JP2003049851A - 転がり軸受のエアオイル潤滑装置 - Google Patents

転がり軸受のエアオイル潤滑装置

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JP2003049851A
JP2003049851A JP2001337499A JP2001337499A JP2003049851A JP 2003049851 A JP2003049851 A JP 2003049851A JP 2001337499 A JP2001337499 A JP 2001337499A JP 2001337499 A JP2001337499 A JP 2001337499A JP 2003049851 A JP2003049851 A JP 2003049851A
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JP
Japan
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air
oil
nozzle member
rolling bearing
diameter surface
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JP2001337499A
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English (en)
Inventor
Hiroki Fujiwara
宏樹 藤原
Kenji Fujii
藤井  健次
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送エア量が少量であっても、ノズル部材と
軸箱との嵌合隙間から漏れを生じることがなく、組立性
を低下させることなく、エアオイルの漏れ防止が行える
ようにする。 【解決手段】 転がり軸受1を嵌合した軸箱9の内径面
に、上記転がり軸受1へエアオイルを吐出するノズル部
材6を嵌合させる。ノズル部材6の外径面に、軸箱9の
内径面に開口するエアオイル供給路13と連通するエア
オイル流入口14を設ける。ノズル部材6の外径面に
は、エアオイル流入口14を囲む環状溝19を設ける。
この環状溝19の底部に、ノズル部材6におけるノズル
孔8と連通した連通路20を設ける。環状溝19内には
環状密封部材21を嵌合させる。この環状密封部材21
は、沈み込み状態ではノズル部材6の外径面から突出し
ないものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、工作機械主軸用
の転がり軸受等に適用されるエアオイル給油による潤滑
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械の主軸装置は、加工能率を上げ
るためますます高速化の傾向にある。このため、軸受の
潤滑も、搬送エアに潤滑用オイルを混合して、内輪転走
面に直接に噴きつけるエアオイル給油が増加しつつあ
る。図19は、アンギュラ玉軸受における従来のエアオ
イル潤滑装置を示したものである。軸箱51の供給口5
2より供給される搬送エアと潤滑油は、外輪間座53に
設けたノズル部材57のエアオイル噴射孔54から内輪
55の転走面55aに向けて噴射される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図19に示した従来の
エア潤滑装置では、軸箱51への外輪間座53の組み込
みを容易にするために、軸箱51に対して外輪間座53
は若干のすきま嵌めとされている。この構造によると、
大量のエアを使用する場合、供給口52より供給される
ほとんどのエアオイルが噴射孔54に流入する。しか
し、エアを少量にすると、上記嵌め合い部の隙間から外
輪間座53の面取り部を経由してノズル部材57の一端
に設けられた排油孔(図示せず)から流失する割合が大
きくなってしまう。近年、環境問題と低コスト化への対
応策として、エアの使用量の低減が求められており、ま
た少量のエア量によって軸受の潤滑を可能にする技術も
開発されている。このため、エア量を少量にする場合が
増えつつあり、そのような場合に上記のエアオイルの流
失が現実的に大きな課題となる。
【0004】この発明の目的は、搬送エア量が少量であ
っても、ノズル部材と軸箱との嵌合隙間から漏れを生じ
ることなくエアオイルをノズル部材に供給でき、組立性
を低下させることなく、エアオイルの漏れ防止が行える
エアオイル潤滑装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の第1のエアオ
イル潤滑装置は、転がり軸受を嵌合した軸箱の内径面
に、上記転がり軸受へエアオイルを吐出するノズル部材
を嵌合させ、上記軸箱の内径面に開口するエアオイル供
給路と連通するエアオイル流入口を上記ノズル部材の外
径面に設け、上記ノズル部材の外径面に、上記エアオイ
ル流入口を囲む環状溝を設け、この環状溝の底部に上記
ノズル部材におけるノズル孔と連通した連通路を設け、
上記環状溝内に、沈み込む状態では上記ノズル部材の外
径面から突出せず、上記連通路から環状溝内に供給され
るエアオイルの圧力により外径側へ移動して上記軸箱の
内径面とノズル部材との隙間を密封する環状密封部材を
嵌合させたものである。この構成によると、ノズル部材
のエアオイル流入口を囲む環状溝に嵌合した環状密封部
材は、ノズル部材の組み込み時においてはノズル部材の
外径面より突出しない状態となっており、ノズル部材の
軸箱への組み込み時のかじり等を防止している。上記環
状溝はエアオイル供給路に連通路により連通しているた
め、ノズル孔に大気圧以上のエア流が導入されると、そ
のエア圧が環状密封部材に作用し、環状密封部材は軸箱
内径面に向かって押し出され、弾性変形してエアオイル
流入口の周囲の軸箱とノズル部材との隙間を密封する。
そのため、軸箱に対してノズル部材が若干の隙間嵌めと
なっていても、この隙間からエアオイルが漏れることが
なく、少量のエア流れでもエアオイルを確実にノズル孔
に供給することができる。
【0006】この発明において、上記環状密封部材の上
記環状溝底面側に向く面である裏面は平坦面または凹面
であっても良い。このように平坦面または凹面にするこ
とにより、ノズル孔から連通路を経て環状溝内に流入す
るエアオイルの圧力が、環状密封部材をノズル部材の外
径側に押し出す力として効果的に作用することになる。
そのため、軸箱の内径面とノズル部材本体との隙間をよ
り一層確実に密封することができる。
【0007】この発明において、上記ノズル部材が、外
輪間座と、この外輪間座の内周に設けられた切欠凹部に
嵌合するノズル部材本体とでなり、上記環状溝を上記外
輪間座の外径面に設けても良い。
【0008】この発明における第2の発明のエアオイル
潤滑装置は、転がり軸受を嵌合した軸箱の内径面に、上
記転がり軸受へエアオイルを吐出するノズル部材を嵌合
させ、このノズル部材の外径面に設けられたエアオイル
流入口と連通するエアオイル供給路出口を、上記軸箱の
内径面に設け、上記エアオイル供給路出口の内周に、導
入されたエアオイルの圧力によって上記ノズル部材側へ
移動し、軸箱の内径面とノズル部材の外径面との隙間を
密封する環状密封部材を設けたものである。この構成に
よると、エアオイル供給路出口に配置された環状密封部
材は、ノズル部材の組み込み時においては軸箱の内径面
より突出しない状態となっており、ノズル部材の軸箱へ
の組み込み時のかじり等を防止している。軸箱のエアオ
イル供給路にエア流が導入されると、環状密封部材はノ
ズル部材の外径面に向かって押し出され、弾性変形して
軸箱とノズル部材との隙間を密封する。そのため、軸箱
に対してノズル部材が若干の隙間嵌めとなっていても、
この隙間からエアオイルが漏れることがなく、少量のエ
ア流れでもエアオイルを確実にノズル孔へ供給すること
ができる。
【0009】この発明において、上記環状密封部材が弾
性体からなり、上記エアオイル供給路出口における上記
環状密封部材の内方に、この環状密封部材よりもエアオ
イルの受圧面積の大きな環状部品を内外方向へ移動自在
に嵌合させても良い。このように構成することにより、
エアオイルの圧力を十分に受ける環状部品を介して、エ
アオイル圧力が環状密封部材を押し潰すように作用する
ので、軸箱とノズル部材間の隙間の密封をより確実に行
うことができる。
【0010】この発明における第3の発明のエアオイル
潤滑装置は、転がり軸受を嵌合した軸箱の内径面に、上
記転がり軸受へエアオイルを吐出するノズル部材を嵌合
させ、上記軸箱の内径面に開口するエアオイル供給路と
連通するエアオイル流入口を上記ノズル部材の外径面に
設けた転がり軸受のエアオイル潤滑装置において、上記
ノズル部材の外径面の全周または一部に、上記転がり軸
受側の端面に開口する弾性部材嵌合凹部を設け、この弾
性部材嵌合凹部に弾性部材を嵌合させ、この弾性部材に
上記エアオイル流入口を設けたものである。弾性部材
は、合成樹脂等からなるものである。この構成による
と、ノズル部材の軸箱への組み込み時においては、弾性
部材の外径面を軸箱内径より突出させず、緩み嵌め状態
として組み込むことができる。転がり軸受に予圧を与え
たときに、弾性部材が軸受外輪に押し付けられるように
しておくと、弾性部材が外径側へ弾性変形し、軸箱の内
径面に密接する。そのため、ノズル部材の組み込み作業
が容易に行え、また上記密接によって、弾性部材のエア
オイル流入口と軸箱のエアオイル供給路とを気密状態に
連通させることができる。したがって、搬送エア量が少
量であっても、ノズル部材と軸箱との嵌合隙間から漏れ
を生じることなくエアオイルをノズル部材に供給でき、
組立性を低下させることなく、エアオイルの漏れ防止が
行える。弾性部材は、軸受外輪に軸方向に押し付けられ
ることで、弾性部材嵌合凹部の底面にも密接状態となる
ため、弾性部材とノズル部材との接触部におけるエアオ
イルの漏れも防止される。
【0011】この発明において、上記弾性部材嵌合凹部
の底面は、上記転がり軸受から離れる側が大径となるテ
ーパ形状を成すものとしても良い。このようにテーパ形
状とした場合、軸受外輪を弾性部材側へ相対的に移動さ
せて予圧を与えると、弾性部材は、弾性部材嵌合凹部の
テーパ状底面の外径側へ移動し、軸箱の内径面およびノ
ズル部材の弾性部材嵌合凹部の底面に対して密接状態と
なる。そのため、弾性部材と軸箱内径面との接触部、お
よび弾性部材とノズル部材との接触部でエアオイルが漏
れることが、より確実に防止される。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明の第1の実施形態を図1
〜図3と共に説明する。転がり軸受1は、内輪2と外輪
3の転走面2a,3a間に複数の転動体4を介在させた
ものである。転動体4は、例えばボールからなり、保持
器5のポケット(図示せず)内に保持される。この転が
り軸受1の外輪3を嵌合した軸箱9の内径面には、転が
り軸受1へエアオイルを吐出するノズル部材6が嵌合さ
れる。軸箱9には、その内径面にエアオイル供給路出口
13bが開口するエアオイル供給路13が設けられる。
エアオイル供給路13は、軸箱9にエアオイル供給口1
3aを有する。エアオイル供給口13aは、圧縮した搬
送エアに潤滑油を混合させたエアオイルの供給源(図示
せず)に接続されている。ノズル部材6の外径面には、
エアオイル供給路13と連通するエアオイル流入口14
が設けられ、さらにその外径面にはエアオイル流入口1
4を囲む環状溝19が設けられる。ここでは環状溝19
を図1(B)に示すように円形としているが、エアオイ
ル流入口14の周囲で連続していれば良く、例えば方形
でも良い。この環状溝19の底部には、ノズル部材6の
ノズル孔8と連通した連通路20が設けられる。さら
に、環状溝19内には、沈み込み状態ではノズル部材6
の外径面から突出せず、連通路20から環状溝19内に
供給されるエアオイルの圧力により外径側へ移動して、
軸箱9の内径面とノズル部材6との隙間dを密封する環
状密封部材21が嵌合させてある。
【0013】環状密封部材21は、エアオイルに使用さ
れるエアの圧力で十分に変形を生じる弾性係数の小さい
材料、例えばゴム,軟質樹脂などからなる。環状密封部
材21の断面形状は、図示の例では、環状溝19の底面
側に向く面である裏面が平坦面となった形状とされ、詳
細には断面方形状とされている。
【0014】ノズル部材6は、外輪間座10と、この外
輪間座10の内周に設けられた環状の切欠凹部10aに
嵌合するノズル部材本体12とでなる。このように2部
材10,12でノズル部材6を構成することにより、ノ
ズル部材6の製作が容易になる。
【0015】上記環状溝19は、外輪間座10の外径面
に設けられる。ノズル孔8は、外輪間座10側のノズル
孔8Aと、これに続くノズル部材本体12側のノズル孔
8Bとでなる。連通路20は、ノズル孔8Aの1か所ま
たは複数箇所から分岐させてある。なお、ノズル部材本
体12は、外輪間座10を介さず直接に軸箱9の内径面
に嵌合させても良い。この場合には、上記環状溝19や
連通路20もノズル部材本体12に設ける。
【0016】転がり軸受1の内輪2の外径面には、転走
面2aに続く斜面部2bが設けられ、この斜面部2bに
所定の隙間を持って上記ノズル部材本体12が沿わせて
ある。斜面部2bは、内輪2の幅面から転走面2aに続
いて設けられ、また内輪2の反負荷側(軸受背面側)の
外径面に設けられる。転がり軸受1がアンギュラ玉軸受
である場合、内輪2のステップを設ける部分の外径面が
上記斜面部2bとされる。
【0017】ノズル部材本体12は、その先端部12a
aを保持器5の内径面と内輪2の外径面の間における転
動体4の近傍に位置させる。ノズル部材本体12は、リ
ング状の部材であって、転がり軸受1に軸方向に隣接し
て設けられ、側面の内径部から軸方向に延びる鍔状部1
2aを有している。この鍔状部12aは、内径面が内輪
2の斜面部2bと同一角度の傾斜面に形成されて、保持
器5の直下まで伸び、その先端がノズル部材本体12の
上記先端部12aaとなる。ノズル部材本体12の鍔状
部12aと内輪2の斜面部2bとの間の隙間は、内輪2
の軸との嵌合、および内輪2の温度上昇と遠心力による
膨張とを考慮し、運転中に接触しない範囲で出来るだけ
小さな寸法に設定される。ノズル部材本体12の軸受外
の部分の内径は、内輪間座11に対して接触しない程度
に近接している。
【0018】ノズル部材本体12は、内輪斜面部2bに
対面して開口するエアオイルの吐出溝7を有し、この吐
出溝7に吐出口8aが開口するノズル孔8Bが設けられ
ている。吐出溝7は円周方向に延び、環状に形成されて
いる。ノズル孔8Bは、ノズル部材本体12の円周方向
の1か所または複数箇所に設けられている。ノズル孔8
Bは、吐出したエアオイルが内輪斜面部2bに直接に吹
き付け可能なように、吐出口8aの吐出方向を斜面部2
bに向け、かつ斜面部2bに対して吐出方向が傾斜角度
βを持つように設けられている。吐出溝7は、ノズル孔
8Bから斜面部2bへの直接の吹き付けを阻害しない断
面形状とされている。ノズル孔8Bは、その吐出口8a
の近傍部8bが一般部よりも小径の絞り孔に形成されて
いる。
【0019】図3は、図1の実施形態にかかる転がり軸
受のエアオイル潤滑装置を応用したスピンドル装置の一
例を示す。このスピンドル装置は、工作機械に応用され
るものであり、主軸15の端部に工具またはワークのチ
ャックが取付けられる。主軸15は、軸方向に離れた複
数の転がり軸受1により支持されており、これらの転が
り軸受1に、図1のエアオイル潤滑装置が採用されてい
る。各転がり軸受1の内輪2は主軸15の外径面に嵌合
し、外輪3は軸箱9の内径面に嵌合している。これら内
外輪2,3は、内輪押さえ25および外輪押さえ26に
より、軸箱9内に固定されている。軸箱9は、内周ハウ
ジング9Aと外周ハウジング9Bの二重構造とされ、内
外のハウジング9A,9B間に冷却媒体流路16が形成
されている。内周ハウジング9Aは、その一部を図1に
示したものであり、上記エアオイル供給路13およびそ
のエアオイル供給口13aが設けられている。軸箱9
は、支持台17に設置され、ボルト18で固定されてい
る。軸箱9には、内径面における軸受1の設置部近傍に
エアオイル排気溝22が設けられ、このエアオイル排気
溝22から大気に開放されるエアオイル排気路23が設
けられる。
【0020】上記構成のエアオイル潤滑装置の作用を説
明する。図1のエアオイル供給口13aより供給された
エアオイルは、ノズル部材6のノズル孔8を経て内輪2
の斜面部2bに噴射される。斜面部2bに噴射されたエ
アオイルは、次の形態で軸受1の潤滑に寄与する。内輪
斜面部2bとノズル部材本体12間の隙間を経て、吹き
付け力によって直接に軸受1の内部に流入する。内輪斜
面部2bに付着した潤滑油は、その表面張力と遠心力に
より生じる斜面大径側への分力により、軸受1の内部へ
流入する。円周溝状の吐出溝7に滞留するエアオイル
は、内輪斜面部2bとノズル部材本体12間の隙間で生
じる負圧吸引作用により軸受内部側へ流れ、ノズル部材
本体12の先端部12aaから遠心力により転動体4ま
たは保持器7の内径面に付着し、軸受各部の潤滑油とし
て寄与する。
【0021】このように、内輪2の斜面部2bにエアオ
イルを供給し、転動体4の転走経路へは直接にエアオイ
ルを噴出させないため、転動体4の公転による風切り音
の発生がなく、騒音が低下する。また、エアの噴射によ
るオイル供給ではなく、内輪2の斜面部2bに供給され
たエアオイルを内輪2の回転で軸受1内に導くようにし
たため、使用するエアは、内輪2の斜面部2bまでオイ
ルを搬送する役目で良く、使用量を減らせる。そのため
エア量削減による省エネ効果も期待できる。
【0022】つぎに、軸箱9のエアオイル供給路13と
ノズル部材6との連通部のシールにつき説明する。装置
組立時において、環状密封部材21は、ノズル部材6の
外径面から突出しないように環状溝19内に沈み込み状
態で嵌合させるので、軸箱9の内径面にノズル部材6を
嵌合させる組み付け作業において、環状密封部材21が
噛み込むことがなく、組み付け作業性が悪くなることが
ない。また、軸箱9に対してノズル部材6は隙間嵌めと
するため、ノズル部材6の組み込みが容易である。
【0023】運転開始時に、エアオイル供給路13に導
入されたエア流は、そのほとんどがノズル部材6のノズ
ル孔8内に流入し、ノズル孔8内の圧力を増加させる。
したがって、図1において、運転開始直後には、環状密
封部材21の下部は上部より高圧となる。このため、環
状密封部材21は、環状溝19から上方向に押し出さ
れ、軸箱9の内径面に接触する(図2)。環状密封部材
21は、弾性率の低い材料で製作されているため、弾性
変形を生じ、軸箱9の内径面とノズル部材6の環状溝1
9内とに密着する。このように、環状密封部材21が軸
箱9の内径面に密着して軸箱9の内径面とノズル部材本
体12との隙間dを密封し、エア流の流路を密封する。
したがって、軸箱9に対してノズル部材6が若干の隙間
嵌めとなっていても、この隙間dからエアオイルが漏れ
ることはなく、少量のエア流れでもエアオイルを確実に
ノズル部材6のノズル孔8へ供給することができる。
【0024】この実施形態では、環状密封部材21を、
環状溝19の底面側に向く面である裏面が平坦面となっ
た断面方形状としているので、ノズル孔8から連通路2
0を経て環状溝19内に流入するエアオイルの圧力が、
環状密封部材21をノズル部材6の外径側に押し出す力
として効果的に環状密封部材21に作用することにな
り、上記隙間dをより確実に密封することができる。
【0025】図4は、この発明の他の実施形態にかかる
転がり軸受のエアオイル潤滑装置を示す。この例は、上
記環状密封部材21を、裏面が平坦面となった断面半円
状のものとしている。その他の構成は、図1および図2
に示した第1の実施形態と同じである。この実施形態の
場合も、環状密封部材21の裏面が平坦面であるため、
ノズル孔8から環状溝19内に流入するエアオイルの圧
力が、環状密封部材21をノズル部材6の外径側に押し
出す力として効果的に作用する。また、環状密封部材2
1が断面半円状であるため、軸箱9の内径面に沿って圧
縮変形して密に接触し易く、高い密封性が得られる。
【0026】図5は、この発明のさらに他の実施形態に
かかる転がり軸受のエアオイル潤滑装置を示す。この例
では、上記環状密封部材21を、裏面が凹面となった断
面円弧状のものとしている。その他の構成は、図1およ
び図2に示した第1の実施形態と同じである。この実施
形態では、環状密封部材21の裏面を凹面としたため、
エアオイルの圧力が環状密封部材21によって一層受け
易くなる。また、環状密封部材21がエアオイル圧によ
って、断面が広がるように弾性変形し、環状溝19の内
面に押し付けられる。そのため、密封性がさらに向上す
る。
【0027】図6はこの発明における第2の発明に対応
する実施形態を示す。この実施形態は、図1および図2
に示した第1の実施形態において、環状溝19,連通路
20および環状密封部材21を設けた構成に代えて、次
の構成を備えたものである。すなわち、ノズル部材6の
外径面に開口するノズル孔8のエアオイル流入口14に
対向して軸箱内径面に開口したエアオイル供給路出口1
3bの内周に、軸箱9の内径面とノズル部材6の外径面
との隙間dを密封する環状密封部材31を設ける。この
環状密封部材31は、導入されたエアオイルの圧力によ
ってノズル部材6側へ移動し、軸箱9の内径面とノズル
部材6の外径面との隙間dを密封する部材である。
【0028】エアオイル供給路出口13bは、ノズル孔
8のエアオイル流入口14と同心状に配置され、エアオ
イル流入口14より大きく形成されている。環状密封部
材31は、エアオイルに使用されるエアの圧力で十分に
変形可能な弾性係数の小さい材料、例えばゴム,軟質樹
脂等からなり、裏面が平坦面となった断面方形状のもの
とされている。なお、環状密封部材31の外周面には、
エアオイル供給路出口13bの内壁面での移動が円滑と
なるように、グリース等の潤滑剤を塗布しても良い。こ
の実施形態におけるその他の構成は、図1および図2に
示した第1の実施形態と同じである。
【0029】この構成の場合、エアオイル供給を開始す
ると、エアオイル供給路13のエアオイルの圧力によ
り、図7のように環状密封部材31がノズル部材6の外
径面側に押し出される。これにより、環状密封部材31
がノズル部材6の外径面におけるエアオイル流入口14
の周囲に密着して、軸箱9の内径面とノズル部材6との
隙間dが密封される。したがって、軸箱9に対してノズ
ル部材6が若干の隙間嵌めとなっていても、この隙間d
からエアオイルの漏れを生じることがなく、少量のエア
流れでもエアオイルを確実にノズル孔8へ供給すること
ができる。組立過程において、環状密封部材31は、軸
箱9の内径面側に突出しないようにエアオイル供給路出
口13bの内周に設けられるので、軸箱9の内径面にノ
ズル部材6を嵌合させる組み付け作業において、環状密
封部材31が噛み込むことがなく、組み付け作業性が悪
くなることもない。
【0030】図8は、この発明のさらに他の実施形態に
かかる転がり軸受のエアオイル潤滑装置を示す。この例
は、図7の実施形態において、環状密封部材31を、外
径側に向く面である表面が平坦面となった断面半円状の
ものとしている。その他の構成は、図7に示した実施形
態と同じである。この実施形態では、環状密封部材31
の裏面が平坦面であるため、エアオイル供給路13のエ
アオイルの圧力が環状密封部材31を押し出す力として
効果的に作用する。また、環状密封部材31が断面半円
状であるため、ノズル部材6の外径面に沿って圧縮変形
して密に接触し易く、高い密封性が得られる。
【0031】図9は、この発明のさらに他の実施形態に
かかる転がり軸受のエアオイル潤滑装置を示す。この例
は、図7の実施形態において、環状密封部材31を、表
面が凹面となった断面円弧状のものとしている。その他
の構成は、図7に示した実施形態と同じである。この実
施形態では、エアオイルの圧力で環状密封部材31がエ
アオイル供給路13の内壁面に押し付けられるように拡
径する状態となるので、軸箱9とノズル部材6間の隙間
dの密封をより確実に行うことができる。
【0032】図10は、この発明のさらに他の実施形態
にかかる転がり軸受のエアオイル潤滑装置を示す。この
実施形態は、図7に示した実施形態において、エアオイ
ル供給路出口13bの内周の環状密封部材31の内方
に、この環状密封部材31よりもエアオイルの受圧面積
の大きな剛体からなる環状部品32を、内外方向つまり
ノズル部材6の外径面に対して接近・離反する方向へ移
動自在に嵌合させたものである。環状密封部材31は断
面円形のものとしている。環状部品32は、環状密封部
材31の内径側に遊嵌するボス部32aと、環状密封部
材31にエアオイル供給路出口13bの上流側から被さ
るフランジ部32bとを有するものとしている。その他
の構成は、図7に示した実施形態と同じである。
【0033】この実施形態では、受圧面積の大きい環状
部品32により、エアオイル供給路13内のエアオイル
の圧力を受け、この環状部品32が環状密封部材31を
押し潰すように作用するので、軸箱9とノズル部材6間
の隙間dの密封をより確実に行うことができる。環状部
品32のボス部32aの先端は、エアオイル供給時には
軸箱9の内径面から突出するが、エアオイル遮断時には
環状密封部材31の弾性復元作用によってボス32aの
先端はエアオイル供給路出口13b内に没入する。この
ため、組立・分解時に環状部品32が引っ掛かることが
ない。
【0034】なお、上記各実施形態では、軸受内に挿入
されたノズル部材6から内輪2の傾斜部2bにエアオイ
ルを噴射するノズル構造としたが、これに限らず、例え
ばノズル部材のノズル孔から軸受軌道面に対して直接に
エアオイルを噴射するノズル構造(例えば図19の例)
の場合にも、この発明を適用することができる。
【0035】図11および図12はこの発明における第
3の発明に対応する実施形態を示す。この実施形態は、
図1および図2に示した第1の実施形態において、環状
溝19,連通路20および環状密封部材21を設けた構
成に代えて、次の構成を備えたものである。すなわち、
ノズル部材6の外径面の全周または一部に、転がり軸受
1側の端面に開口する弾性部材嵌合凹部33を設ける。
この弾性部材嵌合凹部33に弾性部材34が嵌合し、こ
の弾性部材34に、軸箱9側のエアオイル供給路出口1
3bに対向するエアオイル流入口14が設けられる。弾
性部材嵌合凹部33の底面は、転がり軸受1から離れる
側が大径となるテーパ形状を成す。弾性部材34は、例
えば樹脂製とされ、その外径は、弾性部材嵌合凹部33
に止まり嵌め程度に嵌合させたときに、弾性部材34の
外径面と軸箱9の内径面との間に僅かな隙間が生じる大
きさとされている。また、弾性部材34は、この嵌合状
態で、ノズル部材6の転がり軸受1側に向く端面(ただ
し、軸受外輪3の幅面に当接する端面部分)よりも軸方
向に長さδだけ突出するようにされている。上記ノズル
部材6の軸受外輪3に当接する端面部分は、この実施形
態では外輪間座10となる部分に形成されている。この
実施形態におけるその他の構成は、図1および図2に示
した第1の実施形態と同じである。
【0036】この構成の場合、図11のように組み込み
過程において、ノズル部材6のテーパ状の弾性部材嵌合
凹部33に弾性部材34を嵌合させ、このノズル部材6
を転がり軸受1と一緒に軸箱9の内径面に組み込む。こ
の後、転がり軸受1に予圧を与える。上記組み込み時に
おいて、弾性部材34は、ノズル部材6の外径面より小
径であり、弾性部材34の嵌合したノズル部材6と軸箱
9とは径方向にルーズとなり、組み立てが容易に行え
る。この後、図12のように、外輪3を外輪間座10の
端面に押し当てることで軸受予圧を設定すると、弾性部
材34は、長さδの突出部分が押し込まれ、外輪間座1
0の弾性部材嵌合凹部33におけるテーパ状の底面と軸
箱9の内径面との間に構成されるくさび状空間に食い込
む。その結果、弾性部材34と軸箱9の間、および弾性
部材34と弾性部材嵌合凹部33の底面の間に隙間がな
くなり、運転時にエアオイルをノズル孔8に通したとき
の漏れが抑えられる。また、コスト低減効果に関して、
外輪間座10と軸箱9の嵌合面においてエアオイルを密
封する役割が不要となるため、外輪間座10の外径公差
が広くなり、加工コストが低減する。
【0037】図13および図14は、第3の発明におけ
る他の実施形態にかかる転がり軸受のエアオイル潤滑装
置を示す。この実施形態は、図19に示した従来のエア
オイル潤滑軸受に、図11および図12に示したエアオ
イル潤滑装置を適用したものである。すなわち、外輪間
座を兼ねるノズル部材6に直接にノズル孔8が形成さ
れ、そのノズル部材6の外径面に弾性部材嵌合凹部33
が設けられている。ノズル部材6は、軸受隙間内に突出
する鍔状部を有しておらず、ノズル孔8の吐出口8a
は、転がり軸受1の外部に位置している。軸箱9のエア
オイル供給路13から供給されるエアオイルは、弾性部
材34のエアオイル流入口14を経て、ノズル孔8の吐
出口8aから転がり軸受1の内輪2の転走面2aに向け
て噴射される。その他の構成、例えば弾性部材嵌合凹部
33がテーパ形状であること等は、図11および図12
に示す実施形態と同じである。
【0038】図15〜図17は、それぞれこの発明のさ
らに他の実施形態を示す。まず、これら図15〜図17
の実施形態のグループの共通の特徴および課題を説明す
る。これらの実施形態グループに用いられている転がり
軸受1は、外輪3に、軸箱9内で転がり軸受1の位置決
めをする際に間座または蓋等によって押し込むためのフ
ランジ3bを設けたものである。フランジ3bは、外輪
2の外径面の一端に設けてある。転がり軸受1がアンギ
ュラ玉軸受である場合、例えば外輪3の内径面のカウン
タボア側の端部に上記フランジ3bが設けられる。外輪
3の外径面には、外輪間座10,37が隙間嵌め状態に
嵌合する。この外輪間座は、図15の例のようにノズル
部材兼用の外輪間座10であっても良く、また図16,
図17の例のようにノズル部材となる外輪間座ピースで
あっても良い。上記隙間嵌めの外輪間座10,37は、
ねじ、リベット等の固着具により上記フランジ3bに結
合し、外輪3と一体化する。
【0039】これらの実施形態グループにおける軸受
は、各種の回転部、特に、高速回転する工作機械に適用
されるアンギュラ玉軸受等とされる。共通の課題を説明
する。工作機械主軸に適用されるアンギュラ玉軸受は、
通常、外輪外径と軸箱内径の嵌め合いは、隙間嵌めで用
いられ、外輪端面を蓋または間座等で押し込むことによ
り軸方向の位置を決める。しかし、軸受のアキシアル方
向の押さえ代や、ボルトの締め付けトルクなどによって
は、軸受外輪転走面の真円度が崩れ、高速回転のとき、
振動や温度上昇の原因となることがある。これらの実施
形態グループは、このような課題を解決するものであ
る。すなわち、軸受外輪3に半径方向のフランジ3bを
設け、ここに、エアオイルのノズルを設けた外輪間座を
組付けている。また外輪間座と外輪外径面とは隙間嵌め
としている。この軸受ユニットを、軸箱9に組み込み、
位置決めする際に、外輪3に設けたフランジ3bまたは
外輪間座を押し込むことで、外輪転走面付近に歪みが発
生しない。そのため、振動,騒音の原因となる転走面の
真円度の崩れを防ぐことができる。
【0040】これら図15〜図17の実施形態グループ
における転がり軸受のエアオイル潤滑装置では、エアオ
イルの漏れ防止の構成についての図示を省略したが、図
1ないし図10に各実施形態に示した漏れ防止の構成、
例えば図1の連通路20と環状密封部材21、図6〜図
10の環状密封部材31、図11の弾性部材嵌合凹部3
3と弾性部材34の構成等は、図15〜図17の各実施
形態においても適用することができる。
【0041】図15〜図17に示した個々の実施形態を
説明する。図15の実施形態は、軸箱9のエアオイル供
給路13より、外輪間座10を兼ねるノズル部材6に形
成されたノズル孔8に供給されるエアオイルが、ノズル
孔8の吐出口8aから内輪2の転走面2aに向けて噴射
される。軸受1の外輪3には外径側に張り出すフランジ
部3bが一体形成されており、そのフランジ部3bを、
軸受外輪3を挟んで軸方向に配置される2つの外輪間座
10,36の端面でアキシアル方向に押さえることによ
り、外輪3が位置決めされる。外輪3のフランジ部3b
を除く部分の外径面とその外径側に位置する外輪間座1
0であるノズル部材6の内径面との間には所定の正の隙
間d1が与えられている。また、外輪3のノズル部材6
側に向く端面とこれに対向するノズル部材6の端面との
間にも所定の正の隙間d2が与えられている。
【0042】この軸受1では、外輪3に一体形成したフ
ランジ部3bを、外輪3を挟んで軸方向に並ぶ2つの外
輪間座6,36の端面でアキシアル方向に押さえて外輪
3を位置決めするようにしているので、位置決め時に外
輪3の転走面3aの真円度が崩れて、高速回転における
振動や温度上昇の原因になるのを防止することができ
る。
【0043】図16の実施形態における軸受1は、外輪
3に外径側に張り出すフランジ部3bが一体形成され、
このフランジ部3bに対して、ノズル部材となる外輪間
座ピース37がビス38により締結されている。ビス3
8によらず、リベットや溶接により一体化してもよい。
外輪間座ピース37は、前記フランジ部3bに接続され
る横向き部37aと内径方向に延びる立向き部37bと
からなる断面L字状の環状部材であって、外輪3のフラ
ンジ部3bを除く部分の外径面から一端面を覆うように
配置される。外輪間座ピース37における横向き部37
aの内径面と外輪3の外径面との間には所定の正の隙間
d1が与えられ、また立向き部37bとこれに対向する
外輪3の端面との間にも所定の正の隙間d2が与えられ
ている。軸箱9にはその内径面に開口するエアオイル供
給路出口13bを有するエアオイル供給路13が設けら
れ、前記外輪間座ピース37の立向き部37bには、そ
の外径面に開口するエアオイル流入口14を有するノズ
ル孔8が設けられ、前記エアオイル供給路13から供給
されるエアオイルがノズル孔8の吐出口8aから内輪2
の転走面2aに向けて噴射される。内輪2の幅寸法は、
外輪3と外輪間座ピース37とを組み合わせた部材の幅
寸法に合わせて設定される。このアンギュラ玉軸受1の
外輪3の軸箱9への組付けにおいては、軸受1を挟んで
軸方向に配置される2つの外輪間座10,36の端面で
前記外輪間座ピース37およびフランズ部3bをアキシ
アル方向に押さえることにより、外輪3が位置決めされ
る。
【0044】この実施形態では、外輪3に取り付ける外
輪間座ピース37にノズル孔8を設けているので、別体
の外輪間座にノズル孔を形成する場合よりも装置全体を
小型化できる。また、外輪3と外輪間座ピース37とを
組み合わせた部材の幅寸法に合わせて内輪2の幅寸法を
設定しているので、他の構造のアンギュラ玉軸受と互換
性が得られ、汎用性が高まる。
【0045】図17の実施形態は、図16の実施形態に
おける外輪間座ピース37に設けるノズル構造および内
輪2の構造を、図1および図2に示す実施形態と同様の
構成としている。その他の構成は図16の実施形態と同
じである。
【0046】図18は、ノズルを設けない場合の参考提
案例である。この提案例は、図15の実施形態におい
て、外輪間座兼用のノズル部材6を単なる外輪間座10
に置き換えたものである。
【0047】なお、上記各実施形態では、狭義のエアオ
イル潤滑の場合を示したが、この発明はオイルミスト潤
滑の場合でも上記と同様に適用可能である。特許請求の
範囲で言う「エアオイル」は、一般に言うエアオイルの
他に、オイルミストを含む意味である。
【0048】
【発明の効果】この発明における第1の発明の転がり軸
受のエアオイル潤滑装置は、転がり軸受を嵌合した軸箱
の内径面に、上記転がり軸受へエアオイルを吐出するノ
ズル部材を嵌合させ、上記軸箱の内径面に開口するエア
オイル供給路と連通するエアオイル流入口を上記ノズル
部材の外径面に設け、上記ノズル部材の外径面に、上記
エアオイル流入口を囲む環状溝を設け、この環状溝の底
部に上記ノズル部材におけるノズル孔と連通した連通路
を設け、上記環状溝内に、沈み込み状態では上記ノズル
部材の外径面から突出せず、上記連通路から環状溝内に
供給されるエアオイルの圧力により外径側へ移動して上
記軸箱の内径面とノズル部材との隙間を密封する環状密
封部材を嵌合させたため、軸箱に対してノズル部材が若
干の隙間嵌めとなっていても、この隙間からエアオイル
が漏れることが防止でき、少量のエア流れでもエアオイ
ルを確実にノズル部材に供給することができる。そのた
め、組立性を低下させることなく、エア量が少量である
場合の漏れ防止性が高められる。上記環状密封部材の上
記環状溝底面側に向く面である裏面を平坦面または凹面
とした場合は、軸箱の内径面とノズル部材本体との隙間
をより一層確実に密封することができる。この発明にお
ける第2の発明の転がり軸受のエアオイル潤滑装置は、
転がり軸受を嵌合した軸箱の内径面に、上記転がり軸受
へエアオイルを吐出するノズル部材を嵌合させ、このノ
ズル部材の外径面に設けられたエアオイル流入口と連通
するエアオイル供給路出口を、上記軸箱の内径面に設
け、上記エアオイル供給路出口の内壁面に、導入された
エアオイルの圧力によって上記ノズル部材側へ移動し、
軸箱の内径面とノズル部材の外径面との隙間を密封する
環状密封部材を設けたため、軸箱に対してノズル部材が
若干の隙間嵌めとなっていても、この隙間からエアオイ
ルが漏れることが防止でき、少量のエア流れでもエアオ
イルを確実にノズル部材に供給することができる。その
ため、組立性を低下させることなく、エア量が少量であ
る場合の漏れ防止性が高められる。上記環状密封部材が
弾性体からなり、上記エアオイル供給路出口における上
記環状密封部材の内方に、この環状密封部材よりもエア
オイルの受圧面積の大きな環状部品を内外方向へ移動自
在に嵌合させた場合は、軸箱とノズル部材間の隙間の密
封をより一層確実に行うことができる。この発明におけ
る第3の発明の転がり軸受のエアオイル潤滑装置は、転
がり軸受を嵌合した軸箱の内径面に、上記転がり軸受へ
エアオイルを吐出するノズル部材を嵌合させ、上記軸箱
の内径面に開口するエアオイル供給路と連通するエアオ
イル流入口を上記ノズル部材の外径面に設けた転がり軸
受のエアオイル潤滑装置において、上記ノズル部材の外
径面の全周または一部に、上記転がり軸受側の端面に開
口する弾性部材嵌合凹部を設け、この弾性部材嵌合凹部
に弾性部材を嵌合させ、この弾性部材に上記エアオイル
流入口を設けたため、ノズル部材や弾性部材の組み込み
時は緩み状態、運転時は密着状態となり、組立性を低下
させることなく、エア量が少量である場合の漏れ防止性
が高められる。上記弾性部材嵌合凹部の底面が、上記転
がり軸受から離れる側が大径となるテーパ形状を成すも
のとした場合は、軸受予圧時に弾性部材が弾性部材嵌合
凹部の大径側へ軸方向移動することで、より密着が確実
となり、組立の容易性確保と、エアオイルの漏れ防止の
両立がより一層良好に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はこの発明の第1の実施形態にかかる転
がり軸受のエアオイル潤滑装置の断面図、(B)は
(A)におけるI−I矢視平面図である。
【図2】同エアオイル潤滑装置の使用状態を示す断面図
である。
【図3】同エアオイル潤滑装置を採用したスピンドル装
置の断面図である。
【図4】この発明の他の実施形態にかかる転がり軸受の
エアオイル潤滑装置の断面図である。
【図5】この発明のさらに他の実施形態にかかる転がり
軸受のエアオイル潤滑装置の断面図である。
【図6】この発明のさらに他の実施形態にかかる転がり
軸受のエアオイル潤滑装置の断面図である。
【図7】同エアオイル潤滑装置の使用状態を示す部分拡
大断面図である。
【図8】この発明のさらに他の実施形態にかかる転がり
軸受のエアオイル潤滑装置の断面図である。
【図9】この発明のさらに他の実施形態にかかる転がり
軸受のエアオイル潤滑装置の断面図である。
【図10】この発明のさらに他の実施形態にかかる転が
り軸受のエアオイル潤滑装置の断面図である。
【図11】この発明のさらに他の実施形態にかかる転が
り軸受のエアオイル潤滑装置の組み立て過程を示す要部
拡大断面図である。
【図12】同エアオイル潤滑装置の断面図である。
【図13】この発明のさらに他の実施形態にかかる転が
り軸受のエアオイル潤滑装置の組み立て過程を示す要部
拡大断面図である。
【図14】同エアオイル潤滑装置の断面図である。
【図15】この発明のさらに他の実施形態にかかる転が
り軸受のエアオイル潤滑装置の断面図である。
【図16】この発明のさらに他の実施形態にかかる転が
り軸受のエアオイル潤滑装置の断面図である。
【図17】この発明のさらに他の実施形態にかかる転が
り軸受のエアオイル潤滑装置の断面図である。
【図18】アンギュラ玉軸受の設置構造の参考提案例を
示す断面図である。
【図19】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1…転がり軸受 6…ノズル部材 9…軸箱 10…外輪間座 10a…切欠凹部 12…ノズル部材本体 13…エアオイル供給路 13b…エアオイル供給路出口 14…エアオイル流入口 19…環状溝 20…連通路 21…環状密封部材 31…環状密封部材 32…環状部品 33…弾性部材嵌合凹部 34…弾性部材
フロントページの続き Fターム(参考) 3C011 FF06 3C048 CC04 DD13 EE02 3J101 AA02 AA32 AA42 AA54 AA62 BA77 CA07 CA08 FA13 FA32 GA31

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転がり軸受を嵌合した軸箱の内径面に、
    上記転がり軸受へエアオイルを吐出するノズル部材を嵌
    合させ、上記軸箱の内径面に開口するエアオイル供給路
    と連通するエアオイル流入口を上記ノズル部材の外径面
    に設け、上記ノズル部材の外径面に、上記エアオイル流
    入口を囲む環状溝を設け、この環状溝の底部に上記ノズ
    ル部材におけるノズル孔と連通した連通路を設け、上記
    環状溝内に、沈み込み状態では上記ノズル部材の外径面
    から突出せず、上記連通路から環状溝内に供給されるエ
    アオイルの圧力により外径側へ移動して上記軸箱の内径
    面とノズル部材との隙間を密封する環状密封部材を嵌合
    させた転がり軸受のエアオイル潤滑装置。
  2. 【請求項2】 上記環状密封部材の上記環状溝底面側に
    向く面である裏面が平坦面または凹面である請求項1に
    記載の転がり軸受のエアオイル潤滑装置。
  3. 【請求項3】 上記ノズル部材は、外輪間座と、この外
    輪間座の内周に設けられた切欠凹部に嵌合するノズル部
    材本体とでなり、上記環状溝は上記外輪間座の外径面に
    設けた請求項1または請求項2記載の転がり軸受のエア
    オイル潤滑装置。
  4. 【請求項4】 転がり軸受を嵌合した軸箱の内径面に、
    上記転がり軸受へエアオイルを吐出するノズル部材を嵌
    合させ、このノズル部材の外径面に設けられたエアオイ
    ル流入口と連通するエアオイル供給路出口を、上記軸箱
    の内径面に設け、上記エアオイル供給路出口の内周に、
    導入されたエアオイルの圧力によって上記ノズル部材側
    へ移動し、軸箱の内径面とノズル部材の外径面との隙間
    を密封する環状密封部材を設けた転がり軸受のエアオイ
    ル潤滑装置。
  5. 【請求項5】 上記環状密封部材が弾性体からなり、上
    記エアオイル供給路出口における上記環状密封部材の内
    方に、この環状密封部材よりもエアオイルの受圧面積の
    大きな環状部品を内外方向へ移動自在に嵌合させた請求
    項4に記載のエアオイル潤滑装置。
  6. 【請求項6】 転がり軸受を嵌合した軸箱の内径面に、
    上記転がり軸受へエアオイルを吐出するノズル部材を嵌
    合させ、上記軸箱の内径面に開口するエアオイル供給路
    と連通するエアオイル流入口を上記ノズル部材の外径面
    に設けた転がり軸受のエアオイル潤滑装置において、上
    記ノズル部材の外径面の全周または一部に、上記転がり
    軸受側の端面に開口する弾性部材嵌合凹部を設け、この
    弾性部材嵌合凹部に弾性部材を嵌合させ、この弾性部材
    に上記エアオイル流入口を設けた転がり軸受のエアオイ
    ル潤滑装置。
  7. 【請求項7】 上記弾性部材嵌合凹部の底面は、上記転
    がり軸受から離れる側が大径となるテーパ形状を成す請
    求項6に記載の転がり軸受のエアオイル潤滑装置。
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