JP2003039060A - 土壌改良法 - Google Patents

土壌改良法

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JP2003039060A
JP2003039060A JP2001232094A JP2001232094A JP2003039060A JP 2003039060 A JP2003039060 A JP 2003039060A JP 2001232094 A JP2001232094 A JP 2001232094A JP 2001232094 A JP2001232094 A JP 2001232094A JP 2003039060 A JP2003039060 A JP 2003039060A
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contaminated soil
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Keiichi Shibatani
啓一 柴谷
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Kyoboshi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重金属などの汚染物質により汚染された土壌
から容易に汚染物質を除去可能な、新規土壌改良法の提
供を課題とする。 【解決手段】 重金属等を含有する汚染土壌を掘削採取
し、分離用水中の沈降速度差によって上下に選別する土
壌改良装置4に前記汚染土壌を投入し、汚染土壌を比重
差による分離用水中の沈降速度差によって上下に選別す
る。前記汚染土壌に含まれる比重の大きい重金属等は下
部側に沈降し、上部側には土砂が沈降するため、当該土
砂を土壌改良装置4より採取し埋め戻す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は重金属等により汚染
された土壌より重金属等を選別除去する土壌改良法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、工場跡地や産業廃棄物処理場など
における、高濃度の重金属等の汚染物質による土壌汚染
が深刻な問題となっている。環境保全や土地の有効利用
の観点から、土壌中から前記汚染物質を除去する土壌改
良処理が社会的急務となっている。
【0003】従来より、前記汚染土壌の改良法として、
汚染土壌を化学処理し、重金属等の汚染物質を不溶化あ
るいは不活性化する手法や、掘削採取した汚染土壌を水
などの溶媒を用いて汚染物質を抽出分離する溶媒抽出法
などの化学的手法を用いる土壌の改良法が公知である。
【0004】また、前記汚染物質により汚染された土地
を遮水工事、覆土工事などにより、汚染物質の外部への
漏出を防止する汚染土壌の処理法が一般的に行われてい
る。さらに、汚染土壌を物理的に処理する方法として、
汚染土壌を掘削採取した後、産業廃棄物処理場などに廃
棄し、汚染土壌を掘削採取した場所に別途の土壌を埋め
戻す土壌の入れ替えによる処理法も、一般的に行われて
いる。
【0005】さらに公知な土壌処理法として、注水した
汚染土壌中、あるいは掘削採取した汚染土壌を溶解した
溶液中に電極を挿入し、直流電圧を印加し、重金属を採
取する土壌の電気化学的処理法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した汚染物質を不
溶化あるいは不活性化する手法や、遮水工事、覆土工事
などによる汚染土壌の処理法によれば、汚染物質による
周辺土壌の新たな汚染は防止できるものの、既に汚染さ
れた土壌中には処理後においても汚染物質が残存してし
まうという問題がある。また、上記した土壌の入れ替え
による処理法においては、産業廃棄物処理場の不足に伴
い汚染土壌の廃棄が困難であるばかりか、新たに汚染土
壌の採取場所に埋め戻すための土砂の採取を採取せねば
ならず、それに伴い新たに環境破壊を引き起こしかねな
いという問題がある。
【0007】溶媒抽出法を用いた処理法は、難溶性の重
金属や不溶性の重金属を酸性溶媒などに溶解し、土壌と
前記溶媒をろ過、洗浄することで土壌の改良ができる。
しかし当該処理法により洗浄された土壌は、ろ過時に一
旦前記溶媒中に溶解した重金属が再び土壌に吸着してし
まうため、汚染物質の分離精度が低くならざるを得ない
という問題があった。また、汚染物質を溶解すべく硝酸
等を利用すると、洗浄処理を解くした土壌に硝酸イオン
等の有害物質が残留してしまうという問題があった。
【0008】一方、前記電気化学的手法による汚染土壌
の処理法においては、陰極において水の電気分解により
水酸化物イオンが徐々に生成し、陰極近傍でpH上昇し
鉛等の重金属の沈殿が生じる。このため、陰極近傍にお
ける重金属の移動速度が低下し、印加電圧が上昇するた
め、汚染物質の除去効率が低下し処理に長時間を要する
という問題があった。また、注水した汚染土壌中に電極
を挿入し、直流電圧を印加する電気化学的な手法におい
ては、安全面より印加し得る電圧および電圧傾度に規制
があるため、さらに汚染土壌の処理に長時間を要すると
いう問題があった。
【0009】そこで、本発明においては上記した諸問題
を解決すべく、重金属などの汚染物質により汚染された
土壌から容易に汚染物質を除去可能な、新規土壌改良法
の提供を課題とした。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決すべ
く提供される、本発明の土壌改良法は、重金属等を含有
する汚染土壌を掘削採取し、当該汚染土壌を改良し、改
良された土壌を埋め戻す土壌改良法であって、分離用水
中の沈降速度差によって上下に選別する土壌改良装置を
使用し、当該土壌改良装置に前記汚染土壌を投入し、汚
染土壌に含まれる比重の大きい重金属等を下部側に沈降
させ、上部側に土砂を沈降させ、当該土砂を土壌改良装
置より採取し、埋め戻すことを特徴とする土壌改良法で
ある。
【0011】前記汚染土壌に含有される重金属等の汚染
物質は、一般的に土壌より比重が大きく、水中における
沈降速度が土砂よりも速く、前記土壌改良装置内におい
て土砂と重金属等の汚染物質は上下に分離沈降する。本
発明の土壌改良法は、前記土壌改良装置において上部側
に沈降する土砂を採取し埋め戻すものであり、容易かつ
高精度に土壌の改良が行える。
【0012】また、上記土壌改良法において、土壌改良
装置を分離用水が貯留された水槽内に、多数の通孔を有
するスクリーンプレートが分離用水に浸されるように設
けられ、該スクリーンプレートの上面に重金属等を含有
する汚染土壌を供給する供給手段と、前記スクリーンプ
レート上の汚染土壌を、下部側に比重の大きい重金属
が、上部側に土砂が沈降されるように上下方向に脈動さ
せる作動手段とを備えているものとすることができる。
【0013】上記した土壌改良法においては、供給手段
より供給された汚染土壌が、前記分離用水中で作動手段
により上下方向に脈動するため、分離用水中において、
汚染土壌の選別分離がスムーズに行え、分別精度も高
い。また、土砂表面に付着した重金属等の汚染物質が前
記脈動により分離用水中に剥離されるため、さらに完全
に土砂と汚染物質に分別できる。
【0014】また、土壌改良装置内における前記脈動を
該土壌改良装置の規模および改良される土壌の状態に応
じ、所定の周期及び波高とすることで、さらに土砂と汚
染物質への分別精度を向上できる。さらに、前記スクリ
ーンプレート上の通孔大きさを適宜変更することで、土
砂の回収率の向上が図られる。
【0015】また、上記した土壌改良法において、前記
土壌改良装置の上部側に沈降する改良が完了した土砂を
採取し、埋め立て現場などの前記掘削現場とは異なる土
木工事現場など、土砂を必要とするあらゆる場所におい
て再利用することも可能である。
【0016】また、上記土壌改良法に用いられる土壌改
良装置の作動手段は、分離用水に浸されるプレートの下
方に設けられた下方開口状の気室と、該気室内への気体
の供給と気室からの気体の排出とを交互に行う気体供給
排出手段とを備えているものとしてもよい。
【0017】作動手段を上記のような構成とすると、気
室内への気体の供給と排出を繰り返し、気室の下部開口
から分離用水を気室内に導入、排出することにより分離
用水の水位を上下させることが可能である。よって前記
作動手段を設けた比重選別装置は、装置の小型化が可能
であり、メンテナンスが容易である。なお、気室内に供
給、排出される気体は、いかなる気体であっても良い
が、化学反応等により土壌の性状が変化しない気体であ
る事が望ましく、一般に空気や不活性ガスが好適であ
る。
【0018】さらに、土壌改良装置は、改良が完了した
土砂の組成を検知する検知手段とを備え、前記土壌改良
装置の駆動は前記検知手段による検知信号に基づき制御
されるものとしても良い。
【0019】土壌改良装置を、改良が完了した土砂の組
成に基づいて駆動することにより、前記土壌改良装置に
いかなる組成の汚染土壌が供給されても、安定して汚染
土壌の改良が行える。なお、前記検知手段は、蛍光X線
分析装置やX線回折装置など土壌の組成が判明するもの
であればいかなる物であっても良い。
【0020】また、検知手段は、改良が完了した土砂を
撮像する撮像装置と、該撮像装置により撮像された映像
中より所定の色を抽出する色画像抽出装置が接続され、
前記映像中において所定の色が占める面積の割合を検知
信号として発信するものとすることも可能である。
【0021】かかる検知手段においては、排出物の映像
中における所定の色が占める面積の割合を検知すること
により、前記排出物中における所定の組成物の組成比が
判明する。また、上記検知手段はコンパクトであるた
め、装置の小型化が可能であり、前記検知手段による検
知信号に基づき排出手段を駆動することで、安定して汚
染土壌の改良が行える。なお、前記検知手段において前
記色画像抽出装置が検出する色数は、単数に限らず複数
であっても良い。
【0022】なお、前記撮像装置は改良が完了した土砂
の撮像が可能な位置に配置され、前記土砂を撮像可能な
ものであればいかなる撮像装置であっても良いが、カラ
ーカメラが好適に使用できる。また、色画像抽出装置は
前記撮像装置に接続され、該撮像装置による映像の中か
ら予め基準色として登録された色を抽出し、前記映像中
における前記基準色の面積占有率を検知信号として発信
し得るものであれば、いかなる物であっても良い。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、重金属等により汚染された
汚染土壌から汚染物質を除去する、本発明の土壌改良法
について順次説明する。なお、以下説明する実施形態に
おいて、前記土壌改良法に係る工程は、掘削採取工程
と、分別洗浄工程と、埋め戻し工程に大別できる。
【0024】掘削採取工程においては、重金属等により
土壌が汚染された現場からシャベル等により前記土壌が
掘削採取される。採取された土壌は汚染土壌を搬送する
コンベア1に搭載され、受入ホッパー2に投入される。
【0025】受入ホッパー2に投入された汚染土壌はベ
ルトフィーダ3により土壌改良装置4の左右方向一方側
(上流側)の端部近傍から投入される。土壌改良装置4
の前記他方(下流側)には、該土壌改良装置4により選
別され、重金属より比重の小さい土砂を排出する排出部
5と、土壌改良装置4の下部側に沈降した重金属等の汚
染物質を排出するシューター6が設けられている。な
お、受入ホッパー2およびベルトフィーダ3により供給
手段7が構成されている。
【0026】前記土壌改良装置4は、図1〜図3に示す
ように、分離用水が貯留された水槽8を備え、該水槽8
には、多数の通孔9を有する網目状のスクリーンプレー
ト10が分離用水に浸されるようにほぼ水平に設置され
ている。スクリーンプレート10上面の左右方向一方側
(上流側)に、上記供給手段7によって汚染土壌が供給
される。スクリーンプレート10は、一方側(図におい
て左側)に供給された汚染土壌を、スムーズに左右方向
他方側(下流側)に移送できるように、一方側から他方
側(図において左から右方向)に向けて次第に低くなる
ように傾斜している。なお、かかる傾斜は左右方向全長
にわたるものであってもよいが、図示実施例において
は、汚染土壌が投入される左右方向一方側のプレート1
0のみを傾斜させている。
【0027】また、スクリーンプレート10の上方が、
汚染土壌を分離用水中の沈降速度差によって汚染物質と
土壌に選別するための分離室11となっている。
【0028】水槽8内で且つスクリーンプレート10の
下方は、一方側から順に第1槽12a、第2槽12b及
び第3槽12cが区画形成されている。各槽12a、1
2b、12c内には、下方開口状の気室13をそれぞれ
有する第1,第2,第3作動手段14a,14b,14
cが設けられている。各第1,第2,第3作動手段14
a,14b,14cは、下方が開口された筒状を呈して
おり、その下部には、分離用水の下限位置を検出するた
めのセンサ15がそれぞれ設けられている。
【0029】水槽8の上方には、図3に示すように、レ
シーバタンク16が配置されている。該タンク16は、
空気ブロワ17から供給される空気を蓄え、前記第1,
第2,第3作動手段14a,14b,14cに供給する
ためのものである。該レシーバタンク16は前記空気ブ
ロワ17及び第1,第2,第3作動手段14a,14
b,14cに配管18,19によりそれぞれ接続されて
いる。
【0030】レシーバタンク16と各作動手段14a,
14b,14cとを連結する配管19の途中には、エア
ーロータリバルブ20がそれぞれ接続されている。各バ
ルブ20は、モータ21により回転する単体の回転軸2
2により連動して作動する。具体的には、各ロータリバ
ルブ20は、第1作動手段14aから第3作動手段14
cにわたって所定時間遅れて開閉動作するようになって
いる。また、各配管19は、空気をレシーバタンク16
から各作動手段14a,14b,14cに送る場合と、
各作動手段14a,14b,14cの空気を大気に排出
する場合との両方に使用される。
【0031】水槽8の左右方向他方側(第3槽14cよ
りも下流側)には、土壌改良装置4の上部側に沈降した
土砂を排出する排出部5と、下部側に沈降した重金属等
の汚染物質を排出するシューター6が設けられている。
また、該シューター6の上端に形成された入り口24の
内部には、モータ等の適宜の駆動手段(図示せず)によ
り回転駆動されるロータリゲート25が設けられてい
る。
【0032】シューター6の入り口24は、スクリーン
プレート10の上面から所定の高さにわたって開口され
ており、その開口上端は、水槽8内の分離用水の水位よ
りも低い位置となされている。また、シューター6の入
り口24には、その開度を調整するためのカットゲート
23が配設されており、シリンダ等の駆動手段によって
上下方向に移動自在になっている。また、汚染物質がシ
ューター6内を落下する際にシューター6内の上部に負
圧が発生しないように、図1に示すように、シューター
6内部と外気とを直接連通させる外気連通口26が設け
られている。該外気連通口26は、連通管27に接続さ
れ、該連通管27の先端は、水槽8内の分離用水の水位
よりも高い位置まで延設されている。なお、分離用水の
最も高い水位よりも上方に連通管27の端部開口を設け
ることが好ましい。
【0033】排出部5より排出される土砂は、不要な木
屑等を取り出すための不要物除去装置30に供給され
る。該装置30により取り除かれた不要物は、搬出コン
ベア31によって廃棄場へ搬送される。不要物が取り除
かれた後の土砂は除去装置30から排出されて脱水スク
リーン32に供給され、脱水された後、脱水スクリーン
32から取り出された土砂を土砂排出コンベア33によ
り所望の場所まで搬送する。一方、重金属等の汚染物質
は前記シューター6より水槽8の外部に排出され、汚染
物質排出コンベア34によって廃棄場へ搬送される。
【0034】次に、汚染土壌の改良方法について詳細に
説明する。先ず、土壌が重金属などにより汚染された現
場から掘削採取された汚染土壌は、コンベア1によって
受入ホッパー2に投入され、受入ホッパー2内の所定量
の汚染土壌は、ベルトフィーダ3によって土壌改良装置
4に投入供給される。
【0035】次に、土壌改良装置4の空気ブロワ17か
ら配管18を介してレシーバタンク16に空気が圧送さ
れる。また、各エアーロータリバルブ20がモータ21
により連動して連続的または間欠的に回転している。こ
のエアーロータリバルブ20は開閉動作の位相がずれて
いることから、上流側から順次空気を各作動手段14
a,14b,14cの気室13に供給し、または、排出
するようになっている。このため、各エアーロータリバ
ルブ20が開放されると、空気は、配管19を介して第
1,第2,第3作動手段14a,14b,14cの気室
13内に順次供給される。
【0036】なお、各槽12a,12b,12cの気室
13内の気圧は、最適な選別がなされるよう適宜設計す
るものであるが、本実施例においては、各気室13の下
部開口端よりも上方の各槽12a,12b,12c内の
分離用水の総重量と、各槽12a,12b,12c内の
汚染土壌の総重量との和を、各気室13の水平方向断面
積で除した圧力に基づいて設定されている。例えば、第
1層12aの気室13内の空気圧Pは、該気室13の下
部開口端よりも上方の第1層内の分離用水の総重量をT
1、第1層12aにおける汚染土壌の総重量をT2、気
室13の水平方向断面積をAとすると、P=(T1+T
2)/Aで求めることができる。
【0037】空気が気室13内に供給されると、気室1
3内の空気は、該気室13内の分離用水を下方開口から
外部に押し出す(排出する)こととなり、分離用水は、
スクリーンプレート10の通孔9を介して分離室11に
流入し、その水面が上昇する。更に、各エアーロータリ
バルブ20の回転により、空気の供給が停止された後
に、配管19を介して気室13からの空気の排出が可能
となると、再び分離用水は、空気を押し出しながら各気
室13内に入りこむ(吸入される)ため、分離用水の水
位は下降する。なお、図1において、分離用水の最も高
い水位をHで示し、最も低い水位をLで示している。ま
た、気室13の体積変化をも一点鎖線で示している。
【0038】しかも、複数のエアーロータリバルブ20
が、連続的又は間欠的に回転することにより、所定の時
間遅れて順次開閉動作するので、分離室11内の分離用
水には一定の波が発生する。
【0039】この波は、30〜100回/分の範囲で発
生させるのが好ましく、また、波高は30〜150mm
の範囲に設定するのが好ましい。また、気室13内の気
圧は、0.2kg/cm2 〜0.4kg/cm2 の範
囲、好ましくは0.3kg/cm2 程度に設定すること
が好ましい。尚、エアーロータリバルブ20の制御は、
これらのバルブ20を単体の回転軸22により作動させ
るため、タイマー制御が不要となり、構造の簡素化が図
られ、メンテナンス性の向上、コスト低減を図ることが
できる。
【0040】このように波が発生している分離用水に、
所定量の汚染土壌が投入されると、汚染土壌は、上下方
向に脈動しながら下流側に向けて移動することとなる。
ここで、前記上下方向の脈動および左右方向への移動に
伴い、土砂の表面に付着した重金属等の汚染物質は土砂
表面から剥離する。比重の大きい重金属は、土砂に比し
沈降速度が速いため、汚染土壌の脈動の進行に伴い、比
重の大きい重金属が次第に下部側(下層)に沈降し、比
重の小さいもの程、上部側(上層)に沈降していく。
【0041】汚染土壌は、上下方向に脈動しながら下流
側(図において右側)へ移動する。エアーロータリバル
ブ20の入気及び排気の時間を調整することにより、任
意な波形を発生させることができるため、浮遊する重金
属等の汚染物質の沈降時間が長くなり、その選別をゆっ
くり行うことができる。
【0042】また、汚染土壌の移動は、スクリーンプレ
ート10を傾斜させたことにより、スムーズに行うこと
ができ、処理能力も向上する。
【0043】汚染土壌が下流側に到達するまでに、汚染
土壌は分離用水中の沈降速度差によって上下に選別され
る。そして、分離用水中の下流側に設けた境界部41の
上下で、上部側に沈降された比重の小さい土砂等と、下
部側に沈降された比重の大きい重金属等の汚染物質とを
分離選別する。すなわち、下層側の所定層厚部分の汚染
物質は、ロータリゲート25を介してシューター6に強
制的に取り入れられ、該汚染物質はシューター6内の水
に沈降して汚染物質排出コンベア34に排出され廃棄場
へ搬出される。
【0044】排出部5より排出された土砂は不要物除去
装置30において木屑等のゴミを除去した後、脱水スク
リーン32において脱水処理され、汚染土壌の改良が完
了する。改良が完了した土砂は、汚染土壌を掘削した掘
削現場に埋め戻されたり、埋め立て現場などの前記掘削
現場とは異なる土木工事現場など、土砂を必要とするあ
らゆる場所に用いられる。
【0045】本実施形態の土壌改良装置4においては、
図3に示すように、土砂排出コンベア33の上部で改良
が完了した土砂を撮影可能な位置に撮像装置35が配置
される。撮像装置35は色画像抽出装置36に接続され
改良が完了した土砂の組成を検知する検知手段38が構
成され、前記色画像抽出装置36が発信する検知信号は
マイクロコンピュータが内蔵された制御装置37に入力
される。ここで、色画像抽出装置36は、撮像装置35
により撮像された土砂排出コンベア33上の土砂の映像
を複数の色成分に分解し、前記映像中に占める所定の重
金属等の不純物の呈する色成分の面積の割合を算出し、
検知信号として発信するものである。なお、前記検知手
段38により検知される前記不純物(括弧内は当該不純
物の色)は、重クロム酸カリウム(橙赤)、重クロム酸
ナトリウム(赤)、重クロム酸アンモニウム(橙黄)、
クロム酸カリウム(黄)、クロム酸銀(赤褐)、クロム
酸鉛(黄)、クロム酸バリウム(黄)、塩基性クロム
(赤又は黄)、塩基性クロム酸鉛(赤又は橙黄)、クロ
ム酸ビスマス(黄)、クロム酸カルシウム(黄)、無水
クロム酸(暗赤)、塩素酸コバルト(暗赤)、塩素酸ナ
トリウム(白)、硅フッ化カリウム(白)、硅フッ化バ
リウム(白)、硅フッ化ナトリウム(白)、過マンガン
酸亜鉛(暗紫)、三酸化アンチモン(白)、五塩化アン
チモン(淡黄)、アンチモン酸鉛(橙黄)、酢酸ウラニ
ル(黄)、硝酸ウラニル(淡黄)、硫化カドミウム(黄
橙)、クロム酸銀(赤褐)、硫酸銅(青)、塩化第一銅
(白)、無水第二銅(緑)、塩基性炭酸銅(暗緑)、塩
基性塩化銅(青緑)、塩化第二銅カリウム(緑青)、塩
化第二銅アンモニウム(青)、酸化鉛(黄又は赤)二酸
化鉛(茶褐)、クロム酸鉛(黄)、五酸化バナジウム
(赤又は赤褐)、硫化バリウム(白)、フッ化バリウム
(白)、酸化バリウム(白)、酸化鉄(赤褐)、コーク
ス片や鉄鉱石片(黒)などいかなるものであっても良い
が、土壌改良装置4で改良を行う汚染土壌中に最も多く
含有する不純物の色を検知することが望ましい。
【0046】該制御装置37には、前記エアーロータリ
バルブ用のモータ21、ベルトフィーダ3用のモータ3
aおよびロータリゲート25用のモータ29がそれぞれ
接続されている。制御装置37は、前記色画像抽出装置
36からの信号に基づいて、エアーロータリバルブ用の
モータ21、ベルトフィーダ用のモータ3a、ロータリ
ゲート25b用のモータ25aの駆動を制御する制御信
号を発信するように構成されている。
【0047】エアーロータリバルブ20用のモータ2
1、ベルトフィーダ3用のモータ3a、およびロータリ
ゲート25用のモータ29は前記制御信号に基づき、所
定の回転速度で回転する。ここで改良を行った土砂中に
おける汚染物質の含有量が所定の範囲より多い場合、す
なわち撮像装置35による映像中に占める重金属の面積
割合が所定の範囲より多い場合は、モータ21,3a,
29の回転速度を適宜変更することで、土砂と重金属等
の汚染物質の分離精度を向上できる。即ち、エアーロー
タリバルブ用のモータ21を高速側に制御し、波の回数
を多くし、汚染土壌の脈動回数を多くすることにより、
分離精度を向上させる。または、制御装置37は、ロー
タリゲート25用のモータ29を回転数が増加する用に
制御し、下部側に沈降した重金属等の汚染物質の排出量
を増加し、分離制度を向上させる。あるいは、制御装置
37は、ベルトフィーダ用のモータ3aを回転数が減少
するように制御し、汚染土壌のフィード量を少なくし、
分離精度を向上させる。尚、モータ21,3a,29は
それぞれ別個独立(選択的)に制御する以外に、いずれ
か2つあるいは全てを同時に制御することも可能であ
る。
【0048】なお、本実施形態における検知手段38は
上記した撮像装置35および色画像抽出装置36を有す
るものに限定されるものではなく、蛍光X線分析計やX
線回折計等の組成分析が可能な装置であればいかなるも
のであっても良い。
【0049】また、土壌改良装置4においてスクリーン
プレート10の通孔9を通過し、水槽8の底部に沈降し
た重金属等の汚染物質および土砂は、適宜水槽8より取
り出され、廃棄場に廃棄される。
【0050】尚、本発明に用いる土壌改良装置4は、上
記実施の形態に限定されるものではなく、適宜設計変更
できる。例えば、上記実施の形態ではシューターをスク
リーンプレートの一端側にのみ設けたが、図4に示すよ
うに、第1槽14aと第2槽14bとの間に、シュータ
ー39を設けることもできる。この場合、かかる中途部
のシューター39の上部を分離室11に臨ませ、シュー
ター39上部の上流側に、下部側に沈降された重金属の
入口40を開口させる。また、シューター39の下端を
水槽8の底面に接続し、入口40からシューター39内
に入った重金属を、水槽8の下方に沈降して取り出すこ
とができる。また、下流側においてはシューター6にお
いて下部側に沈降された土砂をシューター6から取り出
し、上部側に沈降した木屑等のゴミを排出部5から取り
出すことができる。この場合水槽8の外部に別途不要物
除去装置30を設けなくても、重金属と、土砂と、木屑
等のゴミに分類できるため、さらに土壌洗浄装置4の小
型化が可能である。なお、この場合、端部側のシュータ
ー6の入口24の開口を、中途部のシューター39の入
口40の開口に比し、上下方向に大きくするのが好まし
い。これは、中途部のシューターにおいて、比重の大き
な沈降速度が速い下層部分の重金属を予め排除するため
であり、また、端部側のシューター6は、所望の粒径を
した土砂層を取り出すためである。
【0051】また、土壌改良装置4は規模の大小を問わ
ず、同様の汚染土壌の改良効果を発揮することができ
る。さらに、土壌改良装置4は所定の位置に据置固定し
ても、トラックの荷台等に配置し土壌改良現場に移動可
能なものとしてもよい。前記のように土壌改良装置4を
移動可能なものとした場合は、該土壌改良装置4専用の
場所を必要としないばかりか、土壌改良を行う現場ある
いはその近辺で処理が行え、作業効率が高い。
【0052】さらに、土壌改良装置4においては、改良
が完了した土砂の組成を検知する検知手段38が設けら
れていたが、検知手段38を設けない構成とすることも
可能である。すなわち、汚染土壌中に含有する重金属等
の汚染物質の組成比の概略が既知である場合などは、モ
ータ21,3a,29の駆動速度を予め設定しておくこ
とで所定の分離精度が得られる。
【0053】また、比重選別装置4による分離選別工程
の後に、製品となる土砂の水洗工程を設けることができ
る。かかる水洗処理により、土砂の表面に付着した汚染
物質をより一層完全に除去することができる。
【0054】
【発明の効果】本発明の土壌改良法は、土壌改良装置中
において、掘削採取した汚染土壌中の重金属等の汚染物
質と土砂の比重の差異に基づき分離用水中にて分離沈降
し、土砂のみを採取し埋め戻すものであり、容易かつ高
精度に汚染土壌の改良が行える。さらに、前記土壌改良
装置中において汚染土壌を上下方向に脈動させることに
より、土砂表面に付着した汚染物質が剥離されるため、
汚染土壌の改良がさらに高精度に行える。また、前記土
壌改良装置は作動手段を下方開口状の気室と、該気室内
への気体の供給と気室からの気体の排出とを交互に行う
気体供給排出手段により構成すると装置の小型化が可能
であり、メンテナンスが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る土壌改良装置の要部
拡大縦断面図である。
【図2】同土壌改良装置を簡略して示す全体構成図であ
る。
【図3】同実施の形態の土壌改良システムの全体簡略構
成図である。
【図4】本発明の別の実施の形態に係る土壌改良装置の
要部拡大縦断面図である。
【符号の説明】
3 ベルトフィーダ 4 土壌改良装置 5 排出部 6,39 シューター 7 供給手段 8 水槽 20 エアロータリーバルブ 23 カットゲート 24,40 入口 25 ロータリゲート 32 脱水スクリーン 33 土砂排出コンベア 34 汚染物質排出コンベア 35 撮像装置 36 色画像抽出装置 37 制御装置 38 検知手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重金属等を含有する汚染土壌を掘削採取
    し、当該汚染土壌を改良し、改良された土壌を埋め戻す
    土壌改良法であって、分離用水中の沈降速度差によって
    上下に選別する土壌改良装置を使用し、当該土壌改良装
    置に前記汚染土壌を投入し、汚染土壌に含まれる比重の
    大きい重金属等を下部側に沈降させ、上部側に土砂を沈
    降させ、当該土砂を土壌改良装置より採取し、埋め戻す
    ことを特徴とする土壌改良法。
  2. 【請求項2】 重金属等を含有する汚染土壌を掘削採取
    し、当該汚染土壌を改良し、改良された土壌を埋め戻す
    土壌改良法であって、分離用水中の沈降速度差によって
    上下に選別する土壌改良装置を使用し、当該土壌改良装
    置に前記汚染土壌を投入し、汚染土壌に含まれる比重の
    大きい重金属等を下部側に沈降させ、上部側に土砂を沈
    降させ、当該土砂を土壌改良装置より採取し、再利用す
    ることを特徴とする土壌改良法。
  3. 【請求項3】 土壌改良装置は分離用水が貯留された水
    槽内に、多数の通孔を有するスクリーンプレートが分離
    用水に浸されるように設けられ、該スクリーンプレート
    の上面に重金属等を含有する汚染土壌を供給する供給手
    段と、前記スクリーンプレート上の汚染土壌を、下部側
    に比重の大きい重金属が、上部側に土砂が沈降されるよ
    うに上下方向に脈動させる作動手段とを備えていること
    を特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の土壌改
    良法。
  4. 【請求項4】 土壌改良装置の作動手段は、分離用水に
    浸されるプレートの下方に設けられた下方開口状の気室
    と、該気室内への気体の供給と気室からの気体の排出と
    を交互に行う気体供給排出手段とを備えていることを特
    徴とする請求項3に記載の土壌改良法。
  5. 【請求項5】 土壌改良装置は、改良が完了した土砂の
    組成を検知する検知手段とを備え、前記土壌改良装置の
    駆動は前記検知手段による検知信号に基づき制御される
    ことを特徴とする請求項1乃至4に記載の土壌改良法。
  6. 【請求項6】 検知手段は、改良が完了した土砂を撮像
    する撮像装置と、該撮像装置により撮像された映像中よ
    り所定の色を抽出する色画像抽出装置が接続され、前記
    映像中において所定の色が占める面積の割合を検知信号
    として発信することを特徴とする請求項5に記載の土壌
    改良法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7134776B2 (en) * 2004-01-23 2006-11-14 Nec Lcd Corporation Direct backlight and display device
JP2013010063A (ja) * 2011-06-28 2013-01-17 Ohbayashi Corp 汚染土壌の浄化方法及びシステム

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