JP2003043960A - 印刷体 - Google Patents

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JP2003043960A
JP2003043960A JP2001235486A JP2001235486A JP2003043960A JP 2003043960 A JP2003043960 A JP 2003043960A JP 2001235486 A JP2001235486 A JP 2001235486A JP 2001235486 A JP2001235486 A JP 2001235486A JP 2003043960 A JP2003043960 A JP 2003043960A
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JP2001235486A
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Toshiro Sakuma
敏郎 佐久間
Masahiro Ito
正宏 伊藤
Nobushige Shigaya
信重 志萱
Takeshi Fukaya
剛 深谷
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Taiyo Seisakusho Co Ltd
Toppan Infomedia Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Magnetic Printing Co Ltd
Taiyo Seisakusho Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程が簡便で、任意の図柄を小ロット、
低コストで形成することが可能で、かつ、長期に亘って
防汚性(耐候性、耐汚染性)に極めて優れ、特に広告看
板などの屋外表示板に好適に適用される印刷体を提供す
る。 【解決手段】 基材の一方の面上に、所望によりプライ
マー層を介して、光触媒機能を有する金属酸化物を含有
する防汚層を少なくとも有し、かつ、昇華転写印刷法に
より、防汚層の表面から内部を透過して基材に画像を転
写形成してなる印刷体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印刷体に関する。さ
らに詳しくは、製造工程が簡便で、かつ、耐候性、耐汚
染性に優れる印刷体に関する。本発明は特に広告掲示板
などの屋外表示板に好適に適用される。
【0002】
【従来の技術】従来、広告掲示板や道路標識等の印刷体
では、印刷画像の形成においてインクジェット印刷法や
昇華転写印刷法等が用いられている。
【0003】インクジェット印刷法では、水性あるいは
非水性のインクを、該インクと親和性を有する印刷対象
物(印刷体基材)上に射出し、画像を形成する。このよ
うにして画像形成された印刷体は、一般に耐水性、耐候
性に劣るため、画像形成後、印刷体表面にフッ素フィル
ムや塩化ビニルフィルム等の撥水性フィルムをラミネー
トする必要がある。しかしながらこれらの撥水性フィル
ムは、耐久性こそあるものの、汚れを防止するという点
において十分でない。特に排気ガス等の親油性の汚れに
対して防汚性が低く、交通量の多い道路等ではすぐに表
面に排気ガスの煤煙が付着して汚染され、外観の美麗さ
を長期間維持することができないという問題がある。ま
た、フッ素フィルム等は、水や油に対する接触角が大き
いため、雨水などが付着した場合、付着した雨水が流れ
落ちる部分だけ汚れが流れ落ちて雨跡模様が生じ、外観
の美麗さを損うという欠点がある。
【0004】一方、昇華転写印刷法では、感熱昇華転写
インク等の昇華性染色剤をインクジェットプリンター等
で転写紙に印刷して原画を作成し、この原画を印刷対象
物(印刷体基材)表面に接触・加熱することにより、染
色剤を昇華または蒸発させて、印刷体基材に画像を転写
する。このとき、印刷体基材に染色剤が染み込んで転写
印刷像が形成される。昇華転写印刷法は、インクジェッ
ト印刷法に比べ耐水性、耐候性に優れ、フッ素フィルム
や塩化ビニルフィルム等をラミネートする必要がなく、
製造工程の簡略化を図ることができる。しかしながら、
印刷体基材として染色剤が染み込みやすい材料、すなわ
ち該染色剤と親和性のある親水性の材料を用いる必要が
ある。この場合、基材表面に原画を接触・加熱して転写
すると、基材の表面〜内部に染色剤が捕捉されやすいと
いう問題がある。したがって、かかる親水性材料とし
て、防汚機能を有するものを用いた場合であっても、基
材表面〜内部に捕捉されて残留、滞留する補染色剤の影
響で十分な防汚機能を発揮することができないという不
具合がある。
【0005】特開平9−230810号公報には、防汚
性に優れた表示板として、光触媒粒子を含有する防汚層
を基材上に設けた親水性型の屋外表示板が開示されてい
る。該表示版では、光照射により防汚層中の光触媒粒子
が光励起し、これにより表示板表面が超親水性を呈し、
これにより表面に付着した煤塵や汚染物を水洗や降雨に
よって洗い流すことができ、美匠性を長期にわたって維
持することが可能になる。
【0006】この屋外表示板に文字や絵柄等の画像を表
示する場合、基材上に画像を形成した後、その上に防汚
層を形成する必要があった。該防汚層を形成する方法と
しては、ゾル−ゲル塗布焼成法、有機チタネート法、電
子ビーム蒸着法等の他に、防汚層塗料を直接コーティン
グして形成する方法や、防汚層をコーティングした透明
フィルムを画像を形成した基材上に貼り付ける方法等が
ある。
【0007】しかしながら、このような方法は、基材上
に同一の図柄を大量に印刷した印刷体を製造する場合に
は合理的であるが、多種類の任意の図柄を、各種の形状
の基材に小ロットずつ形成するような場合には、新たに
特殊な防汚層形成装置を準備したり、その都度、印刷工
程、成膜工程を必要とするなど、製造コストの増大、製
造工程の複雑化を招き、不適である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたもので、昇華転写印刷法を利用して、製造
工程が簡便で、かつ、長期に亘って防汚性(耐候性、耐
汚染性)に極めて優れる印刷体を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、基材の一方の面上に、光触媒機能を有する
金属酸化物を含有する防汚層を少なくとも有し、かつ、
昇華転写印刷法により、防汚層の表面から内部を透過し
て基材に画像を転写形成してなる印刷体を提供する。
【0010】また本発明は、基材と防汚層との間に、無
機成分を含むプライマー層を介在させてなる、上記印刷
体を提供する。
【0011】また本発明は、基材の他方の面上に接着層
を設けてなる、上記いずれかの印刷体を提供する。
【0012】また本発明は、防汚層に含有される光触媒
機能を有する金属酸化物が二酸化チタンである、上記い
ずれかの印刷体を提供する。
【0013】また本発明は、基材が有機物からなるフィ
ルムである、上記いずれかの印刷体を提供する。
【0014】また本発明は、上記いずれかの印刷体を用
いてなる広告掲示板を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について添付図面を
参照しながら説明する。
【0016】図1は本発明の印刷体の一態様を示し、図
2はその製造方法の一例を模式的に示す図である。図
1、図2中、同一部分は同一符号を付す。
【0017】本発明の印刷体は、基材1の一方の面上に
防汚層2を有し、該基材1内には転写印刷画像3が染み
込み形成されている。
【0018】基材1は印刷体の支持体をなし、印刷体と
して支障のない程度の強度を有するとともに、屋外や太
陽光暴露に耐え得る特性劣化の少ない材料が選ばれる。
このようなものとしては、例えば金属、セラミック、プ
ラスチック等が用いられ得るが、本発明では、昇華性イ
ンクを吸収し受像する役割を有することから、プラスチ
ック等の有機物からなるものが好ましく用いられる。さ
らには、昇華性インク(染色剤)との化学吸着力、親和
力、相溶性に優れるものが望ましいため、ポリエステル
や、エポキシ基、ウレタン基を含むものが好適に使用さ
れる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリエチレンナフタレート、アクリル、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミド、ポ
リエーテルイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が例示される。
【0019】基材1は透明であっても、あるいは着色さ
れたものであってもかまわないが、形成された印刷像3
とのコントラストの関係から白色のものが多用される。
【0020】なお、該基材1中に、紫外線による劣化や
表面のひび割れ、脆性等による破壊を防止するために、
耐候性向上剤を含有させてもよい。耐候性向上剤として
は、例えばベンゾフェノール系、ベンゾトリアゾール
系、シュウ酸アニリド系、シアノアクリレート系、トリ
アジン系等の有機系紫外線吸収剤(UV-Absorbent)や、
ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)、励起エネルギー
吸収剤(Quencher)、ラジカル捕捉剤等が例示される
が、これらに限定されるものではない。耐候性向上剤
は、基材1中に含有させる代わりに、基材1上に耐候性
向上層として一層を設けてもよい。
【0021】基材1上には、光触媒機能を有する金属酸
化物を用いた防汚層2が設けられる。光触媒機能を有す
る金属酸化物としては、例えば二酸化チタン(アナター
ゼ型、ルチル型)、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三
酸化ビスマス、三酸化タングステン、チタン酸ストロン
チウム等が挙げられる。これらの中でも安定性、製造コ
スト等の点から、二酸化チタンが好ましい。これら金属
酸化物は1種または2種以上を用いることができる。
【0022】これら金属酸化物は、バインダー中に保持
されて防汚層2中に含有される。バインダーは光触媒機
能を有する金属酸化物による分解を起こさないためにも
無機物が好ましい。このような無機物としては、加水分
解性シラン誘導体等が好ましく用いられる。具体的に
は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジエト
キシジメトキシシラン、テトラクロロシラン、テトラブ
ロモシラン、シラノール、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン等が挙げられる。
【0023】上記防汚層2は、光の照射を受けると、そ
こに含まれる光触媒機能を有する金属酸化物がもつ光触
媒機能によって光励起し、これにより防汚層2の表面の
水との接触角が極めて低くなって高度に親水化される。
したがって、該防汚層2の表面の超親水性によって、防
汚層2の表面に付着した煤塵や汚染物を水洗や降雨によ
って洗い流すことが可能となる。
【0024】防汚層2における光触媒機能を有する金属
酸化物の含有量は、光照射により光触媒機能を発揮して
光励起を生じ、防汚性を発揮し得る量であればよく、通
常、防汚層2の全量中に10〜96重量%程度配合され
るのが好ましく、特には30〜70重量%程度である。
【0025】防汚層2の厚さは、特に限定されるもので
ないが、0.05〜1μm程度が好ましい。
【0026】本発明に係る上記構成の印刷体では、基材
1中に転写印刷画像3が染み込み形成されている。この
転写印刷画像3は、公知の昇華転写印刷法により形成さ
れる。
【0027】すなわち、例えば、図2に示すように、ま
ず、転写紙7上に転写印刷用の画像(原画)3’を形成
した原画基材8を用意する。
【0028】上記画像3’は、昇華性または蒸発性の染
色剤により形成する。昇華性または蒸発性の染色剤とし
ては、大気圧下、70〜260℃程度の温度で昇華また
は蒸発する染色剤が好ましく、例えばアゾ、アントラキ
ノン、キノフタロン、スチリル、ジフェニルメタン、ト
リフェニルメタン、オキサジン、トリアジン、キサンテ
ン、メチン、アゾメチン、チクリジン、ジアジン系等の
各染料が挙げられる。画像3’の形成は、これら昇華性
または蒸発性の染色剤を、静電画像捺染法や、インクジ
ェットプリンター、静電プリンター、オフセット印刷
等、任意の印刷手段により、転写紙7に印刷することに
より行うことができる。
【0029】そして、上述のように基材1上にあらかじ
め形成された防汚層2上に、上記原画基材8を載置して
画像3’を防汚層2に接触させ、加熱することにより、
画像3’を形成する染色剤を昇華または蒸発させる。
【0030】ここで、防汚層2は光触媒機能を有する金
属酸化物含有層であることから、親水性が高く、昇華性
染色剤との親和性が高い。したがって、本来ならこれら
昇華性染色剤が防汚層2の表層に残留したり、防汚層2
内で捕捉され滞留する。しかしながら、防汚層2に光触
媒機能を有する金属酸化物を用いることから、これら金
属酸化物が光照射により光励起され、これにより有機物
を分解する性質を有するようになる。そのため、このよ
うに防汚層2の最表層や内部に捕捉された昇華性染色剤
は、UV照射、屋外暴露などの光励起により分解され
る。これにより防汚層2は昇華性染色剤の影響を受ける
ことなく超親水性を発現し、これを維持することができ
る。
【0031】防汚層2は、光励起によって有機物を分解
しやすいことから、低温ゾル−ゲル法で形成するのが好
ましい。ここでいう低温ゾル−ゲル法とは、防汚層用塗
料を基材上に塗布後、低温の乾燥工程のみで成膜する方
法をいい、高温での焼結工程を含まない。低温ゾル−ゲ
ル法での処理温度は40〜150℃程度とするのが好ま
しく、より好ましくは60〜120℃程度である。高温
での焼結工程を経ない低温ゾル−ゲル法で形成した防汚
層2はポーラス(多孔性)の層となり、それだけ基材に
昇華性染色剤を透過しやすくなる。
【0032】したがって、従来の親水性の防汚層を用い
た場合と異なり、本発明の防汚層2を用いた場合、防汚
機能を十分に発揮し得るとともに、かつ原画画像3を効
率よく基材1に転写することができる。
【0033】なお、基材1としてポリエステル等の有機
物を用いた場合、染色剤成分が基材1内に染み込みやす
いため、より鮮明な画像を形成することができる。
【0034】原画3’を形成する染色剤は、その加熱温
度、加熱時間を適宜調整することにより、染色剤を昇華
または蒸発させて、被転写物体の各層の任意の部位に拡
散、染色させることができることから、本発明では染色
剤を防汚層2を通過して基材1に染み込ませて印刷転写
画像3を形成させることができる。このため防汚層2の
光触媒機能を損なうことがない。
【0035】なお、昇華印刷法以外の印刷方法では、本
発明効果を奏することができない。本発明者らは、防汚
層を均一に塗布した印刷体基材を準備し、インクジェッ
ト印刷法やシルク印刷法、オフセット印刷法、昇華転写
印刷法等、多種の印刷法により印刷像を形成することを
試みたところ、昇華転写印刷法にて本発明効果を奏する
ことができたのに対し、他の印刷法では印刷像が防汚層
表面に形成され、光触媒機能を発揮しなかったことを確
認した。
【0036】したがって本発明により、防汚層2の光触
媒機能を損なうことなく、光励起により親水性を呈し、
降雨や水洗などにより自己洗浄化され、付着した煤塵や
汚染物を簡易に洗い流すことができ、これにより十分に
その美匠性を長期にわたって維持することができる。ま
た、印刷体の製造工程は従来と変わらず、特にフッ素フ
ィルムや塩化ビニルフィルム等のラミネート工程を別途
設ける必要がなく、工程の簡略化を図ることができる。
【0037】図3は、図1の構成にプライマー層4を設
けた例を示す。同図中、図1と同一部分は同一符号を付
して、その説明を省略する。
【0038】プライマー層4は、光触媒によって難分解
である無機物を含有するのが好ましい。該無機物として
は、例えば防汚層2中にバインダーとして含まれる無機
物等が好ましく用いられる。このような無機物としては
加水分解製シラン誘導体等が挙げられ、具体的には、テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプ
ロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジエトキシジ
メトキシシラン、テトラクロロシラン、テトラブロモシ
ラン、シラノール、メチルトリメトキシシラン、メチル
トリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メ
チルトリブトキシシラン等が挙げられる。無機物は1種
または2種以上を用いることができる。
【0039】特に基材1が有機物からなる場合、防汚層
2の触媒作用により、基材1の表面のひび割れ、白化、
脆性による破壊等の現象が起きる。このため基材1と防
汚層2との間に、該防汚層2の光触媒作用による基材1
の光分解を防止するための無機物を含有するプライマー
層をコーティング等で層形成して耐候性を向上させるの
が好ましい。
【0040】図4は、図1の構成に接着剤層5を設けた
例を、図5は、図2の構成に接着剤層5を設けた例を、
それぞれ示す。同図中、図1、図2と同一部分は同一符
号を付して、その説明を省略する。
【0041】接着剤層5は、屋外広告板、道路標識等の
被着体に印刷体を接着あるいは粘着させるためのもの
で、例えばスチレン・ブタジエン共重合体、ブタジエン
重合体、クロロプレン共重合体、アクリル酸エステル共
重合体、ビニルエーテル共重合体、ポリウレタン樹脂、
ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラ
ミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、天然ゴ
ム、合成ゴム、ポリビニルエーテル、ポリアクリレート
等が用いられる。接着層5の厚さは、通常、10〜20
0μm程度が好ましい。
【0042】図6は、図4の構成の印刷体を被着体8に
接着あるいは粘着した例を示し、図7は、図5の構成の
印刷体を被着体8に接着あるいは粘着した例を示す。接
着あるいは粘着する方法としては、ヒートラミネート、
コールドラミネート、スキージまたはローラー等による
手貼り等が挙げられる。被着体8としては屋外広告板、
道路標識、屋外看板、道路分離帯のポストコーン等、長
期間屋外に曝される構造体が例示される。本発明の印刷
体を用いることにより、屋外の過酷な環境下にあって
も、耐候性に優れ、劣化することなく、印刷体に転写印
刷された文字、記号、絵柄等を、長期間に亘って保護す
ることができる。
【0043】なお、本発明の印刷体の製造においては、
防汚層、さらには所望によりプライマー層を設けた印刷
体基材をあらかじめ準備するが、プライマー層、防汚
層、接着剤層等の各形成方法は適宜、任意に選択するこ
とができ、例えば、マイクログラビアコーティング法、
グラビアコーティング法、ナイフコーティング法、ノズ
ルコーティング法、スプレーコーティング法、ディップ
コーティング法、フローコーティング法、スピンコーテ
ィング法、ロールコーティング法等の方法が好適に利用
できる。特にマイクログラビアコーティング法、グラビ
アコーティング法、ナイフコーティング法、ノズルコー
ティング法等を用いて基材(プラスチックフィルム)に
防汚層形成用塗料をコーティングすることにより、基材
上に塗料を均一塗布、乾燥して防汚層を容易に形成する
ことができる。防汚層形成後、印刷体基材をロール状、
若しくは所定の寸法にカットすることにより、任意の形
状の印刷体基材を作製することができる。この後、上述
した方法により画像を基材に転写印刷形成する。
【0044】本発明では、基材上に防汚層を設けた印刷
基体を準備しておけば、小ロットずつでも、多種類の任
意の絵柄を原図から転写印刷するだけで、防汚性に優れ
た印刷体を極めて簡便に得ることができる。
【0045】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定され
るものでない。
【0046】(実施例1)
【0047】1.印刷体基材の作製 (1)基材: PET「HB−3」(50μm厚)(帝
人デュポンフィルム(株)製)。ポリエチレンテレフタ
レート(基材)中に耐候性向上剤として紫外線吸収剤が
練り込まれている。 (2)プライマー層塗料: 光触媒用プライマー塗料
「タイノックプライマーA」(多木化学(株)製。有機
・無機ハイブリッド材) (3)防汚層塗料: 光触媒コーティング剤「タイノッ
クCZP−223」(多木化学(株)製。酸化チタン/
バインダーからなる塗料)
【0048】上記基材(「HB−3」)上に、プライマ
ー層塗料(「タイノックプライマーA」)を膜厚0.1
μmとなるようにバーコート法にて塗布し、120℃、
2分間の乾燥後、室温にて1日放置した後、防汚層塗料
(「タイノックCZP−223」)を膜厚0.2μmと
なるようにバーコート法にて塗布し、120℃、2分間
の乾燥処理を行い、試料Aを得た。
【0049】2.原画基材の作製 (4)転写紙: 捺染用転写紙((株)サンリュウ製) (5)インクジェットプリンター: 「MJ−800
0」((株)エプソン製) (6)昇華性インク: (株)サンリュウ製ink−捺
染II HANAE2各色
【0050】上記昇華性インクおよびインクジェットプ
リンターを用いて、上記転写紙に画像を印刷し原画基材
とした。
【0051】3.印刷体製造 上記原画基材を、上記試料Aの防汚層上から密着させ、
180℃で3分間加熱した後に引き剥がし、印刷体Aを
得た。
【0052】この印刷体Aを屋外にて暴露放置したとこ
ろ、約1週間で超親水性が発現し、その後3ヶ月以上た
っても美麗な面を維持した。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、製
造工程が簡便で、かつ、耐候性、耐汚染性に優れる印刷
体が提供される。本発明は任意の図柄を小ロット、低コ
ストで形成することが可能である。本発明は特に広告掲
示板などの屋外表示板に好適に適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷体の構成の一態様を示す模式図で
ある。
【図2】本発明の印刷体の製造方法を模式的に示す図で
ある。
【図3】本発明の印刷体の構成の一態様を示す模式図で
ある。
【図4】本発明の印刷体の構成の一態様を示す模式図で
ある。
【図5】本発明の印刷体の構成の一態様を示す模式図で
ある。
【図6】本発明の印刷体を被着体に接着(粘着)した構
成の一態様を示す模式図である。
【図7】本発明の印刷体を被着体に接着(粘着)した構
成の一態様を示す模式図である。
【符号の説明】
1 基材 2 防汚層 3’ 画像(原画) 3 転写印刷画像 4 プライマー層 5 接着層(または粘着層) 6 被着体(構造体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 正宏 東京都台東区台東1丁目5番1号 東京磁 気印刷株式会社内 (72)発明者 志萱 信重 福岡県大野城市仲畑2丁目6番12号 有限 会社太陽製作所内 (72)発明者 深谷 剛 福岡県大野城市仲畑2丁目6番12号 有限 会社太陽製作所内 Fターム(参考) 2D064 AA11 BA03 CA03 DA05 DA06 EA02 EA03 HA01 2H111 AA01 AA08 AA09 AA27 CA02 CA05 CA13 CA25 CA31 CA41

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の一方の面上に、光触媒機能を有す
    る金属酸化物を含有する防汚層を少なくとも有し、か
    つ、昇華転写印刷法により、防汚層の表面から内部を透
    過して基材に画像を転写形成してなる、印刷体。
  2. 【請求項2】 基材と防汚層との間に、無機成分を含む
    プライマー層を介在させてなる、請求項1記載の印刷
    体。
  3. 【請求項3】 基材の他方の面上に接着層を設けてな
    る、請求項1または2記載の印刷体。
  4. 【請求項4】 防汚層に含有される光触媒機能を有する
    金属酸化物が二酸化チタンである、請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の印刷体。
  5. 【請求項5】 基材が有機物からなるフィルムである、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の印刷体を用いてなる広告
    掲示板。
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