JP2003031908A - 半導体光デバイス - Google Patents

半導体光デバイス

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JP2003031908A
JP2003031908A JP2001220030A JP2001220030A JP2003031908A JP 2003031908 A JP2003031908 A JP 2003031908A JP 2001220030 A JP2001220030 A JP 2001220030A JP 2001220030 A JP2001220030 A JP 2001220030A JP 2003031908 A JP2003031908 A JP 2003031908A
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heat
light
optical device
semiconductor
semiconductor optical
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Application number
JP2001220030A
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English (en)
Inventor
Kenji Kono
健治 河野
Takayuki Yamanaka
孝之 山中
Munehisa Tamura
宗久 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Anritsu Corp
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Anritsu Corp
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光機能部の温度上昇を抑制する。 【解決手段】 光吸収機能と発光機能との少なくとも一
方の光機能を有する光機能部2,3,4が半導体基板1
上に形成され、光機能の実行に伴って光機能部に熱が発
生する半導体光デバイスにおいて、光機能部で発生した
熱を半導体基板1を含む当該光機能部の周囲部材へ分散
させるための熱伝導材料11を、光機能部と周囲部材と
の間に熱的に介在させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光、光吸収、受
光、光変調等の光に関する各種の光機能を有した半導体
光デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】発光、光吸収、受光、光変調等の光に関
する光機能を実現できる各種の半導体光デバイスの一例
として、光を吸収する光機能を有するハイメサ型半導体
光変調器からなる半導体光デバイスの概略構成を図5に
示す。
【0003】n+-InPからなる基板1上に、n-InPからな
る下部クラッド層2、多重量子井戸層3、p-InPからな
る上部クラッド層4、p+-InGaAsからなるコンタクト層
5が形成されている。このコンタクト層5の上面にp電
極6が取付けられ、基板1の下面にn電極7が取付けら
れている。さらに、側面にポリイミド8が形成されてい
る。このポリイミド8の上面でかつp電極6における側
方に突出したボンディングパッド部6aにボンディング
ワイヤ9が接続されている。
【0004】多重量子井戸層(Multiple Quantum Wel
l)3は、i-InGaAsPからなるウェルと、このウェルとは
バンドギャップエネルギーが異なるi-InGaAsPからなる
バリアとを複数組み合わせて構成されている。なお、こ
の多重量子井戸層3はノンドープであるので、以下、i-
MQW層3と略記する。
【0005】また、このハイメサ型半導体光変調器から
なる半導体光デバイスでは、p電極6における側方に突
出したボンディングパッド部6aの電気的キャパシタン
スを低減するために、ボンディングパッド部6aの下に
は比誘電率が小さなポリイミド8を使用している。
【0006】また、n-InPからなる下部クラッド層2、i
-MQW層3、及びp-InPからなる上部クラッド層4は光を
導波する光導波路を構成している。ここでi-MQW層3は
その屈折率が、n-InPからなる下部クラッド層2、及びp
-InPからなる上部クラッド層4の各屈折率よりも高く、
光を導波する中心的な役割をするコアとして機能してい
る。なお、ハイメサ断面構造を有する光導波路を構成し
ている凸状のリッジ部の幅Wと長さLは各々2μmおよ
び200μm程度である。
【0007】このような構成のハイメサ型半導体光変調
器からなる半導体光デバイスの動作を説明する。光入射
端面10から入射した光は、前述した光導波路を伝搬す
る間に、ON/OFF変調されて、リッジ部に形成され
た光導波路における光入射端面10の反対の光出射端面
から出射される、図6に、p電極6とn電極7との間に
電界を印加していない時と逆バイアス電界を印加した時
との各光吸収係数特性を、入射される光の波長λを変数
として示す。図中、この光変調器を動作させる波長λを
動作波長λSとして示した。
【0008】図6の光吸収係数特性からも理解できるよ
うに、電界が印加されていない場合には、光変調器を動
作する動作波長λSにおいては光の吸収係数は十分小さ
く、光入射端面10に入射した光は反対側の光出射端面
からそのまま出射される。一方、p電極6とn電極7と
の間に逆バイアス電圧を印加すると、光の吸収スペクト
ラムは長波長側に移動するため、この光変調器の動作波
長λSにおいて光の吸収係数が大きくなり、光は吸収さ
れ、反対側の光出射端面から出射されない。
【0009】こうして、p電極6とn電極7との間の逆
バイアス電圧をONあるいはOFFすることにより、光
導波路を伝搬中の光もOFFあるいはONされ、電気信
号を光信号へと変換することができる。
【0010】このハイメサ型光変調器からなる半導体光
デバイスにおいて、光を吸収する機能を有する光導波路
を構成するi-MQW層3は、両側面を比誘電率εrが小さな
空気(εr=1)で囲まれており、かつp電極6のボン
ディングパッド部6aの下にはやはり比誘電率εrが小
さなポリイミド8(εr=3〜4)を使用しているの
で、その電気的キャパシタンスCは小さい。したがっ
て、電気的キャパシタンスCと負荷抵抗Rから制限され
る、いわゆるCR定数リミットによる変調周波数限界
(=1/πRC)は、i-MQW層3の左右を半導体で埋め込
んだ埋め込み構造のものより高く、ハイメサ型光変調器
の半導体光デバイスは高速光変調に適していると言え
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た半導体光デバイスにおいても、まだ改良すべき次のよ
うな課題があった。
【0012】図7(a)に、逆バイアス印加時における
光吸収に伴い発生してリッジ部に留まる熱量を、ハイメ
サ構造の光導波路を構成しているリッジ部の長手方向に
おける光入射端面10からの距離(伝搬距離)zの関数
として示している。さらに、図7(b)に、逆バイアス
印加時における光吸収に伴い発生してリッジ部に留まる
熱量を、ハイメサ構造の光導波路を構成しているリッジ
部の幅方向におけるメサ中心からの距離の関数として示
している。
【0013】まず、図7(a)に示すリッジ部の長手方
向について考察する。長手方向においては、入射した光
は、コアであるn-InPからなる下部クラッド層2、i-MQW
層3、p-InPからなる上部クラッド層4で構成される光
導波路を伝播する間にその強度Iが I=I0exp(−αz) …(1) のように、指数関数の式に従ってi-MQW層3により吸収
される。ここで、I0は光入射端面10における入射光
のパワー、αは吸収係数、zは光入射端面10からの距
離である。
【0014】指数関数は変数に対して急速に減衰する関
数であるから、光は光入射端面10から短い距離zの間
にほとんど吸収され、電流に変換される。
【0015】一方、図7(b)に示すリッジ部の幅方向
について考察する。断面構造がハイメサ構造であるリッ
ジ部の左右は空気である。空気の熱伝導率は半導体に比
べて数桁小さいため、発生した熱はリッジ部の外部へは
ほとんど伝わらない。
【0016】したがって、リッジ部の長手方向には光の
光入射端面10からの短い距離z内に、リッジ部の横方
向にはハイメサ構造からなるリッジ部に熱が溜まること
になる。特に、高いパワーの光が入射すると、駆動電圧
Vと光電流Iの積で表されるジュール熱(P=V・I)が
ハイメサ断面構造からなるリッジ部に溜まるため、リッ
ジ部がこの高いジュール熱のために破損する。
【0017】さらに、コアであるn-InPからなる下部ク
ラッド層2、i-MQW層3、p-InPからなる上部クラッド層
4で構成される光導波路の温度が過度に上昇すると、変
調特性が劣化する。
【0018】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、光機能部に発生する熱を効率的に周囲部材
へ分散させることができ、たとえ高いパワーの光が入射
したり、高い駆動電圧が印加されたとしても、光機能部
の温度上昇を確実に抑制でき、光機能部で実行される光
機能を高いレベルに維持した状態でデバイス全体の信頼
性を確保できる半導体光デバイスを提供することを目的
とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、光吸収機能と
発光機能との少なくとも一方の光機能を有する光機能部
が半導体基板上に形成され、光機能の実行に伴って光機
能部に熱が発生する半導体光デバイスに適用される。
【0020】そして、上記課題を解消するために、本発
明の半導体光デバイスにおいては、光機能部で発生した
熱を半導体基板を含む当該光機能部の周囲部材へ分散さ
せるための熱伝導材料を、光機能部と周囲部材との間に
熱的に介在させている。
【0021】また、別の発明は、上述した発明の半導体
光デバイスにおいて、光機能部をリッジ構造としてい
る。
【0022】さらに、別の発明は、上述した発明の半導
体光デバイスにおいて、熱伝導材料を光機能部及び周囲
部材に物理的に接触させている。
【0023】さらに、別の発明は、上述した発明の半導
体光デバイスにおいて、熱伝導材料を、誘電体材料から
なる膜を介して、光機能部及び周囲部材に物理的に接触
させている。
【0024】このように構成された半導体光デバイスに
おいては、光機能部で発生した熱を、半導体基板を含む
当該光機能部の周囲部材へ分散させるための熱伝導材料
が設けられているので、光機能部で発生した熱は、この
光機能部の周囲部材へ効率的に分散される。その結果、
光機能部にジュール熱が留まらず、光機能部が形成され
たリッジ部が熱に起因して損傷を受けることはなく、光
機能部で実行される光機能の性能が低下することはな
い。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態を図面
を用いて説明する。 (第1実施形態)図1は本発明の第1実施形態に係る半
導体光デバイスの概略構成を示す斜視図である。図5に
示す従来の半導体光デバイスと同一部分には同一符号を
付して重複する部分の詳細説明を省略する。なお、この
第1実施形態の半導体光デバイスは、図5に示す従来の
半導体光デバイスと同様に、光を吸収する光機能を有す
るハイメサ型半導体光変調器に適用されている。
【0026】図5に示す従来の半導体光デバイスと同様
に、n+-InPからなる基板1上に、n-InPからなる下部ク
ラッド層2、i-MQW層(多重量子井戸層)3、p-InPか
らなる上部クラッド層4、p+-InGaAsからなるコンタク
ト層5が形成されている。このコンタクト層5の上面に
p電極6が取付けられ、基板1の下面にn電極7が取付
けられている。さらに、側面にポリイミド8が形成され
ている。このポリイミド8の上面でかつp電極6におけ
る側方に突出したボンディングパッド部6aにボンディ
ングワイヤ9が接続されている。
【0027】そして、下部クラッド層2、i-MQW層3、
上部クラッド層4、コンタクト層5、及びp電極6は、
断面がハイメサ構造を有したリッジ部を構成する。
【0028】さらに、この第1実施形態の半導体光デバ
イスにおいては、n-InPからなる下部クラッド層2、i-M
QW層3、p-InPからなる上部クラッド層4で構成される
光機能部が組込まれたリッジ部の側面と、n+-InPからな
る基板1の上面1aとの間に、熱伝導材料としての熱伝
導ペースト11が充填されている。この熱伝導ペースト
11は、光機能部が組込まれたリッジ部と周辺部材とし
ての基板1の上面1aに直接接触されている。この熱伝
導ペースト11は、きわめて高い熱伝導効率を有した、
例えば、シリコングリス等の材料が採用される。
【0029】次に、このように構成された第1実施形態
の半導体光デバイスの動作原理を説明する。この第1実
施形態の半導体光デバイスにおいても、図5に示した従
来の半導体光デバイスと同様に、p電極6とn電極7と
の間に逆バイアス電圧Vが印加された状態においては、
光入射端面10から光導波路へ入射された光は、i-MQW
層3で吸収される結果、光電流Iが生じ、リッジ部内に
ジュール熱P(=V・I)が発生する。
【0030】図2(a)に、逆バイアス印加時における
光吸収に伴い発生してリッジ部内に留まる熱量を、ハイ
メサ断面構造の光導波路を構成しているリッジ部の長手
方向における光入射端面10からの距離(伝搬距離)z
の関数として示している。さらに、図2(b)に、逆バ
イアス印加時における光吸収に伴い発生してリッジ部内
に留まる熱量を、ハイメサ断面構造の光導波路を構成し
ているリッジ部の幅方向におけるメサ中心からの距離の
関数として示している。なお、参考のために、図7
(a)、(b)に示した熱伝導ペースト11を採用しな
い従来の半導体光デバイスにおける各特性値を破線で示
している。
【0031】図2(a)、(b)に示すように、従来の
半導体光デバイスに比較してリッジ部に留まる熱量が大
幅に低減していることが理解できる。
【0032】すなわち、リッジ部の側面と基板1の上面
1aとを熱的に接続する熱伝導ペースト11は、その熱
伝導率が空気の熱伝導率よりも数桁大きいため、リッジ
部に発生した熱は直ちに熱伝導ペースト11内に伝えら
れた後、熱伝導率の大きなn+-InPからなる基板1に分散
される。
【0033】そのため、ハイメサ断面構造を有するリッ
ジ部に熱が溜まることを防げるので、リッジ部の温度が
上昇して熱により損傷を受けることはない。
【0034】もちろん、熱伝導ペースト11を採用した
場合にも、長手方向には式(1)のように熱は指数関数に
従って発生する。しかしながら、発生したジュール熱は
熱伝導ペース11により基板1に導かれ分散されるの
で、留まる熱量は小さくなり、そのピーク値(式(1)内
のI0)は低く抑えられている。
【0035】(第2実施形態)図3は本発明の第2実施
形態に係る半導体光デバイスの概略構成を示す斜視図で
ある。図1に示す第1実施形態の半導体光デバイスと同
一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を
省略する。
【0036】この第2実施形態の半導体光デバイスにお
いては、ハイメサ断面形状を有するリッジ部のポリイミ
ド8が形成された側面の全面に亘って熱伝導ペースト1
1が形成されているのではなく、光入射端面10からポ
リイミド8までの間にこの熱伝導ペースト11が形成さ
れている。そして、ポリイミド8から光出射端面までの
間にはこの熱伝導ペースト11が形成されていない。
【0037】このように構成された第2実施形態の半導
体光デバイスの特徴を説明する。この第2実施形態の半
導体光デバイスにおぃても、リッジ部の長手方向には前
述した式(1)のように熱は指数関数に従って発生する。
指数関数は急速に値が小さくなる特徴があることを利用
して、リッジ部の側面における光入射端面10側のみに
熱伝導ペースト11を付着させている。
【0038】リッジ部の側面全体に熱伝導ペースト11
が付着してはいないという点では、熱の分散効果は、図
1に示した第1実施形態の半導体光デバイスにおける熱
の分散効果ほど大きくはない。しかしながら、光の吸収
に伴う熱の主な発生箇所には熱伝導ペースト11が付着
しており、リッジ部内の熱を効果的に基板1を含む周囲
部材に分散している。
【0039】したがって、この第2実施形態の半導体光
デバイスにおいても、リッジ部の熱による損傷を防ぐこ
とができるので実用上十分であると言える。
【0040】なお、図3に示したように、ハイメサ断面
形状を有するリッジ部のポリイミド8が形成されていな
い左側の側面は、図1に示した第1の実施形態の半導体
光デバイスように、リッジ部の長手方向全体に熱伝導ペ
ースト11を付着させ、右側は図3に示した第2実施形
態の半導体光デバイスのように、リッジ部の前半にのみ
熱伝導ペースト11を付着させてもよいことは言うまで
もない。
【0041】(第3実施形態)図4は本発明の第3実施
形態に係る半導体光デバイスの概略構成を示す斜視図で
ある。図1に示す第1実施形態の半導体光デバイスと同
一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を
省略する。
【0042】この第3実施形態の半導体光デバイスにお
いては、リッジ部の側面と基板1の上面には、このリッ
ジ部の側面と基板1の上面を保護するための例えばSi
2からなるパッシベーション用の誘電体膜12を形成
している。具体的には、このこのパッシベーション用の
誘電体膜12を形成して、この誘電体膜12の上から熱
伝導ペースト12を付着させている。
【0043】このように構成された第3実施形態の半導
体光デバイスの特徴を説明する。
【0044】i-MQW層3が光入射端面10からリッジ部
内へ入射した光を吸収した結果生じる熱は、リッジ部の
側面に形成されたSiO2からなる誘電体膜12を通り
抜けた後、熱伝導ペースト11により再誘電体膜12を
通り抜けて基板1に分散される。
【0045】パッシベーション用のSiO2からなる誘
電体膜12の熱伝導率は空気よりは大きいが、熱伝導ペ
ースト11よりは小さいので、この第3実施形態におい
てリッジ部から熱を逃がす効果は第1実施形態よりは小
さい。しかしながら、熱伝導率が極めて低い空気で囲ま
れている従来の実施形態と比較すると、本実施形態にお
いてもリッジ部の熱による損傷を防ぐ効果は十分に有す
る。
【0046】なお、この第3実施形態の半導体光デバイ
スは、第1実施形態の半導体光デバイスを基本とした
が、この第3実施形態の半導体光デバイスで採用したパ
ッシベーション用のSiO2からなる誘電体膜12を図
3に示す第2実施形態の半導体光デバイスに適用するこ
とも可能である。
【0047】すなわち、パッシベーション用のSiO2
からなる誘電体膜12をリッジ部に形成した後、リッジ
部の側面における光入射端面10側前半に熱伝導ペース
ト11を付着させても充分な効果がある。
【0048】なお、本発明は上述した各実施形態に限定
されるものではない。図4に示す第3実施形態の半導体
光デバイスにおいては、パッシベーション用の誘電体膜
12の材料としてSiO2を想定して、説明したが、こ
の誘電体膜12としてはSiNxやポリイミドなどその
他の材料を用いてもよいことは言うまでもない。なお、
ポリイミドは熱伝導率が低いので、パッシベーション用
の誘電体膜12として使用する場合には極力薄くした方
が効果的である。
【0049】また、第1〜第3実施形態の各半導体デバ
イスにおいて、p電極6の上に熱伝導ペースト11がか
ぶさった場合には、熱伝導ペースト11の比誘電率のた
めに、電気的キャパシタンスがやや大きくなるので高周
波光変調の観点からは少し不利となるが、リッジ部から
より多くの熱を逃がすことができるので、その熱に起因
する損傷を防ぐという意味ではさらに有利となる。
【0050】また、ポリイミド8の周囲にも熱伝導ペー
スト11を付加すれば、ポリイミド8内に溜まった熱も
分散できるのでより効果的である。
【0051】さらに、リッジ部に発生した熱を逃がすた
めの熱伝導材料として、熱伝導ペースト11を想定して
説明したが、熱伝導率が高いものであれば、オイルや金
属あるいはシート材、さらにはこれらの組み合わせなど
その他の材料でもよいことは言うまでもない。さらに、
電気的な短絡が確実に回避できるならば、銀ペーストで
もよい。
【0052】また、これまで光吸収部の左右が空気や誘
電体膜であるハイメサ型構造を想定して議論したが、光
吸収部の上部のみがリッジ部であるストリップ装荷型構
造でも良いことは言うまでもない。
【0053】基板1の材料としてn+-InPを想定したが、
+-InP基板や半絶縁性InP基板など、基板1の種類によ
らないことはもちろんであるし、さらに、光吸収部の材
料としてi-InGaAsP/InGaAsP MQWを想定したが、i-InGaA
s/InGaAsP MQW、i-InGaAs/InP MQW層、i-InGaAlAs/InAl
As MQWなど、その他の多重量子井戸でもよいし、i-InGa
Asやi-InGaAlAsなどバルク材料でも良い。
【0054】さらに、以上の各実施形態においては、半
導体光デバイスとして、ハイメサ型半導体光変調器を想
定したが、光信号を吸収し電気信号に変換する、いわゆ
る半導体受光器もジュール熱を発生するので本発明を適
用できることはもちろんである。
【0055】なお、熱伝導ペースト11をリッジ部の側
面に対して部分的に付加する場合にはなるべく光入射端
面10に近くまで付加したほうが良いが、熱伝導ペース
ト11が光入射端面10に付着すると、光が散乱・屈折
されるので、熱伝導ペースト11が光入射端面10に付
着しないように、細心の注意を払うことは言うまでもな
い。
【0056】さらに、本発明は、発熱した光機能部から
熱を周囲部材に分散させるためのものであるから、光を
吸収し電流に変換した結果、熱を発生する半導体光変調
器や半導体受光器のような受動素子のみではなく、電流
を流すことにより発光した結果、熱を発生する半導体レ
ーザのような能動素子にも適用可能である。
【0057】特に、光を導波するためにリッジ部を有す
るリッジ部型半導体レーザの場合にはそのリッジ部の横
には熱伝導率が小さな空気があるため、リッジ部に熱が
溜まる。そのため、大きな光出力を得るために高い電流
を流すと、発生するジュール熱のために光出力が低下す
る、あるいは発振波長が変動する(約0.1nm/℃)
という不具合が生じる。したがって、本発明を適用する
ことにより半導体レーザの発振特性を著しく改善するこ
とが可能である。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体光
デバイスにおいては、光機能部で発生した熱を周囲部材
へ分散させるための熱伝導材料を光機能部と周囲部材と
の間に熱的に介在させている。
【0059】したがって、光機能部に発生する熱を効率
的に周囲部材へ分散させることができ、たとえ高いパワ
ーの光が入射したり、高い駆動電圧が印加されたとして
も、光機能部の温度上昇を確実に抑制でき、光機能部で
実行される光機能を高いレベルに維持した状態でデバイ
ス全体の信頼性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる半導体光デバイ
スの概略構成を示す斜視図
【図2】同第1実施形態の半導体光デバイスにおけるリ
ッジ部に発生して留まっている熱量の分布特性を示す図
【図3】本発明の第2実施形態に係わる半導体光デバイ
スの概略構成を示す斜視図
【図4】本発明の第3実施形態に係わる半導体光デバイ
スの概略構成を示す斜視図
【図5】従来の半導体光デバイスの概略構成を示す斜視
【図6】一般的な半導体光デバイスの多重量子井戸層に
おける光吸収特性の波長依存性を示す図
【図7】従来の半導体光デバイスにおけるリッジ部に発
生して留まっている熱量の分布特性を示す図
【符号の説明】
1…基板 2…下部クラッド層 3…i-MQW層 4…上部クラッド層 5…コンタクト層 6…p電極 7…n電極 8…ポリアミド 9…ポインチングワイヤ 10…光入射端面 11…熱伝導ペースト 12…誘電体膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山中 孝之 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 田村 宗久 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2H079 AA02 AA13 BA01 CA04 DA16 EA00 EA07 HA22 5F049 MA04 MB07 NA07 NA09 PA18 QA02 TA05 5F073 AA22 AA74 CA07 CA12 CA15 CB11 EA29

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光吸収機能と発光機能との少なくとも一
    方の光機能を有する光機能部が半導体基板上に形成さ
    れ、前記光機能の実行に伴って前記光機能部に熱が発生
    する半導体光デバイスにおいて、 前記光機能部で発生した熱を前記半導体基板を含む当該
    光機能部の周囲部材へ分散させるための熱伝導材料を、
    前記光機能部と周囲部材との間に熱的に介在させたこと
    を特徴とする半導体光デバイス。
  2. 【請求項2】 前記光機能部がリッジ構造であることを
    特徴とする請求項1記載の半導体光デバイス。
  3. 【請求項3】 前記熱伝導材料を前記光機能部及び周囲
    部材に物理的に接触させたことを特徴とする請求項1又
    は2記載の半導体光デバイス。
  4. 【請求項4】 前記熱伝導材料を、誘電体材料からなる
    膜を介して、前記光機能部及び周囲部材に物理的に接触
    させたことを特徴とする請求項1又は2記載の半導体光
    デバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010217373A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Anritsu Corp 吸収型半導体光変調器
JP2017147428A (ja) * 2016-02-18 2017-08-24 浜松ホトニクス株式会社 量子カスケード検出器

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