JP2003051307A - ハイブリッドシステム用鉛蓄電池 - Google Patents

ハイブリッドシステム用鉛蓄電池

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JP2003051307A
JP2003051307A JP2001240792A JP2001240792A JP2003051307A JP 2003051307 A JP2003051307 A JP 2003051307A JP 2001240792 A JP2001240792 A JP 2001240792A JP 2001240792 A JP2001240792 A JP 2001240792A JP 2003051307 A JP2003051307 A JP 2003051307A
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negative electrode
regenerative
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JP2001240792A
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Kazunari Ando
和成 安藤
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Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回生特性を向上させると共に時間の経過にか
かわらず常に回生特性を高い状態に維持することができ
るハイブリッドシステム用鉛蓄電池を提供すること。 【解決手段】 鉛粉量に対して2.0質量%以上5.0
質量%以下の硫酸バリウムを含有する負極活物質組成物
を有する負極板を備え、充電状態が60%以上80%以
下である、ハイブリッドシステム用鉛蓄電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハイブリッドシステ
ム用鉛蓄電池に関し、より詳細には、中間充電状態で使
用され、回生特性に優れたハイブリッドシステム用鉛蓄
電池に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、動力源を内燃機関エンジンに
代えて電動モータとした電気自動車、電動スクーター、
電動搬送機などが開発されている。この電動モータに電
源を供給する蓄電池としては、コスト競争力の点から、
鉛蓄電池が採用されることが多い。
【0003】このような鉛蓄電池に求められる主な性能
は、高出力、高容量、および長寿命である。これらの性
能を高めるために、鉛蓄電池を構成する正極板、負極
板、電解液等に様々な改良がなされている。
【0004】動力源を内燃機関エンジンに代えて電動モ
ータとした電気自動車等の場合、蓄電池に100%充電
した後に走行し、充電状態が低い領域になれば、走行後
に充電器により充電している。このように、使用後(走
行後)に充電することを繰り返す鉛蓄電池は、サイクル
ユース用鉛蓄電池と呼ばれている。
【0005】ところで、近年、上記のような電動自動車
等に代えて、ハイブリッドカーに代表されるような、内
燃機関エンジンとモータとを併用したハイブリッドシス
テムが開発されており、これに伴いハイブリッドシステ
ムに用いられる鉛蓄電池が注目されている。
【0006】このようなハイブリッドシステム用鉛蓄電
池に対する出力特性および回生特性を、ハイブリッドカ
ーを例に挙げて簡単に説明すると、モータにより走行す
る場合、モータは鉛蓄電池から電源供給を受けて車両を
加速させる。これが出力特性である。一方、車両にブレ
ーキをかけた際には、モータは減速しようとするタイヤ
により回転し、発電機として作用する。このように、発
電機として作用したモータから発生した電力を鉛蓄電池
に充電する。これが回生特性である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このようなハイブリッ
ドシステム用鉛蓄電池に求められる性能は、高出力、高
回生、および長寿命であるが、サイクルユース用鉛蓄電
池をそのままハイブリッドシステム用鉛蓄電池として用
いた場合には問題点がいくつか存在する。サイクルユー
ス用鉛蓄電池は、特に容量を重視したため、充電状態が
低い領域(すなわち、十分放電が進んだ状態)において
は出力特性が低下し、自動車として走行できない。その
ため、充電状態が高い領域(すなわち、あまり放電して
いない状態)において使用することになるが、充電状態
が高い領域では、電力が鉛蓄電池からモータに出力され
る出力特性と比較して、モータから鉛蓄電池に入力され
る回生特性が低いため、エネルギーの入出力効率が低い
という問題がある。
【0008】このように、サイクルユース用鉛蓄電池
は、回生特性(すなわち、充電受入性)が低いので、放
電時に生成される硫酸鉛を電極板全体で均一にすること
が難しい。この結果、いわゆるサルフェーションを引き
起こして、寿命が早期に到来するという問題もある。
【0009】回生特性を向上させるために、特開平9−
213336号公報には、負極活物質組成物に含有され
るリグニンスルホン酸およびカーボン量を所定量にする
ことが開示されている。しかし、カーボン量を増加させ
ても、充電状態が高い領域では、回生特性はあまり改善
されず、また、サルフェーションを引き起こすことによ
る寿命改善には十分な効果を得ることができない。な
お、特開平9−213336号公報は、サイクルユース
用鉛蓄電池を開示しており、後述する本発明のようなハ
イブリッドシステム用鉛蓄電池を開示しているわけでは
ない。
【0010】サイクルユース用鉛蓄電池をハイブリッド
システム用鉛蓄電池として実際に用いようとした場合
に、本発明者らが認識した問題点を説明する。
【0011】図5は、充電状態(SOC=State
of charge)が60%である際の出力特性およ
び回生特性を示すグラフである。図5では、サイクルユ
ース用鉛蓄電池として一般的な、鉛粉量に対して0.4
2質量%のリグニンスルホン酸および2.0質量%の硫
酸バリウムを含有する負極活物質組成物を格子体に塗布
した後、常法に従って焼成して作製した負極板を有する
鉛蓄電池を用い、SOCが60%になるまで充電器によ
り充電し、1.25時間経過後、2時間経過後、3.2
5時間経過後、6.5時間経過後の出力特性および回生
特性を測定している。
【0012】図5の矢印A1からA4までに示されるよ
うに、出力特性を示す右下方向の傾きはいずれもほぼ一
定である。これは、出力特性は時間の経過により影響を
受けないことを意味している。
【0013】一方、図5の矢印B1からB4までに示さ
れるように、回生特性を示す右上方向の傾きは、時間と
共に高くなっている。詳細に説明すると、1.25時間
経過後の回生特性は、15.5Vである。これは、鉛蓄
電池に充電するためには、15.5Vの電圧が必要であ
ることを意味している。これが2時間経過後には16.
5V、3.25時間経過後には16.9V、6.5時間
経過後には17.25Vにまで上昇している。時間の経
過にかかわらず基本的に回生時の仕事量は一定であるこ
とを考えると、電圧が上昇すれば、充電に必要な電流が
低下する。このように、サイクルユース用鉛蓄電池をハ
イブリッドシステム用鉛蓄電池として用いた場合には、
時間の経過と共に回生に必要な電圧が上昇するため、充
電に必要な電流が低下し、回生特性が低下するというこ
とを本発明者らは実験により見出した。
【0014】本発明は上記問題を解決するためになさ
れ、回生特性を向上させると共に時間の経過にかかわら
ず常に回生特性を高い状態に維持することができるハイ
ブリッドシステム用鉛蓄電池を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明に係るハイブリッドシステム用鉛蓄電池は充電状態が
60%以上80%以下であると共に、鉛粉量に対して
2.0質量%以上5.0質量%以下の硫酸バリウムを含
有する負極活物質組成物を有する負極板を備えている。
【0016】負極活物質組成物は1.5質量%以下のリ
グニンスルホン酸を含有してもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する
が、まず、本明細書において用いられる用語の意味、お
よび本発明において用いられる鉛蓄電池用の負極板の製
造方法を簡単に説明する。
【0018】本明細書において用いられる用語「充電状
態」とは、「SOC」とも記述され、蓄電池がどのくら
い充電されているかを表す指標である。具体的には、充
電状態が100%(SOC=100%)である場合に
は、蓄電池が完全に充電されているフル充電の状態であ
り、逆に充電状態が0%(SOC=0%)である場合に
は、蓄電池が完全に放電した空の状態である。
【0019】また、本明細書において用いられる用語
「回生密度」とは、蓄電池に充電されるエネルギー量
(W)を活物質量(kg)で除した値である。
【0020】本明細書において用いられる用語「質量
%」とは、基準となる物質を別に示さない限り、鉛粉量
100質量部に対する質量の百分率を示す。
【0021】次に、負極板の製造方法を説明する。ま
ず、鉛合金からなる帯状シート材料に切り目を入れた
後、両端を引っ張ることにより展開してマス目を形成す
る。このようにマス目を入れられた帯状シート材料はエ
キスパンド格子体と呼ばれる。これとは別に、鉛粉、硫
酸バリウム粉などを混合し、この混合物に水および希硫
酸を加えて混練することによりペースト状の負極活物質
組成物を作成する。この負極活物質組成物をエキスパン
ド格子体に塗着し、次いで熟成、乾燥することにより負
極板が作製される。
【0022】本発明において負極活物質組成物に含まれ
る硫酸バリウムの量は、鉛粉量に対して2.0質量%以
上5.0質量%以下である。この範囲においては、SO
Cが80%にある高い充電状態であっても100W/k
g以上の回生密度を確保することが容易である。また、
SOCが50%以上70%以下であれば、200W/k
g以上の高い回生密度を得ることができる。一般的に硫
酸バリウムの量が増えると、回生密度が高くなる傾向が
ある。
【0023】硫酸バリウムの量が鉛粉量に対して2.0
質量%未満であると、回生密度が低くなる。充電状態
(SOC)にもよるが、一例を挙げると、SOCが80
%と高い状態においては、回生密度が100W/kg以
下となる場合がある。一方、硫酸バリウムの量が鉛粉量
に対して5.0質量%を超えると、回生密度が5.0質
量%の場合と比較してそれほど向上せず、さらに硫酸バ
リウムの量が増えるためにその分、活物質の量が減って
しまって充電容量が低下することにつながる。また、硫
酸バリウムの量が5.0質量%を超えると、ペースト状
の負極活物質組成物の流動性が低下し、負極板を精度良
く作製することが困難になる。
【0024】上記のような理由から、後述する実施例か
らも理解されるように、本発明において負極活物質組成
物に含まれる硫酸バリウムの量は、鉛粉量に対して2.
8質量%以上5.0質量%以下が好ましい。この中でも
2.8質量%以上4.2質量%以下であることがより好
ましい。2.8質量%以上5.0質量%以下の範囲にお
いては、SOCが80%にある高い充電状態であっても
200W/kg以上の回生密度を確保することが容易で
ある(後に説明する図1を参照)。なお、蓄電池の一般
的な傾向として、SOCが低い状態にあるほど、充電さ
れやすいので、回生密度が高くなることは言うまでもな
い。
【0025】硫酸バリウムが有する役割は、硫酸バリウ
ムの結晶構造と硫酸鉛のそれとが非常に類似しているこ
とを利用して、鉛蓄電池が放電した際に生じる生成物で
ある硫酸鉛を結晶化させる際の結晶核になることであ
る。このように、放電により生じた硫酸鉛は硫酸バリウ
ム粒子の周囲で結晶化するが、硫酸バリウムの粒子が小
さいほど、その周囲で結晶化した硫酸鉛からなる結晶体
の表面積が小さいので、充電時に硫酸鉛が鉛イオンと硫
酸イオンに戻りやすく、従って充電(回生)効率がよく
なる。従って、本発明に用いられる硫酸バリウムの粒径
は0.2μm以上1.0μm以下であることが好まし
い。
【0026】本発明の鉛蓄電池は、その充電状態が60
%以上80%以下の状態で用いられる。言い換えれば、
この充電状態の範囲において、モータに鉛蓄電池から電
源を供給して車両を加速させ、車両にブレーキをかけた
際には発電機として作用したモータから発生した電力を
鉛蓄電池に充電(回生)する。これを繰り返しながら、
60%以上80%以下の充電状態を維持する。
【0027】従って、本発明に係るハイブリッドシステ
ム用鉛蓄電池は、充電状態が100%になるまで充電
し、使用後(走行後)に充電することを繰り返すサイク
ルユース用鉛蓄電池とは異なる。従って、本発明に係る
ハイブリッドシステム用鉛蓄電池は、非サイクルユース
用鉛蓄電池と言うこともできる。
【0028】本明細書において用いられる用語「ハイブ
リッドシステム」とは、駆動力として内燃機関エンジン
とモータとを併用するシステムであって、特にその中で
も、ハイブリッドカーに代表されるような、駆動力とし
て内燃機関エンジンとモータとを併用して走行する車両
(すなわち、ハイブリッド走行システム)を意味する。
【0029】充電状態が60%未満で維持される場合、
回生密度は向上するものの、充電状態が低いため、すぐ
に出力特性が低下し、実走行に耐えないという問題があ
る。一方、充電状態が80%を超えて維持される場合、
充電状態が高いため、回生密度が著しく低下するという
問題がある。一例を挙げると、5.0質量%の硫酸バリ
ウムを含有する負極活物質組成物を用いて作製した負極
板を用いた場合、SOCが80%であれば回生密度は3
00W/kgを超えるが、SOCが90%であれば回生
密度は50W/kg程度にまで低減してしまう。また、
すぐにSOCが100%を超えることが多くなり、回生
電流が熱として捨てられることが多くなる。
【0030】本発明に用いられる負極活物質組成物は、
1.5質量%以下のリグニンスルホン酸を含有してもよ
い。リグニンスルホン酸を負極活物質組成物に含有させ
た場合には、充放電する間に生じ得る負極活物質の収縮
を抑制することができる。一方、図5に示される本発明
者らの実験および後述する本発明の実施例により本発明
者らが見出したことであるが、リグニンスルホン酸は、
図5に示されるように、時間の経過と共に回生に必要な
電圧が上昇して回生特性が低下する原因にもなってい
る。
【0031】従って、上述のような負極活物質の収縮を
抑制すると言う観点においては、含有量を含め、リグニ
ンスルホン酸を負極活物質組成物に含有させる、させな
いは、いわゆる当業者が選択する事項であるが、回生特
性を重視する場合には、1.5質量%を超えるリグニン
スルホン酸を負極活物質組成物に含有させると回生特性
が低下するため、リグニンスルホン酸を負極活物質組成
物に含有させないことが好ましい。一例を挙げると、S
OC=70%である場合、リグニンスルホン酸が1.5
質量%である場合には回生特性は約180W/Kgであ
るが、2.0質量%である場合には約125W/Kgま
で低下してしまう。このような1.5質量%と2.0質
量%との間における回生特性の大幅な低下は、SOC=
60%から70%の間で特に顕著に見られる(後に説明
する図2を参照)。
【0032】リグニンスルホン酸の含有量を増加させる
と、時間の経過と共に回生に必要な電圧が上昇して回生
特性が低下する原因は、次のように考えられる。リグニ
ンスルホン酸は中性・アルカリ性下において可溶であ
り、酸性下において不溶である。充電を進めていくと電
解液内部は硫酸が多い状態になるので、充電前と比較し
て電解液内で析出したリグニンスルホン酸が増えてく
る。この析出したリグニンスルホン酸が電解液中で結晶
化している硫酸鉛の周囲をコーティングするように取り
巻く。これが大きな抵抗になると考えられている。
【0033】本発明に用いられる負極活物質組成物に
は、粉末状のカーボンを含有させてもよい。放電が進み
すぎた際には、硫酸鉛が増えることにより電子導電性が
低下し、充電反応が生じにくくなることがあるが、カー
ボンは、負極活物質の導電性ネットワークを構築するこ
とにより、電子導電性が低下して充電反応が生じにくく
なることを防止する。負極活物質組成物に対するカーボ
ンの含有量を増やせば回生密度が若干向上する傾向があ
るが、硫酸バリウムほどではない(後に説明する図4を
参照)。ただし、鉛粉量に対するカーボンの含有量が
1.0質量%を超えた場合には、ペースト状の負極活物
質組成物の流動性が低下して、負極板を精度良く作製す
ることができなくなる場合がある。
【0034】負極板に用いられる格子体は、上述したよ
うに、切り目を入れた帯状シート材料の両端を引っ張る
ことにより作製される。このように作製されたエキスパ
ンド格子体はマス目構造を有しているが、本発明におい
ては、各マス目の面積が20mm2以下であることが好
ましい。格子体のマス目の面積が20mm2を超える場
合には、鉛蓄電池としての寿命が低下する。これは、格
子体のマス目の面積が大きくなると、マス目内に存在す
る負極活物質と格子体との接触面積が減少すると共に、
マス目内に存在する負極活物質と格子体の骨格との間の
平均距離が大きくなるためであると考えられている。
【0035】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に
説明するが、以下の実施例は例示の目的にのみ用いられ
る。特許請求の範囲に記載された発明の範囲を限定する
ために以下の実施例を用いてはならない。
【0036】(格子体の作製)まず、鉛合金を連続圧延
した帯状シート材料に切り目を入れると共に両端を引っ
張ることにより展開してマス目を形成することにより、
エキスパンド格子体を得た。より詳細には、金型カッタ
ーが帯状シート材料に対して上下方向に移動して切り目
を入れると同時に展開するレシプロ方式によりマス目を
形成した。1つあたりのマス目の面積は20mm2であ
った。
【0037】(実施例1)実施例1では、硫酸バリウム
の添加量を変化させることにより、回生特性の変化を検
証した。
【0038】一酸化鉛を主成分とする鉛粉、硫酸バリウ
ム、およびカーボン粉末を、以下の表1に示される所定
量ずつ混合し、この混合物に水と希硫酸を添加して練合
することによりペースト状の負極活物質組成物をそれぞ
れ作成した。なお、実施例1においては、負極活物質組
成物にはリグニンスルホン酸を含有させなかった。次い
で、これらのペースト状の負極活物質組成物をそれぞれ
格子体に塗布し、常法に従って負極板を作成した。これ
らの負極板および同じ枚数の負極板を用いて化成を行う
ことにより、定格容量12V25Ahの鉛蓄電池をそれ
ぞれ得た。なお、用いた硫酸バリウムの平均粒径は0.
5μmであった。
【0039】
【表1】
【0040】次に、それぞれ得られた鉛蓄電池を、充電
状態が70%になるまで充電し、次いで25℃で5秒
間、回生密度を測定した。回生密度の測定は、1/3C
3A相当電流で10%(2.5Ah)ずつ放電させた
後、5C3A相当のパルス電流を5秒間通電し、5秒目の
I−V特性より下記の式1にしたがって抵抗および回生
特性を算出した。なお、後述する各実施例、比較例にお
いても回生密度はこれと同様にした。
【0041】式1 抵抗:R(m-ohm)=[電圧(5秒目)−OCV]/電
流(5秒目) 回生密度(W/Kg)=Vcut[Vcut−OCV]/抵抗
R/電池質量 (Vcut=15.3V) この後、充電状態を50%、60%、80%、90%に
変えて同様に回生密度を測定した。これらの回生密度の
測定結果を図1に示す。
【0042】図1から、充電状態が90%である場合に
は、硫酸バリウムの含有量にかかわらず、回生密度は高
々約50W/Kg程度であり、大変低いことが理解され
る。また、充電状態が80%以下の場合であっても、負
極活物質組成物における鉛粉量に対する硫酸バリウムの
含有量が1.4質量%以下(実施例1−1、1−2)で
あれば、回生密度は全体的に低いことが理解される。一
方、硫酸バリウムの含有量が2.0質量%以上である場
合(実施例1−3〜8)には、回生密度は少なくとも1
00W/Kg以上となり、全体的に高いことが理解され
る。特に、充電状態が70%以下であって、かつ硫酸バ
リウムの含有量が2.0質量%以上の場合には、回生密
度は200W/Kg以上となり、非常に高いことが理解
される。また、硫酸バリウムの含有量が2.0質量%
(実施例1−3)である場合と1.4質量%(実施例1
−2)である場合との間に回生密度の差が表れ、この回
生密度の差は充電状態が60%以上である場合に顕著に
現れることも理解される。
【0043】このように、硫酸バリウムの添加量を増加
させることにより回生密度が向上する理由は、粒子状の
硫酸バリウムの添加量の増加と共に、粒子状の硫酸バリ
ウムの周囲に硫酸鉛を効率良く結晶化でき、これにより
1粒あたりの粒子表面における硫酸鉛の表面積が小さく
なり、充電時に硫酸鉛が鉛イオンと硫酸イオンに戻りや
すく、従って大電流による充電反応が効率良く進むから
であると考えられる。
【0044】(実施例2)実施例2では、リグニンの添
加量を変化させることにより、回生特性の変化を検証し
た。
【0045】一酸化鉛を主成分とする鉛粉、硫酸バリウ
ム、カーボン粉末、およびリグニンを、以下の表2に示
される所定量ずつ混合し、この混合物に水と希硫酸を添
加して練合することによりペースト状の負極活物質組成
物をそれぞれ作成した。次いで、これらのペースト状の
負極活物質組成物をそれぞれ格子体に塗布し、常法に従
って負極板を作成した。これらの負極板および同じ枚数
の負極板を用いて化成を行うことにより、定格容量12
V25Ahの鉛蓄電池をそれぞれ得た。
【0046】
【表2】
【0047】次に、それぞれ得られた鉛蓄電池を、充電
状態が70%になるまで充電し、次いで25℃で5秒
間、回生密度を測定した。この後、充電状態を50%、
60%、および80%に変えて同様に回生密度を測定し
た。これらの回生密度の測定結果を図2に示す。
【0048】図2から、リグニンの添加量を増やしてい
くと回生密度が低下する傾向が見られることが理解され
る。また、リグニンの添加量が0.15質量%である場
合(実施例2−4)と0.20%である場合(実施例2
−5)との間で、回生密度の差が大きいとが理解され
る。特に、充電密度が60%または70%である場合に
おいては、この回生密度の差が顕著に大きくなることが
理解される。
【0049】次に、実施例2−1において用いた鉛蓄電
池(硫酸バリウム:2.0質量%、リグニンスルホン
酸:0.0質量%)について、充電状態が60%になる
まで充電し、1.25時間経過後、2時間経過後、3.
25時間経過後、6.5時間経過後の出力特性および回
生特性を測定した。測定結果を図3に示す。
【0050】図3の矢印D1からD4までに示されるよ
うに、出力特性を示す右下方向の傾きはいずれもほぼ一
定であった。従って、出力特性は時間の経過により影響
を受けないことが理解される。
【0051】また、図3の矢印C1からC4までに示さ
れるように、回生特性を示す右上方向の傾きは、図5の
場合(硫酸バリウム:2.0質量%、リグニンスルホン
酸:0.42質量%)とは異なり、ほぼ一定であった。
従って、回生特性も時間の経過により影響を受けないこ
とが理解される。本実施例の場合と図5の場合とを比較
して、異なる条件はリグニンスルホン酸の含有量のみで
あるので(本実施例におけるリグニンスルホン酸の含有
量:0.0質量%、図5の場合におけるリグニンスルホ
ン酸の含有量:0.42質量%)、負極活物質組成物が
リグニンスルホン酸を含有しない場合には、時間の経過
により回生特性に悪影響が出ない(具体的には、回生特
性に必要となる電圧が上昇することがなくなる)ことが
理解される。
【0052】このように、リグニンスルホン酸の含有量
を減らすことにより、回生特性が向上する理由は、酸性
が強まる充電を進めることによって析出して硫酸鉛の周
囲をコーティングするリグニンスルホン酸が減少するの
で、抵抗となるこのリグニンスルホン酸がコーティング
された硫酸鉛も少なくなると考えられる。
【0053】(実施例3)実施例3では、カーボンの添
加量を変化させることにより、回生特性の変化を検証し
た。
【0054】一酸化鉛を主成分とする鉛粉、硫酸バリウ
ム、およびカーボン粉末を、以下の表3に示される所定
量ずつ混合し、この混合物に水と希硫酸を添加して練合
することによりペースト状の負極活物質組成物をそれぞ
れ作成した。次いで、これらのペースト状の負極活物質
組成物をそれぞれ格子体に塗布し、常法に従って負極板
を作成した。これらの負極板および同じ枚数の負極板を
用いて化成を行うことにより、定格容量12V25Ah
の鉛蓄電池をそれぞれ得た。
【0055】
【表3】
【0056】次に、それぞれ得られた鉛蓄電池を、充電
状態が70%になるまで充電し、次いで25℃で5秒
間、回生密度を測定した。この後、充電状態を50%、
60%、および80%に変えて同様に回生密度を測定し
た。これらの回生密度の測定結果を図4に示す。
【0057】図4から、カーボンの添加量を増やしてい
くと回生密度が若干上昇する傾向が見られるが、その上
昇の度合いは硫酸バリウムほどではないことが理解され
る。また、カーボンの添加量または充電密度を変化させ
てもによって、回生密度の差が著しく大きく異なること
はないことも理解される。
【0058】
【発明の効果】負極活物質組成物に含有されている硫酸
バリウムを2.0質量%以上にすることにより、回生特
性を向上させることができる。また、リグニンスルホン
酸を0.15質量%以下にすることにより、回生特性に
必要となる電圧が時間の経過と共に上昇することをなく
すことができる。このように、本発明により、回生特性
を向上させると共に時間の経過にかかわらず常に回生特
性を高い状態に維持することができるハイブリッドシス
テム用鉛蓄電池が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】所定の充電状態において、硫酸バリウムの含有
量と回生密度との相関関係を表したグラフ
【図2】所定の充電状態において、リグニンスルホン酸
の含有量と回生密度との相関関係を表したグラフ
【図3】本発明に係るハイブリッドシステム用鉛蓄電池
における時間の経過と出力特性および回生特性との間の
関係を表したグラフ
【図4】所定の充電状態において、カーボンの含有量と
回生密度との相関関係を表したグラフ
【図5】ハイブリッドシステム用鉛蓄電池として用いら
れたサイクルユース用鉛蓄電池における時間の経過と出
力特性および回生特性との間の関係を表したグラフ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛粉量に対して2.0質量%以上5.0
    質量%以下の硫酸バリウムを含有する負極活物質組成物
    を有する負極板を備え、充電状態が60%以上80%以
    下である、ハイブリッドシステム用鉛蓄電池。
  2. 【請求項2】 前記負極活物質組成物が1.5質量%以
    下のリグニンスルホン酸をさらに含有する、請求項1に
    記載のハイブリッドシステム用鉛蓄電池。ステム用鉛蓄
    電池。
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