JP2003037957A - 高温超伝導ロータの電力リード部 - Google Patents

高温超伝導ロータの電力リード部

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、同期機械のロータにおける高温超
伝導界磁巻線のための電力リード部に関する。 【解決手段】 高温超伝導（ＨＴＳ）ロータの界磁コイ
ルの抵抗性電力リード部が、ロータ軸線近くの真空内に
配置され、セラミック絶縁体（２２）を介してリード部
をチューブの隔壁（１８）に接合することにより、戻り
流路（２０）への熱伝導によって冷却される。リード部
の長さ、断面、及び電気抵抗は、低温気体への熱伝導及
びオーム抵抗の熱伝達を最小にするように最適化され
る。リード部の熱膨張又は収縮は、リード部の常温及び
低温端部における可撓部分によって吸収される。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、同期回転
機械に関する。より具体的には、本発明は、同期機械の
ロータにおける高温超伝導界磁巻線のための電力リード
部に関する。
【０００２】
【発明の背景】界磁コイル巻線を有する同期電気機械
は、それに限定するわけではないが、回転発電機、回転
モータ及びリニアモータを含む。これらの機械は、一般
的に、電磁的に結合されたステータとロータとを備え
る。ロータは、多極ロータコアと、ロータコアに取り付
けられたコイル巻線とを含むことができる。ロータコア
は、鉄製コア（鉄心）ロータのような、透磁性の中実材
料を含むことができる。
【０００３】従来の銅巻線が、同期電気機械のロータに
一般に使用されている。しかしながら、銅巻線の電気抵
抗は、（従来の尺度では小さいが）ロータの大きな加熱
の一因となり、機械の出力効率を減少させる程である。
近年、ロータのための超伝導コイル巻線が開発されてき
ているが、これらは、実効的には抵抗を持たず、非常に
有利なロータのコイル巻線である。
【０００４】典型的な超伝導ロータの巻線は、構造的支
持のための円筒形外殻の周りに組み立てられたサドル形
状のコイルで作られる。これらのサドル形状のコイル
は、極低温剤と直接的に接触して冷却される複雑な巻線
構造である。電力リード部もまた、並行な流れ回路の経
路を通る極低温剤によって冷却されるもので、遠心加速
度が高い領域において流量及び温度安定性を制御するこ
とについての課題を生じる。
【０００５】
【発明の概要】本発明の例示的な実施形態において、高
温超伝導（ＨＴＳ）ロータの巻線コイルのための電力リ
ード部が提供される。この電力リード部は、戻り流チュ
ーブの隔壁に取り付け可能な熱ステーションブロック
と、該熱ステーションブロックと該戻り流チューブの隔
壁との間に固定可能なセラミック絶縁体と、該熱ステー
ションブロックに連結された熱的に最適化された電流リ
ード線とを含む。熱ステーションブロックは、戻り流チ
ューブの隔壁を挟むような大きさに作られた２つの半ブ
ロックを含むことが好ましく、電力リード部は、熱的に
最適化された２つの電流リード線を含み、その一つずつ
が、該熱ステーションの半ブロックの各々と連結され
る。半ブロックを電気的に絶縁されたボルトで互いに固
定することができる。セラミック絶縁体は、酸化ベリリ
ウム及びサファイアのうちの一つで形成することがで
き、両縁を除く両面に金属メッキすることができる。熱
的に最適化された電流リード線の断面、長さ及び電気抵
抗は、オーム抵抗加熱及び熱伝導の結果としての熱伝導
を最小にしながら過渡電流に対する余裕をもってロータ
の電流を伝えるように特に構成にされている。
【０００６】本発明の別の例示的な実施形態において、
ＨＴＳロータの巻線コイルのための電力リード部が、電
気機械のロータと電気的に接続可能な熱ステーションブ
ロックを備える。熱ステーションブロックは、戻り流チ
ューブに対して電気的に絶縁されるが、熱ステーション
ブロックと該戻り流チューブとの間の熱伝導性のため
に、それらの間に挿置されたセラミック絶縁体を介して
該戻り流チューブと熱的に連結される。
【０００７】本発明の更に別の例示的な実施形態におい
て、電気機械は、ステータと、ロータ軸線周りを該ステ
ータに対して回転するようにステータと組み合わされた
ロータを備える。このロータは、ロータの軸線近くに配
置されたリード端子を含む。熱交換器冷却のための冷却
剤を運ぶ戻り流チューブが設けられ、ＨＴＳロータの巻
線コイルは、本発明のＨＴＳ電力リード部を介してロー
タのリード端子と連結される。編組状の銅などで作られ
たリード部分が、熱ステーションブロックとロータのリ
ード端子との間に連結されるのが好ましい。
【０００８】
【発明の実施の形態】図を参照には、ＨＴＳロータの巻
線コイルのための電力リード部が示される。ＨＴＳコイ
ルの開始部及び終結部のリード線（図示せず）は、それ
らが低い遠心荷重に曝されるように、ロータ軸線の近く
に配置された銅の端子１４にはんだ付けされるのが好ま
しい。戻り流チューブ２０は、銅の端子１４に隣接する
ＨＴＳコイルの熱交換器の冷却チューブから、ロータシ
ャフトの端部（図８に示される）まで極低温剤を運び、
そこで流体移送継手が、極低温剤を極低温冷却流体の外
部源まで移送する。短い編組状の銅のリード線部分１２
が、コイルの端子１４を銅の熱ステーションブロック１
６に連結する。熱ステーションブロック１６は、戻り流
チューブ２０の隔壁１８を挟むような大きさに作られた
２つの半ブロックで形成されるのが好ましい。熱ステー
ションの半ブロック１６は、図９に示されるように電気
的に絶縁されたボルト２４で互いにボルト止めされ、該
ボルトが遠心荷重を支持する。
【０００９】金属メッキされたセラミック絶縁体２２
は、片面を熱ステーションブロック１６に、また他方の
面を戻り流チューブの隔壁１８にはんだ付けされ、電力
リード部は、伝導により冷却されてロータの戻り流路へ
の熱を拒絶する。熱ステーションブロック１６は、セラ
ミック絶縁体２２によって戻り流チューブ２０から電気
的に絶縁されるが、該セラミック絶縁体２２は極低温に
おいて高い熱伝導性を有するように設計されているの
で、小さい温度差で効率的に熱を拒絶する。一般的に
は、セラミック絶縁体２２は、ＨＴＳコイルに適切な電
気絶縁を与えるために、両縁を除く両面に金属メッキさ
れたベリリア（酸化ベリリウム）又はサファイアの薄板
で作られる。典型的な絶縁体の厚さは、０．０４０イン
チから０．１２５インチまでの範囲で変わる。厚い絶縁
体は、熱ステーションの冷却容量の低下を犠牲にしてＨ
ＴＳコイルの電気絶縁すなわち電圧破壊能力を向上させ
る。
【００１０】熱的に最適化された電流リード線２６は、
一端を熱ステーションブロック１６にはんだ付けされ、
他端をセラミックの真空貫通部（真空気密のセラミック
絶縁銅端子）に連結された編組状の銅リード部分２８に
はんだ付けされる。電流リード線２６は、熱ステーショ
ンへの熱負荷を最低にして最大電流を伝えるように最適
化される。熱的に最適化されたリード部分２６の断面、
長さ、及び電気抵抗は、過渡電流のための十分な余裕を
もってロータの電流を伝え、オーム抵抗加熱及び熱伝導
の結果としての低温端への熱伝達を最小にするように設
計される。電力リード部の熱的に最適化された部分は、
一端はロータ孔に取り付けられ、他端は熱ステーション
ブロック１６及び戻りチューブの隔壁１８を支持する、
熱的に隔離している薄壁のガラス繊維チューブ３０によ
って支持される。
【００１１】本発明のＨＴＳロータの電力リード部の構
成では、該電力リード部の熱ステーションブロックは、
電気機械のロータと電気的に接続可能であり、また戻り
流チューブから電気的に絶縁されるが、それらの間に挿
置されたセラミック絶縁体を介して戻り流チューブと熱
的に接続される。セラミック絶縁体は、熱ステーション
ブロックと戻り流チューブとの間に熱伝導を提供するも
のである。熱的に最適化された電流リード線は、過渡電
流を吸収し、熱伝達を最小にする。
【００１２】本発明を、現在最も実用的かつ好ましい実
施形態であると考えられているものに関連して説明して
きたが、本発明は、開示した実施形態のみに限定され
ず、逆に、特許請求の範囲の技術思想及び技術的範囲内
に含まれる種々の変更及び均等の構成を含むように意図
していることを理解されたい。
【００１３】特許請求の範囲において示す参照符号は、
本発明の範囲を狭めるためではなく、それらを容易に理
解するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 ＨＴＳロータの界磁コイルのための電力リー
ド部の組立図。
【図２】 図１の電力リード部及び熱的に隔離している
支持チューブを示す図。
【図３】 ＨＴＳロータに接続された電力リード部を示
す図。
【図４】 セラミックの真空貫通部に接続する編組状の
銅のリード部分と接続された熱的に最適化された電流リ
ード線を示す図。
【図５】 本発明のＨＴＳロータの電力リード部及びロ
ータを示す機械製図。
【図６】 本発明のＨＴＳロータの電力リード部及びロ
ータを示す機械製図。
【図７】 本発明のＨＴＳロータの電力リード部及びロ
ータを示す機械製図。
【図８】 本発明のＨＴＳロータの電力リード部及びロ
ータを示す機械製図。
【図９】 本発明の電力リード部の拡大組立図。
【符号の説明】
１２ リード部分 １４ 端子 １６ 熱ステーションブロック １８ 隔壁 ２０ 戻り流チューブ ２２ 絶縁体 ２４ ボルト ２６ 電流リード線
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成１４年７月１２日（２００２．７．１
２）
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェームズ・ペレグリノ・アレクサンダー アメリカ合衆国、ニューヨーク州、ボール ストン・レイク、ノースウエスト・パス、 12番 Ｆターム(参考） 5H604 BB03 BB10 BB14 BB18 CC02 CC05 CC20 PC03 QB03 5H655 BB01 BB05 BB09 CC22 DD04 FF08 HH04

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 高温超伝導（ＨＴＳ）ロータの巻線コイ
    ルのための電力リード部であって、 戻り流チューブの隔壁（１８）に取り付け可能な熱ステ
    ーションブロック（１６）と、 該熱ステーションブロックと前記戻り流チューブの隔壁
    との間に固定可能なセラミック絶縁体（２２）と、 前記熱ステーションブロックに連結された熱的に最適化
    された電流リード線（２６）と、を備えることを特徴と
    する電力リード部。
  2. 【請求項２】 前記熱ステーションブロック（１６）
    が、前記戻り流チューブの隔壁（１８）を挟むような大
    きさに作られた２つの半ブロックを含み、２つの熱的に
    最適化された電流リード線（２６）が設けられ、その一
    つずつが前記熱ステーションの半ブロックの各々と連結
    されていることを特徴とする、請求項１に記載のＨＴＳ
    ロータの巻線コイルのための電力リード部。
  3. 【請求項３】 前記半ブロックが、電気的に絶縁された
    ボルト（２４）で互いに固定されることを特徴とする、
    請求項２に記載のＨＴＳロータの巻線コイルのための電
    力リード部。
  4. 【請求項４】 前記セラミック絶縁体（２２）が、酸化
    ベリリウム及びサファイアのうちの一つで形成されるこ
    とを特徴とする、請求項１に記載のＨＴＳロータの巻線
    コイルのための電力リード部。
  5. 【請求項５】 前記セラミック絶縁体（２２）が、両縁
    を除く両面に金属メッキされていることを特徴とする、
    請求項４に記載のＨＴＳロータの巻線コイルのための電
    力リード部。
  6. 【請求項６】 前記熱的に最適化された電流リード線
    （２６）の断面、長さ、及び電気抵抗が、オーム抵抗加
    熱及び熱伝導の結果としての熱伝達を最小にしながら過
    渡電流に対する余裕をもってロータの電流を伝えるよう
    に特に構成されていることを特徴とする、請求項１に記
    載のＨＴＳロータの巻線コイルのための電力リード部。
  7. 【請求項７】 高温超伝導（ＨＴＳ）ロータの巻線コイ
    ルのための電力リード部であって、電気機械のロータと
    電気的に接続可能な熱ステーションブロック（１６）を
    含み、該熱ステーションブロックは、戻り流チューブ
    （２０）に対し電気的に絶縁されるが、該熱ステーショ
    ンブロックと該戻り流チューブとの間の熱伝導性のため
    に、それらの間に挿置されたセラミック絶縁体（２２）
    を介して該戻り流チューブと熱的に連結されることを特
    徴とする電力リード部。
  8. 【請求項８】 前記熱ステーションブロック（１６）と
    連結された熱的に最適化された電流リード線（２６）を
    更に備えることを特徴とする、請求項７に記載のＨＴＳ
    ロータの巻線コイルのための電力リード部。
  9. 【請求項９】 前記熱的に最適化された電流リード線
    （２６）の断面、長さ、及び電気抵抗が、オーム抵抗加
    熱及び熱伝導の結果としての熱伝達を最小にしながら過
    渡電流に対する余裕をもってロータの電流を伝えるよう
    に特に構成されていることを特徴とする、請求項８に記
    載のＨＴＳロータの巻線コイルのための電力リード部。
  10. 【請求項１０】 前記セラミック絶縁体（２２）が、酸
    化ベリリウム及びサファイアのうちの一つで形成される
    ことを特徴とする、請求項７に記載のＨＴＳロータの巻
    線コイルのための電力リード部。
  11. 【請求項１１】 前記セラミック絶縁体（２２）が、両
    縁を除く両面に金属メッキされることを特徴とする、請
    求項１０に記載のＨＴＳロータの巻線コイルのための電
    力リード部。
  12. 【請求項１２】 ステータと、 ロータ軸線近くに配置されたリード端子を含み、該ロー
    タ軸線周りを前記ステータに対して回転するように該ス
    テータと組み合わされたロータと、 熱交換器冷却のための冷却剤を運ぶ戻り流チューブと、 抵抗性電力リード部を介して前記ロータのリード端子と
    連結された高温超伝導（ＨＴＳ）ロータの巻線コイル
    と、を備え、 前記電力リード部が、 前記戻り流チューブの隔壁（１８）に取り付け可能な熱
    ステーションブロック（１６）と、 該熱ステーションブロックと前記戻り流チューブの隔壁
    との間に固定可能なセラミック絶縁体（２２）と、 前記熱ステーションブロックと連結された熱的に最適化
    された電流リード線（２６）と、を備えることを特徴と
    する電気機械。
  13. 【請求項１３】 前記熱ステーションブロックと前記ロ
    ータのリード端子との間に連結されたリード部分（１
    ２）を更に備えることを特徴とする、請求項１２に記載
    の電気機械。
  14. 【請求項１４】 前記リード部分（１２）が、編組状の
    銅を含むことを特徴とする、請求項１３に記載の電気機
    械。
  15. 【請求項１５】 前記熱ステーションブロック（１６）
    が、前記戻り流チューブの隔壁（１８）を挟むような大
    きさに作られた２つの半ブロックを含み、前記電力リー
    ド部が、２つの熱的に最適化された電流リード線（２
    ６）を含み、該電流リード線の一つずつが前記熱ステー
    ションの半ブロックの各々と連結されていることを特徴
    とする、請求項１２に記載の電気機械。
  16. 【請求項１６】 前記半ブロック（１６）が、電気的に
    絶縁されたボルト（２４）で互いに固定されることを特
    徴とする、請求項１５に記載の電気機械。
  17. 【請求項１７】 前記セラミック絶縁体（２２）が、酸
    化ベリリウム及びサファイアのうちの一つで形成される
    ことを特徴とする、請求項１２に記載の電気機械。
  18. 【請求項１８】 前記セラミック絶縁体（２２）が、両
    縁を除く両面に金属メッキされていることを特徴とす
    る、請求項１７に記載の電気機械。
  19. 【請求項１９】 前記熱的に最適化された電流リード線
    （２６）の断面、長さ及び電気抵抗が、オーム抵抗加熱
    及び熱伝導の結果としての熱伝達を最小にしながら過渡
    電流に対する余裕をもってロータの電流を伝えるように
    特に構成されていることを特徴とする、請求項１２に記
    載の電気機械。
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