JP2003042838A - オートテンショナの振動測定方法 - Google Patents

オートテンショナの振動測定方法

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JP2003042838A JP2001231084A JP2001231084A JP2003042838A JP 2003042838 A JP2003042838 A JP 2003042838A JP 2001231084 A JP2001231084 A JP 2001231084A JP 2001231084 A JP2001231084 A JP 2001231084A JP 2003042838 A JP2003042838 A JP 2003042838A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンと一体に組付けられたオートテンシ
ョナのプーリ部の変位振動からエンジンの振動を分離
し、オートテンショナのプーリ部の取付部に対する相対
変位振動を正確に測定する振動測定方法を提供する。 【解決手段】 ベース台に組付けられたエンジンの振動
をベース台に設けた基準点の周りの変位振動データ
(1)として測定し、且つ、前記エンジンに一体に組み
付けられたオートテンショナのプーリ部の振動を前記ベ
ースに設けた基準点の周りの変位振動データ(2)とし
て測定し、前記変位振動データ(1)から前記変位振動
データ(2)を減算することによって、オートテンショ
ナのプーリ部の振動をオートテンショナの取付部に対す
る相対変位振動に変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は少なくとも2以上の
座標系に跨る連成振動波形から目的とする座標系の振動
波形を好適に分離する方法に係り、詳しくはエンジンと
一体に組み付けられたオートテンショナのプーリ部の変
位振動からオートテンショナの取付部のノイズ振動を分
離する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンの補機を駆動するベルト
駆動系は、自動車の高級化に伴って使用される補機は増
えている。この補機をコンパクト且つ安定的に駆動する
ベルト駆動系として、例えば図7に示すオートテンショ
ナ5を装着した補機駆動ベルト装置が広く一般に用いら
れている。
【0003】このベルト駆動系の性能を評価するために
は、ベルト駆動系のベルト張力変動、或いはベルトの変
位振動等の評価と共にこれに付随するオートテンショナ
の性能を評価する必要があった。
【0004】図7に示すオートテンショナ5には、一般
的にネジリバネに代表される回転アーム式オートテンシ
ョナ、或いは直線バネ内蔵のオイルシリンダに代表され
るプッシュロッド式オートテンショナが用いられるが、
図7では回転アーム式オートテンショナを例として示し
ている。
【0005】オートテンショナ−5の機能はベルト4に
定張力を付与し、且つベルト4の振動を減衰させること
にあるが、この機能の評価に加えてオートテンショナ5
自体の耐久性を評価する必要があった。
【0006】このオートテンショナ5の機能を正しく評
価するためにはアーム軸の振動、或いはシリンダーロッ
ドの振動、すなわちオートテンショナ5のプーリ部5a
の振動を正確に測定する必要があった。
【0007】そこで従来方法として、台上試験機(モー
ター駆動)、或いはエンジンファイヤリング試験機を用
いてオートテンショナ5の変位振動を測定していた。こ
の測定方法はエンジンを取付けるベース台6に設けた基
準点を唯一の座標系として、エンジンに組付けられたオ
ートテンショナ5のプーリ部5aの振動を測定するもの
であった。
【0008】しかしながら、この方法で得られる振動波
形はエンジンの振動がプーリ部5aの振動に比して微弱
な場合には有効な方法であるが、この重畳するノイズ振
動成分が無視できない大きさの場合には問題である。ま
た、エンジンの振動が無視できるか否かは上記の重畳信
号を分離することによって初めて判定できる内容である
から、プーリ部5aの振動に重畳したエンジンの振動を
分離することは必須的要件であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで重畳振動信号
から特定の信号を分離する方法としては、例えば特公平
1−30083号公報、或いは特開平7−253493
号公報に開示された方法がある。
【0010】前者の方法は、予め所定の周波数でサンプ
リングした周期性ノイズ振動波形から同一位相1周期分
の波形を複数取り出し、同一位相同士を平均化処理する
ことによってノイズ振動波形を生成する。このノイズ振
動波形を測定対象波形(ノイズ重畳波形)から減算処理
することによって、ノイズ振動波成分を分離除去する方
法である。
【0011】しかし、この方法はノイズ振動波形の生成
に統計的平均化処理が入っているため、一過性の外乱ノ
イズが常時、重畳される信号波形には適用できない。
又、予めノイズ信号を計測し、平均化処理によってノイ
ズ振動波形を得る必要がある。
【0012】また、後者の方法は所定の切り欠き部を設
けた被測定軸に渦電流式変位センサを対峙させ、軸振動
波成分と回転パルス波成分(切り欠き部)が重畳した重
畳振動波を取り込み、この信号をA−D変換器でディジ
タル化し、しきい値を用いて軸振動波成分と回転パルス
波成分を時系列的に分離し、所定の演算を施して回転パ
ルス波形、及び軸振動波形を復元するものである。
【0013】しかし、この方法は一台のセンサで回転パ
ルスと軸振動を同時に測定しようとする方法であり、一
方の信号が外乱信号(軸振動)であり、もう一方の信号
が既知の信号(回転パルス)であるから、これらの信号
を重畳した測定信号から、両者を分離し、回転パルス波
成分と軸振動波成分を復元することは可能である。
【0014】これに対し、本発明方法が測定対象とする
振動波形は先ずベース台6を基準点として振動するエン
ジンの振動はランダムであり、又、このエンジンに組付
けられたオートテンショナの取付部5bを次なる基準点
として振動するプーリ部5aの振動もランダムである。
【0015】目的とする振動波形はオートテンショナの
取付部5bに対するプーリ部5aの相対振動波形であ
る。そこで本発明者は、2以上の座標系に渡って連成す
るランダムな振動波形から目的とする座標系の振動波形
を正確に分離する方法を以下の通り発明した。
【0016】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1の発
明は、ベース台上に組付けた供試エンジンに一体に組付
けられたベルト伝動装置に用いられるオートテンショナ
の取付部と、この取付部の周りに変位振動するオートテ
ンショナのプーリ部との間の相対変位振動を測定するオ
ートテンショナの振動測定方法において、ベース台に設
定した基準点の周りにオートテンショナのプーリ部の変
位振動を測定する振動測定手段(1)と、振動測定手段
(1)に同期して、前記基準点の周りにオートテンショ
ナの取付部の変位振動を測定する振動測定手段(2)
と、振動測定手段(1)で得られた変位振動データ
(1)から振動測定手段(2)で得られた変位振動デー
タ(2)を減算する演算手段と、演算手段で得られた変
位振動データ(3)を用いてオートテンショナのプーリ
部と取付部との間の相対変位振動を復元する手段と、で
構成したオートテンショナの振動測定方法である。
【0017】請求項2の発明は、振動測定手段(1)お
よび振動測定手段(2)で得られた変位振動データ
(1)および変位振動データ(2)は、アナログデータ
であり、このアナログデータを2進数デジタルデータに
変換するA/D変換器と、A/D変換器で変換された2
進数デジタルデータをアスキーコードに変換するアスキ
ー変換プログラムと、アスキー変換プログラムで変換さ
れたアスキーデータに基づいて、前記オートテンショナ
のプーリ部と取付部との間の相対変位振動データを演算
する数値計算プログラムと、とで構成した請求項1に記
載のオートテンショナの振動測定方法である。
【0018】請求項3の発明は、ベース台上に組付けた
供試エンジンに一体に組付けられたベルト伝動装置に用
いられるオートテンショナの取付部と、この取付部の周
りに変位振動するオートテンショナのプーリ部との間の
相対変位振動を測定するオートテンショナの振動測定方
法において、ベース台上に設定した基準点の周りにオー
トテンショナのプーリ部の変位振動を測定する振動測定
手段(1)と、振動測定手段(1)に同期して、前記基
準点の周りにオートテンショナの取付部の変位振動を測
定する振動測定手段(2)と、振動測定手段(1)及び
(2)に同期してエンジンクランク軸の回転周期を測定
する回転周期測定手段と、振動測定手段(1)で得られ
た変位振動データ(1)から振動測定手段(2)で得ら
れた変位振動データ(2)を減算する演算手段と、演算
手段で得られた変位振動データ(3)と回転周期測定手
段で得られた回転周期データを用いて相対変位振動のR
PMトラッキング分析を行う手段と、で構成したオート
テンショナの振動測定方法である。
【0019】請求項4の発明は、前記振動測定手段
(1)および振動測定手段(2)で得られた変位振動デ
ータ(1)および変位振動データ(2)は、アナログデ
ータであり、且つ前記回転周期測定手段で得られた回転
周期データは、アナログデータであり、このアナログデ
ータを2進数デジタルデータに変換するA/D変換器
と、A/D変換器で変換された2進数デジタルデータを
アスキーコードに変換するアスキー変換プログラムと、
アスキー変換プログラムで変換されたアスキーデータに
基づいて、前記オートテンショナのプーリと取付部との
間の相対変位振動を演算し、算出された変位振動データ
(3)と回転周期データに基づいて、相対変位振動のR
PMトラッキング分析を行う数値計算プログラムと、で
構成した請求項3に記載のオートテンショナの振動測定
方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明に係る
実施の形態を詳細に説明する。図1(a)は本発明に係
る振動測定方法の構成を示す概略図であり、図1(b)
はそのブロック図である。また、図2は本発明に係る振
動測定方法を示すフローチャート図であり、図3(a)
は振動波形を分離する導出式を示し、図3(b)はその
参照図である。
【0021】図4は実施例に係る第1の測定結果を示す
グラフ図であり、図4(a)はエンジン始動時のオート
テンショナのプーリ部振動を示し、図4(b)はオート
テンショナの取付部の振動を示し、図4(c)は取付部
に対するプーリ部の相対変位振動を示すグラフ図であ
る。
【0022】図5は実施例に係る第2の測定結果を示す
グラフ図であり、図5(a)はエンジン定回転時オート
テンショナのプーリ部の拡大波形を示し、図5(b)は
オートテンショナの取付部の変位振動を示し、図5
(c)は取付部に対するプーリ部の相対変位振動を示す
グラフ図である。
【0023】図6は図4(c)の相対変位振動波形に基
づいて振幅のRPMトラッキング分析を行った結果を示
すグラフ図である。また、図7は従来例に係る測定方法
を示す概略図である。
【0024】図1(a)において本発明に係る振動測定
装置1は、エンジン3をベース台6に組付けた機械ユニ
ット1aと、信号処理ユニット1bで構成される。機械
ユニット1aは供試するエンジン3をベース台6にエン
ジンマウント7を介して組付け、図示しないエンジン制
御装置、燃料供給装置等を用いて、適宜、ファイヤリン
グ試験を行うことができる。
【0025】尚、エンジン3に組付けられたウォーター
ポンプ(W/P)および交流発電機(ACG)は、クラ
ンクプーリ(CRANK)に巻き付けられたベルト4を
回転させることによって駆動される。また、信号処理ユ
ニット1bは、機械ユニット1aに取付けたセンサ2
a、2bからの信号を受けて所定の信号処理を行う。
【0026】以下、図1(a)、図1(b)を用いて、
本発明が特徴とする振動測定方法を詳細に説明する。図
1(a)において、オートテンショナ5のプーリ部5a
および取付部5bの変位を測定するセンサ2aおよびセ
ンサ2bは、夫々、ベース台6を基準点としてベース台
6に固定される。センサ2a、2bは変位を測定するセ
ンサであれば方式は問わない、例えばレーザ変位計、加
速度応用センサ、渦電流応用センサ等を任意に使用する
ことができる。
【0027】センサ2aはエンジン3に一体に固定され
たオートテンショナ5のプーリ部5aの振動を、ベース
台6を基準点として測定する。同様にセンサ2bはベー
ス台6に組付けられたエンジン3と一体に組付けられた
オートテンショナ5の取付部5bの振動を測定する。
【0028】次に図1(b)においてセンサ1は前記オ
ートテンショナ5のプーリ5aの振動をベース台6を基
準点として測定し、センサ2は前記取付部5bの振動を
ベース台6を基準点として時系列同期信号として測定記
録する。測定記録されたアナログデータA1、A2はA
/D変換器によって2進数に変換され、記憶1に2進数
ディジタルデータD1、D2として格納される。
【0029】A/D変換された2進数ディジタルデータ
は、さらにアスキーコード変換プログラムによって10
進数のアスキーコードに変換され、記憶2に格納され
る。以降の演算処理はこの10進数アスキーデータをベ
ースにして、汎用プログラム、例えば表計算プログラム
EXCEL、数値計算プログラムMATLAB、数式処
理プログラムMATHEMATICA等を任意に用いて適宜、解析
を行うことができる。
【0030】次に記憶2に格納された10進数データS
1から記憶2に格納された10進数データS2を減算
し、S0(=S1−S2)を記憶3に記憶する。データ
S0はエンジン3の振動に起因するノイズ信号を重畳信
号から分離した信号であるから、このデータS0はオー
トテンショナ5のプーリ部5aの振動を、取付部5bを
基準点とする振動成分のみに変換したものである。
【0031】故、このデータS0はプーリ部5aの振動
波形を忠実に再現するものであるから、このデータS0
に種々の数値演算を行うことによって、オートテンショ
ナ5の特性を正確に分析することができる。
【0032】次に図3を用いて本発明に係る振動測定の
アルゴリズムを説明する。図3(b)はプッシュロッド
式オートテンショナの例で示しているが、回転アーム式
オートテンショナの場合であっても所定の座標変換プロ
グラムを援用することによって同様に議論することがで
きる。
【0033】図3(b)に示す通り、センサ2aはベー
ス台6から距離L1の位置にベース台6と一体に固定さ
れており、この位置を基準にしてオートテンショナ5の
プーリ5aの振動を測定する。同様にセンサ2bはベー
ス台6から距離L2の位置を基準として、エンジン3、
すなわちオートテンショナ5の取付部5bの振動を測定
する。
【0034】オートテンショナ5のプーリ部5aの位置
座標はベース台6を絶対座標系として、Y1=L1+δ
y1(振動成分)と表せる。また、取付部5bの位置座
標座はベース台6を絶対座標系として、Y2=L2+δ
y2(振動成分)と表せる。
【0035】故、プーリ部5aの取付部5bに対する相
対変位振動Y0は、Y0=Y1−Y2で表せる。すなわ
ち、Y0=(L1−L2)+(δy1−δy2)と表現
できる。ここで、L0(=L1−L2)は定数であるか
ら、目的とする振動成分は、δy0(=δy1−δy
2)となる。
【0036】尚、図3(a)および図3(b)の構成の
下に測定したオートテンショナ5のプーリ5aの変位振
動データ(1)はA1(=δy1)で定義され、同じく
取付部5bの変位振動データ(2)はA2(=δy2)
と定義される。
【0037】上記の測定手順を図2に示すフローチャー
ト図を用いて更に説明する。図2に示す通り、先ず、変
位センサ(1)(=センサ2a)および変位センサ
(2)(=センサ2b)を用いて、変位振動データA1
およびA2をアナログデータとして入力する。このアナ
ログデータを2進数のデジタルデータD1、D2に変換
し、更に10進数のアスキーデータS1、S2に変換す
る。
【0038】アスキーデータS1、S2は標準形式の1
0進数データであるから、汎用コンピュータにインスト
ールされた汎用数値計算プログラム(表計算プログラム
EXCEL、数値計算プログラムMATLAB、BAS
IC等)を用いて、波形解析、パワースペクトル分析、
表示形式等のプログラムを自在に組むことができる。
【0039】そこで前記汎用プログラムに10進数のデ
ータS1、S2を読込み、プログラム上で演算処理(減
算)を実行し、S0(=S1−S2)を算出する。得ら
れたS0はプーリ部5aの取付部5bに対する相対変位
振動であるから、この演算によって、オートテンショナ
5の取付部5bに重畳したエンジン3のノイズ振動を分
離することが可能になる。
【0040】以下、本発明に係る実施例を、図面を用い
て詳細に説明する。
【0041】
【実施例】実施例に供試したエンジン3は直列4気筒4
000ccのエンジンであり、このエンジンに組付けら
れた補機駆動用ベルトには、周長1700mm、リブ数
6の三ツ星ベルト製リブドベルト6PK1700を用い
た。
【0042】また、実験に用いた補機駆動用ベルト装置
は、右回りにクランクプーリ、ACGプーリ、W/Pプ
ーリが配されており、クランクプーリとACGプーリの
中間にオートテンショナ5が配置された補機駆動用ベル
ト装置であった。このオートテンショナ5には、プーリ
径90mm、アーム長さ90mmのアーム式オートテン
ショナを用いた。
【0043】実験は、供試エンジン3を500〜350
0rpmまで加減速運転し、各補機の運転条件を変えて
行った。変位を測定するセンサ2a、2bには型式LB
−1000のキーエンス製レーザー変位計を用い、A/
D変換器には型式CF−5200の小野測器製FFTア
ナライザーを使用した。また、クランク軸の回転周期測
定には反射式レーザ検出器を用い、クランク軸に貼付し
たマーカー信号を測定した。
【0044】2進数から10進数への変換プログラム
は、BASIC言語でプログラムしたアスキコード変換
プログラムを用いた。尚、以降の演算処理および出力処
理は、汎用数値計算プログラムであるEXCELを用い
て計算した。
【0045】以上の構成の基にオートテンショナ5のプ
ーリ部5aおよび取付部5bの振動データA1およびA
2を測定し、前記演算処理を行ってプーリ部5aの振動
からエンジン3の振動(オートテンショナ5の取付部5
bの振動)を分離し、オートテンショナ5のプーリ部5
aの取付部5bに対する変位振動データを復元した。結
果は図4および図5に示す。
【0046】図4は、エンジン始動時のアイドル回転数
(500rpm)におけるオートテンショナ5の振動の
様子を示す振動波形図であり、図4(a)はオートテン
ショナ5のプーリ部5aのベース台6に対する変位振動
データS1をグラフ化したものであり、図4(b)はエ
ンジン3の振動、すなわち、エンジン3と一体に振動す
るオートテンショナ5の取付部5bのベース台6に対す
る変位振動データS1をグラフ化したものであり、図4
(c)は上記変位振動データS1からS2を減算して得
られるオートテンショナ5のプーリ部5aの取付部5b
に対する変位振動データS0(S0=S2−S1)をグ
ラフ化したものである。
【0047】上記の通り、実施例に係る方法を用いるこ
とによってオートテンションナ5の振動特性を正確に表
現する変位振動データS0を、変位振動データS1、S
2から演算によって好適に生成できることが判る。
【0048】同様に図5は、エンジン定回転時のオート
テンショナ5の振動の様子を示す振動波形図であり、図
5(a)は、上述の演算プログラムに基づいて算出した
プーリ部5aのベース台6に対する変位振動S1、オー
トテンショナ5の取付部5bのベース台6に対する変位
振動データS2、およびS1からS2を減算して得られ
るプーリ部5aの取付部5bに対する変位振動データS
0(=S2−S1)をグラフ化したものである。
【0049】また、図6は上記の変位振動データSOと
クランク軸の回転周期データS3を用いて、振幅に対す
るRPMトラッキング分析を実施し、グラフ化したもの
である。
【0050】以上の結果より、2個の変位センサおよび
信号分離プログラムを用いることによって、実機ファイ
ヤリング試験において避けることのできないエンジン3
のノイズ振動を内在したまま、プーリ部5aおよび取付
部5bの変位振動データを記録し、このデータに前述の
演算を施すことによってプーリ部5aの取付部5bに対
する振動波形を正確に復元することが可能になり、この
波形をグラフ化する、或は振幅に対するRPMトラッキ
ング分析等を実施することによってオートテンショナ5
の特性を適切に評価することが可能になる。
【0051】
【発明の効果】請求項1の発明は、これによって振動が
避けられないエンジンに組み付けられ、このエンジンが
作る座標系の上で更に振動するオートテンショナのプー
リの取付部に対する相対変位振動データを容易、且つ正
確に生成することを可能にする。
【0052】請求項2の発明は、これによって汎用コン
ピュータ、および汎用数値計算プログラムの使用を可能
にするから、その利便性(簡便な操作、プログラムのカ
スタマイズ化)とアウトプットの表現形式を豊かにする
効果がある。
【0053】請求項3の発明は、これによって振動が避
けられないエンジンに組付けられ、このエンジンが作る
座標系の上で更に振動するオートテンショナのプーリの
取付部に対する相対変位振動データを容易、且つ正確に
生成するとともに、エンジンクランク軸の回転周期デー
タを用いて、前記相対変位振動のRPMトラッキング分
析を行うことができるから、オートテンショナの振動特
性をより正確に評価することが可能になる。
【0054】請求項4の発明は、これによって汎用コン
ピュータ、および汎用数値計算プログラムの使用を可能
にするから、その利便性の向上と共に解析評価手法を豊
かにする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る振動測定方法を示す構成図
であり、図1(a)は概観図であり、図1(b)は測定
のブロック図である。
【図2】本発明に係る振動測定装置のフローチャート図
である。
【図3】本発明に係る測定原理を示す説明図であり、図
3(a)は信号分離のアルゴリズムを示し、図3(b)
はその参照図を示す。
【図4】図4はエンジン始動時の測定結果を示すグラフ
図であり、図4(a)はプーリ部の振動を示し、図4
(b)は取付部の振動を示し、図4(c)は図4(a)
の振動波形から図4(b)の振動波形を減算した振動波
形を示すグラフ図である。
【図5】図5はエンジン定回転時の測定結果を示すグラ
フ図であり、図5(a)はプーリ部の振動を示し、図5
(b)は取付部の振動を示し、図5(c)は図5(a)
振動波形から図5(b)の振動波形を減算した振動波形
を示すグラフ図である。
【図6】振幅のRPMトラッキング分析結果を示すグラ
フ図である。
【図7】従来例に係る測定方法を示す概略図である。
【符号の説明】
1 振動測定装置 1a 機械ユニット 1b 信号処理ユニット 2a、2b センサ 3 エンジン 4 ベルト 5 オートテンショナ 5a プーリ部 5b 取付部 6 ベース台 7 エンジンマウント

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベース台上で振動するエンジンに一体に
    組付けられたベルト伝動装置に用いられるオートテンシ
    ョナの取付部と、この取付部の周りに変位振動するオー
    トテンショナのプーリ部との間の相対変位振動を測定す
    るオートテンショナの振動測定方法において、 ベース台に設定した基準点の周りにオートテンショナの
    プーリ部の変位振動を測定する振動測定手段(1)と、 振動測定手段(1)に同期して、前記基準点の周りにオ
    ートテンショナの取付部の変位振動を測定する振動測定
    手段(2)と、 振動測定手段(1)で得られた変位振動データ(1)か
    ら振動測定手段(2)で得られた変位振動データ(2)
    を減算する演算手段と、 演算手段で得られた変位振動データ(3)を用いてオー
    トテンショナのプーリ部と取付部との間の相対変位振動
    を復元する手段と、からなることを特徴とするオートテ
    ンショナの振動測定方法。
  2. 【請求項2】 振動測定手段(1)および振動測定手段
    (2)で得られた変位振動データ(1)および変位振動
    データ(2)は、アナログデータであり、このアナログ
    データを2進数デジタルデータに変換するA/D変換器
    と、 A/D変換器で変換された2進数デジタルデータをアス
    キーコードに変換するアスキー変換プログラムと、 アスキー変換プログラムで変換されたアスキーデータに
    基づいて、前記オートテンショナのプーリ部と取付部と
    の間の相対変位振動データを演算する数値計算プログラ
    ムと、から構成される請求項1記載のオートテンショナ
    の振動測定方法。
  3. 【請求項3】 ベース台上で振動するエンジンに一体に
    組付けられたベルト伝動装置に用いられるオートテンシ
    ョナの取付部と、この取付部の周りに変位振動するオー
    トテンショナのプーリ部との間の相対変位振動を測定す
    るオートテンショナの振動測定方法において、 ベース台上に設定した基準点の周りにオートテンショナ
    のプーリ部の変位振動を測定する振動測定手段(1)
    と、 振動測定手段(1)に同期して、前記基準点の周りにオ
    ートテンショナの取付部の変位振動を測定する振動測定
    手段(2)と、 振動測定手段(1)及び(2)に同期して、エンジンク
    ランク軸の回転周期を測定する回転周期測定手段と、 振動測定手段(1)で得られた変位振動データ(1)か
    ら振動測定手段(2)で得られた変位振動データ(2)
    を減算する演算手段と、 演算手段で得られた変位振動データ(3)と回転周期測
    定手段で得られた回転周期データを用いて相対変位振動
    のRPMトラッキング分析を行う手段と、からなること
    を特徴とするオートテンショナの振動測定方法。
  4. 【請求項4】 前記振動測定手段(1)および振動測定
    手段(2)で得られた変位振動データ(1)および変位
    振動データ(2)は、アナログデータであり、且つ前記
    回転周期測定手段で得られた回転周期データは、アナロ
    グデータであり、このアナログデータを2進数デジタル
    データに変換するA/D変換器と、 A/D変換器で変換された2進数デジタルデータをアス
    キーコードに変換するアスキー変換プログラムと、 アスキー変換プログラムで変換されたアスキーデータに
    基づいて、前記オートテンショナのプーリと取付部との
    間の相対変位振動を演算し、算出された変位振動データ
    (3)と回転周期データに基づいて、相対変位振動のR
    PMトラッキング分析を行う数値計算プログラムと、か
    らなる請求項3記載のオートテンショナの振動測定方
    法。
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