JP2003034733A - ポリアミド多孔体およびその製造方法 - Google Patents

ポリアミド多孔体およびその製造方法

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JP2003034733A
JP2003034733A JP2001224127A JP2001224127A JP2003034733A JP 2003034733 A JP2003034733 A JP 2003034733A JP 2001224127 A JP2001224127 A JP 2001224127A JP 2001224127 A JP2001224127 A JP 2001224127A JP 2003034733 A JP2003034733 A JP 2003034733A
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polyamide
solvent
gel
porous body
drying
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English (en)
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Masaaki Suzuki
正明 鈴木
Masaaki Kakimoto
雅明 柿本
Mitsutoshi Jikyo
光俊 寺境
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性の優れたポリアミド系樹脂を多孔化し
て高機能化するには、ポリアミド系樹脂に適した技術が
必要であるが、多孔体の孔径制御ができ、かつ低密度の
多孔体を製造する方法がなかった。 【解決手段】 ポリアミド湿潤ゲルを乾燥して得られる
ポリアミド乾燥ゲルをポリアミド多孔体として用いる。
そのポリアミド多孔体を製造する方法として、ポリアミ
ド湿潤ゲルから溶媒を除去して乾燥する際に、ゲルの固
体骨格の収縮を抑制するために超臨界乾燥または凍結に
よる減圧乾燥を用いることによって、細孔径が小さく密
度の低い多孔体を製造できるようになった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建材や電気製品な
どに用いられる断熱材、半導体など電子部品に用いられ
る絶縁材料、センサ材料などに応用される耐熱性に優れ
た多孔体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド系樹脂は、分子内に少なくと
も2つ以上のカルボン酸またはカルボン酸クロライドな
どの官能基を有する酸化合物モノマと、分子内に少なく
とも2つ以上のアミンなどの官能基を有するアミン化合
物モノマとを重縮合して得られる高分子である。特に、
芳香族酸化合物モノマと芳香族アミン化合物モノマから
なる重縮合された芳香族ポリアミドは耐熱性および絶縁
性に優れた特徴を有し、耐熱性で高強度の繊維や、回路
基板、半導体回路の層間絶縁膜など広範な応用がなされ
ている。
【0003】このようなポリアミド系樹脂の特長を活か
し、従来の汎用樹脂用途においてポリアミド系樹脂への
材料代替による製品の高性能化や、ポリアミド系樹脂に
新たな機能を持たせて、ポリアミド系樹脂のさらなる高
付加価値化が検討されている。
【0004】このような優れた特性を有する樹脂を応用
する技術展開の例として、多孔体形成する方法がある。
たとえば、樹脂を多孔質化することによって、低誘電率
化または低熱伝導率化する試みがある。これらの試みに
よって、耐熱性に優れた高周波対応の絶縁材料や、耐熱
性に優れた断熱材料の用途が広がるものである。例え
ば、特開平5−205526号公報(以下、先行技術A
と呼ぶ)や、サーマル・コンダクティビティ誌 第18
巻 第437〜443頁 1985年(著者D.D.バー
レイ、題目サーマルコンダクティビティ オブ ア ポ
リイミド フォーム)(以下、先行技術Bと呼ぶ)に耐
熱性樹脂の一例であるポリイミド樹脂を多孔質化する技
術が開示されている。
【0005】先行技術Aには、ポリイミドマトリクスと
熱分解性ポリマーマトリクスのブロック共重合体を形成
し、成膜後に加熱処理して熱分解性ポリマーを除去して
多孔質化する方法が記載されている。また、先行技術B
には、ポリイミドの重縮合時に発生する水を発泡剤とし
て発泡してフォームにする方法が記載されている。これ
ら先行技術はポリイミド樹脂の特徴を活かして多孔化す
る技術であり、他の樹脂にも同じように適用できる技術
ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、ポリアミ
ド系樹脂を多孔化して高機能化するには、ポリアミド系
樹脂に適した技術が必要である。しかし、ポリアミド系
樹脂を多孔化するには、いまだ確立した技術はなく、適
用する用途毎に適した技術が開発されている状況であ
る。
【0007】ポリアミド系樹脂自体は、耐薬品性が高
く、成形加工が難しい材料である。したがって、この樹
脂を多孔化する場合、特に孔径1μm以下の微細孔を形
成させる場合には、孔径の制御が難しく適した方法がな
かった。また、微細な細孔を有し、かつ低密度な樹脂の
多孔体を得る方法がなかった。
【0008】本発明は、上記課題に鑑み、低密度で、平
均孔径の小さなポリアミド多孔体を提供することを目的
とする。また、このようなポリアミド多孔体を製造する
方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のポリアミド多孔
体は、ポリアミド湿潤ゲルを乾燥して得られるポリアミ
ド乾燥ゲルを含むことを特徴とする。
【0010】また、本発明のポリアミド多孔体の平均細
孔直径が500nm以下であることに特徴がある。
【0011】また、本発明のポリアミド多孔体は、ポリ
アミド乾燥ゲルが平均粒径100nm以下の粒子の凝集
体であることに特徴がある。
【0012】さらに、本発明のポリアミド多孔体が芳香
族樹脂であることで耐熱性に優れた特性が得られ、好ま
しく用いることができる。
【0013】本発明のポリアミド多孔体の製造方法は、
ポリアミド樹脂成分が固体骨格を構成し、その固体骨格
中に溶媒を含んでなるポリアミド湿潤ゲルから、そのゲ
ル中の溶媒をその固体骨格中から除去してポリアミド乾
燥ゲルを得ることを特徴とする。
【0014】また、本発明のポリアミド多孔体の製造方
法は、ポリアミド樹脂成分が固体骨格を構成し、その固
体骨格中に溶媒を含んでなるポリアミド湿潤ゲルから、
超臨界乾燥法によってそのゲル中の溶媒をその固体骨格
中から除去してポリアミド乾燥ゲルを得ることができ
る。
【0015】また、本発明のポリアミド多孔体の製造方
法は、ポリアミド樹脂成分が固体骨格を構成し、その固
体骨格中に溶媒を含んでなるポリアミド湿潤ゲルを、凍
結乾燥法によってそのゲル中の溶媒をそのゲル固体骨格
中から除去してポリアミド乾燥ゲルを得る方法である。
【0016】さらに、本発明のポリアミド多孔体の製造
方法について、芳香族酸化合物と芳香族アミン化合物を
縮合反応してポリアミド湿潤ゲルを得る際に、この芳香
族酸化合物または芳香族アミン化合物の少なくともいず
れかが、重合反応基を少なくとも3つ以上有することが
好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリアミド多孔体
は、連続する微小な孔を有し、微細なゲル骨格の乾燥ゲ
ルからなる構造体である。このような構造を有すること
によって、優れた断熱性能を有することができる。ま
た、空隙率が高いため、低誘電率の絶縁体となることが
できる。
【0018】乾燥ゲルは、溶媒を含む樹脂がゲルの固体
骨格を形成した湿潤ゲルを乾燥して形成されたもので、
溶媒が抜けた空間には空気が存在する固体状態である。
【0019】本発明におけるポリアミド多孔体は、一般
的にポリアミドとして分類されるもの以外に、ポリアミ
ドイミド、ポリエーテルアミドなどアミド基を主鎖骨格
に有する合成高分子を示し、いずれも耐熱性、絶縁性、
耐薬品性および耐環境性に優れている特徴がある。
【0020】以下に、本発明のポリアミド多孔体の具体
的な実施の形態について説明する。
【0021】《実施の形態1》本発明のポリアミド多孔
体の一つの形態は、ポリアミド系樹脂からなる乾燥ゲル
であり、ポリアミド系樹脂がゲルのマトリックス骨格を
構成し、その空孔内には空気が存在している。特に、乾
燥ゲルのみかけ密度が800kg/m3以下、平均孔径
が1μm以下である場合は、熱絶縁性である断熱性能と
電気絶縁性である誘電性能に優れた多孔体となる。乾燥
ゲルのみかけ密度の範囲としては、10kg/m3から
800kg/m3、平均細孔直径の範囲としては1nm
から1μmを得ることができる。特に、上述の性能が特
に優れた値を得るためには、みかけ密度が50kg/m
3から500kg/m3の範囲であり、平均細孔直径が5
nmから500nmの範囲を用いることが好ましい。こ
れらの範囲の限定は厳密ではないが、断熱性能を例にす
ると、一般的なグラスウールよりも熱伝導率が同等以下
になり高い断熱性能があられる範囲である。
【0022】以下に、断熱性能を例として説明する。
【0023】多孔体の熱伝導率は、多孔体の骨格部の熱
伝導率、空孔内の気体の熱伝導率および輻射対流による
熱伝導率の合計から求められ、それぞれの熱伝導率を低
下させることによって断熱性能の向上をはかることがで
きる。
【0024】本発明の多孔体は、ゲルの骨格が空気の流
れを遮断しているため、輻射対流による熱伝導率は、他
の2つの熱伝導率と比較して極めて小さい。また、空孔
内の気体の熱伝導率も低下する。
【0025】特に、多孔体の平均細孔直径が500nm
以下になると空気中の気体分子の平均自由行程に近づき
細孔内の気体の運動が束縛され始める。特に100nm
以下であると、空気中の分子の平均自由行程と同等もし
くはそれ以下のサイズになるため、空孔内の気体の熱伝
導率が急激に低下し、多孔体の断熱性能が向上するので
好ましい。
【0026】多孔体のみかけ密度については、500k
g/m3以下であると、骨格の容積が小さくなるため、
多孔体の骨格部の熱伝導率を低下させることができて好
適である。しかし、機械的な強度を保持させるために、
50kg/m3以上の密度が必要である。
【0027】また、他の特性として誘電性能については
以下のような効果がある。
【0028】電気的な性質としては、ゲルの骨格部の容
積に対して空気の占有する容積が大きく、かつ空孔が小
さく緻密であるために、強度を保つことができる。その
ため、構造強度を維持した低誘電率の誘電体となること
ができる。
【0029】したがって、本発明の多孔体を半導体回路
やプリント基板などに用いると、絶縁体の誘電損失を低
下することができ、信号の伝搬速度の高速化を図ること
ができる。
【0030】また、電気・電子機器の高周波電力損失を
低下することができる。さらに、モータなどの回転機に
応用すると高周波での電力漏洩を低減することができ、
機器の省エネを図ることができる。
【0031】なお、このようなポリアミド多孔体の構造
としては、ポリアミド乾燥ゲルの固体骨格が平均粒径1
00nm以下の粒子の凝集体であることが特徴である。
ポリアミド湿潤ゲル形成する際の溶液中において、ポリ
アミドの微粒子のゾル形成が行われ、そのゾルが凝集す
ることで湿潤ゲルが形成される。したがって、乾燥され
たポリアミド乾燥ゲルにおいては、電子顕微鏡での観察
によってゾル粒子が凝集し、その粒子間の空隙が細孔を
形成していることがわかる。特に、平均粒径5nmから
50nmの範囲で粒子径が比較的そろっているように観
察できるものがよい。
【0032】さらに、実際に使用する際には、耐久性が
重要であり、本発明のポリアミド多孔体が芳香族樹脂で
ある場合には、200℃を越える優れた耐熱性の特性が
得られ、好ましく用いることができる。また、用いるポ
リアミド多孔体の形態としては、ブロック状、シート
状、板状、粉体状などいかなる形態でも良い。
【0033】《実施の形態2》本発明のポリアミド多孔
体の製造方法について説明する。
【0034】本発明のポリアミド多孔体はポリアミド乾
燥ゲルであり、その製造方法はポリアミド樹脂成分が固
体骨格を構成し、その固体骨格中に溶媒を含んでなるポ
リアミド湿潤ゲルから、そのゲル中の溶媒をその固体骨
格中から除去する乾燥工程を経ることで得ることができ
る。
【0035】この乾燥工程が本発明の製造方法として重
要である。すなわち、通常に溶媒を含んだポリアミド湿
潤ゲルを溶媒の自然蒸発による自然乾燥や、加熱による
乾燥を行っただけではゲルの固体骨格が乾燥時の溶媒の
気液界面で生じる乾燥応力によって収縮してしまう。こ
の方法でも、低密度で細孔の小さい多孔体を得ることは
できるが、密度や細孔、比表面積などの制御が難しくな
り、所望の材料設計が困難になるという課題がある。
【0036】このような乾燥時の応力を低減して乾燥に
よる収縮を抑制した乾燥方法が、本発明のポリアミド多
孔体の製法には適している。たとえば、超臨界乾燥法や
減圧乾燥法、さらに減圧乾燥の際に凍結をしておく凍結
乾燥法などを好ましく用いることが本発明の検討におい
て確認できた。これらの超臨界乾燥法や凍結乾燥法で
は、溶媒を液体状態から相状態を変えることによって、
気液界面を無くして表面張力によるゲル骨格へのストレ
スを無くして乾燥することができるため、乾燥時のゲル
の収縮を防ぐことができ、低密度の乾燥ゲルの多孔体を
得るのに適した方法である。
【0037】第一に、本発明のポリアミド多孔体の製造
方法は、ポリアミド樹脂成分が固体骨格を構成し、その
固体骨格中に溶媒を含んでなるポリアミド湿潤ゲルか
ら、超臨界乾燥法によってそのゲル中の溶媒をその固体
骨格中から除去することで、乾燥ゲルの固体骨格の収縮
が少ない乾燥を行うことができる。この方法は、ポリア
ミド湿潤ゲル中の溶媒、またはその溶媒を乾燥するため
の乾燥溶媒を加圧、加温することで、その溶媒の臨界
点、すなわちその溶媒の臨界圧力以上及び臨界温度以上
にする。この状態は溶媒の超臨界状態であり、気体と液
体の区別のつかない流体である。そのため、気液界面が
生じないために、その状態から圧力を開放して溶媒密度
を低減させることによって、界面張力による乾燥のスト
レスなく乾燥処理を行うことができる。
【0038】また、第二に、本発明のポリアミド多孔体
の製造方法は、ポリアミド樹脂成分が固体骨格を構成
し、その固体骨格中に溶媒を含んでなるポリアミド湿潤
ゲルを、減圧乾燥法によってそのゲル中の溶媒をそのゲ
ル固体骨格中から除去して乾燥することができる。減圧
にして、かつ温度を溶媒の沸点(常圧)近傍まで加熱す
ることで収縮を低減することができる。この方法は気液
界面から急速に蒸発するために平衡状態でなくなり、界
面張力による応力か低減されるものと考えている。
【0039】さらに、第三に、減圧乾燥する際に、あら
かじめポリアミド湿潤ゲル中の溶媒を凍結させておく凍
結乾燥法の効果が高い。この方法では、最初に溶媒を凍
結しておくことによって、乾燥の際に気液界面が発生し
ないようにする。したがって、この状態から減圧してい
くと、気固界面から溶媒は昇華して乾燥され、乾燥応力
が低減され収縮を抑制できる。特に、溶媒の三重点以下
の圧力に保持しておけば、凝固点以上に加熱しても液化
することなく、昇華の状態のまま乾燥速度を早くするこ
とができて好ましい。
【0040】上述の乾燥によるポリアミド多孔体の製造
方法は、ポリアミド湿潤ゲル中の溶媒の種類や、所望の
ポリアミド乾燥ゲルの多孔体密度や細孔径など、または
製造する多孔体の生産量などの各種要因によって適宜選
択して用いることができる。
【0041】次に、本発明のポリアミド多孔体およびそ
の製造方法について詳しく説明する。
【0042】まず、ポリアミド系樹脂からなるポリアミ
ド湿潤ゲルの合成工程について述べる。
【0043】ポリアミド系樹脂の合成は、通常、複数の
カルボン酸または酸クロリドを有する芳香族または脂肪
族の酸化合物(以下、化合物Aとする)と、複数のアミ
ンを有する芳香族または脂肪族のアミン化合物(以下、
化合物Bとする)との縮合反応で合成される。
【0044】その合成過程としては、溶媒中で化合物A
とBが重縮合してアミド結合を有する高分子が合成され
る。この合成の際にポリアミドの分子量が増大して高分
子量になりゲル化が進行する。このときに架橋が生じ
て、それによって、溶媒に溶解しにくくなって沈殿した
り、ゲル化したりする。
【0045】ゲル化によって良好なポリアミド湿潤ゲル
を得るためには、架橋点部位を増やすことが効果があ
り、その方法としては大きくは2つに分けることができ
る。
【0046】1つの方法は、原料として、分子構造に架
橋点を形成されるものを選択する方法がある。原料の化
合物Aと化合物Bの少なくともいずれかの化合物におい
て、重合反応基が少なくとも3つ以上有するものを使用
することで、その化合物部分が3次元重合の架橋点とな
る。
【0047】また、他の方法は、原料の化合物Aと化合
物Bに加えて架橋剤を添加する方法がある。この架橋剤
は、複数の反応性の官能基を有し、原料化合物と反応し
て3次元重合を生じて架橋点を形成する。
【0048】溶媒中において、これらの架橋構造を持た
せることで、ポリアミド湿潤ゲルが形成される。この際
に、ポリアミド乾燥ゲルの構造に見られる100nm以
下の微粒子の凝集体は、次のように作られると考えてい
る。まず、原料を低濃度の溶解した溶液中では、重合反
応が進行するとともに架橋点を生じ、微粒子状態のゾル
を溶液中に均一に形成する。このゾルの成長が進むと、
微粒子の運動エネルギーよりも凝集エネルギーが勝った
ときに凝集して固体骨格を形成してゲルとなる。このよ
うに湿潤ゲルが形成されるため、それを乾燥したポリア
ミド乾燥ゲルを電子顕微鏡観察すると微粒子の凝集した
多孔体を形成していることがわかる。
【0049】化合物Aとしては、重合反応基が2つのも
のは、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、マレイン酸、
テレフタル酸など、重合反応基が3つ以上のものは、ト
リカルバリル酸、トリメシン酸(1,3,5−ベンゼン
トリカルボン酸)、1,2,4−ベンゼントリカルボン
酸、ピロメリット酸、ビスフェニルテトラカルボン酸、
ベンゾフェノンテトラカルボン酸、4,4’−ヘキサフ
ルオロイソプロピリデンビスフタル酸、シクロブタンテ
トラカルボン酸、2,3,5−トリカルボキシシクロペ
ンチル酢酸などが一般的に用いられる。また、上記の酸
化合物のハロゲン化物、特に酸クロリド化合物が用いら
れる。
【0050】化合物Bとしては、重合反応基が2つのも
のは、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミ
ン、2,4−ジアミノトルエン、パラフェニレンジアミ
ン、メタフェニレンジアミン、ビス(4−アミノフェニ
ル)エーテル、4,4’−ジアミノトリフェニルメタ
ン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−ヘキサフル
オロプロパン、4,4’−ジアミノ−4”−ヒドロキシ
トリフェニルメタン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4
’−ジアミノビフェニル、2,2−ビス(3−アミノ
−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパ
ン、3,5−ジアミノ安息香酸など、また重合反応基が
3つ以上のものは、メラミン、ジアミノベンジジンなど
が一般的に用いられる。
【0051】原料化合物としては、ポリアミド構造の樹
脂が形成できるのであれば、これらに限定されるもので
はない。また、化合物Aと化合物Bの組合せは、いくつ
かの化合物を組み合わせて用いても良い。
【0052】特に、本発明のポリアミド多孔体において
は、耐熱性を高いものを得たいため化合物Aと化合物B
のどちらかが芳香族化合物であるのが好ましい。そし
て、芳香族酸化合物と芳香族アミン化合物を縮合反応し
てポリアミド湿潤ゲルを得る際に、この芳香族酸化合物
または芳香族アミン化合物の少なくともいずれかが、重
合反応基を少なくとも3つ以上有することが好ましい。
【0053】次に、本発明で用いられる溶媒について述
べる。
【0054】本発明で合成の際に用いる溶媒としては、
N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルフォキシド、ヘキサメチルホスホルア
ミドなどがよく用いられる。その他にも、得たいポリア
ミドの分子構造によって、クレゾール、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン、メタノール、エタノールなどの有極
性の溶媒が一般的に用いられる。これらは、単独、ある
いは混合物で用いられるのが一般的である。湿潤ゲル形
成においても同じ溶媒を用いることができる。原料の化
合物の溶解性によっては他の溶媒も用いることはでき
る。
【0055】ポリアミド湿潤ゲルを構成する溶媒として
は、上記の合成溶媒の他に、キシレン、トルエン、ヘキ
サン、シクロヘキサン、2−ブタノン、メタノール、エ
タノール、2−メトキシエタノール、ジクロロメタン、
ジクロロエタン、ターシャリーブタノール、シクロヘキ
サノールなどの極性溶媒や非極性溶媒を単独または混合
して用いることができる。また、これらに水を加えて湿
潤させることもできる。さらに、樹脂の骨格に水酸基、
カルボキシル基、スルホ基などの親水基を有する場合に
は、水のみでも用いることができる。合成溶媒以外の溶
媒にする場合には、溶媒置換を行って上記の溶媒をゲル
中に含ませることになる。このように溶媒置換を行う効
果としては、乾燥ゲルを得る際に乾燥に適した溶媒に変
更することが重要である。
【0056】次に、ポリアミド湿潤ゲルを得るのに架橋
剤を用いる方法について述べる。
【0057】架橋剤は原料とともに合成時に混合してお
いても良いし、ポリアミド溶液または湿潤ゲルに架橋剤
を添加して架橋しても良い。架橋を行わせることは、ゲ
ルの強度を高めることにも効果がある。特に、樹脂成分
として、水酸基、カルボキシル基、スルホ基、アミノ基
などを導入しておき、これと反応する架橋剤を添加して
架橋を行わせることは効果がある。
【0058】架橋剤としては、樹脂成分中の重合反応基
または官能基と反応する官能基を有しているものであ
る。官能基は、水酸基、メチロール基、アミノ基、イソ
シアネート基、エポキシ基、アルデヒド基、カルボキシ
ル基、クロロホルミル基、クロルシリル基、アルコキシ
シリル基などを用いることができる。これらの官能基を
有する架橋剤は、強度を保持するために官能基を2つ以
上有しているのが好ましい。また、これらを架橋するた
めに酸、塩基、酸無水物などを硬化剤として加えること
もできる。
【0059】具体的な架橋剤としては、エチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、シクロペンタン−1,
2−ジオールなどのジオール類、グリセリンやペンタエ
リスリトールなどの多価アルコール類、フェノール樹脂
やメラミン樹脂などのメチロール基含有樹脂類、アンモ
ニアやメチルアミンなどのアミン類、エチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミンやジ
エチレントリアミンなどの多価アミン類、トリレンジイ
ソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートやヘ
キサメチレンジイソシアネートなどのイソシアネート
類、フェニルグリシジルエーテル、エチレングリコール
ジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジル
エーテルやノボラックジグリシジルエーテル、ペンタエ
リスリトールポリグリシジルエーテルなどのエポキシ樹
脂類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラ
ールやベンズアルデヒドなどのアルデヒド類、グリオキ
サール、スクシンジアルデヒド、グルタルジアルデヒド
やフタルアルデヒドなどのジアルデヒド類、マレイン
酸、シュウ酸、アジピン酸、スペリン酸、セバシン酸や
フタル酸などのジカルボン酸類とその酸クロライド化合
物類、無水フタル酸や無水マレイン酸などの酸無水物
類、テトラクロルシラン、トリクロロシラン、テトラメ
トキシシランやテトラエトキシシランなどのシラン化合
物類やそれらが縮合したシランオリゴマー類などを用い
ることができるが、これらに限られるものではない。ま
た、上述の原料化合物も添加剤として用いると架橋剤と
して働く。
【0060】次に、ポリアミド湿潤ゲルからポリアミド
乾燥ゲルを得る乾燥工程について述べる。
【0061】乾燥ゲルを低密度にするために湿潤ゲル中
の固体成分量を少なくするとゲル強度が低下する。ま
た、通常、ただ単に乾燥しただけの乾燥法では、溶媒蒸
発時のストレスによってゲルが収縮してしまう。前述の
原料に重合反応基の多いものを使ったり、架橋処理した
りする方法は、この乾燥収縮を抑制することに効果があ
る。また、乾燥方法として超臨界乾燥や減圧または凍結
乾燥を用いることによって、乾燥時のゲルの収縮を防ぐ
ことができる。
【0062】超臨界乾燥法や凍結乾燥法では、溶媒を液
体状態から相状態を変えることによって、気液界面を無
くして表面張力によるゲル骨格へのストレスを無くして
乾燥することができるため、乾燥時のゲルの収縮を防ぐ
ことができ、低密度の乾燥ゲルの多孔体を得るのに適し
た方法である。
【0063】この超臨界乾燥に用いる溶媒は、ポリアミ
ド湿潤ゲル中の溶媒を用いることができるが、超臨界乾
燥において扱いやすい溶媒に置換しておくのが好まし
い。
【0064】置換する溶媒としては、直接その溶媒を超
臨界流体にするメタノール、エタノールやイソプロパノ
ールなどのアルコール類や二酸化炭素が挙げられる。さ
らに、これらの超臨界流体で溶出しやすいアセトン、酢
酸イソアミルやヘキサンなどの一般的な取扱いしやすい
有機溶剤に置換しておいてもよい。
【0065】超臨界乾燥条件としては、オートクレーブ
などの圧力容器中で行い、例えばメタノールではその臨
界条件である臨界圧力8.09MPa、臨界温度23
9.4℃以上にし、温度一定の状態で圧力を徐々に開放
して乾燥を行う。また、二酸化炭素の場合には、臨界圧
力7.38MPa、臨界温度31.1℃以上にして、同
じように温度一定の状態で超臨界状態から圧力を開放し
て気体状態にして乾燥を行う。
【0066】凍結乾燥を行う場合には、ポリアミド湿潤
ゲル中の溶媒としては融点の高い化合物の方が取り扱い
やすい。一般には水を用いることができるが、ターシャ
リーブタノール(融点25℃)、シクロヘキサン(融点
6.5℃)、シクロヘキサノール(融点21℃)、パラ
キシレン(融点13.3℃)、グリセリン(融点17.
8℃)などを用いることができる。合成溶媒としてこれ
らが用いることができなければ、溶媒置換によってゲル
中に入れておく必要がある。
【0067】凍結乾燥条件としては、いったんこれら溶
媒を含有したポリアミド湿潤ゲルを融点以下まで冷却し
て凍結する。この状態で減圧を開始して、溶媒を昇華除
去して乾燥する。このときの温度としては、いったん減
圧を開始してからは、昇華が生じる状態で融点以上の加
熱をしても問題なく、乾燥することが可能であり、効率
的な乾燥ができる。温度の上昇は乾燥の進行とともに上
昇しても良いし、凍結・減圧後に昇華を確認してからす
ぐに加熱しても良い。
【0068】また、耐熱性として、一般的な熱可塑性樹
脂は耐熱性の有るものでも200℃以下で融解、軟化す
るため耐熱温度は200℃以下である。また、熱硬化性
樹脂でも、200℃以上になると熱分解が進行し、耐熱
温度は250℃程度である。それに対し、ポリアミド系
樹脂は、連続使用耐久温度が200℃以上であり、非定
常的にはそれ以上の耐熱性を有している。ポリアミド多
孔体でも同程度の耐熱性が保持されており、優れた耐熱
性を有する多孔体を提供することができる。
【0069】
【実施例】以下に、本発明の具体的な実施例について述
べる。
【0070】《実施例1》化合物Aとしてトリメシン酸
(30mmol、6.30g)、化合物Bとしてフェニ
レンジアミン(30mmol、3.24g)を用い、両
者がモル比で1対1になるように、N−メチルピロリド
ン150mL(以下、NMPという。)中で混合した。
重合触媒として、亜リン酸トリフェニル、ピリジン、塩
化リチウムを加えて80℃で2時間加熱した。この加熱
の途中でゲル化が進行し、茶色のポリアミド湿潤ゲルを
得た。
【0071】まず、得られたポリアミド湿潤ゲルを乾燥
しやすい溶媒として、エタノールで溶媒置換を行った。
ポリアミド湿潤ゲルから長さ1cmに切り出したサンプ
ルをエタノール中に浸漬し45℃2時間行い、さらにエ
タノールを新しいものと代えて3回溶媒置換を実施し
た。
【0072】このエタノール溶媒置換したポリアミド湿
潤ゲルをステンレス鋼製のオートクレーブに入れ、二酸
化炭素を用いて50℃、12MPaで超臨界乾燥し、ポ
リアミド乾燥ゲルを得た。
【0073】超臨界乾燥による収縮の抑制効果はゲルの
長さを測定して評価した。溶媒置換のときに約15%ほ
ど収縮していた。これを基準とした。室温で放置して溶
媒を蒸発させる自然乾燥において長さが約半分(収縮率
50%)になるのに対して、上記条件による超臨界乾燥
では収縮率は10%程度であり収縮に対して効果が高い
ことがわかった。
【0074】また、超臨界乾燥で得られたポリアミド乾
燥ゲルのみかけ密度は約170kg/m3、平均細孔直
径は20nm、BET比表面積は240m2/gであっ
た。電子顕微鏡写真では、約20〜60nmの微粒子が
凝集して多孔体を形成していることがわかった。また、
耐熱性に関しては、熱重量−示差熱分析によって重量低
減の開始温度が300℃以上であり、優れた耐熱性を有
していることがわかった。
【0075】《実施例2》化合物Aとしてトリメシン酸
(30mmol、6.30g)、化合物Bとして4,4
‘−オキシジアニリン(30mmol、6.01g)を
用い、両者がモル比で1対1になるように、N−メチル
ピロリドン150mL(以下、NMPという。)中で混
合した。重合触媒として、亜リン酸トリフェニル、ピリ
ジン、塩化リチウムを加えて80℃で2時間加熱した。
この加熱の途中でゲル化が進行し、白色のポリアミド湿
潤ゲルを得た。
【0076】まず、得られたポリアミド湿潤ゲルを乾燥
しやすい溶媒として、エタノールで溶媒置換を行った。
ポリアミド湿潤ゲルから長さ1cmに切り出したサンプ
ルをエタノール中に浸漬し45℃2時間行い、さらにエ
タノールを新しいものと代えて3回溶媒置換を実施し
た。
【0077】このエタノール溶媒置換したポリアミド湿
潤ゲルをステンレス鋼製のオートクレーブに入れ、二酸
化炭素を用いて50℃、12MPaで超臨界乾燥し、ポ
リアミド乾燥ゲルを得た。
【0078】超臨界乾燥による収縮の抑制効果はゲルの
長さを測定して評価した。溶媒置換のときに約15%ほ
ど収縮していた。これを基準とした。室温で放置して溶
媒を蒸発させる自然乾燥において長さが約半分(収縮率
50%)になるのに対して、上記条件による超臨界乾燥
では収縮率は10%程度であり収縮に対して効果が高い
ことがわかった。
【0079】また、超臨界乾燥で得られたポリアミド乾
燥ゲルのみかけ密度は約150kg/m3、平均細孔直
径は19nm、BET比表面積は178m2/gであっ
た。電子顕微鏡写真では、約30〜60nmの微粒子が
凝集して多孔体を形成していることがわかった。また、
耐熱性に関しては、熱重量−示差熱分析によって重量低
減の開始温度が350℃以上であり、優れた耐熱性を有
していることがわかった。
【0080】《実施例3》化合物Aとしてトリメシン酸
クロリド(30mmol、9.36g)、化合物Bとし
て4,4‘−オキシジアニリン(30mmol、6.0
1g)を用い、両者がモル比で1対1になるように、
N,N’−ジメチルアセトアミド150mL(以下、D
MAcという。)中で室温にて混合し、瞬時に白色のポ
リアミド湿潤ゲルを得た。
【0081】まず、得られたポリアミド湿潤ゲルを乾燥
しやすい溶媒として、ターシャリーブチルアルコールで
溶媒置換を行った。ポリアミド湿潤ゲルから長さ1cm
に切り出したサンプルをターシャリーブチルアルコール
中に浸漬し45℃2時間行い、さらにターシャリーブチ
ルアルコールを新しいものと代えて3回溶媒置換を実施
した。
【0082】この溶媒置換したポリアミド湿潤ゲルを−
15℃の冷凍庫に12時間入れて凍結を行った。その後
に、この凍結したゲルを真空容器に挿入して133Pa
以下まで減圧し、さらに55℃まで昇温して乾燥を行っ
た。
【0083】超臨界乾燥による収縮の抑制効果はゲルの
長さを測定して評価した。溶媒置換のときに約10%収
縮していた。これを基準とした。上記条件による凍結減
圧乾燥では収縮率は10%以下であり収縮に対して効果
が高いことがわかった。
【0084】こうして得られたポリアミド乾燥ゲルのみ
かけ密度は約180kg/m3、平均細孔直径は20n
m、BET比表面積は200m2/gであった。電子顕
微鏡写真では、約30〜60nmの微粒子が凝集して多
孔体を形成していることがわかった。また、耐熱性に関
しては、熱重量−示差熱分析によって重量低減の開始温
度が350℃以上であり、優れた耐熱性を有しているこ
とがわかった。
【0085】《実施例4》化合物Aとしてテレフタル酸
(60mmol、9.96g)、化合物Bとしてジアミ
ノベンジジン(30mmol、6.42g)を用い、両
者がモル比で2対1になるように、N−メチルピロリド
ン200mL(以下、NMPという。)中で混合した。
さらに、重合触媒として亜リン酸トリフェニル、ピリジ
ン、塩化リチウムを加えて80℃で2時間加熱した。ゲ
ル化する前に架橋剤としてフルフラール1g、を溶解し
たのちに、ゲル化が進行し、茶色のポリアミド湿潤ゲル
を得た。
【0086】このポリアミド湿潤ゲルをステンレス鋼製
のオートクレーブに入れ、エタノールで満たし15℃ま
で容器を冷却して3時間放置した。その後に二酸化炭素
を用いて50℃、12MPaで超臨界乾燥し、ポリアミ
ド乾燥ゲルを得た。
【0087】得られたポリアミド乾燥ゲルは、湿潤ゲル
の状態より約15%収縮した程度であり、比較として実
験した100℃で加熱乾燥した際に50%収縮した結果
に対して収縮抑制が行われていることがわかった。
【0088】《実施例5》実施例1で作製したポリアミ
ド多孔体、および実施例2で作製したポリアミド多孔体
のそれぞれを粉砕して粉体での熱伝導率を評価した。測
定は、英弘精機製熱伝導率計AUTO−Λ、HC−07
3を用いて平行平板法(高温板38℃、低温板10℃)
によって平均温度24℃で評価した。実施例1のポリア
ミド多孔体は熱伝導率0.035W/mKであり、実施
例2のポリアミド多孔体は熱伝導率0.042W/mK
であった。これらの熱伝導率の値は、みかけ密度40k
g/m3のグラスウールの熱伝導率0.044W/mK
に対して同等以下の低い熱伝導率であり、優れた断熱性
能を有することがわかった。
【0089】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ポリアミ
ド系樹脂からなる多孔体を得ることができ、優れた耐熱
性を有し、低密度で、平均孔径の小さな多孔体を提供で
きる。特に、本発明のポリアミド多孔体の製造方法は、
乾燥時のゲル収縮を抑制した良質なポリアミド乾燥ゲル
からなる多孔体を得ることができることがわかった。
【0090】本発明によって得られるポリアミド多孔体
はポリアミドの機能的な応用を広げることができる。そ
の応用としては、低熱伝導率で断熱性能の優れた断熱体
を提供できる。さらに、低誘電率の誘電性能に優れた絶
縁体などへの応用も可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA71A CB34 CC04Y DA03 DA32

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド湿潤ゲルを乾燥して得られる
    ポリアミド乾燥ゲルを含むポリアミド多孔体。
  2. 【請求項2】 平均細孔直径が500nm以下である請
    求項1記載のポリアミド多孔体。
  3. 【請求項3】 ポリアミド乾燥ゲルが平均粒径100n
    m以下の粒子の凝集体である請求項2記載のポリアミド
    多孔体。
  4. 【請求項4】 ポリアミドが芳香族樹脂である請求項1
    から3いずれか記載のポリアミド多孔体。
  5. 【請求項5】 ポリアミド樹脂成分が固体骨格を構成
    し、前記固体骨格中に溶媒を含んでなるポリアミド湿潤
    ゲルから、前記溶媒を前記固体骨格中から除去してポリ
    アミド乾燥ゲルを得ることを特徴とするポリアミド多孔
    体の製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリアミド樹脂成分が固体骨格を構成
    し、前記固体骨格中に溶媒を含んでなるポリアミド湿潤
    ゲルから、超臨界乾燥法によって前記溶媒を前記固体骨
    格中から除去してポリアミド乾燥ゲルを得る請求項5記
    載のポリアミド多孔体の製造方法。
  7. 【請求項7】 ポリアミド樹脂成分が固体骨格を構成
    し、前記固体骨格中に溶媒を含んでなるポリアミド湿潤
    ゲルを、凍結乾燥法によって前記溶媒を前記固体骨格中
    から除去してポリアミド乾燥ゲルを得る請求項5記載の
    ポリアミド多孔体の製造方法。
  8. 【請求項8】 芳香族酸化合物と芳香族アミン化合物を
    縮合反応してポリアミド湿潤ゲルを得る際に、前記芳香
    族酸化合物または前記芳香族アミン化合物の少なくとも
    いずれかが、重合反応基を少なくとも3つ以上有するこ
    とを特徴とする請求項5から7いずれか記載のポリアミ
    ド多孔体の製造方法。
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