JP2003030254A - 3次元形状モデル変形方法 - Google Patents

3次元形状モデル変形方法

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JP2003030254A
JP2003030254A JP2001217170A JP2001217170A JP2003030254A JP 2003030254 A JP2003030254 A JP 2003030254A JP 2001217170 A JP2001217170 A JP 2001217170A JP 2001217170 A JP2001217170 A JP 2001217170A JP 2003030254 A JP2003030254 A JP 2003030254A
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dimensional shape
shape model
line
deformation
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JP2001217170A
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Toshiyuki Hibi
稔之 日比
Takashi Nagata
隆司 永田
Akihiko Tanaka
昭彦 田中
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Computer Engineering and Consulting Ltd
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Toyota Motor Corp
Computer Engineering and Consulting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 3次元形状モデルの変形を、簡単な変形条件
の指定のみで自動的に行えるようにする。 【解決手段】 変形対象のFEMモデル10の各稜線
(移動元稜線)12に対し、ユーザから、変形後の稜線
形状を示す移動先稜線22を変形条件としてそれぞれ指
定してもらう。各稜線12上のメッシュ節点を拘束点1
7とし、各拘束点17から移動先稜線22に下ろした垂
線の足を、当該拘束点17の移動先27として計算す
る。拘束点17以外の節点16(非拘束点)について
は、それら各拘束点17の移動に合わせて、その移動先
を決定する。メッシュ構造を保ったまま、それら各拘束
点、非拘束点を移動させることで、FEMモデル10を
変形条件に合わせて変形させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有限要素法などの
数値解析やCAD(コンピュータ支援設計)などで用い
る3次元形状モデルの変形のための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年製造業では、CADを用いて製品、
部品、型などの3次元形状を設計したり、CADで得ら
れたCADモデルから有限要素法等のための解析モデル
を生成し、これを用いて製品の構造解析等を行ったりす
ることが一般的になっている。
【0003】また、新たなCADモデルや解析モデル等
を作成するのに、これに類似した既存のCADモデルや
解析モデルに対し変更を加えるというアプローチによ
り、作業効率を向上させようとする試みも盛んである。
例えば、軽微な設計変更が行われた場合に、変更前の設
計に対応した解析モデルを取り出し、そのモデルの設計
変更部位に対し、設計変更に応じて手作業でメッシュの
変更を加えていくということは広く行われている。
【0004】もちろん、このような手作業によるモデル
の変更には多大の労力、時間、コストを要するので、こ
の作業負担を軽減するシステムの研究、開発も盛んに行
われている。
【0005】例えば特開2000−331193号公報
には、3次元有限要素メッシュモデルの形状変更のため
に、モデルの形状を変更するための変更情報を入力し、
その変更情報から形状変更指示部位における節点の移動
方向と移動量を算出し、その形状変更指示部位における
節点の移動により影響を受ける範囲を求め、この影響範
囲の各節点の移動方向と移動量を算出し、これら各節点
の移動方向及び移動量に基づきメッシュモデルの形状変
更を行う方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開2000−331193号公報の方法では、変更情報
としてユーザが指定できるのは、形状変更指示部位であ
る面の変更角度や稜線の変更移動量に限られており、変
形の自由度が低いという問題があった。このため、適用
できる状況が限られていた。
【0007】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであり、CADモデルや解析モデル等の
3次元形状モデルの変形の仕方を比較的高い自由度で指
定することができ、この指定に従って自動的にその形状
モデルを変更できる方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、3次元形状モデルをコンピュータを用い
て変形する方法であって、3次元形状モデルにおける所
定の基準線の移動先である移動先目標線、の指定を受け
付け、前記3次元形状モデルにおいて、前記基準線に対
応する節点を拘束点として求め、前記移動先目標線上で
前記各拘束点に対応する移動目標点を求め、前記3次元
形状モデルの各拘束点をそれぞれ対応する移動目標点に
移動させ、前記3次元形状モデルにおける前記拘束点以
外の節点である各非拘束点を、前記各拘束点の移動ベク
トルに応じて移動させることにより、前記3次元形状モ
デルを前記移動先目標線に合わせて変形する。
【0009】この方法により、ユーザが変形条件として
基準線の移動先を指定することで、3次元形状モデルを
その条件に合わせて自動変形することができる。
【0010】ここで、変形の基準となる基準線として
は、3次元形状モデルの稜線や断面線などを用いること
ができる。ただし、基準線はこれらに限定されるもので
はなく、例えばモデルの面上でユーザが指定した線など
を基準線として用いることもできる。
【0011】この発明の好適な態様では、非拘束点を移
動させるステップは、該非拘束点の移動ベクトルを、近
傍の各節点の移動ベクトルの加重平均から求めるサブス
テップを含み、この加重平均に関し、拘束点には非拘束
点よりも大きい重みが初期値として付与されることを特
徴とする。
【0012】この態様によれば、非拘束点を、近くの拘
束点の移動に合わせて移動させることができる。
【0013】また本発明は、3次元形状モデル上で、互
いに対応する2つの部位に対して第1基準断面線及び第
2基準断面線の設定を受け付け、前記第1基準断面線の
変形による移動先である第1移動先目標線と、前記第2
基準断面線の変形による移動先である第2移動先目標線
との設定を受け付け、前記3次元形状モデルを規定する
節点について、前記第1基準断面線上の対応点と第2基
準断面線上の対応点を求め、これら対応点同士を結ぶガ
イド線における前記節点の対応点である移動元ガイド点
を求め、前記3次元形状モデルの前記節点について、前
記第1移動先目標線上の対応点と第2移動先目標線上の
対応点を求め、これら対応点同士を結ぶガイド線上での
前記節点の対応点である移動先ガイド点を求め、前記3
次元形状モデルの節点を、これに対応する移動元ガイド
点と移動先ガイド点との位置差分だけ移動させることに
より、前記3次元形状モデルを変形するという方法を提
供する。
【0014】この発明によれば、モデル上のすべての節
点を、第1基準線や第2基準線からの距離にかかわりな
く、モデル両端を結ぶガイド線の変化という同じ基準に
移動させることができるので、変形結果にたわみが発生
することを抑制することができる。
【0015】また本発明は、基準部材の3次元形状モデ
ルについての変形条件を受け付け、前記基準部材の変形
に応じて変形させたい追従部材の3次元形状モデルの各
節点に対し、前記基準部材の3次元形状モデルの部位で
あって当該節点から所定距離以内にあるものを、当該節
点に対する対応部位として求め、前記基準部材の3次元
形状モデルを前記変形条件に従って変形すると共に、前
記追従部材の3次元形状モデルの節点を、前記変形の際
の前記基準部材の3次元形状モデルの対応部位の移動ベ
クトルに応じて移動させることで、前記追従部材の3次
元形状モデルを変形させる、方法を提供する。
【0016】この発明によれば、追従部材に対して変形
条件を指定しなくても、基準部材の変形に追従して変形
させることが可能になる。
【0017】これら本発明の方法は、典型的にはコンピ
ュータシステム上で実行されるアルゴリズム又はプログ
ラムとして実現される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0019】[システム構成例]図1は、本発明に係る
3次元形状モデル変形方法を利用した設計・解析・製造
統合(CIM:Computer Integrated Manufacturing)
システムの機能ブロック図である。このシステムは、大
まかに分けて、アプリコマンド部100とプラットフォ
ーム部200から構成される。
【0020】アプリコマンド部100は、製品・部品の
設計・解析・製造のための各種アプリケーションプログ
ラム、ツールの集まりであり、CADシステム110、
CAE(コンピュータ支援エンジニアリング)システム
120、CAM(コンピュータ支援製造)システム13
0などを含む。CADシステム110は、製品・部品の
設計のための各種環境、ツールを提供するプログラムや
データの集まりであり、ユーザの操作に応じ、線や面、
立体形状など、製品/部品の形状を規定する各種トポロ
ジ要素を生成し、それら各要素のジオメトリ(形状、寸
法)情報及びその他の属性情報を生成する。CAEシス
テム120は、CADでの設計結果に対し、有限要素法
(FEM)などの各種数値解析、シミュレーションを実
行するためのプログラムやデータの集まりであり、例え
ばCADで生成したモデルから、有限要素用のFEMモ
デル(メッシュモデル)を生成したり、与えられた解析
条件に応じこのFEMモデルを用いて解析を行ったりす
る。CAMシステム130は、CADでの設計結果に合
わせて、当該製品・部品の製造工程を管理するためのプ
ログラムやデータの集まりであり、例えばCADモデル
(データ)から数値制御工作機械の制御データを生成す
るなどの処理を行う。
【0021】これらCADシステム110、CAEシス
テム120、CAMシステム130は、従来から様々な
ものが開発・利用されているが、本実施形態でも基本的
にはそのような従来システムを利用することができる。
ただし、本実施形態では、CAEシステム120内に、
従来にないモデル変形システム122を備えている。こ
のモデル変形システム122は、CAEシステム120
で生成及び/又は利用されるFEMモデルなどの解析モ
デルを、ユーザの指定する変形条件に合わせて変形する
ためのシステムである。このモデル変形システム122
の詳細については、後に詳細に説明する。
【0022】プラットフォーム部200は、ユーザイン
タフェースを提供したり、ユーザ指示に応じてアプリコ
マンド部100のシステム/プログラム群を実行させた
りするためのシステムである。プラットフォーム部20
0において、対話処理部210は、ユーザとの間での対
話的な入力を受け付けるためのシステムである。表示部
220は、生成された3次元モデルや各種解析結果など
の表示を行うシステムである。DB(データベース)部
230は、生成されたCADモデル232やFEMモデ
ル234など、各種データを保持・管理するシステムで
ある。
【0023】以上説明したCIMシステムは、スタンド
アローンのコンピュータシステム、ネットワークを介し
たクライアント・サーバシステム、分散システムなど、
様々なハードウエア構成のコンピュータシステムで実現
できる。
【0024】[全体の作業手順]以下、モデル変形シス
テム122によるモデル変形処理の内容を説明してい
く。
【0025】図2は、モデル変形システム122を用い
た解析モデル(以下ではFEM等のメッシュモデルの場
合を例示する)の変形作業の全体的な流れを示すフロー
チャートである。この作業手順では、まずユーザが対話
処理部210から変形条件を入力する(S10)。変形
条件には、変形対象とするエンティティ(製品や部品)
の指定が含まれる。DB部230に登録されたエンティ
ティの中から、ユーザが変形対象に選んだものを指定す
る。以下では、部品が指定されるものとして説明する。
このほかに変形条件としては、FEMモデルの稜線や断
面の移動条件などがある。これら移動条件については、
後に詳細に説明する。
【0026】変形条件が入力されると、モデル変形シス
テム122は、その条件に従って、対象部品のFEMモ
デルの変形を行う(S12)。本実施形態では、複数の
モデル変形方式を利用可能としている。そのうちの1
つ、稜線基準変形方式は、モデルの稜線の変形前後での
移動の仕方(移動条件)をユーザに指定してもらうか、
ある規約の元に自動認識させ、この条件に合わせて稜線
を移動させると共に、その他の部位を稜線移動に応じて
移動させることで、モデル全体を変形させる方式であ
る。断面基準変形方式は、モデルの断面線の変形前後で
の移動の仕方(移動条件)をユーザに指定してもらう
か、ある規約の元に自動認識させ、この条件に合わせて
断面線を移動させると共に、その他の部位を断面線移動
に応じて移動させることで、モデル全体を変形させる方
式である。両者併用方式は、稜線移動及び断面線移動の
両方を指定することで、それら両方を満足するようにモ
デルを変形する方式である。これら各方式については、
後に詳細に説明する。また、このほかに、本実施形態の
システムは、複数部品同時変形機能を提供する。これ
は、1つの部品について上記のいずれかの方式による変
形条件を指定すると、この部品の変形に合わせて他の部
品を変形させる機能である。この機能も、後に詳細に説
明する。モデル変形システム122は、これら各種変形
方式、機能のうち、S10で入力された変形条件の内容
に適合したものを選択し、実行する。もちろん、変形方
式、機能の指定を明示的に受け付けるようにしてもよ
い。
【0027】変形処理が完了すると、その変形結果のモ
デルをDB部230に格納したり、表示部220に表示
したりする(S14)。
【0028】以下、各変形方式、機能での変形処理の内
容を詳細に説明する。
【0029】[稜線基準変形方式]図3〜図10を参照
して、稜線基準変形方式による変形処理を説明する。
【0030】図3に示すように、この手順では、モデル
変形システム122は、まずユーザが指定した稜線移動
条件を取得する(S20)。
【0031】図4は、稜線移動条件を説明するための図
である。この図においてFEMモデル10が変形対象部
品の有限要素メッシュモデルである。この部品は、図5
に示す断面形状を長手方向にスイープ(掃引)した形状
をしている。例えば自動車ボデー等の構造材又は補強材
として用いられる板部品等を想像してもらえばよい。さ
て、周知のように、FEMモデルはメッシュ構造をなし
ており、個々のメッシュの「目」に対応する微小面をメ
ッシュ要素14と呼ぶ。また、そのメッシュ要素14を
取り囲む個々の辺をメッシュ辺15と呼び、メッシュ要
素14の各頂点を節点16と呼ぶ。
【0032】この部品の3次元形状の場合、図中破線で
示した稜線12−1〜12−6の6本の稜線が存在す
る。これらは変形前のFEMモデル10に存在する稜線
であり、当該部品の断面形状の延伸する方向に沿った稜
線である。ここではメッシュの各節点を移動させること
によりFEMモデルの全体形状を変形するので、変形前
のモデル10上の稜線12−1〜12−6を移動元稜線
と呼ぶことにする。
【0033】この方式の場合、稜線移動条件として、こ
れら各移動元稜線12−1〜12−6が変形により移動
する移動先である、移動先稜線22−1〜22−6の指
定を受け付ける。これら各移動先稜線22−1〜22−
6は、例えば、CADにおける3次元曲線の入力と同様
の方式で指定できるようにする。図4の例では、モデル
10に存在するすべての稜線について移動先を指定して
いるが、移動先の指定を一部の稜線だけにすることもで
きる。ただしこの場合、全部の稜線について移動先を指
定した場合に比べ、拘束条件が減る分ユーザの意図する
変更形状からずれる可能性がある。
【0034】次に、モデル変形システム122は、変形
前のFEMモデル10において、移動元稜線12−1〜
12−6上の節点を求め、これらを稜線上拘束点17と
して記憶する(S22)。ここでは、モデル10上の各
節点ごとに、その節点から延びるメッシュ辺のうち、異
なるメッシュ要素に属する2つのメッシュ辺同士のなす
角を調べ、その角が所定角度α(0°<α<180°。
例えばα=150°)以下であれば、その節点を稜線上
拘束点17に選ぶ。また、節点から延びる辺がすべて同
じメッシュ要素に属するものである場合、その節点はモ
デル10の端縁の稜線12−1,12−6上にあるの
で、これも稜線上拘束点17に選ぶ。この稜線上拘束点
17の判定方法はあくまで一例であり、他にもいくつか
方法が考えられる。例えば、移動先稜線22−1〜22
−6と同じ要領でユーザに移動元稜線12−1〜12−
6の曲線形状を入力してもらい、その曲線の近傍所定距
離内にある節点を稜線上拘束点17に選んでもよい。
【0035】変形前FEMモデル10での稜線上拘束点
17が決定されると、次にモデル変形システム122
は、それら稜線上拘束点17の変形による移動先を決定
する(S24)。ここでは、図7に示すように、変形前
モデル10の移動元稜線12上の拘束点17から、その
稜線12に対応する移動先稜線22に対して垂線を下ろ
し、その垂線の足(稜線22との交点)を移動先位置2
7とする。これを、すべての稜線上拘束点17について
行う。なお、移動元稜線12と移動先稜線22の対応付
けは、変形条件としてユーザに入力してもらってもよい
し、ある規約の元で自動認識させてもよい。
【0036】ここまでの処理により、各拘束点17の移
動先が決定された。後は、FEMモデル10の残りの節
点(拘束点17以外のもの。非拘束点と呼ぶ)の移動先
を計算することで、モデル全体の変形後の形状が定まる
(S26)。本実施形態では、各拘束点の移動量(ベク
トル量)を周囲の非拘束点に伝搬させていくことで、各
非拘束点の移動量を定める。移動の伝搬は、例えば、熱
伝導のごとく拘束点に近いものほどその拘束点の移動の
影響を強く受けるようにする。非拘束点の移動量は、各
拘束点からの影響の総和となる。この方式による非拘束
点移動先の計算手順の一例を図8に示す。
【0037】この手順では、まずFEMモデル10の各
節点(拘束点及び非拘束点のすべて)の重みと、各非拘
束点の移動ベクトルを初期化する(S30)。重みの初
期化では、非拘束点に対し拘束点よりもはるかに小さい
重み初期値を与えることにより、全体として各非拘束点
に対し拘束点の移動の影響を強く与えることができる。
また、各非拘束点の移動ベクトルは、零ベクトルに初期
化する。なお、拘束点の移動ベクトル(移動量)は、前
述のステップS24で決まった当該拘束点の移動先位置
と、当該拘束点の移動元の位置との差分で求められる。
【0038】次に、FEMモデル10内の各非拘束点ご
とに、ステップS34及びS36の処理を行う。これを
モデル10内のすべての非拘束点について繰り返す(S
32)。
【0039】ステップS34では、注目する非拘束点P
の移動ベクトルMを、次の式に従って計算する。
【0040】
【数1】M=(ΣMi*Wi)/ΣWi ここで、Mi及びWiはそれぞれ、図9に示すように、
注目する非拘束点Pに対し、メッシュ辺を介して隣接し
ている節点(拘束点、非拘束点のどちらでもよい)Qi
の移動ベクトルMiと重みWiである。Σは、それら全
隣接節点に関する総和を示す。
【0041】すなわち、注目する非拘束点Pの移動ベク
トルは、隣接節点の移動ベクトルの加重平均によって決
定される。したがって、非拘束点Pは、重みの大きい隣
接節点の移動の影響を大きく受けることになる。この方
法を重心平滑法と呼ぶ。
【0042】注目非拘束点Pの移動ベクトルが求められ
ると、次にその点Pの重みを更新する(S36)。ここ
では、一例として、非拘束点Pの重みを、前記隣接節点
Qiの中の最大の重みの値に更新する。この場合、点P
の隣接節点の中に拘束点があれば、その拘束点の大きい
重み値が点Pに引き継がれることになる。このとき点P
はその拘束点の影響で大きく移動している(すなわち点
Pの移動ベクトルがその拘束点の移動ベクトルの影響を
受けている)ので、上記のごとく点Pの重みを大きくす
ることで、次の繰り返し(S32)で点Pの移動を隣接
する非拘束点に伝搬させることができる。非拘束点Pの
重みを隣接節点Qi中の最大重みに更新するという方法
はあくまで一例である。基本的には、拘束点の移動の影
響を受けた非拘束点の重みが大きくなるようにすれば、
拘束点の移動を非拘束点に順に伝搬させていくことがで
きる。
【0043】以上のステップS34及びS36がモデル
10の全非拘束点について完了すると、モデル10の各
非拘束点の移動ベクトルが一通り更新されたことにな
る。ただ、ステップS32のループを一回行っただけで
は、拘束点の移動が隣の非拘束点に伝搬するのみであ
り、これではモデル10全体の変形としては不十分であ
る。そこで、所定の終了条件を満足するまで、ステップ
S32のループを繰り返す(S38)。例えば、モデル
10中の各非拘束点の移動ベクトルMの変化量の最大値
が所定のしきい値以下になった場合に、ループ処理S3
2の繰り返しを終了するという終了条件が考えられる。
この条件は、ステップS32を実行しても各非拘束点の
位置が微少量しか変化しなくなった場合に、各拘束点の
移動の影響が各非拘束点に十分に行き渡ったと判断する
ものである。なお、実用的には、更にループ処理S32
の繰り返し回数について上限を定めておき、この上限に
達したことを終了条件とすることも好適である。
【0044】ステップS38で終了条件が満足される
と、非拘束点の移動先計算処理(S26)が終了する。
このときの各非拘束点の移動ベクトル分だけ、それら各
非拘束点の位置を変形前の位置から移動させることによ
り、各非拘束点の移動先位置が求められる。拘束点の移
動先は既にS24で求められているので、これによりモ
デル10のすべての節点の移動先位置が決まったことに
なる。各節点を、相互の接続関係を維持したまま、対応
する移動先位置に移動させることで、変形されたFEM
モデルが得られる。図10は、図4に示したモデル10
及び稜線移動条件(移動先稜線22−1〜22−6)に
対応する変形結果を示す図である。この図では、変形前
後の比較のため、変形前の稜線12−1〜12−6(破
線)を示しているが、当然ながらこれらは変形結果のモ
デル上には存在しない。
【0045】このように、稜線基準変形方式によれば、
モデル10上の各稜線について移動先稜線を指定するこ
とで、それら稜線上にない節点(非拘束点)も、それら
移動先稜線に合わせて移動させることができる。すなわ
ち、ユーザは、既存のFEMモデル10に対し、各稜線
の移動先稜線を指定することで、モデル10全体をそれ
ら移動先稜線に適合した形状に変形することができる。
【0046】また、この方式では、変形条件として稜線
の移動先(すなわち変形後の稜線の形状)を指定するこ
とができるので、従来技術のように変更角度や変更移動
量などを指定するのに比べ、変形条件の指定が直感的に
行いやすいというメリットもある。
【0047】[断面基準変形方式]図11〜図20を用
いて、断面基準変形方式によるモデル変形処理の内容を
説明する。
【0048】上記稜線基準変形方式では、モデル上に存
在する稜線の移動先を変形の拘束条件としたのに対し、
この断面基準変形方式では、モデルを1つの平面で切り
取った場合の断面について、その移動先の断面形状を変
形の拘束条件とする。基本的な処理方式は稜線基準変形
方式と同様である。すなわち、モデル上で指定した変形
前の旧断面の近傍の節点(拘束点)を、移動先の新断面
に合わせて移動させ、それ以外の節点(非拘束点)をそ
れら拘束点の移動に追従して移動させるというものであ
る。
【0049】図11に示すように、この手順では、モデ
ル変形システム122は、まずユーザが指定した断面移
動条件を取得する(S40)。図12及び図13を用い
て、断面移動条件について説明する。この例では、断面
移動条件として、変形前のモデルに対する切断面をユー
ザに指定してもらうか、ある規約の元に対応する切断面
を自動認識させ、その切断面とモデルとの交線である断
面線(旧断面線18)の変形後の形状である新断面線2
8を認識させる。図12ではモデル10と新旧断面線2
8,18との関係を斜視図として示しており、図13で
は新旧断面線28,18を正面(前記切断面に垂直な方
向)から見た様子を示している。
【0050】ここで、指定できる新断面線28は、旧断
面線と同じトポロジのものとする。すなわち、図13の
例では、旧断面線18は5つの線分(セグメント)が折
れ曲がりながら順に接続されるというトポロジ構造を有
しているのでので、新断面線28も同じく順次接続され
た5セグメントからなるものとする。そして、各セグメ
ントについては、位置や向きはもちろん、長さについて
もある程度の変更を可能とする。すなわち、ここでは、
断面線のセグメントの拡大縮小を許容する。図13の例
では、新断面線28の高原部28aが、旧断面線18の
高原部18aに対して狭くなっている。
【0051】なお、旧断面線のトポロジを保存しない新
断面線を指定した場合でも、旧断面線の各セグメントに
対応する新断面線の部位をユーザが明示的に指定するよ
うにすれば、以下の処理に支障はない。
【0052】また、図13の例では1つの断面に関する
移動条件を示したが、複数の断面について移動条件(新
旧断面線)を指定することも可能である。
【0053】断面移動条件が得られると、次にモデル変
形システム122は、変形前のFEMモデル10の節点
群から、旧断面線18に対応する拘束点(断面拘束点)
を決定する(S42)。図14に示すように、旧断面線
18を規定する切断面(断面A及び断面B)は、メッシ
ュの節点上を通る場合よりも、節点同士の間のメッシュ
辺32を横切ることが一般的である。そこでこの実施形
態では、その切断面と交わるメッシュ辺の両端の節点3
0aを拘束点に選ぶ。その他の節点30bは非拘束点と
なる。
【0054】拘束点が決まると、次にモデル変形システ
ム122は、それら拘束点の移動先を計算する(S4
4)。ただし、この断面基準変形方式では、各拘束点が
切断面上にないことを想定しており、また断面線の各セ
グメントの拡大縮小を認めているので、稜線基準変形方
式のように拘束点から移動先のライン(移動先稜線、新
断面線に相当)に単に垂線を下ろすといった方法では、
適切な移動先が決まらない。
【0055】そこで、ここでは、旧断面線18を規定す
る切断面とモデル10のメッシュ辺との交点(これは1
つに決まる)を、新断面線28に合わせて移動させたと
きの移動量(ベクトル)を求め、そのメッシュ辺両端の
各拘束点30aを同じ移動量だけ動かした先を、それら
各拘束点30aの移動先とする。また、その交点の移動
量を決める際に、断面線セグメントの拡大縮小を考慮に
入れることで、セグメント長さの変化に応じて適切な拘
束点移動先が決まるようにする。以下、この処理の詳細
を説明する。
【0056】まず旧断面線18と新断面線28との間
で、セグメント同士の対応付けを行う。ここでは、例え
ば図15に示すように、旧断面線18において開始点1
8sから順に連続する各セグメント(1)〜(5)が、
新断面線28において開始点28sから順に並んだ各セ
グメント(a)〜(e)にそれぞれ対応づけられてい
く。なお、各断面線18,28の開始点18s,28s
はユーザに指定してもらえばよい。
【0057】次に、モデル10のメッシュ辺と切断面と
の交点を、旧断面線18のセグメントと関連づける。
【0058】ここで、図16に示すように、拘束点30
a同士を結ぶメッシュ辺32は旧断面線18とは一般に
交わらないので、メッシュ辺32と切断面40との交点
35は一般に旧断面線18上にない。これは以下のよう
な理由からである。すなわち、FEMモデル10の節点
は、CADモデルの面を基準に自動生成されるが、必ず
しもそのCAD面上に正確に位置するようには生成でき
ない。一方、旧断面線18は、厳密にはCADモデルと
切断面の交線として求める。このため、FEMモデル1
0のメッシュ辺32上の交点35は、一般にCADモデ
ル上で定めた旧断面線18上に乗ってこない。なお、断
面線をCADモデルと切断面との交線として規定するの
は、ユーザが対象部品の形状として思い描いているのが
CADモデルの形状であり、FEMモデルはその近似形
状に過ぎないからである。また、FEMモデルと切断面
との交線は、メッシュの区切り毎に微小なジグザグが繰
り返す形状となり、これでは新断面線との対応付けが困
難でもある。
【0059】交点35と旧断面線18との対応付けの方
法を図17を参照して説明する。この処理では、交点3
5から、旧断面線18のセグメントのうち近傍のもの
(図示例ではセグメント(3))に対して垂線を下ろ
す。そして、その垂線の長さh(但しセグメントに対し
上下どちら側にあるかを示すために正負の符号を導入す
る)と、当該セグメントの所定の端点(例えば断面線1
8の開始点18s側の端点)からその垂線の足までの線
長sを求める。なお、図においてLは当該セグメント
(3)の全長である。
【0060】交点35の位置は、このセグメントの識別
情報(3)、h及びsの3つ組により、一意に特定でき
る。したがって、この対応付け処理では、注目する交点
35に対し、それら3つ組の情報を記憶する。
【0061】交点35と旧断面線セグメントとの対応付
けが終わると、この対応付け情報を利用して、変形によ
るその交点35の移動先を計算する。ここでは、次の式
に従って変形後の交点位置を示す線長及び垂線長s’,
h’を求める。
【0062】
【数2】s’=s・L’/L h’=h・L’/L ここで、L’は変形後の形状を規定する新断面線28の
対応セグメントの長さである。すなわち、この演算で
は、交点位置を示すs’,h’を、パラメータ変形によ
る断面線セグメントの拡大縮小に比例させている。
【0063】パラメータs’,h’が定まると、交点3
5に対応する旧断面線18のセグメント(3)に対応す
る新断面線28のセグメントを求め、この新断面線セグ
メントの所定端点(例えば開始点28s側)から当該セ
グメント上を線長s’だけ進んだ点から垂線を延ばし、
その垂線上で垂線長h’だけ進んだ位置(進む向きは
h’の符号で決まる)を交点35の変形による移動先位
置に定める。また、この移動先位置と交点35の位置と
の差分を求めることで、変形による交点35の移動ベク
トルが分かる。
【0064】交点35の移動先及び移動ベクトルが決ま
ると、その交点35を通るメッシュ辺32の両端の拘束
点30aをその交点35の移動ベクトルと同じベクトル
で移動させることにより、それら各拘束点30aの移動
先位置が決定される。
【0065】以上の処理を、メッシュ辺32と切断面と
のすべての交点について行うことで、すべての拘束点の
移動先が求められる。
【0066】以上がステップS44の処理である。仮に
このようにして求められた移動先位置に各拘束点30a
を移動させたとすると、図18に示すような状態とな
る。後は、これら拘束点30aの移動に合わせて各非拘
束点30bを移動させることにより、最終的な変形結果
が求められる(S46)。
【0067】この場合、非拘束点の移動先は、稜線基準
変形方式の場合と同様、重心平滑法により求めることが
できる。基本的な処理手順は図8に示した手順と同じで
よい。
【0068】ただ、稜線基準変形方式の場合と同じ方法
で重心平滑法を適用したのでは、断面部から遠い非拘束
点には、断面部分の移動が伝搬しにくい。例えば変形に
よりセグメントの長さを拡大する場合、図19に示すよ
うに、変形条件である断面AとBの中間部では、断面近
傍に比べて非拘束点の移動が小さく、メッシュ形状に歪
みが生じてしまう可能性がある。このような問題が生じ
るのは、稜線基準変形方式のときの手順では、すべての
非拘束点の重みを、全く平等に付与し、更新していたた
めである。すなわち、重みの更新により、注目する非拘
束点Pの周囲の節点がすべて同じ重み(拘束点の重み
値)になってしまえば、それら節点が拘束点か否かによ
らず、点Pに対して同じ影響をもたらしてしまう。
【0069】断面基準変形方式には、例えば、縦通材な
どの長尺部材のモデル変形を行う場合に、該部材の両端
近傍の各断面の移動条件を指定して変形させるといった
利用法が想定されるが、このような場合断面間の距離が
大きくなるので、非拘束点の「移動不足」の問題は顕著
になる。なお、稜線基準変形方式の場合でも、稜線間の
間隔が大きい場合には同様の問題が起こる可能性も考え
られるので、そのような場合には、以下の手法を適用す
ればよい。
【0070】さて、その問題を解消するために、本実施
形態では、拘束点に近い節点ほど大きい値となる第2の
重みを導入し、稜線基準変形方式で用いていた重みとこ
の第2の重みとの積を、重心平滑法(図8のS34)に
おける当該節点の重みWiとして用いる。これにより、
注目する非拘束点Pの移動ベクトルを決めるに当たり、
拘束点に近い節点ほど強い影響を及ぼすようにすること
ができるので、拘束点の移動の影響をより速やかに各非
拘束点に伝搬することができる。
【0071】例えば、この第2の重みは、拘束点からの
経路数をもとに定めることができる。経路数は、注目す
る節点から、メッシュ辺をたどって拘束点まで達する際
の通過するメッシュ辺の数である。拘束点が複数あれば
1つの節点についての経路数は複数求められるし、拘束
点が一つでも同じメッシュ辺を繰り返し通過することを
認めれば経路数は複数求められるが、ここではそれらの
うちの最小値を当該節点の経路数とする。したがって、
拘束点自身の経路数は0であり、拘束点に対して1つの
メッシュ辺を介して隣接した非拘束点の経路数は1とな
る。経路数の例を図20に示す。この図では、各節点
(拘束点、非拘束点)の右肩に表示された数値がそれら
各節点の経路数である。
【0072】より厳密には、経路数は次の式に従って再
帰的に決定される。
【0073】
【数3】注目点Pの経路数=min(隣接点Qiの経路
数)+1 (ただし、拘束点の経路数は0とする) ここで、注目点Pと隣接点Qiの関係は、図9に示した
ものを想定されたい。
【0074】第2の重みは、このように定めた経路数が
大きいほど小さい値となるよう、適切な関数を用いて決
めればよい。例えば、次のような関数を用いることもで
きる。
【0075】
【数4】第2の重み=(1/経路数)0.5
【0076】この第2の重みを用いて節点の最終的な重
みを決めると、後は図8に示した手順で処理を行えば、
各非拘束点の移動ベクトル及び移動先を計算することが
できる。なお、ステップS36の重みの更新処理は、第
2の重みについては行わない。
【0077】以上の手順により、拘束点、非拘束点のす
べての移動先が決定されるので、これに従ってモデル1
0を変形させることができる。
【0078】このように、断面基準変形方式によれば、
モデルの断面線についての変形条件を指定することで、
それら断面線から離れた各非拘束点も、それら断面の形
状変形に合わせて移動させることができる。
【0079】なお、この方式では、移動条件指定した断
面から離れた非拘束点ほど、断面の移動への追従性が悪
くなってしまうので、例えば長尺の部材では条件指定し
た断面から遠く離れた部分が十分変形しない可能性があ
る。このようなことを避けるには、例えば長尺物の場
合、移動条件指定する断面を、長手方向に沿って、相互
の間隔が広くなりすぎないようにいくつか設定すればよ
い。
【0080】[両者併用方式]以上に説明した稜線基準
変形方式及び断面基準変形方式を併用し、より詳細に変
形条件を指定できるようにとすることも好適である。
【0081】この場合、図21に示すように、稜線の移
動先である移動先稜線22と、旧断面線18の移動先で
ある新断面線28との指定をユーザから受け付ける。こ
の場合のモデル変形システム122の処理は、前述の稜
線基準変形方式、断面基準変形方式のいずれか一方を先
に実行し、その実行結果に対してもう一方の方式の処理
を実行するという手順で行えばよい。例えば、まず断面
移動条件を満足するようにモデルを変形し、その変形結
果に対し、稜線移動条件を満足するように変形処理を行
うという手順となる。なお、この場合、後に実行した方
式の移動条件の方がより正確に満たされることになるの
で、どちらの方式を先に実行するかをユーザに指定可能
とすることも好適である。
【0082】[断面基準による他の変形方式]前述の断
面基準変形方式の処理では、長尺部材の両端の断面につ
いてのみ移動条件を指定した場合、図22に示すよう
に、変形結果の中間部分に、変形前にはなかったうねり
が生じてしまう場合がある。これは、部材の左側には左
断面1の条件が、右側には右断面2の条件が強く作用す
るためであると考えられる。ここでは、断面基準変形方
式において、変形拘束条件である2つ断面同士の中央部
でのうねりを防止するための手法を説明する。
【0083】図23は、この手法の処理手順を示すフロ
ーチャートである。この処理では、まず部材の長手方向
両端の各断面について、移動条件の設定を受け付ける
(S50)。すなわち、図24に示すように、部材のモ
デル両端の断面線1,2(旧断面線)の指定と、それら
各々の移動先である新断面線1’,2’の入力を受け
る。次に、これら両端の旧断面線1,2上(又はその近
傍)の節点を拘束点に定める。そして、新断面線1’,
2’の情報を用いて、変形によるこれら各拘束点の移動
先位置を求める(S50)。この移動先の決定は、前述
の断面基準変形方式での拘束点移動先の決定方法と同じ
方法で行うことができる。
【0084】そして、旧断面線1,2間で、それら拘束
点のうち稜線上にある拘束点(すなわち断面線上で角
(コーナー)又は端にある点)同士の対応付けを行う
(S52)。この対応付けでは、図25に例示するよう
に、同一稜線12上にある拘束点同士を対応付ける。こ
の図では、断面線1,2上で同じアルファベットを付し
た拘束点同士が互いに対応付けられる。なお、稜線上の
拘束点かどうかは、既に説明したように、その点から延
びる異なるメッシュ要素の辺同士のなす角が所定角度よ
り小さいか否かで判定することができる。また、図25
の例では、断面線2上の節点Sは、その両側に接続する
メッシュ辺同士が一直線ではなく折れ曲がって接続して
いるが、折れ曲がりの角度が稜線上の条件であるしきい
値角度よりも大きいため、稜線上の点とは判定されてお
らず、対応付けも行われない。
【0085】次に、それら両断面線1,2の間に存在す
る各節点に対するuvパラメータを計算する(S54,
S56)。uvパラメータは、断面線1,2間のモデル
の折れ曲がった面上を平面に見立て、その中での角点の
2次元位置を示すパラメータである。uパラメータが断
面線1,2間の方向(すなわち、断面線形状が延伸する
方向)の座標パラメータ、vパラメータが個々の断面線
に沿った軸についての座標パラメータと考えることがで
きる。このパラメータと、モデルの折れ曲がった面群の
データがあれば、そのパラメータが示す節点の3次元空
間内での位置が分かる。
【0086】各拘束点のuvパラメータをまず決定する
(S54)。まず図26を参照してvパラメータの決め
方を説明する。
【0087】この図は、図24の断面線2の場合を例示
している。まず(a)に示すように、断面線2上の各稜
線上拘束点に対して、断面線の予め決めた一方端から順
に0.0,1.0,2.0,・・・と1刻みでvパラメ
ータを付与していく。すなわちここでは、断面線2の稜
線上拘束点同士の間の各セグメントにvパラメータ幅
1.0を割り当てている。なお、このように区切りのよ
い数値を各稜線上拘束点に割り当てることはわかりやす
さの点で好適であるが、必須の要件ではない。原理的に
は、システム側で、断面線の各セグメントがvパラメー
タのどの区間に対応しているかを管理できれば、どのよ
うな割り当て方でもよい。
【0088】このようにして各稜線上拘束点のvパラメ
ータを決定すると、次に断面線上の残りの拘束点のvパ
ラメータを求める。これは、図26(b)に示すよう
に、注目する拘束点Sのvパラメータは、当該点Sが存
在するセグメント上でのその点Sの相対位置(たとえは
セグメントの内分比)から定める。すなわち、図の点S
の場合、稜線上拘束点B−点S間の線分長がL2、点S
−稜線上拘束点C間の線分長がL3とすると、拘束点B
−C間のセグメント上での点Sの相対位置はL2/(L
2+L3)で表すことができる。したがって、点Aから
順にvパラメータが増加していくルールに従えば、点B
のvパラメータ1.0にこの相対位置を加えた値が、そ
の点Sのvパラメータとなる。
【0089】断面拘束点のuパラメータについては、図
27に示すように断面1の各拘束点はu=0.0、断面
2の各拘束点はu=1.0と定める。
【0090】以上、変形前の断面線2を例にとって説明
したが、断面線1や、変形先である新断面線1’及び
2’の各拘束点のuvパラメータも同様の方法で定める
ことができる。
【0091】次に、このように決定した旧断面線1,2
上の各拘束点のuvパラメータをもとに、変形前モデル
の各非拘束点のuvパラメータを計算する(S56)。
この計算処理では、まず両端の断面線1,2の間を所定
数の部分区間に等分する。各等分線には、0.0〜1.
0のuパラメータ幅を等分した値を割り当てる。図28
(a)は、10等分した例を示している。
【0092】このように分割した各区間を断面に近い順
に1つずつ取り出し、その中に含まれる各非拘束点のu
vパラメータを決めていく(図28(b)参照)。1区
間の各非拘束点のパラメータが求められると、その隣の
区間の処理に進む。ここで、変形条件に係る断面は2つ
あるので、それぞれの断面を起点にこの処理を進める。
この結果、各非拘束点についてはuvパラメータが2組
求められることになるが、これの取扱については後で説
明する。
【0093】ここで、このような区間分割を行うのは、
図28(c)に示すように、断面1,2間でモデル形状
が湾曲している場合を想定してのことである。すなわ
ち、このような場合でも、次に説明するパラメータ決定
手法でできるだけ誤差の少ないパラメータを決定できる
ようにするためのである。
【0094】個々の区間内での非拘束点のパラメータ計
算は次のように行う。まず、その区間内で非拘束点を一
つ選び、図29に示すように、その非拘束点Pからその
区間の両側の断面までの距離L1,L2をそれぞれ求め
る。ここでL1は、手前側(すなわちこの計算の起点と
した変形条件指定先の断面に近い側)の断面1までの距
離であり、L2は遠い側の断面xまでの距離である。そ
して、次の式に従ってその点Pのuパラメータを計算す
る。
【0095】
【数5】u=(手前側断面のuパラメータ)+L1/
(L1+L2)
【0096】非拘束点Pのvパラメータの計算では、ま
ず図30(a)に示すように、点Pから区間の手前側の
断面に垂線を下ろす。その垂線の足を点Paとする。図
30(b)は、手前側の断面を示している。この断面と
モデルとの交線に対し、点Paから垂線を下ろす。この
場合、交線のコーナー点v2、v3間の線分がその垂線
と交わる。この垂線の足を点Pbとする。手前側の断面
の点であるコーナー点v2及びv3には既にvパラメー
タが割り当てられている。ここでは点v2はv=1.
0,点v3はv=2.0である。図30(c)に示すよ
うに、v2,v3を結ぶ線分上での点Pbの位置の比率
L1/(L1+L2)から、点Pbのvパラメータを次
の式で求めることができる。
【0097】
【数6】v=1.0+L1/(L1+L2) ここで、1.0はコーナー点v2のvパラメータであ
り、L1はv2・Pb間の距離、L2はPb・v3間の
距離である。
【0098】このように求めた点Pbのvパラメータ
を、もとの非拘束点Pのvパラメータする。
【0099】これで非拘束点Pのuvパラメータが決定
された。この後、求めたvパラメータを、当該区間の奥
側の断面に継承する。すなわち、図31に示すように、
手前側の断面1のvパラメータ情報をもとに非拘束点P
のvパラメータが決まると、その区間の奥側の断面xに
対してその点Pから垂線を下ろし、断面xとモデルとの
交線上の、その垂線の足の近傍の点(例えば図30の手
法で決めればよい)に対してそのvパラメータを継承さ
せる。この処理により、奥側の断面線に対してvパラメ
ータを割り当てることができる。この奥側の断面線は、
次の区間の処理の際に手前側の断面線となるので、継承
したvパラメータがその区間での非拘束点のvパラメー
タ決定に利用されることになる。
【0100】以上の処理を、等分区間内のすべての非拘
束点について行う。そして、これを各区間に対し、端部
に近い順番に実行していく。図32に示すように、本実
施形態では、両端からそれぞれこの処理を進めるため、
各非拘束点のuvパラメータには、右向きの処理で求め
た値と、左向きの処理で求めた値の2組ができる。そこ
で、本実施形態では、それら2組の値を合成すること
で、最終的な各非拘束点のuvパラメータを決定する。
合成の仕方は、例えば、非拘束点と両端の各断面との距
離に応じ、各端部断面を基準に求めたパラメータを加重
平均する等の方法がある。左側の断面1から求めた点P
のパラメータを(u1,v1)、右側の断面2から求めた
点Pのパラメータを(u2,v2)とすると、最終的な点
Pのパラメータ(u,v)は次の式で計算することがで
きる。
【0101】
【数7】(u,v)=(1−u)(u1,v1)+u(u
2,v2
【0102】以上で、両端の断面1,2の間にあるすべ
ての節点(拘束点及び非拘束点)についてuvパラメー
タが得られた。
【0103】次に、各非拘束点の移動元線形点の座標値
を計算する(S58)。ここではまず、各非拘束点ごと
に、移動条件を設定した左右端の各旧断面線(断面1及
び2)上での対応点の座標を求める。これには、図33
に示すように、断面1,2のそれぞれにおいて、非拘束
点Pと同じvパラメータを持つ点P1,P2の3次元座標
を求めればよい。そして、図34(a)に示すように、
旧断面線1,2上での対応点P1,P2を結んだ直線(以
下ガイド線と呼ぶ)上で、その非拘束点Pに対応する移
動元線形点Prを求める。移動元線形点Prは、前記ガイ
ド線上で、非拘束点Pと同じuパラメータを持つ点であ
る。移動元線形点Prの3次元座標は次式で求められ
る。
【0104】
【数8】Pr=(1−u)P1+uP2 ここでPr,P1,P2はそれぞれ各点の位置ベクトルを
表すものとする。すなわちこの式では、非拘束点Pのu
パラメータの比率で、ガイド線の端点P1,P2のx,
y,z座標をそれぞれ内分した値を求めている。この演
算を、変形前モデル上の各非拘束点ごとに行い、各非拘
束点に対応する移動元線形点を求める。
【0105】次に、非拘束点Pの移動先線形点の座標を
計算する(S60)。これは、旧断面線1,2の代わり
に新断面線1、2を用い、前述の移動元線形座標を求め
る手順と同じ処理を行えばよい。すなわち、図34
(b)に示すように、非拘束点Pと同じvパラメータを
持つ点P1’,P2’を新断面線1、2上で求め、それら
両点を結んだガイド線上で、その非拘束点Pのuパラメ
ータに対応する点Pr’を求める。すなわち、
【数9】Pr’=(1−u)P1’+uP2 ’ このようにして各非拘束点について、移動元線形点及び
移動先線形点の座標が求められると、いよいよモデルの
各節点の移動を行う(S62,S64)。すなわちステ
ップS62では、図35に示すように変形前モデル両端
の旧断面線1,2上の各拘束点を、それぞれ新断面線
1,2上の対応拘束点の位置に移動させる。ステップS
64では、変形前モデルの各非拘束点を、次式で計算さ
れる移動先の点P’に移動させる。
【0106】
【数10】P’=P+(Pr’−Pr) すなわちここでは、図36に示すように、非拘束点Pの
ガイド線上での対応点P rの変形による移動ベクトル
(Pr’−Pr)(すなわち移動先線形点と移動元線形点
の位置の差)だけ、その非拘束点Pの位置を移動させ
る。
【0107】以上の処理により、モデルの両端断面に対
し設定した変形条件に合わせて、モデル全体を変形する
ことができる。また、この変形方式では、非拘束点を、
両端断面を結ぶガイド線上での対応点(すなわち線形
点)の移動に合わせて移動させることで、右端近傍の点
も左端近傍の点も長手方向中央部の点も、すべてモデル
両端を結ぶガイド線の変化という同じ基準に移動させる
ことができるので、変形の際の長手方向中央部のたわみ
の発生を抑制することができる。
【0108】なお、ここでは、モデル両端の断面を結ぶ
ガイド線を直線としたが、ガイド線はこれに限らない。
また、この例では、モデルの両端の断面について変形条
件を設定したが、これに限らず、モデルの長手方向(す
なわちほぼ同じ断面形状が延伸する方向)に沿った2カ
所の位置の各断面について変形条件を設定すれば、ほぼ
同様の効果が得られる。
【0109】[複数部品同時変形機能]複数部品同時変
形機能は、1つの部品に対して設定した変形条件に従っ
て、その部品の近傍にある他の部品も同時に変形させる
機能である。
【0110】機械においては、1つの部品の形状が、そ
れに関係する他の部品の形状に依存する場合が少なくな
い。例えば自動車ボデーでは、外板、補強部材、内部部
品など、複数の部材がいわば層構造をなしており、補強
部材などの形状は意匠上重要な外板形状のデザインに合
わせて設計される。このような構造において、1つの部
品の形状に変更を加えようとすると、それに関連する他
の部品についても形状変更が必要となる。関連する複数
の部品のそれぞれに対し、矛盾なく変形条件を設定しよ
うとすると、非常に手間がかかる。複数部品同時変形機
能は、このような問題を解決するための機能である。
【0111】図37に複数部品同時変形機能の処理手順
を示す。この処理では、まずユーザから変形対象の部品
として基準部品と追従部品の指定を受け付ける(S7
0)。基準部品は変形条件の設定対象の部品であり、追
従部品はこの基準部品の変形に応じて自動的に変形させ
る部品である。
【0112】次に、基準部品に対する変形条件の入力を
受け付ける(S72)。基準部品の変形は、これまでに
説明してきた各種変形方式で実行可能とする。したがっ
て、ここでは、ユーザが所望する変形方式に応じた変形
条件が入力される。例えば、図38(a)に示すよう
に、2つの部品50,60が微小な間隙を挟んで重ねた
状態に配設される場合に、一方の部品50を基準部品に
指定し、これに対して変形条件(稜線移動条件など)を
入力すればよい。追従部品60には、変形条件の入力は
必要ない。なお、図38(a)に示した部品を長手方向
に見た断面形状を図38(b)に示す。
【0113】複数部品を変形対象に指定した場合に、変
形条件が設定された部品を基準部品と判定し、残りの部
品を追従部品と判定するようにしてもよい。
【0114】次に、追従部品のモデルのメッシュ節点
を、基準部品のモデルのメッシュ節点又はメッシュ要素
(面要素)に対応付ける(S74)。ここでは、図39
(a)に示すように、基準部品の節点から所定距離L1
以内の近傍にある追従モデルの節点を見つけ出し、それ
ら両節点を互いに対応付ける。また、図39(b)に示
すように、基準部品のメッシュ要素から所定距離L2以
内の近傍にある追従モデルの節点を見つけ出し、それら
両者を互いに対応付ける。なお、近傍の判定しきい値で
あるL1,L2は、対象とする部品群の配置関係などを
考慮して適宜定める。このしきい値をユーザ指定できる
ようにすることも好適である。
【0115】このようにして基準部品と追従部品との間
で互いに近接している節点、メッシュ要素の対応付けが
完了すると、次にそれら各部品の稜線上の節点を検出す
る(S76)。ここでは、前述のように、モデルの各節
点ごとに、その節点から延びるメッシュ辺のうち異なる
メッシュ要素に属する2つのメッシュ辺同士のなす角を
調べ、その角が所定角度以下であれば、その節点が稜線
上にあると判定する。この処理により、図38(a)に
示した各部品のモデルから、図40において実線で示す
部分が稜線として検出される。
【0116】稜線が検出されると、次に、基準部品50
と追従部品60とで、稜線間の節点同士を対応付ける
(S78)。稜線はモデルの形状を規定する重要な特徴
部位なので、変形の際、追従部品60の稜線が基本部品
50の対応稜線の変形によく追従することが望ましい。
ところが、例えば図38に示した部品組合せでは、部品
の頂部形状の違いから、図41に示すように、追従部品
60の頂部の稜線上の節点62は、基準部品50の頂部
稜線上の節点52から距離が離れており、ステップS7
4の対応付け処理では、基準部品50の節点又はメッシ
ュ要素に対応付けされない。このような場合に対応する
ため、このステップS78では、ステップS74の近傍
の判定しきい値の距離よりも大きい距離を判定しきい値
とし、追従部品60の稜線上節点に対し、その距離以内
にある基準部品50の稜線上節点を見つけ出し、それら
両者を互いに対応付ける。しきい値距離以内の稜線上節
点が複数ある場合は、その中で追従部品60上の注目稜
線上節点に最も近いものを選ぶなどの処理をすればよ
い。なお、既にステップS74で対応付けの終わってい
る稜線上節点については、このステップS78の処理は
行わなくてよい。
【0117】対応付けが終わると、S72で設定された
変形条件に従い、基準部品50のモデルを変形させる
(S80)。この変形処理は、指定された変形条件に応
じ、前述のいずれかの変形方式、又はそれらの組合せを
用いて実行すればよい。
【0118】基準部品50の変形が完了すると、次に追
従部品60の変形を行う(S82)。この処理では、ま
ず、追従部品60の節点のうち基準部品50の節点又は
メッシュ要素に対応付けられているものを、それら対応
する基準部品50の節点又はメッシュ要素の移動ベクト
ルを用いて移動させる。すなわち、図42に示すよう
に、基準部品50が変形により形状70に変形した場
合、追従部品60の節点62は対応する基準部品50の
節点52の移動ベクトルvaだけ、節点64は対応節点
54の移動ベクトルvbだけ、節点66は対応メッシュ
要素56の移動ベクトルvcだけ、それぞれ移動する。
【0119】なお、追従部品60のの節点の中には、基
準部品50の節点に対応付けられないものも存在するの
で、これについては、上述の稜線基準変形方式で用いた
非拘束点の移動方法(図8参照)を利用して移動させれ
ばよい。この場合、対応付けられている節点を拘束点と
して扱う。
【0120】このような処理により、追従部品60のモ
デルのすべてのメッシュ節点を、基準部品50の変形に
追従して移動させることができ、追従部品60の変形が
実現される。
【0121】以上の例では、2つの部品を同時変形させ
る場合を説明したが、3部品以上の部品群をその中の1
部品を基準に変形させることも可能である。この場合、
例えば基準部品の節点等にその直近の追従部品の節点を
対応付け、その追従部品の節点等に更に遠い追従部品の
節点を対応付けるといった具合に、各部品の積層順に対
応付けを行えばよい。
【0122】以上、本発明の好適な実施の形態を説明し
た。本実施形態の手法により、1度作成したFEMモデ
ルの形状変更が容易にできる。FEMモデルの自動生成
には性質の良くない部分が含まれることが一般的なので
人手で手直しすることが多く、適切なものを作成するに
は非常に手間がかかる。したがって、多少の形状変更を
行った場合に、このような自動生成と手直しの作業をし
ていたのでは効率がよくない。これに対し、本実施形態
のモデル変形処理を利用すれば、自動生成よりも短期間
で変形形状に合ったFEMモデルを生成できる。また、
このモデル変形処理では、手直し調整した変形前モデル
のメッシュを引き継ぐことができるので、比較的性質の
よいものを自動的に生成できる。
【0123】なお、本実施形態の手法は、CADモデル
など他の3次元形状モデルにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るモデル変形方法を利用した設計
・解析・製造統合システムの機能構成を概略的に示す図
である。
【図2】 モデル変形作業の全体的な流れを示すフロー
チャートである。
【図3】 稜線基準変形方式での変形処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図4】 稜線移動条件を説明するための図である。
【図5】 変形対象部品の断面形状を示す図である。
【図6】 稜線上拘束点を説明する図である。
【図7】 稜線上拘束点の移動先の決定方法を説明する
図である。
【図8】 非拘束点の移動先の計算手順を示すフローチ
ャートである。
【図9】 図8の計算手順で用いる記号の定義を説明す
るための図である。
【図10】 図4に示した稜線移動条件に従った変形結
果を示す図である。
【図11】 断面基準変形方式での変形処理手順を示す
フローチャートである。
【図12】 断面移動条件を説明するための図である。
【図13】 新旧断面線の形状を説明するための図であ
る。
【図14】 断面拘束点を説明するための図である。
【図15】 旧断面と新断面の断面線セグメントの対応
付けを説明するための図である。
【図16】 メッシュモデルの節点と断面線との位置関
係を説明するための図である。
【図17】 メッシュ辺と断面との交点と、断面線との
位置関係を示す図である。
【図18】 断面拘束点のみを移動させたと仮定したと
きのモデルの様子を説明するための図である。
【図19】 重心平滑法の適用上注意すべき点を説明す
るための図である。
【図20】 経路数の概念を例示した図である。
【図21】 稜線基準変形方式と断面基準変形方式を併
用する際の変形条件を説明するための図である。
【図22】 変形拘束条件である2つ断面同士の中央部
でのうねりを説明する図である。
【図23】 断面の変形条件を用いた別の変形方式の手
順を示すフローチャートである。
【図24】 断面の変形条件を説明するための図であ
る。
【図25】 両断面間での稜線上拘束点の対応付けを説
明するための図である。
【図26】 断面線上でのvパラメータの決め方を説明
するための図である。
【図27】 両断面線上のuパラメータの決め方を説明
するための図である。
【図28】 両断面間の区間分割を説明するための図で
ある。
【図29】 非拘束点のuパラメータの決め方を説明す
るための図である。
【図30】 非拘束点のvパラメータの決め方を説明す
るための図である。
【図31】 次区間へのvパラメータの継承を説明する
ための図である。
【図32】 各断面を基準に決めたuvパラメータの合
成の必要性を説明するための図である。
【図33】 非拘束点のvパラメータに対応する断面上
の点を説明するための図である。
【図34】 非拘束点に対応する移動元、移動先の線形
点を説明するための図である。
【図35】 拘束点の変形による移動を示す図である。
【図36】 線形点の移動に合わせて非拘束点を移動さ
せる手法を説明するための図である。
【図37】 複数部品同時変形機能の処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図38】 層状に近接配置された基準部品と追従部品
を説明するための図である。
【図39】 追従部品のメッシュ節点と、基準部品の節
点又はメッシュ要素との対応付けを説明するための図で
ある。
【図40】 基準部品及び追従部品から検出された稜線
を示す図である。
【図41】 稜線上節点同士の対応付けを説明するため
の図である。
【図42】 基準部品の変形に合わせて追従部品を変形
させる手法を説明するための図である。
【符号の説明】
10 FEMモデル、12 移動元稜線、17 拘束
点、22 移動先稜線、27 拘束点の移動先。
フロントページの続き (72)発明者 永田 隆司 神奈川県座間市東原5丁目1番11号 株式 会社シーイーシー内 (72)発明者 田中 昭彦 神奈川県座間市東原5丁目1番11号 株式 会社シーイーシー内 Fターム(参考) 5B046 FA04 JA07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3次元形状モデルをコンピュータを用い
    て変形する方法であって、 3次元形状モデルにおける所定の基準線の移動先である
    移動先目標線、の指定を受け付け、 前記3次元形状モデルにおいて、前記基準線に対応する
    節点を拘束点として求め、 前記移動先目標線上で前記各拘束点に対応する移動目標
    点を求め、 前記3次元形状モデルの各拘束点をそれぞれ対応する移
    動目標点に移動させ、 前記3次元形状モデルにおける前記拘束点以外の節点で
    ある各非拘束点を、前記各拘束点の移動ベクトルに応じ
    て移動させる、 ことにより、前記3次元形状モデルを前記移動先目標線
    に合わせて変形する3次元形状モデル変形方法。
  2. 【請求項2】 前記基準線は、前記3次元形状モデルの
    稜線であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記基準線は、前記3次元形状モデルの
    断面線であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記非拘束点を移動させるステップは、
    該非拘束点の移動ベクトルを、近傍の各節点の移動ベク
    トルの加重平均から求めるサブステップを含み、この加
    重平均に関し、拘束点には非拘束点よりも大きい重みが
    初期値として付与されることを特徴とする請求項1記載
    の3次元形状モデル変形方法。
  5. 【請求項5】 コンピュータを用いて3次元形状モデル
    を変形させる方法であって、 3次元形状モデル上で、互いに対応する2つの部位に対
    して第1基準断面線及び第2基準断面線の設定を受け付
    け、 前記第1基準断面線の変形による移動先である第1移動
    先目標線と、前記第2基準断面線の変形による移動先で
    ある第2移動先目標線との設定を受け付け、 前記3次元形状モデルを規定する節点について、前記第
    1基準断面線上の対応点と第2基準断面線上の対応点を
    求め、これら対応点同士を結ぶガイド線における前記節
    点の対応点である移動元ガイド点を求め、 前記3次元形状モデルの前記節点について、前記第1移
    動先目標線上の対応点と第2移動先目標線上の対応点を
    求め、これら対応点同士を結ぶガイド線上での前記節点
    の対応点である移動先ガイド点を求め、 前記3次元形状モデルの節点を、これに対応する移動元
    ガイド点と移動先ガイド点との位置差分だけ移動させる
    ことにより、前記3次元形状モデルを変形する、 3次元形状モデル変形方法。
  6. 【請求項6】 コンピュータを用いて3次元形状モデル
    を変形させる方法であって、 基準部材の3次元形状モデルについての変形条件を受け
    付け、 前記基準部材の変形に応じて変形させたい追従部材の3
    次元形状モデルの各節点に対し、前記基準部材の3次元
    形状モデルの部位であって当該節点から所定距離以内に
    あるものを、当該節点に対する対応部位として求め、 前記基準部材の3次元形状モデルを前記変形条件に従っ
    て変形すると共に、前記追従部材の3次元形状モデルの
    節点を、前記変形の際の前記基準部材の3次元形状モデ
    ルの対応部位の移動ベクトルに応じて移動させること
    で、前記追従部材の3次元形状モデルを変形させる、 3次元形状モデル変形方法。
  7. 【請求項7】 コンピュータシステムを、 3次元形状モデルにおける所定の基準線の移動先である
    移動先目標線、の指定を受け付ける手段、 前記3次元形状モデルにおいて、前記基準線に対応する
    節点を拘束点として求める手段、 前記移動先目標線上で前記各拘束点に対応する移動目標
    点を求める手段と、 前記3次元形状モデルの各拘束点をそれぞれ対応する移
    動目標点に移動させる手段、 前記3次元形状モデルにおける前記拘束点以外の節点で
    ある各非拘束点を、前記各拘束点の移動ベクトルに応じ
    て移動させる手段、 として機能させるためのプログラム。
  8. 【請求項8】 コンピュータシステムを、 3次元形状モデル上で、互いに対応する2つの部位に対
    して第1基準断面線及び第2基準断面線の設定を受け付
    ける手段、 前記第1基準断面線の変形による移動先である第1移動
    先目標線と、前記第2基準断面線の変形による移動先で
    ある第2移動先目標線との設定を受け付ける手段、 前記3次元形状モデルを規定する節点について、前記第
    1基準断面線上の対応点と第2基準断面線上の対応点を
    求め、これら対応点同士を結ぶガイド線における前記節
    点の対応点である移動元ガイド点を求める手段、 前記3次元形状モデルの前記節点について、前記第1移
    動先目標線上の対応点と第2移動先目標線上の対応点を
    求め、これら対応点同士を結ぶガイド線上での前記節点
    の対応点である移動先ガイド点を求める手段、 前記3次元形状モデルの節点を、これに対応する移動元
    ガイド点と移動先ガイド点との位置差分だけ移動させる
    ことにより、前記3次元形状モデルを変形する手段、 として機能させるためのプログラム。
  9. 【請求項9】 コンピュータシステムを、 基準部材の3次元形状モデルについての変形条件を受け
    付ける手段、 基準部材の変形に応じて変形させたい追従部材の3次元
    形状モデルの各節点に対し、前記基準部材の3次元形状
    モデルの部位であって当該節点から所定距離以内にある
    ものを、当該節点に対する対応部位として求める手段、 前記基準部材の3次元形状モデルを前記変形条件に従っ
    て変形すると共に、前記追従部材の3次元形状モデルの
    節点を、前記変形の際の前記基準部材の3次元形状モデ
    ルの対応部位の移動ベクトルに応じて移動させること
    で、前記追従部材の3次元形状モデルを変形させる手
    段、 として機能させるためのプログラム。
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