JP2003026197A - 水及び温水に溶けるチャックテープ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 袋の開口部に取付けたチャックテープをダイ
オキシンあるいはＳＯｘの発生しない材料で形成するこ
とで環境汚染に寄与しようとするものである。 【解決手段】 チャックテープの形成材として酢酸ビニ
ールを重合、けん化することで得られる合成樹脂材であ
るポリビニルアルコールよりなる水溶性樹脂材を用いる
ことで上記目的を達成しようとするものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は水及び温水に溶け
るチャックテープに関し、具体的には袋の口部を開閉す
るために開口部に設けられているチャックテープに係
り、このチャックテープを水及び温水に溶けるような材
料で形成した水溶性チャックテープに関する。しかもこ
の発明はこれを焼却した場合でもダイオキシンあるいは
ＳＯｘを発生しにくい材料で形成したチャックテープを
提供しようとするものである。

【０００２】

【従来の技術】袋の口部を開閉する手段としては、図５
に示すように、袋の表裏両紙の口部に係合用凸溝と凹溝
とを形成し、この両溝４′，５′を結合又は解離して行
う場合と、図６で示すように、係合用溝４′，５′を設
けたチャックテープ３′を袋１０′の口部に取付けて行
う場合があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のチャックテープ
は金属製の場合であれ、合成樹脂製であれ、これを焼却
した場合にはダイオキシンの発生原因となり、または土
中に廃棄した場合には公害の発生原因を生来させてい
た。この発明は袋の開閉を行うために袋の口部に取付け
るチャックテープに関するものであり、これを廃棄処理
した際、公害の発生しないチェックテープを提供しよう
とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明に係るチャック
テープは塩素（Ｃｌ）、窒素（Ｈ）、硫黄（Ｓ）等を含
まない素材で形成したもので、酢酸ビニルを重合・けん
化することで得られる合成樹脂材であるポリビニルアル
コールよりなるもので水溶性合成樹脂材で形成されてい
る。なお、水に不溶のポリ酢酸ビニルはこれをけん化す
ることにより分子内の疎水性を示すビニルエステル基が
減少し、親水性を示す水素基が増加するもので水溶解性
が現出するものである。

【０００５】この材料は水溶性であることと併せて、結
晶性のポリマーであること、タフネスの高い皮膜を形成
することと、天然物や無機物などへの接着性が高いこと
を特徴としているものである。なお上記樹脂材としては
ＭＦＲ（メルトインデックス）が１〜９のものが好適で
ある。

【０００６】

【実施例】この発明に係るチャックテープを用いた袋の
製造手段を略述すれば次のとおりである。図１に示すよ
うに、製袋機Ｍには袋の表裏紙１，２とこの両紙に挟持
されてチャックテープ３が送り込まれ、前記各部材は製
袋機Ｍを通過した段階で、Ｉ−Ｉ線拡大断面図で示すよ
うに、チャックテープの取付紙３１および３２に基部を
接着して形成された咬合具４を備えたチャックテープ３
は表裏紙１，２間にそれぞれの端部３１，３２を接着さ
れ、全体として袋体１０が形成される。

【０００７】この発明に係るチャックテープを図２、図
３および図４により説明すれば次のとおりである。図２
に示すようにチャックテープ３は表裏の取付紙３１およ
び３２に基部を接着されている複数個の咬合具４，４を
備え、所定巾ｈをもつ帯体として形成されている。しか
もこのチャックテープ３は咬合具４を含めて全体を水溶
性樹脂材で形成されている。図３は図２のII−II線拡大
断面図を示したもので、咬合具４はメス部５にオス部６
を咬合させて袋の開口部を閉止している。図４は咬合具
４を解離した場合を示したもので、同図から明らかなよ
うに、メス部５は一方の取付紙３１に基部５１を接着等
により固定されており、全体は中空体として形成されて
おり、自由端には係合縁部５２が設けられている。また
オス部６は他方の取付紙３２に基部６１を固定されてお
り、全体は円柱体として形成されており、自由端には膨
大部６２が設けられている。

【０００８】図３および図４で明らかなように袋の開口
部はこの発明に係る咬合具４を形成するオス部６の膨大
部６２をメス部５の係合縁部５２に嵌着または離脱させ
ることで開閉を行うことができる。この発明は上記実施
例に限定されるものでなく、例えば咬合具の形状大きさ
は任意に設計できるものであり、しかも他の公知の結合
具が採用できるものである。また咬合具と取付紙とは一
体成形手段によって同時成形を行うことで水溶性樹脂材
よりなるチャックテープとして製造できるものである。

【０００９】

【発明の効果】この発明はチャックテープをポリビニル
アルコールで形成することでこの材料の特徴である「水
に溶ける」こと、しかも非公害材であることを利用する
ことで環境にやさしいチャックテープを提供できるもの
である。またこの発明は従来包装袋の開閉具の廃棄によ
って生じていたダイオキシンあるいはＳＯｘの発生を生
じさせないもので環境問題，安全性および簡便性の点で
有効である。

【図面の簡単な説明】

【図１】袋へのチャックテープの取付装置の説明図であ
る。

【図２】チャックテープの説明図である。

【図３】咬合具の要部断面説明図である。

【図４】咬合具の解離状態の説明図である。

【図５】従来のチャックテープの説明図である。

【図６】従来のチャックテープの説明図である。

【符号の説明】

１ 表紙 ２ 裏紙 ３ チャックテープ ３１ 取付紙 ３２ 取付紙 ４ 咬合具 ５ メス部 ５１ 基部 ５２ 係合縁部 ６ オス部 ６１ 基部 ６２ 膨大部 Ｍ 製袋機

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 袋の口部に取付けるチャックテープを酢
   酸ビニルを重合・けん化して得られるポリビニルアルコ
   ールで形成したことを特徴とする水及び温水に溶けるチ
   ャックテープ。
2. 【請求項２】 請求項１記載のチャックテープにおい
   て、チャックテープの一方の取付紙に係合縁部を備えた
   メス部を、他方の取付紙に膨大部を備えたオス部をそれ
   ぞれ形成し、前記メス部とオス部とで咬合具を形成した
   ことを特徴とする水及び温水に溶けるチャックテープ。