JP2003035307A - エンジンのクランクピン潤滑構造 - Google Patents

エンジンのクランクピン潤滑構造

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JP2003035307A
JP2003035307A JP2001222726A JP2001222726A JP2003035307A JP 2003035307 A JP2003035307 A JP 2003035307A JP 2001222726 A JP2001222726 A JP 2001222726A JP 2001222726 A JP2001222726 A JP 2001222726A JP 2003035307 A JP2003035307 A JP 2003035307A
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oil
crank pin
crank
axis
oil passage
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Yasuhiro Yamazaki
安弘 山崎
Kenji Kubota
賢司 久保田
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 共通のクランクピンに2個のコネクティング
ロッドを支持したときに、クランクシャフトの剛性を低
下させることなく、それらの摺動面の潤滑性能を確保す
る。 【解決手段】 クランクジャーナル22からクランクピ
ン21の内部に斜めに延びる傾斜オイル通路26から、
クランクジャーナル22の軸線Ljから離反する方向に
V字状に拡開する第1分岐オイル通路32L,32Rを
分岐させ、その2個のオイル出口孔32aから流出する
オイルで第1コネクティングロッド19との摺動面を潤
滑し、またクランクジャーナル22の軸線Ljに接近す
る方向にV字状に拡開する第2分岐オイル通路37L,
37Rを分岐させ、その2個のオイル出口孔37aから
流出するオイルで第2コネクティングロッド20との摺
動面を潤滑する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クランクシャフト
の一つのクランクピンに第1コネクティングロッドおよ
び第2コネクティングロッドを支持し、クランクシャフ
トの内部に形成したオイル通路を介してクランクピンの
外周面を潤滑するエンジンのクランクピン潤滑構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】一つのクランクピンに二つのコネクティ
ングロッドを支持する多気筒エンジンにおいて、クラン
クピンおよびコネクティングロッドの摺動面を潤滑する
オイル通路が、隣接する二つのクランクジャーナルから
一つのクランクピンの内部に斜めに延びる2本の傾斜オ
イル通路と、クランクピンの内部で傾斜オイル通路を貫
通してクランクピンの外周面に開口する2本の径方向オ
イル通路とで構成されたものが、特開平5−27231
8号公報により公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記特開平
5−272318号公報に記載されたものは、二つのク
ランクジャーナルから一つのクランクピンの内部に2本
の傾斜オイル通路が形成されているため、傾斜オイル通
路を1本だけ設けた場合に比べてクランクシャフトの剛
性が低下する問題がある。しかしながら傾斜オイル通路
を1本だけ設けると、クランクピンに支持された2本の
コネクティングロッドに対応する位置で傾斜オイル通路
の位置が異なってしまう。つまり傾斜オイル通路の上流
側ではその位置がクランクピンの軸線よりもクランクジ
ャーナル寄りになり、傾斜オイル通路の下流側ではその
位置がクランクピンの軸線よりも反クランクジャーナル
寄りになる。
【0004】このように、クランクピンの軸線を外れた
位置から、クランクピンの軸線およびクランクジャーナ
ルの軸線を結ぶ方向に対して直交する方向に径方向オイ
ル通路を形成すると、それらの径方向オイル通路がクラ
ンクピンの直径線上に位置しないため、径方向オイル通
路の下流端の2つのオイル出口孔の位相差が180°に
ならず、クランクピンの外周面に均等にオイルを供給す
ることが難しくなる。これを避けるために、クランクピ
ンの軸線およびクランクジャーナルの軸線を結ぶ方向に
沿って径方向オイル通路を形成すると、径方向オイル通
路をクランクピンの直径線上に位置させることができる
が、クランクピンの最大爆発荷重が作用する作用点の近
傍(つまりクランクピンの外周面のクランクジャーナル
から最も遠い位置)に一方のオイル出口孔が開口してし
まい、クランクシャフトの耐久性に悪影響を与える虞が
ある。
【0005】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、共通のクランクピンに2個のコネクティングロッド
を支持したときに、クランクシャフトの剛性を低下させ
ることなく、それらの摺動面の潤滑性能を確保すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、クランクシャ
フトの一つのクランクピンに第1コネクティングロッド
および第2コネクティングロッドを支持し、クランクシ
ャフトの内部に形成したオイル通路を介してクランクピ
ンの外周面を潤滑するエンジンのクランクピン潤滑構造
において、クランクジャーナルからクランクピンの内部
に該クランクピンの軸線に対して傾斜するように延びる
傾斜オイル通路と、前記クランクジャーナルに近い側の
第1コネクティングロッドとクランクピンとの摺動面を
潤滑すべく、クランクピンの軸線よりもクランクジャー
ナルの軸線側に偏倚した位置で傾斜オイル通路から分岐
し、クランクジャーナルの軸線から離反する方向に延び
てクランクピンの表面の180°位相がずれた2つのオ
イル出口孔に連通するV字状の第1分岐オイル通路と、
前記クランクジャーナルに遠い側の第2コネクティング
ロッドとクランクピンとの摺動面を潤滑すべく、クラン
クピンの軸線よりも反クランクジャーナルの軸線側に偏
倚した位置で傾斜オイル通路から分岐し、クランクジャ
ーナルの軸線に接近する方向に延びてクランクピンの表
面の180°位相がずれた2つのオイル出口孔に連通す
るV字状の第2分岐オイル通路とを備えたことを特徴と
するエンジンのクランクピン潤滑構造が提案される。
【0007】上記構成によれば、クランクシャフトの一
つのクランクピンに第1コネクティングロッドおよび第
2コネクティングロッドを支持し、クランクピンの軸線
からクランクジャーナルの軸線側にずれた傾斜オイル通
路から分岐する第1分岐オイル通路を介して第1コネク
ティングロッドとの摺動面を潤滑し、クランクピンの軸
線から反クランクジャーナルの軸線側にずれた傾斜オイ
ル通路から分岐する第2分岐オイル通路を介して第2コ
ネクティングロッドとの摺動面を潤滑する際に、第1分
岐オイル通路を反クランクジャーナルの軸線側に向けて
V字状に拡開させてクランクピンの表面の180°位相
がずれた2つのオイル出口孔に連通させ、かつ第2分岐
オイル通路をクランクジャーナルの軸線側に向けてV字
状に拡開させてクランクピンの表面の180°位相がず
れた2つのオイル出口孔に連通させたので、第1コネク
ティングロッドとの摺動面および第2コネクティングロ
ッドとの摺動面を円周方向に均一に潤滑して潤滑性能を
高めることができる。しかもクランクピンに1本の傾斜
オイル通路を設ければ良いため、2本の傾斜オイル通路
を設けたものに比べてクランクシャフトの剛性を高める
ことができる。
【0008】また請求項2に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、第1コネクティングロッドを
介してクランクピンの外周面に最大爆発荷重が作用する
作用点およびクランクピンの軸線を結ぶ直線に対して、
第1分岐オイル通路の二つのオイル出口孔を対称に形成
し、第2コネクティングロッドを介してクランクピンの
外周面に最大爆発荷重が作用する作用点およびクランク
ピンの軸線を結ぶ直線に対して、第2分岐オイル通路の
二つのオイル出口孔を対称に形成したことを特徴とする
エンジンのクランクピン潤滑構造が提案される。
【0009】上記構成によれば、第1コネクティングロ
ッドを介してクランクピンの外周面に最大爆発荷重が作
用する作用点およびクランクピンの軸線を結ぶ直線に対
して、第1分岐オイル通路の二つのオイル出口孔および
第2分岐オイル通路の二つのオイル出口孔をそれぞれ対
称に形成したので、潤滑条件が最も厳しいクランクピン
の最大爆発荷重の作用点に第1、第2分岐オイル通路の
各々二つのオイル出口孔から均等にオイルを供給して摺
動部の耐久性を確保することができる。しかも第1、第
2分岐オイル通路のオイル出口孔の位置が最大爆発荷重
が作用する作用点から充分に離れるので、最大爆発荷重
に対するクランクピンの強度を高めることができる。
【0010】尚、実施例の第3オイル通路26は本発明
の傾斜オイル通路に対応し、実施例の第4オイル通路3
2L,32Rは本発明の第1分岐オイル通路に対応し、
実施例の第5オイル通路37L,37Rは本発明の第2
分岐オイル通路に対応する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0012】図1〜図6は本発明の第1実施例を示すも
ので、図1はV型8気筒エンジンの一部破断正面図、図
2は図1の2方向矢視図、図3は図2の3部拡大図、図
4は図3の4−4線断面図、図5は図3の5−5線断面
図、図6は図3の6−6線断面図である。
【0013】図1に示すように、V型8気筒エンジンE
は下端にクランクシャフト11を支持するV型のシリン
ダブロック12と、このシリンダブロック12の上面に
結合された左右一対のシリンダヘッド13,13と、両
シリンダヘッド13,13の上面に結合された左右一対
のヘッドカバー14,14と、シリンダブロック12の
下面に結合されたクランクケース15と、クランクケー
ス15の下面に結合されたオイルパン16とを備える。
シリンダブロック12に形成された左右のシリンダ17
…,17…に摺動自在に嵌合する左右のピストン18
…,18…は、第1コネクティングロッド19…および
第2コネクティングロッド20…を介してクランクシャ
フト11に接続される。
【0014】図2から明らかなように、クランクシャフ
ト11は4個のクランクピン21…と、5個のクランク
ジャーナル22…と、隣接するクランクピン21…およ
びクランクジャーナル22…を接続する8個のクランク
アーム23…とを備える。各々のクランクピン21には
左右のバンクから延びる2本のコネクティングロッド、
つまり第1コネクティングロッド19および第2コネク
ティングロッド20が回転自在に支持される。4個のク
ランクピン21…は、その外周面に支持された第1、第
2コネクティングロッド19…,20…との摺動面の潤
滑構造が実質的に同じであるため、代表として図2の右
端のクランクピン21…の潤滑構造を説明する。
【0015】図3および図4から明らかなように、クラ
ンクジャーナル22は、シリンダブロック12のジャー
ナル支持部12aに固定した軸受けメタル38と、ジャ
ーナル支持部12aに結合されるベアリングキャップ3
9に固定した軸受けメタル40とに挟まれて回転自在に
支持される。シリンダブロック12のジャーナル支持部
12aに形成されて図示せぬオイルポンプに連なる第1
オイル通路24が、軸受けメタル38の外側に沿う円弧
溝41と、軸受けメタル38の通孔38a…とを介して
クランクジャーナル22の外周面に開口しており、これ
により軸受けメタル38,40とクランクジャーナル2
2との摺動面が潤滑される。クランクジャーナル22の
軸線Ljを通って直径方向に貫通する第2オイル通路2
5の両端が軸受けメタル38の通孔38a…に連通し、
第2オイル通路25の中央位置から隣接するクランクピ
ン21に向けて第3オイル通路26が斜めに形成され、
第3オイル通路26のクランクピン21側の端部が盲栓
27で閉塞される。
【0016】図3から明らかなように、第3オイル通路
26は、第1コネクティングロッド19および第2コネ
クティングロッド20の境界面P0においてクランクピ
ン21の軸線Lp上に存在するが、第1コネクティング
ロッド19の中心面P1においてクランクピン21の軸
線Lpに対してクランクジャーナル22の軸線Ljに接
近する方向に偏倚し、また第2コネクティングロッド2
0の中心面P2においてクランクピン21の軸線Lpに
対してクランクジャーナル22の軸線Lj側から離反す
る方向に偏倚している。
【0017】図5から明らかなように、クランクピン2
1は第1コネクティングロッド19の大端部19aと、
その大端部19aに2本のボルト28,28で締結され
たベアリングキャップ29とによって支持されており、
大端部19aおよびベアリングキャップ29の内周面に
クランクピン21の外周面を支持する2分割の軸受けメ
タル30,31が設けられる。第3オイル通路26から
分岐する第4オイル通路32L,32Rが、クランクジ
ャーナル22の軸線Ljから離反する方向にV字状に延
びている。第4オイル通路32L,32Rは、クランク
ジャーナル22の軸線Ljおよびクランクピン21の軸
線Lpを結ぶ直線Lrに対して対称に形成されており、
それらの末端のオイル出口孔32a,32aは、クラン
クピン21の軸線Lp通って前記直線Lrに直交する直
径上に位置している。
【0018】図6から明らかなように、クランクピン2
1は第2コネクティングロッド20の大端部20aと、
その大端部20aに2本のボルト33,33で締結され
たベアリングキャップ34とによって支持されており、
大端部20aおよびベアリングキャップ34の内周面に
クランクピン21の外周面を支持する2分割の軸受けメ
タル35,36が設けられる。第3オイル通路26から
分岐する第5オイル通路37L,37Rが、クランクジ
ャーナル22の軸線Ljに接近する方向にV字状に延び
ている。第5オイル通路37L,37Rは、クランクジ
ャーナル22の軸線Ljおよびクランクピン21の軸線
Lpを結ぶ直線Lrに対して対称に形成されており、そ
れらの末端のオイル出口孔37a,37aは、クランク
ピン21の軸線Lp通って前記直線Lrに直交する直径
上に位置している。
【0019】次に、上記構成を備えた本発明の実施例の
作用を説明する。
【0020】図示せぬオイルポンプが吐出したオイル
は、シリンダブロック12のジャーナル支持部12aに
形成した第1オイル通路24およびクランクジャーナル
22に形成した第2オイル通路25を経てクランクジャ
ーナル22からクランクピン21にかけて形成した第3
オイル通路26に供給され、第3オイル通路26から分
岐する第4オイル通路32L,32Rのオイル出口孔3
2a,32aから流出したオイルはクランクピン21と
第1コネクティングロッド19との摺動面を潤滑すると
ともに、第3オイル通路26から分岐する第5オイル通
路37L,37Rのオイル孔出口37a,37aから流
出したオイルはクランクピン21と第2コネクティング
ロッド20との摺動面を潤滑する。
【0021】第1コネクティングロッド19の中心面P
1を通る断面を示す図5において、第3オイル通路26
はクランクピン21の軸線Lpを外れてクランクジャー
ナル22の軸線Lj側に偏倚しているが、第3オイル通
路26から分岐する第4オイル通路32L,32Rをク
ランクジャーナル22の軸線Ljから離れる側に拡開す
るV字状に形成したので、そのオイル出口孔32a,3
2aをクランクピン21の直径線上に位置させ、クラン
クピン21の外周面を均一に潤滑して潤滑性能を高める
ことができる。
【0022】同様に、第2コネクティングロッド20の
中心面P2を通る断面を示す図6において、第3オイル
通路26はクランクピン21の軸線Lpを外れて反クラ
ンクジャーナル22の軸線Lj側に偏倚しているが、第
3オイル通路26から分岐する第5オイル通路37L,
37Rをクランクジャーナル22の軸線Ljに近づく側
に拡開するV字状に形成したので、そのオイル出口孔3
7a,37aをクランクピン21の直径線上に位置さ
せ、クランクピン21の外周面を均一に潤滑して潤滑性
能を高めることができる。
【0023】このように、クランクピン21に1本の第
3オイル通路26を形成するだけで、V字状に形成した
第4オイル通路32L,32Rおよび第5オイル通路3
7L,37Rを介して第1、第2コネクティングロッド
19,20の摺動面を均一かつ効果的に潤滑することが
できるので、クランクピン21に2本の第3オイル通路
26を形成する従来のものに比べてクランクシャフト1
1の剛性を高めることができる。
【0024】次に、図7および図8に基づいて本発明の
第2実施例を説明する。
【0025】クランクピン21に第1、第2コネクティ
ングロッド19,20から最も大きい爆発荷重Fが作用
するのは、ピストン18,18が上死点から僅かに下降
したときであり、そのときの状態が図7および図8に示
される。このとき、クランクピン21に加わる最大爆発
荷重Fの作用点aは、クランクジャーナル22の軸線L
jおよびクランクピン21の軸線Lpを結ぶ直線Lrに
対してクランクシャフト11の回転方向Rの遅れ側にず
れているため、図7において第4オイル通路32L,3
2Rのうち、回転方向Rの遅れ側に位置する第4オイル
通路32Lのオイル出口孔32aが最大爆発荷重Fが作
用する点aに接近している。
【0026】ところで、最大爆発荷重Fの作用点aは潤
滑条件が最も厳しい位置であるため、そこに充分な量の
オイルを供給する必要がある。そこで図7に示す第2実
施例では、第1実施例で直線Lrに対して対称に配置さ
れていた第4オイル通路32L,32R(鎖線参照)を
反時計方向に回転させ、最大爆発荷重Fの作用点aおよ
びクランクピン21の軸線Lpを結ぶ直線Lfに対して
第4オイル通路32L,32Rの二つのオイル出口孔3
2a,32aを対称に位置させたものである。これによ
り、最大爆発荷重Fの作用点aから等しい距離にある第
4オイル通路32L,32rの二つのオイル出口孔32
a,32aから前記作用点aに均等にオイルを供給し、
潤滑不良によるクランクピン21の耐久性低下を確実に
防止することができる。
【0027】同様に第2実施例は、図8における第5オ
イル通路37L,37Rの二つのオイル出口孔37a,
37aの最大爆発荷重Fの作用点aからの距離を等しく
すべく、第1実施例で直線Lrに対して対称に配置され
ていた第5オイル通路37L,37R(鎖線参照)を反
時計方向に回転させ、最大爆発荷重Fの作用点aおよび
クランクピン21の軸線Lpを結ぶ直線Lfに対して第
5オイル通路37L,37Rの二つのオイル出口孔37
a,37aを対称に位置させたものである。これによ
り、最大爆発荷重Fの作用点aから等しい距離にある第
5オイル通路37L,37Rの二つのオイル出口孔37
a,37aから前記作用点aに均等にオイルを供給し、
潤滑不良によるクランクピン21の耐久性低下を確実に
防止することができる。
【0028】また最大爆発荷重Fの作用点aはクランク
ピン21の強度上最も辛い位置であり、そこにオイル出
口孔32a,32a,37a,37aが開口していると
クランクピン21の耐久性に悪影響があるが、第2実施
例では第4オイル通路32L,32Rの二つのオイル出
口孔32a,32aおよび第5オイル通路37L,37
Rの二つのオイル出口孔37a,37aが最大爆発荷重
Fの作用点aから充分に離れた位置に開口するので、ク
ランクピン21の耐久性向上に寄与することができる。
【0029】次に、図9および図10に基づいて本発明
の第3実施例を説明する。
【0030】ジャーナル22の軸線Ljからの第3オイ
ル通路26の半径方向距離は、上流側(第1コネクティ
ングロッド19側)において小さく、下流側(第2コネ
クティングロッド20側)において大きくなっている。
従って、第3オイル通路26の上流側に連なる第4オイ
ル通路32L,32Rに作用する遠心油圧は比較的に小
さくなり、オイル出口孔32a,32aから流出して第
1コネクティングロッド19との摺動面を潤滑するオイ
ルの量は少なくなる。一方、第3オイル通路26の下流
側に連なる第5オイル通路37L,37Rに作用する遠
心油圧は比較的に大きくなり、オイル出口孔37a,3
7aから流出して第2コネクティングロッド20との摺
動面を潤滑するオイルの量は多くなる。
【0031】このオイル量のアンバランスを解消すべ
く、第3実施例では図9に示す第4オイル通路32L,
32Rの径を大きく設定してオイルの流量を増加させ、
図10に示す第5オイル通路37L,37Rの径を小さ
く設定してオイルの流量を減少させたものである。これ
により、第1、第2コネクティングロッド19,20の
摺動面に均等にオイルを配分し、クランクピン21の潤
滑性能を高めることができる。
【0032】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0033】例えば、実施例ではV型8気筒エンジンE
を例示したが、本発明は任意の気筒数のV型エンジンや
水平対向型エンジンに対して適用することができる。
【0034】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、クランクシャフトの一つのクランクピンに第
1コネクティングロッドおよび第2コネクティングロッ
ドを支持し、クランクピンの軸線からクランクジャーナ
ルの軸線側にずれた傾斜オイル通路から分岐する第1分
岐オイル通路を介して第1コネクティングロッドとの摺
動面を潤滑し、クランクピンの軸線から反クランクジャ
ーナルの軸線側にずれた傾斜オイル通路から分岐する第
2分岐オイル通路を介して第2コネクティングロッドと
の摺動面を潤滑する際に、第1分岐オイル通路を反クラ
ンクジャーナルの軸線側に向けてV字状に拡開させてク
ランクピンの表面の180°位相がずれた2つのオイル
出口孔に連通させ、かつ第2分岐オイル通路をクランク
ジャーナルの軸線側に向けてV字状に拡開させてクラン
クピンの表面の180°位相がずれた2つのオイル出口
孔に連通させたので、第1コネクティングロッドとの摺
動面および第2コネクティングロッドとの摺動面を円周
方向に均一に潤滑して潤滑性能を高めることができる。
しかもクランクピンに1本の傾斜オイル通路を設ければ
良いため、2本の傾斜オイル通路を設けたものに比べて
クランクシャフトの剛性を高めることができる。
【0035】また請求項2に記載された発明によれば、
第1コネクティングロッドを介してクランクピンの外周
面に最大爆発荷重が作用する作用点およびクランクピン
の軸線を結ぶ直線に対して、第1分岐オイル通路の二つ
のオイル出口孔および第2分岐オイル通路の二つのオイ
ル出口孔をそれぞれ対称に形成したので、潤滑条件が最
も厳しいクランクピンの最大爆発荷重の作用点に第1、
第2分岐オイル通路の各々二つのオイル出口孔から均等
にオイルを供給して摺動部の耐久性を確保することがで
きる。しかも第1、第2分岐オイル通路のオイル出口孔
の位置が最大爆発荷重が作用する作用点から充分に離れ
るので、最大爆発荷重に対するクランクピンの強度を高
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】V型8気筒エンジンの一部破断正面図
【図2】図1の2方向矢視図
【図3】図2の3部拡大図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】図3の5−5線断面図
【図6】図3の6−6線断面図
【図7】本発明の第2実施例に係る、前記図5に対応す
る図
【図8】本発明の第2実施例に係る、前記図6に対応す
る図
【図9】本発明の第3実施例に係る、前記図5に対応す
る図
【図10】本発明の第3実施例に係る、前記図6に対応
する図
【符号の説明】
11 クランクシャフト 19 第1コネクティングロッド 20 第2コネクティングロッド 21 クランクピン 22 クランクジャーナル 26 第3オイル通路(傾斜オイル通路) 32L,32R 第4オイル通路(第1分岐オイ
ル通路) 32a オイル出口孔 37L,37R 第5オイル通路(第2分岐オイ
ル通路) 37a オイル出口孔 a 最大爆発荷重の作用点 F 最大爆発荷重 Lj クランクジャーナルの軸線 Lp クランクピンの軸線 Lf 最大爆発荷重の作用点およびクランクピン
の軸線を結ぶ直線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクシャフト(11)の一つのクラ
    ンクピン(21)に第1コネクティングロッド(19)
    および第2コネクティングロッド(20)を支持し、ク
    ランクシャフト(11)の内部に形成したオイル通路
    (26,32L,32R,37L,37R)を介してク
    ランクピン(21)の外周面を潤滑するエンジンのクラ
    ンクピン潤滑構造において、 クランクジャーナル(22)からクランクピン(21)
    の内部に該クランクピン(21)の軸線(Lp)に対し
    て傾斜するように延びる傾斜オイル通路(26)と、 前記クランクジャーナル(22)に近い側の第1コネク
    ティングロッド(19)とクランクピン(21)との摺
    動面を潤滑すべく、クランクピン(21)の軸線(L
    p)よりもクランクジャーナル(22)の軸線(Lj)
    側に偏倚した位置で傾斜オイル通路(26)から分岐
    し、クランクジャーナル(22)の軸線(Lj)から離
    反する方向に延びてクランクピン(21)の表面の18
    0°位相がずれた2つのオイル出口孔(32a)に連通
    するV字状の第1分岐オイル通路(32L,32R)
    と、 前記クランクジャーナル(22)に遠い側の第2コネク
    ティングロッド(20)とクランクピン(21)との摺
    動面を潤滑すべく、クランクピン(21)の軸線(L
    p)よりも反クランクジャーナル(22)の軸線(L
    j)側に偏倚した位置で傾斜オイル通路(26)から分
    岐し、クランクジャーナル(22)の軸線(Lj)に接
    近する方向に延びてクランクピン(21)の表面の18
    0°位相がずれた2つのオイル出口孔(37a)に連通
    するV字状の第2分岐オイル通路(37L,37R)
    と、を備えたことを特徴とするエンジンのクランクピン
    潤滑構造。
  2. 【請求項2】 第1コネクティングロッド(19)を介
    してクランクピン(21)の外周面に最大爆発荷重
    (F)が作用する作用点(a)およびクランクピン(2
    1)の軸線(Lp)を結ぶ直線(Lf)に対して、第1
    分岐オイル通路(32L,32R)の2つのオイル出口
    孔(32a)を対称に形成し、かつ第2コネクティング
    ロッド(20)を介してクランクピン(21)の外周面
    に最大爆発荷重(F)が作用する作用点(a)およびク
    ランクピン(21)の軸線(Lp)を結ぶ直線(Lf)
    に対して、第2分岐オイル通路(37L,37R)の2
    つのオイル出口孔(37a)を対称に形成したことを特
    徴とする、請求項1に記載のエンジンのクランクピン潤
    滑構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009133331A (ja) * 2007-11-28 2009-06-18 Sumitomo Metal Ind Ltd 多気筒エンジン用クランクシャフト
JP2012062796A (ja) * 2010-09-15 2012-03-29 Nissan Motor Co Ltd 多気筒内燃機関のクランクシャフト
JP2020159490A (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 株式会社Subaru クランクシャフト

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