JP2003041265A - コークスの製造方法 - Google Patents

コークスの製造方法

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JP2003041265A JP2001227524A JP2001227524A JP2003041265A JP 2003041265 A JP2003041265 A JP 2003041265A JP 2001227524 A JP2001227524 A JP 2001227524A JP 2001227524 A JP2001227524 A JP 2001227524A JP 2003041265 A JP2003041265 A JP 2003041265A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コークス製造用装入炭に廃プラスチックを配
合して強度の高い高炉用コークスを製造する方法を提供
することを目的とするものである。 【解決手段】 石炭に添加する廃プラスチック粒度を廃
プラスチックの種類、廃プラスチックの添加率、石炭の
全膨張率、および石炭装入嵩密度から求まる粒度上限値
以下に調整することにより強度の高い高炉用コークスを
製造する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、廃プラスチックを
コークス炉装入原料に配合してコークスを製造する方法
に関するものである。 【0002】 【従来の技術】プラスチック産業廃棄物、プラスチック
一般廃棄物として大量に排出される廃プラスチックの処
理に関しては、従来は大部分が埋め立てで、一部が燃焼
処理されている。廃プラスチックは、一般に埋め立てた
だけでは土中の細菌やバクテリアによって分解されな
い。また、廃プラスチックを焼却する場合は発熱量が大
きく焼却炉に悪影響を及ぼすとともに、塩素を含む廃プ
ラスチックの場合は排ガス中の塩素の処理が問題となっ
ている。埋め立て処分場が将来不足することが予想され
ることや環境問題の高まりから、このような廃プラスチ
ックのリサイクルの促進が望まれている。リサイクルの
方法としては、プラスチックの再利用のほか、燃焼時の
熱の利用や熱分解で得られるガスや油を燃料や化学原料
として利用する方法が考えられる。 【0003】廃プラスチックをコークス炉に添加して処
理する方法として、例えば特開昭48−34901号公
報、特開平8―157834号公報ではコークス製造用
装入炭に廃プラスチックを配合してコークスを製造する
方法が開示されている。これらの方法は、コークス乾留
時の高温によって廃プラスチックの大部分を熱分解し、
水素、メタン、エタン、プロパン等の高カロリー還元分
解ガスとして、コークス炉ガスとして回収する方式のも
のである。 【0004】 【課題が解決しようとする課題】ところで、上記従来技
術課題のうちの特開昭48−34901号公報記載のよ
うに多量のプラスチックを石炭中に均一混合して使用す
る方法では、コークス強度の低下を引き起こすので、実
際には特開平8―157834号公報のように廃プラス
チックの添加量を1質量%以下とする必要があるとされ
ている。また上記コークス強度の低下防止を図るために
は粘結性の高い粘結炭の配合割合を増加させることが必
要であった。しかし、粘結炭は非微粘結炭に比べて資源
賦存量が少なく、かつ高価である。そこで、資源賦存量
が多く価格の安い非微粘結炭を有効に利用するために、
粘結炭の配合割合を増加させることなしにより多くの廃
プラスチックを使用する方法の開発が望まれていた。 【0005】本発明は、高炉用コークス原料炭に添加す
る廃プラスチックの粒度を所定以下に制御して乾留する
ことにより、廃プラスチックを添加しても、強度の高い
高炉用コークスを製造する方法を提案するものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は以下の構成を有
するものである。 〔1〕コークス炉装入原料として石炭および廃プラスチ
ックを用いるコークスの製造方法であって、前記廃プラ
スチックには、廃プラスチックの種類、廃プラスチック
の添加率、石炭の全膨張率、および石炭装入嵩密度に基
づき(1)式により求められる粒度上限値以下の粒度を
有する粒状物を用いることを特徴とする高炉用コークス
の製造方法。 【0007】 粒度上限値(mm)=(a・TD+b)・BD ・・・(1) TD(%):JIS M8801に規定されたジラトメ
ーター法による膨張性試験において測定される全膨張率
指数、 BD(t/m3):石炭の装入嵩密度(乾燥石炭ベー
ス)、 a,b:廃プラスチックの種類および添加率に応じて定
まる定数。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。 【0009】本発明は、上記の課題を解決するために、
いくつかの製造条件に応じて粒度の上限値を求め、所定
上限値以下の粒度の廃プラスチックをコークス炉装入原
料として用いることにより、強度の高い高炉用コークス
を製造する方法を提案するものである。廃プラスチック
の使用態様としては、コークス炉に装入する石炭の全
部、あるいは一部に廃プラスチックを均一混合して、コ
ークス炉に装入することが望ましい。 【0010】本発明において用いる廃プラスチックは、
所定の粒度を有していればよく、具体的には、塊状の廃
プラスチックを粉砕等して所定粒度に調整したものを用
いることができる他、一般に熱可塑性を有するフィル
ム、発泡体、粉状体の廃プラスチックを、80℃〜19
0℃の温度域に加熱し、加熱した状態で圧縮を加え、再
度冷却して減容固化させた後に、必要に応じて粉砕処理
等することで塊状化して所定の粒度に調整したものを用
いることができる。減容固化の方法としては、樹脂混練
機、粉砕機、ドラム型の加熱器等、従来から使用されて
いるものを用いることができる。このようにすること
で、上記フィルム、発泡体、粉状体の廃プラスチックを
そのまま粉砕した場合の不具合、例えば嵩比重が小さい
とか、装入が難しいなどの難点を解消することができ
る。また、必要に応じてふるい分けして粒度調整しても
よい。 【0011】本明細書において、「粒状」とは主として
大きさを特定する意味である。粒状物の形状としては、
球状のもの、楕円球状のもの、円柱状のものなどが含ま
れる。また、1つの粒状物について「粒度」とは、その
粒状物が有する最大幅を意味し、例えば、球形であれば
直径、球形でなければ縦横または厚みなどのうちの最大
幅をいう。本発明において用いられる廃プラスチックの
粒度は以下に説明するような所定の要件により定められ
る。 【0012】一般に、石炭は粘結性の高い粘結炭と粘結
性の低い非微粘結炭に分類され、コークス製造プロセス
では所定のコークス品質が得られるように粘結炭と非微
粘結炭を所定の割合で配合して使用している。 【0013】非微粘結炭とは、JIS M 8801に
規定されたギーセラープラストメーター法による流動性
試験において最高流動度が10ddpm以下であるか、
あるいはビトリニットの平均反射率が0.8以下である
石炭を示す。 【0014】従来は、廃プラスチックの添加率が多すぎ
ると高炉用コークスの強度が低下するため、廃プラスチ
ック添加率の上限は1質量%と通常考えられていた。 【0015】これに対し、本発明者が廃プラスチック添
加時のコークスの強度低下メカニズムについて鋭意検討
した結果、原料炭に廃プラスチックを均一混合して乾留
した場合、廃プラスチックスチックの添加率だけでな
く、廃プラスチックスの粒度もコークス強度に影響を及
ぼし、同一添加率でも廃プラスチック粒度が異なるとコ
ークス強度は異なることを見いだした。本知見をもと
に、発明者は、廃プラスチック粒度を調整することによ
り、強度の高い高炉用コークスを製造する方法を発明し
た。 【0016】以下この知見について具体的に説明する。
各種粒度のポリエチレンおよびポリスチレンを対石炭あ
たり2質量%添加してコークス化した時の廃プラスチッ
クの粒度の違いによるコークス強度の変化を調べた結果
を図1に示す。ここで石炭は、粘結炭50質量%、非微
粘結炭50質量%の配合炭を用いた。炉幅425mm、
炉高400mm、炉長600mmの試験コークス炉を用
い、プラスチックを添加し、装入密度0.83dry−
t/m3の装入密度で装入し、炉温1250℃、乾留時
間18.5時間の条件で乾留した。焼成後のコークスに
ついては、窒素で冷却した後、コークスのドラム強度
(DI150 15)を測定した。本明細書で、コークスのド
ラム強度(DI150 15)とはJIS K 2151 に
記載されているように、コークス10kgをドラム試験
機(直径、長さとも1,500mm、羽根4枚)に装入
し、150回転させた後、15mmの篩で篩分けし、篩
上に留まった質量を百分率で表した値である。 【0017】この図1に示すように、コークス強度が極
小値を示すプラスチック粒度が存在することがわかる。
この理由は以下の通りであると考えられる。 【0018】石炭にプラスチック(今回の例ではポリエ
チレンとポリスチレン)を添加して乾留すると、プラス
チックの熱分解温度は石炭の軟化溶融温度範囲かそれよ
り低温であるので、プラスチックは石炭が軟化溶融する
前に熱分解してしまい、残渣として残るのは高々20−
30質量%であるので、プラスチック粒度が大きい場合
は、熱分解後に大きな空隙が残る。このため、プラスチ
ックに接触していた石炭が軟化溶融すると、この空隙に
むかって自由膨張し、発泡した脆弱なコークス組織が形
成される。さらに、石炭の粘結性を阻害するようなプラ
スチック(例えばポリスチレン)の場合、熱分解ガスの
化学的な作用によりプラスチックと接触する石炭の粘結
性が阻害され、より弱い脆弱なコークス組織が形成され
る。 【0019】しかし、添加する廃プラスチックの大きさ
が大きくなるにつれて、単位廃プラスチック添加質量あ
たりの石炭とプラスチックの接する面積が減少し脆弱な
コークス組織となる箇所が減るため、添加する廃プラス
チックの粒度がある所定の大きさを越えると、コークス
強度は上昇する。 【0020】一方、プラスチックの粒度が小さい場合
は、軟化溶融層内に内包されてしまうため、軟化溶融石
炭の膨張性が阻害される。 ここで膨張性とはJIS
M8801に規定されたジラトメーター法による膨張性
試験において測定される全膨張率指数のことである。膨
張性が阻害される理由は、プラスチック熱分解後の空隙
生成により石炭の実際の装入嵩密度が低下するという物
理的な影響、および、石炭の粘結性を阻害するようなプ
ラスチック(例えばポリスチレンやポリエチレンテレフ
タレート)の熱分解ガスにより石炭そのものが変質する
という化学的な影響のためと考えられる。膨張性が阻害
されると、石炭同士の融着結合が阻害され、コークス強
度は低下する。 【0021】しかし、発明者らは、添加する廃プラスチ
ックの粒度がある所定の大きさよりも小さくなると、膨
張性の阻害が抑制されることを見いだした。これは、プ
ラスチック粒度が小さくなると、溶融した石炭粒子間に
プラスチック熱分解ガスがトラップされ、逆に石炭の膨
張を促進する効果が生じるためと考えられる。このため
プラスチック粒度が小さいほど、コークス強度に及ぼす
悪影響は小さくなる。 【0022】コークス強度が極小値を示すプラスチック
粒度が存在するのは、上記のような理由によると考えら
れる。 【0023】以上の知見に基づき、プラスチック添加に
よるコークス強度低下を抑制するには、コークス強度を
所定の強度よりも下げてしまう原因となり得るプラスチ
ックの粒度を避けて、その粒度よりも粒度を小さくする
か、大きくすればよいことがわかる。 【0024】プラスチック粒度が所定の大きさ以上に大
きい場合については、発明者らは、既に具体的に、
(1)石炭に添加する廃プラスチックの粒度を石炭の平
均粒径の10倍以上とすることを特徴とするコークスの
製造方法、(2)前記石炭の平均粒径が0.6〜2.0
mmであることを特徴とする(1)に記載のコークスの
製造方法、(3)廃プラスチックを減容固化した上でコ
ークス炉装入原料として用いることを特徴とするコーク
スの製造方法を発明している(特開2001−4926
3号公報)。 【0025】一方、プラスチック粒度が所定の大きさよ
りも小さい場合については、どのような粒度までプラス
チックを粉砕すればよいかについてはこれまで不明であ
った。 【0026】本発明者はさらに研究を重ね、廃プラスチ
ックの粒度をある所定の大きさより細かくすると、コー
クス強度低下が抑制されるばかりでなく、コークス強度
が向上する場合があることを見出した。そして本発明者
が廃プラスチック粒度の上限値について検討したとこ
ろ、上限値は、石炭の膨張性、石炭の装入嵩密度、プラ
スチック種類およびプラスチックの添加率により変化す
ることを見いだした。 【0027】発明者の検討によると、強度の高いコーク
スを製造するためには、軟化溶融した石炭同士が接着す
ることが必要であり、そのためには、石炭の装入嵩密度
および石炭の膨張性をある所定値以上にすることが必要
である。すなわち、装入嵩密度が低くても石炭の膨張性
が十分に大きい場合、あるいは石炭の膨張性が小さくて
も装入嵩密度が十分高い場合には、強度の高いコークス
を製造することが可能である。 【0028】発明者らは、膨張性が高い石炭を用いる
と、コークス強度極小値を与えるプラスチック粒度は大
粒度側にシフトすることを見出した。これは、プラスチ
ック粒度が大きいほどコークス強度が小さくなるような
プラスチック粒度範囲では、大きい粒度のプラスチック
ほど石炭の膨張性が阻害されるが、もとの石炭の膨張性
が高いために、ある程度粘結性が阻害されても、プラス
チック添加後の膨張性が強度の高いコークスを製造する
のに十分となるためである。 【0029】また、石炭の装入嵩密度を向上させた場合
も、コークス強度極小値を与えるプラスチック粒度が大
粒度側にシフトすることを見出した。これは、プラスチ
ック粒度が大きいほどコークス強度が小さくなるような
プラスチック粒度範囲では、大きい粒度のプラスチック
ほど石炭の膨張性が阻害されるが、装入嵩密度が高いた
めに、ある程度粘結性が阻害されても、強度の高いコー
クスを製造するのに十分であるためである。 【0030】また、プラスチックの種類によってもコー
クス強度極小値を与えるプラスチック粒度が変化するこ
とを見出した。例えば図1に示すように、芳香族系のポ
リスチレンの方がポリエチレンよりもコークス強度極小
値を与えるプラスチック粒度が小粒度側である。これ
は、ポリスチレンには石炭の粘結性を阻害する作用があ
り、石炭の膨張を抑制するためである。 【0031】本発明者の検討によると、プラスチックに
はコークスの粘結性を阻害しにくいものと阻害しやすい
ものがある。コークスの粘結性を阻害しにくいプラスチ
ックの代表的な例としては、ポリエチレン、塩化ビニ
ル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデンなどの酸素を
含まない脂肪族系のプラスチックなどが挙げられる。こ
れに対し、コークスの粘結性を阻害しやすいプラスチッ
クの代表的な例としては、ポリスチレン、ポリエチレン
テレフタレートなどの芳香族系化合物や、ポリエステ
ル、ポリ酢酸ビニルなどの構造式中に酸素原子を含むプ
ラスチックなどが挙げられる。 【0032】酸素を含まない脂肪族系のプラスチックが
石炭粘結性に対して阻害作用がないのは、プラスチック
熱分解により発生するガスが水素を多く含む脂肪族系の
ガスであり、石炭との化学的相互作用が小さいためであ
る。 【0033】上記知見を元に、発明者らは、所望の高強
度のコークスを得るために、石炭の全膨張率、石炭装入
嵩密度、廃プラスチックの種類、廃プラスチックの添加
率といった製造条件に応じて、廃プラスチックの粒度
を、(1)式により求められる粒度上限値以下に調整
(例えば粉砕)し、この廃プラスチックをコークス製造
用原料炭に添加してコークスを製造する方法を発明し
た。 【0034】 粒度上限値(mm)=(a・TD+b)・BD ・・・(1) (1)式中、 TD(%):JIS M8801に規定されたジラトメ
ーター法による膨張性試験において測定される全膨張率
指数、 BD(t/m3):石炭の装入嵩密度(乾燥石炭ベー
ス)、 a,b:廃プラスチックの種類および添加率により変わ
る定数、 である。 【0035】ここで定数のa、bは目標とするコークス
強度により異なるが、具体的には下記のような方法によ
り求めればよい。 【0036】まず、一定の装入嵩密度BDにおいて、プ
ラスチックを添加せずに、さまざまな配合炭を乾留し、
TDとドラム強度の関係を求め、図2に示すように所定
のドラム強度を維持するのに最低必要なTDminを求め
る。例えば図2の例では、装入嵩密度BD=0.83
(t/m3),ドラム強度84以上とした場合、TDmin
=45%である。 【0037】次に、上記の配合炭に対して粒度の異なる
プラスチックを所定割合添加してTDを測定し、図3に
示すようにTDがTDmin以上となるような粒度上限値
Dmaxをそれぞれの配合炭に対して求める。例えば図3
の例では、プラスチック添加率2質量%の場合、TDmi
n=45%に対し、配合炭TD=50%の場合、粒度上
限値Dmax=2.1mmである。 【0038】このようにしてそれぞれの配合炭TDに対
してDmaxを求め、さらにBDを変更してTDとDmaxの
関係を求めたところ、発明者らは、DmaxはBDに比例
し、かつTDの一次関数で表すことができることを見出
した。したがって、粒度上限値Dmaxは、上記(1)式
のようにBDとTDの一次式の積の形で表すことがで
き、図3のようなグラフより、(1)式の定数a、bを
求めておけば、装入嵩密度BDや配合全膨張指数TDが
変化しても、(1)式により定まる上限粒度以下にプラ
スチック粒度を調整すれば、強度の高いコークスを得る
ことができる。 【0039】廃プラスチックの種類、添加率が変わった
場合についても、上記と同様の方法で(1)式の定数
a、bを求めればよい。 【0040】例えば本発明者の検討例によると、石炭に
対してプラスチックを2質量%添加する場合、酸素を含
まない脂肪族系の廃プラスチックの場合、a=0.01
93、b=1.547、芳香族系および酸素を含む廃プ
ラスチックの場合、a=0.0048、b=0.387
とすれば、ドラム強度84以上のコークスを製造するこ
とが可能であった。 【0041】さらに、発明者らの検討例によると、プラ
スチック添加率0.3〜3質量%でドラム強度84以上
のコークスを製造する場合、酸素を含まない脂肪族系の
廃プラスチックの場合、a=0.013〜0.026、
b=1〜2、芳香族系および酸素を含む廃プラスチック
の場合、a=0.0032〜0.0065、b=0.2
5〜0.5であった。 【0042】廃プラスチックが酸素を含まない脂肪族系
廃プラスチック、芳香族系廃プラスチックおよび酸素を
含む廃プラスチックの混合物の場合は、両者の比率に従
い、上限値を決める係数a,bを変化させればよい。 【0043】例えば、酸素を含まない脂肪族系廃プラス
チックの割合がX質量%、芳香族系および酸素を含む廃
プラスチックが100−X質量%の場合、a=[0.0
193*X+0.0048*(100−X)]/10
0、b=[1.547*X+0.387*(100−
X)]/100とすればよい(「*」は乗ずることを示
す)。 【0044】また、廃プラスチック粒度の下限値につい
ては理論的にはなく、粉砕および輸送などの実プロセス
を考慮して決定すればよい。 【0045】廃プラスチック添加率の上限値については
特に定めるものでなく、目的とする強度のコークスが製
造できる範囲であればよいが、発明者らの検討による
と、添加率が5質量%を越えると、高炉で使用可能な強
度を持つコークスを製造することが困難になるので、添
加率は5質量%以下であることが望ましい。さらに、廃
プラスチックを処理することによりコークスの生産量は
低下するので、コークスの生産量と処理したい廃プラス
チックスチックの量のバランスを考慮する必要がある。 【0046】また、目標とするコークス強度が同一レベ
ルであれば、酸素を含まない脂肪族系の廃プラスチック
の場合に多量の廃プラスチックを処理することが可能で
ある。これは、酸素を含まない脂肪族系のプラスチック
は石炭粘結性の阻害作用がなく、ポリスチレンやポリエ
チレンテレフタレートのような芳香族系のプラスチック
やポリエステルのような酸素を含むプラスチックは粘結
性阻害作用があるためである。 【0047】石炭をコークス炉で乾留する場合、その温
度は最高で約1,350℃になる。一方、ポリ塩化ビニ
ルやポリ塩化ビニリデンは250℃程度から熱分解を起
こし始め、約400℃でガス化し、1,350℃ではほ
ぼ完全に分解する。従って、コークス炉で石炭とともに
塩素含有廃プラスチックを熱分解する限り、熱分解また
は乾留温度、乾留パターンは従来の石炭乾留と同じでよ
い。 【0048】廃プラスチックが加熱された際に発生する
廃プラスチック由来の塩素系ガスは、石炭の乾留中に発
生する過剰のアンモニアと反応する。したがってコーク
ス炉から系外に取り出される安水には、塩化アンモニウ
ムが多量に蓄積されるが、これに強塩基、例えば、水酸
化ナトリウム(苛性ソーダ)を添加することにより、塩
化アンモニウムを無害の塩化ナトリウムに転換すること
が可能である。水酸化ナトリウムの添加量は塩化アンモ
ニウムと同等量、またはそれより多く添加することが望
ましい。 【0049】安水は、系外の脱安設備において、蒸気ス
トリッピングによってフリーアンモニアを気化除去した
後に活性汚泥処理を行い、放流する。脱安設備に入る前
に水酸化ナトリウムによって安水中の塩化アンモニウム
を塩化ナトリウムとアンモニアにしておけば、安水中に
含まれていた窒素成分はすべてアンモニアとして除去で
き、脱安設備を出た安水中には無害な塩化ナトリウムし
か残存せず、このまま放流しても海水中の窒素分を増大
する心配はない。 【0050】本発明のコークスの製造方法は、一般的に
用いられているコークス製造設備により製造することが
できるが、図4に本発明の製造方法を実施し得るコーク
ス設備の一例の概略を示す。 【0051】 【実施例】炉幅400mm、炉高1000mm、炉長1
0600mmの試験コークス炉を用い、表1に示すよう
な条件で廃プラスチックを均一に添加し、装入嵩密度B
D=0.83dry−t/m3の装入密度で装入し、炉
温1200℃、乾留時間18時間の条件で乾留した。焼
成後のコークスについては、窒素で冷却した後、JIS K2
151に準じたコークスのドラム強度指数(150回転後+15
mm指数)を測定した。表1には、ドラム強度を示す。 【0052】ベース条件は、粘結炭60質量%、非微粘
結炭40質量%の配合炭のみでプラスチックを添加せず
に乾留した場合である。 【0053】実施例1は、ポリエチレン50質量%、ポ
リプロピレン25質量%、塩化ビニル25質量%からな
る2.0mm以下100%の廃プラスチックを、粘結炭
60質量%、非微粘結炭40質量%からなる配合炭(T
D=50%)に、に対して2質量%添加して乾留した場
合である。廃プラスチックの種類、および添加率から、
上記「発明の実施の形態」の欄で説明した手法により
a,bを求め、石炭の全膨張率、および石炭装入嵩密度
から(1)式により該廃プラスチックの粒度上限値を求
めると、2.1mmであり、実施例1において用いてい
る廃プラスチック粒度は上限値以下である。 【0054】実施例2は、ポリエチレン50質量%、ポ
リスチレン50質量%からなる1.0mm以下100%
の廃プラスチックを、粘結炭60質量%、非微粘結炭4
0質量%からなる配合炭(TD=50%)に対して2質
量%添加して乾留した場合である。廃プラスチックの種
類、および添加率から上記手法によりa,bを求め、石
炭の全膨張率、および石炭装入嵩密度から(1)式によ
り該廃プラスチックの粒度上限値を求めると、1.3m
mであり、発明例2において用いている廃プラスチック
粒度は上限値以下である。 【0055】比較例1は、ポリエチレン50質量%、ポ
リスチレン50質量%からなる1.5mm以下100%
の廃プラスチックを、粘結炭60質量%、非微粘結炭4
0質量%からなる配合炭(TD=50%)に対して2質
量%添加して乾留した場合である。廃プラスチックの種
類、石炭の全膨張率、および石炭装入嵩密度から(1)
式により該廃プラスチックの粒度上限値を求めると、
1.3mmであり、比較例1において用いている廃プラ
スチック粒度上限値は本発明の範囲外である。表1中
「廃プラスチック粒度」の比較例1の欄に「1.5mm
以下100%」とあるのは、1.5mmが最大粒度とな
るように調整したということであり、比較例1の場合、
1.3mmを越える粒度の廃プラスチックが含まれてい
た。 【0056】上記表1からわかるように、実施例1およ
び2におけるドラム強度は、廃プラスチックを添加せず
に乾留したベース条件におけるドラム強度より大きく、
廃プラスチックを添加することによりコークス強度は向
上している。一方、比較例1におけるドラム強度は廃プ
ラスチックを添加せずに乾留したベース条件におけるド
ラム強度より小さい。これは、比較例1で用いている廃
プラスチック粒度上限値が本発明の範囲外であるためで
ある。 【0057】以上より、廃プラスチックを石炭に配合し
てコークス炉で乾留して高炉用コークスを製造する方法
において、廃プラスチック添加により、強度の高い高炉
用コークスを製造することができた。 【0058】 【表1】 【0059】 【発明の効果】本発明により、石炭をコークス炉で乾留
する際に、廃プラスチックを用いる高炉用コークスを製
造する方法において、添加する廃プラスチックの粒度を
所定値以下に制御して乾留することにより、廃プラスチ
ックの種類などの製造条件に応じて強度の高い高炉用コ
ークスを製造することが可能となった。 【0060】また、コークス製造に際して石炭に添加し
て所定のコークス強度を満足できるように用いることが
できる廃プラスチックの添加率を高くすることができる
ので、廃プラスチックのリサイクルをより有効化できる
という利点が得られる。 【0061】これらのことにより、本発明によって、廃
プラスチックが多量にリサイクル処理可能となり、その
経済的効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】 【図1】プラスチック粒度とドラム強度の関係を示す図
である。 【図2】全膨張率TDとドラム強度の関係を示す図であ
る。 【図3】プラスチック粒度とプラスチックを添加した石
炭のTDの関係を示す図である。 【図4】本発明の製造方法で用い得るコークス炉の設備
の概略を示す図である。 【符号の説明】 1・・・コークス炉 2・・・装入原料ホッパー 3・・・上昇管 4・・・ベント管 5・・・ドライメーン 6・・・ガス冷却器 7・・・安水タンク 8・・・苛性ソーダ添加設備 9・・・脱安設備 10・・・廃プラスチックを混合した石炭

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 コークス炉装入原料として石炭および廃
    プラスチックを用いるコークスの製造方法であって、前
    記廃プラスチックには、廃プラスチックの種類、廃プラ
    スチックの添加率、石炭の全膨張率、および石炭装入嵩
    密度に基づき(1)式により求められる粒度上限値以下
    の粒度を有する粒状物を用いることを特徴とする高炉用
    コークスの製造方法。 粒度上限値(mm)=(a・TD+b)・BD ・・・(1) TD(%):JIS M8801に規定されたジラトメ
    ーター法による膨張性試験において測定される全膨張率
    指数、 BD(t/m3):石炭の装入嵩密度(乾燥石炭ベー
    ス)、 a,b:廃プラスチックの種類および添加率に応じて定
    まる定数。
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