JP2003030739A - 自動販売機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のサイズのカップを自動的に搬出し得る
機構を備えた自動販売機を提供する。 【解決手段】 縦方向に積み重ねたカップ列１からカッ
プを搬出する搬出機構２が、カップ列の最下位のカップ
１ａの左右側部に配置した一対の第１の保持子３ａ、３
ｂと、この第１の保持子の下方でカップの左右側部に配
置した一対の搬出子４ａ、４ｂと、第１の保持子の上方
で最下位の上１位に置かれたカップ１ｂの左右側部に配
置した一対の第２の保持子５ａ、５ｂとを備え、各保持
子間の間隔ｄ１、ｄ３、搬出子間の間隔ｄ２が可変であ
り、搬出子はカップと接触状態において回転することに
よりカップに下方へ移動する力を加えるようになってい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カップで飲食品を
供給する自動販売機に関する。

【０００２】

【従来の技術】カップに飲食品、特にコーヒー、ジュー
ス等の飲料を注入して販売に供する自動販売機において
は、垂直方向に積み重ねた複数のカップ列から販売の都
度１つのカップを搬出機構により搬出して飲料を供給す
るようになっている。この種のカップ搬出機構として、
カップ列を挿通可能な開口部を有するカップドロップリ
ング内に複数個の搬出子を配置し、各搬出子に案内部と
して螺旋状の溝を設け、この溝上にカップの上端に若干
突出するように形成した外周縁部を載せておき、販売信
号が発せられると各搬出子を回転させることにより最下
位のカップの外周縁部を溝に沿い降下させ、カップをド
ロップリングから搬出させ、その上位のカップを搬出子
で受け止め、次の販売に備えるものが既に知られてい
る。この搬出機構をサイズの異なる複数のカップの異な
る径に対応させるため、ドロップリング内に配置される
搬出子の径をカップサイズに応じて異なるものと交換可
能にすることが提案されている(特開平10−11655号公
報)。

【０００３】また、複数の異なるサイズのカップの供給
装置として、回転駆動式のカップ収納ドラムに複数の筒
を固定し、各筒に縦一列に積み重ねたホット飲料カップ
群とコールド飲料カップ群とをそれぞれ収納し、ホット
飲料用のカップ取出ステージとコールド飲料用カップ取
出ステージとを設け、カップ収納ドラムを回転して各取
出ステージに所要のカップ群を送出するようにして、ホ
ット飲料、コールド飲料の各異なるサイズのカップを供
給し得るようにしたものが提案されている（特公昭62−
44316号公報）。

【０００４】上述の搬出機構は、異なるサイズのカップ
を使用する場合にはカップドロップリングを分解して搬
出子を手動で交換しなければならないから、種々のサイ
ズのカップを使用する場合には極めて操作が煩雑で時間
を要し、屋外に設置された自動販売機等でカップサイズ
を交換する場合には問題点が多く、カップの上端の外周
縁部は本来ごく僅かの突起であり、搬出子の径を単に変
えただけでは必ずしもカップに対応せず、搬出子の持つ
螺旋状の溝の傾斜、搬出子の中心軸間の距離をも調整し
ないと、円滑に搬出させることができない。また上述の
ようなカップ収納ドラムを有する自動販売機において、
ホット飲料用カップ又はコールド飲料用カップそれぞれ
において更にサイズの異なるものを使用しようとする
と、各取出ステージに設けるカップ搬出機構が自動的に
カップのサイズに対応するようになっていなければなら
ないから使用不可能である。従って自動販売機の設置先
の販売状況に応じてカップサイズを変更しようとして
も、即座に対応することは不可能で、販売機会を逸する
ことにもなる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、複数
のサイズの異なるカップを自動的に搬出し得る機構を備
えた自動販売機を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明においては、縦方向に積み重ねたカップ列か
らカップ搬出機構によりカップを搬出する自動販売機に
おいて、カップ搬出機構は、カップ列の最下位のカップ
の左右側部に配置した一対の第１の保持子と、この第１
の保持子の下方においてカップの左右側部に配置した一
対の搬出子と、第１の保持子の上方において最下位の上
１位に置かれたカップの左右側部に配置した一対の第２
の保持子とを備え、第１の保持子と第２の保持子とはそ
れぞれカップを左右側部から保持し得ると共に各対をな
す保持子間の間隔が可変であり、搬出子はカップと接触
状態において回転することによりカップに下方へ移動す
る力を加え、且つ対をなす搬出子間の間隔が可変であ
る。

【０００７】また本発明においては、縦方向に積み重ね
たカップ列を収容する収納筒を複数個回転ドラム上に配
置し、各収納筒の下端にそれぞれカップ搬出機構を設
け、回転ドラムの下方にカップ搬出ステージを配置し、
回転ドラムを回転することにより所定の収納筒をカップ
搬出ステージ上に移動可能にする。

【０００８】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
示す実施例について説明する。

【０００９】図１は本発明のカップ搬出機構の実施例
の、ａは正面図、ｂは第１の保持子の平面図、ｃは搬出
子の平面図、ｄは第２の保持子の平面図を示す。１は縦
方向に積み重ねたカップ列、２はその下端に配置された
カップ搬出機構である。カップ搬出機構２は、カップ列
の最下位のカップ１ａの左右側部に配置した一対の第１
の保持子３ａ、３ｂ、第１の保持子３ａ、３ｂの下方に
おいて最下位のカップ１ａの左右側部に配置した一対の
搬出子４ａ、４ｂ、及び第１の保持子３ａ、３ｂの上方
において最下位の上１位に積み重ねられたカップ１ｂの
左右側部に配置した一対の第２の保持子５ａ、５ｂとを
備える。

【００１０】第１の保持子３ａ、３ｂはそれぞれコの字
状のロッド３ｃ、３ｄの一端に連結され、ロッド３ｃ、
３ｄの他端は駆動機構３ｅに連結され、駆動機構３ｅに
よりロッド３ｃ、３ｄを矢印で示すように左右の方向に
摺動させることにより両保持子間の間隔ｄ１を調整する
ことができ、間隔ｄ１をカップの径に応じた設定値に調
整することにより両保持子３ａ、３ｂはカップの側面と
接触してカップを抱持し、その設定値より間隔ｄ１が広
がるとカップは解放状態となり、カップは落下する。

【００１１】搬出子４ａ、４ｂはスパイダー状に形成さ
れ、回転軸４ｃ、４ｄの周りに突出した４つの脚部４
ｅ、４ｆを備え、各脚部４ｅ、４ｆの先端表面はカップ
の表面との間に適度の摩擦を有するように形成されてい
る。両搬出子４ａ、４ｂはそれぞれＬ字状のロッド４
ｇ、４ｈの一端に連結され、ロッド４ｇ、４ｈの他端は
駆動機構４ｉに連結され、駆動機構４ｉによりロッド４
ｇ、４ｈを矢印で示すように左右の方向に摺動させるこ
とにより両搬出子４ａ、４ｂ間の間隔ｄ２を調整するこ
とができ、間隔ｄ２をカップの径に応じた設定値に調整
することにより１脚部が水平方向になってカップの側面
と接触し、搬出子４ａ、４ｂが回転軸４ｃ、４ｄの周り
に矢印方向に回転すると、接触したカップを下方へ引き
込み、移動させる力がカップに作用する。搬出子４ａ、
４ｂは回転して１つの脚部４ｅ、４ｆがカップの側面よ
り離れ次の脚部４ｅ、４ｆが水平方向になると停止し、
落下してくる上位のカップの側面と接触するのに備え
る。

【００１２】第２の保持子５ａ、５ｂは第１の保持子３
ａ、３ｂと同様の構造を有し、両保持子５ａ、５ｂはそ
れぞれコの字状のロッド５ｃ、５ｄの一端に連結され、
ロッド５ｃ、５ｄの他端は駆動機構５ｅに連結され、駆
動機構５ｅによりロッド５ｃ、５ｄを矢印で示すように
左右の方向に摺動させることにより両保持子間の間隔ｄ
３を調整することができ、間隔ｄ３をカップの径に応じ
た設定値に調整することにより両保持子５ａ、５ｂはカ
ップの側面と接触してカップを抱持し、その設定値より
間隔ｄ３が広がるとカップは解放状態となり、カップは
第１の保持子、搬出子上に落下する。

【００１３】図２はカップ供給機構の一例の、ａは正面
図、ｂは平面図である。２１は縦型回転軸２２の周りに
回転し得る回転ドラムで、ドラム２１には回転軸２２を
中心とする同一円周上に複数個（図の例では６個）のカ
ップ収納筒２３〜２８が取り付けられ、各収納筒内には
それぞれカップが縦方向に積み重ねて収納されており、
その各カップのサイズは自動販売機の設置先、時期、販
売状況等の要素を考慮して定められ、例えば収納筒２
３、２４には6.5オンス用のカップ、収納筒２５〜２７
には9オンス用のカップ、収納筒２８には16オンス用の
カップが収納されている。各収納筒２３〜２８の下端に
はそれぞれ図１に示すカップ搬出機構２が取り付けら
れ、各カップ搬出機構の第１、第２の保持子片間、搬出
子片間の間隔は収納筒内に収納されるカップの径に応じ
た設定値に初調整されており、この設定値に相当する間
隔により第１の保持子は最下位のカップを保持し、搬出
子は最下位のカップの側面と接触状態にあり、第２の保
持子は最下位の上１位のカップを保持する。回転ドラム
２１の下方でカップ収納筒が配置されている同一円周に
相当する位置に１つのカップ搬出ステージ２９が配置さ
れ、各カップ収納筒より搬出されたカップはこの搬出ス
テージ２９上に放出される。

【００１４】図３は上述のカップ供給機構、カップ搬出
機構に対する制御系統図を示し、同等部分には同符号を
付してある。収納筒２３…２８の各下部に設けられたカ
ップ搬出機構２にはそれぞれ設定器６が設けられ、カッ
プ搬出機構２、設定器６はそれぞれライン７、８を介し
て自動販売機の制御部９に接続されている。制御部９は
記憶部１０、操作部１１を有する。記憶部１０には、カ
ップサイズに応じた対をなす保持子間の間隔及び対をな
す搬出子間の間隔の各設定値が記憶されている。販売す
べき飲料に応じどのカップ収納筒２３ないし２８にどの
サイズのカップを収納するかが定められると、操作部１
１により各収納筒のカップ搬出機構の設定器６に対しそ
のサイズに応じた設定値を記憶部１０より取出し送出す
る。各設定器６は送出された設定値に応じてカップ搬出
機構２の駆動機構３ｅ、４ｉ、５ｅを作動せしめ、各収
納筒のカップ搬出機構の対をなす保持子間の間隔ｄ１、
ｄ３、対をなす搬出子間の間隔ｄ２を収納すべきカップ
のサイズに応じた値に調整する。

【００１５】次に本発明の自動販売機の動作を図４の流
れ図を用いて説明する。

【００１６】今自動販売機の商品選択ボタンの１つが操
作され、自動販売機の制御部９から販売信号が発せられ
ると、その選択された商品に応じたカップを収納した収
納筒の内、搬出ステージに最も近い所にある収納筒が検
出され、回転ドラム２１が回転してその収納筒がカップ
搬出ステージ２９に対応する位置に移動される。その収
納筒がカップ搬出ステージ２９上に停止すると、先ず最
下位のカップ１ａを左右から保持していた第１の保持子
３ａ、３ｂの駆動機構３ｅが作動して両保持子３ａ、３
ｂが左右に開き（ステップＳ１）、カップは第１の保持
子３ａ、３ｂから解放される。次いで最下位のカップ１
ａの左右側部に接触していた搬出子４ａ、４ｂが回転す
ることにより１つの脚部４ｅ、４ｆがカップ１ａの側面
を下方へ押しやろうとする力が働き、カップ１ａを降下
させ（ステップＳ２）、やがて搬出子４ａ、４ｂからも
解放されたカップ１ａは搬出ステージ２９上に搬出され
る（ステップＳ３）。カップは通常多数個縦方向に積み
重ねられているため、上下のカップが重みによりくっ付
きあっていることがあり、最下位のカップに第１の保持
子から解放されても重力の作用による自然落下がなかな
か起こらず、最下位の上１位のカップから脱離するのに
時間を要することがあり、カップが搬出ステージに搬出
されるまでの待ち時間が長くなる可能性があり、利用者
に苛苛感を抱かせることになる。本発明においては、第
１の保持子３ａ、３ｂがカップを解放した後、搬出子４
ａ、４ｂが作動することにより強制的にカップを下方へ
落下させるから、カップは迅速に搬出ステージに搬出さ
れ、利用者に不快感を与えることがない。

【００１７】カップ１ａが第１の保持子３ａ、３ｂから
離れると第１の保持子３ａ、３ｂは再び間隔を狭めるよ
うに閉じて設定値ｄ１の間隔で停止し（ステップＳ
４）、一方搬出子４ａ、４ｂも最初最下位のカップ１ａ
と接触していた脚部４ｅ、４ｆがカップを離れ次の脚部
４ｅ、４ｆが水平方向になる位置で停止する（ステップ
Ｓ５）。次いで最下位の上１位のカップ１ｂを保持して
いた第２の保持子５ａ、５ｂが左右に開き（ステップＳ
６）、カップ１ｂを解放し落下させ（ステップＳ７）、
カップ１ｂは第１の保持子３ａ、３ｂにより保持され、
搬出子４ａ、４ｂの脚部４ｅ、４ｆと接触状態となる
（ステップＳ８）。一方第２の保持子５ａ、５ｂは最下
位の上１位のカップ１ｂを解放した後再び閉じ（ステッ
プＳ９）、次いで最下位の上２位のカップ１ｃが落下し
（ステップＳ１０）、第２の保持子５ａ、５ｂはカップ
１ｃを受け止め保持する（ステップＳ１１）。こうして
初期の状態に戻り、次の販売に備え待機する。

【００１８】上述の実施例では、搬出子はスパイダー状
に複数の脚部を備え、これらの脚部をステップ状に回転
させることにより逐次上位のカップと接触状態になるよ
うに構成したが、円盤状に形成し、カップに下降方向の
力を加えながら間隔を広げるようにして、落下するカッ
プから左右に退避する構成をとることもできる。搬出子
のカップと接触する部分は、カップと適度の摩擦を持
ち、搬出子が回転したとき空回りしないことが好まし
い。例えばカップとの接触表面を粗面化したり、カップ
との間の摩擦が大きい材料の層を取り付けたりすること
ができる。

【００１９】カップ収納筒にはそれぞれ売切れセンサと
売切れセンサが作動したとき応動する表示灯を設け、カ
ップが売切れになったことを操作員に報知するようにす
ると管理上好都合である。

【００２０】販売信号に応じて搬出ステージから最短距
離にあるカップ収納筒を選択するためには、回転ドラム
の各収納筒の搬出ステージに対する位置にアドレスを付
し、一方各収納筒に番号を付し、どの収納筒が現在どの
位置にあるかを常に検出し、要求されるカップサイズに
対応する収納筒の存在位置と回転ドラムの回転方向とか
ら最終的に搬出すべき収納筒の番号と回転ドラムの回転
方向とを判断して、その収納筒を搬出ステージ上に移動
させればよい。

【００２１】

【発明の効果】本発明によれば、全く同一のカップ搬出
機構を使用し、制御部からの操作により各カップサイズ
に対応した設定値をカップ搬出機構に送出することによ
り、カップ収納筒をそれぞれ自動的に任意のカップサイ
ズに設定することができ、異なるサイズのカップを使用
する場合にも極めて簡単に対応可能であり、しかもサイ
ズの異なるカップを同一のカップ搬出機構で確実に搬出
することができ、製作上、管理上も有利であり、積み重
ねられたカップの上下のカップ同士が付着していること
があっても迅速に搬出が行われ、利用者に待ち時間によ
る不快感を抱かせることがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のカップ搬出機構の実施例の、ａは正面
図、ｂは第１の保持子の平面図、ｃは搬出子の平面図、
ｄは第２の保持子の平面図である。

【図２】本発明のカップ供給機構の実施例の、ａは正面
図、ｂは平面図である。

【図３】本発明の制御系統図の説明図である。

【図４】本発明の動作を説明するための流れ図である。

【符号の説明】

１ カップ列 ２ カップ搬出機構 ３ａ、３ｂ 第１の保持子 ３ｃ、３ｄ ロッド ３ｅ 駆動機構 ４ａ、４ｂ 搬出子 ４ｃ、４ｄ 回転軸 ４ｅ、４ｆ 脚部 ４ｇ、４ｈ ロッド ４ｉ 駆動機構 ５ａ、５ｂ 第２の保持子 ５ｃ、５ｄ ロッド ５ｅ 駆動機構 ６ 設定器 ７ ライン ８ ライン ９ 制御部 １０ 記憶部 １１ 操作部 ２１ 回転ドラム ２２ 縦軸回転軸 ２３〜２８ カップ収納筒 ｄ１ 第１の保持子間の間隔 ｄ２ 搬出子間の間隔 ｄ３ 第２の保持子間の間隔

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 縦方向に積み重ねたカップ列からカップ
   搬出機構によりカップを搬出する自動販売機において、
   カップ搬出機構は、カップ列の最下位のカップの左右側
   部に配置した一対の第１の保持子と、この第１の保持子
   の下方においてカップの左右側部に配置した一対の搬出
   子と、第１の保持子の上方において最下位の上１位に置
   かれたカップの左右側部に配置した一対の第２の保持子
   とを備え、第１の保持子と第２の保持子とはそれぞれカ
   ップを左右側部から保持し得ると共に各対をなす保持子
   間の間隔が可変であり、搬出子はカップと接触状態にお
   いて回転することによりカップに下方へ移動する力を加
   え、且つ対をなす搬出子間の間隔が可変であることを特
   徴とする自動販売機。
2. 【請求項２】 縦方向に積み重ねたカップ列を収容する
   収納筒を複数個回転ドラム上に配置し、各収納筒の下端
   にそれぞれカップ搬出機構を設け、回転ドラムの下方に
   カップ搬出ステージを配置し、回転ドラムを回転するこ
   とにより所定の収納筒をカップ搬出ステージ上に移動可
   能にしたことを特徴とする請求項１記載の自動販売機。
3. 【請求項３】 各対をなす第１の保持子間の間隔、第２
   の保持子間の間隔、及び搬出子間の間隔がカップサイズ
   に応じた設定値に調整可能であることを特徴とする請求
   項１又は２記載の自動販売機。
4. 【請求項４】 各対をなす保持子間の間隔及び搬出子間
   の間隔の各設定値が自動販売機の制御部に記憶され、制
   御部の操作部により各収納筒に収納するカップのサイズ
   に応じた設定値を設定可能であることを特徴とする請求
   項３記載の自動販売機。