リントヘッドユニット側のバルブユニットである。54
はバルブユニット51と対をなすインク供給側のバルブ
ユニットである。52は、同様にエアポンプを結合する
ためのプリントヘッドユニット1側のバルブユニットで
ある。53は、バルブユニット52と対をなすエアポン
プユニット側のバルブユニットである。
【0040】これらのバルブユニット51〜54は、キ
ャリッジ2が主走査方向上のプリント領域外側に位置す
るホームポジションまたはその近傍の位置に設定され、
その位置で対応するバルブユニット同士が連結されるこ
とにより、バルブユニット間を通じたインクやエアの流
れを許容する形態のものである。また、キャリッジ2が
当該位置からプリント領域方向へ離脱したときに対応す
るバルブユニット同士の連結が解除されるが、当該連結
の解除に伴ってバルブユニット51および54は、自動
的に閉塞状態となるものとする。これに対し、バルブユ
ニット52は、常にオープン状態のものである。
【0041】55は、チューブ部材であり、装置の固定
部位に設けた第1インクタンク(以下メインタンクとも
いう。)57に結合され、バルブユニット54までイン
クを供給するためのものである。56は、空圧回路用の
チューブ部材であり、加圧減圧用のポンプユニット58
に結合されている。62は、ポンプユニット58の吸排
気口である。
【0042】なお、チューブ部材は、それぞれ一体に構
成されたものでなくてもよく、複数のチューブ要素をつ
なぎあわせて構成されるものでもよい。また、第1およ
び第2インクタンク、およびそれらを連結するチューブ
やバルブユニットは、プリントヘッドの個数に対応して
複数設けられるものである。
【0043】図1の装置は、インク間欠供給方式を採用
したものである。すなわち、キャリッジ2上に相対的に
小型の第2インクタンクを収納したインクタンク収納容
器とプリントヘッドとを有するプリントヘッドユニット
1を搭載する一方、プリント装置のキャリッジ以外の部
位に相対的に大きな第1のインクタンク57を有し、第
1のインクタンク57から第2のインクタンクに対し適
切なタイミングでキャリッジ2をホームポジション等の
位置に設定してバルブユニットを結合させ、インク供給
を行い得るように供給系が構成されるものである。ま
た、キャリッジ2の主走査中には、第1および第2イン
クタンク間のインク供給系を空間的に切り離すことによ
って、第1および第2インクタンク間が流体的に絶縁さ
れる。
【0044】ここで、吐出されたインク量に対応した量
のインクが常に、プリントヘッドに対し言わば連続的に
供給されるように供給系を構成した方式のもの(以下、
連続供給方式という)にあって、キャリッジ等に搭載さ
れて往復移動(主走査)するプリントヘッドに一体不可
分にまたは分離可能にインクタンクを取り付けてインク
を供給するオンキャリッジ方式を採用する場合には、キ
ャリッジと共に移動する部材(プリントヘッドおよびイ
ンクタンク)の主走査方向に垂直な面の方向の投影面積
や体積についての問題がある。すなわち、大容量のイン
クタンクを用いる場合にはプリント装置の大型化をもた
らし、逆に小型の、特に可搬型のプリント装置を構成す
る場合には、非常に限られた容量のインクタンクしか使
用できないことになり、インクタンク一体型プリントヘ
ッドまたはインクタンクの交換頻度が非常に高くなる。
【0045】また、連続供給方式にあって、キャリッジ
上に搭載されるプリントヘッドとは別体に、インクタン
クをプリント装置の他の部位に固定的に据え付け、可撓
性チューブを介してインクタンクとプリントヘッドとを
連結してインクを供給するチューブ供給方式を採用する
場合には、主走査時にキャリッジと共に移動する部材は
ある程度小型化することが可能となるが、キャリッジ上
のプリントヘッドとキャリッジ外の部位にあるインクタ
ンクとを結合してインクを供給するチューブ部材がキャ
リッジに追従して移動するためのスペースを要するの
で、その分小型化が難しい。さらに、近年ではプリント
動作の高速化に対応してキャリッジも高速に走査される
傾向にあり、追従するチューブの激しい揺動によりプリ
ントヘッドに対するインク供給系内のインクの圧力変動
が生じるので、圧力変動を抑えるために種々の複雑な圧
力緩衝機構を設けることが強く望ましく、その点におい
ても小型化は難しい。
【0046】これに対し、上例のような間欠供給方式に
よれば、連続供給方式において小型化の制約となってい
たインクタンクなどの上記移動部材の大きさや、チュー
ブの揺動による種々の問題点の発生を基本的に解決でき
る。
【0047】(インクジェットプリント装置の他の構成
例)図1の間欠供給系は、第1インクタンクへのインク
充填を行う際にのみ上記バルブユニットの連結を行う一
方、プリント動作中には第1および第2インクタンク間
のインク供給系が空間的に切り離される形態のものであ
る。これに対し、そのような切り離しを行わずに、弁等
によってインク流路を遮断することによって、第1およ
び第2インクタンク間を流体的に絶縁するような構成を
有する間欠供給系を採用することもできる。
【0048】図2は、常時接続しているチューブ機構を
用いる間欠供給系を適用したインクジェットプリント装
置を模式的に示す。図2においては、図1と同様に構成
できる部分であって本例の供給系の説明に関係のないも
のについては、簡略化のために図示を省略している。
【0049】図2において、70は、一端がプリントヘ
ッドユニットの第2インクタンクに接続された空圧回路
用の可撓性チューブであり、その他端は、電磁バルブユ
ニット72および空圧回路用のチューブ部材56を介し
て加圧減圧用のポンプユニット58に接続される。71
は、一端がプリントヘッドユニットの第2インクタンク
に接続されたインク供給用の可撓性チューブ部材であ
り、その他端は、電磁バルブユニット72およびインク
供給用チューブ部材55を介して第1のインクタンク5
7に接続される。
【0050】すなわち、このように常時接続しているチ
ューブ機構を用いる場合にも、電磁バルブユニット72
などの流路開閉手段を介挿し、これを第2インクタンク
へのインク充填動作時およびプリント動作時に適切に開
閉制御することによって、間欠供給系を構成することが
できるものである。
【0051】(サブタンクおよびその製造方法)上例し
たような間欠供給方式によれば、連続供給方式において
小型化の制約となっていたインクタンクなどの上記移動
部材の大きさや、チューブの揺動による種々の問題点の
発生を基本的に解決できる。
【0052】そして本実施形態では、カラー化等への対
応のため使用するインクの種類が複数ある場合でも、イ
ンクタンク収納容器を適切に構成することで、その構造
を小型にして簡単なものとし、また、それによってプリ
ントヘッドユニットおよびプリント装置のさらなる小型
化を図るものである。
【0053】ここで、まず本発明の一実施形態に係るイ
ンクタンク収納容器に配設されるサブタンク(この項に
おいては単に「インクタンク」という)およびその製造
方法について説明する。
【0054】図3は、以下の工程により製造されるイン
クタンク127の斜視図であり、四角枠状のフレーム1
15の上下の開口部に、上下のばね・シートユニット1
14を取付けた密閉構造となっている。ばね・シートユ
ニット114は、後述するように、ばね107と圧力板
109から成るばねユニット112と、可撓性のタンク
シート(可撓性部材)106とによって構成される。フ
レーム115には、インクタンク127の内部に通じる
第1インク供給口128と第2インク供給口129が形
成されている。
【0055】図4から図8は、このようなインクタンク
127の製造方法を説明するための図である。
【0056】まず、図4(a),(b),(c)は、可
撓性のタンクシート106を凸型に成型する工程の説明
図である。
【0057】タンクシート106の成形素材としてのシ
ート材料101は、原材料から大きなサイズのシート状
に成型されたものであり、このシート材料101は、イ
ンクタンク性能の重要なファクターを占める。このシー
ト材料101には、気体とインク成分の透過度が低く、
かつ可撓性をもちつつ繰り返し変形に対する耐久性が要
求される。その好適な材料としては、PP,PE,PV
DC,EVOH、ナイロン等であり、また複合材とし
て、アルミニウムやシリカを蒸着したものなどを用いる
ことができ、さらに、これらを積層化して用いても良
い。特に、耐薬品性に優れたPPやPEと、気体・水蒸
気遮断性能に優れたPVDCを積層して用いることによ
り、優れたインクタンク性能を発揮することができる。
また、このようなシート材料101の厚さは、柔軟性と
耐久性に鑑みて、10μm〜100μm程度が適する。
【0058】このようなシート材料101は、図4
(a)のように、凸形状部103、バキューム孔10
4、および温度調整機構(図示せず)を有する成型金型
102を用いて凸型に成型する。すなわち、シート材料
101は、バキューム孔104に吸着され、成型金型1
02からの熱により凸形状部103に沿う凸型に成型さ
れる。シート材料101は、図4(b)のように凸型に
成型されてから、図4(c)のように、タンクシート1
06として所定のサイズに切り出される。そのサイズ
は、次工程の製造装置に適したサイズであればよく、イ
ンクを収容するインクタンク127の容積などに応じて
設定することができる。
【0059】図5(a)は、インクタンク127の内部
を負圧にするために用いられるばねユニット112の製
造工程の説明図である。予め半円状に形成されたばね1
07をばね受け治具108に取り付けて、その上から、
溶接電極111を用いたスポット溶接により圧力板10
9を取り付ける。圧力板109には、熱接着材110が
付けられている。これらのばね107と圧力板109と
によって、ばねユニット112が構成される。
【0060】図5(b)は、ばねユニット112をタン
クシート106に取り付ける工程の説明図である。受け
治具(図示せず)の上に載置したタンクシート106の内
面に、ばねユニット112を位置決めして配置する。そ
して、ヒートヘッド113を用いて熱接着材110を加
熱することにより、ばねユニット112とタンクシート
106とを接着して、ばね・シートユニット114を構
成する。
【0061】図6(a)は、ばね・シートユニット11
4をフレーム115に溶着する工程の説明図である。フ
レーム115は、フレーム受け治具116に固定され
る。フレーム115を取り囲むシート吸着治具117
は、フレーム115が位置決め配置された後、ばね・シ
ートユニット114をバキューム孔117Aに吸着し
て、そのユニット114とフレーム115とを相対的に
位置ずれなく保持する。その後、ヒートヘッド118に
より、フレーム115の図中上側の周縁部と、ばね・シ
ートユニット114のタンクシート106と、の環状の
接合面同士を熱溶着する。シート吸着治具117が、フ
レーム115の図6(a)中上側の周縁部と、ばね・シ
ートユニット114のタンクシート106の周縁部分と
を均一に対面させることにより、それらの接合面は、極
めて均一に熱溶着されてシールされることになる。ゆえ
に、シート吸着治具117は、均一なシール性を確保す
べく熱溶着する上において重要である。
【0062】図6(b)は、カッター(図示せず)によ
って、フレーム115の外側にはみ出たタンクシート1
06の部分を切り取る工程の説明図である。このよう
に、フレーム115からはみ出たタンクシート106の
部分を切り取ることにより、ばね・シート・フレームユ
ニット119が完成する。
【0063】図7および図8(a),(b)は、このよ
うなばね・シート・フレームユニット119に、前述し
た工程により制作した他のばね・シートユニット114
を熱溶着する工程の説明図である。
【0064】図7のように、ばね・シート・フレームユ
ニット119は受け治具(図示せず)に取り付けられ、
その受け治具と相対的に位置が規定された吸着治具12
0によって、ばね・シート・フレームユニット119の
外周部が囲まれる。その受け治具は、ばね・シート・フ
レームユニット119のタンクシート106における外
面の平面部106Aに面接触して、その平面部106A
を図8(a),(b)のように保持する。他のばね・シ
ートユニット114は、そのタンクシート106の外面
の平面部106Aが押さえ治具121によって吸着保持
され、この押さえ治具121が下降することによって、
ばね・シートユニット114側のばね107の先端部1
07A,107Bと、ばね・シート・フレームユニット
119側のばね107の先端部107A,107Bとが
ほぼ同時に嵌合する。すなわち、ばね107の一方の先
端部107Aは凸状、他方の先端部107Bは凹状とな
っており、それぞれが自己アライメントにより嵌まり込
むようになっており、それらのばね107は、一対のば
ね部材構成体として結合することにより1つのばね部材
を構成する。
【0065】さらに、押さえ治具121を下降させて、
図8(a)のように、それら一対のばね107を圧縮さ
せる。その際、押さえ治具121は、ばね・シートユニ
ット114における図7中上側の平面部106A、つま
り凸部に形成されたタンクシート106の上側のフラッ
ト領域を幅広く押さえ込む。これにより、タンクシート
106の平面部106Aの位置が規制され、下側のユニ
ット119や治具120に対して、ばね・シートユニッ
ト114が平行に保たれたまま接近する。したがって、
図8(b)のように、ばね・シートユニット114のタ
ンクシート106の周縁部分は、吸着治具120の面に
接して、バキューム孔120Aに吸引保持される共に、
フレーム115の溶着面(同図中上側の接合面)にも均
一に対面することになる。そして、この状態において、
ヒートヘッド122により、ばね・シート・フレームユ
ニット119のフレーム115の図中上側の周縁部と、
ばね・シートユニット114のタンクシート106と、
の環状の接合面同士を熱溶着する。
【0066】このように、上側のユニット114のタン
クシート106の平面部106Aと、下側のユニット1
19のタンクシート106の平面部106Aとの平行度
を維持しつつ、一対を成すばね107を圧縮させること
により、それら一対のタンクシート106の平面部10
6Aの平行度が高いインクタンク127を安定的に大量
生産することができる。また、一対をなすばね107
は、図8(a),(b)中において左右均一に圧縮変形
されるため、ばね・シートユニット114を傾けるよう
な力を生じることがなく、一対のタンクシート106の
平面部106Aの平行度が高いインクタンク127をよ
り安定的に生産することができる。さらに、インクタン
ク127内の容積変化に伴なって、一対をなすばね10
7が図8(a),(b)中において左右均一に圧縮変形
されるため、一対のタンクシート106の平面部106
Aは高い平行度を保ったまま対向間隔が変化することに
なり、この結果、インクを安定的に供給することができ
る。また、可撓性のタンクシート106の平面部106
Aを斜めに傾けるような無理な力が作用しないため、イ
ンクタンク127のシール性、耐圧性、耐久性が向上す
ることになる。
【0067】その後、フレーム115の外側にはみ出た
タンクシート106の部分を切り取ることによって、図
3のインクタンク127が完成する。インクタンク12
7の内部は、第1インク供給口128と第2インク供給
口129によってのみ外部に連通する密閉構造となって
いる。
【0068】図9は、インクタンク127を記録ヘッド
に取り付ける工程の説明図である。
【0069】記録ヘッドを構成するヘッドチップ133
はインクタンク収容室130に取り付けられており、こ
のインクタンク収容室130内にインクタンク127が
複数個取り付けられる。インクタンク127は、インク
タンク取り付け部131に溶着や接着によって取り付け
られる。また、本例のインクタンク127は、インク供
給口128,129を下側にして取り付けられる。その
後、インクタンク収容室130の開口部に蓋132を溶
着や接着によって取り付けて、インクタンク収容室13
0内を準密閉空間とする。これにより、インクタンクを
備えた記録ヘッドが構成される。ヘッドチップ133は
インクジェット記録ヘッドを構成するものであってもよ
く、そのインクジェット記録ヘッドとしては、例えば、
インク吐出口からインク滴を吐出するために電気熱変換
体を備えた構成を採用することができる。すなわち、そ
の電気熱変換体の発熱によりインクを膜沸騰させ、その
発泡エネルギーを利用してインク吐出口からインク滴を
吐出させる構成とすることができる。このようなインク
ジェット記録ヘッドとインクタンクとを結合することに
より、インクジェットカートリッジを構成することがで
きる。
【0070】図10は、インクタンクを備えた図9のイ
ンクタンク収容室130の断面図である。
【0071】インクタンク127の内部にはインクの貯
蔵が可能であり、そのインクは、インクタンク127の
第1インク供給口128からフィルタ137を介して供
給路136へ供給され、さらにヘッドチップ133に供
給される。本例のヘッドチップ133は、インクジェッ
ト記録ヘッドを構成すべくヒータボード134が接着さ
れており、このヒータボード134には、インク吐出流
路とオリフィスが形成されていると共に、電気熱変換体
(ヒータ)が備えられており、インクタンク127から
供給されたインクの吐出が可能となっている。インクタ
ンク127内には、第2供給口129からインクを充填
することが可能である。すなわち、第2供給口129に
は、ジョイントシールプレート139によって、インク
漏れを防ぎかつインク充填を可能とするジョイントシー
ル138がタンク収納室130の下部の開口141をシ
ールするように固定されている。ジョイントシール13
8は可撓性のゴム部材等により構成されており、このジ
ョイントシール138には、ニードル状の供給管を挿入
可能なスリット開口が設けられている。インクタンク1
27内へのインク供給時には、そのニードル状の供給管
をジョイントシール138のスリット開口に挿入し、そ
の供給管を通して、インクタンク127内にインクを供
給する。インクタンク127内にインクを供給しない非
インク供給時には、そのスリット開口がジョイントシー
ル138の弾性によって閉じられているため、インクの
漏れは発生しない。140は、第2の供給口129に連
通する連通路であり、フレーム115の内側に予め貫通
形成しておくことができる。
【0072】さらに、蓋132によって準密閉構造とさ
れたインクタンク収容室130は、小孔142のみによ
って外部と連通している。この小孔142を塞ぐことに
よりインクタンク収容室130内を大気から遮断した
り、この小孔142からインクタンク収容室130内の
空気を排出することによって、インクタンク収容室13
0内を減圧して、インクタンク127内の負圧を高める
ことが可能である。
【0073】また、インクタンク収容室130内の減圧
と増圧を繰り返すことにより、第2インク供給口129
からインクタンク127内に、インクを自動的に吸引補
給することもできる。その際、インクタンク収容室13
0内の圧力変化に応じて、ばね107が応答性よく弾性
変形するため、インクが頻繁に補給される小型のインク
タンクとして好適に用いることができる。
【0074】(インクタンク収納容器およびサブタンク
の構成および動作)図11は図9に示したインクタンク
収納容器(インクタンク収容室130)の主走査方向に
沿った模式的断面図である。図9および図11から明ら
かなように、本実施形態のインクタンク収納容器は、4
色調のインクを貯蔵するための4つの独立したサブタン
ク127を、上述のように取り付けることで、仕切りな
いし隔壁を介在することなく、主走査方向に対応する方
向に並列に収容している。そして本実施形態は、インク
タンク収容室130に一対の可撓性の薄膜部材(タンク
シート)106の姿勢保持部材としても機能するフレー
ム115が直接取り付けられて固定されるため、各々の
サブタンク127は互いに干渉することのない配置を保
つことができる。
【0075】また、4つのサブタンク127は、貯蔵し
ているインク量に応じて形状が変化して内容積が変化す
るとともに、各々独立に形状を保持するための構造を有
している。すなわち、4つのサブタンク127は、対向
する一対の可撓性の薄膜部材(タンクシート)106が
設けられた密閉型インク収納構造を有するとともに、そ
れぞれの内部には、インク消費が進み内容積が最小とな
るときまで、ノズルに形成されるメニスカスの保持力と
平衡してノズルからのインク吐出動作が可能な範囲にあ
る適正な負圧を発生するばね107と、内容積の変化時
に、対向する一対のばね107およびタンクシート10
6の変位ないし変形が実質的に平行な関係を保ちながら
行われるよう規制する圧力板109とが設けられてい
る。
【0076】さらに、インクタンク収納容器内部は、吸
排気口としての小孔142を有している。そして、この
小孔142にはバルブユニット52が接続され、エアポ
ンプユニット側のバルブユニット53と結合していない
状態(プリント動作時等)ではバルブユニット52は常
時開状態であるので、インクタンク収納容器内部は小孔
142ないしバルブユニット52を介して大気と連通す
る。従って、吐出動作等によるインク消費に伴うサブタ
ンク127の変形(収縮)動作が阻害されることはな
い。
【0077】4つのサブタンク127は、インク消費に
伴って独立に形状が変化してゆく。すなわち、形成する
画像に応じた各色調のインクの使用量に応じてインクの
残量がインクの種類毎にアンバランスとなり、様々な形
状となる。
【0078】図12はその状態を示している。例えばこ
の状態からインク充填を行う場合には、キャリッジ2を
主走査方向上のプリント領域外側に位置するホームポジ
ションまたはその近傍の位置に設定し、その位置で対応
するバルブユニット同士を連結することにより、バルブ
ユニット間を通じたインクやエアの流れを許容するよう
にする。そしてポンプユニット58を減圧動作させるこ
とによりインクタンク収納容器内を減圧すると、それぞ
れのサブタンク127はそれぞれ対応する第1インクタ
ンク57からインクを吸い込みつつ膨張する。サブタン
ク127内のインク残量が図12に示すようにインクの
種類毎に異なっていても、インクが十分に充填され減圧
力がタンクシート106の張力に釣り合った時点でそれ
ぞれの膨張が阻止される。すなわち本実施形態によれ
ば、種類毎のインク残量の差に応じてそれぞれ規定量の
インクを充填するための細かい制御を行う必要が原理的
になくなる。
【0079】なお、各サブタンク127内には何らかの
要因により混入した気体が滞留(集積)していることが
あるので、インク充填動作に先立ってインクタンク収納
容器内部を加圧する動作を行い、サブタンク127内上
方に滞留している気体を第1インクタンク側に向けて排
出するようにすることもできる。
【0080】また、インクが十分に充填され、サブタン
ク127が完全に膨張した状態でばね107が中立位置
ないし加圧側に変形するような場合には、インク充填動
作後に短時間の加圧動作を行い、サブタンク127内の
インクを若干第1インクタンク57側へ押し戻してやる
ことによりサブタンク127を収縮させ、ばね107が
適正な負圧を発生する状態にさせる動作を行うこともで
きる。
【0081】このように、本例の特徴の一つは、インク
の種類が増えようとも、インクタンク収納容器ないしプ
リントヘッドユニットの内部構成としては単に、サブタ
ンク127をインクの種類分配設するだけで、その他は
周辺の機構(ポンプユニット等)を共用して規定量のイ
ンクを充填できることにある。これは、可搬型や薄型な
いし小型のプリンタを設計する際に非常に有効な手法と
なる。
【0082】また、本発明の特徴は基本的に、複数のサ
ブタンクが仕切りないしは隔壁を介在せずに収容されて
いることにあるが、このために複数のサブタンクは互い
に干渉しない位置とサイズとを有して配置されること、
少なくともインクが十分に充填されるまで膨張を続ける
ときに互いに干渉し合わない位置とサイズとを有して配
置されることが望ましい。このような条件が満たされれ
ば、インクの色調や、配置されるインクタンクの個数お
よび位置関係は上例に限られず、任意所望に定め得るの
は勿論である。また、種類毎にインク収容容量が異なる
設計を行うこともできる。
【0083】例えば、プリントヘッドの構成として、ブ
ラックのインクを吐出するノズルの配列範囲が大きく、
ブラック用ノズル列の傍らにその配列範囲に亘って、シ
アン、マゼンタおよびイエローの比較的配列範囲の小さ
い(ブラック用ノズル列配列範囲の約1/3)のノズル
列が配列されるような場合、容量の大きいブラック用の
サブタンクの傍らに、シアン、マゼンタおよびイエロー
のサブタンクが副走査方向に対応する方向に沿って並置
されるものでもよい。
【0084】(その他)以上のインクタンク収納容器お
よびサブタンクの構成は、サブタンクへのインク充填を
行う際にバルブユニットの連結を行う一方、プリント動
作中には第1インクタンクおよびサブタンク間のインク
供給系が空間的に切り離される形態の図1のプリント装
置に限られず、そのような切り離しを行わずに第1およ
び第2インクタンク間を流体的に絶縁するような構成を
有する間欠供給系が採用された図2のプリント装置に適
用することもできる。
【0085】また、上例ではプリントヘッドに一体化さ
れたインクタンク収容室形態のインクタンク収納容器に
ついて説明したが、両者は分離可能な構成であってもよ
く、また別体のものであってもよい。さらに、プリント
装置を小型かつ可搬型のものとする上で好ましい間欠供
給系を採用したプリント装置に適用した場合について説
明したが、連続供給方式を採用したプリント装置にあっ
ても、その小型化に資する観点から本発明は好ましく適
用できるものである。
【0086】また、本発明プリント装置は、プリントに
係る画像等のデータの作成,処理等を行うコンピュー
タ、画像読み取り用のリーダ部、あるいはディジタルカ
メラの等の形態を有する画像データの供給源と別体に構
成されているものでも、分離可能または分離不能に一体
に構成されていてもよいものである。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
使用するインクの種類が複数ある場合でも、複数のイン
クタンク間を仕切りないし隔壁を介在させずに近接配置
することができるので、小型にして構成簡単なインクタ
ンク収納容器を提供できる。また、それによって小型の
インクジェットプリントヘッドおよびプリント装置の構
成に資することができる。
【0088】また、インクタンク間で干渉が生じない位
置関係をもって配置することにより、各インクタンクの
インク供給特性ないしヘッドの吐出特性を損なうことが
ない。さらに、複数のインクタンクを小孔の吸排気口の
みで外部と連通する容器に収納し、容器内を適切に加圧
または減圧することによりインクタンクのインク供給特
性を良好に保持するための処理(滞留気体の排除やイン
ク充填等)を簡単な構成で行うことができるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る間欠供給方式を適用
したインクジェットプリント装置の全体構成を示す模式
的平面図である。
【図2】図1の構成に対し、常時接続しているチューブ
機構を用いる間欠供給系を適用したインクジェットプリ
ント装置の全体構成を示す模式的平面図である。
【図3】本発明に適用可能なインクタンクの斜視図であ
る。
【図4】(a),(b),(c)は、図3のインクタン
クにおけるタンクシートの成型工程の説明図である。
【図5】(a)は、図3のインクタンクにおけるばねユ
ニットの製造工程の説明図、(b)は、図3のインクタ
ンクにおけるばね・シートユニットの製造工程の説明図
である。
【図6】(a),(b)は、図3のインクタンクにおけ
るばね・シート・フレームユニットの製造工程の説明図
である。
【図7】図3のインクタンクにおけるばね・シートユニ
ットとばね・シート・フレームユニットの結合工程の説
明図である。
【図8】(a),(b)は、図7の結合工程における要
部の断面図である。
【図9】図3のインクタンクの取り付け工程の説明図で
ある。
【図10】図9のインクタンクの取り付け状態における
要部の断面図である。
【図11】図9に示したインクタンク収納容器(インク
タンク収容室)の主走査方向に沿った模式的断面図であ
る。
【図12】図11に示した状態から、形成する画像に応
じた各色調のインクの使用量に応じてインクの残量がイ
ンクの種類毎にアンバランスとなっている状態を示す模
式図である。
【符号の説明】
1 プリントヘッドユニット 2 キャリッジ 3 ガイドシャフト 4 主走査モータ 8 プリント媒体 9 搬送ローラ 10 ホームポジションセンサ 15 送給モータ 16 ラインフィード(LF)モータ 50 回復系機構 51〜54 バルブユニット 55 インク用チューブ部材 57 第1インクタンク 56 空圧回路用チューブ部材 58 ポンプユニット 59 大気連通部 106 タンクシート(可撓性部材) 106A 平面部 107 ばね 107A,107B 先端部 109 圧力板 110 熱接着材 112 ばねユニット 114 ばね・シートユニット 115 フレーム 119 ばね・シート・フレームユニット 121 押さえ治具 122 ヒートヘッド 127 インクタンク 128 第1インク供給口 129 第2インク供給口 130 インクタンク収容室 133 ヘッドチップ 142 小孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大橋 哲也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小倉 英幹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 井上 博行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大塚 尚次 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 吉田 正仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 KC09 KC13 KC14 KC21 KC27

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ独立してインクを収容するため
    の複数のインクタンクを、仕切りを介在させずに配置し
    てなることを特徴とするインクタンク収納容器。
  2. 【請求項2】 前記複数のインクタンクは、収容するイ
    ンクの量に応じて変形可能であることを特徴とする請求
    項1に記載のインクタンク収納容器。
  3. 【請求項3】 前記複数のインクタンクは、互いに干渉
    しない位置と寸法とをもって配置されていることを特徴
    とする請求項1または2に記載のインクタンク収納容
    器。
  4. 【請求項4】 前記複数のインクタンクは、各々独立に
    形状を保持するための構造を有することを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれかに記載のインクタンク収納容
    器。
  5. 【請求項5】 前記複数のインクタンクのそれぞれは、
    少なくとも一部に前記収容するインク量に応じて変位ま
    たは変形する可撓性の薄膜部材が設けられた密閉型構造
    を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
    に記載のインクタンク収納容器。
  6. 【請求項6】 前記可撓性の薄膜部材は、変形可能な凸
    形状を有することを特徴とする請求項5に記載のインク
    タンク収納容器。
  7. 【請求項7】 前記可撓性の薄膜部材は、インクタンク
    収納容器に固定される姿勢保持部材に取り付けられてい
    ることを特徴とする請求項5に記載のインクタンク収納
    容器。
  8. 【請求項8】 前記複数のインクタンクはインク充填を
    行うことが可能であり、少なくともインク充填が完了す
    るまで前記薄膜部材が変位または変形するときに互いに
    干渉し合わない位置とサイズとをもって配置されている
    ことを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の
    インクタンク収納容器。
  9. 【請求項9】 前記インクタンクは、プリント媒体に対
    しインクを吐出するためのプリントヘッドに直接接続さ
    れ、前記プリントヘッドのインク吐出部に形成されるメ
    ニスカスの保持力と平衡して前記プリントヘッドのイン
    ク吐出動作が可能な範囲にある負圧を発生するばね部材
    を有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか
    に記載のインクタンク収納容器。
  10. 【請求項10】 前記複数のインクタンクには、対向す
    る一対の前記薄膜部材が設けられるとともに、前記収容
    するインク量の変化時に、前記対向する一対の薄膜部材
    の変位ないし変形が実質的に平行な関係を保ちながら行
    われるよう規制する部材を有することを特徴とする請求
    項5ないし9のいずれかに記載のインクタンク収納容
    器。
  11. 【請求項11】 前記複数のインクタンクを収納する空
    間を、それを介してのみ外部と連通するための連通部を
    有することを特徴とする請求項5ないし10のいずれか
    に記載のインクタンク収納容器。
  12. 【請求項12】 前記連通部を介して前記空間を減圧す
    ることにより各々の前記インクタンクの内容積を増大す
    る方向への前記薄膜部材の変位を行わせて前記複数のイ
    ンクタンクのそれぞれにインクを充填する一方、前記連
    通部を介して前記空間を大気に開放することにより各々
    の前記インクタンクの内容積を縮小する方向への前記薄
    膜部材の変位を許容して前記プリントヘッドへのインク
    供給を可能としたことを特徴とする請求項11に記載の
    インクタンク収納容器。
  13. 【請求項13】 プリント媒体に対しインクを吐出する
    ことによりプリントを行うための複数のプリントヘッド
    と、 該複数のプリントヘッドに対応した複数の前記インクタ
    ンクを有する請求項1ないし12のいずれかに記載のイ
    ンクタンク収納容器と、を具えたことを特徴とするプリ
    ントヘッドユニット。
  14. 【請求項14】 前記プリントヘッドおよび前記インク
    タンクは、色調を異にする複数のインクに対応して複数
    設けられていることを特徴とする請求項13に記載のプ
    リントヘッドユニット。
  15. 【請求項15】 前記複数のプリントヘッドのそれぞれ
    は、前記インクを吐出するために利用されるエネルギと
    して、インクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生す
    る発熱素子を有することを特徴とする請求項13または
    14に記載のプリントヘッドユニット。
  16. 【請求項16】 プリント媒体に対しインクを吐出する
    複数のプリントヘッドを用いてプリントを行うインクジ
    ェットプリント装置であって、 前記複数のプリントヘッドにそれぞれインクを供給する
    ために、前記複数の前記インクタンクを有する請求項1
    ないし12のいずれかに記載のインクタンク収納容器を
    用いることを特徴とするインクジェットプリント装置。
  17. 【請求項17】 請求項13に記載のプリントヘッドユ
    ニットを用いてプリント媒体に対しプリントを行うこと
    を特徴とするインクジェットプリント装置。
  18. 【請求項18】 前記プリントヘッドおよび前記インク
    タンクは、色調を異にする複数のインクに対応して複数
    設けられていることを特徴とする請求項16または17
    に記載のインクジェットプリント装置。
  19. 【請求項19】 前記複数のプリントヘッドのそれぞれ
    は、前記インクを吐出するために利用されるエネルギと
    して、インクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生す
    る発熱素子を有することを特徴とする請求項16ないし
    18のいずれかに記載のインクジェットプリント装置。
JP2001246238A 2001-08-14 2001-08-14 インクタンク収納容器、該容器を用いるインクジェットプリントヘッドおよびプリント装置 Pending JP2003053991A (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001246238A JP2003053991A (ja) 2001-08-14 2001-08-14 インクタンク収納容器、該容器を用いるインクジェットプリントヘッドおよびプリント装置
US10/216,354 US6959984B2 (en) 2001-08-14 2002-08-12 Liquid container and inkjet cartridge
EP08165419.6A EP2008827B1 (en) 2001-08-14 2002-08-13 Liquid container and inkjet cartridge
AT02018076T ATE445502T1 (de) 2001-08-14 2002-08-13 Flüssigkeitsbehälter und tintenstrahlpatrone
DE60234000T DE60234000D1 (de) 2001-08-14 2002-08-13 Flüssigkeitsbehälter und Tintenstrahlpatrone
EP02018076A EP1284190B1 (en) 2001-08-14 2002-08-13 Liquid container and inkjet cartridge
KR1020020047983A KR100549743B1 (ko) 2001-08-14 2002-08-14 액체 용기 및 잉크 제트 카트리지
CNB021288283A CN1199801C (zh) 2001-08-14 2002-08-14 液体容器及喷墨盒
US11/181,771 US7086725B2 (en) 2001-08-14 2005-07-15 Liquid container and inkjet cartridge

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001246238A JP2003053991A (ja) 2001-08-14 2001-08-14 インクタンク収納容器、該容器を用いるインクジェットプリントヘッドおよびプリント装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003053991A true JP2003053991A (ja) 2003-02-26

Family

ID=19075841

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001246238A Pending JP2003053991A (ja) 2001-08-14 2001-08-14 インクタンク収納容器、該容器を用いるインクジェットプリントヘッドおよびプリント装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003053991A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1524118A1 (en) * 2003-10-14 2005-04-20 Print-rite. Unicorn Image Products Co., Ltd. of Zhuhai Attachable and detachable ink container for continuous ink jet printer
US10384454B2 (en) 2012-07-23 2019-08-20 Seiko Epson Corporation Refilled cartridge and method for manufacturing refilled cartridge

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1524118A1 (en) * 2003-10-14 2005-04-20 Print-rite. Unicorn Image Products Co., Ltd. of Zhuhai Attachable and detachable ink container for continuous ink jet printer
US10384454B2 (en) 2012-07-23 2019-08-20 Seiko Epson Corporation Refilled cartridge and method for manufacturing refilled cartridge
US10647123B2 (en) 2012-07-23 2020-05-12 Seiko Epson Corporation Refilled cartridge and method for manufacturing refilled cartridge

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1284190B1 (en) Liquid container and inkjet cartridge
US8668317B2 (en) Liquid container
US6783215B2 (en) Ink container, inkjet printing apparatus, and ink supplying method
KR20020096957A (ko) 잉크 제트 인쇄 장치 및 잉크 공급 방법
US20080225090A1 (en) Pressure regulating mechanism and liquid ejecting apparatus
KR20020096961A (ko) 잉크 제트 인쇄 장치 및 잉크 공급 방법
JP3713960B2 (ja) インクジェット記録装置
US20030011668A1 (en) Ink container, inkjet printing apparatus, and ink supplying method
JP2003053993A (ja) インクジェット記録ヘッド
JPH10202896A (ja) インク記録装置用インクタンク
US7465043B2 (en) Liquid distribution unit, ink-jet recording apparatus and image forming apparatus
JP4161846B2 (ja) 液体収容体
JP2005041048A (ja) 液体噴射装置及び液体収容体
JP2003053991A (ja) インクタンク収納容器、該容器を用いるインクジェットプリントヘッドおよびプリント装置
JP2006231524A (ja) ダンパー装置、ダンパー装置の製造方法、記録装置及び液体噴射装置
JP2003053995A (ja) インクジェットプリンタおよびインクタンク
JP4410023B2 (ja) インク袋、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、及び画像形成装置
JP2003053989A (ja) インクタンク、該インクタンクを用いるインクジェットプリントヘッドおよびプリント装置
JP2002273898A (ja) インクジェット式記録装置およびそのインク供給方法
JPH11342625A (ja) インクジェット記録装置
KR100832590B1 (ko) 잉크 탱크, 인쇄 헤드 및 잉크젯 인쇄 장치
JPH05229139A (ja) インクジェット記録装置
JPH10272782A (ja) インクジェット記録装置
JP2003246075A (ja) インクタンク、インクジェットカートリッジ、インクジェット記録装置
JPH10329338A (ja) インク吐出装置