JP2003028488A - 空気調和施設における搬送動力削減システム - Google Patents

空気調和施設における搬送動力削減システム

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JP2003028488A JP2001214231A JP2001214231A JP2003028488A JP 2003028488 A JP2003028488 A JP 2003028488A JP 2001214231 A JP2001214231 A JP 2001214231A JP 2001214231 A JP2001214231 A JP 2001214231A JP 2003028488 A JP2003028488 A JP 2003028488A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力消費を削減して、省電力化を促進するこ
とができるようにした空気調和施設における搬送動力削
減システムを提供する。 【解決手段】 建物内に設置される複数の空気調和機A
Hに、熱源機3からの温水または冷水などの熱媒を個別
に導く管路4に、電動機Mによって駆動される複数の可
変ポンプP1〜Pkを、各空気調和機AH毎に介在し、
各可変ポンプP1〜Pkには流量指令に応答して電動機
Mの回転速度を制御するインバータIをそれぞれ設け、
各インバータIに制御手段8によって各空気調和機AH
毎の空調負荷に応じた流量指令を出力して、各ポンプP
から各空気調和機AHへ供給される熱媒体の流量を制御
し、各電動機Mの無駄な電力消費を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物内に設けられ
る複数の空気調和機に、熱源機から管路を介して導かれ
る冷水および温水などの熱媒体の流量を、各空気調和機
毎に空調負荷に応じて制御し、省電力化を図ることがで
きる空気調和施設における搬送動力削減システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】複数の店舗および事務所などが入居する
オフィスビルなどとも呼ばれる建物には、複数の空気調
和機が設けられ、各空気調和機には熱源機から温水また
は冷水が各空気調和機の空調負荷に応じた流量で供給さ
れる。前記熱源機から各空気調和機への冷水または温水
の供給は、ポンプによって行なわれ、このポンプは電動
機によって駆動される。この電動機による消費電力は、
建物全体で消費される電力の約30%を占め、この電動
機による消費電力を低減することによって、建物全体の
省エネルギ化を図る上で大きく寄与することができるた
め、電動機の消費電力を低減するための技術の開発が求
められている。
【0003】典型的な従来の技術は、特開2000−3
58399号公報に開示されている。この従来の技術で
は、空調用ファンの風量および循環ポンプの流量は、ダ
ンパおよびバルブによって制御されるが、電力削減には
適さず、また多数の空気調和機の消費電力を削減するた
めに循環ポンプの電動機の回転をインバータによって制
御して電力削減を行なうだけでは、省エネルギ対策とし
て不十分であるという問題を解決するために、空気調和
機、排風機、送風機および冷温水ポンプの各電動機の回
転を、電圧型PWM(Pulse Width Modulation)インバ
ータによって制御している。
【0004】前記電圧型PWMインバータは、空気調和
機の電動機に設けられる上位インバータと、排風機、送
風機および冷温水ポンプの各電動機に設けられる下位イ
ンバータとを有し、上位インバータの負荷を検出して、
その負荷を制御装置に備えられる中央演算処理装置(略
称CPU)にフィードバックする。この中央演算処理装
置は予め記憶されている各電動機の負荷容量に基づくベ
ース負荷容量データを用いて主周波数指令を演算して求
め、空気調和機の電動機に設けられる上位インバータの
出力周波数を制御する。
【0005】前記中央演算処理装置はまた、ベース負荷
容量データと、フィードバックされた前記上位インバー
タの負荷情報とに基づいて、従周波数指令を演算して求
め、この従周波数指令と、排風機、送風機および冷温水
ポンプの各電動機の負荷情報とに基づいて、前記排風
機、送風機および冷温水ポンプの電動機にそれぞれ設け
られる各下位インバータの出力周波数を個別に制御す
る。
【0006】このようにしてこの従来の技術では、上位
および下位のインバータを用いて、空気調和機、排風
機、送風機および冷温水ポンプの各電動機の回転を、各
電動機の負荷容量に基づくベース負荷容量データから従
周波数指令を個別に制御し、より大きな消費電力の削減
を達成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術では、
空気調和機、排風機、送風機および冷温水ポンプを駆動
する各電動機の回転を、インバータによって、前記空気
調和機、排風機、送風機および冷温水ポンプの負荷に応
じて制御するように構成されるが、各空気調和機に冷温
水を導く空調配管には、各空気調和機に供給される冷温
水の流量を制御するために2方弁が介在され、こ2方弁
の開度を制御することによって各空気調和機に供給され
る温水または冷水の流量を調整しているため、冷温水ポ
ンプの電動機を上記のようにインバータ制御しても、空
調配管内の冷温水の流れには、前記2方弁によって常に
流動抵抗が発生し、この流動抵抗は前記ポンプを駆動す
る電動機の動力負荷となり、無駄に電力が消費されてし
まうという問題がある。
【0008】本発明の目的は、消費電力を低減すること
ができるようにした空気調和施設における搬送動力削減
システムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、建物内に設置される複数の空気調和機と、各空気調
和機から回収した熱媒体を、加熱または冷却する熱源機
と、熱源機から各空気調和機へ熱媒体を個別に導く供給
管路と、各空気調和機から熱源機へ熱媒体を導く戻り管
路と、供給管路に各空気調和機毎に介在されるポンプ本
体に電動機が搭載され、各空気調和機に供給する熱媒体
の流量を変化させることができる複数のポンプと、各電
動機毎に設けられ、各電動機の回転速度を制御する複数
の速度制御手段と、各空気調和機毎の空調負荷を検出す
る複数の空調負荷検出手段と、各空調負荷検出手段によ
って検出された空調負荷に応答して、各速度制御手段に
速度指令を出力する空調制御手段とを含むことを特徴と
する空気調和施設における搬送動力削減システムであ
る。
【0010】本発明に従えば、建物内に複数の空気調和
機が設置される空気調和施設において、各空気調和機に
は熱源機によって冷却された冷水または加熱された温水
などの熱媒体が供給管路を介して供給され、各空気調和
機において熱吸収された熱媒体は、戻り管路を介して前
記熱源機へ戻され、再び冷却または加熱されて、循環さ
れる。
【0011】前記供給管路には、各空気調和機毎にポン
プが介在される。各ポンプは、ポンプ本体に電動機が搭
載され、各電動機の回転速度は速度制御手段によって制
御され、この速度制御手段による各電動機の速度が制御
されることによって、各空気調和機に供給される熱媒体
の流量が変化する。各空気調和機毎の空調負荷は、空調
負荷検出手段によってそれぞれ検出され、各空調負荷検
出手段によって検出された空調負荷に応答して、空調制
御手段は各速度制御手段に速度指令を出力し、上記のよ
うに各空気調和機に供給される熱媒体の流量が前記空調
負荷に応じて制御される。
【0012】このように各空気調和機に供給される熱媒
体の流量は、各空気調和機毎に設けられるポンプによっ
て変化し、各空気調和機毎の熱媒体の流量は空調負荷に
応じて制御されるので、前記従来の技術のように、各空
気調和機毎に設けられる弁の開度を個別に制御する場合
に比べて無駄な電力の消費を格段に少なくすることがで
きる。
【0013】請求項2記載の本発明は、前記空調制御手
段は、各空気調和機が設置される高さに対応する揚程
と、各空調負荷検出手段によって検出された空調負荷と
に基づいて、各速度制御手段に出力される速度指令を決
定することを特徴とする。
【0014】本発明に従えば、前記空調制御手段は、各
空気調和機が設置される高さに対応する揚程と、各空調
負荷検出手段によって検出された空調負荷とに基づい
て、各電動機制御手段に出力される速度指令を決定する
ので、各空気調和機には、高層集合住宅などのように各
空気調和機が設置される高さが異なっても、空調負荷に
応じた流量が各空気調和機の設置高さにおいて得られる
ように、熱媒体の各空気調和機への流量が制御される。
これによってポンプを選定するにあたって、最も高所に
設置される空気調和機への熱媒体の最大流量が確保され
るように、大きな能力を有するポンプを用いる必要がな
くなり、各空気調和機の設置高さに拘わらず、各空気調
和機毎の空調負荷に応じて必要とされかつ無駄のない流
量で熱媒体を個別に供給して、各空気調和機毎に充分な
空調能力を達成することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に実施の一形態の
空気調和施設における搬送動力削減システム1を示す系
統図である。本実施の形態の空気調和施設における搬送
動力削減システム1は、複数の空気調和機AH1,AH
2,…,AHi−1,AHi(総称する場合には、空気
調和機AHと記す)と、温熱および冷熱の少なくとも一
方を発生する熱源を備え、各空気調和機AHからの熱媒
である温水または冷水を所定の温度に加熱または冷却す
る熱源機3と、熱源機3からの熱媒を各空気調和機AH
へ個別に導く供給管路4と、各空気調和機AHからの熱
媒を熱源機3へ導く戻り管路5と、戻り管路5に各空気
調和機AH毎に介在され、電動機M1,M2,…,Mj
−1,Mj(総称する場合には、電動機Mと記す)によ
って駆動される複数の可変ポンプP1,P2,…,Pk
−1,Pk(総称する場合には、可変ポンプPと記す)
と、各可変ポンプPに設けられ、後述の制御手段8から
出力される流量指令に応答して、各電動機Mの回転速度
をそれぞれ制御する速度制御手段であるインバータI
1,I2,…,Im−1,Im(総称する場合には、イ
ンバータIと記す)と、各空気調和機AHに設けられ、
各空気調和機AHの吹出し温度Tsを検出する空調負荷
検出手段である温度検出器S1,S2,…,Sn−1,Sn
(総称する場合には、温度検出器Sと記す)と、各温度
検出器Sによって検出された各空気調和機AHの吹出し
温度Tsと各空気調和機AH毎の設定温度Tbとの差Δ
T(=Tb−Ts)を求め、この温度差ΔTに応じた前
記流量指令を各インバータIに出力する空調制御手段8
とを含む。
【0016】各空気調和機AHは、送風機、エリミネー
タ、加湿器、加熱コイル、冷却コイル、フィルタおよび
ドレーンパンなどを含んで構成されるエアハンドリング
ユニットによって実現されてもよく、またファンコイル
ユニットによって実現されてもよい。熱源機3は、前記
熱源である冷凍機およびボイラから成り、冷凍機によっ
て冷水を生成し、ボイラによって温水を生成する。各電
動機Mは、三相誘導電動機によって実現される。
【0017】各インバータIは、出力直流電圧を一定に
し、出力の基本周波数の間に多数のパルスを発生させ、
それらのパルス幅を変えることによって出力電圧を制御
するパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)
インバータによって実現される。このようなインバータ
Iによって回転が可変速制御される各電動機Mは、三相
誘導電動機によって実現される。この三相誘導電動機
は、固定子が発生する電源周波数の回転磁界によって回
転子に誘起された電流がフレミングの法則にしたがって
固定子の回転磁界と同一周波数でかつ同一方向の回転力
を回転子に発生させる電動機である。
【0018】前記回転磁界の速度ns[Hz]は、pを
磁極数、fを電源周波数とするとき、 ns=2f/p …(1) によって表される。すなわち、回転子の回転が停止した
とき、回転速度は電源周波数にのみ依存するため、半導
体スイッチを用いて電源周波数fを変化すれば、回転速
度を変化させることができるように構成される。
【0019】空調制御手段8は、中央演算処理装置(略
称CPU:Central ProcessingUnit)によって実現され
る制御部9と、各空気調和機AHの設定温度Tbなどを
操作入力する入力手段10と、書き込みおよび読み出し
可能なメモリ(略称RAM:Random Access Memory)に
よって実現され、入力手段10によって各空気調和機A
H毎に入力された設定温度Tbが記憶されるメモリ11
とを有する。
【0020】前記制御部9は、各空気調和機AH毎に前
記温度差ΔTに比例した流量指令を各インバータIにそ
れぞれ出力する。制御部9から流量指令を受けた各イン
バータIは、電動機Mの回転速度を、各ポンプPの吐出
流量が前記温度差ΔTに比例した流量となるように、各
電動機Mへの電源周波数をパルス幅変調し、各空気調和
機AHに供給される温水または冷水の流量を制御する。
【0021】各ポンプPの動力Wは次式、 W=1.026・T・N・10-3 …(2) によって求められる。ここで、Tはトルク[kW]、N
は回転速度[rpm]である。ポンプはトルクTが回転
数Nの2乗に比例するので、式(1)の動力Wは、 W∝(T・N)∝(N2・N)=N3 …(3) となり、回転数比の3条に比例するので、動力は大幅に
低減することになる。したがって、上記の各インバータ
Iによる制御では、回転速度が一定の汎用電動機によっ
て駆動されるポンプにおいて、二方弁によって必要流量
を得る制御システムと比較して、大幅な省エネルギ化が
可能となる。ただし、この場合、揚程を考慮した検討が
必要になる。
【0022】図2は、各ポンプPの選定に用いられる全
揚程Hと吐出し量Qとの関係を示すグラフである。前記
ポンプPの選定は、建物内に設置される各空気調和機A
Hの高さに対して、各空気調和機AHに要求される冷水
および温水の流量を確保する必要がある。同図の各曲線
L1〜L27は、能力の異なる各ポンプに対応してお
り、各ポンプ毎に全揚程H(m)と吐出し量Q(m3
min)との関係を示している。この全揚程とは、前記
冷水および温水の自由水面からポンプが汲み上げること
ができる高さをいい、具体的には、熱源機3の前記冷水
および温水の出口から空気調和機AHの設置位置までの
高さをいう。
【0023】上記の各ポンプPを選定するにあたって
は、供給管路4および戻り管路5の管内面の流動抵抗な
どがあるため、全揚程Hは、各空気調和機AHが設置さ
れる高さ以上に選ばれ、また吐出し量Qは、各空気調和
機AHが許容できる空調負荷の最大値に対応する流量を
満たすことができる、そのような曲線L1〜L27のう
ちの1つに対応するポンプが用いられる。
【0024】図3は、ポンプPの具体的構成を示す断面
図である。前記ポンプPは、遠心ポンプであって、供給
管路4に介在されるポンプ本体14と、このポンプ本体
14に搭載される前記電動機Mとを有する。ポンプ本体
14は、ポンプケーシング15とインペラ20とを含
む。ポンプケーシング15は、一対のフランジ管継手1
6a,16bを有し、内部には一方のフランジ管継手1
6aから他方のフランジ管継手16bに向かって、入側
流路17、ポンプ室18および出側流路19が形成され
る。
【0025】ポンプ室18内には、前記インペラ20が
設けられ、このインペラ20は、ポンプケーシング15
の上部(図3の上部)に形成される開口21を介して上
方からポンプ室18内に突出する電動機Mの出力軸22
に、ナット23によって、着脱可能に固定される。出力
軸22は、軸受24に軸支され、軸受24は開口21に
装着された保持カバー体25に保持される。保持カバー
体25の周縁部は、ポンプケーシング15の前記開口2
1を外囲する開口周縁部に支持され、電動機Mのフラン
ジ27によって押さえられた状態で、複数のボルト28
によって固定される。保持カバー体25の周縁部と開口
周縁部との間には、環状のシール材26が介在され、電
動機Mがポンプ本体14に液密な状態で取付けられてい
る。
【0026】電動機Mに前記インバータIから電力が供
給されると、出力軸22がその回転軸線まわりに回転駆
動され、インペラ20が回転する。このインペラ20の
回転によって、入側流路17に熱源機3からの温水また
は冷水が吸込まれ、その吸込まれた温水または冷水はイ
ンペラ20の回転による遠心力の作用によって半径方向
外方へ飛散し、出側流路19から下流側に連なる供給管
路へ吐出される。
【0027】図4は、本件発明者による空気調和施設に
おける搬送動力削減システムの消費電力を確認するため
の実験に用いられた実験設備50を示す系統図である。
この実験設備50は、空気調和機を代替する5つの手動
開閉弁によって実現される空調機代替弁VA10〜VA
50、熱源機に相当する水槽51、定速で運転される主
ポンプP0、および各空調機代替弁VA10〜VA50
に水槽51からの水を導く5系統の空調配管61〜65
によって構成される。各空調配管61〜65には、電動
二方弁V10〜V50と、インバータI10〜I50を
備えるポンプP10〜P50とが並列に設けられる。
【0028】各空調機代替弁VA10〜A50への各電
動二方弁V10〜V50を介する流路と、各ポンプP1
0〜P50を介する流路とは、各電動二方弁V10〜V
50および各ポンプP10〜P50の上流側および下流
側にそれぞれ設けられる手動開閉弁Vm1a,Vm1
b,Vm1c,Vm1d;Vm2a,Vm2b,Vm2
c,Vm2d,Vm3a,Vm3b,Vm3c,Vm3
d;Vm4a,Vm4b,Vm4c,Vm4d;Vm5
a,Vm5b,Vm5c,Vm5d(総称する場合に
は、手動開閉弁Vmと記す)によって切換えられる。
【0029】各空調機代替弁VA10〜VA50の開度
は、最大流量時に弁前後の圧力差が空気調和機の圧力損
失に相当する4mAqになるように調整される。各空調
配管61〜65の流量は、操作パネル53からの制御信
号によって、各空調機代替弁V10〜V50の開度を変
化させるか、または各ポンプP10〜P50の速度を変
化させて調整する。また各空調配管61〜65の各流量
は、各空調配管61〜65に介在される電磁流量計F1
〜F5によって計測し、流量信号は、操作パネル53に
内臓される制御装置へフィードバックされる。
【0030】主ポンプP0による運転は、各電動二方弁
V10〜V50側の手動開閉弁Vm1a,Vm1b;V
m2a,Vm2b;Vm3a,Vm3b;Vm4a,V
m4b;Vm5a,Vm5bを開き、かつ各ポンプP1
0〜P50側の手動開閉弁Vm1c,Vm1d;Vm2
c,Vm2d;Vm3c,Vm3d;Vm4c,Vm4
d;Vm5c,Vm5dを閉じることによって、電動二
方弁V10〜V50、空調機代替弁VA10〜VA5
0、流量計F1〜F5および水槽51を介在する第1流
路を形成する。また、5系統の各ポンプP10〜P50
による運転時は、主ポンプP0は停止してその両側に設
けられる開閉弁V61,V62を閉じ、バイパス管路5
6に介在される開閉弁V63を開いて、前記バイパス管
路56、各ポンプP10〜P50、空調機代替弁VA1
0〜VA50、各流量計F1〜F5、および水槽51を
介在する第2流路を形成する。
【0031】この実験装置50の実験時における負荷条
件としては、実運転時の各空気調和機の負荷傾向または
負荷パターンがそれぞれ異なる。これを模擬するため、
第1および第2流路のいずれの流路を用いる場合であっ
ても、最大負荷時の流量と、時間毎の部分負荷率とを、
次の表1のように設定した。運転する系統の組合せによ
り、各ポンプP10〜P50への負荷を変えることがで
きる。
【0032】
【表1】
【0033】各ポンプP10〜P50は、全揚程が22
m、各系統の最大流量を基に、図2に示す標準ポンプの
選定図表から次のように選定した。
【0034】 P0:主ポンプ 50φ×300リットル/min×2.2kW P10:研修室系統 32φ×70リットル/min×1.5kW P20:事務室(1)系統 32φ×40リットル/min×1.5kW P30:事務室(2)系統 32φ×40リットル/min×0.75kW P40:物販店舗系統 32φ×65リットル/min×1.5kW P50:飲食店舗系統 32φ×85リットル/min×1.5kW
【0035】各ポンプP0,P10〜P50の選定に関
しては、建物の計画図における配管の長さ、およびその
配管に関連して設けられる機器の圧力損失を考慮して、
多少余裕をもって安全側で選定される。また標準仕様で
製作されているポンプの中から選び出すため、真の必要
能力に対して過剰気味の能力のポンプが選定されがちで
ある。
【0036】測定条件は、負荷の組合せを次の3パター
ン(a)〜(c)で運転する。 (a)各系統とも表1のスケジュールで運転する(平日
1のパターン)。 (b)研修室、事務室(1)、事務室(2)の3系統の
運転(平日2のパターン)。 (c)事務所1、物販店舗、飲食店舗の3系統の運転
(休日のパターン)。
【0037】次に、実験結果について述べる。(1)測
定条件A(平日1のパターン)の流量およびポンプの消
費電力を図5に1時間毎に6時から24時までの各時刻
においてそれぞれ示す。同図において、白色の棒グラフ
は二方弁の消費電力を示し、斜線の棒グラフはインバー
タ制御のポンプの消費電力を示し、実線は二方弁制御に
よる流量を示し、破線はインバータ制御による流量を示
す。各空調機代替弁VA10〜VA50へ供給される流
量は、操作パネル53で予め設定したスケジュールに一
致して制御できていることが分かる。
【0038】各二方弁V10〜V50による流量制御の
場合、主ポンプP0の電力は1.6〜2.2kWの間に
ある。負荷の小さい8時(流量80リットル/min、
電力1.6kW)と負荷が最大の13時(流量268リ
ットル/min×2.2kW)では、流量が80リット
ル/268リットル≒30%であるにも拘わらず、電力
は1.6kW/2.2kW≒73%と負荷率の小さい運
転では、有効でない電力消費の割合が大きくなってい
る。負荷が最大の268リットル/min(=ポンプの
計画最大負荷300リットル/minの90%)の場
合、ポンプ効率は約48%であり、ポンプの特性曲線か
ら得られる53%にほぼ近い値で運転されている。特性
曲線の効率は、ポンプ入力に対する理論動力の比で求め
たため、やや小さい値になっている。
【0039】また、各ポンプP10〜P50による回転
数制御の場合では、それぞれの系統毎に負荷に応じた回
転数でポンプP10〜P50の運転が行なわれ、結果と
して、負荷の小さいときは運転電力が減少する。しか
し、負荷が大きい時間帯では、逆に回転数制御ポンプの
合計電力の方が大きくなっている。これは、各ポンプP
10〜P50の各電動機の消費電力の合計が6kWで、
主ポンプP0の電動機1台の消費電力である2.2kW
よりも大きく選定されていることと、インバータによる
消費電力が加わることなどから自明であり、系統の分割
方法、各ポンプP10〜P50の選定などによって、主
ポンプP0を超える電力の割合は異なる値になると考え
られる。この運転状態での8時〜22時までの消費電力
の合計は、二方弁制御の場合は27.6kW、回転数制
御の場合は23.0kWとなり、約17%(=1−2
3.0/27.6)の電力削減となっている。
【0040】平日Bのパターンは、店舗系統が開店しな
い場合を想定しており、装置全体からみた負荷率は50
%程度になる。この条件での実測値を図6に示す。条件
Aパターンに比べて負荷が小さく、定速ポンプでは、終
日無効電力が存在し、特に18時〜22時の間は、二方
弁は締切りの状態であり、ポンプP0の運転は不要であ
る。ただし、現実には、この時間帯は熱源機およびポン
プP0を停止するべきである。この結果では、8時〜2
2時の消費電力は19.67kWと8.19kWであ
り、約58%の電力削減になる。
【0041】条件Cは、休日パターンで事務所1と2つ
の店舗が開店している場合であり、実測値を図7に示
す。装置全体から見た負荷率は63%程度である。この
結果では、消費電力が24.44kWと14.39kW
であり、約40%の電力削減となる。
【0042】図8は、各条件A,B,Cにおける各空調
機代替弁毎の消費電力の比較するためのグラフである。
上記の条件B,Cのように、部分負荷の場合には、イン
バータ制御の方が有利であるといえる。二方弁と回転数
の2つの制御方式について、各負荷率と消費電力の関係
に着目したとき、装置全体の能力の75%以下(想定負
荷から見て80%以下)では、インバータ制御による方
が消費電力は小さくなっていることが確認された。
【0043】空調系統の分割数や負荷率の時間割合によ
っても多少差違はあるが、一般的には空調時間の80%
が空調設備能力の70%以下で運転されていると考えれ
ば、本発明に従うポンプのインバータ制御による方式
は、省エネルギ化になるといえる。
【0044】さらに、ポンプの選定に際し、各所で加算
される余裕をもう少し厳しく実負荷に近いものにするこ
とによって、電力の消費をさらに削減することができ
る。
【0045】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、各空気
調和機に供給される熱媒体の流量は、各空気調和機毎に
設けられるポンプによって変化し、各空気調和機毎の熱
媒体の流量は空調負荷に応じて制御されるので、前記従
来の技術のように、各空気調和機毎に設けられる弁の開
度を個別に制御する場合に比べて無駄な電力の消費を格
段に少なくすることができる。
【0046】請求項2記載の本発明によれば、前記空調
制御手段は、各空気調和機が設置される高さに対応する
揚程と、各空調負荷検出手段によって検出された空調負
荷とに基づいて、各電動機制御手段に出力される速度指
令を決定するので、各空気調和機の設置高さに拘わら
ず、各空気調和機毎の空調負荷に応じて必要とされかつ
無駄のない流量で熱媒体を個別に供給して、各空気調和
機毎に充分な空調能力を達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の空気調和施設における
搬送動力削減システム1を示す系統図である。
【図2】ポンプPを選定するために用いられる吐出し量
と揚程との関係を示すグラフである。
【図3】ポンプPの内部構造を示す断面図である。
【図4】本件発明者が用いた実験設備を示す系統図であ
る。
【図5】測定条件Aにおける実験結果の時間経過に伴う
流量変化を示すグラフである。
【図6】測定条件Bにおける実験結果の時間経過に伴う
流量変化を示すグラフである。
【図7】測定条件Cにおける実験結果に時間経過に伴う
流量変化を示すグラフである。
【図8】本発明と従来の技術とを流量変化に対する消費
電力の相違を示すグラフである。
【符号の説明】
1 空気調和施設における搬送動力削減システム 3 熱源機 4 供給管路 5 戻り管路 8 制御手段 9 制御部 10 入力手段 11 記憶手段 AH 空気調和機 M 電動機 P 可変ポンプ I インバータ Ts 吹出し温度 S 温度検出器 Tb 設定温度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 亮二 大阪府大阪市北区本庄東2丁目3番41号 株式会社きんでん内 Fターム(参考) 3L060 AA06 CC02 DD02 EE34

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物内に設置される複数の空気調和機
    と、 各空気調和機から回収した熱媒体を、加熱または冷却す
    る熱源機と、 熱源機から各空気調和機へ熱媒体を個別に導く供給管路
    と、 各空気調和機から熱源機へ熱媒体を導く戻り管路と、 供給管路に各空気調和機毎に介在されるポンプ本体に電
    動機が搭載され、各空気調和機に供給する熱媒体の流量
    を変化させることができる複数のポンプと、 各電動機毎に設けられ、各電動機の回転速度を制御する
    複数の速度制御手段と、 各空気調和機毎の空調負荷を検出する複数の空調負荷検
    出手段と、 各空調負荷検出手段によって検出された空調負荷に応答
    して、各速度制御手段に速度指令を出力する空調制御手
    段とを含むことを特徴とする空気調和施設における搬送
    動力削減システム。
  2. 【請求項2】 前記空調制御手段は、各空気調和機が設
    置される高さに対応する揚程と、各空調負荷検出手段に
    よって検出された空調負荷とに基づいて、各速度制御手
    段に出力される速度指令を決定することを特徴とする請
    求項1記載の空気調和施設における搬送動力削減システ
    ム。
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