JP5531746B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は鉛蓄電池に関するもので、さらに詳しく言えば、自動車用に使用される、寿命性能が向上できる鉛蓄電池に関するものである。
従来の、自動車用鉛蓄電池は、エンジンの始動時に大電流での放電が行われるが、エンジンの始動後はエンジンによって駆動される発電機によって、各種の電装品への電力の供給や大電流放電後の鉛蓄電池に対する充電が行われるため、過充電状態で使用されることはあっても、放電状態で使用されることはなかった。そのため、従来の鉛蓄電池では、過充電による寿命性能の低下を抑制することが寿命性能向上のポイントであった。
ところが、近年は、地球環境問題のクローズアップに伴って、自動車に対して、燃費向上や排出ガス削減という課題が課せられ、自動車に搭載される鉛蓄電池の使用条件は大きく変化してきている。すなわち、オルタネーターの負荷を軽減して電装品への電力を鉛蓄電池から供給する充電制御機能や、停車時にエンジンを停止させるアイドリングストップ機能を備えた自動車の普及である。
充電制御機能を搭載した自動車では、自動車の減速時に鉛蓄電池が充電されるため、鉛蓄電池が充電される時間が従来のものと比べて極めて短い。そのため、PSOC(Partial State of Charge)と言われる充電不足の状態が続き、サルフェーションが進行して寿命に至るという、従来の鉛蓄電池にはなかった課題を生じた。また、アイドリングストップ機能を搭載した自動車では、再始動時のクランキングやアイドリングストップ中の電装品に消費される電力のすべてが鉛蓄電池から供給されるため、さらに充電不足になってサルフェーションが急速に進行して、さらに寿命が短くなる傾向があった。
このような課題に対し、特許文献1では、シール型鉛蓄電池において、負極の添加剤であるカーボン、硫酸バリウムおよびリグニンの含有量を制御することで、回生充電性能を改善するとともに、K、Ca、Alの少なくとも一種を添加した希硫酸を電解液に用いることで、放電で生成する硫酸鉛の結晶成長を阻害して、硫酸鉛の可逆性を高めることで、サルフェーションを抑制する技術が開示されている。
また、特許文献2には、電解液にAlイオン、Seイオン、Tiイオンの少なくとも1種を、Alイオンの場合は0.01mol/l以上、0.30mol/l以下、Seイオンの場合は0.0002mol/l以上、0.0012mol/l以下、Tiイオンの場合は0.001mol/l以上、0.10mol/l以下、添加することで、サルフェーションの抑制に効果があることが記載され、さらに、これらのイオンを添加しても著しく短寿命になる例があるのを電解液に含まれるNaイオンの量を制限することで解決したことが開示されている。
また、特許文献3には、正極利用率を向上させてサルフェーションを抑制することを目的として、電解液にリチウムイオンを0.14mol/l以下添加することが開示され、さらに正極及び負極のサルフェーションを抑制することを目的として、電解液にアルミニウムイオン、セレンイオン、チタンイオンから選ばれた少なくとも一種を添加することが開示されている。
特開2003−36882号公報 特開2008−243489号公報 特開2008−243487号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載された鉛蓄電池を、従来の鉛蓄電池の使用条件に近い、過充電状態になる条件で試験を行うと、正極活物質の軟化による劣化が起こることがわかった。換言すれば、このような鉛蓄電池を、充電制御機能やアイドリングストップ機能を備えていない自動車で使用した場合、あるいは充電制御機能やアイドリングストップ機能を備えた自動車で、その機能を停止させて使用した場合には、寿命性能の低下や正極活物質の軟化による内部短絡が生じる可能性があるということである。
ところが、特許文献1には、負極の添加剤であるカーボン、硫酸バリウムおよびリグニンの含有量を制御することで、充電時に現れるリグニン特有の充電反応阻害作用を緩和するとともに、K、Ca、Alの少なくとも一種を希硫酸に添加した電解液を用いることで、硫酸鉛の結晶成長を抑制して可逆性を保つのに有効であることの記載があり、特許文献2には、電解液にAlイオン、Seイオン、Tiイオンの少なくとも1種を含み、さらにNaイオンの量を0.002mol/l以上、0.05mol/l以下にすることで、サルフェーションを抑制することの記載があり、特許文献3には、電解液にリチウムイオンを0.14mol/l以下添加し、さらにアルミニウムイオン、セレンイオン、チタンイオンから選ばれた少なくとも一種を添加することで、正極の利用率を向上させてサルフェーションを抑制することの記載はあるものの、いずれも、充電制御機能やアイドリングストップ機能を備えた自動車に搭載することを前提にした鉛蓄電池に関するものであり、このような鉛蓄電池が上述した使用のされ方をした場合のことには言及されていない。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、充電制御機能やアイドリングストップ機能を備えた自動車用の鉛蓄電池の課題である、充電不足状態での使用によるサルフェーションの進行を抑制して、寿命性能を改善するとともに、従来のような過充電状態になる条件下の使用にも適した鉛蓄電池を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、鉛蓄電池の電解液中にKイオンが0.0005mol/l以上、0.003mol/l以下、Alイオンが0.02mol/l以上、0.3mol/l以下、Liイオンが0.02mol/l以上、0.3mol/l以下、の濃度で含有することを特徴とする。
本発明によれば、電解液中にAlイオンおよびLiイオンを含有させることで、充電不足状態での使用によるサルフェーションを原因とする寿命性能の低下を向上させるとともに、AlイオンおよびLiイオンの含有による、過充電状態になる条件での使用時に生じる、正極活物質の軟化を原因とする寿命性能の低下を、電解液中にKイオンを含有させることによって抑制することができる。
(a)はアイドリングストップ(IS)寿命試験の図で、(b)は軽負荷寿命試験の図である。 AlイオンとLiイオンの添加量を固定してイオンの添加量を変化させたときのアイドリングストップ(IS)寿命試験及び軽負荷寿命試験に対する寿命性能の変化を示した図である。 KイオンとLiイオンの添加量を固定してAlイオンの添加量を変化させたときのアイドリングストップ(IS)寿命試験及び軽負荷寿命試験に対する寿命性能の変化を示した図である。 AlイオンとKイオンの添加量を固定してLiイオンの添加量を変化させたときのアイドリングストップ(IS)寿命試験及び軽負荷寿命試験に対する寿命性能の変化を示した図である。
以下、本発明の詳細について、一実施形態により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の鉛蓄電池は、正極板、負極板及びセパレータからなる極板群を電槽内に配して作製した、JIS D 5301に規定される55B24サイズの、公称電圧が12V、定格容量が36Ah(5時間率)のものである。
前記正極板(未化成)としては、正極格子体にPb−0.07質量%Ca−1.5質量%Snの鉛合金をエキスパンド加工によって作製した、高さが115mm、幅が100mm、厚さが1.0mmのものを使用し、これにボールミル法で作製した鉛粉に0.1質量%のアクリル繊維、13質量%の水及び10質量%の希硫酸(20℃における比重:1.40)を加えて混練して得た正極ペースト50gを充填した後、50℃の温度下、50RH%の湿度下で、48時間放置して熟成し、その後50℃の温度下で、24時間放置して乾燥させて作製したものである。また、前記負極板(未化成)としては、負極格子体にPb−0.05質量%Ca−0.5質量%Snの鉛合金をエキスパンド加工によって作製した、高さが115mm、幅が100mm、厚さが0.7mmのものを使用し、これにボールミル法で作製した鉛粉に0.15質量%のリグニン、0.2質量%のカーボンブラック、0.5質量%の硫酸バリウム、0.1質量%のアクリル繊維、13質量%の水及び10質量%の希硫酸(20℃における比重:1.40)を加えて混練して負極ペースト45gを充填した後、50℃の温度下、50RH%の湿度下で、48時間放置して熟成し、その後50℃の温度下で、24時間放置して乾燥させて作製したものである。
次に、押出し成型法によって作製したポリエチレン樹脂製セパレータを二つ折りにし、両サイドをメカニカルシールによって袋状にした内側に上記した未化成の負極板を収納したものを8枚、上記した未化成の正極板を7枚準備し、これらを交互に積層して、COS方式(キャストオンストラップ方式)で同極性の極板の耳同士を溶接して未化成の極板群とし、この極板群を6個、ポリプロピレン製の電槽の各セル内に収納してセル間を溶接して直列に接続し、電槽に蓋を溶着して未化成の鉛蓄電池とした後、20℃における比重が1.230の希硫酸を注液して、25℃の水槽中で電槽化成を行って上記した鉛蓄電池を作製し、図1(a)に示したアイドリングストップ(IS)寿命試験(以下、IS寿命試験という。)と図1(b)に示した軽負荷寿命試験に供した。
前記IS寿命試験は、SBA S 0101に規定された寿命試験であり、25℃の気槽内で、45Aの定電流での59秒間の放電と300A、1秒間のパルス放電を行った後、14Vの定電圧で、60秒間の充電を、最大電流を100Aにして行うサイクルを1サイクルとして反復させ、300A、1秒間のパルス放電時の放電電圧が7.2V未満になったときを寿命とする試験で、その目的は、充電不足になる条件で充放電を繰り返したときに、サルフェーションを原因とする寿命性能の低下を、どの程度改善できるかを確認することである。
前記軽負荷寿命試験は、JIS D 5301に規定された寿命試験であり、41℃の水槽内で、25Aの定電流で240秒間の放電を行った後、14Vの定電圧で、600秒間の充電を、最大電流を25Aにして行うサイクルを1サイクルとして反復させ、480サイクルごとに行う370Aの判定放電時の30秒経過時の放電電圧が7.2V未満になったときを寿命とする試験で、その目的は、過充電状態になる条件で使用した場合に、AlイオンおよびLiイオンが含有されていることで生じる、正極活物質の軟化を原因とする寿命性能の低下を、どの程度抑制できるかを確認することである。
上記した各試験に供する鉛蓄電池は、電槽化成の際に注液する希硫酸中にKイオン、Alイオン、Liイオンの、少なくとも一つを添加したものであるが、そのいずれも添加しないものを試料0に係る鉛蓄電池とし、各イオンの添加量に応じて、表1に示した試料1〜46に係る鉛蓄電池として、それぞれを3個ずつ作製し、試験結果は、試料0に係る鉛蓄電池の試験結果を100として、試料1〜46に係る鉛蓄電池の試験結果を比率で求めて表1に併記した。なお、試料1〜46に係る鉛蓄電池は、試料1〜7、18〜23、34〜38がAlイオンの添加量、Liイオンの添加量を一定にしてKイオンの添加量を変化させたものであり、試料8〜12、24〜28、39〜42がLiイオンの添加量、Kイオンの添加量を一定にしてAlイオンの添加量を変化させたものであり、試料13〜17、29〜33、43〜46がAlイオンの添加量、Kイオンの添加量を一定にしてLiイオンの添加量を変化させたものであり、表1の結果は試験に供した3個の平均値で示した。
表1から、Alイオンの添加量を0.1mol/l、Liイオンの添加量を0.1mol/lにしてKイオンを無添加から0.004mol/lまで変化させた試料1〜7に係る鉛蓄電池をIS寿命試験に供したところ、その寿命性能は、いずれも試料0に係る鉛蓄電池に比べて向上しており、Kイオンの添加量が少ない方が向上の程度が大きいことがわかる(図2)。これに対して、上記試料1〜7に係る鉛蓄電池を軽負荷寿命試験に供したところ、その寿命性能は、いずれも試料0に係る鉛蓄電池に比べて低下しており、Kイオンの添加量が多い方が低下の程度が小さいことがわかる(図2)。
上記した結果によれば、IS寿命試験に対する性能はKイオンの添加量が少ない方が良好であることから、Alイオンの添加量を0.1mol/lのままで、Kイオンの添加量を0.001mol/lにしてLiイオンの添加量を0.01mol/lから0.4mol/lまで変化させた試料29〜33に係る鉛蓄電池をIS寿命試験に供したところ、その寿命性能は、Liイオンの添加量を多くすると、試料4(Liイオンの添加量=0.1mol/l)に係る鉛蓄電池と比べれば向上する傾向は認められるが、顕著と言えるほどのものではないことがわかる(図4)。また、上記試料29〜33に係る鉛蓄電池を軽負荷寿命試験に供したところ、その寿命性能は、Liイオンの添加量を少なくすると、試料4(Liイオンの添加量=0.1mol/l)に係る鉛蓄電池と比べれば向上する傾向は認められるが、顕著と言えるほどのものではないことがわかる(図4)。すなわち、Kイオンの添加量を0.001mol/lにし、Alイオンの添加量を0.1mol/lにした場合においては、Liイオンの添加量を増加させたことによる、IS寿命試験に対する性能の顕著な改善効果は認められないが、軽負荷寿命試験に対する性能の低下も小さいと言える。
これに対し、Liイオンの添加量を0.1mol/lのままで、Kイオンの添加量を0.001mol/lにしてAlイオンの添加量を0.01mol/lから0.4mol/lまで変化させた試料39〜42に係る鉛蓄電池をIS寿命試験に供したところ、その寿命性能は、Alイオンの添加量を0.2mol/l以上にすると、試料4(Alイオンの添加量=0.1mol/l)に係る鉛蓄電池と比べて大きく向上することがわかる(図3)。また、上記試料39〜42に係る鉛蓄電池を軽負荷寿命試験に供したところ、その寿命性能は、Alイオンの添加量を0.2mol/l以上にすると、試料4(Alイオンの添加量=0.1mol/l)に係る鉛蓄電池と比べて大きく低下することがわかる(図3)。すなわち、Kイオンの添加量を0.001mol/lにし、Liイオンの添加量を0.1mol/lにした場合においては、Alイオンの添加量を0.2mol/l以上にすることで、IS寿命試験に対する性能は向上するが、軽負荷寿命試験に対する性能は低下すると言える。
また、表1の、Alイオンの添加量を0.1mol/l、Liイオンの添加量を0.1mol/lにしてKイオンを無添加から0.004mol/lまで変化させた試料1〜7に係る鉛蓄電池に対し、Alイオンの添加量を0.3mol/lにした場合の試料11、18〜23に係る鉛蓄電池をIS寿命試験に供したところ、その寿命性能は、試料1〜7に比べて大きく向上していることがわかる(図2)。また、上記した試料11、18〜23に係る鉛蓄電池を軽負荷寿命試験に供したところ、その寿命性能は、試料1〜7に比べて低下していることがわかる(図2)。
また、表1の、Alイオンの添加量を0.1mol/l、Liイオンの添加量を0.1mol/lにしてKイオンを無添加から0.004mol/lまで変化させた試料1〜7に係る鉛蓄電池に対し、Liイオンの添加量を0.3mol/lにした場合の試料16、32、34〜38に係る鉛蓄電池をIS寿命試験に供したところ、その寿命性能は、試料1〜7に係る鉛蓄電池に比べて向上はしているが、Alイオンの添加量を0.3mol/lにした場合の試料11、18〜23に係る鉛蓄電池に比べて、向上の程度は小さいことがわかる(図2)。また、上記した試料16、32、34〜38に係る鉛蓄電池を軽負荷寿命試験に供したところ、その寿命性能は、試料1〜7に係る鉛蓄電池に比べて低下はしているが、Alイオンの添加量を0.3mol/lにした場合の試料11、18〜23に係る鉛蓄電池に比べて、低下の程度が小さいことがわかる(図2)。
すなわち、上記した試料11、18〜23、16、32、34〜38に係る鉛蓄電池から、Alイオンの添加量を増加させることで、IS寿命試験に対する性能が顕著に向上するが、軽負荷寿命試験に対する性能が大きく低下し、Liイオンの添加量を増加させることで、IS寿命試験に対する性能が向上し、軽負荷寿命試験に対する性能が低下するものの、その程度はAlイオンを添加した場合に比べて小さいことがわかる。
次に、上記したIS寿命試験と軽負荷寿命試験の結果が比較的良好であったKイオンの添加量が0.002mol/lのものについて、Liイオンの添加量を0.3mol/lにした場合に、Alイオンの添加量を0.01mol/lから0.4mol/lまで変化させた試料16、24〜28に係る鉛蓄電池をIS寿命試験に供したところ、その寿命性能は、Alイオンの添加量が0.01mol/lから0.1mol/lまでの試料16、24、25に係る鉛蓄電池では、Liイオンの添加量が0.1mol/lである試料5、8、9に係る鉛蓄電池と比べて向上しているが、Alイオンの添加量が0.2mol/lから0.4mol/lまでの試料26〜28に係る鉛蓄電池では、Liイオンの添加量が0.1mol/lである試料10〜12に係る鉛蓄電池と比べてその向上の程度は僅かであることがわかる(図3)。また、上記試料16、24〜28に係る鉛蓄電池を軽負荷寿命試験に供したところ、その寿命性能は、試料16、24〜27に係る鉛蓄電池は試料5、8〜11に係る鉛蓄電池と比べて僅かに低下しているが、試料28に係る鉛蓄電池は試料12に係る鉛蓄電池と同じであることがわかる(図3)。すなわち、Liイオンの添加量を0.1mol/lから0.3mol/lにして、Alイオンの添加量を増加させても、IS寿命試験に対する性能向上の程度は小さいが、軽負荷寿命試験に対する性能低下の程度も小さいことがわかる。
同様に、Kイオンの添加量が0.002mol/lのものについて、Alイオンの添加量を0.3mol/lにした場合に、Liイオンの添加量を0.01mol/lから0.4mol/lまで変化させた試料11、27、43〜46に係る鉛蓄電池をIS寿命試験に供したところ、その寿命性能は、試料5、13〜17に係る鉛蓄電池と比べて大きく向上していることがわかる(図4)。また、上記試料11、27、43〜46に係る鉛蓄電池を軽負荷寿命試験に供したところ、その寿命性能は、試料5、13〜17に係る鉛蓄電池と比べて低下していることがわかる(図4)。すなわち、Alイオンの添加量を0.1mol/lから0.3mol/lにした場合には、Liイオンの添加量を増加させたことによるIS寿命試験に対する性能向上が目立つ一方で、軽負荷寿命試験に対する性能低下の程度も目立つことがわかる。
そして、IS寿命試験では、目標値を130以上とするSBA S 0101の判定基準により、軽負荷寿命試験では、許容値を80以上とするJIS D 5301の判定基準により、試料1、2、7に係る鉛蓄電池を比較例1〜3、試料8、12に係る鉛蓄電池を比較例4、5、試料13、17に係る鉛蓄電池を比較例6、7、試料18、19、23に係る鉛蓄電池を比較例8〜10、試料24、28に係る鉛蓄電池を比較例11、12、試料29、33に係る鉛蓄電池を比較例13、14、試料34、35、38に係る鉛蓄電池を比較例15〜17、試料39、42に係る鉛蓄電池を比較例18、19、試料43、46に係る鉛蓄電池を比較例20、21とし、試料3〜6に係る鉛蓄電池を実施例1〜4、試料9〜11に係る鉛蓄電池を実施例5〜7、試料14〜16に係る鉛蓄電池を実施例8〜10、試料20〜22に係る鉛蓄電池を実施例11〜13、試料25〜27に係る鉛蓄電池を実施例14〜16、試料30〜32に係る鉛蓄電池を実施例17〜19、試料36、37に係る鉛蓄電池を実施例20、21、試料40、41に係る鉛蓄電池を実施例22、23、試料44、45に係る鉛蓄電池を実施例24、25とし、試料0に係る鉛蓄電池を従来例とし、以下の説明ではこの表記を用いる。
図3によれば、Kイオンの添加量を0.002mol/lとした場合のIS寿命試験に対する性能は、Alイオンの添加量を0.02mol/lから0.4mol/lまで変化させると、大きく向上するが(Liイオンの添加量=0.1mol/l;実施例5、3、6、7、Liイオンの添加量=0.3mol/l;実施例14、10、15、16)、Kイオンの添加量を0.002mol/lとした場合の軽負荷寿命試験に対する性能はAlイオンの添加量が0.4mol/lになると、許容値を大きく下回ってしまうことから、両方の性能が良好であるのは、Alイオンの添加量に関しては0.02mol/l以上、0.3mol/l以下とするのがよい。この傾向は、図2によれば、Liイオンの添加量が0.1mol/lの場合では、Alイオンの添加量が0.1mol/lまたは0.3mol/lのいずれであっても、Kイオンの添加量を0.0005mol/lから0.003mol/lまで変化させた場合に認められると言える。
また、図4によれば、Kイオンの添加量を0.002mol/lとした場合のIS寿命試験に対する性能は、Liイオンの添加量を0.02mol/lから0.4mol/lまで変化させると、Alイオンの添加量を変化させた場合のような大きな変化は見られないが(Alイオンの添加量=0.1mol/l;実施例8、3、9、10、Alイオンの添加量=0.3mol/l;実施例24、7、25、16)、Kイオンの添加量を0.002mol/lとした場合の軽負荷寿命試験に対する性能はLiイオンの添加量が0.4mol/lになると、許容値を下回ってしまうことから、両方の性能が良好であるのは、Liイオンの添加量に関しても0.02mol/l以上、0.3mol/l以下とするのがよい。この傾向は、図2によれば、Alイオンの添加量が0.1mol/lの場合では、Liイオンの添加量が0.1mol/lまたは0.3mol/lのいずれであっても、Kイオンの添加量を0.0005mol/lから0.003mol/lまで変化させた場合に認められると言える。
また、図3及び図4の結果から、Kイオンの添加量を0.002mol/lとした場合においては、IS寿命試験に対する性能の変化幅も軽負荷寿命試験に対する性能の変化幅も、Liイオンの添加量を0.02mol/lから0.3mol/lまで変化させた場合の方が、Alイオンの添加量を0.02mol/lから0.3mol/lまで変化させた場合より小さいことがわかり、LiイオンとAlイオンの両方を添加することによって、IS寿命試験に対する性能を安定にすることができるとともに、Kイオンを添加することによって、軽負荷寿命試験に対する性能を向上することができるから、充電不足状態での使用によるサルフェーションを原因とする寿命性能と過充電状態での使用による正極活物質の軟化を原因とする寿命性能の両方の改善に寄与できる鉛蓄電池を提供することができる。
上記した如く、本発明によれば、IS寿命試験に対する性能と軽負荷寿命試験に対する性能の両方が良好である鉛蓄電池を得ることができるから、充電制御機能やアイドリングストップ機能を備えた自動車で、その機能を停止させて使用しても、その寿命性能を確保することができ、その産業上の利用可能性は大である。

Claims (1)

  1. 電解液中にKイオンが0.0005mol/l以上、0.003mol/l以下、Alイオンが0.02mol/l以上、0.3mol/l以下、Liイオンが0.02mol/l以上、0.3mol/l以下、の濃度で含有することを特徴とする鉛蓄電池。
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