JP2003027789A - 非接触型の施解錠制御装置 - Google Patents

非接触型の施解錠制御装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リーダライタ装置が隣接して多数配置される
ようなシステムに適用した場合にも、ICカード型の情
報記録装置との間で確実に通信ができる非接触型の施解
錠制御装置を提供する。 【解決手段】 複数のICカードのリーダライタ装置
は、非接触型ICタグ、ICカード、IC内臓のリスト
バンドなど、ICカード型の情報記録装置から施解錠指
令信号を受信するアンテナ1を備えている。通信コント
ローラ5は、CPU2からの通信許可コマンドを受け取
って、ICカード型の情報記録装置へのデータ読み取り
コマンドを電波に乗せて出力する。アンド回路6は、C
PU2からの通信許可コマンドによってそれぞれの電気
錠で異なるタイミングを設定するタイミング制御手段を
構成するものであって、通信コントローラ5からの電波
を規定された時間だけ出力するようにオンオフ制御され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、互いに近接して
配置された複数の電気錠を遠隔制御によって施解錠操作
する非接触型の施解錠制御装置に関し、特に、ICカー
ド型の情報記録装置と電磁的に結合されるリーダライタ
装置間での電波干渉を防止した非接触型の施解錠制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、遠隔制御によって電気錠を施
解錠操作する非接触型の施解錠制御装置では、非接触型
ICタグ、ICカード、IC内臓のリストバンドなど、
ICカード型の情報記録装置、及びこの種の情報記録装
置と電磁的に結合されるリーダライタ装置が用いられ
る。
【0003】非接触型の施解錠制御装置を多数のロッカ
ー扉が隣接して配置されたロッカーシステムに適用する
場合、ICカード等の情報記録装置に特定の電気錠を施
解錠するための鍵データが記録される。そして、例えば
ICカードから鍵データを読み取り、複数のロッカー扉
から一つを特定して、遠隔操作により電気錠を施錠、あ
るいは解錠しようとするには、各ロッカー扉の電気錠毎
に配置されたリーダライタ装置に、施解錠を許可すべき
特定の鍵データが記憶され、そこから照射される規定周
波数の電波に対応して、ICカードから返送される鍵デ
ータを特定の電気錠に対する施解錠指令信号として読み
取るようにしていた。
【0004】しかし、多数のロッカー扉が隣接して配置
されているようなロッカーシステムでは、複数のリーダ
ライタ装置が狭い領域内に設置される。そのため、同時
に複数扉の施解錠操作が行われると、複数のリーダライ
タ装置から同時に鍵データの読出しコマンドのような電
波を発生することになるので、電気錠毎に電波の干渉が
発生するなど、通信性能が低下する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の非
接触型の施解錠制御装置では、リーダライタ装置の相互
間での電波の干渉により、ICカード型の情報記録装置
との間で通信性能が低下すると、電気錠を遠隔制御して
施解錠操作する機能が正常に働かなくなるおそれがあっ
た。こうした電波の干渉を防止するためには、各々のリ
ーダライタ装置を一定以上の間隔だけ離して設置すれば
よい。しかし、ロッカーシステムでは、多数のリーダラ
イタを互いに隣接して設置せざるをえない場合が多く、
実際上、電波の干渉を排除することができないという問
題があった。
【0006】この発明の目的は、リーダライタ装置が隣
接して多数配置されるようなシステムに適用した場合に
も、非接触型ICタグ、ICカード、リストバンドな
ど、ICカード型の情報記録装置との間で確実に通信が
できる非接触型の施解錠制御装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、互いに近接して配置された複数の電気錠を遠隔制御
によって施解錠操作する非接触型の施解錠制御装置が提
供される。この非接触型の施解錠制御装置は、前記電気
錠と電磁的に結合され、特定の鍵データにより各電気錠
を遠隔制御する遠隔制御手段と、前記遠隔制御手段に対
して鍵データの読出しコマンドを送信し、前記遠隔制御
手段から鍵データを受信する送受信手段と、それぞれの
電気錠で異なるタイミングを設定することによって、前
記送受信手段に対して前記読出しコマンドの送信を許可
するタイミング制御手段とから構成される。
【0008】この発明の非接触型の施解錠制御装置で
は、どのようなタイミングでも鍵データの読出しコマン
ドを出力している送受信手段が必ず1つだけに限定され
るので、複数の電気錠の間での電波干渉を防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の施解錠制御装置
を複数のロッカーを有するロッカーシステムに適用した
実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0010】図1は、非接触型の施解錠制御装置の構成
を示すブロック図である。N台のロッカーを有するロッ
カーシステムは、それぞれ図示しない電気錠に対する施
解錠指令信号を受信するアンテナ1を備えた複数のIC
カードのリーダライタ装置(以下、単にリーダライタと
いう。)を有している。アンテナ1は、それぞれ非接触
型ICタグ、ICカード、IC内臓のリストバンドな
ど、ICカード型の情報記録装置から施解錠指令信号を
受信する。
【0011】第1のリーダライタは、アンテナ1で受信
した施解錠指令信号によって第1のロッカー扉を施解錠
制御するものであって、CPU2、チャネル設定回路
3、上位通信ドライバ回路4、通信コントローラ5、ア
ンド回路6、送信回路7、及び受信回路8によって構成
されている。
【0012】CPU2は、チャネル設定回路3によって
リーダライタのチャネル番号などの設定がなされる。ま
た、CPU2は、上位通信ドライバ回路4によって上位
側のコントローラから通信許可コマンドを受信する。
【0013】通信コントローラ5は、CPU2からの通
信許可コマンドを受け取って、ICカード型の情報記録
装置へのデータ読み取りコマンドを電波に乗せて出力す
る。アンド回路6は、CPU2からの通信許可コマンド
によってそれぞれの電気錠で異なるタイミングを設定す
るタイミング制御手段を構成するものであって、通信コ
ントローラ5からの電波を規定された時間だけ出力する
ようにオンオフ制御されている。
【0014】送信回路7は、第1のリーダライタの識別
信号をアンテナ1から送信するものであって、アンド回
路6からのデータ読み取りコマンドを変調して増幅する
送信アンプとして機能する。受信回路8は、通信コント
ローラ5を介してCPU2に鍵データを与えるものであ
って、アンテナ1で受信されたレスポンスコマンドを増
幅して復調する受信アンプとして機能している。CPU
2では、特定の鍵データが受信されることによって、第
1のリーダライタに対応する第1のロッカー扉が施錠さ
れていればこれを解錠し、反対にこれが解錠されていれ
ば施錠するなどの施解錠制御を実行する。
【0015】第Nのリーダライタは、第Nのロッカー扉
を施解錠制御するものであって、第1〜第(N−1)の
リーダライタと同様に、CPU2、チャネル設定回路
3、上位通信ドライバ回路4、通信コントローラ5、ア
ンド回路6、送信回路7、及び受信回路8によって構成
されている。
【0016】これらN個のリーダライタは、上位通信ド
ライバ回路4を介して、いずれも同じ上位側のコントロ
ーラと接続されている。ここで、ロッカー扉の電気錠の
施錠、あるいは解錠をICカードによって遠隔操作する
リーダライタの概略動作を説明する。リーダライタ側で
は、非接触のICカード内に記録された鍵データを読み
取るために、ICカードに対して規定周波数の電波を照
射する。この電波には、ICカード内の特定データを読
み出すためのコマンドパケットが変調されて乗ってい
る。
【0017】ICカード側では、電波が照射されること
で電圧が発生し、内部のICチップに組み込まれた電気
回路が動作可能になる。そこで、電波に乗って送信され
たコマンドパケットを復調して、指定された鍵データを
ICカード内の不揮発性メモリから読み出す。読み出さ
れた鍵データは、照射された電波を変調することによっ
て、コマンドに対応するレスポンスパケットとしてリー
ダライタ側に送信される。
【0018】リーダライタは、受信した電波を復調し
て、レスポンスパケットからICカード側の鍵データを
得て、それがリーダライタ側で記憶している鍵データに
一致するものがあれば一連の施解錠動作を実行し、一致
している鍵データがなければ無効なICカードが読み取
られたとして無視する。ところが、複数のロッカー扉を
備えたロッカーシステムに非接触型の施解錠制御装置を
適用したとき、リーダライタ相互間での電波による干渉
が発生すると、ICカードとの間で通信性能が低下す
る。
【0019】そこで、この発明の施解錠制御装置では、
上位コントローラからの指示によって、互いに異なるタ
イミングで所定の時間だけ電波の出力を許可するよう
に、アンド回路6をオンオフ制御している。
【0020】図2は、上述したロッカーシステムにおけ
る上位側のコントローラの構成を示すブロック図であ
る。コントローラは、図1に示す下位のリーダライタと
の通信を行う下位通信ドライバ回路21、下位通信ドラ
イバ回路21に接続されたリーダライタのチャネル数を
設定するチャネル数設定回路22、及びCPU23から
構成されている。CPU23は、下位通信ドライバ回路
21のいずれかから電波出力要求を受信したとき、下位
のリーダライタに対して一定間隔で電波の出力を許可す
る通信許可コマンドを通知するものである。
【0021】このように構成されたコントローラから、
下位のリーダライタはそれぞれに異なるタイミングで電
波出力のための通信許可コマンドを得て、対応する電気
錠の施解錠指令信号によってロッカー扉を施解錠するこ
とができる。
【0022】図3は、それぞれのリーダライタによる施
解錠制御の手順を示すフローチャートである。ステップ
S1では、上位側のコントローラ(図2)から上位通信
ドライバ回路4を経由して、リーダライタが通信許可コ
マンドを受信する。各リーダライタのCPU2は、チャ
ネル設定回路3によって設定されたリーダライタのチャ
ネル番号に基づいて、自局に対する通信許可コマンドで
あるかどうかを判断する(ステップS2)。すなわち、
自局に対する通信許可コマンドであればステップS3に
進み、そうでない場合にはステップS1に戻って待機す
る。
【0023】ステップS3では、CPU2の内部タイマ
カウンタを利用して規定時間をカウントするための経過
タイマをスタートさせる。ステップS4では、CPU2
からアンド回路6へのゲート制御信号をオンにして、ア
ンテナ1からの電波出力を許可する。アンテナ1からコ
マンドパケットなどの電波が出力されると、ステップS
5に進んで、リーダライタではICカードなどとの間で
必要なデータを読み書きするなど、一連の扉操作のため
の通信を実施することができる。
【0024】ステップS6では、CPU2の内部タイマ
カウンタを監視して、規定時間を経過したかどうかを判
断する。規定時間をカウントアップした時点でステップ
S7に進んで、電波出力をオフにしてステップS1に戻
って、つぎの通信許可コマンドを待つ。ここでは、規定
時間内にロッカー扉の施解錠を終了することが前提とさ
れる。したがって、規定時間をカウントアップしたと
き、当該リーダライタにおける施解錠動作が完了して、
つぎのリーダライタにおける電波の出力許可を可能にし
ている。
【0025】図4は、上位側のコントローラにおけるタ
イミング制御手順を示すフローチャートである。ステッ
プS11では、制御の開始に当たって、チャネル数設定
回路22で設定されたリーダライタのチャネル数を、C
PU23に取り込む。つぎに、ステップS12では、通
信許可コマンドを与えるための初期チャネル番号を1に
セットする。そして、通信ドライバ回路21を介して下
位のリーダライタの各局に、通信許可コマンドを送信す
る(ステップS13)。
【0026】下位に接続された複数のリーダライタに対
して、規定時間だけ通信許可コマンドを送信し終える
と、ステップS14からステップS15に進んで、通信
許可コマンドを与えるチャネル番号を+1だけインクリ
メントしてからステップS16を経てステップS13に
戻る。
【0027】ステップS13〜S15が繰り返し実行さ
れることによって、各々のリーダライタでは、図3のス
テップS5で説明したように、扉操作のための一連の通
信がそれぞれ規定時間だけ実施される。これにより、電
磁的に結合されたICカードなどからの遠隔制御によっ
て、各ロッカー扉に対する非接触型での施解錠操作が行
われる。最後に、ステップS16で全チャネルを一巡し
たと判断したら、ステップS12に戻って、初期チャネ
ル番号が1にリセットされる。
【0028】以上のように、上述した非接触型の施解錠
制御装置では、個々のリーダライタに対して時分割で通
信許可タイミングを割り振って、上位のコントローラか
ら通知するようにして、互いに異なるタイミングで所定
の時間だけ、電波の出力を許可するようにオンオフ制御
している。したがって、リーダライタが隣接して多数配
置されるようなロッカーシステムに適用した場合にも、
電波干渉を防止して、非接触型ICタグ、ICカード、
リストバンドなど、ICカード型の情報記録装置との間
で確実に通信することができる。
【0029】なお、上位側のコントローラから各リーダ
ライタに対して一斉に通信許可コマンドを同報的に送信
し、下位のリーダライタ側のCPUで自局のチャネル番
号に基づいて他局と重複しないタイミングを計算するよ
うに構成することもでき、これにより上位のコントロー
ラの負担を軽減できる。
【0030】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明の非接
触型の施解錠制御装置によれば、ロッカー扉を施解錠制
御する場合のように、複数個の送受信手段が近接して配
置されていても、どのようなタイミングでも電波を出力
している送受信手段は必ず1つだけに限定することがで
きるので、電波の干渉を無くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非接触型の施解錠制御装置におけるリーダライ
タの構成を示すブロック図である。
【図2】上位側のコントローラの構成を示すブロック図
である。
【図3】リーダライタの制御フローチャートを示す図で
ある。
【図4】コントローラの制御フローチャートを示す図で
ある。
【符号の説明】
1…アンテナ 2…CPU 3…チャネル設定回路 4…上位通信ドライバ回路 5…通信コントローラ 6…アンド回路 7…送信回路 8…受信回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに近接して配置された複数の電気錠
    を遠隔制御によって施解錠操作する非接触型の施解錠制
    御装置において、 前記電気錠と電磁的に結合され、特定の鍵データにより
    各電気錠を遠隔制御する遠隔制御手段と、 前記遠隔制御手段に対して鍵データの読出しコマンドを
    送信し、前記遠隔制御手段から鍵データを受信する送受
    信手段と、 それぞれの電気錠で異なるタイミングを設定することに
    よって、前記送受信手段に対して前記読出しコマンドの
    送信を許可するタイミング制御手段と、 を備えることを特徴とする非接触型の施解錠制御装置。
  2. 【請求項2】 前記タイミング制御手段は、前記電気錠
    毎に前記送受信手段に設けられたゲート回路であって、
    それぞれの電気錠で異なるタイミングで前記送受信手段
    から読出しコマンドを送信し、前記鍵データを受信する
    ようにオンオフ制御されることを特徴とする請求項1記
    載の非接触型の施解錠制御装置。
  3. 【請求項3】 前記遠隔制御手段は、前記読出しコマン
    ドに応答して、前記電気錠に対する鍵データを出力する
    ICカード型の情報記録装置であることを特徴とする請
    求項1記載の非接触型の施解錠制御装置。
  4. 【請求項4】 前記送受信手段は、前記電気錠毎に設け
    られた送受信アンテナと、前記読出しコマンドを変調し
    て増幅する送信回路と、前記送受信アンテナで受信され
    た鍵データを増幅して復調する受信回路とを備えたこと
    を特徴とする請求項1記載の非接触型の施解錠制御装
    置。
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