JP2003036939A - コネクタ - Google Patents

コネクタ

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JP2003036939A
JP2003036939A JP2001224823A JP2001224823A JP2003036939A JP 2003036939 A JP2003036939 A JP 2003036939A JP 2001224823 A JP2001224823 A JP 2001224823A JP 2001224823 A JP2001224823 A JP 2001224823A JP 2003036939 A JP2003036939 A JP 2003036939A
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Japan
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slider
connector
posture
housings
housing
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JP2001224823A
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English (en)
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Kei Yanagisawa
慶 柳澤
Hideto Nakamura
英人 中村
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
Original Assignee
Sumitomo Wiring Systems Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 嵌合時と離脱時の両方で半嵌合検知ができる
コネクタを提供する。 【解決手段】 雄側ハウジング10のフード部11内に
は、雌側ハウジング20を係止可能なロックアーム15
が突設されている。ロックアーム15は、雌側ハウジン
グ20側に圧縮コイルばね33を介して組み付けられた
スライダ34に対して係合可能な係合姿勢と、スライダ
34から解離した解離姿勢との間を弾性変形可能とされ
ている。嵌合・離脱作業を途中で中断した場合は、後退
移動しているスライダ34によって弾縮された圧縮コイ
ルばね33に蓄積されたばね力が解放されることで、前
方へ付勢されたスライダ34により係合姿勢とされたロ
ックアーム15が押圧されて、両ハウジング10,20
が強制的に離脱される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、嵌合検知機能を備
えたコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種のコネクタとして、特開平1
1−185880号公報に記載されたものが知られてい
る。これは、図9に示すように、互いに嵌合される雌雄
のコネクタハウジング1,2のうちの雌ハウジング1に
ロックアーム3が設けられる一方、雄ハウジング2にス
ライダ4が装着されてその後面にコイルバネ5が配され
た構造となっている。そして、両ハウジング1,2が嵌
合されると、撓み変形したロックアーム3がスライダ4
をコイルバネ5の付勢力に抗して押し込み、両ハウジン
グ1,2が正規嵌合に至ると、ロックアーム3が復元変
形して両ハウジング1,2がロックされるとともに、ロ
ックアーム3がスライダ4から解離することでスライダ
4がコイルバネ5の付勢力で復動する。
【0003】また、両ハウジング1,2が半嵌合のまま
で嵌合操作が停止されると、コイルバネ5の付勢力によ
りスライダ4がロックアーム3を押し返して両ハウジン
グ1,2を離間させ、この離間動作によって、両ハウジ
ング1,2が半嵌合状態に留められていたことが検知で
きるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、メンテナンス等
において雌雄のハウジング1,2を離脱させる場合は、
ロックアーム3を強制的に撓み変形させることでロック
を解除したのち、雌ハウジング1を引張するのである
が、雌ハウジング1の引張操作が何らかの事情で中断さ
れ、それを失念して放置されたような場合には、離脱時
でも半嵌合状態に留められることがあり得る。
【0005】しかるに従来のものは、このような離脱時
における半嵌合検知はできないため、その出現が切望さ
れいた。本発明は上記のような事情に基づいて完成され
たものであって、嵌合時と離脱時の両方で半嵌合検知が
できるコネクタを提供することを目的ととしている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの請求項1の発明に係るコネクタは、互いに嵌合可能
な一対のコネクタハウジングのうち、一方のコネクタハ
ウジングには、両コネクタハウジングの嵌合・離脱方向
に沿って前後に移動可能なスライダが付勢手段を介して
組み付けられる一方、他方のコネクタハウジングには、
前記スライダに係合可能な係合姿勢と、スライダから解
離する解離姿勢との間を前記嵌合・離脱方向と交差する
向きに弾性変位可能な弾性係合部が設けられており、前
記両コネクタハウジングが嵌合される途中と、離脱され
る途中との両方では、前記係合姿勢とされた弾性係合部
に係合される前記スライダが前記付勢手段の付勢に抗し
つつ後退した状態とされ、両コネクタハウジングが正規
嵌合されたときには、前記弾性係合部が解離姿勢に弾性
変位することで、前記スライダとの係合状態が解除され
るとともに、前記付勢手段に蓄積された付勢力が解放さ
れることで、スライダが前進移動されるようにされてお
り、前記スライダには、前記付勢手段の付勢に抗しつ
つ、前記スライダを前記弾性係合部の前記係合姿勢への
変位を許容する位置まで後退移動させるための操作部が
設けられ、前記他方のコネクタハウジングには、前記一
方のコネクタハウジングが嵌入されるフード部が設けら
れ、このフード部には、前記操作部が摺接しつつ進入す
ることを可能とした切欠部が形成されていることを特徴
とする。
【0007】請求項2の発明は、請求項1に記載のコネ
クタであって、前記操作部が前記スライダの後端位置に
設けられていることを特徴とする。請求項3の発明は、
請求項1または請求項2に記載のコネクタであって、前
記一方のコネクタハウジングの外面には、前記スライダ
及び前記付勢手段を収容する収容空間が設けられてお
り、この収容空間の後壁が前記一方のコネクタハウジン
グの後端面に対して面一状とされていることを特徴とす
る。
【0008】
【発明の作用及び効果】請求項1の発明によれば、両コ
ネクタハウジングが嵌合される途中では、係合姿勢とさ
れた弾性係合部によってスライダが押圧されることで、
スライダは付勢手段の付勢に抗しつつ後退移動される。
このとき嵌合作業が中断されると、付勢手段に蓄積され
た付勢力が解放されることで前方へ付勢されたスライダ
が弾性係合部を押圧して、両コネクタハウジングが強制
的に離脱され、もって半嵌合が検知される。両コネクタ
ハウジングが正規に嵌合されると、弾性係合部がスライ
ダから解離して、スライダに対する押圧状態が解除され
るとともに付勢手段に蓄積された付勢力が解放されるこ
とで、スライダが前進移動される。
【0009】嵌合した両コネクタハウジングを離脱させ
るには、付勢手段の付勢に抗しつつスライダを後退移動
させた状態として、両コネクタハウジングを離間させ
る。離脱作業を途中で中断すると、解離姿勢から係合姿
勢に弾性変位された弾性係合部に対して、付勢手段に蓄
積された付勢力が解放されて前方へ付勢されたスライダ
が係合することで、両コネクタハウジングが強制的に離
脱され、もって半嵌合が検知される。
【0010】以上のように嵌合時、離脱時のいずれのと
きでも半嵌合検知を行うことができる。また、フード部
には、操作部が摺接しつつ進入することを可能とした切
欠部を形成したので、操作部の移動操作を確実に行うこ
とができる。また、操作部は両側からフード部の壁によ
って挟まれた状態になるので、操作部に対して異物が干
渉し難くなっている。請求項2の発明によれば、操作部
をスライダの後端位置に配したので、操作部をスライダ
の前端位置や前後方向中央位置に配する場合に比べる
と、フード部の切欠部の切欠長さが短くて済み、フード
部の強度低下が抑制される。
【0011】請求項3の発明によれば、収容空間の後面
壁が一方のコネクタハウジングの後端面に対して面一状
とされているので、一方のコネクタハウジングの後端部
の形状の簡素化が図られる。
【0012】
【発明の実施の形態】[実施形態1]以下、本発明を具
体化した実施形態1を図1乃至図8を参照して説明す
る。本実施形態のコネクタは、互いに嵌合可能な雄側ハ
ウジング10(本発明の構成要件である他方のコネクタ
ハウジング)と、雌側ハウジング20(本発明の構成要
件である一方のコネクタハウジング)とを備え、雄側ハ
ウジング10にロックアーム15(本発明の構成要件で
ある弾性係合部)が設けられる一方、雌側ハウジング2
0側に圧縮コイルばね33(本発明の構成要件である付
勢手段)とスライダ34が組み付けられている。なお、
以下では各ハウジングにおける相手側ハウジングとの嵌
合面側を前方として説明する。
【0013】雄側ハウジング10は、合成樹脂からな
り、前方へ突出する略角筒状のフード部11を備えてい
る。フード部11の内部には、その前方から雌側ハウジ
ング20が嵌入し得るようになっており、両ハウジング
10,20が嵌合された状態では、雌側ハウジング20
の後端部がフード部11から外部に突出するようになっ
ている。雄側ハウジング10内の奥壁からは、幅方向に
並んで配された4本の雄端子金具12が突設されてお
り、これら雄端子金具12は、フード部11内に突出す
るとともに、雌側ハウジング20側の各雌端子金具23
に導通接続可能とされている。雄側ハウジング10の奥
壁における雄端子金具12の下方には、各雄端子金具1
2と対応する弾性接触片14を備えたショート端子13
が収容されている。両ハウジング10,20が離脱した
状態では、各弾性接触片14が各雄端子金具12に弾性
接触されていて、これにより4本の雄端子金具12が短
絡され、各雄端子金具12間に電位差が生じないように
なっている。
【0014】雄側ハウジング10の奥壁における雄端子
金具12の上方位置で、且つ幅方向の中央位置からは、
片持ち状のロックアーム15が上記雄端子金具12より
もやや前方位置まで突出して設けられている。このロッ
クアーム15は、基端側を中心として図1〜4における
上下方向(両ハウジング10,20の嵌合・離脱方向と
略直交する方向)への弾性変形を可能とされている。ロ
ックアーム15の自由端(前端)には、下方へ突出する
鈎部15Aが形成され、この鈎部15Aの後端面を後記
する雌側ハウジング20側の張出部27に係止させるこ
とで、両ハウジング10,20を嵌合状態から離間不能
に保持できるようになっている。
【0015】また、フード部11の上面壁における幅方
向中央位置には、その前端縁から後方へ方形に切り込ま
れるとともに、フード部11の内壁面から外壁面へと貫
通した形態の切欠部16が形成されている。この切欠部
16の左右方向の幅寸法は、後述するスライダ34の操
作部38の幅寸法よりも僅かに大きい寸法とされてい
て、その切欠部16の左右両側縁は、両ハウジング1
0,20の嵌合・離脱方向と平行なガイド縁部16Gと
されている。
【0016】雌側ハウジング20は、合成樹脂により略
ブロック状に形成され、その内部には4室のキャビティ
21が幅方向に並んで形成されている。各キャビティ2
1には、電線22の端末に接続された雌端子金具23が
後方から収容されてリテーナ24により抜止めされてい
る。また、雌側ハウジング20の下面前端部には、上記
雄側ハウジング10のショート端子13の各弾性接触片
14と係合可能な係合凹部25が設けられており、この
係合凹部25の天井面前端縁部は、ショート端子13の
弾性接触片14を円滑に下方へ撓ませるための押動部2
6とされている。
【0017】雌側ハウジング20の上面における幅方向
の中央位置には、雄側ハウジング10側のロックアーム
15のアーム部分の下面と同じ高さ位置(鈎部15Aと
重なる高さ位置)まで張出部27が上方へ張り出して形
成されている。両ハウジング10,20が正規に嵌合し
た状態では、この張出部27の後面にロックアーム15
の鈎部15Aが係止されるようになっている(図3
(B)及び図4参照)。これら鈎部15Aと張出部27
の係止する面は、共に図示左側へ向けて緩やかな上がり
勾配となったテーパ状に形成されることで、セミロック
構造をなしている。すなわち、鈎部15Aが張出部27
に係止した状態から、両ハウジング10,20を離間さ
せるような所定以上の力が作用した場合に、互いのテー
パ面によって案内されることで、ロックアーム15が自
動的に係止状態を解除しつつ上方へ弾性変形されるよう
になっている。
【0018】雌側ハウジング20の上面における左右両
側縁からは、左右一対の側壁28が、雌側ハウジング2
0の側面と面一状に上方へ立ち上げられているととも
に、雌側ハウジング20の上面の後端からは後壁29が
上記両側壁28に連結するように立設され、さらに、左
右両側壁28の上端縁からは、内向きに延出する一対の
保護壁30がその後端を後壁29と連結する形態で形成
されている。このように雌側ハウジング20の上面(外
面)には、左右両側壁28と後壁29と保護壁30とに
よって囲まれた収容空間31が設けられている。また、
この収容空間31は、前方へ開放されているとともに、
両保護壁30の間に空けられている幅方向中央位置の逃
がし溝32によって上方へ開放されている。
【0019】また、この収容空間31を構成する後壁2
9は、雌側ハウジング20の後端面20R、即ちキャビ
ティ21における雌端子金具23の挿入口が開口してい
る面に対し、面一状に連続している。かかる収容空間3
1には、圧縮コイルばね33を収容したスライダ34が
前方から組み付けられており、このスライダ34は、収
容空間31の内壁面に摺接することによって案内されつ
つ、両ハウジング10,20の嵌合・離脱方向と平行な
前後方向に移動可能とされている。スライダ34は、合
成樹脂製とされていて、一対の圧縮コイルばね33の前
端部を収容するばね収容部35を両端に備えるととも
に、両ばね収容部35を中央の連結部36により架橋す
るように連結した構成となっている。両ばね収容部35
の後部は、圧縮コイルばね33の前端部を収容できるよ
うに凹んで形成されており、圧縮コイルばね33がばね
収容部35と、後壁29の前端面との間に挟まれてやや
弾縮された状態で収容されている。この状態からスライ
ダ34が後退移動されることで、両圧縮コイルばね33
はさらに大きなばね力を蓄積しつつ弾縮変形し得るよう
になっている(図2(A)参照)。
【0020】尚、スライダ34の両側面には一対のスト
ッパ突部(図示せず)が突設されていて、その両ストッ
パ突部が両側壁28のストッパ溝(図示せず)に対して
前後移動を可能に係合されており、このストッパ突部が
ストッパ溝の前端面に係止されることで、スライダ34
がその前端面を雌側ハウジング20の前端面よりもやや
引っ込めた位置で前止まりされるようになっている(図
1及び図3参照)。スライダ34の連結部36は、図1
(B)及び図3(B)に示すように、その下面の高さ位
置が、自然状態(弾性撓みしない状態)のロックアーム
15の上面とほぼ面一の位置となっている。ロックアー
ム15がその自由端(前端)側を上方へ変位させて弾性
変形されたときには、ロックアーム15の前端面が連結
部36の前端面に係合可能とされ、このときのロックア
ーム15の姿勢が係合姿勢とされている(図2参照)。
一方、弾性撓みしていない状態のロックアーム15は、
スライダ34の連結部36の前端面と係合不能な姿勢
(スライダ34の連結部36の下に潜り込む姿勢)が解
離姿勢とされている(図1及び図3参照)。また、両ハ
ウジング10,20が嵌合した状態では、スライダ34
の連結部36は、ロックアーム15に対してほぼ全長に
わたってその上方に配されることで、張出部27に係止
したロックアーム15が上方へ解離するように弾性変形
するのを規制する(図3(B)参照)。
【0021】また、スライダ34には、スライダ34
が、ロックアーム15の係合姿勢への変位を規制する位
置から、ロックアーム15の係合姿勢への変位を許容す
る位置へと移動させるための操作部38が形成されてい
る。この操作部38は、スライダ34の連結部36の後
端位置から上方に突出する形態とされており、両ハウジ
ング10,20を嵌合する途中の状態及び両ハウジング
10,20が嵌合した状態では、操作部38がフード部
11の切欠部16に進入され、その操作部38の上端が
フード部11の外壁面よりも上方へ突出する。両ハウジ
ング10,20が正規嵌合してスライダ34がロックア
ーム15を解離姿勢に保持する位置に前止まりされてい
る状態では、操作部38が切欠部16の前端に位置す
る。また、この状態から操作部38を後方へ移動させる
際には、操作部38の両側縁が切欠部16のガイド縁部
16Gに摺接することで、操作部38がガイドされて左
右方向への遊動を規制される。
【0022】次に、本実施形態の作用を説明する。両ハ
ウジング10,20の嵌合作業を行うには、両ハウジン
グ10,20を互いに対面させた状態から、雄側ハウジ
ング10のフード部11内に雌側ハウジング20を嵌入
させる。雄端子金具12が雌側ハウジング20のキャビ
ティ21内に突入する前の段階で、図1に示すように、
ロックアーム15が張出部27の前端面に係合して、張
出部27の上面に乗り上げつつ係合姿勢へと弾性変形す
る。その後、ロックアーム15の前端面が、張出部27
の前端面よりもやや後方へ引っ込んだ位置に配されてい
るスライダ34の連結部36の前端面に係合される。こ
の状態からさらに嵌合を進めると、図2(A)に示すよ
うに、両端子金具12,33の接触が開始されるととも
に、係合姿勢とされたロックアーム15によってスライ
ダ34が後方へ押圧されることで、スライダ34が両圧
縮コイルばね33を弾縮させつつ後退移動される。
【0023】ところで、このような嵌合途中の状態にも
拘わらず、嵌合作業を中断してしまうことがあり得る。
その場合には、弾縮された圧縮コイルばね33にそれま
でに蓄積されていたばね力が解放されて、前方へ付勢さ
れたスライダ34がロックアーム15を押圧すること
で、両ハウジング10,20が強制的に離脱させられ
る。これにより、両ハウジング10,20が半嵌合状態
に留め置かれることが回避される。
【0024】そして、両ハウジング10,20が正規深
さまで嵌合されると、図3に示すように、鈎部15Aが
張出部27を通過してロックアーム15が解離姿勢へと
弾性復帰し、鈎部15Aが張出部27に係止される。こ
れと同時にロックアーム15から解離されたスライダ3
4は、圧縮コイルばね33に蓄積されたばね力が解放さ
れることで前進移動し、ストッパ突部がストッパ溝の前
端面に突き当たることで嵌合前の状態と同じ位置で前止
まりされる。このとき、スライダ34の連結部36がロ
ックアーム15をほぼ全長にわたって覆うことで、解離
姿勢のロックアーム15が上方へ弾性変形するのが規制
される。これにより、両ハウジング10,20,は、ロ
ックアーム15と張出部27とが係止され、なおかつそ
のロックアーム15がスライダ34により係止解除方向
へ弾性変形するのが規制されているから、離脱不能状態
に強固に保持される。また、ショート端子13の各弾性
接触片14に雌側ハウジング20の係合凹部25が係合
して、各弾性接触片14が雄端子金具12から解離する
ように下方へ弾性変形されることで、各雄端子金具12
の短絡が解除される。
【0025】また、両ハウジング10,20を嵌合する
過程では、ショート端子13が弾性撓みさせられた後、
スライダ34の操作部38がフード部11の切欠部16
内に進入する。そして、両ハウジング10,20の嵌合
が進むのに伴い、操作部38は、その左右両側面をガイ
ド縁部16Gに摺接させつつ切欠部16内を奥側へと進
行し、両ハウジング10,20の嵌合が完了すると、操
作部38が切欠部16の前端位置に到達する。
【0026】さて、メンテナンスなどの事情により両ハ
ウジング10,20を離脱させる場合がある。その場合
には、操作部38を、ガイド縁部16Gに摺接させつつ
切欠部16内を後方へ操作することで、圧縮コイルばね
33を弾縮させながらスライダ34を後退移動させる。
このように操作部38を操作すると、図4に示すよう
に、スライダ34の連結部36は、ロックアーム15の
上方から完全に後方へ退避してロックアーム15の解離
姿勢から係合姿勢への変位を許容する位置まで後退す
る。また、スライダ34の後方移動に伴い、そのスライ
ダ34によって圧縮コイルばね33が圧縮されて収容空
間31の後壁29を押圧し、これによって雌側ハウジン
グ20全体が後方へ押圧される。そして、この押圧力に
よって雌側ハウジング20が雄側ハウジング10から離
脱方向へ移動し、これに伴い、ロックアーム15が、鈎
部15Aと張出部27のテーパ面によって案内されて自
動的に上方へ弾性変形され、鈎部15Aが張出部27の
上面に乗り上がってロック解除された状態になるから、
あとはそのまま雌側ハウジング20を引き抜く。この過
程でショート端子13の各弾性接触片14が係合凹部2
5との係合を解除されて、再び各雄端子金具12と弾性
接触される。尚、このときのスライダ34の操作方向
と、このスライダ34の支持母体である雌側ハウジング
20の離脱方向とが一致しているから、離脱作業が行い
易くなっている。
【0027】また、この両ハウジング10,20の離脱
作業の際に、何らかの事情により雌側ハウジング20が
離脱途中にも拘わらず、離脱作業が中断されることがあ
り得る。このときロックアーム15の鈎部15Aが張出
部27に乗り上がっている状態(係合姿勢)で中断され
た場合には、弾縮された圧縮コイルばね33に蓄積され
たばね力が解放されることで、スライダ34が前進移動
するとともに、係合姿勢のロックアーム15の前端面に
突き当たることで、両ハウジング10,20が強制的に
離脱される。
【0028】尚、嵌合状態から雌側ハウジング20が僅
かに離脱方向へ移動した状態、即ち、ロックアーム15
の弾性変形が僅かであって、ロックアーム15と張出部
27とが不完全ながらも係止している状態で離脱作業が
中断された場合には、圧縮コイルばね33に付勢された
スライダ34が、ロックアーム15の前端上部のテーパ
状の面取り部15Bに突き当たり、圧縮コイルばね33
の弾力と面取り部15Bの傾斜によってロックアーム1
5が上から押さえ付けられ、ロックアーム15は解離姿
勢へ戻されるとともに、両ハウジング10,20も正規
嵌合状態に戻される。その場合は、再び離脱作業を行う
ようにする。このように、離脱時においても両ハウジン
グ10,20が半嵌合状態に留め置かれることが防止さ
れる。
【0029】以上説明したように本実施形態によれば、
嵌合時のみならず、離脱時においても両ハウジング1
0,20の半嵌合検知を行うことができる。また、フー
ド部11には、操作部38が摺接しつつ進入することを
可能とした切欠部16を形成したので、スライダを前後
移動させるための操作部38の操作を確実に行うことが
できる。また、操作部38は両側からフード部11の上
面壁によって挟まれた状態となっているので、操作部3
8に対して異物が干渉し難くなっている。
【0030】また、操作部38をスライダ34の後端位
置に配したので、操作部38をスライダ34の前端位置
や前後方向中央位置に配する場合に比べると、フード部
11の切欠部16の切欠長さが短くて済み、ひいてはフ
ード部11の強度低下が抑制される。また、収容空間3
1の後壁29の後外面が雌側ハウジング20の後端面2
0Rに対して面一状に連続する形態とされているので、
雌側ハウジング20の後端部の形状の簡素化が図られて
いる。
【0031】[他の実施形態]本発明は上記記述及び図
面によって説明した実施形態に限定されるものではな
く、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に
含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施することができる。 (1)上記実施形態では、スライダ及び圧縮コイルばね
が雌ハウジング側に組み付けられ、ロックアームが雄ハ
ウジング側に設けられているが、これとは逆に雄ハウジ
ング側にスライダおよび付勢手段が設けられ、雌ハウジ
ング側に弾性係合部が設けられていてもよい。
【0032】(2)上記実施形態では操作部がスライダ
の後端位置に設けたが、本発明によれば、操作部をスラ
イダの前端部又は前後方向における概ね中央位置に設け
てもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)両ハウジングの嵌合が開始した状態にお
ける圧縮コイルばねの状態をあらわす断面図 (B)両ハウジングの嵌合が開始してロックアームが解
離姿勢にある状態をあらわす断面図
【図2】(A)両ハウジングの嵌合過程においてスライ
ダがロックアームに押されて圧縮コイルばねに付勢力が
蓄勢された状態をあらわす断面図 (B)両ハウジングの嵌合過程においてロックアームが
係合姿勢に弾性変位した状態をあらわす断面図
【図3】(A)両ハウジングの嵌合が完了してロックア
ームの付勢力が解放されてスライダが元位置に復帰した
状態をあらわす断面図 (B)両ハウジングの嵌合が完了してロックアームが解
離姿勢に復帰した状態をあらわす断面図
【図4】両ハウジングが嵌合した状態においてスライダ
を後方へ移動させてロックアームの係合姿勢への変位を
許容した状態をあらわす断面図
【図5】雌ハウジングの正面図
【図6】雌側ハウジングの平面図
【図7】両ハウジングが嵌合した状態の平面図
【図8】両ハウジングが嵌合した状態においてスライダ
を後方へ移動させた状態の平面図
【図9】従来例の側断面図
【符号の説明】
10…雄側ハウジング(他方のコネクタハウジング) 11…フード部 15…ロックアーム(弾性係合部) 16…切欠部 20…雌側ハウジング(一方のコネクタハウジング) 20R…雌側ハウジングの後端面 29…収容空間の後壁 31…収容空間 33…圧縮コイルばね(付勢手段) 34…スライダ 38…操作部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに嵌合可能な一対のコネクタハウジ
    ングのうち、一方のコネクタハウジングには、両コネク
    タハウジングの嵌合・離脱方向に沿って前後に移動可能
    なスライダが付勢手段を介して組み付けられる一方、他
    方のコネクタハウジングには、前記スライダに係合可能
    な係合姿勢と、スライダから解離する解離姿勢との間を
    前記嵌合・離脱方向と交差する向きに弾性変位可能な弾
    性係合部が設けられており、 前記両コネクタハウジングが嵌合される途中と、離脱さ
    れる途中との両方では、前記係合姿勢とされた弾性係合
    部に係合される前記スライダが前記付勢手段の付勢に抗
    しつつ後退した状態とされ、 両コネクタハウジングが正規嵌合されたときには、前記
    弾性係合部が解離姿勢に弾性変位することで、前記スラ
    イダとの係合状態が解除されるとともに、前記付勢手段
    に蓄積された付勢力が解放されることで、スライダが前
    進移動されるようにされており、 前記スライダには、前記付勢手段の付勢に抗しつつ、前
    記スライダを前記弾性係合部の前記係合姿勢への変位を
    許容する位置まで後退移動させるための操作部が設けら
    れ、 前記他方のコネクタハウジングには、前記一方のコネク
    タハウジングが嵌入されるフード部が設けられ、 このフード部には、前記操作部が摺接しつつ進入するこ
    とを可能とした切欠部が形成されていることを特徴とす
    るコネクタ。
  2. 【請求項2】 前記操作部が前記スライダの後端位置に
    設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコネ
    クタ。
  3. 【請求項3】 前記一方のコネクタハウジングの外面に
    は、前記スライダ及び前記付勢手段を収容する収容空間
    が設けられており、この収容空間の後壁が前記一方のコ
    ネクタハウジングの後端面に対して面一状とされている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコネ
    クタ。
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