JP2003050155A - 家鳴りの原因特定のための測定装置 - Google Patents

家鳴りの原因特定のための測定装置

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JP2003050155A
JP2003050155A JP2001237947A JP2001237947A JP2003050155A JP 2003050155 A JP2003050155 A JP 2003050155A JP 2001237947 A JP2001237947 A JP 2001237947A JP 2001237947 A JP2001237947 A JP 2001237947A JP 2003050155 A JP2003050155 A JP 2003050155A
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三郎 野田
Satomi Miyazaki
哲實 宮崎
Masayuki Kuromi
昌行 黒見
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 居住者の家鳴りに対する不安を解消すると
ともに、家鳴りの発生頻度や音圧レベルの低減を図るべ
く対策を講じるために、家鳴りの原因を特定する測定装
置を提供する。 【解決手段】 この測定装置は、家鳴りの発生源と予測
される箇所に配置されて、その箇所の振動や歪み等の状
態を検知する第1検知部(1)と、温度や湿度等の家鳴り
の発生要因を検知する第2検知部(2)と、これら第1及
び第2検知部(1)(2)の検知データを時系列的に記録す
る記録部(7)(13)と、家鳴りの発生源と予測される箇所
に配置されて、家鳴りを取り込むマイクロフォン(3)
と、このマイクロフォン(3)によって取り込んだ音を録
音する録音部(15)とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、家鳴りと称され
る住宅の軋み音の原因特定のための測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】住宅のかかえる問題の一つに家鳴りがあ
る。この家鳴りは、温度変化や乾燥、風の力といった外
力の作用によって、住宅各所の部材が変位したり、振動
することで発生する。
【0003】いくつかの例を挙げると、例えば温度変化
によって構造躯体を構成する部材が伸縮して応力歪みが
生じることで、部材相互の接合部や交差部における接触
面がずれるときの摩擦音、温度変化に伴う部材の伸縮に
よって、室内天井、外壁、化粧胴差、バルコニー、ガラ
ス戸や窓額縁、軒樋等に生じる各種の異音、乾燥によっ
て木材が割れたときの音、風の力によって住宅が変形し
たときのブレース交点がずれる音等がある。
【0004】家鳴りは、通常何らかの形で発生している
が、発生頻度が多くなったり、共鳴材があったり放射効
率が良好で増幅されて、一定の音圧レベルを越えるよう
なことがあると、住宅の居住者に対して構造的に欠陥が
あるのではないかとの不安を与えることがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在の
ところ、家鳴りが、住宅のどの部分で、どのような要因
によって発生しているのかを特定するための方法や装置
は確立されていない。このため、居住者からの家鳴りに
関する相談やクレームに対して、適切に対応することが
難しく、居住者の不安を解消することができなかった。
また、家鳴りの発生頻度や音圧レベルを低減するための
適切な対策を講じることもできなかった。
【0006】そこで、この発明は、上記に鑑み、居住者
の家鳴りに対する不安を解消するとともに、家鳴りの発
生頻度や音圧レベルの低減を図るべく対策を講じるため
に、家鳴りの原因を特定するための測定装置の提供を目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明の測定装置は、家鳴りの発生源と予測され
る箇所に配置されて、その箇所の振動や歪み等の状態を
検知する第1検知部と、温度や湿度等の家鳴りの発生要
因を検知する第2検知部と、これら第1及び第2検知部
の検知データを時系列的に記録する記録部と、家鳴りの
発生源と予測される箇所に配置されて、家鳴りを取り込
むマイクロフォンと、このマイクロフォンによって取り
込んだ音を時系列的に録音する録音部とを備えているこ
とを特徴とする。第2検知部としては、温度センサや湿
度センサの他に、風向風速計を使用しても良い。
【0008】また、家鳴りの発生源と予測される箇所に
配置されて、その箇所の振動を検知する振動センサと、
同じく家鳴りの発生源と予測される箇所に配置されて、
その箇所の表面温度を検知する温度センサと、これら振
動センサ及び温度センサの検知データを時系列的に記録
する記録部と、家鳴りの発生源と予測される箇所に配置
されて、家鳴りを取り込むマイクロフォンと、このマイ
クロフォンによって取り込んだ音を時系列的に録音する
録音部とを備えていることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は、家鳴りの原因を特
定するために使用する測定装置を示している。この測定
装置は、部材の状態を検知するための第1検知部(1)
と、家鳴りの発生要因を検知するための第2検知部(2)
と、家鳴りを取り込むマイクロフォン(3)とを備えてい
る。
【0010】第1検知部(1)としては、部材の振動を検
知する振動センサ(振動ピックアップ)が用いられてい
る。この振動ピックアップ(1)は、プリアンプ(5)を通
して騒音計(6)に接続されている。そして、騒音計(6)
のAC出力側には、記録部としてのレベルレコーダー
(7)が接続されていて、振動ピックアップ(1)からの検
知データすなわち振動レベルデータが時系列的に記録さ
れるようになっている。なお、騒音計(6)のDC出力側
には、コントローラ(8)が接続されている。
【0011】なお、第1検知部(1)として、振動ピック
アップ(1)の他に、部材の応力歪みを検知する歪みゲー
ジを使用するようにしても良い。この場合、歪みゲージ
を記録部としてのデータロガーに接続して、歪みゲージ
からの検知データを時系列的に記録する。
【0012】第2検知部(2)としては、部材の表面温度
を検知する温度センサ(10)と、部材周辺の湿度を検知す
る湿度センサ(11)と、風向風速計(12)とが使用されてい
る。温度センサ(10)や湿度センサ(11)は、例えば熱電対
を利用したタイプとされている。
【0013】そして、これら温度センサ(10)や湿度セン
サ(11)、風向風速計(12)は、記録部としてのデータロガ
ー(13)に接続されている。従って、温度センサ(10)や湿
度センサ(11)、風向風速計(12)からの検知データが、デ
ータロガー(13)によって時系列的に記録されるようにな
っている。
【0014】マイクロフォン(3)は、録音部としてのデ
ジタルオーディオテープレコーダ(15)に接続されてい
る。従って、マイクロフォン(3)によって取り込んだ家
鳴りの音が、テープレコーダ(15)によって時系列的に録
音されるようになっている。なお、テープレコーダ(15)
は、コントローラ(8)に接続されており、振動ピックア
ップ(1)が一定以上の振動レベルを検知したときだけ、
コントローラ(8)がテープレコーダ(15)へ起動信号を送
ることで、家鳴りの録音がなされるといった制御も可能
となっており、これによって家鳴りの発生が予測される
ときだけ録音を実施して、録音時間の短縮を図ることが
できる。
【0015】次に、上記構成の測定装置を用いた家鳴り
の原因特定方法について説明する。まず、居住者からの
ヒアリングにより家鳴りの発生源を推測する。そして、
図2に示すように、家鳴りの発生源と予測される箇所に
おける部材に、振動センサ(1)、温度センサ(10)、湿度
センサ(11)及びマイクロフォン(3)を夫々取り付ける。
また、風向風速計(12)を、例えば屋上に取り付ける。
【0016】このような配置が完了すると、各箇所にお
いて温度、湿度、振動、家鳴り音の検知を開始し、風向
風速も同時に検知して、これらの検知データを時系列的
に記録し、また家鳴りを時系列的に録音する。このよう
な測定は、数時間望ましくは24時間連続して行う。
【0017】測定が終了すると、各箇所において記録し
た検知データや録音した音を処理して、各箇所毎にグラ
フや表として出力する。例えば、振動レベルデータにつ
いては、レベルレコーダー(7)によって図3に示すよう
なグラフを出力し、温度データや湿度データについて
は、データロガー(13)に接続した図示しないパーソナル
コンピュータ等によって処理して、図4や図5に示すよ
うなグラフを出力し、録音した音については、デジタル
オーディオテープレコーダ(15)に接続した図示しないパ
ーソナルコンピュータ等によって処理して、図6に示す
ようなグラフを出力する。
【0018】そして、これらグラフを利用して、記録し
た各種検知データと録音した音の発生状況とを突き合わ
せ、どの箇所で、どのような要因で家鳴り発生したのか
を特定する。例えば、図3乃至図6のグラフを参照する
と、温度の上昇時及び下降時に対応して、振動レベルが
大きく変化し、この振動レベルの変化に伴って家鳴りの
音圧レベルが高くなっており、これらに相関関係がある
ことが解る。従って、図3乃至図6のグラフが得られた
測定箇所においては、家鳴りが、部材の温度変化による
伸縮に伴って発生していることを特定することができ
る。
【0019】これはあくまでも一例であり、例えば湿度
変化と振動レベル、音圧レベルに相関関係があれば、湿
度変化による部材の乾燥に伴って家鳴りが発生している
ことを特定できたり、また風向風速と振動レベル、音圧
レベルに相関関係があれば、風荷重による部材の変形に
伴って家鳴りが発生していることを特定できる。さら
に、歪みゲージを取り付けて、この歪みゲージから得ら
れた検知データすなわち部材の応力歪みの状況も加味す
ると、より綿密な原因特定が可能となる。
【0020】なお、この発明は、上記実施形態に限定さ
れるものではなく、この発明の範囲内で上記実施形態に
多くの修正及び変更を加え得ることは勿論である。
【0021】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明の測定装置を使用すれば、家鳴りの発生源と予測され
る箇所において、家鳴りを取り込むと同時に、部材の振
動や歪み等の状態、さらには家鳴りの発生要因を検知し
て、これらを録音、記録して突き合わせることができる
ので、家鳴りが、住宅のどの部分で、どのような要因に
よって発生しているのかを特定することができる。これ
によって、住宅の居住者の家鳴りに対する不安を解消す
ることができ、また特定結果を基にして、家鳴りの発生
頻度や音圧レベルを低減するための的確な対策も講じ易
くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る家鳴りの原因特定
のための測定装置の構成図である。
【図2】住宅の各箇所へのセンサ及びマイクロフォンの
配置状態を示す図である。
【図3】振動レベルデータを表したグラフを示す図であ
る。
【図4】温度データを表したグラフを示す図である。
【図5】湿度データを表したグラフを示す図である。
【図6】家鳴りの音圧レベルを表したグラフを示す図で
ある。
【符号の説明】
(1) 第1検知部(振動センサ) (2) 第2検知部 (3) マイクロフォン (7)(13) 記録部 (10) 温度センサ (11) 湿度センサ (12) 風向風速計 (15) 録音部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒見 昌行 大阪市北区大淀中一丁目1番88号 積水ハ ウス株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DF00 FA04 FA14 FA32 FA33 QA02 2G064 AA05 AB15 CC13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 家鳴りの発生源と予測される箇所に配置
    されて、その箇所の振動や歪み等の状態を検知する第1
    検知部と、温度や湿度等の家鳴りの発生要因を検知する
    第2検知部と、これら第1及び第2検知部の検知データ
    を時系列的に記録する記録部と、家鳴りの発生源と予測
    される箇所に配置されて、家鳴りを取り込むマイクロフ
    ォンと、このマイクロフォンによって取り込んだ音を時
    系列的に録音する録音部とを備えていることを特徴とす
    る家鳴りの原因特定のための測定装置。
  2. 【請求項2】 第2検知部として、温度センサや湿度セ
    ンサの他に、風向風速計が使用されている請求項1記載
    の家鳴りの原因特定のための測定装置。
  3. 【請求項3】 家鳴りの発生源と予測される箇所に配置
    されて、その箇所の振動を検知する振動センサと、同じ
    く家鳴りの発生源と予測される箇所に配置されて、その
    箇所の表面温度を検知する温度センサと、これら振動セ
    ンサ及び温度センサの検知データを時系列的に記録する
    記録部と、家鳴りの発生源と予測される箇所に配置され
    て、家鳴りを取り込むマイクロフォンと、このマイクロ
    フォンによって取り込んだ音を時系列的に録音する録音
    部とを備えていることを特徴とする家鳴りの原因特定の
    ための測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006201012A (ja) * 2005-01-20 2006-08-03 Tokyo Electric Power Services Co Ltd 環境振動監視方法と装置
JP2009128034A (ja) * 2007-11-20 2009-06-11 Sekisui House Ltd 建物の異音探査システム

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JP2006201012A (ja) * 2005-01-20 2006-08-03 Tokyo Electric Power Services Co Ltd 環境振動監視方法と装置
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