JP2003051278A - 回転陽極型x線管およびその製造方法 - Google Patents

回転陽極型x線管およびその製造方法

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JP2003051278A
JP2003051278A JP2001238901A JP2001238901A JP2003051278A JP 2003051278 A JP2003051278 A JP 2003051278A JP 2001238901 A JP2001238901 A JP 2001238901A JP 2001238901 A JP2001238901 A JP 2001238901A JP 2003051278 A JP2003051278 A JP 2003051278A
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ray tube
rotating body
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liquid metal
rotating
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Mitsuhisa Iwase
光央 岩瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体金属潤滑剤の漏れを防止する回転陽極型
X線管およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 動圧式すべり軸受に用いられる液体金属
潤滑剤の漏れを阻止するシール領域Aを形成する内側回
転体16およびスラストリング17を有し、陽極ターゲ
ットを回転可能に支持する回転機構13とを具備した回
転陽極型X線管において、内側回転体16およびスラス
トリング17よりも硬度が大きい封止部材を33、内側
回転体16およびスラストリング17間に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動圧式すべり軸受
に用いられる液体金属潤滑剤の漏れを防止した回転陽極
型X線管およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】回転陽極型X線管は、回転状態にある陽
極ターゲットに電子ビームを照射し、陽極ターゲットか
らX線を放出させる電子管で、医療用の診断装置などに
使用されている。
【0003】回転陽極型X線管は、電子ビームを発生す
る陰極およびX線を放出する陽極ターゲットなどを真空
外囲器内に配置して構成されている。陽極ターゲットは
回転支柱を介して回転機構に連結され、回転機構によっ
て回転可能に支持されている。回転機構は、たとえば筒
状の回転体およびこの回転体に嵌合した固定体などから
構成され、回転体と固定体との間に軸受たとえば動圧式
すべり軸受が設けられている。
【0004】動圧式すべり軸受は、軸受面にらせん溝を
形成し、らせん溝や軸受間隙に液体金属潤滑剤が供給さ
れる。液体金属潤滑剤は流動性があるため、液体金属潤
滑剤の漏れを防止するシール領域が回転機構の一部に設
けられる。
【0005】ここで、回転機構に設けられるシール領域
について、回転機構の一部を抜き出した図9を参照して
説明する。符号91は陽極ターゲットが連結される筒状
回転体である。筒状回転体91は、たとえば隣接するど
うしが接合された外側回転体91aおよび中間回転体9
1b、内側回転体91cの3層構造で構成され、内側回
転体91cの端部開口はスラストリング92で塞がれて
いる。内側回転体91cとスラストリング92はねじ9
3で固定されている。内側回転体91cの内部に円柱状
の固定体94が嵌合され、固定体94はスラストリング
92を貫通し、その外側まで伸びている。筒状回転体9
1およびスラストリング92は軸受を介して固定体94
に支えられ管軸mを中心に回転する。
【0006】固定体94のたとえば外周面にらせん溝9
5が形成され、らせん溝95の部分、および、内側回転
体91cと固定体94間の軸受間隙の部分などに液体金
属潤滑剤が供給され、動圧式すべり軸受が構成されてい
る。
【0007】上記した構成によれば、内側回転体91c
とスラストリング92がねじ93で締め付けられてい
る。このとき、内側回転体91およびスラストリング9
2が面接触で密着し、液体金属潤滑剤の漏れを防止する
シール領域Aが形成される。
【0008】液体金属潤滑剤の漏れを防止する方法とし
ては、その他、ドイツ特許19606 871 C2、
あるいは特開平8−270655号公報のように、液体
金属潤滑剤と固体混合相を形成するシール材料などを用
いて、シール領域に封止リングや封止層を設ける方法が
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の回転陽極型X線
管は、液体金属潤滑剤の漏れを防止する方法として、回
転機構を構成する回転体とスラストリングとを面接触さ
せる方法、あるいは、液体金属潤滑剤と固体混合相を形
成するシール材料などを用いて封止リングや封止層を形
成する方法などがある。
【0010】前者の方法は、面接触であるため、軸受部
分が高速で回転すると、遠心力による圧力がシール領域
の面接触の圧力を超え、液体金属潤滑剤が漏れる場合が
ある。後者の方法は、シール材料と液体金属潤滑剤との
反応でシール材料が膨らみ、軸受部品が変形し、あるい
は軸受寸法が変化し、シール隙間が開く恐れがある。
【0011】本発明は、上記した欠点を解決し、液体金
属潤滑剤の漏れを防止する回転陽極型X線管およびその
製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、X線を放出す
る陽極ターゲットと、動圧式すべり軸受に用いられる液
体金属潤滑剤の漏れを阻止するシール領域を形成する第
1部材および第2部材を有し、前記陽極ターゲットを回
転可能に支持する回転機構とを具備した回転陽極型X線
管において、前記第1部材および前記第2部材の少なく
とも一方よりも硬度が大きい封止部材を、前記第1部材
および前記第2部材間に配置したことを特徴とする。
【0013】また、本発明の回転陽極型X線管の製造方
法は、回転体および固定体を有する動圧式すべり軸受に
用いられる液体金属潤滑剤の漏れを阻止するシール領域
を形成する第1部材および第2部材の少なくとも一方よ
りも硬度が大きい封止部材を、前記第1部材および前記
第2部材間に配置する第1工程と、前記封止部材を挟ん
だ前記第1部材および前記第2部材をねじで締め付け一
体化し、前記第1部材および前記第2部材の一部に前記
封止部材を食い込ませる第2工程と、前記回転体とX線
を放出する陽極ターゲットとを連結する第3工程とを有
することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について図1を
参照して説明する。符号11は回転陽極型X線管を構成
する陽極ターゲットで、陽極ターゲット11は真空外囲
器(図示せず)内に配置されている。陽極ターゲット1
1は回転支柱12を介して回転機構13に連結され、管
軸mを中心に回転する構造になっている。
【0015】回転機構13は、たとえば回転支柱12が
直接連結した中間回転体14および中間回転体14の外
側に接合された外側回転体15、中間回転体14の内側
に接合された内側回転体16などから構成されている。
内側回転体16の図示右側の開口はスラストリング17
で塞がれ、内側回転体16とスラストリング17はねじ
18で固定されている。内側回転体16の内部に固定体
19が嵌合され、固定体19はスラストリング17を貫
通し、その外側まで伸びている。
【0016】内側回転体16は、図示右側端部の内面
に、たとえば1つの段差面16aが設けられている。段
差面16aを境にしてその左側は内径が小さい径小部1
61、その右側は内径が大きい径大部162となってい
る。スラストリング17は、内側回転体16と接する部
分にたとえば2つの第1段差面17aおよび第2段差面
17bが設けられている。
【0017】陽極ターゲット11に近い方の第1段差面
17aの図示左側は外径が小さい径小部171、また2
つの段差面17a、17bに挟まれ部分は径小部171
よりも外径が大きい中間部172、第2段差面17aの
図示右側は中間部172よりも外径が大きい径大部17
3になっている。
【0018】上記した構成において、回転機構13の回
転部分を構成する内側回転体16およびスラストリング
17と、回転機構13の固定部分を構成する固定体19
との間に動圧式すべり軸受が設けられている。
【0019】たとえば、固定体19の管軸方向に離れた
2つの領域にそれぞれらせん溝を対に形成し、このらせ
ん溝の部分に液体金属潤滑剤が供給され、ラジアル方向
の動圧式すべり軸受20a、20bが設けられている。
また、固定体19の図示左側の端面にらせん溝を形成
し、このらせん溝の部分に液体金属潤滑剤が供給され、
スラスト方向の動圧式すべり軸受21aが設けられてい
る。固定体19の段部19aと対向するスラストリング
17の図示左側の面にも、らせん溝を形成し、このらせ
ん溝の部分などに液体金属潤滑剤が供給され、もう1つ
のスラスト方向の動圧式すべり軸受21bが設けられて
いる。
【0020】上記の構成において、回転機構13の回転
部分を構成する2つの部材、たとえば内側回転体16と
スラストリング17の間に、液体金属潤滑剤の漏れを防
止するシール領域Aが環状に形成されている。シール領
域Aは、たとえば内側回転体16の段差面16aとスラ
ストリング17の第1段差面17aとの間に形成され、
たとえばシール領域Aの一部に封止機構22が環状に設
けられている。
【0021】ここで、シール領域Aに設けられる封止機
構22について図2を参照して説明する。図2(a)は
図1のシール領域A近傍を拡大した図、また、図2
(b)は図2(a)の一部をさらに拡大した図で、図1
に対応する部分には同じ符号を付し重複する説明は一部
省略する。
【0022】シール領域Aでは、内側回転体16および
スラストリング17はたとえば面接触し、管軸mを囲む
同じ半径上の位置に凹溝31、32が環状に形成されて
いる。また、連続する凹溝31、32の中に、内側回転
体16およびスラストリング17の材料よりもたとえば
硬度が大きく、液体金属潤滑剤と反応しにくい環状の封
止部材33が配置されている。封止部材33の断面は、
管軸方向における両先端34a、34bがたとえば楔状
に尖った形状をしている。
【0023】凹溝31、32に配置された封止部材33
は、その後、内側回転体16およびスラストリング17
がねじ18で締め付け固定されると、封止部材33の先
端34a、34bは凹部31、32の底面を塑性変形さ
せ、内側回転体16やスラストリング17の一部に食い
込んだ形になる。このとき、内側回転体16および封止
部材33間、および、スラストリング17および封止部
材33間に、動圧式すべり軸受20a、20bを囲む線
状の密着部分が環状に形成され、液体金属潤滑剤の漏れ
を防止する封止機構22が構成される。
【0024】封止機構22が構成された内側回転体16
およびスラストリング17は、陽極ターゲットを回転可
能に支持する回転機構の回転部分を構成し、その後、こ
の回転部分に陽極ターゲットが連結され、回転陽極型X
線管に組み立てられる。
【0025】なお、陽極ターゲットと回転体を先に連結
し、その後、封止部材を固定してもよい。
【0026】上記した構成の場合、内側回転体16やス
ラストリング17のシール領域Aには、通常、らせん溝
が形成される軸受面と同じ材料たとえばMo系合金や鉄
系合金が用いられる。この場合、封止部材33には、M
o系合金や鉄系合金よりも硬度が大きいたとえばセラミ
ックが用いられる。
【0027】ビッカース硬度で比較すると、Mo系合金
は250〜350Hv、鉄系合金は200〜250Hv
程度となっている。セラミックたとえば窒化珪素(Si
3 N4 )や炭化珪素(SiC)、酸化アルミニウム(A
l2 O3 )、酸化ジルコニウム(ZrO2 )などはほぼ
1000Hv以上となっている。
【0028】なお、W系合金もビッカース硬度がほぼ5
00Hv以上であるため、セラミックに代えてW系合金
を用いることもできる。セラミックやW系合金は液体金
属潤滑剤との反応速度が小さいため、液体金属潤滑剤に
侵されてシール効果が低下したり、体積の膨張で軸受寸
法が変化することもない。
【0029】また、内側回転体16やスラストリング1
8が鉄系合金で形成されている場合は、封止部材33と
してMo系合金を用いることもできる。
【0030】上記した構成の場合、通常の使用条件で
は、軸受部の温度は極端に高くなることはない。そのた
め、内側回転体16やスラストリング17のシール領域
Aおよび封止部材33に鉄系合金やMo系合金を使用し
ても、これらの材料が液体金属潤滑剤と反応して腐食
し、シール効果が劣化したり、体積の膨張で軸受寸法が
変化したりすることもない。
【0031】次に、封止機構の他の例について図3を参
照して説明する。図3は、図1および図2に対応する部
分には同じ符号を付し重複する説明は一部省略する。
【0032】この実施形態の場合、環状の封止部材33
の断面形状は、内側回転体16側の先端34aだけが楔
状に突出している。スラストリング17側の断面は凹溝
32の断面に一致する形状に構成され、封止部材33の
スラストリング17側は凹溝32に嵌合している。
【0033】封止部材33を凹溝32に嵌合する場合、
焼き嵌めや圧接などの方法が用いられ、封止部材33は
スラストリング17に予め取り付けられる。この方法
は、環状の封止部材33が部品の段階で取り付けられる
ため、十分に大きな接合力をもって嵌合でき、嵌合部分
から液体金属潤滑剤が漏れるようなことはない。
【0034】図3の場合も、内側回転体16およびスラ
ストリング17をねじ18で固定すると、封止部材33
の先端34aが内側回転体16のたとえば凹溝31の底
面を塑性変形させ、内側回転体16の一部に食い込み、
液体金属潤滑剤の漏れを防止する封止機構22が形成さ
れる。
【0035】図2および図3では、内側回転体16およ
びスラストリング17よりも硬度の大きい材料で封止部
材33を形成している。封止部材33の硬度が大きい
と、封止部材33が内側回転体16やスラストリング1
7を確実に塑性変形させ、良好なシール効果をもつ封止
機構22が得られる。しかし、封止部材33を、内側回
転体16やスラストリング17の一方あるいは両方と同
じ材料あるいは同程度の硬度の材料で形成することもで
きる。この場合も、内側回転体16およびスラストリン
グ17をねじ18で締め付け固定する際に、封止部材3
3の先端が凹部31、32底面の一方あるいは両方を塑
性変形させ、内側回転体16やスラストリング17の一
部に食い込み、単なる面接触などの場合よりも良好なシ
ール効果をもつ封止機構22が形成される。
【0036】次に、封止機構の他の例について図4を参
照して説明する。図4は、図1および図2に対応する部
分に同じ符号を付し重複する説明は一部省略する。
【0037】この実施形態は、内側回転体16およびス
ラストリング18の一方、たとえばスラストリング17
を内側回転体16よりも硬度の大きい材料で形成してい
る。そして、硬度の大きいスラストリング17の面に断
面が楔状の突出部41を環状に設けている。この場合
も、内側回転体16およびスラストリング17をねじ1
8で固定すると、スラストリング17の突出部41が内
側回転体16を塑性変形させ、その一部に食い込んで密
着し封止機構22が形成される。
【0038】図4では、内側回転体16およびスラスト
リング17の一方たとえばスラストリング17を内側回
転体16よりも硬度の高い材料で形成している。しか
し、内側回転体16およびスラストリング17の両方を
同じ材料あるいは同程度の硬度の材料で形成することも
できる。この場合も、内側回転体16およびスラストリ
ング17の一方が相手の突出部によって塑性変形し、塑
性変形した部分に突出部が食い込んで封止機構22が形
成される。
【0039】次に、封止機構の他の例について図5を参
照して説明する。図5は、図1および図2に対応する部
分に同じ符号を付し重複する説明は一部省略する。
【0040】この実施形態は、スラストリング17の第
1段差面17aおよびこの第1段差面17aと接触する
内側回転体16の段差面16aをそれぞれ平坦に形成し
ている。そして、内側回転体16およびスラストリング
17の一方、たとえばスラストリング17の第2段差面
17bに環状の突出部51を形成している。この構成の
場合も、内側回転体16とスラストリング17をねじ1
8で締め付け固定すると、スラストリング17の突出部
51が内側回転体16を塑性変形させ、その一部に食い
込んで密着し封止機構22を形成する。このとき、スラ
ストリング17の第1段差面17aと内側回転体16の
段差面16aが面接触し、これによって管軸m方向の位
置関係が規定され高い組み立て寸法精度が得られる。
【0041】図4および図5では、内側回転体16およ
びスラストリング17の一方に突出部を形成している。
しかし、突出部の位置をずらせるなどして、内側回転体
16およびスラストリング17の両方に突出部を形成
し、それぞれの突出部が相手の一部に食い込むような構
造にすることもできる。
【0042】次に、封止機構の他の例について、シール
領域Aの部分を抜き出した図6を参照して説明する。図
6は、図1および図2に対応する部分に同じ符号を付し
重複する説明は一部省略する。
【0043】図6(a)は、スラストリング17の内側
回転体16側の端部に切欠部61が環状に設けられ、切
欠部61の管軸mに平行な面61aが内側回転体16の
内面と面接触し、管軸mに垂直な面62bが内側回転体
16の端面に面接触する構造になっている。また、切欠
部61から管軸m方向に離れた位置に段差面62が設け
られ、この段差面62に、内側回転体16方向に突出す
る突起63が環状に形成されている。
【0044】この場合、内側回転体16はたとえばMo
系合金や鉄系合金で形成され、スラストリング17はた
とえばセラミックで形成され、両者はねじ64で締め付
け固定される。このとき、突起63が内側回転体16の
一部に食い込み封止機構22が形成される。また、スラ
ストリング17に設けられた切欠部61の面と内側回転
体16が接触し、両者の位置関係が正しく規定される。
【0045】図6(b)は、スラストリング17に切欠
部がなく、スラストリング17の外面61cが内側回転
体16の内面と接触する構造になっている。図6(b)
は、図6(a)に対応する部分には同じ符号を付し重複
する説明は一部省略する。
【0046】次に、封止機構の他の例について、シール
領域A部分を抜き出した図7を参照して説明する。図7
は、図6に対応する部分には同じ符号を付し重複する説
明は一部省略する。
【0047】図7(a)は、図6(a)と同様に、スラ
ストリング17に切欠部61が設けられ、段差面62に
断面が矩形の凹溝71が形成されている。そして、内側
回転体16の端面とスラストリング17との間に、内側
回転体16側が楔状に突出し、スラストリング17側が
凹溝71と嵌合する封止部材33が配置されている。
【0048】この封止部材33には、同図(c)の符号
72に示すように、たとえば全体が環状に形成されその
断面が一方の側で尖った形状のものが使用される。この
場合、内側回転体16およびスラストリング17をねじ
64で締め付け固定すると、封止部材33の楔状の先端
が内側回転体16に食い込んで封止機構22が形成され
る。
【0049】図7(b)は、図6(b)と同様、スラス
トリング17に切欠部が設けられない場合で、図7
(a)に対応する部分には同じ符号を付し重複する説明
は一部省略する。
【0050】なお、内側回転体16とスラストリング1
7との間に配置される封止部材33には、図7(d)
(e)に示すように、全体が環状に形成されその断面形
状が矩形の封止部材73、あるいは、全体が環状に形成
されその断面形状が円形の封止部材74を使用すること
もできる。
【0051】次に、封止機構の他の例について、シール
領域A部分を抜き出した図8を参照して説明する。
【0052】図8は、図1で説明した内側回転体16が
2つの部材たとえば円筒状部品81と蓋状部品82とで
構成され、この円筒状部品81と蓋状部品82の間にシ
ール領域Aが形成されている場合である。
【0053】図8(a)は、蓋状部品82の円筒状部品
81側の端部に切欠部83を設け、切欠部83の管軸m
に平行な面83aが円筒状部品81の内面に接触し、管
軸mに垂直な面83bが円筒状部品81の端面に接触す
る構造になっている。切欠部83から管軸m方向に離れ
た位置に段差面84が形成され、この段差面84に、円
筒状部品81の端面方向に突出する突起85が環状に形
成されている。
【0054】上記した構成の場合、円筒状部品81はた
とえばMo系合金や鉄系合金で形成され、蓋状部品82
はたとえばセラミックで形成され、両者がねじ86で締
め付け固定される。このとき、突起85が円筒状部品8
1の一部に食い込み封止機構22が形成される。また、
蓋状部品82の切欠部83の面83a、83bと円筒状
部品81が面接触し、両者の位置関係が正しく規定され
る。
【0055】図8(b)は、蓋状部品82に切欠部がな
く、蓋状部品82の外周面83cが円筒状部品81の内
面と接触する構造になっている。図8(b)は、図8
(a)に対応する部分には同じ符号を付し重複する説明
は一部省略する。
【0056】上記の各実施形態では、内側回転体および
スラストリングなど2つの部材間に配置される封止部
材、あるいは、これらの部材に形成される突起部などを
環状に無端に構成する場合で説明している。しかし、封
止部材や突起部は、円弧状をした複数の部分を互いに接
触させて全体が環状になるように形成してもよく、ある
いは、隣接するどうし間に狭い間隙をもたせて全体が環
状になるように形成してもよい。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、液体金属潤滑剤の漏れ
を防止する回転陽極型X線管およびその製造方法を実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための構造図で、
一部が断面で示されている。
【図2】本発明の実施形態を説明するための構造図で、
シール領域近傍を抜き出した図である。
【図3】本発明の他の実施形態を説明するための構造図
で、シール領域近傍を抜き出した図である。
【図4】本発明の他の実施形態を説明するための構造図
で、シール領域近傍を抜き出した図である。
【図5】本発明の他の実施形態を説明するための構造図
で、シール領域近傍を抜き出した図である。
【図6】本発明の他の実施形態を説明するための構造図
で、シール領域近傍を抜き出した図である。
【図7】本発明の他の実施形態を説明するための構造図
で、シール領域近傍を抜き出した図である。
【図8】本発明の他の実施形態を説明するための構造図
で、シール領域近傍を抜き出した図である。
【図9】従来例を説明するための構造図で、シール領域
近傍を抜き出した図である。
【符号の説明】
11…陽極ターゲット 12…回転支柱 13…回転機構 14…中間回転体 15…外側回転体 16…内側回転体 17…スラストリング 18…ねじ 19…固定体 20a、20b…ラジアル方向の動圧式すべり軸受 21a、21b…スラスト方向の動圧式すべり軸受 31…内側回転体の凹溝 32…スラストリングの凹溝 33…封止部材 34a、34b…封止部材の先端

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線を放出する陽極ターゲットと、動圧
    式すべり軸受に用いられる液体金属潤滑剤の漏れを阻止
    するシール領域を形成する第1部材および第2部材を有
    し、前記陽極ターゲットを回転可能に支持する回転機構
    とを具備した回転陽極型X線管において、前記第1部材
    および前記第2部材の少なくとも一方よりも硬度が大き
    い封止部材を、前記第1部材および前記第2部材間に配
    置したことを特徴とする回転陽極型X線管。
  2. 【請求項2】 X線を放出する陽極ターゲットと、動圧
    式すべり軸受に用いられる液体金属潤滑剤の漏れを阻止
    するシール領域を形成する第1部材および第2部材を有
    し、前記陽極ターゲットを回転可能に支持する回転機構
    とを具備した回転陽極型X線管において、前記第1部材
    および前記第2部材のそれぞれの一部に食い込んだ封止
    部材が、前記第1部材および前記第2部材間に位置する
    ことを特徴とする回転陽極型X線管。
  3. 【請求項3】 X線を放出する陽極ターゲットと、動圧
    式すべり軸受に用いられる液体金属潤滑剤の漏れを阻止
    するシール領域を形成する第1部材および第2部材を有
    し、前記陽極ターゲットを回転可能に支持する回転機構
    とを具備した回転陽極型X線管において、前記第1部材
    および前記第2部材を硬度の相違する材料で形成し、硬
    度の大きい材料の部材が硬度の小さい材料の部材の一部
    に食い込んでいることを特徴とする回転陽極型X線管。
  4. 【請求項4】 第1部材および第2部材の硬度の大きい
    材料の部材に突出部を形成した請求項3記載の回転陽極
    型X線管。
  5. 【請求項5】 X線を放出する陽極ターゲットと、動圧
    式すべり軸受に用いられる液体金属潤滑剤の漏れを阻止
    するシール領域を形成する第1部材および第2部材を有
    し、前記陽極ターゲットを回転可能に支持する回転機構
    とを具備した回転陽極型X線管において、前記第1部材
    および前記第2部材の少なくとも一方に、他方の一部に
    食い込む突出部を形成したことを特徴とする回転陽極型
    X線管。
  6. 【請求項6】 回転体および固定体を有する動圧式すべ
    り軸受に用いられる液体金属潤滑剤の漏れを阻止するシ
    ール領域を形成する第1部材および第2部材の少なくと
    も一方よりも硬度が大きい封止部材を、前記第1部材お
    よび前記第2部材間に配置する第1工程と、前記封止部
    材を挟んだ前記第1部材および前記第2部材をねじで締
    め付け一体化し、前記第1部材および前記第2部材の一
    部に前記封止部材を食い込ませる第2工程と、前記回転
    体とX線を放出する陽極ターゲットとを連結する第3工
    程とを有することを特徴とする回転陽極型X線管の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 回転体および固定体を有する動圧式すべ
    り軸受に用いられる液体金属潤滑剤の漏れを阻止するシ
    ール領域を形成する第1部材および第2部材間に封止部
    材を配置する第1工程と、前記封止部材が配置された前
    記第1部材および前記第2部材をねじで締め付け一体化
    し、前記第1部材および前記第2部材の一部に前記封止
    部材を食い込ませる第2工程と、前記回転体とX線を放
    出する陽極ターゲットとを連結する第3工程とを有する
    ことを特徴とする回転陽極型X線管の製造方法。
  8. 【請求項8】 回転体および固定体を有する動圧式すべ
    り軸受に用いられる液体金属潤滑剤の漏れを阻止するシ
    ール領域を形成する第1部材および第2部材の硬度が大
    きい一方に突出部を形成する第1工程と、突出部が一方
    に形成された前記第1部材および前記第2部材をねじで
    締め付け一体化し、前記突出部を硬度の小さい他方の一
    部に食い込ませる第2工程と、前記回転体とX線を放出
    する陽極ターゲットとを連結する第3工程とを有するこ
    とを特徴とする回転陽極型X線管の製造方法。
  9. 【請求項9】 回転体および固定体を有する動圧式すべ
    り軸受に用いられる液体金属潤滑剤の漏れを阻止するシ
    ール領域を形成する第1部材および第2部材の少なくと
    も一方に突出部を形成する第1工程と、少なくとも一方
    に突出部が形成された前記第1部材および前記第2部材
    をねじで締め付け一体化し、前記突出部を他方の一部に
    食い込ませる第2工程と、前記回転体とX線を放出する
    陽極ターゲットとを連結する第3工程とを有することを
    特徴とする回転陽極型X線管の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104863963A (zh) * 2014-02-26 2015-08-26 西门子公司 液态金属滑动轴承

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