JP2003024300A - Mra画像における脳血管抽出プログラム及び装置 - Google Patents

Mra画像における脳血管抽出プログラム及び装置

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JP2003024300A JP2001217183A JP2001217183A JP2003024300A JP 2003024300 A JP2003024300 A JP 2003024300A JP 2001217183 A JP2001217183 A JP 2001217183A JP 2001217183 A JP2001217183 A JP 2001217183A JP 2003024300 A JP2003024300 A JP 2003024300A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】MRA画像を利用して、抗ノイズ性が高く正確
な脳血管芯線の3次元構造情報を抽出することのできる
脳血管抽出プログラム及びその装置を提供すること。 【解決手段】頚部の近傍より頭頂部へスライスを探索
し、動脈の血管領域開始点を求め、この開始点より領域
拡張法によってスライス上で血管領域を探索し、探索さ
れた血管領域の重心点を追跡することで脳血管芯線を抽
出する。これによりすべての頭部のMRA画像からの血
管領域の抽出を完了させる。次に、ノイズ等の影響によ
る不要血管の処理として、芯線の統合化及び短小分岐線
の除去を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は頭部MRA画像に画
像処理を施し、正確な脳血管芯線の3次元構造情報が抽
出可能な脳血管抽出プログラム及びその装置に関するも
のである。特に、脳血管抽出時におけるノイズの影響を
最小限に抑える技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの性能向上により脳
外科手術支援のためのシミュレーションシステムの研究
が盛んに行われ、またその有用性が報告されている。し
かし、現在報告されているものの多くは、患部または脳
組織の形状や大きさを3次元表示しており、患部周辺の
組織、血管を選択的に表示可能なシステムを提供してい
ない。しかし、脳外科手術の術前計画における最適な手
術経路の決定等には、頭表から患部の間に存在する軟部
組織及び血管の名称情報、患部から注目する組織までの
距離の情報、及び脳血管の3次元構造情報が必要であ
る。
【0003】そこで、MRI(核磁気共鳴画像)装置を
用いて作成したMRA画像を用い、脳血管の3次元構造
情報を抽出する手法が試みられている。この手法では、
画像処理を行うアルゴリズムがいくつか提案されてきた
が、従来の手法では、ノイズを多く含むMRA画像にお
いてひげのように枝分かれしてしまう短小分岐線や、本
来1本の直線であるものが複数の芯線として抽出されて
しまうことが多く、十分にその効果を発揮できない状況
であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の有する問題点に鑑みて創出されたものであり、その
目的は、抗ノイズ性が高く、正確な脳血管芯線の3次元
構造情報を抽出することのできる脳血管抽出プログラム
及びその装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、次のような脳血管抽出プログラムを提
供する。すなわち、本発明に係る脳血管抽出プログラム
は、次の各ステップを含むものである。 (1) 頚部に近い頭部MRA画像上で、指定された血
管領域検索開始点から領域拡張法を用い、頭部MRA画
像上での血管領域の自動探索を行う血管領域探索ステッ
プ。 (2) 該血管領域探索ステップにおいて探索された血
管領域を、所定の向きで順次追跡し、各血管領域の重心
点及び分岐点の位置に係る血管領域情報を獲得する血管
領域情報獲得ステップ。 (3) 該血管領域情報から血管の芯線を抽出する芯線
抽出ステップ。
【0006】これら各ステップによって基本的な脳血管
抽出を行った上で、本発明はさらに次の2つのステップ
を有する。 (4) 該芯線抽出ステップによって抽出された複数の
芯線のうち、直線上にある点列を1本の芯線に統合する
芯線統合化ステップ。 (5) 該芯線抽出ステップによって抽出された芯線の
うち、長さが所定の長さ以下であり、かつ所定の画像範
囲内に端点を含む芯線を除去する分岐線除去ステップ。 以上の各ステップを少なくとも含み、脳血管芯線の3次
元構造情報を出力することを特徴とする脳血管抽出プロ
グラムを提供する。
【0007】本発明は、さらに頭部MRA画像から、脳
血管芯線の3次元構造情報を抽出する脳血管抽出装置と
して提供することもできる。該装置は次の各手段を備え
ることを特徴とする。 (1) 頭部MRA画像を装置内に入力する画像入力手
段。 (2) 頚部に近い頭部MRA画像上で、血管領域検索
開始点を指定する開始点指定手段。 (3) 該血管領域検索開始点から領域拡張法を用い、
頭部スライス画像上での血管領域の自動探索を行う血管
領域探索手段。 (4) 該血管領域探索ステップにおいて探索された血
管領域を、所定の向きで順次追跡し、各血管領域の重心
点及び分岐点の位置に係る血管領域情報を獲得する血管
領域情報獲得手段。 (5) 該血管領域情報から血管の芯線を抽出する芯線
抽出手段。
【0008】これら各手段によって基本的な脳血管抽出
を行った上で、さらに次の各手段による処理を行う。 (6) 該芯線抽出ステップによって抽出された複数の
芯線のうち、直線上にある点列を1本の芯線に統合する
芯線統合化手段。 (7) 該芯線抽出ステップによって抽出された芯線の
うち、長さが所定の長さ以下であり、かつ所定の画像範
囲内に端点を含む芯線を除去する分岐線除去手段。 (8) 上記各手段によって形成された脳血管芯線の3
次元構造情報を出力する情報出力手段。 本発明による脳血管抽出装置は上記(8)の情報出力手
段によって、脳血管芯線の3次元構造情報を出力する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施方法を実施例
に基づいて説明する。なお、本発明の実施形態は以下に
限定されず、その趣旨から逸脱しない範囲内で任意に変
更可能である。本発明における脳血管抽出プログラムで
用いる血管芯線抽出アルゴリズムにつき、まず説述す
る。図1にその概略図を示す。
【0010】脳血管抽出を行う画像として、MRI装置
による身長方向に対し垂直な頭部断面画像(以下、スラ
イスと呼ぶ。)を用いる。該画像は、MRIにおいて一
般的に用いられる画像であり、その取得は容易である。
しかし、該画像には多くの雑音(ノイズ)が含まれ、従
来の手法では正確な脳血管の抽出は困難であった。そこ
で、本発明は以下に示す手順によって抽出を行う。
【0011】まず頚部に近いスライス上で、血管領域検
索開始点を手動で指定する。ここで手動で行うのは、後
段の処理で再帰的な領域探索を行うためであり、プログ
ラムや装置によっては、自動で行う構成でもよい。指定
の方法としては、頚部に近いスライスから、頭頂方向に
スライスを探索していき、最初に動脈が現れたスライス
上に、血管領域検索開始点を指定する。
【0012】このように指定された血管領域検索開始点
から領域拡張法を用い、スライス上での血管領域の探
索、ステップ1(10)を行う。この方法は本発明にお
いて以下のように実施される。上記で血管領域検索開始
点を有する探索開始スライスの血管領域の濃度ヒストグ
ラムを参考にし、しきい値候補値を漸次下げていく。そ
して、抽出される領域の面積が急激に増えた値の1つ前
の値を、該血管領域のしきい値とする。該しきい値で抽
出された領域を血管領域とする。
【0013】次に、現在の探索スライスに隣接する、例
えば頭頂方向に1つ進んだスライスの血管領域を次に探
索する。現探索スライスの血管領域を、隣接する次探索
スライスに投影し、その領域内で現探索スライスの血管
領域のしきい値以上のピクセルの内、最大濃度値を持つ
ピクセルを、次探索スライスの血管領域の抽出開始位置
とする。このような方法を採るのは、頭部MRA画像に
おいて、血管は漸次その径が細くなっていく特徴を有す
るからである。
【0014】次いで、現探索スライスの血管領域を隣接
する次探索スライス上に投影し、その投影範囲内にあ
り、濃度値がしきい値以上の値を持つピクセルを探索す
る。該当ピクセルが範囲内に存在し、かつ、すでに抽出
された領域に含まれていない場合に、分岐点として分岐
テーブルに追加する。また、反対方向(探索方向と逆方
向)の隣接する前探索スライス上でも同様の処理を行
う。
【0015】上記探索開始スライスから血管領域を追跡
していき、血管領域がなくなるまで上記処理を繰り返
す。1つの血管領域探索が終了したら、上記分岐テーブ
ルに記憶されている分岐点から血管領域追跡を行う。該
処理は分岐テーブルに分岐点がなくなるまで血管領域探
索を行う。以上の処理によって、頭部MRA画像から血
管領域の抽出が完了する。
【0016】次に、抽出された血管領域を追跡し、各血
管領域の重心点と分岐点の位置に係る血管領域情報を探
索、ステップ2(11)を行う。本発明において、MR
A画像はピクセルの集合からなるデータであり、上記血
管領域も当然ピクセルの集合として抽出される。従っ
て、重心点を算出するのは非常に容易であって、高速な
演算にも寄与する。そして、本発明の特徴として、該重
心点の集合を芯線とすることによって、従来最大の濃度
値を持つ座標値から芯線を抽出としていた手法よりも、
位置ずれ・ノイズ等に対しても有効な芯線抽出が行える
ようになった。
【0017】順次各スライスにつき、重心点を算出し、
その点の集合を血管の芯線とする。さらに、分岐点につ
いても上記分岐テーブルに記憶された血管領域すべてに
つき、重心点を算出した上で、分岐する血管の芯線を抽
出する。
【0018】抽出した芯線は、スライス毎の重心点の集
合であるため、直線上にある点列も、複数の芯線として
生成している。この冗長性を省くために、直線とみなさ
れる芯線は1本の芯線に統合(ステップ3(12))す
る。芯線の統合化過程においては、隣接する芯線の方向
が近いものを統合し、1つの芯線とする。該方法につ
き、図2に示す。
【0019】上記で求められた1番目の重心点と2番目
の重心点を結ぶ線分を最初の芯線とする。次にn(nは
2以上の整数)番目の重心点(20)とn+1番目の重
心点(21)とを結ぶ線分(22)と、芯線(23)と
のなす角度θ(24)が、45度以下であれば新たな芯
線(25)に統合して形成する。nを順次1ずつ増やし
ていき、統合処理すべき点がなくなるまで繰り返す。こ
れによって芯線の統合化が実現する。
【0020】さらに、本発明では、長さ2mm以下、か
つ端点を持つ余分な短小分岐線を除去する。該短小分岐
線は、芯線抽出の精度に影響を与える。短小分岐線の発
生の原因は画像中のノイズ(雑音等)や、画像撮影中の
脳血管の移動によるところが大きいと考えられる。この
除去手法は、まず長さをピクセル数に換算した上で、該
ピクセル数以下であり、かつスライスを順次辿っていっ
たときに、いずれの芯線とも合流せず、端点を形成して
いる芯線を除去するものである。そのような短小分岐線
は分岐点の次のピクセルから上記端点までの全てを除去
する。本発明では、このように短小分岐線の除去を行う
ため、従来の手法と異なり、ノイズの影響によって発生
した短小分岐線を効果的に除去し、正確な脳血管芯線が
抽出可能となる。
【0021】本発明は以上の手法を実現するプログラム
として提供される。該プログラムは、一般的なコンピュ
ータに実装し、脳血管抽出装置として提供することもで
きる。また、該装置は、例えばMRIの装置内に配設
し、一体的に脳血管を抽出可能な装置として提供しても
よい。該装置は、医師などが手動で血管領域を指定する
開始点指定手段を備える。それらは例えばキーボードや
マウス、タッチパネルが簡便である。同時に、上記処理
を行う各手段、さらに、形成された脳血管芯線の3次元
構造情報を出力するモニタ等の情報出力手段を有する。
【0022】
【実験例】ここで、本発明による脳血管抽出プログラム
が採用したアルゴリズム(以下、血管芯線抽出アルゴリ
ズムと呼ぶ。)と、従来の手法による3次元濃淡画像細
線化アルゴリズムとの抽出結果を比較する比較実験を示
す。
【0023】3次元濃淡画像細線化アルゴリズムの概要
に触れておく。該アルゴリズムは、画像処理方法として
一般的な2値画像細線化の手法に、濃度値の情報を加え
たものである。すなわち、画像の境界画素を抽出し、消
去可能な境界画素中の濃度値の低いものから消去してい
く方法である。尚、濃度値が同じものは、図3に示す6
方向(T,B,W,E,N,S)から等しい割合で削っていく。
【0024】本実験における比較項目は、以下の通りで
ある。 (1) 分岐点の位置 血管芯線抽出アルゴリズムは、急激に曲がった個所や分
岐を追跡する手法であるため、分岐点位置抽出精度の確
認が必要である。このときは、スライスを追跡方向に血
管領域を追跡するため、分岐の角度と血管の太さによ
り、定常的なずれの発生が予想される。一方、濃淡画像
細線化による分岐点は、濃度値分布の尾根線(濃度値の
最大値が作る線分)上にあると考えられ、分岐点の位置
のずれは少ない。
【0025】(2) 短小分岐線 理想芯線以外に検出された短小分岐線は、芯線抽出の精
度に影響を与える。短小分岐線の発生の原因は画像中の
雑音及び回転によるところが大きいと考えられる。
【0026】(3) 図形の回転の影響 脳血管はその走行方向が急激に変化しているため、回転
角度がどのように抽出精度に影響を与えているかを知る
必要がある。
【0027】血管以外の領域に雑音を含むMRA画像か
らの血管芯線抽出を目的としているため、実験画像に
は、強度を変えた雑音を加えた。雑音は、ひげの発生、
理想芯線からのずれの原因になると考えられる。雑音1
から順に雑音が大きくなり、雑音3までの3段階であ
る。
【0028】本実験では血管の形状に模した円柱を組み
合わせて作成した人工血管モデルを用いる。図4に実験
で用いた円柱形のモデルとY字型の人工血管モデルを示
す。円柱の断面の濃度値は、中心で最大値200、中心
軸から1画素離れる毎に60減少するものとした。この
値はMRA画像中の血管領域の濃度分布を測定し、実際
の濃度勾配に合わせて決定した。血管以外の画素には濃
度値0をセットする。
【0029】人工血管モデルの理想芯線は、各円柱の中
心軸を通る線分である。尚、血管モデルの太さは、実際
の脳血管の一番太いもの、中間の太さのものを想定し、
直径4mmと2mmのものを作成した。
【0030】円柱形のモデルは、理想芯線からのずれを
評価するために、長さ40mm(画素数40)、直径4
mm、2mm、の2種類の円柱を作成した。円柱を0度
から45度まで5度刻みに回転させ、10種類の図形を
作成する。それぞれの図形に3種類の雑音を付加したも
のを用意した。
【0031】Y字型モデルの場合は、分岐位置で3本の
円柱の理想芯線が交わるように作成し、理想芯線上に最
大濃度値の画素がくるように人工血管モデルを作成し
た。直径4mmの円柱の組み合わせで作成し、5度刻み
に0度から45度回転した図形を10種類作成した。そ
の後、それぞれの図形に3種類の雑音を付加したモデル
を作成した。
【0032】上記で雑音を付加した人工血管モデルの1
例を図5に示す。これにより、実際のMRA画像に近い
形での実験が可能となる。そして、これらの雑音を付加
した画像にしきい値処理(濃度値80以下を除去)と、
しきい値処理後さらに平滑化処理を行ったものを実験画
像として使用する。
【0033】以上の実験画像について、順次実験の結果
について説述する。 (1)分岐点の位置 理想芯線の分岐点からのずれを算出する。各アルゴリズ
ムの実行結果の分岐点と理想芯線の分岐点のユークリッ
ド距離を計算した。尚、理想芯線の分岐点は、各円柱の
中心軸の交点とする。血管芯線抽出はスライス毎に血管
領域を追跡し芯線を求めているため、血管の太さと角度
に依存した定常的なずれ(図6)が生じる。このずれL
は次式で表わされる。 L = Rsinθ ここで、L(60)は理想芯線(61)上の分岐点(6
1’)とのずれ、Rは血管の半径、θは血管の角度(6
2)である。
【0034】一方、濃淡画像細線化は濃度値の低い画素
から削っていくため、分岐点のずれはないと考えられ
る。実験の結果、血管芯線抽出アルゴリズムは、雑音強
度、回転角度の違いにより5から8画素のずれが生じ
た。一方、濃淡画像細線化アルゴリズムは雑音強度、回
転角度の違いにより1から3画素の範囲の分岐点のずれ
が生じた。
【0035】従って、血管芯線抽出アルゴリズムでは常
に一定量の、分岐点の位置ずれを含む。この量は、分岐
角度と血管の太さから予測ため、補正することが容易で
あり、正確な血管抽出に及ぼす影響は非常に小さい。太
い血管の分岐点の位置ずれを防ぐため、この点を考慮
し、抽出された値を補正する必要がある。
【0036】(2) 短小分岐線 本実験例では、以下の2つを短小分岐線(以下、ひげと
呼ぶ。)として定義する。すなわち、連結する画素(空
間的に隣接する26画素)を検索し、連結数が1のもの
(Y字型の端点3個は除く)と、理想芯線の方向と別方
向に伸びている画素群でかつ端点を持つものとの2つで
ある。
【0037】血管芯線抽出アルゴリズムは、血管領域を
抽出し、血管領域の重心を追跡して芯線を抽出すること
と、芯線抽出時に短小分岐線の除去を行うため、ひげを
生成しない。濃淡画像細線化アルゴリズムは雑音、回転
角度によりひげを生じる。血管芯線抽出アルゴリズムで
はひげが発生していない(発生数0)のため、濃淡画像
細線化のひげの発生数のみを図7に示す。
【0038】図7に示した表から明らかなように、ひげ
の発生数は雑音の強度に依存し、雑音が増えるにつれて
増加している。従来の手法では雑音(ノイズ)の影響を
非常に強く受けるので、正確な血管抽出を行うことが難
しい。逆に、本発明における血管芯線抽出アルゴリズム
は、大きな雑音(ノイズ)下であっても正確な血管抽出
を行うことが可能であり、その有用性が裏付けられた。
【0039】(3) 図形の回転の影響 各アルゴリズムにおける回転と雑音の影響を調べるた
め、円柱モデルを用いて実験を行った。血管芯線抽出
は、各芯線の始点と終点のみしか出力しないため、あら
ためて、始点、終点間にある画素を算出し、これを比較
実験に使用した。
【0040】各アルゴリズムにおける結果を、しきい値
処理のみのもの、しきい値処理後さらに平滑処理を行っ
たものについて、一致度の比較を行った。一致度は、実
験結果画像中の理想芯線上にある画素数と、理想芯線上
の画素数との百分比で求められる。
【0041】その結果、濃淡画像細線化アルゴリズム
は、直径2mmのモデルにしきい値処理のみの画像を用
いた場合、雑音1を付加したモデルは、回転角度が大き
くなると一致度が下がる。雑音2、3を付加したモデル
は理想芯線との一致度は雑音1と比較して下がるが回転
角度による違いにはばらつきがある。雑音1の場合、一
致度は94%で好適な結果を示したが、雑音3では69
%であり、大きく下がることが分かった。
【0042】一方、血管芯線抽出アルゴリズムの場合
は、回転角度が大きくになるにつれて理想芯線との一致
度が下がるが、雑音強度による違いはみられず、ほぼ同
じ結果を示した。いずれの結果においても一致度は88
%から91%の範囲内であった。このように、図形の回
転の影響評価においても、血管芯線抽出アルゴリズムは
雑音(ノイズ)に影響されることがなく、抗ノイズ性の
高さを示した。
【0043】以上、様々な評価を加えたが、本発明にお
ける血管芯線抽出アルゴリズムはノイズが多く含まれる
MRA画像において有効に血管抽出を行うことができる
ことが証明された。
【0044】
【発明の効果】本発明は、以上の構成を備えるので、次
の効果を奏する。請求項1に記載の脳血管抽出プログラ
ムによると、血管領域の重心点及び分岐点の位置に係る
血管領域情報を獲得し、該情報によって芯線を抽出する
と同時に、芯線統合化ステップと短小分岐線除去ステッ
プを有するので、短小分岐線の発生等が効果的に抑止さ
れ、正確な血管の芯線の抽出に寄与する。これにより、
脳血管芯線の3次元構造情報を確実に出力可能な脳血管
抽出プログラムを実現し、ひいては医療の高度化、精密
化を図ることができる。
【0045】請求項2に記載の脳血管抽出装置による
と、血管領域の重心点及び分岐点の位置に係る血管領域
情報を獲得し、該情報によって芯線を抽出すると同時
に、芯線統合化手段と短小分岐線除去手段を有するの
で、短小分岐線の発生等が効果的に抑止され、正確な血
管の芯線の抽出に寄与する。これにより、脳血管芯線の
3次元構造情報を確実に出力可能な脳血管抽出装置を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】脳血管芯線の抽出手順を示す図
【図2】芯線の統合方法を示す説明図
【図3】3次元画像の座標軸と方向を示す図
【図4】人工血管モデルの断面画像
【図5】雑音3を付加後の人工血管モデルの断面画像
【図6】理想芯線の分岐位置からのずれに関する説明図
【図7】濃淡画像細線化アルゴリズムにおけるひげの発
生数を示す表
【符号の説明】
10 ステップ1 11 ステップ2 12 ステップ3
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 伸子 東京都新宿区新宿2丁目8番8号 とみん 新宿ビル 株式会社ケイ・ジー・ティー内 (72)発明者 周郷 延雄 東京都大田区大森西6丁目11番1号 東邦 大学医学部内 (72)発明者 御任 明利 東京都大田区大森西6丁目11番1号 東邦 大学医学部内 (72)発明者 柴田 家門 東京都大田区大森西6丁目11番1号 東邦 大学医学部内 Fターム(参考) 4C096 AA10 AB50 AC01 AD14 AD15 DC05 DC18 DC21 DC22 DC31 DC35 DC40 DD01 DD09 DD10 5B057 AA09 BA05 CA02 CA08 CA12 CA16 CB13 CB17 CD14 CE15 CF03 DA07 DA17 DB02 DB05 DB09 DC03 DC06 DC36

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】頭部MRA画像から、脳血管芯線の3次元
    構造情報を抽出する脳血管抽出プログラムであって、 該プログラムが、 頚部に近い頭部MRA画像上で、指定された血管領域検
    索開始点から領域拡張法を用い、頭部MRA画像上での
    血管領域の自動探索を行う血管領域探索ステップと、 該血管領域探索ステップにおいて探索された血管領域
    を、所定の向きで順次追跡し、各血管領域の重心点及び
    分岐点の位置に係る血管領域情報を獲得する血管領域情
    報獲得ステップと、 該血管領域情報から血管の芯線を抽出する芯線抽出ステ
    ップとの各ステップを含むと共に、 該芯線抽出ステップによって抽出された複数の芯線のう
    ち、直線上にある点列を1本の芯線に統合する芯線統合
    化ステップと、 該芯線抽出ステップによって抽出された芯線のうち、長
    さが所定の長さ以下であり、かつ所定の画像範囲内に端
    点を含む芯線を除去する短小分岐線除去ステップとを有
    し、 脳血管芯線の3次元構造情報を出力することを特徴とす
    る脳血管抽出プログラム。
  2. 【請求項2】頭部MRA画像から、脳血管芯線の3次元
    構造情報を抽出する脳血管抽出装置であって、 該装置が、 頭部MRA画像を装置内に入力する画像入力手段と、 頚部に近い頭部MRA画像上で、血管領域検索開始点を
    指定する開始点指定手段と、 該血管領域検索開始点から領域拡張法を用い、頭部スラ
    イス画像上での血管領域の自動探索を行う血管領域探索
    手段と、 該血管領域探索ステップにおいて探索された血管領域
    を、所定の向きで順次追跡し、各血管領域の重心点及び
    分岐点の位置に係る血管領域情報を獲得する血管領域情
    報獲得手段と、 該血管領域情報から血管の芯線を抽出する芯線抽出手段
    とを含む構成であると共に、 該芯線抽出ステップによって抽出された複数の芯線のう
    ち、直線上にある点列を1本の芯線に統合する芯線統合
    化手段と該芯線抽出ステップによって抽出された芯線の
    うち、長さが所定の長さ以下であり、かつ所定の画像範
    囲内に端点を含む芯線を除去する短小分岐線除去手段と
    上記各手段によって形成された脳血管芯線の3次元構造
    情報を出力する情報出力手段とを備えることを特徴とす
    る脳血管抽出装置。
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