JP2003025593A - インクジェットヘッドの電極接続構造及びその電極接続方法とインクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドの電極接続構造及びその電極接続方法とインクジェットヘッドの製造方法

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JP2003025593A
JP2003025593A JP2001217203A JP2001217203A JP2003025593A JP 2003025593 A JP2003025593 A JP 2003025593A JP 2001217203 A JP2001217203 A JP 2001217203A JP 2001217203 A JP2001217203 A JP 2001217203A JP 2003025593 A JP2003025593 A JP 2003025593A
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conductive
electrode
ink
conductive resin
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Satoyuki Sagara
智行 相良
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    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
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    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
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    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】材料費が安く量産化に適して安価に製作でき、
ランニングコストも安く、高速印字が可能なインクジェ
ットヘッド並びにその電極接続構造及びその製造方法を
提供する。 【解決手段】外部接続用の電極11が、インク室26の
溝内に充填された導電性樹脂10と、その導電性樹脂1
0を加圧するための加圧部材100と、により構成さ
れ、その加圧部材100は、インク室26の溝と対応す
る凸状の突起部102を有し、該突起部102がインク
室26に挿入される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】木発明は、インクジェットヘ
ッドの電極接続構造及びその電極接続方法とインクジェ
ットヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットヘッドの駆動用ICを含
む外部回路との電気的接続においては、インク室内に形
成された電極はインク室外に延出されて外部取り出し電
極(外部接続用電極)を形成し、前記外部回路との電気
的接続が行われる。
【0003】従来のインクジェットヘッドは、例えば、
図11〜13に示すように、アクチュエータ200のイ
ンク室内電極201は、アクチュエータ200の平坦部
に延出されたインク室外電極(外部取り出し電極)20
2が、ボンディングワイヤ205やTABリード(Ta
pe Automated Bonding Ree
d)206、フレキシブル基板207等を介して、駆動
用IC40と電気的に接続されている。
【0004】例えば、図11に示すように、ボンディン
グワイヤ205で電気的接続をおこなう場合では、イン
ク室内電極201を平坦部まで延出し、Alワイヤボン
ディング技術や、Auワイヤボンディング技術が用いら
れ、平坦な電極面の垂直方向にボンディングウェッジで
ワイヤを押圧し、かつ、加熱超音波印加により金属の固
相拡散接合を行う。
【0005】また、図12に示すように、TABリード
のアウタリード206でのボンディングの場合では、イ
ンク室内電極201を平坦部まで延出し、アクチュエー
タ200上の延出された平坦な電極と平行にTABデバ
イスのアウタリード206を位置合わせして平坦な電極
面の垂直方向から加熱加圧機構を有するリード押圧具を
用いて、アウタリード206表面に予めめっき供給され
ているハンダを溶融させてハンダ接合を行う。また、ハ
ンダ接合の代わりにACF(異方性導電フィルム)やA
CP(異方性導電ペースト)を介して電気的接続を行う
こともある。
【0006】さらに、図13に示すように、フレキシブ
ル基板207の接続の場合でも、上記TABリード20
6の接合と同様に、ハンダ接合やACF、ACPによる
接合が行われる。
【0007】次に、図14により、これらのインク室内
電極201を平坦部に延出させる方法について説明す
る。まず、厚さ方向に分極させた圧電素子260の一表
面にドライフィルムレジスト(図示省略)をラミネート
して硬化させる。次に、ダイサーのダイシングブレード
を用いて圧電素子260をハーフダイスすることにより
インク室226を形成し、ダイシングブレードを上昇さ
せてインク室後端部のアール部分Rを形成し、その後平
坦部はドライフィルムレジストのみをカットする。
【0008】このようにして、複数のインク室(インク
室アレイ)226…を形成した後に、インク室226の
長手方向に対して垂直方向からAlやCu等の電極材料
となる金属を斜めに蒸着する。この作業を、インク室2
26の長手方向に対して左右二方向(図14の矢印参
照)から行うことで、インク室隔壁の表面に金属電極
(インク室内電極)201が形成され、ドライフィルム
レジストおよび各々のインク室隔壁のシャドーイング効
果により、金属電極210となる金属膜形成は、インク
室の厚さ方向で約1/2まで行われる。
【0009】また、インク室後端部のアール部分Rおよ
び平坦部のドライフィルムレジスト開口部分にも同様の
シャドーイングで金属膜形成が行われるが、左右二方向
から平坦部に金属蒸着を行った後に二層の金属膜が重な
り合うようにドライフィルムレジスト厚および開口幅を
設定することで、平坦部においては開口部分全面に金属
膜を形成することができ、アール部分Rでは、インク室
226内で向い合う金属電極201,201同士を接続
することができる。その後、インク供給孔209を有す
るカバー210を接着して、アクチュェータ200は完
成する。
【0010】このように形成されたアクチュエータ20
0は、インク室226を形成する隔壁に形成された電極
201,201において、隔壁を介して向い合う電極2
01,201に逆位相の電位を印加することでシェアモ
ード駆動を行う。つまり、電極形成領域と電極未形成領
域との境目でインク室隔壁が“く”の字に変形し、イン
ク室226内の体積変化に伴うインク室226内のイン
ク圧力変化を利用してインク室先端部に配置したノズル
プレート211の微小なノズル212からインク液滴が
吐出されるものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のイ
ンクジェットヘッド構造では、例えば、図11に示すよ
うに、インク吐出に寄与するアクティブエリアはインク
供給孔209より先端側のみであり、インク供給孔20
9を含む後方側は、インクを供給するための領域であ
り、かつ、アール部分Rおよび平坦電極部はインク室2
26内で向い合う二つの電極201,201を接続して
一つの外部取り出し電極202として駆動用IC40と
電気的接続を行うための領域である。
【0012】このようなインクジェットヘッドの構成で
は、本来インク吐出に寄与するアクティブエリア以外の
部分が非常に大きくなり、材料コストが高くて安価なイ
ンクジェットヘッドを製造できないという問題があっ
た。
【0013】また、高い誘電率を有するPZTなどの圧
電素子上で平坦部分までインク室内の電極を延出させる
必要があるため静電容量が大きくなり、アクチュエータ
駆動に際して、印加駆動波形が鈍ることで高速駆動によ
る高速印字が困難になるという問題があった。
【0014】この印加駆動波形の鈍りは、印加電圧を上
昇させることで改善できるが、印加電圧を上げることで
アクチュエータ200の駆動による発熱量が増大してア
クチュエータ200の温度が上昇することによりインク
粘度が変化して安定で高精度な印加が行えないという問
題や、高い電圧を印加できる駆動用IC40はコスト高
になるという問題、さらに、低消費電力化が困難である
という問題もあった。
【0015】このため、アクチュエータ200のインク
室内電極201,201のアクティブエリア以外の部分
では、圧電素子260と電極201,201との間に低
誘電膜を予め成膜することで、アクティブエリア以外の
部分での静電容量を極力少なくするような対応策が採ら
れていた。
【0016】しかし、約200℃という低温度のキュー
リー点を有するPZTに対して、低温のプロセスで低誘
電率のSi−N膜を形成するためには非常に高価なEC
R−CVD装置が必要であり、製造コストが上昇して安
価なインクジェットヘッドを製造できないという問題が
あった。
【0017】また、上記のような問題に対して、図15
に示すようなインク室(インク供給孔)110およびイ
ンク室内電極111を延出させるための領域を圧電素子
260の長手方向に求めない構造のものが、特開平9−
94954号公報に開示されている。すなわち、該公報
では、インク供給は圧電素子260のアクティブエリア
の後端部にインク室110を設け、インク室内の電極1
11はインク供給側側面もしくはインク吐出側側面に延
長させ、駆動用IC115に導通した電極112との電
気的な接続を行っている。この場合は、アクチュエータ
200のアクティブエリア以外の部分が無いため、圧電
素子260の材料コスト低減は図られるが、やはり余分
な静電容量に問題が残る。
【0018】また、インク室内電極111をアクチュエ
ータ側面に90°の角度で屈曲させて電極の引き出しを
行うことになり、アクチュエータ側面への電極引き出し
のためには、インク室110内の隔壁電極形成のように
ウエハ状態で斜方蒸着で形成することは不可能であり、
アクチュエータに小片化してから、インク室内電極11
1とアクチュエータ側面に同時に金属膜を蒸着して導通
を得る必要がある。
【0019】そして、確実に、二つのインク室内電極1
11,111をアクチュエータ側面に電気的導通をもた
せた状態で延出させるためには、少なくとも二方向から
の斜方蒸着が必要であり、また、引き出した電極間を分
離するためには、予めレジストパターニングもしくはパ
ターニングをおこなわない場合は、ベタ電極に引き出し
た後に、ダイシングやYAGレーザーによる電極分離工
程を必要とし、工程が非常に煩雑となり、生産性が低く
歩留りが低下し、生産コストが嵩むという問題があっ
た。
【0020】引き出し配線は、他にめっき技術により形
成することもできるが、蒸着技術同様に、パターニング
工程もしくは電極分離工程を必要とするため、工程が煩
雑になるという問題があった。また、引き出した電極
も、インク室110からアクチュエータ側面に引き出さ
れる曲面部分で、後の工程やハンドリングで断線する可
能性が高く、生産の歩留りが低下するという問題や環境
信頼性が低下するという問題もあった。
【0021】本発明は、このような実情に鑑みてなさ
れ、材料費が安く製作容易で量産化に適して安価に製作
でき、ランニングコストも安く、高速印字が可能なイン
クジェットヘッドの電極接続構造及びその電極接続方法
とインクジェットヘッドの製造方法を提供することを目
的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決するための手段を以下のように構成している。
【0023】(1)外部接続用電極となる導電性部材
が、インク室の一端部に充填され、かつ、前記導電性部
材内には、加圧部材が埋設されていることを特徴とす
る。
【0024】(従来)インク室内電極を実装のためにイ
ンク室外に引き出していたが、この構成においては、そ
の必要がなくなり、アクチュエータのアクティブエリア
以外の部分がほとんど不要となるため、材料コストの削
減が可能となり、かつ、コンパクト化も可能となる。
【0025】また、アクティブエリア以外の部分がほと
んど不要となるため、静電容量が少なくて済み、駆動周
波数の向上を図れるため高速印字を実現できる。
【0026】そして、駆動電圧の低減が行えるため駆動
用ICの低耐電圧化が行えることから、駆動用ICコス
トの低減化および駆動消費電力の削減化が可能となる。
【0027】(2)前記加圧部材が、導電性部材である
ことを特徴とする。
【0028】この構成においては、加圧部材で導電性樹
脂の導電性フィラーを加圧した際に、凸状の突起部表面
の導電膜と導電性フィラーが接触し、接触抵抗がより安
定化するのは勿論のこと、加圧部材をも導電性樹脂と共
に外部回路と確実に電気的に接続することができる。
【0029】また、加圧部材でハンダペーストを加圧す
ることにより、溶融したハンダは、加圧部材の凸上の突
起部に溶融、凝固し、ハンダがインク室隔壁の長手方向
に流出することはなく、隔壁をシェアモードで駆動する
時の駆動特性が劣化することがなくなる。
【0030】(3)前記導電性部材が、導電性樹脂であ
ることを特徴とする。
【0031】この構成においては、軽量であり、すぐれ
た易加工性、柔軟性を具備した導電性樹脂により、その
製作が容易となり、かつ、軽量化も可能となる。
【0032】(4)前記導電性部材が、ハンダペースト
であることを特徴とする。
【0033】この構成においては、加工性の良好で安価
なハンダペーストにより、製作が容易となり、かつ、コ
スト安に製作することができる。
【0034】(5)前記導電性部材が、前記インク室の
一端部または一端上部に露出し、かつ、前記導電性部材
に、アクチュエータ駆動用ICと導通した電極が電気的
に接続されていることを特徴とする。
【0035】(従来)インク室内電極を実装のためにイ
ンク室外に引き出していたが、この構成においては、
(1)項と同様に、その必要がなくなり、アクチュエー
タのアクティブエリア以外の部分がほとんど不要となり
材料コストを削減できる。
【0036】また、静電容量の低減により、駆動周波数
向上が行えるため高速印字が実現でき、駆動電圧の低減
が行えるためアクチュエータ駆動用ICの低耐電圧化が
行えることから駆動用ICコストの低減および駆動消費
電力の削減を実現できる。
【0037】(6)前記加圧部材が、前記導電性部材の
プレス成形または射出成形により形成されることを特徴
とする。
【0038】この構成においては、加圧部材で導電性樹
脂の導電性フィラーを加圧した際に、凸状の突起部表面
の導電膜と導電性フィラーが接触し、接触抵抗がより安
定化するのは勿論のこと、導電性樹脂並びに加圧部材を
も同様に外部回路と確実に電気的に接続することができ
る。
【0039】また、加圧部材でハンダペーストを加圧す
ることにより、溶融したハンダは加圧部材の凸上の突起
部に溶着、凝固し、ハンダがインク室隔壁の長手方向に
流出することはなく、隔壁をシェアモードで駆動する時
の駆動特性が劣化することもない。
【0040】さらに、プレス成形、射出成形等で加圧部
材を容易に製作するができ、大量生産を行うことが可能
となり、量産を行う上ではコスト的に有利となる。
【0041】(7)前記加圧部材が、カーボンまたはフ
ェライトにより構成されていることを特徴とする。
【0042】この構成においては、カーボンまたはフェ
ライトを素材とすることにより、加圧部材を安価に製作
することができる。
【0043】(8)前記加圧部材の突起部表面には、A
u、Sn、Cu、Niのいずれか、もしくはAu、S
n、Cu、Ni のいずれかを含む合金、からなる導電
膜が形成されていることを特徴とする。
【0044】この構成においては、加圧部材で導電性樹
脂の導電性フィラーを加圧した際に凸上の突起部表面の
導電膜と導電性フィラーフィラーが接触し、接触抵抗が
より安定化する。
【0045】また、溶融したハンダは加圧部材の突起部
に溶着、凝固し、ハングがインク室隔壁の長手方向に流
出することなく、隔壁をシェアモードで駆動する時の駆
動特性が劣化することはない。
【0046】(9)前記導電性部材からなる外部接続用
電極は、前記導電性樹脂の導電性フィラー材料として、
AuまたはAg、もしくはNiまたはCuまたはカーボ
ン、もしくはハンダを用いていることを特徴とする。
【0047】この構成においては、導電材料としてAu
またはAgを用いた場合は、導電性樹脂の電気抵抗およ
び駆動用ICに導通した電極との接続抵抗を低く抑える
ことができるため、アクチュエータ駆動のための電圧印
加波形が鈍ることがなく、駆動周波数を向上させること
ができるため、高速印字が実現できる。
【0048】また、NiまたはCuまたはカーボンを用
いた場合は、導電性樹脂コストを低く抑えることができ
るため、非常に安価なアクチュェータを提供することが
できる。
【0049】さらに、ハンダを用いた場合は、外部回路
との電気的接続時にハンダフィラーを溶融させて金属拡
散接合による外部回路電極との接続が行えるため、より
信頼性が高く、低い接続抵抗値で接続を行うことができ
る。
【0050】(10)前記導電性樹脂から成る外部接続
用電極は、前記導電性樹脂の導電性フィラー寸法として
長手寸法を0.1μm以上で30μm以下に設定したこ
とを特徴とする。
【0051】この構成においては、インク室に充填され
た導電性樹脂に対して、凸状の突起部で加圧挿入するこ
とで、導電性樹脂の導電性フィラー同士の密着面積が増
大し、接触抵抗が安定化する。
【0052】(11)前記導電性樹脂からなる外部接続
用電極は、前記導電性樹脂のガラス転移点が60℃以上
であることを特徴とする。
【0053】この構成においては、インクジェットヘッ
ドの保管温度領域、使用温度領域で十分な信頼性が得ら
れる。
【0054】(12)前記ハンダペーストから成る外部
接続用電極は、ハンダ材料としてSn基ハンダを用いて
構成されることを特徴とする。
【0055】この構成においては、最も入手が容易で、
安価であるため、安価なインクジェットヘッドを提供す
ることができる。
【0056】また、ハンダメーカーにおいて添加元素や
その添加量を変化させることが容易で外部回路との実装
プロセス温度によりハンダの融点を上昇させたり、ハン
ダの融点をコントロールし易いため、新規アクチュエー
タの早期開発や仕様変更等を容易に行える。
【0057】(13)前記ハンダペーストから成る外部
接続用電極が、ハンダ材料として融点が80℃以上のハ
ンダを用いて構成されることを特徴とする。
【0058】この構成においては、インクジェットヘッ
ドの保管温度領域、使用温度領域で十分な信頼性が得ら
れる。
【0059】(14)インク室内に導電性部材を充填す
る充填工程と、加圧部材の凸状の突起部を前記インク室
内に挿入して、前記導電性部材を加圧することにより外
部接続用電極の接続構造を形成する加圧工程と、を有す
ることを特徴とする。
【0060】ェットヘッドの電極接続方法。
【0061】(従来)インク室内電極を実装のためにイ
ンク室外に引き出していたが、この方法では、その必要
がなくなり、加圧部材の凸状の突起部で加圧された導電
性樹脂を(加圧部材と共に)そのままで外部接続用電極
として用いることができ、アクチュエータのアクティブ
エリア以外の部分が少なくなる(不要となる)ため、材
料コストの削減が可能となり、かつ、コンパクト化も可
能となる。
【0062】また、アクティブエリア以外の部分が少な
くなることから、静電容量が少なくて済み、駆動周波数
の向上を図れるため高速印字を実現できる。
【0063】そして、駆動電圧の低減が行えるため駆動
用ICの低耐電圧化が行えることから、駆動用ICコス
トの低減化および駆動消費電力の削減化が可能となる。
【0064】(15)複数のインク室の一端部に導電性
部材を充填することにより外部接続用電極を形成するイ
ンクジェットヘッドの電極接続方法であって、前記イン
ク室の形成方向の直交方向に前記導電性部材を塗布する
塗布工程と、前記導電性部材の上に、前記複数のインク
室に対応して配列された複数の凸状の突起部を有する加
圧部材の前記突起部を加圧挿入する加圧工程と、隣接す
るインク室を隔離するインク室隔壁上に塗布された前記
導電性部材が除去されるまで前記加圧部材を切削する切
削工程と、を有することを特徴とする。
【0065】(従来)シェアモード駆動させるアクチュ
エータにおけるインク室内の対向する独立した二つ以上
の電極を一つの駆動回路に集約して電圧印加をおこなう
必要があるため、アクチュエータは大きな寸法で複雑な
構造を有しており、インク室内の複数の電極をインク室
毎に一つに集約し、アクチュエータ上の平坦な実装領域
に延長していた。
【0066】この方法においては、アクチュエータは、
インク室内に充填された導電性部材によってインク室内
の複数の電極を一つに集約でき、しかも充填された導電
性部材の小片化切断端面に露出した平坦部が外部回路と
の接続部になるため、構成が簡易となり工程の簡素化を
実現できる。
【0067】また、インク室内の電極集約および実装電
極を同一部分で構成することができ、かつ、アクティブ
エリア以外の部分が少なくなる(不要となる)ため、コ
ンパクト化が可能となり、材料コストを削減することも
できる。
【0068】さらに、アクティブエリア以外の部分がほ
とんど不要となるため、静電容量が少なくて済み、駆動
周波数の向上を図れるため高速印字を実現できる。ま
た、駆動電圧の低減により駆動用ICの低耐電圧化がお
こなえ、駆動用ICコストの低減および駆動消費電力の
削減を実現することができる。
【0069】(16)前記導電性部材が、導電性樹脂で
あることを特徴とする。
【0070】この構成においては、軽量であり、すぐれ
た易加工性、柔軟性を具備した導電性樹脂により、製作
が容易となり、かつ、軽量化も可能となる。
【0071】(17)前記導電性部材が、ハンダペース
トであることを特徴とする。
【0072】この構成においては、加工性が良好で安価
なハンダペーストにより、製作が容易となり、また、安
価に製作することができる。
【0073】(18)前記加圧部材の凸状の突起部を、
ダイシングブレードによる溝加工により形成することを
特徴とする。
【0074】この方法においては、インク室を加工する
のと同じ工程で加圧部材を製作することができ、さらに
はインク室を形成するときの溝ピッチと同ピッチで加工
を行うことが可能であり、容易に加圧部材をインク室に
挿入することも可能となる。
【0075】(19)前記加圧部材の凸状の突起部の高
さを、溝加工によって形成される前記インク室の溝深さ
より低く形成することを特徴とする。
【0076】いずれかに記載のインクジェットヘッドの
電極接続構方法。
【0077】この方法においては、加圧部材の凸状の突
起部をインク室に挿入する際に、その挿入深さを一定深
さに保つことができるため、チャンネル間での接続抵抗
のバラツキを抑えることが可能となる。
【0078】また、塗布する液状導電性樹脂、ハンダペ
ーストの量をコントロールしやすくなるため、導電性樹
脂またはハンダペーストによる圧電素子基板の反り量を
抑えることも可能となる。
【0079】(20)前記加圧部材の凸状の突起部を前
記インク室に挿入する前に、該凸状の突起部の表面に導
電膜を形成することを特徴とする。
【0080】ずれかに記載のインクジェットヘッドの電
極接続構方法。
【0081】この方法においては、加圧部材で導電性樹
脂の導電性フィラーを加圧した際に凸状の突起部の表面
に形成された導電膜が導電性フィラーが接触し、接触抵
抗がより安定化する。
【0082】また、溶融したハンダは加圧部材の突起部
に溶着、凝固し、ハンダがインク室隔壁の長手方向に流
出することなく、隔壁をシェアモードで駆動する時の駆
動特性が劣化することはない。
【0083】(21)前記加圧部材の凸状の突起部を、
後工程でインク室高さまで研磨加工することを特徴とす
る。
【0084】(従来)加圧部材を挿入していない場合
は、導電性樹脂、インク室上およびインク室隔壁上に一
文字に塗布供給するため、特に、ディスペンサーでの供
給終了位置では、導電性樹脂の塗布むらや導電性樹脂の
粘度によりディスペンサーを塗布位置から引き上げた際
に導電性樹脂がディスペンサーのノズルにより引きずら
れて山形形状となってしまい、導電性樹脂の厚さにバラ
ツキが生じるため、研磨加工のバラツキを招来してい
た。
【0085】この方法においては、加圧部材の凸状の突
起部をインク室内に挿入するため、加圧部材の溝加工深
さ(突起部の高さ)が大きな影響力を持ち、研磨加工の
バラツキは生じなくなった。また、電極材料をインク室
隔壁へ蒸着する際に、ドライフィルムレジストを使用せ
ずに成膜を行い、インク室隔壁上にも電極が形成される
プロセスであっても何ら問題はない。
【0086】(22)前記インク室の一端部にハンダ電
極を形成する場合に、ハンダペーストをインク室内に充
填し、光エネルギーによるハンダ溶融をおこなうことを
特徴とする。
【0087】この方法においては、レーザー加熱のよう
な局所加熱を行うため、アクチュエータのアクティブエ
リアへの熱負荷を軽減することができ、アクチュエータ
の脱分極を防止することができ、アクチュエータの性能
保持および性能安定性を確保することができる。
【0088】(23)厚さ方向に分極処理をおこない、
所定ピッチで溝加工がおこなわれて、各インク室内に独
立した複数の駆動用電極が形成されたチャンネルウエハ
の溝に前記インク室内の複数の独立した電極を導通させ
るように導電性樹脂を充填する充填工程と、充填された
前記導電性樹脂に加圧部材を挿入し前記導電性樹脂を硬
化させる硬化工程と、前記インク室内からはみだしてい
る前記導電性樹脂ならびに加圧部材をインク室高さまで
研磨加工する研磨工程と、前記チャンネルウエハとカバ
ーウエハとを接着する接着工程と、前記導電性樹脂充填
部を切断するようにチャンネルウエハを小片化する切断
工程と、を含むことを特徴とする。
【0089】ッドの製造方法。
【0090】(従来)シェアモード駆動させるアクチュ
エータにおけるインク室内の対向する独立した二つ以上
の電極を一つの駆動回路に集約して電圧印加をおこなう
必要があるため、大きな寸法で複雑な構造を有したアク
チュェータは、インク室内の複数の電極をインク室毎に
一つに集約し、アクチュエータ上の平坦な実装領域に延
長していた。
【0091】この方法においては、アクチュエータは、
インク室内に充填された導電性樹脂もしくはハンダペー
ストによってインク室内の複数の電極を一つに集約で
き、しかも充填された導電性樹脂もしくはハンダペース
トの小片化切断端面もしくは充填上面で露出した平坦部
が外部回路との接続部になるため、複雑な構造のアクチ
ュエータを形成する必要がないため工程の簡素化を実現
できる。
【0092】また、インク室内の電極集約および実装電
極を同一部分で構成するため、アクチュエータを小さく
することができ、材料コストを削減することができる。
さらに、静電容量の低減により、駆動周波数の向上を図
ることができるため、高速印字を実現することができ
る。また、駆動電圧の低減により駆動用ICの低耐電圧
化がおこなえ、駆動用ICコストの低減および駆動消費
電力の削減を実現することができる。
【0093】(24)厚さ方向に分極処理をおこない、
所定ピッチで溝加工がおこなわれて、各インク室内に独
立した複数の駆動用分極処理をおこなう電極が形成され
たチャンネルウエハの溝に前記インク室内の複数の独立
した電極を導通させるようにハンダペーストを充填する
充填工程と、充填されたハンダペーストに加圧部材を挿
入しハンダペーストを硬化する硬化工程と、前記インク
室内からはみだしているハンダならびに前記加圧部材を
インク室高さまで研磨加工する研磨工程と、前記チャン
ネルウエハとカバーウエハとを接着する接着工程と、前
記ハンダ充填部を切断するように前記チャンネルウエハ
を小片化する切断工程と、を含むことを特徴とする。
【0094】この方法においては、前記(23)と同様
に、工程の簡素化をおこなえ、また、後に行う駆動用I
Cに導通した電極との接続において、その接続温度より
十分に高い融点を有するハンダを用いた場合は、外部回
路との接続時に十分な強度保持が可能であり、より信頼
性の高い外部回路との電気的接続を実現できる。
【0095】(25)前記インク室に導電性材料を充填
する充填工程の間、チャンネルウエハにおけるインクジ
ェットヘッドに構成されたときにアクティブエリアとな
る部分を局所的に強制冷却することを特徴とする。
【0096】この方法においては、アクチュエータのア
クティブエリアへの熱負荷を軽減することができ、アク
チュエータの脱分極を防止することができるため、アク
チュエータの性能保持および性能安定性を確保すること
ができる。
【0097】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態に係る
インクジェットヘッドと電極接続構造及び製造方法につ
いて図面を用いて説明する。図1は、インクジェットへ
ツドを示す断面図である。
【0098】図1に示すように、PZT圧電素子からな
るアクチュエータ20のインク室26の後端部21にA
g導電性フィラーを含有する導電性樹脂10が充填され
ている。
【0099】また、更に充填された導電性樹脂10中に
加圧部材100が埋設された状態になっており、アクチ
ュエータ20の後端部21で導電性樹脂10、加圧部材
100が切断された端面において導電性樹脂10並びに
導電性樹脂10に埋設された加圧部材100が露出した
構成となっている。
【0100】導電性樹脂10と加圧部材10が充填され
ている部分のインク室上部端面22においても導電性樹
脂10と、導電性樹脂10に埋設された加圧部材100
が露出している。
【0101】また、インク室26内には二つのアクチュ
エータ駆動用電極27および28がインク室26で向か
い合った状態で形成されており、充填された導電性樹脂
10と加圧部材100を介して、二つの電極27および
28が導通されている。
【0102】また、アクチュエータ20のインク吐出面
23には、微小なノズル24を有するノズルプレート2
5が被着されており、さらに、アクチュエータ20の後
端部21の上方には、カバー部材30に予め形成された
インク供給口31が配置されている。
【0103】このような構成で、アレイ状に並ぶインク
室26は、圧電素子からなるインク室隔壁29によって
仕切られており、各隔壁29の上部半分に配置した電極
27および28に導電性樹脂10並びに加圧部材100
で一つの外部接続用電極として集約させた導電性樹脂電
極11に同電位の電圧を印加し、インク室隔壁29の表
裏で対向する電極28’および27’に逆位相の電圧印
加をおこなうことによって隔壁29がシェアモードで駆
動するアクチュエータの役目を果たしてインク室26内
のインク圧力をコントロールすることにより、ノズル2
4からインク微小液滴を吐出させる。
【0104】本実施形態のインクジェットヘッドでは、
図2に示すように、駆動用IC40に導通したTABテ
ープ41上に形成されたアウタリード42とアクチュエ
ータ20の後端部21の導電性樹脂10並びに加圧部材
100の露出面11において、ACF(Anisotr
opic Conductive Film:異方導電
性フィルム)50を介して、電気的、機械的に接続する
ことができる。
【0105】また、インク室上部22の導電性樹脂10
並びに加圧部材100の露出面12でも同様に外部回路
との電気的接続をおこなうことができる。また、前記ア
ウタリード42上にAuめっきバンプ、Au転写バンプ
もしくはAuボールバンプを形成し、そのバンプを導電
性樹脂10並びに加圧部材100に突き刺して導通を得
ることもでき、このとき接触面積を大きくとることがで
きるため、より安定な電気的接続を行うことができる。
【0106】電気的な接続としては、例えば、(1)ア
ウタリード42→導電性樹脂10→電極27および28
というパスがあり、加圧部材100が導通性であれば、
さらに、(2)アウタリード42→加圧部材100→導
電性樹脂10→電極27および28というパスと、
(3)上記(1)(2)の混在パスが、考えられる。
【0107】駆動用IC40上に形成された突起電極を
直接アクチュエータ20の導電性樹脂10並びに加圧部
材100に接続することもでき、この場合も突起電極を
導電性樹脂10並びに加圧部材100に突き刺しても良
く、ベアチップを直接アクチュエータ20に実装するこ
とからインクジェットヘッドの小型、軽量化が実現で
き、さらに駆動に伴う発熱をインクに伝達させて駆動用
IC40の冷却効果を期待することができる。
【0108】次に、上記インクジェットヘッドの製造方
法について図3を用いて説明する。まず、厚さ方向に分
極させた圧電素子基板60の一表面にドライフィルムレ
ジスト70をラミネートして硬化させる。次に、ダイサ
ーのダイシングブレードを用いて圧電素子基板60をハ
ーフダイスすることによりインク室26を形成する。こ
のとき、ダイシングブレード幅がインク室26の幅に相
当する。
【0109】このようにしてインク室26アレイを形成
した後に、インク室26の長手方向に対して垂直方向か
らAlやCu等の電極材料になる金属を斜めに蒸着する
(図3の矢印参照)。
【0110】この作業をインク室の長手方向に対して左
右二方向から行うことで、インク室隔壁29の両側に金
属膜を成膜し、ドライフィルムレジストおよび各々のイ
ンク室隔壁29のシャドーイング効果により金属膜は、
インク室26の深さ方向で約1/2まで成膜され、電極
27および28が形成される。
【0111】その後、ドライフィルムレジストをリフト
オフすることで、インク室26の隔壁29上には電極が
形成されることはなく、各インク室26間での電気的な
分離を確実に行うことができる。
【0112】次に、導電性樹脂10を加圧するための加
圧部材100の製造方法について図4を用いて説明す
る。加圧部材100は基板101にダイサーのダイシン
グブレードを用いて基板101をハーフダイスすること
により、凸形状部(突起部)102を有する櫛歯状のア
レイを形成する。
【0113】凸形状部102は、インクジェットヘッド
のインク室26に挿入されるため、凸形状部102の幅
はインク室26よりも狭く、かつ、インク室26を形成
する時の溝ピッチと同ピッチで加工をおこなうことで、
インクジェットヘッドのインク室26に挿入可能な加圧
部材100を製作することができる。
【0114】このように、インク室26を加工するのと
同じ工程で加圧部材100を製作することができ、さら
には、インク室26を形成する時の溝と同ピッチで加工
をおこなうことが可能となり、かつ、後で、確実に加圧
部材100をインク室26に挿入することが可能とな
る。
【0115】また、加圧部材100の凸形状部102の
高さ、すなわち、基板101をハーフダイスする時の溝
深さは、インクジェットヘッドのインク室26を形成す
るときの溝深さよりも浅く加工することにより、加圧部
材100の凸形状部102をインク室26に挿入する際
の挿入深さを一定に保つことができるため、チャンネル
間での接続抵抗のバラツキを抑えることが可能となり、
また、塗布する液状導電性樹脂をコントロールしやすく
なる。
【0116】加圧部材100の厚みは、後述する液状導
電性樹脂の塗布幅と同程度であればよく、本実施形態で
は、点線で示すように、0.5mm幅でダイシングブレ
ードを用いてフルダイスした。このようにして、0.5
mm幅で凸形状部102を有する櫛歯状のアレイからな
る加圧部材100を製作した。
【0117】次に、図5に示すように、圧電素子基板6
0のインク室26のアレイに対して直交方向にディスベ
ンサー等を用いて導電性樹脂10を0.5mm 幅でイ
ンク室26上およびインク室隔壁29に一文字に塗布供
給する。
【0118】導電性樹脂10はインク室26に流れ込み
インク室隔壁29の上部半分に配置した電極27,28
の導通が得られるが、インク室隔壁29上にも導電性樹
脂10は塗布供給されているため、全ての電極が導通し
た状態となっている。
【0119】次に、図6に示すように、導電性樹脂10
が流れ込んだインク室26に対して、相対する櫛歯状の
アレイからなる加圧部材100のインク室26の溝と同
一ピッチの凸部102を加圧挿入する。
【0120】導電性樹脂10は一般的に導電性フィラー
と接着剤を混合させたものであり、導電性フィラー同士
が接触することにより導通が得られるものである。
【0121】インク室26に流れ込んだ導電性樹脂10
がインク室隔壁29の上部半分に配置した電極27およ
び28を導通させるためには、多くの導電性フィラー同
士が接触し合う必要がある。
【0122】導電性フィラー同士の接触抵抗は、フィラ
ー材、フィラー径、接着剤粘度、インク室26幅、塗布
幅、導電性フィラー同士の接触状態等によって変わるこ
とが予想される。
【0123】従って、導電性フィラー同士の接触抵抗を
安定化させるためには、導電性樹脂の選定が重要である
ことは勿論、インク室26幅、塗布幅等を変更するため
にはインクジェットヘッドの設計変更を伴うため簡単で
はない。
【0124】そこで、加圧部材100をインク室26に
流れ込んだ導電性樹脂10内に加圧挿入することで、加
圧により、導電性フィラー同士の接触面積が増大し、接
触抵抗が安定化する。
【0125】また、導電性樹脂10の熱膨張係数は圧電
素子基板60の熱膨張係数よりも大きいため、導電性樹
脂10をインク室26に塗布することにより、硬化後、
インク室26の溝方向と直交方向に凹方向の反りを生じ
てしまうが(従来)、本実施形態では、加圧部材100
をインク室26に流れ込んだ導電性樹脂10内に加圧挿
入することで、予め塗布する導電性樹脂10の量を少な
くコントロールすることにより、導電性樹脂10による
圧電素子基板60の反り量を抑えることが可能となる。
【0126】導電性樹脂10の導電性フィラー寸法とし
て長手寸法が0.1μm以上で30μm以下あることが
望ましい。
【0127】凸形状部102は、インクジェットヘッド
のインク室26に挿入されるため、凸形状部102の幅
は、インク室26の幅よりも狭く加工されており、イン
ク室26と凸形状部102とのクリアランスの部分に導
電性樹脂10の導電性フィラーが充填されている状態で
ある。
【0128】本実施形態では、インクジェットヘッドの
インク室26の幅は約80μmであり、これに対して凸
形状部102は20μm以上の幅を確保しなければ、加
圧部材100を、インク室26に流れ込んだ導電性樹脂
10内に加圧挿入する際に破損する場合があったため、
凸形状部102は20μm以上でインク室26に挿入可
能な寸法が必要であることから加圧部材100をインク
室26にながれこんだ導電性樹脂10内に加圧挿入した
際に導電性フィラーが十分充填される寸法として、0.
1μm以上で30μm以下を選定した。
【0129】これにより、インク室26に充填された導
電性樹脂10に対して、加圧部材100の凸形状部10
2で加圧挿入することで、導電性樹脂10の導電性フィ
ラー同士の密着面積が増大し、接触抵抗が安定する。
【0130】加圧部材100の構成材料としては、ダイ
サーのダイシングブレードを用いて、基板101をハー
フダイスできる材料であればよく、ガラス、セラミック
ス、シリコン等ダイシングブレードによる溝加工を行い
やすい材料であればよく、材料費の削減が可能となる。
【0131】これらの材料を加圧部材100の形状に加
工をおこなった後、凸形状部102の表面にAu、A
l、Cu、Ni、カーボン等の導電膜を成膜することに
より、加圧部材100で導電性樹脂10の導電性フィラ
ーを加圧した際に、凸形状部102表面の導電膜と導電
性フィラーが接触し、接触抵抗がより安定化する。
【0132】さらに、加圧部材100の構成材料とし
て、加圧部材100自体を導電性のある材料であるカー
ボン、フェライト等で製作することにより、加圧部材1
00で導電性樹脂10の導電性フィラーを加圧した際
に、凸形状部102表面の導電膜と導電性フィラーが接
触し、接触抵抗がより安定するのは勿論のこと、導電性
樹脂10並びに加圧部材100をも同様に外部回路と電
気的に接続することができる。
【0133】この他に、加圧部材100の構成材料とし
ては、Au、Al、Cu、Ni等の導電性材料で製作す
ることも可能である。この場合は、ダイサーのダイシン
グブレードで加工できない場合があるため、プレス成
形、射出成形等で加圧部材100の形状に加工をおこな
う必要があるが、加圧部材100で導電性樹脂10の導
電性フィラーを加圧した際に、凸形状部102表面の導
電膜と導電性フィラーが接触し、接触抵抗がより安定す
るは勿論のこと、導電性樹脂10並びに加圧部材100
をも同様に外部回路と電気的に接続することができる。
【0134】プレス成形、射出成形等で加圧部材100
を製作することにより、大量生産を行うことが可能とな
り、量産をおこなう上でコスト的に有利となる。
【0135】その後、加熱して導電性樹脂10を硬化さ
せるが、このとき、アクチュエータへの熱負荷を考慮し
て、アクチュエータのアクティブエリアをステージのア
クティブエリア領域を冷却することによってアクティブ
エリアの強制冷却をおこなうこともでき、また、加熱硬
化をおこなわずに、室温放置にて硬化させることもでき
る。
【0136】硬化した導電性樹脂10により加圧部材1
00の凸部102は、インク室26に埋設された状態と
なっている。
【0137】次に、図7に示すように、加圧部材100
のインク室26に埋設されていない部分とインク室隔壁
29上に塗布された導電性樹脂10を研磨加工により除
去し、各インク室26間での電気的な分離をおこなう。
【0138】この場合、研磨加工する厚さは、加圧部材
100の溝加工深さが支配的であるが、加圧部材100
を挿入していない場合は、塗布した導電性樹脂10が研
磨加工する厚さを支配する。
【0139】導電性樹脂10をインク室26上およびイ
ンク室隔壁29上に一文字に塗布供給するため、特に、
ディスペンサーでの供給終了位置では、導電性樹脂10
の塗布むらや導電性樹脂10の年とによりディスペンサ
ーを塗布位置から引き上げた際に導電性樹脂がディスペ
ンサーのノズルにより引きずられて山型形状となってし
まい、導電性樹脂10の厚さにバラツキが生じるため、
研磨加工のバラツキを招来していたが、本実施形態で
は、加圧部材100を加圧挿入しているため、インク室
26に埋設されていない部分の高さが一定となり、研磨
加工のバラツキは発生しない。
【0140】圧電素子基板60の面積に対して加圧部材
100のインク室26に埋設されていない部分とインク
室隔壁29上に塗布された導電性樹脂10の占める面積
は小さいため、研磨加工が終了(各インク室26間での
電気的な分離が終了)した時点で、研磨レートが極端に
遅くなることから、時間で研磨終了位置を十分管理する
ことが可能である。
【0141】また、研磨面は、後述するカバーウエハ6
1(図8参照)を接着することを考慮して面粗度を決定
する必要があり、本実施形態では、最終的に、#400
0相当の砥石を使用して研磨加工をおこなった。
【0142】これにより、インク室26には、導電性樹
脂10により加圧部材100の凸部102が埋設され、
各インク室26間での電気的な分離ができた状態とな
る。本実施形態では、研磨加工をおこなうことで、各イ
ンク室26間の電気的分離をおこなっているため、電極
材料をインク室隔壁29へ蒸着する際に、ドライフィル
ムレジスト70を使用せずに成膜を行い、インク室隔壁
29上にも電極が形成されるプロセスも適用可能であ
る。
【0143】次に、図8に示すように、インク供給口3
1用のザグリを形成した圧電素子から成るカバーウエハ
61を用意する。このカバーウエハ61は、後にインク
ジェットヘッドに構成されたときにインク供給口31を
形成し、インク室26の上部を封じるカバー部材30に
なる。
【0144】通常、カバーウエハ61はインク室26を
形成するアクチュエータとの熱膨張率のマッチングを良
くするためにインク室26を構成する圧電素子と同じ材
料を使うが、熱膨張率が比較的近い安価なアルミナセラ
ミックを用いても良い。
【0145】インク室26アレイを形成した圧電素子基
板60とカバーウエハ61を市販の接着剤で接着する。
このとき、加圧部材100の凸形状部102が埋設され
た部分はカバーウエハ61に形成したインク供給口31
のためのザグリ部分中央部に来るように位置合わせを行
い、両者を貼り合わせる。
【0146】その後、図8の破線で示したダイシングラ
インで、カバーウエハ61のインク供給口用ザグリ部分
で圧電素子基板60の加圧部材100の凸部102が埋
設された部分でダイサーのダイシングブレードによるフ
ルダイスを行い、個々のアクチュエータに小片化する。
【0147】このとき、切断面には導電性樹脂10並び
に加圧部材100の凸部102の切断面がアクチュエー
タ側面に露出しており、これらがそのまま、後に接続さ
れる駆動用IC40に導通した外部回路との電気的接続
用電極となり、アクチュエータが完成する。
【0148】上記のように、ダイサーのダイシングブレ
ードにより導電性樹脂10並びに加圧部材100の凸部
102を切断するように加工をおこなう場合において
も、加圧部材100の加圧挿入をおこなうことによっ
て、導電性樹脂10の導電性フィラー同士の接触面積が
拡大しているために、ダイシング加工による導電性フィ
ラーの脱粒等も減少し、安定した導通が得られる。
【0149】また、導電性樹脂10の代わりにハンダを
充填することもでき、この場合は駆動用IC40に導通
した電極との接続において、機械的特性が導電性樹脂1
0よりも優れ、電気伝導率も導電性樹脂10より優れる
ため、より信頼性の高い外部回路との接続が可能であ
り、電気抵抗もインク室間におけるバラツキも少なく安
定である。
【0150】図示は省略するが、インク室26内にハン
ダ電極を形成するためには、フラックスとハンダ微粒子
を混錬したハンダペーストを導電性樹脂と同様にディス
ペンサー等で供給し、加圧部材100をインク室26に
加圧挿入した後に、レーザー光照射によるハンダ供給部
分のみの局所加熱を行い、インク室26内でハンダを熔
融、凝固させることで後にダイシング端面でハンダ電極
を形成することができる。
【0151】加圧部材100をインク室26に加圧挿入
せずに、ハンダペーストを溶融させた場合、溶融したハ
ンダは、インク室隔壁29の上部半分に配置した電極2
7および28の金属材料によるが、ハンダとの濡れ性が
良好な場合は、ハンダがインク室隔壁29の長手方向に
流出し、ダイサーのダイシングブレードにより、個々の
アクチュエータに小片化したときのハンダ露出面である
インク室26内部ハンダが充填されていない状態とな
る。
【0152】ハンダがインク室隔壁29の長手方向に流
出することにより、隔壁29をシェアモードで駆動する
時の駆動特性が劣化し、インクの突出バラツキとなり歩
留りの低下を招来していたが(従来)、本実施形態で
は、加圧部材100の材料自体をハンダとの濡れ性のよ
い材料であるAu,Sn,Cu,Ni等に代表される材
料で構成するか、もしくは図5等で示した加圧部材10
0を形成後にハンダとの濡れ性の良好な材料であるA
u、Sn、Cu、Niのいずれかを含む合金膜を加圧部
材100の凸形状部102表面に成膜し、加圧部材10
0をインク室26に加圧挿入することにより、溶融した
ハンダは加圧部材100の凸形状部102に溶着、凝固
し、ハンダがインク室隔壁29の長手方向に流出するこ
とはなく、隔壁29をシェアモードで駆動する時の駆動
特性が劣化することはない。
【0153】また、ハンダをインク室26に充填する工
程において、必要に応じてアクティブエリアの強制冷却
することで、アクティブエリアの熱負荷による圧電素子
の脱分極を防止することができる。
【0154】また、ハンダの熱膨張係数は圧電素子基板
60の熱膨張係数より大きいため、ハンダペーストのみ
をインク室26に塗布することにより、硬化後インク室
26の溝方向と直交方向に凹方向の反りを生じてしまう
が、加圧部材100をインク室26に流れ込んだハンダ
ペースト内に加圧挿入することで、予め塗布するハンダ
ペーストの量を少なくコントロールすることにより、ハ
ンダペーストによる圧電素子基板60の反り量を抑える
ことが可能となる。
【0155】本実施形態のインクジェットヘッドの構造
においては、外部接続用の電極がインク室内に充填され
た導電性樹脂と加圧部材またはハンダと加圧部材により
形成されている。したがって、(従来)インク室内電極
を実装のためにインク室外に引き出していたが、その必
要がなくなり、アクチュエータのアクティブエリア以外
の部分がほとんど不要となり材料コスト削減を実現でき
る。
【0156】また、静電容量の低減により、駆動周波数
向上が行えるため高速印字が実現でき、駆動電圧の低減
が行えるため駆動用ICの低耐電圧化が行えることから
駆動用ICコストの低減および駆動消費電力の削減とコ
ンパクト化を実現できる。
【0157】また、本実施形態のインクジェットヘッド
の製造方法においては、(従来)シェアモード駆動させ
るアクチュエータにおけるインク室内の対向する独立し
た二つ以上の電極を一つの駆動回路に集約して電圧印加
を行う必要があるため、大きな寸法で複雑な構造を有し
たアクチュエータが必要とされていたが、インク室内の
複数の電極をインク室毎に一つに集約し、アクチュエー
タ上の平坦な実装領域に延長していたが、本製造方法で
得られるアクチュェータは、インク室内に充填された導
電性樹脂もしくはハンダによってインク室内の複数の電
極を一つに集約でき、しかも充填された導電性樹脂もし
くはハンダの小片化切断端面もしくは充填上面で露出し
た平坦部が外部回路との接続部になるため、複雑な構造
のアクチュエータを形成する必要がなくなり工程の簡素
化を実現できる。
【0158】また、前記インクジェットヘッドの導電性
樹脂から成る外部接続用電極は、導電性樹脂の導電性フ
ィラー材料としてAuまたはAg、もしくはNiまたは
Cuまたはカーボン、もしくはハンダで構成されている
ため、導電性材料としてAuまたはAgを用いた場合
は、導電性樹脂の電気抵抗および駆動用ICに導通した
電極との接続抵抗を低く抑えることができる。従って、
アクチュエータ駆動のための電圧印加波形が鈍ることが
なく、駆動周波数を向上させることができるため、高速
印字が実現できる。また、NiまたはCuを用いた場合
は、導電性樹脂コストを低く抑えることができるため、
高速印字は困難であるが、非常に安価なアクチュエータ
を提供することができる。
【0159】また、ハンダを用いた場合は、外部回路と
の電気的接続時にハンダフィラーを熔融させて金属拡散
接合による外部回路電極との接続が行えるため、より信
頼性が高く、低い接続抵抗値で接続を行うことができ
る。
【0160】また、前記インクジェットヘッドの導電性
樹脂から成る外部接続用電極は、導電性樹脂の導電性フ
ィラー形状として針状もしくはフレーク状もしくはコン
ペイトウ状フィラーであるため、インク室内電極がAl
等で構成される場合では、Al電極表面には酸化皮膜が
形成されており、かつ、導電性フィラーが針状、フレー
ク状、もしくはコンペイトウ状のように鋭角を有する構
造であるため、導電性樹脂充填工程においてAl電極の
酸化皮膜を導電性フィラーが当接する部分で局所的に破
壊できる。従って、導電性樹脂とインク室内電極との接
続抵抗を低減させることができ、アクチュエータ駆動の
ための電圧印加波形が鈍ることがなく、駆動周波数を向
上させることができ、高速印字が実現できる。
【0161】また、前記インクジェットヘッドの導電性
樹脂から成る外部接続用電極は、導電性樹脂の導電性フ
ィラー形状として略球形であってもよく、この場合は導
電性樹脂内では最も密に導電性フィラーが配置されるた
め、導電性樹脂の接断面での単位面積当たりの導電性フ
ィラー露出量が最も多く、外部回路との電気的接続に際
して接続抵抗値を低く抑えることができる。従って、ア
クチュエータ駆動のための電圧印加波形が鈍ることがな
く、駆動周波数を向上させることができ、高速印字が実
現できる。
【0162】また、前記インクジェットヘッドの導電性
樹脂から成る外部接続用電極は、導電性樹脂のガラス点
移転が60℃以上であることが望ましく、この場合、イ
ンクジェットヘッドの保管温度領域、使用温度領域で十
分な信頼性が得られる。
【0163】また、前記インクジェットヘッドのハンダ
から成る外部接続用電極は、ハンダ材料としてSn基ハ
ンダで構成してもよく、最も入手が容易で、安価である
ため、安価なインクジェットヘッドを提供することがで
きる。そして、ハンダメーカーにおいて添加元素やその
添加量を変化させることが容易で外部回路との実装プロ
セス温度によりハンダの融点を上昇させたり、ハンダの
融点をコントロールし易いため、新規アクチュエータの
早期開発や仕様変更等を容易に行える。
【0164】また、前記インクジェットヘッドのハンダ
から成る外部接続用電極は、ハンダ材料として融点が8
0℃以上のハンダで構成されていることが望ましく、イ
ンクジェットヘッドの保管温度領域、使用温度領域で十
分な信頼性が得られる。
【0165】ところで、本発明では、インク室26内の
両電極27,28を導通させるためにインク室26内に
導電性樹脂10を充填している。従って、例えば、図9
に示すように、カバー部材30のインク供給口31に臨
む部分のインク室26内の導電性樹脂10を断面凹状に
形成して、その部分にインク供給口31に臨む空隙部C
を形成してエア抜けを良好にすることができる。
【0166】その空隙部Cは、例えば、導電性樹脂10
をインク室26の底部に向けてスロープ状に形成し、そ
の断面を凹状に形成した傾斜面Sの上に形成することが
できる。言い換えれば、その凹状の傾斜面Sは、インク
室26の底部から斜め上方に向けて立ち上がるように形
成されてインク供給口31に臨むように形成される。
【0167】このような空隙部Cを形成することによ
り、ノズルプレート25のノズル24からインク室26
内部に侵入するエアを、その凹状の傾斜面Sによって上
方に誘導してインク供給口31にスムーズに排出させる
ことができる。つまり、凹状に形成した傾斜面Sがエア
をインク供給口31に誘導するガイド壁として機能す
る。従って、インク室26内でのエアの滞留による吐出
性能の低下やエアの発生したノズルと他のノズルとの間
での吐出のバラツキの発生を効果的に防ぐことができ、
吐出動作の安定化を図り、高い印字品位を維持すること
ができる。
【0168】このような空隙部Cを形成することによる
エアの滞留防止効果については、例えば、図10に示す
ような構成と比較すれば明らかである。すなわち、この
比較例では、導電性樹脂110を、インクの抜けを防止
するための封止部材としてインク室126の後端部に充
填している。
【0169】勿論、このように封止のために充填した導
電性樹脂110によっても両電極127,128を導通
させることができるため、本発明もこのような構成を採
りうる。しかし、この場合、インク室126の後端部が
導電性樹脂110で埋め尽くされるのみであり、カバー
部材130のインク供給口131に臨むような空隙部は
形成されない。
【0170】従って、ノズルプレート125のノズル1
24からインク室126内部に侵入したエアが導電性樹
脂110の前部に滞留してエア溜まりHが発生し易くな
り、上述のように、吐出性能の低下やノズル間での吐出
のバラツキが発生しやすくなり印字品位の低下を来しや
すくなる。このような比較例における難点は、図9に示
すような構成で解消することができる。
【0171】なお、本発明は上記実施の形態のみに限定
されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りに
おいて、使用環境や使用条件等に応じて適宜改良変更等
自由であるのは言うまでもない。
【0172】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明
は、以下のような効果を奏する。
【0173】請求項1によれば、インク室の一端部に充
填した導電性部材がそのまま外部接続用電極となるの
で、インク室内電極を実装のためにインク室外に引き出
す必要がなくなり、アクチュエータのアクティブエリア
以外の部分がほとんど不要となるため、材料コストの削
減が可能となり、かつ、コンパクト化も可能となる。
【0174】また、アクティブエリア以外の部分がほと
んど不要となるため、静電容量が少なくて済み、駆動周
波数の向上を図れるため高速印字を実現できる。
【0175】そして、駆動電圧の低減が行えるため駆動
用ICの低耐電圧化が行えることから、駆動用ICコス
トの低減化および駆動消費電力の削減化が可能となる。
【0176】請求項2によれば、加圧部材が導電性部材
であるので、加圧部材で導電性樹脂の導電性フィラーを
加圧した際に、凸状の突起部表面の導電膜と導電性フィ
ラーが接触し、接触抵抗がより安定化するのは勿論のこ
と、加圧部材を導電性樹脂と共に外部回路と確実に電気
的に接続することができる。
【0177】また、加圧部材でハンダペーストを加圧す
ることにより、溶融したハンダは、加圧部材の凸上の突
起部に溶融、凝固し、ハンダがインク室隔壁の長手方向
に流出することはなく、隔壁をシェアモードで駆動する
時の駆動特性が劣化することがなくなる。
【0178】請求項3によれば、軽量であり、すぐれた
易加工性、柔軟性を具備した導電性樹脂により、製作が
容易となり、かつ、軽量化も可能となる。
【0179】請求項4によれば、加工性の良好で安価な
ハンダペーストにより、その製作が容易となり、かつコ
スト安に製作することができる。
【0180】請求項5によれば、導電性部材をインク室
の一端部または一端上部に露出させ、かつ、その導電性
部材にアクチュエータ駆動用電極を電気的に接続するの
で、請求項1と同様に、従来インク室内電極を実装のた
めにインク室外に引き出していたが、その必要がなくな
り、アクチュエータのアクティブエリア以外の部分がほ
とんど不要となり材料コストを削減できる。
【0181】また、静電容量の低減により、駆動周波数
向上が行えるため高速印字が実現でき、駆動電圧の低減
が行えるためアクチュエータ駆動用ICの低耐電圧化が
行えることから駆動用ICコストの低減および駆動消費
電力の削減を実現できる。
【0182】請求項6によれば、加圧部材が導電性部材
(導電体)のプレス成形または射出成形により形成され
るので、加圧部材で導電性樹脂の導電性フィラーを加圧
した際に、凸状の突起部表面の導電膜と導電性フィラー
が接触し、接触抵抗がより安定化するのは勿論のこと、
加圧部材を導電性樹脂と共に外部回路と確実に電気的に
接続することができる。
【0183】また、加圧部材でハンダペーストを加圧す
ることにより、溶融したハンダは加圧部材の凸上の突起
部に溶着、凝固し、ハンダがインク室隔壁の長手方向に
流出することはなく、隔壁をシェアモードで駆動する時
の駆動特性が劣化することもない。
【0184】さらに、プレス成形、射出成形等で加圧部
材を容易に製作するができ、大量生産を行うことが可能
となり、量産を行う上ではコスト的に有利となる。
【0185】請求項7によれば、カーボンまたはフェラ
イトを素材とすることにより、加圧部材を安価に製作す
ることができる。
【0186】請求項8によれば、加圧部材の突起部表面
に導電膜を形成するので、加圧部材で導電性樹脂の導電
性フィラーを加圧した際に凸上の突起部表面の導電膜と
導電性フィラーが接触し、接触抵抗がより安定化する。
【0187】また、溶融したハンダは加圧部材の突起部
に溶着、凝固し、ハングがインク室隔壁の長手方向に流
出することなく、隔壁をシェアモードで駆動する時の駆
動特性が劣化することはない。
【0188】請求項9によれば、導電性樹脂の導電性フ
ィラー材料として、AuまたはAg、もしくはNiまた
はCuまたはカーボン、もしくはハンダを用いているの
で、導電材料としてAuまたはAgを用いた場合は、導
電性樹脂の電気抵抗および駆動用ICに導通した電極と
の接続抵抗を低く抑えることができるため、アクチュエ
ータ駆動のための電圧印加波形が鈍ることがなく、駆動
周波数を向上させることができるため、高速印字が実現
できる。
【0189】また、NiまたはCuまたはカーボンを用
いた場合は、導電性樹脂コストを低く抑えることができ
るため、高速印字は困難であるが、非常に安価なアクチ
ュェータを提供することができる。
【0190】さらに、ハンダを用いた場合は、外部回路
との電気的接続時にハンダフィラーを溶融させて金属拡
散接合による外部回路電極との接続が行えるため、より
信頼性が高くなり、低い接続抵抗値で接続を行うことが
できる。
【0191】請求項10によれば、導電性樹脂の導電性
フィラー寸法として長手寸法を0.1μm以上で30μ
m以下に設定するので、インク室に充填された導電性樹
脂に対して、凸状の突起部で加圧挿入することで、導電
性樹脂の導電性フィラー同士の密着面積が増大し、接触
抵抗が安定化する。
【0192】請求項11によれば、導電性樹脂のガラス
転移点を60℃以上としたので、インクジェットヘッド
の保管温度領域、使用温度領域で十分な信頼性が得られ
る。
【0193】請求項12によれば、ハンダ材料としてS
n基ハンダを用いるので、最も入手が容易で、安価であ
るため、安価なインクジェットヘッドを提供することが
できる。
【0194】また、ハンダメーカーにおいて添加元素や
その添加量を変化させることが容易で外部回路との実装
プロセス温度によりハンダの融点を上昇させたり、ハン
ダの融点をコントロールし易いため、新規アクチュエー
タの早期開発や仕様変更等を容易に行える。
【0195】請求項13によれば、ハンダ材料として融
点が80℃以上のハンダを用いるので、インクジェット
ヘッドの保管温度領域、使用温度領域で十分な信頼性が
得られる。
【0196】請求項14によれば、導電性部材の充填工
程と、加圧部材による加圧工程とで外部接続用の電極構
造を形成するので、インク室内電極を実装のためにイン
ク室外に引き出す必要がなくなり、加圧部材の凸状の突
起部で加圧された導電性樹脂を(加圧部材と共に)外部
接続用電極として用いることができ、アクチュエータの
アクティブエリア以外の部分が少なくなる(不要とな
る)ため、材料コストの削減が可能となり、かつ、コン
パクト化も可能となる。
【0197】また、アクティブエリア以外の部分が少な
くなることから、静電容量が少なくて済み、駆動周波数
の向上を図れるため高速印字を実現できる。
【0198】そして、駆動電圧の低減が行えるため駆動
用ICの低耐電圧化が行えることから、駆動用ICコス
トの低減化および駆動消費電力の削減化が可能となる。
【0199】請求項15によれば、一連の工程により、
アクチュエータは、インク室内に充填された導電性部材
によってインク室内の複数の電極を一つに集約でき、し
かも充填された導電性部材の小片化切断端面に露出した
平坦部が外部回路との接続部になるため、構成が簡易と
なり工程の簡素化を実現できる。
【0200】また、インク室内の電極集約および実装電
極を同一部分で構成することができ、かつ、アクティブ
エリア以外の部分が少なくなる(不要となる)ため、コ
ンパクト化が可能となり、材料コストを削減することも
できる。
【0201】さらに、アクティブエリア以外の部分がほ
とんど不要となるため、静電容量が少なくて済み、駆動
周波数の向上を図れるため高速印字を実現できる。ま
た、駆動電圧の低減により駆動用ICの低耐電圧化がお
こなえ、駆動用ICコストの低減および駆動消費電力の
削減を実現することができる。
【0202】請求項16によれば、導電性部材が導電性
樹脂であるので、軽量であり、すぐれた易加工性、柔軟
性を具備した導電性樹脂により、製作が容易となり、か
つ、軽量化も可能となる。
【0203】請求項17によれば、導電性部材がハンダ
ペーストであるので、加工性が良好となり製作が容易
で、安価に製作することができる。
【0204】請求項18によれば、加圧部材の凸状の突
起部を、ダイシングブレードによる溝加工により形成す
るので、インク室を加工するのと同じ工程で加圧部材を
製作することができ、さらにはインク室を形成するとき
の溝ピッチと同ピッチで加工を行うことが可能であり、
容易かつ確実に加圧部材をインク室に挿入することも可
能となる。
【0205】請求項19によれば、加圧部材の凸状の突
起部の高さを、溝加工によって形成されるインク室の溝
深さより低く形成するので、加圧部材の凸状の突起部を
インク室に挿入する際に、その挿入深さを一定深さに保
つことができるため、チャンネル間での接続抵抗のバラ
ツキを抑えることが可能となる。
【0206】また、塗布する液状導電性樹脂、ハンダペ
ーストの量をコントロールしやすくなるため、導電性樹
脂またはハンダペーストによる圧電素子基板の反り量を
抑えることも可能となる。
【0207】請求項20によれば、加圧部材の凸状の突
起部の表面に導電膜を形成するので、加圧部材で導電性
樹脂の導電性フィラーを加圧した際に凸状の突起部の表
面に形成された導電膜が導電性フィラーが接触し、接触
抵抗がより安定化する。
【0208】また、溶融したハンダは加圧部材の突起部
に溶着、凝固し、ハンダがインク室隔壁の長手方向に流
出することなく、隔壁をシェアモードで駆動する時の駆
動特性が劣化することはない。
【0209】請求項21によれば、加圧部材の凸状の突
起部を、後工程でインク室高さまで研磨加工し、その突
起部をインク室内に挿入するので、加圧部材の溝加工深
さ(突起部の高さ)が大きな影響力を持ち、研磨加工の
バラツキは生じなくなった。また、電極材料をインク室
隔壁へ蒸着する際に、ドライフィルムレジストを使用せ
ずに成膜を行い、インク室隔壁上にも電極が形成される
プロセスであっても何ら問題はない。
【0210】請求項22によれば、ハンダペーストをイ
ンク室内に充填して光エネルギーによるハンダ溶融をお
こなうので、レーザー加熱のような局所加熱を行うた
め、アクチュエータのアクティブエリアへの熱負荷を軽
減することができ、アクチュエータの脱分極を防止する
ことができ、アクチュエータの性能保持および性能安定
性を確保することができる。
【0211】請求項23によれば、一連の工程により、
アクチュエータは、インク室内に充填された導電性樹脂
もしくはハンダペーストによってインク室内の複数の電
極を一つに集約でき、しかも充填された導電性樹脂もし
くはハンダペーストの小片化切断端面もしくは充填上面
で露出した平坦部が外部回路との接続部になるため、複
雑な構造のアクチュエータを形成する必要がないため工
程の簡素化を実現できる。
【0212】また、インク室内の電極集約および実装電
極を同一部分で構成するため、アクチュエータを小さく
することができ、材料コストを削減することができる。
さらに、静電容量の低減により、駆動周波数の向上を図
ることができるため、高速印字を実現することができ
る。また、駆動電圧の低減により駆動用ICの低耐電圧
化がおこなえ、駆動用ICコストの低減および駆動消費
電力の削減を実現することができる。
【0213】請求項24によれば、一連の工程により、
請求項23と同様に、工程の簡素化をおこなえ、また、
後に行う駆動用ICに導通した電極との接続において、
その接続温度より十分に高い融点を有するハンダを用い
た場合は、外部回路との接続時に十分な強度保持が可能
であり、より信頼性の高い外部回路との電気的接続を実
現できる。
【0214】請求項25によれば、インク室に導電性材
料を充填する充填工程の間、アクティブエリアとなる部
分を局所的に強制冷却するので、アクチュエータのアク
ティブエリアへの熱負荷を軽減することができ、アクチ
ュエータの脱分極を防止することができるため、アクチ
ュエータの性能保持および性能安定性を確保することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るインクジェットヘッド
の断面図である。
【図2】同駆動ICと接続されたインクジェットヘッド
の断面図である。
【図3】同インクジェットヘッドの製造方法を説明する
ための圧電素子基板の斜視図である。
【図4】同加圧部材の斜視図である。
【図5】同圧電素子基板に加圧部材を対応させた斜視図
である。
【図6】同加圧部材を圧電素子基板に加圧した状態の斜
視図である。
【図7】同加圧部材のインク室に埋設されていない部分
を除去した斜視図である。
【図8】同インクジェットヘッドの断面図である。
【図9】同インク供給口に臨む空隙部を導電性樹脂に形
成した場合の説明図である。
【図10】同空隙部を形成しない場合の比較例の説明図
である。
【図11】従来例のインクジェットヘッドの一例を示す
断面図である。
【図12】同別のインクジェットヘッドを示す断面図で
ある。
【図13】同製造方法を説明するための断面図である。
【図14】同圧電素子の斜視図である。
【図15】同異なるインクジェットヘッドの断面図であ
る。
【符号の説明】
10−導電性樹脂 11−外部接続用の電極 26−インク室 27,28−電極(アクチュエータ駆動用電極) 60−圧電素子基板 100−加圧部材 102−突起部(凸形状部)

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部接続用電極となる導電性部材が、イ
    ンク室の一端部に充填され、かつ、前記導電性部材内に
    は、加圧部材が埋設されていることを特徴とするインク
    ジェットヘッドの電極接続構造。
  2. 【請求項2】 前記加圧部材が、導電性部材であること
    を特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの
    電極接続構造。
  3. 【請求項3】 前記導電性部材が、導電性樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェッ
    トヘッドの電極接続構造。
  4. 【請求項4】 前記導電性部材が、ハンダペーストであ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジ
    ェットヘッドの電極接続構造。
  5. 【請求項5】 前記導電性部材が、前記インク室の一端
    部または一端上部に露出し、かつ、前記導電性部材に、
    アクチュエータ駆動用ICと導通した電極が電気的に接
    続されていることを特徴とする請求項1ないし4のいず
    れかに記載のインクジェットヘッドの電極接続構造。
  6. 【請求項6】 前記加圧部材が、前記導電性部材のプレ
    ス成形または射出成形により形成されることを特徴とす
    る請求項1ないし5のいずれかに記載のインクジェット
    ヘッドの電極接続構造。
  7. 【請求項7】 前記加圧部材が、カーボンまたはフェラ
    イトにより構成されていることを特徴とする請求項1な
    いし6のいずれかに記載のインクジェットヘッドの電極
    接続構造。
  8. 【請求項8】 前記加圧部材の突起部表面には、Au、
    Sn、Cu、Niのいずれか、もしくはAu、Sn、C
    u、Ni のいずれかを含む合金、からなる導電膜が形
    成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいず
    れかに記載のインクジェットヘッドの電極接続構造。
  9. 【請求項9】 前記導電性部材からなる外部接続用電極
    は、前記導電性樹脂の導電性フィラー材料として、Au
    またはAg、もしくはNiまたはCuまたはカーボン、
    もしくはハンダを用いていることを特徴とする請求項1
    ないし3または5ないし8のいずれかに記載のインクジ
    ェットヘッドの電極接続構造。
  10. 【請求項10】 前記導電性樹脂から成る外部接続用電
    極は、前記導電性樹脂の導電性フィラー寸法として長手
    寸法を0.1μm以上で30μm以下に設定したことを
    特徴とする請求項1ないし3または5ないし9のいずれ
    かに記載のインクジェットヘッドの電極接続構造。
  11. 【請求項11】 前記導電性樹脂から成る外部接続用電
    極は、前記導電性樹脂のガラス転移点が60℃以上であ
    ることを特徴とする請求項1ないし3または5ないし1
    0のいずれかに記載のインクジェットヘッドの電極接続
    構造。
  12. 【請求項12】 前記ハンダペーストから成る外部接続
    用電極は、ハンダ材料としてSn基ハンダを用いて構成
    されることを特徴とする請求項4ないし8のいずれかに
    記載のインクジェットヘッドの電極接続構造。
  13. 【請求項13】 前記ハンダペーストから成る外部接続
    用電極は、ハンダ材料として融点が80℃以上のハンダ
    を用いて構成されることを特徴とする請求項4ないし8
    または12のいずれかに記載のインクジェットヘッドの
    電極接続構造。
  14. 【請求項14】 インク室内に導電性部材を充填する充
    填工程と、 加圧部材の凸状の突起部を前記インク室内に挿入して、
    前記導電性部材を加圧することにより外部接続用電極の
    接続構造を形成する加圧工程と、を有することを特徴と
    するインクジェットヘッドの電極接続方法。
  15. 【請求項15】 複数のインク室の一端部に導電性部材
    を充填することにより外部接続用電極を形成するインク
    ジェットヘッドの電極接続方法であって、 前記インク室の形成方向の直交方向に前記導電性部材を
    塗布する塗布工程と、 前記導電性部材の上に、前記複数のインク室に対応して
    配列された複数の凸状の突起部を有する加圧部材の前記
    突起部を加圧挿入する加圧工程と、 隣接するインク室を隔離するインク室隔壁上に塗布され
    た前記導電性部材が除去されるまで前記加圧部材を切削
    する切削工程と、を有することを特徴とするインクジェ
    ットヘッドの電極接続方法。
  16. 【請求項16】 前記導電性部材が、導電性樹脂である
    ことを特徴とする請求項14または15に記載のインク
    ジェットヘッドの電極接続方法。
  17. 【請求項17】 前記導電性部材が、ハンダペーストで
    あることを特徴とする請求項14または15に記載のイ
    ンクジェットヘッドの電極接続方法。
  18. 【請求項18】 前記加圧部材の凸状の突起部を、ダイ
    シングブレードによる溝加工により形成することを特徴
    とする請求項14ないし17のいずれかに記載のインク
    ジェットヘッドの電極接続方法。
  19. 【請求項19】 前記加圧部材の凸状の突起部の高さ
    を、溝加工によって形成される前記インク室の溝深さよ
    り低く形成することを特徴とする請求項14ないし18
    のいずれかに記載のインクジェットヘッドの電極接続構
    方法。
  20. 【請求項20】 前記加圧部材の凸状の突起部を前記イ
    ンク室に挿入する前に、該凸状の突起部の表面に導電膜
    を形成することを特徴とする請求項14ないし19のい
    ずれかに記載のインクジェットヘッドの電極接続構方
    法。
  21. 【請求項21】 前記加圧部材の凸状の突起部を、後工
    程でインク室高さまで研磨加工することを特徴とする請
    求項14ないし20のいずれかに記載のインクジェット
    ヘッドの電極接続構方法。
  22. 【請求項22】 前記インク室の一端部にハンダ電極を
    形成する場合に、ハンダペーストをインク室内に充填
    し、光エネルギーによるハンダ溶融をおこなうことを特
    徴とする請求項14,15または17ないし21のいず
    れかに記載のインクジェットヘッドの電極接続方法。
  23. 【請求項23】 厚さ方向に分極処理をおこない、所定
    ピッチで溝加工がおこなわれて、各インク室内に独立し
    た複数の駆動用電極が形成されたチャンネルウエハの溝
    に前記インク室内の複数の独立した電極を導通させるよ
    うに導電性樹脂を充填する充填工程と、 充填された前記導電性樹脂に加圧部材を挿入し前記導電
    性樹脂を硬化させる硬化工程と、 前記インク室内からはみだしている前記導電性樹脂なら
    びに加圧部材をインク室高さまで研磨加工する研磨工程
    と、 前記チャンネルウエハとカバーウエハとを接着する接着
    工程と、 前記導電性樹脂充填部を切断するようにチャンネルウエ
    ハを小片化する切断工程と、を含むことを特徴とするイ
    ンクジェットヘッドの製造方法。
  24. 【請求項24】 厚さ方向に分極処理をおこない、所定
    ピッチで溝加工がおこなわれて、各インク室内に独立し
    た複数の駆動用分極処理をおこなう電極が形成されたチ
    ャンネルウエハの溝に前記インク室内の複数の独立した
    電極を導通させるようにハンダペーストを充填する充填
    工程と、 充填されたハンダペーストに加圧部材を挿入しハンダペ
    ーストを硬化する硬化工程と、 前記インク室内からはみだしているハンダならびに前記
    加圧部材をインク室高さまで研磨加工する研磨工程と、 前記チャンネルウエハとカバーウエハとを接着する接着
    工程と、 前記ハンダ充填部を切断するように前記チャンネルウエ
    ハを小片化する切断工程と、を含むことを特徴とするイ
    ンクジェットヘッドの製造方法。
  25. 【請求項25】 前記インク室に導電性材料を充填する
    充填工程の間、チャンネルウエハにおけるインクジェッ
    トヘッドに構成されたときにアクティブエリアとなる部
    分を局所的に強制冷却することを特徴とする請求項23
    または24に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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