JP2003026373A - ボビン - Google Patents

ボビン

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JP2003026373A
JP2003026373A JP2002123697A JP2002123697A JP2003026373A JP 2003026373 A JP2003026373 A JP 2003026373A JP 2002123697 A JP2002123697 A JP 2002123697A JP 2002123697 A JP2002123697 A JP 2002123697A JP 2003026373 A JP2003026373 A JP 2003026373A
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fiber yarn
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JP2002123697A
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English (en)
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Shota Sakimura
章太 崎村
Eiichi Yamamoto
栄一 山本
Katsumi Hirota
勝巳 廣田
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安全で、半製品のボビンを繊維糸条から抜き取
り分離することが非常に簡単で、繰り返し使用の低コス
トボビンが前提で、さらには自動機の糸掛けや玉揚げに
対応ができるボビンを提供する。 【解決手段】ボビン外周面において、軸方向に切離され
た切欠き部を有することを特徴とするボビン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然繊維、合成繊
維、ガラス繊維、炭素繊維などの製造または加工工程に
おいて、モノフィラメントからマルチフィラメントの繊
維糸条を巻取機で巻くためのボビンに関するものであ
る。特に、巻かれた繊維糸条とボビンの分離が容易で、
また自動機による糸掛け・玉揚げ対応も可能なボビンに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、殆どの繊維糸条は、巻取機でボビ
ンに巻取って、製品化している。巻製品は、一般的に密
度が高く、コンパクトにできるので搬送効率に優れてい
るばかりでなく、後工程での加工やハンドリング性も良
いことなどから広く使用されている。
【0003】このような繊維糸条の巻製品を生産するに
おいて、生産条件が安定するまでは、巻取機の条件調整
を兼ねて、格下げ製品(1級品未達製品。以下「半製
品」と呼称する)としてはっきり区別して巻取られる。
【0004】半製品は、後工程で加工活用するため、前
もって巻かれた繊維糸条からボビンを分離除去しておく
ことが必要である。また、半製品で廃棄処分するものに
おいてもボビンという異質のものと事前に分離すること
は、必要なことである。
【0005】従来から、巻製品のボビンは、製品と一体
で出荷され、ユーザーで、繊維糸条部を表層から引出す
ときの支持体として繊維糸条がなくなるまで使用される
のが一般的である。これを前提にしているため、ボビン
は巻上げられた繊維糸条の形態を保ち支持する役目を重
視していて巻上げ直後に繊維糸条と分離することは容易
ではない。
【0006】通常、半製品用ボビンにも、使用済の製品
用ボビンが繰り返し使用されるが、同様に繊維糸条とボ
ビンの分離は容易ではない。
【0007】これを分離するには、巻品の表層から繊維
糸条を人手や引取り機で解舒して分離していた。本作業
は、要員を必要とし、かつ長時間(500本処理を1人
で約4時間所要)を要すという生産効率の悪いものであ
った。
【0008】他に、巻品の表層から半径方向かつ巻幅方
向にナイフや鋏で繊維糸条を切断分離するとか、ボビン
を破壊して抜き取るなどの方法も考えられた。
【0009】また、巻取条件の張力や面圧を変更して、
分離しやすいように緩く巻いておくことも考えられた。
【0010】いずれも長時間を要したり、刃物を使用す
るため不安全であったり、ボビンの再利用ができずコス
トがかかったり、専用の設備を必要としたり、巻取機の
巻取条件変更が頻繁で工数を要するなどの問題があっ
た。
【0011】また、巻製品の内側、つまり内周から繊維
糸条を引出して使用するインサイドプル用の製品ボビン
があるが、これは比較的容易に繊維糸条とボビンの分離
が可能である。これに関する特許として、例えば特許第
2884142号などがある。
【0012】しかし、これらのボビンは、製品の形態保
持に重点をおく必要上から分離はできるが決して簡単と
いうものではない。また、基本的に使い捨て設計である
ため、コストが合わず、本目的の用途では、満足できな
かった。さらに自動機で糸掛けや玉揚げをさせるために
は、ボビンが薄くて細工が難しく、自動機本体側へ改造
負担が大きくかかることや自動化成功率を安定して得る
設備化には不安がある。
【0013】しかし、近年の要員コストは製品コストア
ップへの影響が大きいことから、半製品とはいえ、巻取
および玉揚げ時は、要員のかからない自動機で対応させ
ることが必要であった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
したように、安全で、半製品のボビンを繊維糸条から抜
き取り分離することが非常に簡単で、繰り返し使用の低
コストボビンが前提で、さらには自動機の糸掛けや玉揚
げに対応ができるボビンを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、ボビンに以下のような形状構成を採用す
る。すなわち、 (1)ボビン外周面において、軸方向に切離された切欠
き部を有することを特徴とするボビン。
【0016】(2)円周の一部が軸方向の全域に渡って
切離された切欠き部を有することを特徴とするボビン。
【0017】(3)ボビンが概略円筒形であることを特
徴とする前記(1)または(2)に記載のボビン。
【0018】(4)切欠き部の幅が、ボビン外周全長の
5%以上15%以下であることを特徴とする前記(1)
〜(3)のいずれかに記載のボビン。
【0019】(5)切欠き部の幅が、巻取状態において
外周全長の5%以上15%以下であり、巻取後において
巻取状態より狭くなるものであることを特徴とする前記
(1)〜(4)のいずれかに記載のボビン。
【0020】(6)軸方向に渡って薄肉部を設けたこと
を特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のボ
ビン。
【0021】(7)軸方向で厚さの異なる部分を有する
ことを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載
のボビン。
【0022】(8)外周面で軸方向の少なくとも1ヶ所
において、部分的にまたは全周に外周方向の溝が設けら
れていることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれ
かに記載のボビン。
【0023】(9)射出成形法で作られたことを特徴と
する前記(1)〜(8)のいずれかに記載のボビン。
【0024】本発明のボビンは、巻取りにおいて通常ボ
ビンと同様に扱うことができ、自動機による糸掛けや玉
揚げ対応も通常ボビン並にでき、巻上げ後において、ボ
ビンと繊維糸条の分離が簡単にできるようにしたもので
ある。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に本発明の構成について具体
的に説明する。
【0026】本発明のボビンは筒状であり、ボビン外周
面において、軸方向に切欠き部を有しているものであ
る。筒状であれば、断面形状は特に限定されるものでな
く、四角形、六角形などの多角形などでも良い。巻取り
性と分離性を考慮すると、円筒形が好ましい。本発明ボ
ビンの最もシンプルな実施例をもとに、ボビンと繊維糸
条の分離機能を説明する。
【0027】図1は、本発明の一実施態様によるボビン
の概略斜視図を示す。
【0028】図2は、図1の一実施態様によるボビンの
断面図で、周長の一部が切欠かれている状態を示す。こ
の切欠きの存在により、ボビンを絞る(縮径する)こと
ができ、巻取り後に繊維糸条とボビンを分離することが
できる。
【0029】図2のA寸法は、フリー状態での切欠き部
の幅を示している。切欠き部は、常時切り離れている。
巻取り後に繊維糸条とボビンを分離するに際して、まれ
ではあるが、大きくボビンを絞る(縮径する)必要があ
る時にのみ軸方向の1部分が接触する可能性がある。
【0030】切欠き部の幅が狭過ぎると巻品のボビンと
繊維糸条が分離し難くなり、一方、広過ぎると巻取り時
にボビンを把持する軸に繊維糸条が接触して巻取機から
ボビンを取り外せない。よって、幅の大きさは、ほぼ円
筒形ボビンについて、外周全長の5%以上〜15%以下
が現実的なところで好ましい。
【0031】切欠き部のボビン軸方向の幅は、厳密に一
定であることを問わない。また、切欠き部は、幅をほぼ
保っていれば、軸方向において、斜めでも波形でも問題
としない。
【0032】また、図2のA寸法部の切欠き部切り口
は、概略円筒形のボビンの中心から放射状に加工されて
いても、円筒形中心軸と平行に加工されていてもよい。
【0033】図3は、図1の一実施態様によるボビンを
巻取機に装着した状態の断面図である。図3のB寸法
は、図2のA寸法のボビンを巻取機に装着した結果でも
ある。ボビンを巻取機に装着した状態では装着前に比べ
て切欠き部の幅が大きくなっている。ただし、装着する
巻取機によっては、ほぼ同値の場合もあり得る。
【0034】必要なB寸法は、巻終えて巻取機からボビ
ンを取外したとき繊維糸条の自然収縮だけによって0m
mにならないだけの大きさとすることが重要である。厳
密には、0mmになっても繊維糸条からボビンが分離で
きれば機能上の問題はないが、余裕がなく好ましい状態
とはいえない。
【0035】つまり、図3における巻取開始時には、ほ
ぼ同じ長さであるボビンの外周全長1と繊維糸条の周全
長1’が、巻終えてからボビンの外周全長1を繊維糸条
の周全長1’よりも十分に短くすることができなければ
ならない。B寸法の値が大きいほど巻取り後のボビンと
繊維糸条が分離し易くなる。
【0036】しかし、大き過ぎると、巻取開始時から切
欠き部の切り口を結ぶ直線上に通るように巻かれた繊維
糸条が、巻取機ボビン軸表面に接触するので、ボビンを
ボビン軸と共に縛りつけることになる。結果、ボビン軸
に繊維糸条がひっかかるなどして巻取機からボビンを取
出せなくなる問題が発生する。
【0037】適正なB寸法は、取り扱う糸条の性質や巻
取条件、ボビン軸のチャック力、チャック構造によって
も異なるが、実験によれば、ボビンの外周全長1の5%
以上15%以下が好ましい。
【0038】図4は、図1の一実施態様によるボビンで
巻き終えて巻取機からボビンを取り外し、ボビンと繊維
糸条が分離可能な状態になっていることを示した断面図
である。
【0039】巻かれた繊維糸条の収縮率や巻条件による
巻締りにもよるが、巻取機のボビンチャック力を解放し
ただけで、図4のような状態になって簡単にボビンと繊
維糸条を分離できる。
【0040】巻終えたボビンを巻取機から取り外したと
き、図4のC寸法がゼロでない限りは、さらに人手など
の外力でボビンを絞れば(つまり、ボビンの外周全長2
を短くする操作のこと)、ボビン外周に位置している巻
終わり繊維糸条の周全長2’との差を大きくできるので
簡単に分離できる。
【0041】本発明のボビンは、以上の説明からも、そ
の形状は円筒形に限定されるものではない。図3に示す
ように、ボビンの外周全長1が、巻始めの段階で、ボビ
ンに近接して巻取られた実質糸条長(=最内巻層の繊維
糸条の周全長1’)とほぼ同長で、巻取り後において実
質糸条長(巻終り繊維糸条の周全長2’)よりも大幅に
短くできる(絞り時のボビン外周全長2比較)のでボビ
ンと繊維糸条が簡単に分離できることに特徴がある。
【0042】したがって、ボビンの断面形状は限定され
るものではない。
【0043】ただ、巻取る場合において、ボビンを把持
するものが円筒軸でボビン内径を把持することが一般的
であることから、基本的には円筒形が汎用で、安価な
上、実用的といえる。
【0044】本発明のボビン形状で重要なことは、巻き
始めにおいてボビンの外周が軸方向に渡って切欠き部が
設けられていること(外周部が常につながっていない)
である。つまり、巻取り後、ボビン外周を絞った(最小
値はボビンの切欠き部が接するまで絞った状態である)
結果、ボビンの外周全長2を巻取開始時(=巻取開始ボ
ビンの外周全長1)よりも短くできることに特徴があ
る。
【0045】ボビンの肉厚においては、人手でボビン外
周を絞って繊維糸条から軸方向に抜き取る操作をするこ
とが多いので、人の握力で軽くボビン外周を絞れる(縮
径できる)ように、図5で示すように、軸方向に薄肉部
3を設けることが好ましい。この薄肉部3は1カ所に限
定されず、ボビン軸方向に複数か所設けたものであって
も良い。
【0046】薄肉部3の厚さは、金属、プラスティック
スの場合0.3〜3mm範囲で試作して決めるのがよ
い。
【0047】また、幅を持たない切り込みを設けても同
様の結果が得られる。特に、柔軟な紙や弾性材料や肉厚
の薄いボビンでは必ずしも設ける必要がないものであ
る。
【0048】薄肉部3を設ける位置については、切欠き
部の反対側位置に設けると、巻取り後の絞り効果が最大
となって、ボビンの外周全長2と繊維糸条の周全長2’
の差を最も大きくできるので好ましい。反対側でボビン
の内側に設けてもよいが、加工のし易さや巻取機が一般
的に内径把持するものが多く、その場合、段差があると
ボビン把持の不確実さと不安定が懸念されるので、外側
に設ける方が好ましい。
【0049】次に、自動機糸掛け・玉揚げ対応用とし
て、図6に本発明で自動機対応の一実施態様のボビンの
概略斜視図を示す。
【0050】図7は、図6のボビンについて、切欠き部
と平行に切断した断面図である。図6、図7には、実質
巻幅部4を他の部分よりも厚肉にして段差5を設けたも
のを示している。
【0051】これは、巻品端面の一部を玉揚げ機のレバ
ー6で押して引き込みボビンを巻取機から外して玉揚げ
する自動機に対応させるためである。巻糸条8の巻厚さ
が薄い場合、レバー6が押すべき巻品の端面部分に届か
ないため、玉揚げで最低限必要な巻厚さ相当の段差5を
設けて対応させるためである。
【0052】段差の付いた実質巻幅部4の軸方向位置と
長さは、実質的に繊維糸条が巻かれるトラバース位置と
その範囲で、レバー6と干渉しなければよい。
【0053】段差の長さについては、前記条件を満たし
た上で、レバー6の反対側においてはボビン端まで延長
しても何ら問題はない。
【0054】すなわち、これは、自動機で、本発明のボ
ビンを巻取機から玉揚げする場合に、対応させるための
細工である。
【0055】通常、巻製品は、糸条の巻き時間が長く、
つまり巻量が多いため、十分な高さの段差5に相当する
部分が糸条によって形成されるので、自動機による玉揚
げが、フラットなボビン表面から糸条を巻いて形成した
段差の端面部に対して、図7のレバー6を押し当てるこ
とができ、図中では向かって左に強制的に移動させるこ
とによって問題なく行なわれる。
【0056】本発明のボビンは、巻き時間が短く、巻量
が少ないため、十分な段差が形成できない段階で、自動
機で玉揚げすることになる。また、レバー6をボビン表
面に接するが如く近接することは、設備構造上の困難と
高精度化が伴う余分な設備費を必要とするため、現実的
な約3mmのすき間としている。結果、巻厚さ、つまり
段差3mm未満の巻量の場合、自動機での玉揚げができ
ない。
【0057】そこで、ボビン軸方向の製品巻き上げ幅相
当部を、レバー6が引掛かる高さ以上に段差5をボビン
に形成させておくことによって、どんなに短い巻き時間
での玉揚げにも対応できるようにしたものである。
【0058】したがって、段差を設けた実質巻き幅部4
は、軸方向の位置と長さについて、実質的に繊維糸条が
巻かれる巻取機のトラバース幅に最低限対応させ、かつ
レバー6と干渉しないような位置と長さにすればよい。
特に図7で示すボビン左端の段差5は、本ボビンを連結
するように同一巻取機のスピンドル上で複数のコップ巻
きをするとき、レバー6を各コップ毎に設けかつレバー
6の形状が大きく隣接ボビンに干渉するような場合や、
贅肉カットねらいのボビン軽量化、射出成形加工上にお
いて必要な場合のみに設ければよい。設けなくても問題
がない場合が多い。段差の高さは、巻量がゼロでもレバ
ー6が掛かり、玉揚げできる配慮があれば巻量範囲を広
くとれるが、糸条巻で形成した段差部をレバー6で押す
ことによる玉揚げも十分可能なので、3mm以上あれば
十分な高さと言える。
【0059】また、段差の付いた実質巻幅部4は、ボビ
ン全体の軽量化や射出性他成形性向上などの目的から軸
方向に、図5や図6の薄肉幅3とは別に、スリット状の
溝を複数本設けるのがよい。
【0060】段差5の高さは、対応させるレバー6の形
状や位置によって決まる値である。レバー6をボビンに
近接できる一般的な精度から段差5の高さは5〜15m
mでよい。
【0061】また、自動機で糸掛けするためや人手で糸
掛けする場合でも容易にボビンに糸条を巻付けて糸掛け
できるようにすることが重要である。 図6、図7で示
すように、外周面のボビン軸方向の少なくとも1ヶ所
で、外周面の一部または全周に渡って繊維糸条を把持す
る目的の溝7を設けるのがよい。
【0062】図8,図9に溝7の実施例を示す。
【0063】溝の位置、形態、溝幅D、溝深さEは、次
のとおりである。
【0064】溝の位置は、実質巻幅部4、または多少外
れた位置でも糸条を案内できるならば特に問題はない。
【0065】形態については、糸条を把持できれば問題
はない。一般的には、外周面にあって、入口部が広く傾
斜していて糸条を受け入れやすくしておき、溝7の断面
形状で言えば,表面から深さ方向にしたがってだんだん
狭くなっているものが好ましい。
【0066】溝幅Dと溝深さEは、対象とする糸条によ
って決定するべきものである。溝幅Dは最低単糸直径の
1/2、最大糸条の直径と同幅程度が好ましい。溝深さ
Eは、繊維糸条とボビンの分離性を考慮して、溝7に重
ね巻きが幾重にも行われないように、糸条直径の2倍以
下が好ましい。
【0067】ボビン外周の溝加工長であるが、対象糸条
との把持効率に関係するが、ボビン外周の15%〜全周
に施すのが一般的である。
【0068】また他に、糸条の把持が可能ならば、マジ
ックテープ(登録商標)のようなもの、両面テープなど
を糸条の実質巻幅部4の外れた部分に設けてもよい。
【0069】いずれも、自動機の機能や構造設計に依存
するところであり、必ずしも本形状に限定するものでは
ない。
【0070】ボビン材質については、巻品の繊維糸条と
ボビンの分離ができればよく、特に限定しない。紙、ゴ
ム材、金属、プラスティックスなど、ボビン外周を絞る
操作が容易に人手でできて、繰り返し使用でも形態復元
し易いなど、長期間使用上からも好ましい。
【0071】上記で述べたように、切欠き部と反対側の
ボビン軸方向に渡って肉厚の薄い幅部を設けることによ
って、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、その他エンジニヤリングプラスティックス材質な
ど、適用できる範囲はひろい。
【0072】繊維糸条とボビンの分離性をさらに良くす
るためには繊維糸条をボビン軸方向に滑らせて分離する
ことのし易さから低摩擦係数の材質や表面加工を施した
り、離型性のよいシリコン系やフッ素系のものを塗布し
てもよい。梨地仕上や鏡面仕上状態を施すことも良い結
果を生む。
【0073】表面の仕上程度は、対象とする繊維糸条に
よって決めれば良いが、通常は、ひっかっかりがなけれ
ばよく、JIS規格の表面粗さの最大粗さ表示で20S
以下ならば十分である。
【0074】また、製作方法は、低コストであることも
重要で、各種プラスティックスの射出成形品、特に加工
性がよく、低摩擦係数でもあるポリプロピレン製の射出
成形が優れている。
【0075】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0076】
【実施例】実施例1 図1に示す形態で、近似外径約83mm、近似内径約7
6mm、長さ192mm、フリ−状態の切欠き部20m
m(図2で示すA寸法の値でボビン外周全長の8%に相
当している)のほぼ円筒状の表面平滑紙ボビンについ
て、巻取機に仕掛け、繊維糸条(ここでは炭素繊維スト
ランド)を巻取り、ボビンと炭素繊維ストランドの分離
を試みた。
【0077】まず、巻取機のボビン軸に装着した状態で
は、切欠き部が実測35mm(図3で示すB寸法の値
で、ボビン外周全長1の13%に相当していた。)であ
った。この状態で巻取りを開始した。ボビン外周全長1
は約270mmで、巻かれた炭素繊維ストランドの周全
長1’もほぼ同様であった。
【0078】巻厚さで約20mmの巻取りを終了し、巻
取機から巻品のボビンを外した結果、ボビンを外側から
絞るまでもなく、図4の状態にあった。つまり、C寸法
20mm、ボビンの外周全長2が約250mm、繊維糸
条(ここでは炭素繊維ストランド)の周全長2’が約27
0mmであり、簡単にボビンと炭素繊維ストランドを分
離できた。
【0079】50本の巻品について、ボビンと炭素繊維
ストランドの分離作業を実施した結果、1人でわずか3
分間ですべて分離作業を終えることができた。
【0080】実施例2 図6に示す形態の実施例である。近似外径約80mm、
段差部近似外径約106mm(図6の段差5の対応値1
3mm)、近似内径約76mm、長さ192mm、実質
巻幅部161mm(レバー6の対応側の段差開始位置
は、長さ192mmの端面から11mm内側位置)、フ
リー状態の切欠き部23mm(図2のA寸法対応値でボ
ビン外周全長の7%に相当している)、切欠き部と反対
側かつ外側で軸方向全域に渡る薄肉部 厚さ1.5mm
×幅25mm、中央部1ヶ所で、段差部の外周全面に図
8の溝加工(溝幅D1mm、溝深さH1mm)および軸
方向に10箇所の幅6mm深さ7mmのスリットを設け
たほぼ円筒状の射出成形加工で製作したポリプロピレン
製の自動機対応ボビンについて、巻取機に仕掛け、繊維
糸条(ここでは炭素繊維ストランド)を巻厚さ3mmを
巻取った後、ボビンと炭素繊維ストランドの分離を試み
た。
【0081】まず、巻取機のボビン軸に装着した状態で
は、切欠部が実測32mm(図3で示すB寸法の値で、
ボビン外周全長1の10%に相当している)であった。
この状態で巻取りを開始した。ボビン外周全長1は約3
33mmで、巻かれた炭素繊維ストランドの周全長1’
もほぼ同様であった。
【0082】巻厚さで3mm巻取りを終了し、巻取機か
ら巻品のボビンを外してボビンを外側から軽く絞ると、
図4の状態にできた。つまり、C寸法0〜5mm(軸方
向で隙間差がある)、ボビンの外周全長2が約300m
m、繊維糸条(ここでは炭素繊維ストランド)の周全長
2’が約325mmであり、約25mm長の差で簡単に
ボビンと炭素繊維ストランドを分離できた。
【0083】70本の巻品について、ボビンと炭素繊維
ストランドの分離作業を実施した結果、1人でわずか1
0分間ですべて分離作業を終えることができた。
【0084】また、今回、自動機による巻取機対応を実
施した結果、糸掛けでは巻幅中央部の溝へ自動的に糸入
れし問題なかった。さらに、玉揚げ対応についても薄巻
ながらまったく問題なく成功した。
【0085】溝へ入った糸条も浅く簡単に除去できて、
分離作業工数の傷害は全くなかった。
【0086】実施例3 図10に示す形態で、近似内径約76mm、長さ192
mm、フリー状態の切欠き部20mmの筒状のポリプロ
ピレン製ボビンについて、巻取機に仕掛け、繊維糸条
(ここでは炭素繊維ストランド)を巻取り、ボビンと炭
素繊維ストランドの分離を試みた。
【0087】まず、巻取機のボビン軸に装着した状態で
は、切欠き部が実測33mmであった。この状態で巻取
りを開始した。
【0088】巻厚さで約10mmの巻取りを終了し、巻
取機から巻品のボビンを外したとき、C寸法20mm、
ボビンの外周全長2が約270mm、繊維糸条の周全長
2’が約290mmであり、簡単にボビンと炭素繊維ス
トランドを分離できた。
【0089】50本の巻品について、ボビンと炭素繊維
ストランドの分離作業を実施した結果、1人でわずか3
分間ですべて分離作業を終えることができた。
【0090】
【発明の効果】本発明のボビンによれば、自動機での巻
取機への糸掛けおよび玉揚げが可能で、かつ巻品からの
ボビン抜き取り作業負荷を約1/10以下に軽減でき
る。
【0091】また、本構造のボビンは、インサイドプル
巻品用ボビンとしても応用展開できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様による円筒ボビンの概略斜
視図である。
【図2】本発明の一実施態様によるボビンのフリー状態
の断面図である。
【図3】本発明の一実施態様によるボビンの巻取機に装
着した状態の断面図である。
【図4】本発明の一実施態様によるボビンに巻取り後、
巻取機の装着を解除し、かつボビンを外側から絞った結
果、ボビンと繊維糸条が分離可能な状態になっているこ
とを示した断面図である。
【図5】本発明の一実施態様を発展させ、ボビンを絞り
易くするため、切欠き部と反対側に薄肉幅を設けたボビ
ンの断面図である。
【図6】本発明の自動機対応の一実施態様ボビンの概略
斜視図である。
【図7】本発明の自動機対応の一実施態様ボビンの断面
図である。
【図8】本発明ボビンの溝加工形態の一実施例の断面図
である。
【図9】本発明ボビンの溝加工形態の異なる一実施例の
断面図である。
【図10】本発明の一実施態様によるボビンの概略斜視
図である。
【符号の説明】
1:巻取開始ボビン外周全長 1’:巻取開始繊維糸条の周全長 2:ボビン絞り時の外周全長 2’:巻終わり繊維糸条の周全長 3:薄肉幅 4:実質巻幅部 5:段差 6:レバー 7:溝 8:巻糸条 A:フリー状態の切欠き開口寸法 B:巻取開始時の切欠き開口寸法 C:巻取後の切欠き開口寸法または巻取後ボビンを絞っ
たときの切欠き開口寸法 D:溝幅 E:溝深さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3F058 AA06 AB03 BB06 BB11 CA04 DA04 DB05 JA11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボビン外周面において、軸方向に切離され
    た切欠き部を有することを特徴とするボビン。
  2. 【請求項2】円周の一部が軸方向の全域に渡って切離さ
    れた切欠き部を有することを特徴とするボビン。
  3. 【請求項3】ボビンが概略円筒形であることを特徴とす
    る請求項1または2に記載のボビン。
  4. 【請求項4】切欠き部の幅が、ボビン外周全長の5%以
    上15%以下であることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載のボビン。
  5. 【請求項5】切欠き部の幅が、巻取状態において外周全
    長の5%以上15%以下であり、巻取後において巻取状
    態より狭くなるものであることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載のボビン。
  6. 【請求項6】軸方向に渡って薄肉部を設けたことを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載のボビン。
  7. 【請求項7】軸方向で厚さの異なる部分を有することを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のボビン。
  8. 【請求項8】外周面で軸方向の少なくとも1ヶ所におい
    て、部分的にまたは全周に外周方向の溝が設けられてい
    ることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のボ
    ビン。
  9. 【請求項9】射出成形法で作られたことを特徴とする請
    求項1〜8のいずれかに記載のボビン。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009137714A (ja) * 2007-12-06 2009-06-25 Bridgestone Corp 発泡樹脂シート巻取体
CN102689820A (zh) * 2011-03-25 2012-09-26 齐齐哈尔轨道交通装备有限责任公司 卷纸筒和卷纸装置

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