JP2003043016A - 非破壊き裂深さ判定法 - Google Patents

非破壊き裂深さ判定法

Info

Publication number
JP2003043016A
JP2003043016A JP2002001830A JP2002001830A JP2003043016A JP 2003043016 A JP2003043016 A JP 2003043016A JP 2002001830 A JP2002001830 A JP 2002001830A JP 2002001830 A JP2002001830 A JP 2002001830A JP 2003043016 A JP2003043016 A JP 2003043016A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crack
depth
signal amplitude
length
curve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002001830A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4020361B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Fukutomi
広幸 福冨
Takashi Ogata
隆志 緒方
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Research Institute of Electric Power Industry
Original Assignee
Central Research Institute of Electric Power Industry
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Research Institute of Electric Power Industry filed Critical Central Research Institute of Electric Power Industry
Priority to JP2002001830A priority Critical patent/JP4020361B2/ja
Publication of JP2003043016A publication Critical patent/JP2003043016A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4020361B2 publication Critical patent/JP4020361B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects

Landscapes

  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造物に生じたき裂深さを非破壊で簡便にか
つ精度よく判定する。 【解決手段】 き裂形状が既知のき裂を測定して得られ
るき裂検出信号の最大信号振幅とき裂深さとの関係を示
す曲線を求め、該曲線からき裂長さと最大信号振幅との
関係を示す複数の曲線を求め、該曲線のうち、き裂長さ
に応じて最大信号振幅が変化する領域からき裂長さ毎に
異なるき裂深さ検定曲線を求める一方、き裂長さに応じ
て最大信号振幅が変化しない領域からは単一のき裂深さ
検定曲線を求め、これら検定曲線のうち判定対象き裂の
き裂長さに合致するものを利用してき裂深さを判定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、き裂の形状の影響
を受けて変化するき裂検出信号の最大信号振幅とき裂深
さとの関係を示す検定曲線を利用して任意長さのき裂の
深さを判定する非破壊評価手法の改良に関する。さらに
詳述すると、本発明は、ガスタービン動翼の劣化評価な
ど、構造物の保守技術さらにはコーティング材の適切な
リコーティング時期の判断やリコーティングの可否につ
いての判断に有用な非破壊き裂深さ判定法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、構造物のき裂の深さは、人工き裂
を用いて渦電流法などによる探傷試験で測定された結果
から事前に作成された検定曲線を利用して判定されてい
る。ここで利用される検定曲線は、放電加工(Electric
discharged machining:EDM)によるノッチ(き
裂)やドリル孔などの、き裂長さが一定で所望深さに加
工されたき裂(人工き裂)を試験体にいれておき、同じ
試験条件で測定して得られた検出信号を利用して作成さ
れる。この場合、検出情報としては、検出信号の最大振
幅またはそのときの位相角のうちいずれかが用いられ、
当該情報に基づきき裂深さが判定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、探傷試
験時に得られる信号の振幅情報と位相情報は共にき裂長
さやき裂幅による影響を受けることから、き裂長さやき
裂幅がき裂サンプル(人工き裂)から外れると、誤差が
大きくなり、き裂深さを精度よく判定できないという問
題がある。
【0004】例えば、振幅によってき裂深さを判定する
場合、き裂長さに応じて検定曲線のカーブが図18
(a)に破線で示すように変わってしまい、任意の長さ
を有するき裂の深さを判定できない場合がある。また、
EDMノッチは実際の疲労き裂(幅がほとんどない)に
比べて幅が広いため、幅による影響も無視できない。こ
の問題に対処するには、様々な長さの人工き裂を数多く
作成して多数の検定曲線をあらかじめ求めておくことが
考えられるが、手間がかかりすぎることから多数の検定
曲線を採用することは現実には困難である。
【0005】また、位相によってき裂深さを判定する場
合も同様に、き裂長さおよびき裂幅が変化すると位相角
が変化する場合があり、例えば、図18(b)に破線で
示すように変わってしまい、任意の長さを有するき裂の
深さを判定できない場合がある。このため、判定精度を
上げるには、様々な長さの人工き裂を数多く作成して多
数の検定曲線をあらかじめ求めておかなければならず、
手間がかかりすぎることから現実に無数の検定曲線を採
用することは困難である。しかも、この信号位相情報に
よるき裂深さ判定方法は、位相角が信号の基準点の決め
方によりき裂深さ判定に影響を及ぼすほど変化すること
から、再現性を確保するためには高精度な測定が要求さ
れるという問題を有している。
【0006】さらに、実際の構造物では、複数のき裂が
密集して発生する場合があり、例えば図19に示すよう
に隣接するき裂101の間隔がプローブ102の探傷領
域よりも狭くなる(図19でいえば、き裂間隔が1mm
である)ようなことがある。この場合、それぞれのき裂
の検出信号が干渉して単一のき裂の信号より大きくなっ
てしまい、個々のき裂101を認識できなくなってしま
う問題を有している。この結果、き裂深さを実際のき裂
深さよりも深く見積もってしまい、有害なき裂101で
あると誤判定してしまうことがある。
【0007】また、複数のき裂が密集して発生した結
果、き裂が基準深さを超えた位置まで到達しているかど
うか判定できなくなる問題もある。例えばガスタービン
初段動翼には、初期段階において図20(a)のように
深さがほぼ等しい隣接した複数のき裂101が発生し
(初期き裂発生時)、その後、損傷が進行するに従って
き裂101が耐食コーティング103と基材104の境
界に到達し、そのうちのいずれかが起点となり、図20
(b)のようにき裂101がさらに基材104へ伝播す
るという性質が見られる。ここで、個々のき裂101が
プローブ102の探傷領域よりも狭い程度に密集してい
る場合、初期き裂発生時とき裂101が基材104に伝
播した時とについて試験片を測定してみると、図20
(c)および図20(d)に示すようなき裂検出信号が
得られる。基材104に達したき裂101がある場合は
それに対応した信号が現れ、他の出力信号が相対的に無
視できるようになるため基材104に達した深いき裂を
識別することが可能だが、初期き裂発生時には個々のき
裂101を識別できるような信号のピークは見られず、
深さ判定に用いることのできるデータが得られないため
き裂101が基材104に達しているかどうか判定でき
ない。
【0008】そこで、本発明は、信号の振幅情報を利用
して構造物に生じたき裂深さを非破壊で判定する非破壊
き裂深さ判定法を改善し、き裂に関する検出信号から簡
便かつ精度よくき裂深さを判定できるようにすることを
目的とする。併せて、本発明は、狭い領域に密集して発
生したき裂の深さを精度よく求め、またはこのようなき
裂が基材などに到達しているかどうか判定することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、き裂形
状特にき裂長さによる影響を加味した精度の高いき裂深
さ判定が可能かどうか種々検討した。図5(b)に示す
ように、き裂幅が一定であってもき裂の長さが異なれば
最大信号振幅から得られるき裂深さは異なる。また、図
5(a)に示すように、き裂幅一定でもき裂深さが異な
ればき裂長さ−最大信号振幅の関係を示す関数は異なる
曲線となり、最大信号振幅から得られるき裂長さは異な
る。ところが、この図5(a)に示す関数では、使用し
たプローブの探傷領域(例えば図5(a)の場合は長さ
4mmまで)ではき裂長さに伴い最大信号振幅も増大する
が、探傷領域を越えると収束して最大信号振幅はき裂長
さの影響を受けずにほぼ一定となる傾向が分かった。そ
して、発明者らは、このグラフ上の複数の関数を用いる
ことで、き裂長さが増大する領域からはき裂長さ毎に異
なる複数のき裂深さ−最大信号振幅曲線すなわちき裂深
さ検定曲線が、また、き裂長さが一定の領域からは1本
のき裂深さ検定曲線がそれぞれ求められることを知見す
るに至った。
【0010】本願発明はかかる知見に基づくものであ
り、請求項1記載の発明は、構造物に生じたき裂の深さ
を非破壊で判定する非破壊き裂深さ判定法において、き
裂形状が既知のき裂を測定して得られるき裂検出信号の
最大信号振幅とき裂深さとの関係を示す曲線を求め、該
曲線からき裂長さと最大信号振幅との関係を示す複数の
曲線を求め、該曲線のうち、き裂長さに応じて最大信号
振幅が変化する領域からき裂長さ毎に異なるき裂深さ検
定曲線を求める一方、き裂長さに応じて最大信号振幅が
変化しない領域からは単一のき裂深さ検定曲線を求め、
これら検定曲線のうち判定対象き裂のき裂長さに合致す
るものを利用してき裂深さを判定するようにしている。
ここで、曲線には直線が含まれる。
【0011】この判定法によると、検出された構造物上
のき裂あるいは人工き裂サンプルの既知の形状要素(例
えばき裂長さやき裂幅)とこれらき裂の検出信号(例え
ば渦電流法による出力信号の最大信号振幅)とが関連づ
けられ、形状要素と検出信号とを関連づける各関数の係
数があらかじめ求められる。これにより、き裂の長さ等
と最大信号振幅とを対応付ける検定曲線が得られ、判定
対象である構造物のき裂形状がき裂サンプルのそれとは
異なる場合であっても、検定曲線からき裂深さを精度よ
く判定することが可能となっている。例えば、図9
(a)に示すようにき裂長さlと探傷領域lcとの関係
を示すき裂データが得られた場合、図9(b)に示すよ
うにき裂長さl毎のき裂深さ検定曲線を求めることがで
き、き裂長さlに対応したき裂深さdを判定することが
できる。
【0012】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の非破壊き裂深さ判定法において、き裂はき裂長さが
等しく、このき裂長さによって定まるき裂深さ−最大信
号振幅を示す単一の曲線を求め、該単一の曲線上の複数
の点をき裂長さ−最大信号振幅を示すグラフの同一き裂
長さ上にプロットし、各プロット点を通るき裂長さ−最
大信号振幅を表す各曲線の関数の係数を求めるようにし
ている。この場合、図1(a)に示すように単一の曲線
が得られ、この曲線上の少なくとも2点の点を抽出する
ことにより、図1(b)に示すようにき裂長さが等しく
最大信号振幅が異なる複数の点が得られる。
【0013】さらに、請求項3記載の発明は、請求項2
記載の非破壊き裂深さ判定法において、き裂として人工
き裂を用い、各関数の係数をあらかじめ決定する際に、
人工き裂を用いた測定により得られたき裂幅と最大信号
振幅との関係をき裂幅を零とした値に校正して用いるよ
うにしている。
【0014】この非破壊き裂深さ判定法では、人工のき
裂サンプル(例えばEDMノッチ)からテストデータを
得るが、このき裂サンプルのき裂幅が判定対象たる構造
物上のき裂幅よりも幅広であることから、この分を校正
して幅の差分による影響を排除した関数(き裂深さd−
最大信号振幅R)を得る(図1(a))。次に、校正後
の関数上の複数の点をき裂長さl−最大信号振幅Rのグ
ラフにプロットし(図1(b))、各関数の係数(傾
き)を求める。そうすると、き裂長さl−最大信号振幅
Rの関数が複数求まるから(図1(c))、これを基に
き裂長さl毎にき裂深さd−最大信号振幅Rの係数(傾
き)が異なる複数の検定曲線を求める(図1(d))。
ここで、最大信号振幅とき裂長さとの関数は、図5
(a)に示すようにプローブの最大探傷領域を越えるま
では増大し、その後収束する関数を描くことが実験的に
判っていることから、き裂長さが定まれば関数も定ま
る。この場合、これら複数の検定曲線はき裂長さlの違
いに応じた関数となるので、判定対象き裂の実際のき裂
長さlに対応した検定曲線を選択して利用することによ
り、き裂形状の違い(この場合はき裂長さの違い)を加
味したき裂深さdを精度よく判定することが可能とな
る。
【0015】また、請求項1から3のいずれかに記載の
非破壊き裂深さ判定法において、き裂深さ検定曲線は、
最大振幅信号以外の信号等を利用して求めることもでき
る。例えば、請求項4記載の発明のように、き裂検出信
号の最大信号振幅の代わりにき裂検出信号の最大振幅時
の位相角を用いてき裂深さを判定することができるし、
あるいは請求項5記載の発明のように、き裂検出信号の
最大信号振幅の代わりにき裂検出信号の最大振幅時の水
平成分および垂直成分を用いてき裂深さを判定すること
もできる。
【0016】請求項6記載の発明は、請求項1から5の
いずれかに記載の非破壊き裂深さ判定法において、隣接
した複数のき裂のき裂間隔とき裂検出信号との相関関係
から、各き裂が隣接するき裂の検出信号に干渉する臨界
間隔を予め求めておき、目視により得られたき裂間隔が
この臨界間隔よりも狭い場合にはき裂検出信号の高出力
の要因がき裂の密集にあるかどうか検証し、この要因を
考慮してき裂深さを判定するものである。
【0017】深さがほぼ等しい複数のき裂の間隔aとそ
の検出信号の関係は例えば図11に示すようになる。す
なわち、き裂間隔が狭くなるとそれぞれのき裂の検出信
号が干渉し合い、単一のき裂の場合よりも検出信号が大
きくなる一方、間隔が臨界間隔(符号acで表示)より
も大きくなると干渉はなくなり、それぞれのき裂を個々
に認識することができる。そこで、本発明では、密接状
態と単体状態とでどれくらいき裂深さの評価曲線が変わ
るか予め求めておき、き裂が密集している場合があるこ
とを考慮してこのような評価曲線を準備するようにして
いる。そして、この評価曲線を利用し、判定対象物にお
けるき裂間隔がこの臨界間隔acよりも狭いかどうかを
見極め、狭い場合にはき裂が密集していることの影響を
考慮することによって、高出力が得られてもそこから即
座に有害なき裂であると決めつけるような誤った判定を
なくすことが可能となる。また、き裂が密集しているこ
との影響を考慮した上でいずれかのき裂が基準深さを超
える位置まで到達しているかどうか(例えばガスタービ
ン初段動翼におけるき裂がコーティングを超えて基材ま
で到達したかどうか)の判定が可能となる。
【0018】ここで、非破壊き裂深さ判定法に用いるき
裂検出信号は、渦電流法、電位差法、磁気漏洩法あるい
は超音波を入射することによって得られるいずれかの信
号とすることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0020】図1〜図17に本発明を適用した非破壊き
裂深さ判定法の一実施形態を示す。この非破壊き裂深さ
判定法は、き裂の影響を受けて変化するき裂検出信号の
最大信号振幅とき裂の長さ、幅、深さとの関係を多項式
で近似し、既知形状例えば人工き裂や廃棄部品等の実機
に発生したき裂(これらを総称して既知のき裂形状と呼
ぶ)のき裂を用いた測定により関数の係数をあらかじめ
決定し、この決定に基づきき裂長さ毎に任意に作成され
るき裂深さ検定曲線を利用して、ガスタービン動翼等の
構造物に生じたき裂の深さを非破壊で判定するものであ
る。
【0021】本実施形態では、き裂検出信号としては渦
電流法による最大信号振幅Rを用いる。ここで、この最
大信号振幅Rがき裂の測定条件cおよびき裂形状gを変
数とする関数である場合に、この最大信号振幅Rを例え
ばき裂長さl、き裂深さdおよび幅wに関する多項式で
近似、換言すると、実験で得られたデータを多項式で表
現するようにしている。そして、形状既知のき裂とその
最大信号振幅Rからそれぞれの多項式の係数を決定して
おく。これにより、き裂深さを計算で、またはグラフか
ら求めるための検定曲線があらかじめ得られる。この場
合、測定条件cは例えばコイルに流す電流量、周波数、
コイルの形状、検出方式、リフトオフなどであるが、一
定条件下に測定を行うことにより、定数として処理でき
る。
【0022】このようにして得られた検定曲線を利用す
れば、き裂検出信号の最大信号振幅R、き裂長さl、き
裂幅wを用いてき裂深さdを計算で(またはグラフか
ら)求めることができる。しかも、き裂長さが人工のき
裂サンプルのき裂長さより長くてもあるいは短くても精
度よくかつ簡単にき裂深さが求められる。また、目視検
査により観測されたき裂長さを利用することで、これに
見合う検定曲線を求めてき裂深さをより簡単に判定する
ことも可能となる。き裂検出信号は、渦電流法を利用し
て求めてもよいし超音波を利用して求めてもよい。渦電
流法の場合、交流電流を流したコイルを導体に近づける
と導体には渦電流が生じ、仮に渦電流流路内にき裂があ
る場合、き裂によって渦電流が乱され、渦電流による磁
束が変化するので、この変化をコイルのインピーダンス
変化として観測することができる。また、超音波法の場
合、弾性体内のき裂に超音波が衝突するとき、超音波は
回折もしくは反射するので、この回折もしくは反射波を
測定することによりき裂の有無を判定できる。
【0023】しかも、本実施形態におけるき裂深さ測定
においては、図12に示すように、基材7の表面側に例
えば耐食コーティングやセラミックコーティングのよう
な非金属コーティング8が金属コーティングを介してあ
るいは直接に施されている場合にも、このような非金属
コーティング8から何ら影響を受けることなく金属コー
ティング上のき裂6の深さd、あるいはコーティングを
超えて基材7に達したき裂6の深さ(図中矢示した長
さ)dを測定することができる。すなわち、この場合に
おける非金属コーティング8は渦電流試験法(Eddy Cur
rent Testing、以下「ECT」という)においては空気
層と同じであり、単なるギャップでしかないためコーテ
ィングがない場合と同等にき裂深さ測定が可能である。
このような非金属コーティング8の具体例としては、例
えばガスタービンの初段動翼・静翼におけるセラミック
ス(イットリウム安定化ジリコニア)の耐熱コーティン
グ(一般にTBCと呼ばれている)などがある。また、
図15に示すように耐熱コーティング(図中符号9で示
す)が施されている場合、耐熱コーティング9と基材7
の間のボンドコート10は耐食コーティングとほぼ同じ
材料である。この場合でも、耐熱コーティング9下のき
裂深さdの推定に適用できる。
【0024】また、き裂深さ測定に際しては、密接した
複数のき裂どうしが干渉し合う場合の影響を考慮するこ
とが好ましい。き裂間隔aがプローブの分解能を超えて
狭く密集した場合にも、干渉による影響を考慮すること
で誤判定を防止することができる。
【0025】き裂深さdがほぼ等しい複数のき裂のき裂
間隔aとその検出信号との関係を示すと図11に示す検
定曲線のようになる。すなわち、き裂間隔aが狭くなる
とそれぞれのき裂検出信号が干渉してしまい信号の値が
単一のき裂の場合より大きくなる一方で、き裂間隔aが
臨界間隔acより大きければ干渉はなくなり、それぞれ
のき裂を個々に認識できるようになる。この点、本実施
形態では、隣接した複数のき裂のき裂間隔aとき裂検出
信号との相関関係を予め求めておき、目視により得られ
たき裂間隔aが臨界間隔(本明細書でいう臨界間隔と
は、隣接するき裂の検出信号が互いに干渉し合うような
き裂間隔の臨界値であり、プローブによっては探傷領域
cとほぼ一致する)acよりも狭い場合にはき裂検出信
号の高出力の要因がき裂の密集にあるかどうか検証し、
この要因を考慮してき裂深さを判定するようにしてい
る。き裂が密集しているかどうかの判断やき裂間隔aの
測定は目視により行うことを想定しているが、目視に代
わる方法によって判断等しても構わない。
【0026】また、ECTにより個々のき裂を識別でき
ない場合には次の手段を講ずる。まず、耐食コーティン
グと基材の境界に達した複数のき裂が極めて狭い間隔で
隣接している状態での図13(a)の信号(振幅あるい
は位相)を表す数式1
【数1】 を事前に求める。S’を図13(a)に示すようなしき
い値とし、この値を基準にき裂がコーティング内にある
か基材に達しているかを判断する。
【0027】なお、このようにECTによっては識別で
きないき裂の深さdを推定するにはさらなる処理が必要
となる。初期き裂発生時の場合は、それぞれのき裂深さ
dが等しいと仮定し、図14に示すように信号比を求め
ておき、き裂間隔aにより決まる信号比を得られた信号
に乗じ、き裂深さ判定法により変換された信号からき裂
深さdを推定する。ここで用いる信号比は、単一き裂信
号と複数の密集したき裂信号との信号比である。一方、
図13(b)の場合、コーティング内のき裂信号より大
きな信号が得られるき裂に対しては、干渉の影響が小さ
くなるので、図13(b)の信号からき裂深さdを推定
できる。しかしながら、干渉の影響がある場合、その度
合いが基材に達したき裂深さdによって変化するため、
き裂深さdを精度よく推定することは原理的に困難であ
る。
【0028】なお、上述の実施形態ではき裂検出信号の
最大信号振幅を用いてき裂深さdを判定しているが、こ
こで用いるき裂深さ検定曲線は、最大振幅信号以外の信
号等を利用して求めることもできる(図16参照)。例
えば、最大信号振幅の代わりにき裂検出信号の最大振幅
時の位相角を用いてき裂深さdを判定することができ
る。渦電流は表面からの深さによって位相が遅れる性質
を有している。そして、この渦電流の位相の遅れは被測
定対象物の表面からの距離・深さに比例する。したがっ
て、き裂の深さによって渦電流の位相が異なることとな
る。したがって、この場合、上述のき裂検出信号(EC
T信号)を最大信号振幅から位相角に置き換えるだけ
で、検定曲線の求め方は最大信号振幅の場合と同じであ
る。位相角を用いた具体例を図17に示すが、この図1
7においては、位相角という代わりに位相角差と表示し
ている。ここでいう位相角差は位相角1−位相角0であ
り、位相角1はき裂がある場合の位相(角)、位相角0
はき裂がない場合の位相(角)である。
【0029】この場合、具体的には、人工のき裂サンプ
ル(例えばEDMノッチ)からテストデータを得、き裂
幅を校正して幅の差分による影響を排除した関数(き裂
深さd−位相角差)を得る(図17(a))。次に、校
正後の関数上の複数の点をき裂長さl−位相角差のグラ
フにプロットし(図17(b))、き裂長さl−位相角
差の関数を複数求め(図17(c))、これを基にき裂
長さl毎にき裂深さd−位相角差の係数(傾き)が異な
る複数の検定曲線を求めればよい(図17(d))。な
お、最大信号振幅を用いた場合と位相角差を用いた場合
とでは関数の傾きが異なっているが(図1(a)および
図17(a)参照)、複数の点をプロットした後で傾き
の異なる複数の検定曲線が得られる点で両者は変わると
ころがない。
【0030】また、検定曲線を求めるには最大信号振幅
あるいは位相角差が得られればいいことから、き裂検出
信号の最大信号振幅あるいは位相角差を直接求める代わ
りにき裂検出信号の最大振幅時の水平成分および垂直成
分を用いてき裂深さdを判定することも可能である(図
16参照)。
【0031】
【実施例】以下、本発明のき裂深さ判定方法を1100℃級
ガスタービン初段動翼に発生する疲労き裂の判定に適用
した例を、試験片の作製、渦電流測定システム、き裂深
さ判定、そしてき裂深さ比較に分けて説明する。
【0032】(試験片の作製)1100℃級ガスタービン初
段動翼の基材に用いられているニッケル超合金IN738LC
製の、図3に示すような中細りの中実丸棒試験片(平行
部中心径10mmφ)に、耐食コーティングに用いられるCoC
rAlYを厚さが0.2mmになるように溶射した後、長さ2mm
〜8mm、幅0.5mm、深さ0.1mm〜0.4mmの周方向き裂(ノ
ッチ)を放電加工(EDM)し、表面き裂模擬試験片を
作製した。また、コーティング溶射前の別の試験片にも
同形状のノッチを加工して、ノッチ部を粒径10mm〜45mm
のジリコニアを溶射することにより電気絶縁した後にCo
CrAlYを溶射し、内在き裂模擬試験片を作製した。
【0033】(渦電流測定システム)中実丸棒試験片の
曲面をラスタースキャンするための渦電流測定システム
1を構築した。この渦電流測定システム1は、図4に示
すように渦電流探傷器2、プローブ3、スキャナ4およ
び制御装置5によって、中軸丸棒試験片の平面部をAス
キャン(1点測定)し、または曲面部をラスタースキャン
することができるように構成されている。
【0034】本試験で用いた渦電流探傷器2は、4チャ
ンネルの物理チャンネルを有し、アブソリュート型/デ
ィファレンシャル型プローブおよびトランスミット−レ
シーブ型プローブのすべてのプローブ3を接続可能であ
る。アブソリュート型プローブなどは内部のブリッジ回
路を平衡にするため、試験用プローブ以外にそれと同仕
様の比較用プローブを必要とするが、本実施例の渦電流
探傷器2は、ブリッジ回路の平衡を電気的に調節するこ
とができるため、比較用プローブを必要としない。試験
周波数範囲は1kHz〜6MHzと通常の渦電流探傷器より広
い帯域である。
【0035】また、探傷データとプローブ位置データを
高速に取得できるだけでなく、検査結果を審査する者が
現場に常駐せずにリアルタイムで探傷結果を判定するこ
とができるようにするため、スキャナ4から得られるプ
ローブ3の位置情報を処理するエンコーダを渦電流探傷
器2に増設するとともに、渦電流探傷器2を制御装置5
にEther(イーサー) ケーブルで接続した。スキャナ4は
中実丸棒試験片の曲面に対して、ラスタースキャンが可
能である。軸方向の可動距離は80mmであり、軸方向およ
び周方向の移動間隔はそれぞれ0.1mmおよび1度であ
る。
【0036】制御装置5は得られた探傷データに対し
て、多重周波数演算やき裂深さ−最大信号振幅もしくは
き裂深さ−信号位相角の関係を用いた検定曲線作成など
の演算機能を有し、制御および信号処理を行う。
【0037】(き裂深さ判定)き裂長さおよび幅による
影響を考慮して、最大信号振幅を用いて深さを判定する
手法を実施した。ここでは、き裂深さ、長さなどが既知
のEDMノッチ(放電加工による人工き裂)に対する信
号の最大信号振幅を用いて上記の関数の係数を定めるこ
とによりき裂深さを判定する検定曲線を作成することと
した。まず、き裂形状と渦電流法によるき裂検出信号の
最大信号振幅を関連づける関数系を有限要素法による電
磁界解析により数値解析的に求めた。
【0038】具体的には、測定条件cおよびき裂形状g
を変数とする関数として数式2のように表現される最大
信号振幅Rは、
【数2】R=f(c,g) を以下に示すようにき裂長さl、深さdおよび幅wに関
する多項式で近似した。このように近似することによ
り、き裂長さl等がパラメータとなり、き裂長さl等に
よる誤差を含まない正しい曲線に近い形でパラメータに
特化した曲線が得られる。そして、形状が既知なき裂サ
ンプルとその最大信号振幅Rからそれぞれの係数α,β
およびγを決定し検定曲線を作成した。
【数3】
【数4】
【数5】
【0039】ここで、本測定法によるき裂深さ判定のた
めの検定曲線を図2に示す。(き裂長さ−最大信号振
幅)の関数に示すように、最大信号振幅はき裂長さlに
比例するように増えるが、き裂長さlが探傷領域の大き
さlcを越えた後は一定となった。数式3〜数式5の各
関数を決定するため、き裂長さl等が異なるき裂の最大
信号振幅Rを数値解析により予測した。また、き裂長
さ、深さおよび幅をそれぞれ変化させた場合の最大信号
振幅Rの変化は図5に示すようになった。図からわかる
ように、(き裂長さ−最大信号振幅)の関係を示す曲線
は、き裂幅wが一定(w=0.2mm)でもき裂深さdによ
って異なるものとなった(図5(a))。また、(き裂
深さ−最大信号振幅)の関係を示す曲線は、き裂幅wが
一定(w=0.2mm)でもき裂長さlによって異なるもの
となった(図5(b))。さらに、(き裂幅−最大信号
振幅)の関係を示す曲線は、き裂長さlが一定(l=8
mm)でもき裂深さdによって異なるものとなった(図5
(c))。
【0040】また、図5に示すように、最大信号振幅R
とき裂長さlとの間には、探傷領域(この場合は4mm)
を越えるとき裂長さlが最大信号振幅Rの値に対しては
変化がなくなるがそれまではき裂長さlと最大信号振幅
Rの値との間には比例増大する傾向が認められた(図5
(a))。また、最大信号振幅Rとき裂深さdとの間に
は曲線で示される2次関数的関係があり(図5
(b))、さらに、最大信号振幅Rとき裂幅wとの間に
は直線で示される1次関数的関係があることが認められ
た(図5(c))。そして、これらの各関係を利用する
ことにより、図1(d)に示すようにき裂長さごとの複
数のき裂深さ用検定曲線(l<lc用)及びl≧lc用
の単一のき裂深さ検定曲線が得られた。
【0041】なお、いかなるプローブ3を用いた場合に
もこのような曲線が得られることが確認できたので、こ
の結果から数式3〜数式5を以下のように書き直す(数
式6〜数式8)。
【数6】
【数7】
【数8】 ただし、上述のようにlcは探傷領域に相当し、通常は
プローブセンサ部の大きさの2〜3倍程度であり、
【数9】 で示される。
【0042】(き裂深さ比較)続いて、上述のき裂深さ
判定法を検証するため、コーティングされた中実丸棒試
験片に疲労試験により人工的に疲労き裂を入れ、ECT
による測定結果からき裂深さを判定し、推定された深さ
と破壊試験によって観察されたき裂深さを比較した。
【0043】本提案手法に基づき、EDMノッチの最大
信号振幅Rを用いて検定曲線を作成し、疲労き裂の深さ
を判定した。この手順では、図7に示すように、スキャ
ンデータの取得後(ステップ1)、き裂を検出し(ステ
ップ2)、き裂が存在する場合には(ステップ2;Ye
s)、き裂検出信号の最大信号振幅を抽出し(ステップ
3)、次のき裂長さの決定ステップ(ステップ4)に進
み、き裂が存在しない場合には(ステップ2;No)、
終了する(ステップ11)。き裂の数Ncをカウント
し、1番目のき裂(N=1)に関し、目視あるいはスキ
ャンデータからの読みとりによりき裂長さlを決定する
(ステップ4)。その後、このき裂長さlが探傷領域l
cより小さいか否かを判定し(ステップ5)、き裂長さ
lが探傷領域lcより小さい場合には(ステップ5;Y
es)、そのき裂長さlに応じた検定曲線(関数)を選
択し(ステップ6)、一方、き裂長さlが探傷領域lc
と同じかそれより長い場合は(ステップ5;No)、単
一のl≧lc用検定曲線(関数)を選択する(ステップ
7)。そして、選択された検定曲線を利用して最大信号
振幅から、すなわち決定された関数に最大信号振幅を入
力することによりき裂深さを求める(ステップ8)。そ
して、判定したき裂の数が上記き裂数Ncと一致するか
どうか判定し(ステップ9)、一致しなければ(ステッ
プ9;No)、Nに1を加算してからステップ4の前に
ジャンプし、再度次のき裂について同様の判定を行う
(ステップ10,ステップ4〜8)。これをき裂数Nc
だけ繰り返してから、判定処理を終了する。
【0044】ここで、検定曲線を求めるフローを図6に
示す。まず、等しい長さのEDMノッチを測定してき裂
深さ−最大信号振幅曲線(図1(a)の破線)を作成す
る(ステップ11)。その後、疲労き裂の幅を考慮して
き裂深さ−最大信号振幅曲線をき裂幅−最大信号振幅曲
線(図5(c))を用いて校正する(ステップ12、図
1の(a))。そして、き裂深さ−最大信号振幅曲線
(図1(a)の実線)からき裂長さ−最大信号振幅曲線
(図1(b)(c))を作成し(ステップ13)、き裂
長さ−最大信号振幅曲線(図1(c))から、l≧lc
用の単一曲線(図1(d)のln)およびl<lc用の
複数の曲線(図1(d)のl…l)の深さ判定用の
検定曲線を作成する(ステップ14)。
【0045】以上のフローにしたがって、実際に検定曲
線を図1に示す手順により求めた。まず、き裂形状を特
にき裂長さlに特化させ、EDMノッチからテストデー
タを得たが、判定対象たる実機のき裂幅が極狭であるこ
とから、校正して幅の差分による影響を排除した関数
(き裂深さdと最大信号振幅Rとの関係を表す関数)を
得た(図1(a))。ここでは実機のき裂形状に則して
き裂幅wを0とおいた。次に、校正後の関数上の点を複
数点プロットするとともに、き裂長さlと最大信号振幅
Rとの関係を示す関数上にこれらの点をプロットし(図
1(b))、各関数の係数(傾き)を求めた。そうする
と、き裂長さlと最大信号振幅Rの関数が複数求まるか
ら(図1(c))、これを基にしてき裂深さdと最大信
号振幅Rの関係を示す、係数(傾き)が異なる複数の関
数を求めた(図1(d))。この場合、これら複数の関
数はき裂長さlの違いに応じた関数となるので、判定対
象き裂の実際のき裂長さlに対応した関数を選択し利用
することによってき裂形状の違いによる影響(この場合
はき裂長さlの違いによる影響)を加味したき裂深さd
を精度よく判定することができた。
【0046】なお、上述の実施例では検定曲線の作成の
ため長さ2mm 、深さ0.1mm〜0.4mmのEDMノッチの最
大信号を用い、使用したプローブの大きさが2mm程度だ
ったため数式5の探傷領域lcを5mmとした。以上の測
定結果を従来手法と比較したグラフを図8に示す。図中
の従来手法1および従来手法2はそれぞれ長さ8mmのき
裂の最大信号振幅Rおよび長さ2mmのき裂の最大信号振
幅Rに対応するき裂深さを判定した結果である。同図よ
り、本実施例の非破壊き裂深さ判定法は従来手法よりき
裂長さによらずにき裂深さを精度良く判定できることか
ら、提案手法の有効性を確認することができた。
【0047】なお、上述の実施形態は本発明の好適な実
施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能で
ある。例えば、本実施例においては非破壊き裂深さ判定
法を検証するため表面疲労き裂を判定したが、本発明は
コーティング直下の内在き裂を判定する場合にも十分有
効である。
【0048】例えば、プローブコイルにより試験片に発
生した渦電流は、表皮効果によって、試験片表面から離
れるに従って、その振幅と位相が変化する。薄肉配管の
探傷試験では、この渦電流の位相の変化に起因するEC
T信号の位相変化により、管内面のき裂と外面き裂を判
別することができる。この方法は表面・内在き裂を判定
するために利用できる可能性があり、ここでは特に図示
しないが、表面き裂および内在き裂模擬試験片に対して
ラスタースキャンを行った結果得られたECT信号(水
平成分)の等高線図からは、内在ノッチも表面ノッチと
同様に検出できることが判っている。ここで、表面ノッ
チおよび内在ノッチによる信号の最大信号振幅とその位
相は、図10に示すように位相分離性があることから、
位相に着目することによって表面き裂と内在き裂を判定
することが可能となる。
【0049】また、本実施例で挙げた試験体の中実丸棒
試験片は、1100℃級ガスタービン初段動翼を想定してい
るため、材質的には基材とコーティングからなる複合材
料としているが、電磁気的にはほぼ等価となることか
ら、単一材料と考えて支障がない。よって、本発明は、
例示しているようなガスタービンの初段動翼の探傷試験
に適用範囲が限られるものではなく、単一材料から成る
一般的な試験体の探傷試験へも適用可能であることは言
うまでもない。
【0050】また、本発明の非破壊き裂深さ判定をする
際、き裂長さのデータは、スキャンデータから読みとる
場合だけでなく、目視検査により観測したき裂長さを用
いてもよい。この場合、スキャンデータからき裂長さを
求める代わりに、目測したき裂長さを入力することによ
り信号振幅とき裂深さの関数・検定曲線を選定してき裂
深さを求めることができる。き裂長さは、例えば塗料を
き裂に埋め込んで浸透探傷法により求めることができ
る。あるいは、き裂検出信号を電位差法を利用して求め
ることができるし、磁気漏洩法を利用して求めることも
できる。電位差法の場合、第1および第2の電極に定電
流を流し、第3および第4の電極で電圧を測定すると、
仮に第3および第4の電極の近傍にき裂がある場合、第
3および第4の電極の端子間の電圧が変化するので、こ
の端子間電圧によってき裂の有無を判定できる。また磁
気漏洩法の場合、磁性体が磁化したときき裂から磁束が
漏洩するので、この漏洩磁束を磁気センサで検出するこ
とによりき裂の有無を判定できる。
【0051】更に、本実施例では、人工き裂を用いてき
裂深さ判定用の検定曲線を作成することについて主に説
明したが、実際に使用されて疲労き裂が生じた廃棄部品
などを用いて、最大信号振幅とき裂深さとの関数の係数
を求めることもできる。この場合には、人工き裂を用い
る場合と異なりき裂幅の影響を受けないので、疲労き裂
の幅を考慮して最大信号振幅と亀裂深さの関数の係数を
最大信号振幅とき裂幅曲線・関数を用いて校正する必要
がない。
【0052】また、本実施例では、等しい長さの人工き
裂を測定して1本の最大信号振幅−き裂深さ曲線を作成
し、これから複数の最大信号振幅−き裂長さ曲線を作成
して、任意のき裂長さごとの深さ判定用の検定曲線を作
成するようにしているが、これに限定されるものではな
く、場合によっては、異なる長さのき裂を用いた複数の
データから得るようにしても良い。
【0053】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1記載の非破壊き裂深さ判定法によると、き裂長さ毎の
き裂深さの検定曲線を利用してき裂深さを判定するの
で、任意の形状のき裂の深さを判定により簡便にかつ精
度よく求めることができる。これにより、構造物に発生
する任意長さのき裂に対して高精度な深さ判定が可能と
なるため、構造部の健全性評価に対して知見を得ること
ができる。しかも、き裂長さの測定数以上の任意のき裂
長さ毎の検定曲線が必要に応じて得られる。
【0054】また、請求項2記載の非破壊き裂深さ判定
法によると、き裂はき裂長さが等しく、このき裂長さに
よって定まるき裂深さ−最大信号振幅を示す単一の曲線
を得るので、この曲線上の少なくとも2点から、き裂長
さが等しく最大信号振幅が異なる複数の点が得られる。
したがって、き裂長さ−最大信号振幅を示すグラフに各
点をプロットすると直線状となることから、き裂長さ−
最大信号振幅を示す曲線の関数の係数を求めやすい。し
かも、1つのき裂長さに関する異なるき裂深さを測定で
求めるだけで任意のき裂長さ毎の検定曲線が得られる。
【0055】また、請求項3記載の非破壊き裂深さ判定
法によると、構造物のき裂とき裂サンプルとのき裂幅の
差を校正して幅の差分による影響を排除した関数を得て
からき裂長さ毎の検定曲線を求めているので、人工き裂
を用いてデータを得る場合にも、人工き裂と測定しよう
とするき裂との間の幅の違いによる影響を排除してき裂
深さを精度よく簡便に判定することができる。
【0056】また、請求項4記載の非破壊き裂深さ判定
法によれば、き裂検出信号の最大信号振幅の代わりにき
裂検出信号の最大振幅時の位相角を用いてき裂深さを判
定することができる。
【0057】また、請求項5記載の非破壊き裂深さ判定
法によれば、き裂検出信号の最大信号振幅の代わりにき
裂検出信号の最大振幅時の水平成分および垂直成分を用
いてき裂深さを判定することができる。
【0058】さらに、請求項6記載の非破壊き裂深さ判
定法によると、隣接したき裂のき裂深さが同程度と仮定
し、き裂間隔aとき裂検出信号との相関関係から、密接
状態と単体状態とでどれくらい評価曲線が変わるか予め
求めておくようにしているので、この曲線を基にき裂間
隔aが狭い場合にはき裂検出信号の高出力の要因がき裂
の密集にあるかどうか検証し、この要因を考慮してき裂
深さを判定することができる。したがって、き裂が密集
していることの影響を考慮することができ、高出力が得
られてもそこから即座に有害なき裂であると判断を下す
ような誤った判定をなくすことが可能となる。また、き
裂が密集していることの影響を考慮した上でいずれかの
き裂が基準深さを超える位置まで到達しているかどうか
の判定も行うことができる。
【0059】また、請求項7記載の非破壊き裂深さ判定
法によると、渦電流法、電位差法、磁気漏洩法あるいは
超音波を入射することによって得られるいずれかの信号
を判定法に用いるき裂検出信号とすることで、き裂深さ
をより精度よく判定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非破壊き裂深さ判定法により検定曲線
を求める手順を示すグラフで、(a)き裂深さ−最大信
号振幅、(b)き裂長さ−最大信号振幅、(c)き裂長
さ−最大信号振幅、(d)検定曲線(き裂深さ−最大信
号振幅)を示す各関数である。
【図2】非破壊き裂深さ判定法において最大信号振幅R
とき裂の長さ、深さおよび幅とを対応付ける検定曲線図
である。
【図3】本実施例の中実丸棒試験片の形状を示す図であ
る。
【図4】渦電流測定システムの接続例を示す図である。
【図5】き裂形状によって最大振幅信号が異なる場合を
例示するグラフで、(a)き裂長さ−最大信号振幅、
(b)き裂深さ−最大信号振幅、および(c)き裂幅−
最大信号振幅の各関数である。
【図6】検定曲線を求める手順の一例を示すフローであ
る。
【図7】き裂深さ判定手順の一例を示すフローである。
【図8】き裂深さ推定結果と実測された結果の比較を示
すグラフである。
【図9】本発明の一実施形態を示す(a)ECTによる
スキャンデータ、(b)新しいき裂深さ検定曲線の一例
を示す図である。
【図10】表面ノッチおよび内在ノッチによる信号の最
大信号振幅とその位相の関係を示すグラフである。
【図11】深さがほぼ等しい複数のき裂の間隔とその検
出信号との関係を示すグラフである。
【図12】非金属コーティングが施された基材(構造
物)の部分断面形状を示す図である。
【図13】複数のき裂に対するセンサ(プローブ)位置
とその検出信号との関係を示すグラフで、(a)は深さ
がほぼ等しい隣接した複数のき裂の場合、(b)は損傷
が進行しき裂が耐食コーティングと基材の境界に到達し
た場合である。
【図14】複数き裂と単一き裂信号の比を示すグラフで
ある。
【図15】TBC付き動翼におけるコーティングの構成
例を示す図である。
【図16】き裂検出信号の振幅(最大信号振幅)、位相
角、水平成分および垂直成分を示した図である。
【図17】非破壊き裂深さ判定法により検定曲線を求め
る手順を示すグラフで、(a)き裂深さ−位相角差、
(b)き裂長さ−位相角差、(c)き裂長さ−位相角
差、(d)検定曲線(き裂深さ−位相角差)を示す各関
数である。
【図18】従来の非破壊き裂深さ判定法における(a)
信号振幅とき裂深さとの関係、(b)信号位相とき裂深
さとの関係の一例を示すグラフである。
【図19】従来の非破壊き裂深さ判定法の一例を示す図
で、複数のき裂が密集して発生している場合のき裂間隔
と信号との関係を示している。
【図20】従来の非破壊き裂深さ判定法の一例を示す図
で、(a)深さがほぼ等しい隣接した複数のき裂と
(c)その検出信号、(b)基材へ伝播したき裂と
(d)その検出信号を示す。
【符号の説明】
6 き裂 a き裂間隔 ac 臨界間隔
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 29/22 501 G01N 29/22 501 Fターム(参考) 2G024 AD05 BA21 CA18 FA02 2G047 AA06 AC05 BC10 BC18 GA20 GG28 GG29 GG36 GJ21 2G053 AA11 AA14 AB21 AB22 BA02 BA13 BA24 BB11 BC02 BC07 BC14 CA03 CA17 CB05 CC00 CC07 DA01 DB06 DB19 2G060 AA10 AE28 AF15 EA01 EA04 EA06 EA08 KA11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物に生じたき裂の深さを非破壊で判
    定する非破壊き裂深さ判定法において、き裂形状が既知
    のき裂を測定して得られるき裂検出信号の最大信号振幅
    とき裂深さとの関係を示す曲線を求め、該曲線からき裂
    長さと最大信号振幅との関係を示す複数の曲線を求め、
    該曲線のうち、き裂長さに応じて最大信号振幅が変化す
    る領域からき裂長さ毎に異なるき裂深さ検定曲線を求め
    る一方、き裂長さに応じて最大信号振幅が変化しない領
    域からは単一のき裂深さ検定曲線を求め、これら検定曲
    線のうち判定対象き裂のき裂長さに合致するものを利用
    してき裂深さを判定することを特徴とする非破壊き裂深
    さ判定法。
  2. 【請求項2】 前記き裂はき裂長さが等しく、このき裂
    長さによって定まるき裂深さ−最大信号振幅を示す単一
    の曲線を求め、該単一の曲線上の複数の点をき裂長さ−
    最大信号振幅を示すグラフの同一き裂長さ上にプロット
    し、各プロット点を通るき裂長さ−最大信号振幅を表す
    各曲線の関数の係数を求めることを特徴とする請求項1
    記載の非破壊き裂深さ判定法。
  3. 【請求項3】 前記き裂として人工き裂を用い、前記各
    関数の係数をあらかじめ決定する際に、前記人工き裂を
    用いた測定により得られたき裂幅と最大信号振幅との関
    係をき裂幅を零とした値に校正して用いることを特徴と
    する請求項2記載の非破壊き裂深さ判定法。
  4. 【請求項4】 前記き裂検出信号の最大信号振幅の代わ
    りに前記き裂検出信号の最大振幅時の位相角を用いるこ
    とを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の非破
    壊き裂深さ判定法。
  5. 【請求項5】 前記き裂検出信号の最大信号振幅の代わ
    りに前記き裂検出信号の最大振幅時の水平成分および垂
    直成分を用いることを特徴とする請求項1から3のいず
    れかに記載の非破壊き裂深さ判定法。
  6. 【請求項6】 隣接した複数のき裂のき裂間隔とき裂検
    出信号との相関関係から、各き裂が隣接するき裂の検出
    信号に干渉する臨界間隔を予め求めておき、目視により
    得られたき裂間隔がこの臨界間隔よりも狭い場合には前
    記き裂検出信号の高出力の要因が前記き裂の密集にある
    かどうか検証し、この要因を考慮してき裂深さを判定す
    ることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の
    非破壊き裂深さ判定法。
  7. 【請求項7】 前記き裂検出信号は、渦電流法、電位差
    法、磁気漏洩法あるいは超音波を入射することによって
    得られるいずれかの信号であることを特徴とする請求項
    1から6のいずれかに記載の非破壊き裂深さ判定法。
JP2002001830A 2001-05-22 2002-01-08 非破壊き裂深さ判定法 Expired - Fee Related JP4020361B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002001830A JP4020361B2 (ja) 2001-05-22 2002-01-08 非破壊き裂深さ判定法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-153182 2001-05-22
JP2001153182 2001-05-22
JP2002001830A JP4020361B2 (ja) 2001-05-22 2002-01-08 非破壊き裂深さ判定法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003043016A true JP2003043016A (ja) 2003-02-13
JP4020361B2 JP4020361B2 (ja) 2007-12-12

Family

ID=26615544

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002001830A Expired - Fee Related JP4020361B2 (ja) 2001-05-22 2002-01-08 非破壊き裂深さ判定法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4020361B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005345157A (ja) * 2004-05-31 2005-12-15 Toshiba Corp 金属材料のき裂深さ検査方法
JP2007225564A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 渦流探傷信号の評価方法及び装置
JP2012013577A (ja) * 2010-07-01 2012-01-19 Daido Steel Co Ltd 渦流探傷方法
JP2012037251A (ja) * 2010-08-03 2012-02-23 East Japan Railway Co 渦電流探傷方法と渦電流探傷装置
CN103528840A (zh) * 2013-09-29 2014-01-22 天津大学 基于x射线成像系统探测器特性的调制传递函数测量方法
CN110389171A (zh) * 2019-06-20 2019-10-29 北京全路通信信号研究设计院集团有限公司 一种基于振动信号的钢轨断裂识别方法及系统
WO2020250583A1 (ja) * 2019-06-11 2020-12-17 株式会社Ihi 検査システム
KR102256282B1 (ko) * 2019-12-06 2021-05-27 한국로봇융합연구원 배관결함 분석장치
CN113533435A (zh) * 2021-06-28 2021-10-22 南京航空航天大学 一种电位法与复型法相结合的曲线裂纹扩展监测方法
CN117740084A (zh) * 2024-02-21 2024-03-22 宁德时代新能源科技股份有限公司 水冷板维修检测方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005345157A (ja) * 2004-05-31 2005-12-15 Toshiba Corp 金属材料のき裂深さ検査方法
JP2007225564A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 渦流探傷信号の評価方法及び装置
JP2012013577A (ja) * 2010-07-01 2012-01-19 Daido Steel Co Ltd 渦流探傷方法
JP2012037251A (ja) * 2010-08-03 2012-02-23 East Japan Railway Co 渦電流探傷方法と渦電流探傷装置
CN103528840A (zh) * 2013-09-29 2014-01-22 天津大学 基于x射线成像系统探测器特性的调制传递函数测量方法
WO2020250583A1 (ja) * 2019-06-11 2020-12-17 株式会社Ihi 検査システム
CN110389171A (zh) * 2019-06-20 2019-10-29 北京全路通信信号研究设计院集团有限公司 一种基于振动信号的钢轨断裂识别方法及系统
CN110389171B (zh) * 2019-06-20 2022-06-21 北京全路通信信号研究设计院集团有限公司 一种基于振动信号的钢轨断裂识别方法及系统
KR102256282B1 (ko) * 2019-12-06 2021-05-27 한국로봇융합연구원 배관결함 분석장치
CN113533435A (zh) * 2021-06-28 2021-10-22 南京航空航天大学 一种电位法与复型法相结合的曲线裂纹扩展监测方法
CN117740084A (zh) * 2024-02-21 2024-03-22 宁德时代新能源科技股份有限公司 水冷板维修检测方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4020361B2 (ja) 2007-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5406468B2 (ja) パルス式うず電流検査のための自動リフトオフ補償
RU2299399C2 (ru) Определение профиля поверхности объекта
Dziczkowski Elimination of coil liftoff from eddy current measurements of conductivity
JP4020361B2 (ja) 非破壊き裂深さ判定法
JP4875382B2 (ja) 渦流探傷信号の評価方法及び装置
RU2622355C2 (ru) Способ внутритрубной дефектоскопии стенок трубопроводов
Trushkevych et al. Differential coil EMAT for simultaneous detection of in-plane and out-of-plane components of surface acoustic waves
KR101164518B1 (ko) 강구조물에 있어서의 균열 진전의 모니터링 방법 및 강구조물의 잔여 수명 추정방법
Chady et al. Neural network models of eddy current multi-frequency system for nondestructive testing
JP4646835B2 (ja) 渦電流探傷による残存肉厚の評価方法及び評価装置
Witos Properties of amplitude distributions of acoustic emission signals generated in pressure vessel during testing
Cobb et al. Flaw depth sizing using guided waves
RU2526598C1 (ru) Способ электромагнитного контроля полой детали типа лопатки газотурбинного двигателя
RU2610350C1 (ru) Способ вихретокового контроля
JPH09113488A (ja) 電磁気的材質評価方法及び装置
JPH0552815A (ja) 応力腐食割れ深さの測定方法
Goldfine et al. Introduction to the Meandering Winding Magnetometer (MWM) and the grid measurement approach
CN111044604B (zh) 一种acfm单轴磁信号评估方法
JP6058436B2 (ja) 渦電流探傷装置および渦電流探傷方法
Yusa et al. Probability of detection analyses of eddy current data for the detection of corrosion
Zilberstein et al. Applications of spatially periodic field eddy current sensors for surface layer characterization in metallic alloys
US10775347B2 (en) Material inspection using eddy currents
Smetana et al. Pulsed Eddy Currents: A New Trend in Non-destructive Evaluation of Conductive Materials
Thomas et al. Finite element analysis of EMAT using comsol multiphysics
JP6109061B2 (ja) 耐熱部材の溶接部の余寿命検査方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041026

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070418

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070528

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070919

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070921

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101005

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111005

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121005

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131005

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees