JP2003026699A - Il−6シグナル伝達拮抗ペプチド - Google Patents

Il−6シグナル伝達拮抗ペプチド

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JP2003026699A
JP2003026699A JP2001214164A JP2001214164A JP2003026699A JP 2003026699 A JP2003026699 A JP 2003026699A JP 2001214164 A JP2001214164 A JP 2001214164A JP 2001214164 A JP2001214164 A JP 2001214164A JP 2003026699 A JP2003026699 A JP 2003026699A
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Kazuyuki Yoshizaki
和幸 吉崎
Kazuhisa Sugimura
和久 杉村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】比較的に低分子量であって、IL−6異常産生
に伴う疾患の予防・治療に使用可能性のあるペプチドを
提供する。 【解決手段】(1)IL−6受容体に結合して三次構造上
IL−6機能阻害作用を有し、(2)その基本一次構造は
両端をシスティンではさまれた6〜9個のアミノ酸配列
を含有し、(3)分子量が3kd以下である、IL−6シ
グナル伝達拮抗ペプチドであって、ヒトIL−6受容体
に対するヒトIL−6のシグナリング阻害作用を有する
IL−6結合モチーフペプチドである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インターロイキン
6(IL−6)の受容体に結合してIL−6とIL−6
受容体の結合を阻害し、IL−6の異常産生に伴う疾患
の予防・治療に寄与し得る、IL−6シグナル伝達拮抗
ペプチドに関する。
【0002】
【従来の技術】サイトカインは、細胞間の情報伝達を担
う蛋白性の化学物質であり、標的細胞の表面上に特徴的
な受容体が発現されている。そして、サイトカインが持
つ細胞増殖、分化などの生理活性はこの受容体分子とサ
イトカインが結合することによって発揮される。サイト
カインの異常産生は、さまざまな病態に関与することが
知られている。
【0003】IL−6は炎症性サイトカインの一つであ
り、その異常産生が病態の中心と考えられる疾患が多く
みられる。そのような疾患の例として、慢性関節リウマ
チ、血管炎症候群、二次性アミロイドーシス、キャッス
ルマン病、間質性肺炎(LIP)、増殖性糸球体腎炎、
炎症性腸疾患(クローン病)、腎移植に伴う拒絶、骨粗
鬆症、エイズ、IL−6産生腫瘍(多発性骨髄腫、腎
癌、子宮頸癌、肺癌、心房粘液腫)あるいは悪液質など
が挙げられる。
【0004】本発明者らは、これまでにIL−6の異常
産生に伴う疾患に対して、ヒト型化抗IL−6受容体抗
体(MRA)によるIL−6の機能阻害が、有効な治療
法になることを示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、MRAはヒト
型化とはいえマウス異種蛋白を含むため、MRAに対す
る抗体の出現を否定することはできず、MRAの作用低
下あるいはアナフィラキシー出現の危険性も完全に除外
するわけにはいかない。また、MRAは抗体で高分子
(150kd)であるため、経静脈注入を余儀なくさ
れ、患者の利便性を著しく損なっている。さらに高額で
あるため経済的にも負担がかかる。
【0006】そこで、本発明の目的は、以上の障害を改
善し、より低分子で経口可能な安全性の高いIL−6機
能阻害剤を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、生体反応を制
御するレセプターとリガンドの結合によるシグナルの伝
達を阻害し、かつ当該分子の立体構造を認識するモノク
ロナール抗体を用いて、ファージペプチドライブラリー
より得られる、目的タンパク分子の三次構造を模倣した
ペプチド配列をもつ免疫制御分子が単離できるという本
発明者らの知見(Nature biotech. 16: 267-270, 1998,
J. Immunol. 161: 6622-6628, 1998)に基づき、上述の
課題を解決するために、より低分子のIL−6阻害剤と
してM13ファージライブラリー(PhD−C7C, B
io Labs,USA)を用いたペプチド開発を試み、数種の抗
IL−6抗体結合ファージクローンを得ることに成功
し、次いでそれらファージクローンに挿入されたペプチ
ドは共通のアミノ酸配列部位を有することを見出し、そ
れらの知見に基いて本発明を完成したものである。
【0008】すなわち、本発明は、以下の発明を包含す
る。[1]下記の性質を有するIL−6シグナル伝達拮
抗ペプチド: (1)IL−6受容体に結合して三次構造上IL−6機能
阻害の作用を有する; (2)前記(1)の特異三次構造形成の基本一次構造は両端を
システインではさまれた6〜9個のアミノ酸配列を含有
する;および (3)前記(2)のアミノ酸配列の分子量は、3kd以下であ
る。
【0009】[2] 前記(2)のアミノ酸配列がシステイ
ンではさまれた7個の天然アミノ配列からなり、そのN
−末端側から4番目および7番目が疎水性基を有するア
ミノ酸残基であり、親水性/疎水性のプロットパターン
が疎水性パターンを示す前記[1]項記載のIL−6シ
グナル伝達拮抗ペプチド。 [3] 前記疎水性基を有するアミノ酸残基がトリプト
ファン残基である前記[2]項記載のIL−6シグナル
伝達拮抗ペプチド。
【0010】[4]下記のアミノ酸配列を有する前記
[1]項記載のIL−6シグナル伝達拮抗ペプチド: (1)システィンではさまれたアミノ酸配列が トリプトフ
ァン、リジン、ヒスチジン、グルタミン、セリン、バリ
ン、プロリン、メチオニン、アスパラギンおよびアルギ
ニンの群から選択された7アミノ酸を構成アミノ酸とす
る;および(2) N−末端側から3番目がトリプトファン
残基であり、4番目がトリプトファン残基またはアルギ
ニン残基であり、5番目がリジン残基であり、7番目が
トリプトファン残基またはアルギニン残基であり、8番
目がグルタミン残基である。
【0011】[5]配列番号1〜4のいずれかのアミノ
酸配列を含有する前記[1]項記載のIL−6シグナル
伝達拮抗ペプチド。 [6]配列番号5のアミノ酸配列を含有する前記[1]
項記載のIL−6シグナル伝達拮抗ペプチド。 本発明のIL−6シグナル伝達拮抗ペプチドは、後述の
試験例でも示されるとおり、ヒトIL−6レセプターを
表現するヒトKT−3細胞に対して増殖抑制作用を示す
が、マウスIL−6受容体を有するマウスMH60に対
しては増殖抑制を示さない。すなわち、ヒトIL−6受
容体へのIL−6の結合を特異的に阻害する。このこと
は、本ペプチドはヒトIL−6受容体に結合する抗原そ
のもの、あるいは立体構造上機能的に類似であることを
意味する。すなわち、IL−6受容体に結合して三次構
造上IL−6機能阻害の作用を有するものである。
【0012】前記[1]項のペプチドにおいて、「両端
をシステインではさまれた6〜9個のアミノ酸配列」と
は、両端のシステインを含み計8〜11個のアミノ酸配
列を含有することを意味する。前記[3]項のIL−6
シグナル伝達拮抗ペプチドにおいて、疎水性基を有する
アミノ酸残基としては、例えばトリプトファン、フェニ
ルアラニン、イソロイシン、ロイシンあるいはバリン残
基などが挙げられ、特にトリプトファン残基であること
が好ましい。そして、このペプチドは、親水性/疎水性
のプロットパターンが疎水性パターンを有するものが、
IL−6受容体に結合して三次構造上IL−6機能を阻
害する作用をより高く示す。
【0013】本発明のIL−6シグナル伝達拮抗ペプチ
ドは、前記[1]〜[6]のいずれかに記載のペプチド
を有し、IL−6の機能阻害作用を有するペプチドを包
含する。また、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の
ペプチドを複数にわたって有していてもよく、例えば配
列番号1〜5のアミノ酸配列を同一または異なって2種
以上を有していてもよい。本発明のIL−6シグナル伝
達拮抗ペプチドを構成するアミノ酸としては、天然アミ
ノ酸を包含する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のペプチドは、ファージデ
ィスプレー法によりIL−6阻害分子を検索することに
より得られる。例えば、両端をシステインではさまれ、
無差別配列した7アミノ酸より成るペプチドを表現した
M13ファージライブラリー(PhD−C7C, Bi
o Labs, USA)を用いて、抗IL−6抗体をコ
ートしたプレートにまき、結合したファージを溶出す
る。次に、溶出ファージを大腸菌(ER2537)に感
染させて増幅する。この操作を再度繰返すことによりフ
ァージのクローン化を行う。抗IL−6抗体特異結合ク
ローンを選択するため、抗IL−6抗体、ヒトIg、ヒト
アルブミン、BSA、またはゼラチンをコートしたディ
ッシュを用いて、得られるクローンをビオチン化抗M1
3抗体に反応させて検出し、抗IL−6抗体に特異的に
結合するクローンを得る。通常、この方法により、3〜
5種のクローンが得られるが、数を増やすために繰返し
て実施してもよい。IL−6依存増殖するヒトリンパ球
細胞に対して増殖阻害試験を行い、目的とするクローン
を選択する。
【0015】本発明のペプチドは、アミノ酸配列におい
て前記[1]のとおりの特徴を有し、ヒトIL−6シグ
ナル伝達に対し拮抗作用を有する。配列番号1〜5のペ
プチドは、その具体例である。本発明のペプチドは、公
知の方法によって化学合成することもでき、例えばペプ
チド自動合成装置によって合成することができる。この
基本的な合成過程はR.B. Merifield [アドバンス イ
ン エンザイモロジー(Advance in Enzymology) 32,
221-296(1969)]の方法を適用できる。この方法は、カ
ルボキシル末端のアミノ酸を樹脂担体に共有結合させて
おき、α−アミノ基の保護基の除去、保護アミノ酸の縮
合を順次繰返して、アミノ末端に向けてペプチド鎖を延
長させ目的のアミノ酸配列を有するペプチド樹脂を得る
ことを原理とするものである。
【0016】各アミノ酸の縮合やα−アミノ基の保護基
の除去等は、ほぼ同一の条件でなされ、中間体の精製も
行わないため、合成に際しては一般に高度な熟練は要求
されない。しかもこの方法は迅速であり、種々のペプチ
ドを合成するに際し、非常に便利な方法である。こうし
て得られた保護ペプチド樹脂を、例えば無水フッ化水
素、トリフルオロメタンスルホン酸もしくはトリフルオ
ロ酢酸と種々の添加物の共存下に反応させることによ
り、ペプチドを樹脂から脱離させることと全保護基の除
去を一段階で行うことができる。
【0017】得られたペプチド粗製物は、ペプチドを精
製する公知の手段で精製することができる。例えば、ゲ
ル濾過、陽イオン交換樹脂もしくは陰イオン交換樹脂を
用いるイオン交換クロマトグラフィー、さらには疎水ク
ロマトグラフィー、分配吸着クロマトグラフィーなど、
種々の原理によるカラムクロマトグラフィーや高速液体
クロマトグラフィーが挙げられる。本発明のペプチドは
種々の塩の形で得ることできる。その塩としては、例え
ば無機酸や、蟻酸、酢酸、酒石酸、クエン酸などの有機
酸との塩、もしくはナトリウムやアンモニアなどの無機
塩基や、トリエチルアミン、エチルアミン、メチルアミ
ンなどの有機塩基との塩が挙げられる。
【0018】本発明のペプチドは、IL−6の異常産生
に伴う疾患の予防・治療薬として使用可能である。それ
らの疾患としては、前記したように、慢性関節リウマ
チ、血管炎症候群、二次性アミロイドーシス、キャッス
ルマン病、間質性肺炎(LIP)、増殖性糸球体腎炎、
炎症性腸疾患(クローン病)、腎移植に伴う拒絶、骨粗
鬆症、エイズ、IL−6産生腫瘍(多発性骨髄腫、腎
癌、子宮頸癌、肺癌、心房粘液腫)あるいは悪液質など
が挙げられる。
【0019】本発明のペプチドを医薬として用いるに
は、そのまま粉末として、または他の薬理学的に許容さ
れ得る担体、賦形剤または希釈剤とともに医薬組成物
(例、注射剤、錠剤、カプセル剤、液剤)として、温血
動物(例、ヒト)に対して非経口的または経口的に安全
に投与することができる。注射剤の製剤化は、例えば生
理食塩水またはブドウ糖やその他の補助薬を含む水溶液
を用い、常法に従って行われる。錠剤、カプセル剤等の
医薬組成物も常法に従って調製し得る。また、徐放性の
錠剤、顆粒剤、カプセル剤などに製剤化してもよい。
【0020】本発明のペプチドを上記の疾患用医薬とし
て用いるとき、その投与量は、症状、投与経路などを考
慮して適宜に選択されるが、例えば1日量1μgないし
1mg/kgの範囲から適当量を投与することが考えら
れる。本発明ペプチドが有するIL−6機能阻害作用
は、常法によって、ヒトIL−6遺伝子またはその関連
遺伝子トランスジェニックアニマル(例、トランスジェ
ニックマウス)あるいはまたヒト組織を移植した免疫不
全マウス(SCIDマウス)を用いて確認することも可
能である。
【0021】なお、この明細書や図面におけるアミノ酸
配列の左から右への方向は、N末端からC末端への方向
を表す。アミノ酸を略号で表示する場合、次に示すとお
り、IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclatu
re による略語に基いて記載する。また、アミノ酸に関
して光学異性体があり得る場合、L−体を示すものとす
る。TrpまたはW:トリプトファン、Lysまたは
K:リジン、HisまたはH:ヒスチジン、Glnまた
はQ:グルタミン、SerまたはS:セリン、Valま
たはV:バリン、ProまたはP:プロリン、Metま
たはM:メチオニン、AspまたはD:アスパラギン
酸、ArgまたはR:アルギニン、CysまたはC:シ
ステイン。
【0022】
【実施例】以下に、実施例および試験例を挙げて本発明
をさらに具体的に説明する。 実施例1.抗IL−6抗体結合ファ−ジクローンの取得 M13ファージのPIIIのN末に無差別配列した両端に
システィンを配する計9アミノ酸よりなるペプチドを発
現するライブラリーを用いてマウス抗IL−6抗体(B
−E8 (IgG1,DIACLONE))をコートし
た35mmのプラスチックプレートにまき、非結合ファ
ージを0.5%Tween20/トリスバッファー(p
H7.5)で洗浄後、結合したファージを0.1M グ
リシン塩酸バッファー(pH 2.2)で溶出した。フ
ァージクローンを含む溶出液を直ちにトリス塩酸バッフ
ァー(pH9.1)で中和した後、大腸菌(ER253
7)に感染させファージを増殖させた。上記方法を2−
3度繰返し、抗IL−6抗体結合ファージクローンを得
た(図1)。
【0023】実施例2.抗IL−6抗体特異結合クロー
ンの取得 マイクロタイタープレートにそれぞれ抗IL−6抗体、
BSA、MIP−1α、IgG等を結合させ、5%ゼラ
チンでブロック後、抗IL−6抗体結合クローンを加
え、非結合ファージを洗い出した後、ビオチン化抗M1
3mAbを反応させ、アルカリフォスファターゼ結合ス
トレプトアビジン(Vector Lab, Burlingame, Californ
ia)を用いて発色させ、405nMの吸光で検出した。
【0024】実施例3.ファージクローンによるIL−
6依存増殖阻害 1)IL−6依存性マウスMH−60細胞を用いた増殖
阻害 IL−6依存性に増殖するマウスミエローマMH−60
細胞(マウスIL−6受容体を表現)にファージクロー
ン液(50μl)を加え、その後7.5pg/mlのr
hIL−6を加えて48時間培養し、その増殖阻害を、
MTTアッセイを用いて検討した。完全阻害のコントロ
ールとして1μg/mlのラット抗マウスIL−6受容
体抗体(MR16−1)を用いた。
【0025】2)IL−6依存性ヒトKT−3細胞を用
いた増殖阻害 IL−6依存性ヒトKT−3細胞(ヒトIL−6受容体
を表現)にファ−ジクローンを2.5μg/ml、5μ
g/ml、10μg/ml、20μg/ml、40μg
/ml加え、その後250pg/mlのrhIL−6を
加えて5日間培養し、WST−8(同仁化学)アッセイ
を行い増殖抑制の有無を検討した。完全阻害のコントロ
ールとして10μg/mlのヒト型化抗IL−6受容体
抗体(MRA)を用いた。
【0026】試験例1.抗IL−6抗体結合M13ファ
ージクローンによるIL−6依存性増殖細胞の増殖抑制
の検討 1)マウスMH−60細胞(マウスIL−6受容体を表
現) 抗IL−6抗体に結合する9種のファージクローンによ
る7.5pg/mlのrhIL−6存在下でのMH−6
0細胞増殖阻害効果を検討したところ、図2に示すよう
にいずれのクローンも阻害効果を示さなかった。
【0027】2)ヒトKT−3細胞(ヒトIL−6受容
体を表現) 上記1)で用いた8種のファージクローンを250pg
/mlのrhIL−6存在下でKT−3細胞と培養し、
その増殖抑制効果を検討したところ、図3に示すように
数種のクローンで濃度依存性に抑制効果が示された。特
に、クローン#7、#37、#6、#14、#20が強
く抑制した。実施例4.IL−6依存増殖クローンの発
現ペプチド解析 システインではさんで挿入された7アミノ酸は以下の表
1の配列であった。アミノ酸配列から#7、#37、#
6および#20のペプチドは疎水性を示し、そのパター
ンに類似性が示された。
【0028】
【表1】
【0029】表1において、#6、#7、#20、#3
7および#14のペプチドは、それぞれ配列番号1、配
列番号2、配列番号3、配列番号4および配列番号5に
相当するものである。また、#1のペプチドは、配列番
号6に相当する。
【0030】
【発明の効果】本発明のペプチドは、ヒトIL−6受容
体に対するヒトIL−6のシグナリング阻害作用を有す
るIL−6結合モチーフペプチドであるが、げっ歯類の
IL−6受容体にはこの阻害作用を示さない。従って、
本発明のペプチドは、ヒトIL−6の異常産生に伴う炎
症性疾患に対して免疫療法的な予防・治療薬として、安
全に使用できる。また、このペプチドは3kd以下の低
分子量であってもよく、医薬として用いるとき、吸収性
や製剤化において有利に適用可能である。
【0031】
【配列表】SEQUENCE LISTING <110> Inter Cyto Nano Science. Co. <120> Peptides having antagonistic activity to IL-
6 receptor <130> 103363 <160> 6 <210> 1 <211> 9 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> unsure <221> unsure <222> unsure <223> Antagonist <400> 1 Cys Val Trp Trp Lys His Trp Gln Cys <210> 2 <211> 9 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> unsure <223> Antagonist <400> 2 Cys Ser Trp Trp Lys Gln Trp Gln Cys <210> 3 <211> 9 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> unsure <223> Antagonist <400> 3 Cys Val Trp Trp Lys His Trp Gln Cys <210> 4 <211> 9 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> unsure <223> Antagonist <400> 4 Cys Pro Trp Trp Lys Met Trp Gln Cys <210> 5 <211> 9 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> unsure <223> Antagonist <400> 5 Cys Asp Trp Arg Lys Hist Arg Gln Cys <210> 6 <211> 9 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> unsure <221> unsure <222> unsure <223> Antagonist <400> 6 Cys Pro Trp His Lys Ser Trp Gln Cys
【図面の簡単な説明】
【図1】特異的結合能を持つファージクローンの選択方
法を示す。
【図2】IL−6依存マウス細胞株、MH60を用いた
ファージクローンによる増殖阻害実験の結果を示す。
【図3】ファージクローンによるIL−6依存性ヒト細
胞株、KT−3の増殖阻害を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 13/12 A61P 19/02 19/02 19/10 19/10 29/00 101 29/00 101 31/18 31/18 35/00 35/00 37/06 37/06 43/00 111 43/00 111 A61K 37/02 Fターム(参考) 4C084 AA07 BA01 BA08 BA17 BA23 DA18 NA14 ZA511 ZA661 ZA811 ZA961 ZA971 ZB081 ZB111 ZB151 ZB261 ZC421 ZC551 4H045 AA10 CA40 EA22 FA74

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の性質を有するIL−6シグナル伝達
    拮抗ペプチド: (1)IL−6受容体に結合して三次構造上IL−6機能
    阻害の作用を有する; (2)前記(1)の特異三次構造形成の基本一次構造は両端を
    システインではさまれた6〜9個のアミノ酸配列を含有
    する;および (3)前記(2)のアミノ酸配列の分子量は、3kd以下であ
    る。
  2. 【請求項2】前記(2)のアミノ酸配列がシステインでは
    さまれた7個のアミノ配列からなり、そのN−末端側か
    ら4番目および7番目が疎水性基を有するアミノ酸残基
    であり、親水生/疎水性のプロットパターンが疎水性パ
    ターンを示す請求項1記載のIL−6シグナル伝達拮抗
    ペプチド。
  3. 【請求項3】前記疎水性基を有するアミノ酸残基がトリ
    プトファン残基である請求項2記載のIL−6シグナル
    伝達拮抗ペプチド。
  4. 【請求項4】下記のアミノ酸配列を有する請求項1記載
    のIL−6シグナル伝達拮抗ペプチド: (1)システィンではさまれたアミノ酸配列が トリプトフ
    ァン、リジン、ヒスチジン、グルタミン、セリン、バリ
    ン、プロリン、メチオニン、アスパラギンおよびアルギ
    ニンの群から選択された7アミノ酸を構成アミノ酸とす
    る;および(2) N−末端側から3番目がトリプトファン
    残基であり、4番目がトリプトファン残基またはアルギ
    ニン残基であり、5番目がリジン残基であり、7番目が
    トリプトファン残基またはアルギニン残基であり、8番
    目がグルタミン残基である。
  5. 【請求項5】配列番号1〜4のいずれかのアミノ酸配列
    を含有する請求項1記載のIL−6シグナル伝達拮抗ペ
    プチド。
  6. 【請求項6】配列番号5のアミノ酸配列を含有する請求
    項1記載のIL−6シグナル伝達拮抗ペプチド。
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Cited By (3)

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