JP2003041909A - 熱交換システムおよび発電システム - Google Patents

熱交換システムおよび発電システム

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JP2003041909A
JP2003041909A JP2001230460A JP2001230460A JP2003041909A JP 2003041909 A JP2003041909 A JP 2003041909A JP 2001230460 A JP2001230460 A JP 2001230460A JP 2001230460 A JP2001230460 A JP 2001230460A JP 2003041909 A JP2003041909 A JP 2003041909A
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cooling water
temperature
heat exchange
micro
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Mitsuhiro Tanamura
光浩 棚村
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Toshiba Engineering Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/20Hydro energy

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  • Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)
  • Hydraulic Turbines (AREA)
  • Other Liquid Machine Or Engine Such As Wave Power Use (AREA)
  • Jet Pumps And Other Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱交換後の冷却水をマイクロ水車発電機によ
り放出するので、泡の発生を抑制でき、同時にエネルギ
ーを回収できる熱交換システムおよび発電システムを提
供する。 【解決手段】 高低を有する循環水供給用配管3の流路
を被温調物の蒸気と異なる温度の冷却水がサイフォン効
果により流動し、この流路の最上位置で熱交換器4と熱
交換させた冷却水を放出する熱交換システムにおいて、
前記冷却水の放出路7に前記サイフォン効果を作用させ
る所定の水位を確保するために堰5を設け、この堰5で
貯水された冷却水をマイクロ水車発電機8により取水し
落差を利用して下方に放出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高低を有する流路
をサイフォン効果を利用して少ないポンプ動力で水を循
環させる熱交換システムおよび発電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】サイフォン効果を利用した冷却水流によ
り冷却する代表例としては蒸気タービン発電システム復
水器の熱交換部に採用されている。従来の蒸気タービン
発電システムの循環水系統は図7に示すようになってい
る。
【0003】蒸気タービン発電システム71は高温、高
圧の水蒸気の噴射により高速回転するタービン72と、
このタービン72の回転軸に連結されて回転し発電する
発電機73と、上記タービン72の排気する蒸気を水に
変換する復水器74と、この復水器74にて蒸気を水に
変換するための冷却水として海水75を循環させた循環
水系統を備えている。
【0004】復水器74は、この循環水系統によりター
ビン72から排気する蒸気を冷却して水を再生し、この
水から高温、高圧の水蒸気を再生させ、水分を除去した
蒸気によりタービン72を回転させている。このような
蒸気タービン発電システム71において、蒸気を水に変
換させる復水器74は高低を有する導水管の最上位置に
設けられる。冷却水は海水75が用いられ、この海水7
5は取水口78より循環水ポンプピット79に導かれ、
循環水ポンプ76により昇圧、揚水され、高低を有する
導水管80を流れる。
【0005】導水管80には循環水ポンプ出口開閉弁8
1、復水器水室入口開閉弁82、復水器入口水室83、
復水器74の熱交換用チューブ84、復水器出口水室8
5、復水器水室出口開閉弁86、循環水排出配管87が
設けられている。この循環水排出配管87を通った海水
75は放出ダム88に放出される。この放出ダム88に
は堰89が設けられ、放出ダム88の開口から溢れた海
水75が放出される。
【0006】循環水系統において、循環水ポンプ76は
復水器74で効率的に熱交換するに十分な流量を維持し
て揚水するための容量が必要であり、さらに、蒸気ター
ビン発電プラントの大容量化に応じて冷却水量が増加す
るため、大きな容量が必要である。この循環水ポンプ7
6の実揚程は、所定の流量における循環水ポンプピット
79の水面レベルLと放出ダム88の水面レベルL
の高低差分および循環水系統を構成する導水管80、循
環水ポンプ出口開閉弁81、復水器水室入口開閉弁8
2、復水器水室出口開閉弁86、復水器74などの各種
損失分を加えた容量が必要とされる。このように循環水
ポンプ76は大きな容量が必要となり、その分大きな動
力が消費されることになる。
【0007】サイフォン効果を利用した循環水ポンプ7
6は、より小さく、より少ない動力で冷却水を循環させ
ることができる。循環水系統は、より小さく、より少な
い動力で循環水ポンプ76を使用することと、導水管8
0内を連続的に所定の流量の冷却水を流すために、サイ
フォン効果を利用している。サイフォン効果を利用した
循環水系統は次の手段により達成される。
【0008】復水器出口水室85内の水位を選択して天
井部に負圧の領域を形成すること、放出ダム88の水位
が所定値になるように堰89の高さを制御するこ
と、さらに、循環水ポンプ出口開閉弁81、復水器水室
入口開閉弁82そして復水器水室出口開閉弁86などの
開度が導水管80のどの位置でも冷却水の流量が所定の
流量内になるように調整されていることなどである。
【0009】さらに、このような循環水系統では、堰8
9の前後で水位差が発生し、この水位差が約40cm以
上になると海水75の流れが乱れ、泡が発生する。この
泡は魚網に付着して汚染し、飛散して塩害を引き起こす
問題がある。
【0010】この問題を解決する手段として、特開平6
−82178号公報には、堰89の下流側にさらに水門
を設けて、堰89の下流側の水位を上昇させ、堰89の
前後での水位差が常時所定の水位差になるように水門の
開度を調整するシステムが発表されている。しかしなが
ら、このシステムは、上記水門の開度を冷却水の流量に
応じて自動的に高精度な制御が必要であり、さらに開度
を調整するための電力が必要となる。
【0011】
【発明が解決しようとしている課題】上述したように、
従来から蒸気タービン発電システムの復水器を冷却する
ための循環水系統は、サイフォン効果を利用した循環水
系統において効率的に泡の発生を抑制した熱交換システ
ムおよび発電システムの開発が求められていた。
【0012】本発明は、かかる従来の問題を解決すべく
なされたもので、新たに動力を必要とすることなく、発
電しながら泡の発生を防止するようにした熱交換システ
ムおよび発電システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、次の構成からなる熱交換システムおよび発
電システムを提供するものである。
【0014】すなわち、請求項1の熱交換システムは、
高低を有する導水管の流路を被温調物と異なる温度の水
がサイフォン効果を利用した少ないポンプ動力により流
動し、この流路の最上位置で前記被温調物と熱交換させ
た水を前記最上位置より下方に設けた堰により形成され
た放出ダム内に放出する熱交換システムにおいて、この
堰で貯められた水を取水し下方に流出させる流路に設け
られたマイクロ水車発電機を具備してなることを特徴と
する。
【0015】請求項1の発明によれば、新たに動力を必
要とすることなく、所定の温度に低温化された冷却水を
泡の発生を防止しながら放出路に放出することができ、
かつエネルギーを回収できるようにした熱交換システム
を得ることができる。
【0016】請求項2の熱交換システムは請求項1記載
の熱交換システムにおいて、前記マイクロ水車発電機は
前記流路に並列に複数台設けられていることを特徴とす
る。
【0017】請求項2の発明によれば、マイクロ水車発
電機に発電効率の高い流量の水を流すことができるの
で、高いエネルギーの回収を得ることができると、共に
泡の発生を抑制できる。
【0018】請求項3の熱交換システムは請求項1又は
2記載の熱交換システムにおいて、前記マイクロ水車発
電機は前記堰により形成された放出ダムの底部より下方
に位置して設けられていることを特徴とする。
【0019】請求項3の発明によれば、マイクロ水車発
電機にサイフォン効果を利用した放水流をプライミング
操作をすることなく得ることができる。
【0020】請求項4の熱交換システムは請求項1又は
2記載の熱交換システムにおいて、前記マイクロ水車発
電機は前記堰により形成された放出ダムの水位より上方
に位置して設けられていることを特徴とする。
【0021】請求項4の発明によれば、マイクロ水車発
電機を地上に設けることができるので、常に操作者の監
視下にあり、運転状態を肉眼で確認でき、メンテナンス
仕易い効果がある。
【0022】請求項5の熱交換システムは請求項1乃至
4のいずれか1項記載の熱交換システムにおいて、前記
マイクロ水車発電機は前記堰により形成された放出ダム
の水位が所定の水位になるように制御されることを特徴
とする。
【0023】請求項5の発明によれば、放出ダムに貯水
された冷却水について泡の発生を抑制した放出を行うこ
とができると、共にサイフォン効果を利用した安定な冷
却水の水流を得ることができる。
【0024】請求項6の熱交換システムは請求項1乃至
5のいずれか1項記載の熱交換システムにおいて、前記
流路の最上位置を挟んで前後に開閉弁を設けたことを特
徴とする。
【0025】請求項6の発明によれば、サイフォン効果
を利用した安定な冷却水の水流を得ることができる。
【0026】請求項7の熱交換システムは請求項1乃至
6のいずれか1項記載の熱交換システムにおいて、前記
熱交換された水の温度が予め設定された範囲内となるよ
うに、前記熱交換された水に熱交換前の水を混入させる
バイパス管を前記流路に設けたことを特徴とする。
【0027】請求項7の発明によれば、熱交換により温
度上昇した冷却水を放出するのに規制された温度に高精
度に調整できる効果がある。
【0028】請求項8の発電システムは、高低を有する
導水管の流路を冷却水がサイフォン効果を利用した少な
いポンプ動力により流動し、この流路の最上位置で発電
設備の復水器と熱交換させ温度上昇した冷却水を前記最
上位置より下方に設けた堰により形成された放出ダム内
に放出する発電システムにおいて、前記堰で貯められた
冷却水を取水し下方に流出させる流路に設けられたマイ
クロ水車発電機を具備してなることを特徴とする。
【0029】請求項8の発明によれば、新たに動力を必
要とすることなく、泡の発生を防止しながらエネルギー
を回収できるようにした発電システムを得ることができ
る。
【0030】請求項9の発電システムは請求項8記載の
発電システムにおいて、前記復水器で熱交換された冷却
水の温度が予め設定された範囲内となるように、前記復
水器で熱交換された冷却水に熱交換前の冷却水を混入さ
せるバイパス管を前記流路に設けたことを特徴とする。
【0031】請求項9の発明によれば、蒸気タービンを
回転させるために使用した高温度の蒸気を熱交換するこ
とにより高温度に上昇した冷却水を放出するのに、所定
の温度に高精度に調整できる効果がある。
【0032】請求項10の発電システムは請求項9記載
の発電システムにおいて、前記復水器で熱交換された冷
却水の温度が予め設定された範囲内となるように、前記
復水器で熱交換された冷却水に熱交換前の冷却水をマイ
クロ水車発電機を介して混入させるバイパス管を前記流
路に設けたことを特徴とする。
【0033】請求項10の発明によれば、蒸気タービン
を回転させるために使用した高温度の蒸気を熱交換する
ことにより高温度に上昇した冷却水を放出するのに、所
定の温度に高精度に調整できると、共に所定の温度に冷
却するために供給する冷却水でもエネルギー回収できる
効果がある。
【0034】請求項11の発電システムは請求項10記
載の発電システムにおいて、前記復水器の前後の導水管
間に第1および第2のバイパス管を並列に接続し、第1
のバイパス管は熱交換前の冷却水を、第2のバイパス管
は冷却器で冷却した冷却水にして、それぞれ熱交換後の
温度上昇した冷却水に混合して所定温度に調整すること
を特徴とする。
【0035】請求項11の発明によれば、蒸気タービン
を回転させるために使用した高温度の蒸気を熱交換する
ことにより高温度に上昇した冷却水を、粗の低温調整
と、密の低温調整により所定の温度に高精度に調整でき
る効果がある。
【0036】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る熱交換システ
ムの実施形態について図面を参照して説明する。図1は
本発明に係る熱交換システムの実施形態を説明するため
のシステム構成図である。
【0037】熱交換システム1は冷却水を揚水し、昇圧
するための循環水ポンプ2と、循環水ポンプ2により揚
水された冷却水が高低を有する導水管たとえば循環水路
を所定の流量で流れる循環水供給用配管3と、配管3の
最上位置に設けられ被温調物と冷却水とを熱交換させて
被温調物を冷却するための熱交換器4と、熱交換器4で
熱交換されて温度上昇した冷却水の放出路に設けられた
堰5と、堰5により貯水された放出ダム6と、放出ダム
6の冷却水を取水して放出路7に放出するマイクロ水車
発電機8とから構成されている。
【0038】循環水供給用配管3は熱交換器4を所望す
る温度に冷却するのに必要な流量の冷却水を流せる管径
と耐圧が必要である。熱交換器4は複数本の伝熱管が冷
却水の流路中に配設された構成であり、伝熱管内に被温
調流体を流すことにより冷却水との熱交換を行う。堰5
はサイフォン効果を利用するための水位Lにするため
の高さに設定する。この高さは、循環水供給用配管3を
流れる冷却水の流量と堰5の高さとの関係を予め試験し
て設定する。
【0039】循環水系統は、より小さな循環水ポンプ2
が使用できること、および高低を有する循環水供給用配
管3路内を連続的に所定の流量の冷却水を流すために、
サイフォン効果を利用している。サイフォン効果を利用
した循環水系統は次の手段により達成されている。サイ
フォン効果の条件は熱交換器4の出口水室4a内の水位
を調整して天井部に負圧の領域を形成すること、放
出ダム6の水位Lが所定値になるように堰5を設ける
こと、循環水ポンプ2出口、熱交換器4入口水室そして
熱交換器4の水室出口水室4aなど循環水系統のどの位
置でも冷却水の流量が所定の流量内になるように調整さ
れていることなどである。
【0040】マイクロ水車発電機8の代表的な例を説明
すると、マイクロ水車発電機8はマイクロ水車12と3
相交流式の発電機13とからなり、マイクロ水車12の
回転が発電機13を回転させるためにベルト14により
伝達される機構になっている。マイクロ水車発電機8は
マイクロ水車12の回転軸15にプーリ16が固定さ
れ、同様に発電機13の回転軸17にプーリ18が固定
され、これらプーリ16、18間にベルト14が掛けら
れて、マイクロ水車12の回転が発電機13の回転軸1
7を回転させるように結合されている。
【0041】マイクロ水車12の回転は放出ダム6と、
放出路7間の落差で、放出ダム6の冷却水を吸入管19
が吸水することによりランナー20が回転し、マイクロ
水車12の回転軸15が回転する。この結果、マイクロ
水車12は発電機13を回転させ発電する。ランナー2
0を回転させた冷却水はマイクロ水車12の放出管21
から放出路7に放出される流路を流れる。この実施例で
のマイクロ水車発電器8は前記堰5で貯水された放出ダ
ム6の底部より下方に位置する流路に設けられている。
【0042】このマイクロ水車12による冷却水の放出
量は堰5を越えて放出ダム6の開口から流れる冷却水が
無いか、ほとんど無いように流量を選択する。すなわ
ち、この流量は循環水供給用配管3を流れる冷却水の流
量分、常時流すことである。このような冷却水の放出法
は放出水を管状のマイクロ水車12により案内するので
放出水に乱れが生じて泡が発生するのを防止できる。堰
5を越えて流れる冷却水が少量であれば溢れた冷却水
は、堰5の壁面を伝わって流れ、泡の発生は抑制され
る。さらに、マイクロ水車発電機8は、水力発電するの
でこの電力を照明や循環水ポンプ2、堰5の上下動用な
どの動力として利用することができる。
【0043】マイクロ水車発電機8が過剰に動作して放
出ダム6の水位Lが吸入管19の先端より下方になる
と、吸入管19は空気を吸い込みマイクロ水車発電機8
の冷却水放出は自動的に停止する。すなわち、マイクロ
水車発電機8の回転は停止し、発電も自動的に停止す
る。この状態は、マイクロ水車発電機8の出力電圧を監
視することにより検出することができる。従って、この
マイクロ水車発電機8はセンサーとしても利用できる。
即ち、吸入管19の先端位置はこのような現象を考慮し
て位置決めする。
【0044】循環水ポンプ2によって揚水され、昇圧さ
れた冷却水が循環水供給用配管3を循環した時、熱交換
器4出口水室4aの天上部近辺の圧力は大気圧より低い
負の静圧となり、いわゆるサイフォン作用状態が形成さ
れる。サイフォン作用による水流は、循環水ポンプ2に
よる揚水動力を少動力に軽減する。また、熱交換器4出
口水室4aの天上部の水位Lの負圧領域が、真空に近
い状態にまで負圧になると、この部分で気水分離が生
じ、循環水系統の水流が不能となる。
【0045】気水分離の状態が発生するのを防止するに
は、循環水系統において熱交換器4の出口水室4aの天
上部の水位Lと放出ダム6の堰5上端のレベルL
の差がサイフォンリミットと呼ばれる値以下となるよう
に、放出ダム6の堰5上端のレベルLの値を決定す
る。実際の、熱交換器4循環水系統の運転においては、
循環水流量が零から最大計画流量まで変化する。
【0046】水量の変化は図1において、放出ダム6の
堰5上端のレベルLと実際の循環水放出ダム6の水位
の差を堰越流高さHと呼び、この堰越流高さH
が循環水流量の変化に従って変わることになる。したが
って、任意の運転時での循環水ポンプ2の実揚程は循環
水ポンプピット11の水位Lと放出ダム6の水位L
との差となる。
【0047】一方、循環水系統を構成する機器の性能
は、循環水流量の最大状態において定められるが、実際
の運転においては、循環水温度、季節による気温、発電
プラントの出力、環境への影響により変動する。冬場の
発電量が低い運転状態では、循環水温度が低温であるた
め単位循環水量当たりの熱交換量が増加するため必要循
環水流量が減少する事になる。この状態においてもサイ
フォン効果を維持する為には、熱交換器4の出口水室4
aに接続された循環水供給用配管3に調節開閉弁を接続
して、この調節開閉弁を絞り、出口水室4aの負圧領域
の圧力が一定の範囲を維持する操作を行なう。
【0048】循環水ポンプ2の揚程は、あらゆる循環水
系統の運転条件においてもサイフォン作用による循環を
維持し、気水分離の状態が発生しないように放出ダム6
の堰5上端のレベルLを決定しなければならない。と
ころが、循環水流量が零の状態、すなわち堰越流高さH
が零の時の条件が最も厳しい条件となる。この条件で
放出ダム6の堰5上端のレベルLが決定されると、通
常の循環水系統の運転状態では放出ダム6の水位L
実際の流量に応じた堰越流高さHが加わる為、この堰
越流高さHの分だけ不必要に循環水ポンプ2の実揚程
が増えることになる。
【0049】循環水ポンプ2は、冷却水たとえば海水を
海から取水口10を介して循環水ポンプピット11に導
入し、揚水・昇圧して循環水供給用配管3に供給し循環
水流を形成する。その後、供給された冷却水は、循環水
供給用配管3内をサイフォン効果を利用した常時一定の
流量が流れるように循環水系統が形成される。サイフォ
ン効果を利用した冷却水の循環が行われると、循環水ポ
ンプ2の運転動力は少ない動力になる。従って、循環ポ
ンプ2の動力は初期時に大きな動力が必要であるが、サ
イフォン作用が形成されると、少ない動力で運転され
る。
【0050】サイフォン効果を利用した冷却水の流れ
は、熱交換器4内の一部に負圧の領域を形成すること、
放出ダム6の水位が所定値になるように堰5の高さを設
定すること、さらに、循環水系統のいずれの循環水供給
用配管3内を流れる冷却水の流量が所定の流量内になる
ように調整されていることである。
【0051】この実施形態では循環水ポンプピット11
の海水の水位Lより放出ダム6の水位Lが上方に位
置し、この放水ダム6の水位Lは熱交換器4の接続さ
れた位置より下方に位置している。すなわち、循環水ポ
ンプ2はサイフォン効果を利用して冷却水の供給位置よ
り上方に冷却水を安定に供給する。
【0052】放出ダム6の水位Lを調節する方法は、
放出ダム6の水位Lと放出路7の水位との水位差を有
効利用し、この落差にマイクロ水車発電機8を設置し
て、マイクロ水車12に冷却水を流して放出する方法で
ある。この時、同時にマイクロ水車発電機8が発電しエ
ネルギーの回収を行う。 放出ダム6からマイクロ水車
発電機8を経由して放出される水量とマイクロ水車発電
機8により発電される発電量は相関関係があり、マイク
ロ水車発電機8の発電量を制御する事により、調整用放
出量を制御することができる。
【0053】上記したように構成された熱交換システム
は、さらに二つの制御系たとえば循環水系統制御装置
と、放出ダム水位調整装置とを有する。循環水系統制御
装置は、循環水系統を構成する各種機器の状態信号から
循環水系統圧力バランス計算を行なう事により、サイフ
ォン効果が最大限に利用できる放出ダム6の水位を計算
し、これを放出ダム6水位調整装置へ送る事により、堰
5の高さを制御する。堰5の高さは、堰5の高さを制御
するモータの回転数を制御することにより自動的制御す
ることができる。この制御は調整頻度が少ないため操作
者が行うこともできる。
【0054】サイフォン効果を最大限に利用する制御
は、取水口10の水位L、循環水ポンプピット11の
温度計42による海水の温度、循環水ポンプ2の揚水用
モータMに流れる電流値から求めた循環水ポンプ負荷、
熱交換器4の出口水室4aの負圧領域の圧力、熱交換器
4の出口に接続された循環水供給用配管3内を流れる循
環水の温度、放出ダム6に設けられた温度計43による
貯水の温度、放出ダム6の水位Lなどの最適値を予め
試験して求めて行う。
【0055】循環水ポンプ2による海水の揚水量の増加
は、圧力損失が減少し、出口水室4a内の負圧領域の圧
力が上がる、この時、必要に応じて堰5の高さは、出口
水室4a内負圧領域の圧力が一定になるように調整す
る。この実施形態によれば、新たに動力を必要とするこ
となく、所定の温度に低温化された冷却水を泡の発生を
防止しながら放出路に放出することができ、かつエネル
ギーを回収できるようにした熱交換システムを得ること
ができる。
【0056】この実施形態の熱交換システムは、熱交換
後の冷却水をマイクロ水車発電機8により放出するの
で、泡の発生を抑制でき、同時にエネルギーを回収でき
る。
【0057】次に、発電システムに適用した実施形態を
図2を参照して説明する。図1と同一部分については説
明が重複するので同一符号を付与し、その説明を省略す
る。
【0058】この発電システムは、上記実施形態の熱交
換器4を発電機たとえば蒸気タービン発電プラントの復
水器22にしたものである。蒸気タービン発電プラント
の被温調物である排気する蒸気は高温度であるため、復
水器22で熱交換した冷却水はかなりの高温度に上昇し
ている。温度上昇した冷却水は、海に放出する際、漁業
規定から、泡を出さないこと、海水の温度との差が7℃
以内に温度管理した水のみ海に流せることになってい
る。この実施形態では、後者の温度管理をした点に特徴
がある。
【0059】蒸気タービン発電プラントは、蒸気タービ
ン23の回転軸に発電機24の回転軸が固定され、高圧
蒸気により高速回転した蒸気タービン23により発電機
24を高速回転させて発電するシステムである。蒸気タ
ービン23を回転させ、排気した蒸気は、再使用するた
めに復水器22で、冷却して蒸気を水に変換している。
【0060】復水器22の熱交換は高低を有する循環水
供給用配管3の最上位置で実行する例を図2に示してい
る。図2では復水器22の伝熱管を多数本間隙を設けて
束にした伝熱管束25を示している。各伝熱管間の間隙
は冷却水が律束しない間隔が必要である。この伝熱管束
25の長さは、冷却水の流速との関係から所望する熱交
換率を得るための長さが選択される。被温調物としての
蒸気タービン23の排気した高温の蒸気が、この伝熱管
内を流れる。
【0061】伝熱管束25の冷却水の流入側と流出側に
は流入室26および流出室27が設けられている。この
流入室26は循環水供給用配管3から流入された冷却水
を一時貯水して流速を落とした後、伝熱管束25の総て
の伝熱管間隙に均一に流入するように容積が選択されて
いる。
【0062】流出室27は伝熱管束25で蒸気タービン
23の排気した高温度の蒸気と熱交換し、温度上昇した
冷却水を一時貯水して循環水供給用配管3へ流出させ
る。さらに、流出室27には冷却水の循環により流出室
27内の天井部に僅かな空間ができ、この空間に負圧領
域が形成される。この負圧領域の形成は冷却水のサイフ
ォン効果を利用した循環を実現する。
【0063】流出室27はこれらの現象を呈する容積が
選択される。このサイフォン効果を利用した冷却水の循
環が形成されると、循環水ポンプ2の負荷が軽くなり、
少ない動力で運転できる。このようにして、循環水は放
出ダム6に流入する。放出ダム6の冷却水はマイクロ水
車12により放水路7に放出し泡の発生を抑止する。こ
の時、同時にマイクロ水車発電機8は水力発電する。
【0064】次に、温度管理手段について説明する。復
水器22で熱交換され温度上昇した冷却水は、漁業規定
から海水との温度差が7℃以内に温度調整する必要があ
る。この温度管理手段は復水器22入口側の循環水供給
用配管3と出口側の循環水供給用配管3間に第1のバイ
パス管30を接続して、流出室27からの温度上昇した
冷却水を所望する温度たとえば海水温度の7℃以内の温
度に低温化するように熱交換前の冷却水を混合する。こ
の冷却水の混合制御手段は第1のバイパス管30に調節
開閉弁31を接続してその開閉制御により混合量を調整
可能にしている。この混合量は、予め循環水供給用配管
3を流れる冷却水の流量と第1のバイパス管30に接続
された調節開閉弁31の開度との関係を試験しておくこ
とにより設定できる。この実施形態では中間開度の調節
開閉弁31が接続されている。
【0065】さらに、温度上昇した冷却水の温度が第1
のバイパス管30からの冷却水だけでは不足の場合は、
第1のバイパス管30と並列に第2のバイパス管33を
接続し、この第2のバイパス管33に冷却器34を設け
て、この冷却器34で冷却した冷却水を混合する。この
冷却器34の入口側、出口側で第2のバイパス管33に
は常時全開の調節開閉弁35、36が接続されている。
第2のバイパス管33の取水側には冷却水を昇圧するた
めの真空ポンプ37が設けられている。
【0066】温度管理の他の手段としては、温度上昇し
た冷却水の粗の低温化を第2のバイパス管33からの冷
却水の供給量で行い、密の温度調整を第1のバイパス管
30からの冷却水の供給量で調整することにより所定の
水温に調整することができる。
【0067】循環水供給用配管3には、さらにサイフォ
ン効果を最良に作用させるために冷却水の流量がどの位
置でも所定の流量に設定できるように調節開閉弁38、
39、40が接続されている。調節開閉弁38は常時全
開状態で、流量を制御する際、開度を絞る設定になって
おり、循環水ポンプ2と第2のバイパス管33の接続部
間に接続されている。調節開閉弁39は常時全開状態
で、流量を制御する際、開度を絞る設定になっており、
流入室26入口の循環水供給用配管3に接続されてい
る。調節開閉弁40は常時中間開度状態で、流量制御す
る際、開度を開閉調整する設定になっており、流出室2
7の出口の循環水供給用配管3に接続されている。
【0068】このような蒸気タービン発電システムは、
復水器22の冷却水を最適な循環水系統で流すことと、
復水器22で温度上昇した冷却水を海水の温度より7℃
以内の温度に冷却して放出する系統とからなる。前者の
最適な循環水系統を形成することは、調節開閉弁38、
39、40を流れる流量が均一又はほぼ均一になるよう
に流量調整することである。後者の温度上昇した冷却水
を海水の温度より7℃以内に温度管理することは、放出
ダム6の冷却水の温度を上記7℃以内に温度調整するこ
とである。
【0069】温度調整は、循環水ポンプピット11に温
度計42を設定して海水の温度を測定し、放出ダム6に
温度計43を設定して温度を測定し、温度計43の測定
値が温度計42の測定温度より7℃の高温度以内になる
ように、第1および第2のバイパス管30、33からの
冷却水の混合量を調整することである。最適温度管理の
実施例は、第2のバイパス管33からの冷却水の混合量
で粗に低温化制御し、第1のバイパス管30からの冷却
水の混合量で密に温度調整して漁業規定に適合した温度
調整することができる。
【0070】蒸気タービン発電システムの制御系には、
二つの制御系たとえば循環水系統制御装置と、放出ダム
水位調整装置とを有する。前者の循環水系統制御装置
は、循環水系統を構成する各種機器の状態信号から循環
水系統での圧力バランスの計算を行なう事により、サイ
フォン効果を最大限に利用できる放出ダム6の水位を計
算して制御信号を求め、この制御信号を放出ダム6の水
位調整装置へ送信して、堰5の高さを制御する。堰5の
高さは、堰5の高さを制御するモータの回転数を制御す
ることにより自動的制御することができる。この制御は
調整頻度が低いため操作者が行うこともできる。
【0071】サイフォン効果を最大限に利用する制御
は、取水口10の水位L、循環水ポンプピット11の
温度計42による海水の温度、循環水ポンプ2の揚水用
モータMに流れる電流値から求めた循環水ポンプ負荷、
循環水ポンプ2出口の調節開閉弁38の開度、復水器2
2の流入室26の入口に設けられた調節開閉弁39の開
度、復水器22の流出室27内負圧領域の圧力、流出室
27の出口に設けられた調節開閉弁40の開度、流出室
27に接続された循環水供給用配管3内を流れる循環水
の温度、冷却器34からの冷却水の温度、放出ダム6に
設けられた温度計43による貯水の温度、放出ダム6の
水位Lなどの最適値を予め試験的に求めて制御する。
【0072】堰5の高さはたとえば4mで、流出室27
内負圧領域の圧力が一定になるように調整する。循環水
ポンプ2による海水の揚水量の増加は、圧力損失が減少
し、流出室27内負圧領域の真空度が上がるので、この
時調節開閉弁40を絞って流出室27内負圧領域の圧力
が一定になるように調整する。
【0073】放出ダム6の水位Lを調節する方法は、
放出ダム6の水位Lと放出路7の水位との水位差を有
効利用し、この落差にマイクロ水車発電装置8を設置し
て、マイクロ水車12に水を流し、 放出ダム6からマ
イクロ水車発電機8を経由して放出される水量とマイク
ロ水車発電機8により発電される発電量とは相関関係が
あり、このマイクロ水車発電機8の発電量を制御する事
により、放出水量を調整制御し、放出ダム6の水位L
を調整することができる。マイクロ水車12からの放出
水量は、堰5を越えて放出される水量に選択する。この
結果、放水ダム6の水位Lは一定となると、共に放出
ダム6の冷却水はマイクロ水車12から放出されること
になり、冷却水の放出による泡の発生を抑止できる。
【0074】この実施形態によれば、新たに動力を必要
とすることなく、所定の温度に低温化された冷却水を泡
の発生を防止しながら放出路に放出することができ、か
つエネルギーを回収できるようにした発電システムを得
ることができる。次に、マイクロ水車発電機8を最大効
率の水流で使用するための実施形態を図3を参照して説
明する。図2と同一部分については説明が重複するので
同一符号を付与して、その詳細な説明を省略する。
【0075】この発電システムはサイフォン作用で形成
される循環水系統により復水器22で高温蒸気を熱交換
して温度上昇した高温水を放出ダム6方向に放出する循
環水系統と、放出ダム6へ流出する高温水に第1および
第2のバイパス管30、33から冷却水を混合すること
により所定温度に冷却する放出水の温度管理系統とによ
り構成されている。
【0076】放出ダム6から放出路7へ冷却水を放出す
るマイクロ水車発電機8は、最大効率の水流で使用する
ことが望ましいため、予め放出ダム6から放出路7への
放出量から算出した複数台のマイクロ水車発電機8を設
置する。この実施例では放出ダム6の底部より下方に、
4台のマイクロ水車発電機8を放出ダム6と放出路7間
の落差で設置されている。4台のマイクロ水車発電機8
は、循環水供給用配管3を流れる冷却水の流量と放出ダ
ム6から放出路7への放出量とのデータから適合したマ
イクロ水車発電機8の台数を選択して放出動作させるこ
とができる。4台のマイクロ水車発電機8は、大きな負
荷を分担し部分的に分配できる。
【0077】放出ダム6の水位Lを調節する方法は、
放出ダム6の水位Lと放出路7の水位との水位差(落
差)を有効利用して、小型のマイクロ水車発電機8を複
数台設置し、稼動させるマイクロ水車12の台数を選択
することにより調整できる。また、調整する放水流量は
稼動させるマイクロ水車発電機8の台数により調整され
る為、個々のマイクロ水車発電機8は最高効率となる設
計点での運用が可能となり、より効率的なエネルギー回
収が可能となる。
【0078】この実施形態によれば、各マイクロ水車発
電機8は発電効率の高い流量の水を流すことができるの
で、高いエネルギーの回収を得ることができると、共に
泡の発生を抑制できる。さらに、予備のマイクロ水車発
電機8を準備することにより、バックアップ運用が可能
となり、より安定した運用が可能となる。さらにまた、
マイクロ水車発電機8およびそれに付随する放出配管の
メンテナンスを、熱交換システムや発電システムを停止
することなく、行うことができる。
【0079】次に、マイクロ水車発電機8を放出ダム6
の水位Lより上方に設置した発電システムの実施形態
を図4を参照して説明する。図2〜3と同一部分には説
明が重複するので、同一符号を付与しその詳細な説明を
省略する。図4の発電システムは循環水供給用配管3に
サイフォン作用で形成される循環水系統により復水器2
2で高温蒸気を熱交換して温度上昇した高温冷却水を放
出ダム6方向に排出する循環水系統と、この放出ダム6
方向へ流出する高温冷却水に、第1および第2のバイパ
ス管30、33から冷却水を混合することにより所定温
度に冷却する排出水の温度管理系統とにより構成されて
いる。
【0080】この実施例は放出ダム6の水位Lを調節
するためのマイクロ水車発電機8は放出ダム6の水位よ
り上方に位置して設置されている。従って、マイクロ水
車発電機8は、放出ダム6の冷却水を放出するためのサ
イフォン作用を形成させるためにマイクロ水車12の流
入管45には、吸引管46を介してプライミング真空ポ
ンプ47が接続され、プライミング真空ポンプ47の入
り口の吸引管46には常時全閉状態の調節開閉弁48が
接続され、さらに、異常時サイフォン機能を強制的に停
止させるためのサイフォン破壊用シール配管49が接続
されている。
【0081】プライミング真空ポンプ47を有するマイ
クロ水車発電機8は複数機並列に設置してもよい。すな
わち、放出ダム6に貯水した冷却水の放出プロセスは、
放出ダム6に冷却水が溜まり所定の水位に達した後、調
節開閉弁48を開状態にし、プライミング真空ポンプ4
7を動作させると、吸引作用が吸引管46に発生し、冷
却水を流入管45が吸入開始して、冷却水がマイクロ水
車12に流入するや否や調節開閉弁48を閉状態にし、
プライミング真空ポンプ47も動作を停止させる。
【0082】この結果、冷却水はマイクロ水車12に流
入してランナー20を回転させ、サイフォン作用による
放出路7への放出が開始され、マイクロ水車12は放出
ダム6の水位Lを調節するための放出を継続する。万
が一、マイクロ水車12が過剰に冷却水を放出し、放出
ダム6の水位Lがサイフォン破壊用シール配管49の
先端以下の水位になった場合は、自動的にサイフォン効
果が無くなり、放水が停止し、マイクロ水車12が停止
する。さらに水位が下がった場合、流入管45は空気を
吸い込んで、サイフォン効果が無くなり冷却水の放出が
自動的に停止する。この実施例では、自動化運転、無人
化運転が可能である。この結果、復水器22からの排水
は放出ダム6への貯水に切換わり、放出ダム6の水位が
設定値に達するまで冷却水を貯水する。
【0083】この実施例は、排水の初期時のみ冷却水の
吸引操作を行うことが必要である。この実施形態によれ
ば、マイクロ水車発電機8は放出ダム6の水位より上方
の位置に設置するので、動作状態を監視、目視すること
ができ、メンテナンスなどが容易である。
【0084】次に、熱交換後の高温度冷却水を低温化す
るための冷却水混合用バイパス管にマイクロ水車発電機
51を接続することにより、さらに効率的にエネルギー
の回収を行うようにした実施形態を図5を参照して説明
する。図5の発電システムは高低を有する循環水供給用
配管3の最上位置に復水器22を設けてサイフォン作用
で形成される循環水路を形成し復水器22で高温蒸気を
熱交換して放出ダム6方向に放出する循環水系統と、こ
の放出ダム6方向へ流出する高温水に、第1および第2
のバイパス管30、33から冷却水を混合することによ
り所定温度に冷却する放出水の温度管理系統とにより構
成されている。
【0085】このような発電システムにおいて、バイパ
ス管たとえば第1のバイパス管30には、マイクロ水車
発電機51が接続されている。マイクロ水車発電機51
は復水器22で高温度に上昇した冷却水を低温化するた
めに、復水器22に供給する前の冷却水をバイパスして
混合する冷却水をマイクロ水車発電機51の流路を介し
て供給するようにしたものである。マイクロ水車発電機
51は発電効率の高い流量になるように第1のバイパス
管30に流れる水流量を設定したのち、冷却器34で冷
却された冷却液の混合量を調整することが望ましい。ま
た、逆にマイクロ水車発電機51は第1のバイパス管3
0を流れる水流量に適合した設計にしてもよい。
【0086】さらに、上記実施例では、調節開閉弁31
を接続して、さらにマイクロ水車発電機51を接続した
が、マイクロ水車発電機51の回転数を制御することに
より絞り作用を持たせることができ、調節開閉弁31に
は調節機能が不要となる。
【0087】この実施例によれば、マイクロ水車発電機
51は高温化された冷却水を温度調整することができる
と、共にエネルギーを回収することができる。
【0088】この実施例では、マイクロ水車発電機51
は第1のバイパス管30に接続した実施形態について説
明したが、マイクロ水車発電機51は第2のバイパス管
33の流路に接続してもよいし、第1および第2のバイ
パス管30、33の双方に接続してもよい。
【0089】次に、熱交換後の高温度冷却水の循環水路
にもマイクロ水車発電機52を接続することにより、さ
らに効率的にエネルギーの回収を行うようにした実施形
態を図6を参照して説明する。この発電システムはサイ
フォン作用で形成される循環水系統により復水器22で
高温蒸気を熱交換して温度上昇した高温水を放出ダム6
方向に放出する循環水系統と、放出ダム6方向へ流出す
る高温水路に、第1および第2のバイパス管30、33
から冷却水を混合することにより所定温度に冷却する放
出水の温度管理系統とにより構成されている。
【0090】この実施例は、復水器22で熱交換して高
温度に上昇した冷却水の循環水供給用配管3の流路にも
マイクロ水車発電機52を接続してエネルギーの回収を
行った後、この排出水に第1のバイパス管30から熱交
換前の冷却水をマイクロ水車発電機51でエネルギー回
収した後の冷却水を混合して低温度化させ、さらに第2
のバイパス管33からさらに冷却器34で冷却された冷
却水を混合して所定の温度に調整した後、放出ダム6に
排出する例である。
【0091】マイクロ水車発電機52は、熱交換後の循
環水供給用配管3に接続された調節開閉弁40と第1の
バイパス管30の接続部間に接続されている。すなわ
ち、マイクロ水車発電機52は、低温化前の高温冷却水
路に接続されている。勿論、マイクロ水車発電機52は
低温化処理後の最も水量が増量された放出ダム6への流
入前の循環水供給用配管3にも接続してもよい。
【0092】この実施例によれば、高温度冷却水の循環
路にマイクロ水車発電機52を接続したので、高効率で
水力発電することができる。
【0093】上記実施例では、マイクロ水車発電機につ
いて、復水器22の出口側の循環水供給用配管3に接続
したが、さらに復水器22の流入系で循環水供給用配管
3の調節開閉弁38の前後に接続してもよい。
【0094】
【発明の効果】以上述ベたように、この発明によれば、
熱交換後の冷却水をマイクロ水車発電機により放出する
ので、泡の発生を抑制でき、同時にエネルギーを回収で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱交換システムの実施形態を説明する
ためのシステム構成図.
【図2】図1の熱交換システムを発電システムに適用し
た実施形態を説明するためのシステム構成図。
【図3】図2の他の実施形態を説明するためのシステム
構成図。
【図4】マイクロ水車の自動停止機能を有する放出ダム
水位調整系統構成を示す図。
【図5】図2の他の実施形態を説明するためのシステム
構成図。
【図6】図5の他の実施形態を説明するためのシステム
構成図。
【図7】従来の発電システムを説明するためのシステム
構成図。
【符号の説明】
1…熱交換システム、2…循環水ポンプ、3…循環水供
給用配管、4…熱交換器、4a…出口水室、5…堰、6
…放出ダム、7…放出路、8、51、52…マイクロ水
車発電機、10…取水口、11…循環水ポンプピット、
12…マイクロ水車、13…3相交流式発電機、14…
ベルト、15、17…回転軸、16、18…プーリ、1
9…吸入管、20…ランナー、21…放出管、31、3
5、36、38、39、40、48…調節開閉弁、22
…復水器、23…蒸気タービン、24…発電機、25…
伝熱管束、26、45…流入室、27…流出室、30…
第1のバイパス管、33…第2のバイパス管、34…冷
却器、37…真空ポンプ、42、43…温度計、45…
流入管、46…吸引管、47…プライミング真空ポン
プ、49…シール配管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G081 BA02 BA20 BB00 BD10 DA07 3H072 AA02 AA22 AA26 BB08 BB40 CC42 CC71 3H074 AA10 AA12 BB10 BB30 CC11 CC28 CC31 3H079 AA26 BB02 CC03 CC30 DD31

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高低を有する導水管の流路を被温調物と
    異なる温度の水がサイフォン効果を利用した少ないポン
    プ動力により流動し、この流路の最上位置で前記被温調
    物と熱交換させた水を前記最上位置より下方に設けた堰
    により形成された放出ダム内に放出する熱交換システム
    において、 この堰で貯められた水を取水し下方に流出させる流路に
    設けられたマイクロ水車発電機を具備してなることを特
    徴とする熱交換システム。
  2. 【請求項2】 前記マイクロ水車発電機は前記流路に並
    列に複数台設けられていることを特徴とする請求項1記
    載の熱交換システム。
  3. 【請求項3】 前記マイクロ水車発電機は前記堰により
    形成された放出ダムの底部より下方に位置して設けられ
    ていることを特徴とする請求項1又は2記載の熱交換シ
    ステム。
  4. 【請求項4】 前記マイクロ水車発電機は前記堰により
    形成された放出ダムの水位より上方に位置して設けられ
    ていることを特徴とする請求項1又は2記載の熱交換シ
    ステム。
  5. 【請求項5】 前記マイクロ水車発電機は前記堰により
    形成された放出ダムの水位が所定の水位になるように制
    御されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1
    項記載の熱交換システム。
  6. 【請求項6】 前記流路の最上位置を挟んで前後に開閉
    弁を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか
    1項記載の熱交換システム。
  7. 【請求項7】 前記熱交換された水の温度が予め設定さ
    れた範囲内となるように、前記熱交換された水に熱交換
    前の水を混入させるバイパス管を前記流路に設けたこと
    を特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の熱交
    換システム。
  8. 【請求項8】 高低を有する導水管の流路を冷却水がサ
    イフォン効果を利用した少ないポンプ動力により流動
    し、この流路の最上位置で発電設備の復水器と熱交換さ
    せ温度上昇した冷却水を前記最上位置より下方に設けた
    堰により形成された放出ダム内に放出する発電システム
    において、 前記堰で貯められた冷却水を取水し下方に流出させる流
    路に設けられたマイクロ水車発電機を具備してなること
    を特徴とする発電システム。
  9. 【請求項9】 前記復水器で熱交換された冷却水の温度
    が予め設定された範囲内となるように、前記復水器で熱
    交換された冷却水に熱交換前の冷却水を混入させるバイ
    パス管を前記流路に設けたことを特徴とする請求項8記
    載の発電システム。
  10. 【請求項10】 前記復水器で熱交換された冷却水の温
    度が予め設定された範囲内となるように、前記復水器で
    熱交換された冷却水に熱交換前の冷却水をマイクロ水車
    発電機を介して混入させるバイパス管を前記流路に設け
    たことを特徴とする請求項9記載の発電システム。
  11. 【請求項11】 前記復水器の前後の導水管間に第1お
    よび第2のバイパス管を並列に接続し、第1のバイパス
    管は熱交換前の冷却水を、第2のバイパス管は冷却器で
    冷却した冷却水にして、それぞれ熱交換後の温度上昇し
    た冷却水に混合して所定温度に調整することを特徴とす
    る請求項10記載の発電システム。
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