JP2003028579A - 炉内温度分布の時間変化を予測する方法とプログラムおよび該プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

炉内温度分布の時間変化を予測する方法とプログラムおよび該プログラムを記録した記録媒体

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temperature
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勝 武井
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Tokyo Gas Co Ltd
Toho Gas Co Ltd
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Tokyo Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炉の設計を最適化するのに必要となる炉内温
度分布の時間変化を、定常三次元伝熱・流動解析の手法
による場合よりも高い精度で、かつ、非定常三次元伝熱
・流動解析の手法による場合よりも短い計算時間で必要
な演算を行うことを可能とする演算手法を得る。 【解決手段】 炉の設計を最適化するのに必要となる炉
内温度分布の時間変化を、基本的に非定常三次元伝熱・
流動解析手法を用いながら、温度場についてのみ非定常
解析を行うようにして演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炉内温度分布の時
間変化を予測する方法とプログラムおよび該プログラム
を記録した記録媒体に関し、特に、交番燃焼炉のよう
に、複数個の加熱パターンを順次反復しながら被加熱物
を加熱する形態の炉における、炉内温度分布の時間変化
を予測する方法とプログラムおよび該プログラムを記録
した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】炉内の温度分布の時間変化を適切に予測
することは、炉の設計に当たっても、また、既存の炉を
実際に運転するに当たっても、重要である。炉内温度を
高い精度で予測するに当たっては、速度、圧力、化学種
濃度、温度、密度のような相互に関連のある多くのパラ
メータについてコンピュータを用いた伝熱解析を行うこ
とが必要であり、いくつかの演算手段が試みられてい
る。
【0003】例えば、演算手段として非定常一次元伝熱
解析を用いる手法がある。図4は、この手法により工業
炉設計の最適化を行う場合のフローチャートである。非
定常一次元伝熱解析では、炉内温度の制御パターン(加
熱パターン)に応じた被加熱物温度(炉内温度分布)の
時間変化を予測することができ、この方法を用いること
によって、被加熱物に求める温度変化(目標値)を実現
するために最適な炉温制御パターンを知ることができ
る。
【0004】図5は、非定常一次元伝熱解析の計算手法
の一例である。この手法では、炉内の初期条件と、温度
制御パターンに応じた境界条件(例えば、境界条件1、
境界条件2)を決定し、炉内の初期条件と境界条件1に
基づいて所定時間(Y時間)について非定常解析を行
う。次に、Y時間後の温度分布を初期条件と、次の温度
制御パターンに応じた境界条件2に基づいて所定時間
(W時間)について、同様に非定常解析を行う。以下、
必要な場合には、これを反復する。
【0005】図6は上記の手法による計算結果の一例で
ある。この手法では、図示のように、被加熱物温度の時
間変化を予測することができる。しかし、一次元解析で
あるため、被加熱物温度の三次元空間分布、例えば、被
加熱物の上面と下面、被加熱物内部の中心付近と外周付
近、あるいは、被加熱物表面の任意点、などにおける温
度の差異、つまい、温度ムラを予測するとはできない。
また、流動解析を行っていないため、炉内燃焼ガスの流
速変化が温度に及ぼす影響を評価することができない。
従って、バーナの配置、種類、運転方法、あるいは炉の
形状が被加熱物の温度分布に及ぼす影響を評価し、最適
化することはできない。
【0006】他に、演算手段として、定常三次元伝熱・
流動解析を用いる手法がある(一例が、特開平11−2
50117号公報に示される)。図7は、定常三次元伝
熱・流動解析を用いることによって、工業炉設計の最適
化を行う場合のフローチャートである。この手法では、
炉形状、バーナ配置、バーナ種類に応じた被加熱物最終
到達温度の三次元空間分布を予測することができ、この
方法を用いることによって、被加熱物に求める最終温度
分布(目標値)を実現するための最適な炉形状、バーナ
種類・配置を知ることができる。図8は定常三次元伝熱
・流動解析の計算手法である。定常三次元伝熱・流動解
析では、炉形状とバーナ配置、バーナ種類などに応じた
境界条件を決定し、それらの境界条件に基づいて定常解
析を行うことで、長時間経過した後の被加熱物の三次元
温度分布を予測することができる。
【0007】一例として、図9に概要を示す工業炉に定
常三次元伝熱・流動解析を適用した場合における計算結
果を図10に示す。炉10は交番燃焼炉であり、バーナ
1、被加熱物(マッフル)2、炉壁3とから構成され、
上下2本のバーナ1、1を使って炉の中心に配置された
円筒型のマッフル2を加熱する。マッフル2の内部には
冷却空気が下方(入口4)から上方(出口6)に向かっ
て流れている。図で5に示したマッフル表面上の線に沿
っての温度を予測する。この手法では、図示のように、
炉内温度および被加熱物温度の三次元的分布を予測する
ことができる。しかし、定常解析であるため、被加熱物
温度の時間変化を予測することができない。従って、炉
内温度制御パターンが被加熱物の温度上昇に及ぼす影響
を評価し、最適化することはできない。
【0008】定常三次元伝熱・流動解析ではなく、非定
常三次元伝熱・流動解析を用いることによって工業炉設
計の最適化を行うことも可能である。図11は、その場
合のフローチャートである。非定常三次元伝熱・流動解
析法では、炉形状、バーナ配置・種類、および炉内温度
制御パターンに応じた、被加熱物温度の三次元空間分布
とその時間変化を予測するとができる。この方法を用い
ることによって、被加熱物に求める温度分布とその時間
変化(目標値)を実現するために必要な、炉形状、バー
ナ配置・種類、および炉温制御パターンを知ることがで
きる。
【0009】図9に示した工業炉に非定常三次元伝熱・
流動解析を適用する場合を考える。図12は、図11に
示す設計最適化作業において、仮定した炉内温度制御パ
ターンを実現するために用いたバーナの加熱パターンで
ある。加熱パターンAは下位バーナがメイン燃焼状態、
加熱パターンBは下位および上位のバーナがともにパイ
ロット燃焼状態、加熱パターンCは上位バーナがメイン
燃焼状態、そして、加熱パターンDは下位および上位の
バーナがともにパイロット燃焼状態、であり、A〜Dの
加熱パターンを任意の時間間隔で繰り返すことによっ
て、求める炉内温度制御パターンを適切に実現すること
ができる。
【0010】図13は、図12に示した加熱パターンを
用いて、図9に示した炉の設計最適化を行うために、非
定常三次元伝熱・流動解析法を適用した場合の計算手法
を示している。加熱パターンの変化を考慮するために、
非定常解析の途中で、各加熱パターンに応じて境界条件
を入れ替えている。図14は、図13の計算手法で、図
9に示した炉の演算を行った場合の、被加熱物温度と燃
焼ガス速度の時間変化の計算結果例である。この手法を
用いると、加熱パターンの変化によって生じる燃焼ガス
速度分布の時間変化と、その速度変化が被加熱物温度分
布の時間変化に及ぼす影響を考慮することができ、より
的確に予測することが可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図14に示されるよう
に、被加熱物温度に比べて燃焼ガス速度の方が変動の時
間間隔が短く、また変化の勾配が急激である。短い周期
で激しく変化する燃焼ガス速度を予測するためには、非
常に短い時間刻みで非定常解析を行う必要がある。速度
解析に必要な時間刻みを用いて、長期間に及ぶ被加熱物
温度の時間変化を予測するためには、大型計算機を用い
ても膨大な時間が必要となる。このため、速度と温度を
同時に非定常解析し、その結果を用いて設計を最適化す
る手法は、理論的には可能であったが、応答時間の問題
から、実際には利用されるに至っていないのが現状であ
る。そのために、実際の炉の設計に当たって、炉内温度
制御パターンを最適化する場合には、非定常一次元伝熱
解析手法を、そして、被加熱物温度の空間分布(温度ム
ラ)を最適化する場合には、定常三次元伝熱・流動解析
の手法を、それぞれ使い分けてきているのが実情であ
る。
【0012】図15に、定常三次元伝熱・流動解析の手
法を用いて、図12に示した加熱パターンを適用した、
図9の炉を設計最適化するための計算手法を示す。この
手法は定常解析であるため、演算に時間というパラメー
タが含まれていない。このため、任意の時間間隔で繰り
返す加熱パターン(加熱パターンA〜D)が被加熱物の
温度分布に与える影響を考慮するためには、図15のよ
うに、各々の加熱パターンA〜Dに応じた定常解析を実
行し、それらの結果から求まる温度分布を平均処理して
被加熱物の最終温度分布を求めていくこととなる。
【0013】図16は、図15の手法を用いて求めた、
図9で示した炉の実線5上の温度分布を示している。図
中の●は実験による計測値である。図からわかるよう
に、定常解析では、加熱パターンの切換によって現れ
る、炉壁や燃焼ガスによる蓄熱・放熱のような、時間に
依存した現象が考慮されていないため、その結果を平均
処理しただけでは、実験結果を十分に再現(時間変化を
伴う予測)できていないことがわかる。
【0014】本発明は、上記のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、炉の設計を最適化するのに必要となる
炉内温度分布の時間変化を、定常三次元伝熱・流動解析
の手法による場合よりも高い精度で、かつ、非定常三次
元伝熱・流動解析の手法による場合よりも短い計算時間
で実行することのできる、非定常三次元伝熱・流動解析
の簡易計算手法による炉内温度分布の時間変化を予測す
る方法とプログラムおよび該プログラムを記録した記録
媒体、を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による予測方法
は、n個の加熱パターンを反復する炉の炉内温度分布の
時間変化を予測する方法であって、各加熱パターンにお
ける境界条件をベースに定常解析を行い、各加熱パター
ンにおける速度分布および少なくとも出発点となる加熱
パターンでの温度分布を求めておき、求めた定常計算結
果のうち、出発点となる加熱パターンの速度分布および
温度分布を初期条件とし、当該加熱パターンでの境界条
件を用い、かつ、温度場についてのみ非定常解析を行っ
て、出発点となる加熱パターンでの所定時間経過後の温
度分布を求め、以下、得られた所定時間経過後の温度分
布と次の加熱パターンでの前記定常解析による速度分布
とを初期条件とし、当該加熱パターンでの境界条件を用
い、かつ、温度場についてのみ非定常解析を行って、所
定時間経過後の温度分布を求めることを必要回数繰り返
し演算することにより、当該炉における炉内温度を計算
により予測することを特徴とする。
【0016】また、本発明による予測プログラムは、n
個の加熱パターンを反復する炉の炉内温度分布の時間変
化を予測するプログラムであって、各加熱パターンにお
ける境界条件をベースに定常解析を行い、各加熱パター
ンにおける速度分布および少なくとも出発点となる加熱
パターンでの温度分布を求めるステップA、ステップA
で求めた定常計算結果のうち、出発点となる加熱パター
ンの速度分布および温度分布を初期条件とし、当該加熱
パターンでの境界条件を用い、かつ、温度場についての
み非定常解析を行って、出発点となる加熱パターンでの
所定時間経過後の温度分布を求めるステップB、ステッ
プAで求めた第i番目の加熱パターンの定常解析による
速度分布と第i−1番目の加熱パターンで求めた非定常
解析による温度分布とを初期条件とし、当該第i番目の
加熱パターンでの境界条件を用い、かつ、温度場につい
てのみ非定常解析を行って、所定時間経過後の温度分布
を求めるステップC、および、ステップCを必要回数繰
り返し演算することにより、当該炉における炉内温度を
計算により予測することを特徴とする。
【0017】本発明において、複数個の加熱パターンを
反復する形態の炉であれば、炉の形態は任意であり、図
1に一例を示したような工業用の交番燃焼炉が好適な例
としてあげられるが、これに限らす、ガラス溶解炉、鉄
鋼圧延加熱炉、鉄鋼鍛造加熱炉、アルミ溶解炉、亜鉛メ
ッキ炉、乾燥炉、コンベンションオーブンなどのような
炉に対しても本発明を適用することができる。
【0018】本発明において、「境界条件」とは、計算
領域の端点における速度や温度の値、勾配、あるいはそ
の関数であって、計算領域外との繋がりを考慮しつつ、
計算領域境界上の条件を固定することで、計算領域内で
計算を打ち切ることができる。炉の解析においては、例
えば、バーナ出口における燃料ガスおよび空気の流速、
温度などであって、これら条件はバーナの種類や燃焼状
態などの加熱パターンに応じて決定される。
【0019】本発明において、「初期条件」とは、非定
常解析を行う際の、時間ゼロにおける計算領域内の各変
化量(速度、温度など)の値である。本発明において、
「速度分布」とは、炉内あるいは計算領域内での、一部
あるいは全域における速度の値である。本発明におい
て、「温度分布」とは、炉内あるいは計算領域内での、
一部あるいは全域における温度の値である。本発明にお
いて、「交番燃焼炉」とは、複数のバーナが燃焼と停止
を繰り返して加熱を行う炉であって、バーナ内部に蓄熱
体を有する一対のバーナが、燃焼と排気ガス吸引を交互
に繰り返し、排気ガス吸引時に蓄熱体によって排気ガス
の保有熱を回収するリジェネレイティブバーナは、その
代表的な一例である。
【0020】本発明において、速度分布について定常解
析を行うようにしたのは、炉内での実際の燃焼におい
て、炉内温度(被加熱物温度と等価といえる)に比べて
燃焼ガス速度の方が変動の時間間隔が短くまた変化の勾
配が急激であり、短い周期で激しく変化する速度分布を
的確に予測するためには、非常に短い時間刻みで非定常
解析を行う必要があり、大型計算機を用いても膨大な時
間が必要となることから、これを簡素化して処理時間の
短縮を図るためである。温度分布については非定常解析
を行うようにしているが、温度の時間変化のみに対応し
た比較的長い時間刻みを用いての非定常解析であり、全
体の計算時間は大幅に短縮される。そして、温度分布に
ついては非定常解析を行っていることにより、計算によ
り得られた炉内温度予測値は精度の高いものであり、実
測値と高い相関を示す。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明による、非定常三
次元伝熱・流動解析の簡易計算手法による炉内温度分布
の時間変化を予測する方法の一例を、図1に基づき説明
する。ここでは、前記図12に示した加熱パターンを適
用した、図9の炉を設計最適化するための計算方法を示
している。
【0022】この手法では、まず、各々の加熱パターン
A,B,C,Dに応じた定常解析を行い、速度分布およ
び温度分布を求める(手順1)。次に、手順1で求めた
定常計算持果のうち、加熱パターンAの計算結果を初期
条件とし、加熱パターンAでの境界条件を用いて、温度
場だけ非定常解析を行う。任意の時間(時間X)経過し
たときに非定常解析を終了し、その結果求められた温度
分布と、燃焼パターンBの定常解析で求められた速度分
布を結合し、新たな初期条件を作成する。作成した初期
条件と、加熱パターンBの境界条件を用いて、温度場だ
け非定常解析を行う。任意の時間(時間Y)が経過した
ら、上記の手順を加熱パターンC,Dと繰リ返す(手順
2)。このような手法を取ることにより、非定常三次元
伝熱・流動解析に必要な計算時間を大幅に短縮し、前記
した図11に示した工業炉設計最適化フローチャートの
実用ベースでの利用が可能となる。
【0023】図2は、図1の計算手法で、図9に示した
炉の演算を行った場合の、被加熱物温度と燃焼ガス速度
の時間変化の計算結果例である。この手法ては、温度分
布のみを非定常解析し、速度分布については、加熱パタ
ーンの変化に応じて、その定常計算結果に入れ替えるこ
とで模擬している。このため、速度の時間変化は図2で
示すように段階的になる。また、速度場の非定常解析に
必要だった短い時間刻みを用いずに、温度の時間変化の
みに対応した比較的長い時間刻みを用いて非定常解析を
行うことが可能になる。速度場の非定常解析でおよそ数
千分の一秒必要だった時間刻みが、温度場のみの非定常
解析では教十分の一秒に拡大できた。このことは、計算
時間がおよそ百分の一になったことを意味する。
【0024】図3は、図1の手法を用いて求めた、図9
で示した炉の実線5上の温度分布を示している。図中の
●は実験による計測値である。図からわかるように、定
常三次元伝熱・流動解析の手法で求めた図16の結果に
比べて、実験結果に近い温度分布が得られていることが
わかる。また、非定常解析を行っているため、各加熱パ
ターンでの解析結果が時間をパラメータとして相互に影
響しあっており、炉壁や燃焼ガスによる蓄熱や放熱の効
果が考慮されている。このため、各加熱パターンでの温
度がほぼ一致している。以上のように、発明の効果とし
て、計算時間の短縮と、計算制度の向上が確認された。
【0025】
【発明の効果】上記のように、本発明によれば、炉の設
計を最適化するのに必要となる炉内温度分布の時間変化
を、基本的に非定常三次元伝熱・流動解析手法を用いな
がら、温度場についてのみ非定常解析を行うようにした
簡易計算手法により予測するようにしたことにより、定
常三次元伝熱・流動解析の手法による場合よりも高い精
度で、かつ、非定常三次元伝熱・流動解析の手法による
場合よりも短い計算時間で必要な演算を行うことが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による、非定常三次元伝熱・流動解析の
簡易計算手法による炉内温度分布の時間変化を予測する
方法の一例を示す図。
【図2】図1の計算手法で、図9に示した炉の演算を行
った場合の、被加熱物温度と燃焼ガス速度の時間変化の
計算結果例。
【図3】図1の手法を用いて求めた、図9で示した炉の
実線5上の温度分布を示す図。
【図4】非定常一次元伝熱解析を用いた工業炉設計の最
適化のフローチャート。
【図5】非定常一次元伝熱解析の計算手法の一例を示す
図。
【図6】図5の手法を用いて求めた、計算結果の一例を
示す図。
【図7】定常三次元伝熱・流動解析を用いた工業炉設計
の最適化のフローチャート。
【図8】定常三次元伝熱・流動解析の計算手法の一例を
示す図。
【図9】設計最適化を行った工業炉(交番燃焼炉)の概
要を示す図。
【図10】図9に示す工業炉に定常三次元伝熱・流動解
析を適用した場合における計算結果を示す図。
【図11】非定常三次元伝熱・流動解析を用いた工業炉
設計の最適化のフローチャート。
【図12】図9に示す工業炉の加熱パターンと炉内温度
の空間分布を示す図。
【図13】非定常三次元伝熱・流動解析法による計算手
法の一例を示す図。
【図14】図13の手法を用いて求めた、計算結果の一
例を示す図。
【図15】定常三次元伝熱・流動解析による計算手法の
一例を示す図。
【図16】図15の手法を用いて求めた、図9で示した
炉の実線5上の温度分布を示す図。
【符号の説明】
10…交番燃焼炉、1…バーナ、2…被加熱物(マッフ
ル)、3…炉壁、4…冷却空気入口、5…マッフル表面
上に線(温度を予測する場所)、6…冷却空気出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武井 勝 東京都港区海岸1丁目5番20号 東京瓦斯 株式会社内 Fターム(参考) 3K023 QB01 4K056 BB01 FA03 FA13 5B046 AA00 DA01 JA09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n個の加熱パターンを反復する炉の炉内
    温度分布の時間変化を予測する方法であって、 各加熱パターンにおける境界条件をベースに定常解析を
    行い、各加熱パターンにおける速度分布および少なくと
    も出発点となる加熱パターンでの温度分布を求めてお
    き、求めた定常計算結果のうち、出発点となる加熱パタ
    ーンの速度分布および温度分布を初期条件とし、当該加
    熱パターンでの境界条件を用い、かつ、温度場について
    のみ非定常解析を行って、出発点となる加熱パターンで
    の所定時間経過後の温度分布を求め、 以下、得られた所定時間経過後の温度分布と次の加熱パ
    ターンでの前記定常解析による速度分布とを初期条件と
    し、当該加熱パターンでの境界条件を用い、かつ、温度
    場についてのみ非定常解析を行って、所定時間経過後の
    温度分布を求めることを必要回数繰り返し演算すること
    により、当該炉における炉内温度を計算により予測する
    ことを特徴とする炉内温度分布の時間変化を予測する方
    法。
  2. 【請求項2】 対象となる炉が、少なくとも1つ以上の
    バーナが燃焼と停止を繰り返す、交番燃焼炉であること
    を特徴とする請求項1記載の炉内温度分布の時間変化を
    予測する方法。
  3. 【請求項3】 n個の加熱パターンを反復する炉の炉内
    温度分布の時間変化を予測するプログラムであって、 各加熱パターンにおける境界条件をベースに定常解析を
    行い、各加熱パターンにおける速度分布および少なくと
    も出発点となる加熱パターンでの温度分布を求めるステ
    ップA、 ステップAで求めた定常計算結果のうち、出発点となる
    加熱パターンの速度分布および温度分布を初期条件と
    し、当該加熱パターンでの境界条件を用い、かつ、温度
    場についてのみ非定常解析を行って、出発点となる加熱
    パターンでの所定時間経過後の温度分布を求めるステッ
    プB、 ステップAで求めた第i番目の加熱パターンの定常解析
    による速度分布と第i−1番目の加熱パターンで求めた
    非定常解析による温度分布とを初期条件とし、当該第i
    番目の加熱パターンでの境界条件を用い、かつ、温度場
    についてのみ非定常解析を行って、所定時間経過後の温
    度分布を求めるステップC、 および、ステップCを必要回数繰り返し演算することに
    より、当該炉における炉内温度を計算により予測するこ
    とを特徴とするプログラム。
  4. 【請求項4】 対象となる炉が、少なくとも1つ以上の
    バーナが燃焼と停止を繰り返す、交番燃焼炉であること
    を特徴とする請求項3記載のプログラム。
  5. 【請求項5】 請求項3または4のプログラムを記録し
    た記録媒体。
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