JP2003024087A - 新規g蛋白質共役型レセプター蛋白質およびそのdna - Google Patents

新規g蛋白質共役型レセプター蛋白質およびそのdna

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JP2003024087A
JP2003024087A JP2002125161A JP2002125161A JP2003024087A JP 2003024087 A JP2003024087 A JP 2003024087A JP 2002125161 A JP2002125161 A JP 2002125161A JP 2002125161 A JP2002125161 A JP 2002125161A JP 2003024087 A JP2003024087 A JP 2003024087A
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receptor protein
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JP2002125161A
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Takero Moriya
岳郎 守谷
Takashi Ito
隆司 伊藤
Yasushi Shintani
靖 新谷
Nobuyuki Miyajima
伸行 宮嶋
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アゴニスト/アンタゴニストのスクリーニン
グ等に有用な新規蛋白質の提供。 【解決手段】 マウス由来の蛋白質またはその塩、該蛋
白質をコードするポリヌクレオチド、該蛋白質に対する
リガンドの決定方法、リガンドと該蛋白質との結合性を
変化させる化合物のスクリーニング方法/スクリーニン
グ用キット、該スクリーニングで得られる化合物または
その塩など。 【効果】 本発明のマウス由来の蛋白質またはそれをコ
ードするポリヌクレオチドは、(1)本発明の蛋白質に
対するリガンドの決定、(2)本発明の蛋白質の機能不
全に関連する疾患の予防および/または治療剤、(3)
本発明の蛋白質とリガンドとの結合性を変化させる化合
物(アゴニスト、アンタゴニストなど)のスクリーニン
グなどに用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マウス脳由来の新
規G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩および
それをコードするDNAに関する。
【0002】
【従来の技術】多くのホルモンや神経伝達物質などの生
理活性物質は、細胞膜に存在する特異的なレセプター蛋
白質を通じて生体の機能を調節している。これらのレセ
プター蛋白質のうち多くは共役しているguanine nucleo
tide-binding protein(以下、G蛋白質と略称する)の
活性化を通じて細胞内のシグナル伝達を行ない、また、
7個の膜貫通領域を有する共通した構造をもっているこ
とから、G蛋白質共役型レセプター蛋白質あるいは7回
膜貫通型レセプター蛋白質(7TMR)と総称される。
G蛋白質共役型レセプター蛋白質は生体の細胞や臓器の
各機能細胞表面に存在し、それら細胞や臓器の機能を調
節する分子、例えば、ホルモン、神経伝達物質および生
理活性物質等の標的として生理的に重要な役割を担って
いる。レセプターは生理活性物質との結合を介してシグ
ナルを細胞内に伝達し、このシグナルにより細胞の賦活
や抑制といった種々の反応が惹起される。各種生体の細
胞や臓器の内の複雑な機能を調節する物質と、その特異
的レセプター蛋白質、特にG蛋白質共役型レセプター蛋
白質との関係を明らかにすることは、各種生体の臓器や
細胞の機能を解明し、それら機能と密接に関連した医薬
品開発に非常に重要な手段を提供することとなる。
【0003】例えば、生体の種々の器官では、多くのホ
ルモン、ホルモン様物質、神経伝達物質あるいは生理活
性物質による調節のもとで生理的な機能の調節が行なわ
れている。特に、生理活性物質は生体内の様々な部位に
存在し、それぞれに対応するレセプター蛋白質を通して
その生理機能の調節を行っている。生体内には未知のホ
ルモンや神経伝達物質その他の生理活性物質も多く、そ
れらのレセプター蛋白質の構造に関しても、これまで報
告されていないものが多い。さらに、既知のレセプター
蛋白質においてもサブタイプが存在するかどうかについ
ても分かっていないものが多い。生体における複雑な機
能を調節する物質と、その特異的レセプター蛋白質との
関係を明らかにすることは、レセプター蛋白質に対する
アゴニスト、アンタゴニストを含む医薬品開発に非常に
重要な手段である。しかし従来は、レセプター蛋白質に
対するアゴニスト、アンタゴニストを効率よくスクリー
ニングし、医薬品を開発するためには、生体内で発現し
ているレセプター蛋白質の遺伝子の機能を解明し、それ
らを適当な発現系で発現させることが必要であった。ま
た、近年、生体内で発現している遺伝子を解析する手段
として、cDNAの配列をランダムに解析する研究が活
発に行なわれており、このようにして得られたcDNA
の断片配列がExpressed Sequence Tag(EST)として
データベースに登録され、公開されている。しかし、多
くのESTは配列情報のみであり、その機能を推定する
ことは困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、G蛋白質共役型
レセプターとそのリガンドである生理活性物質との結合
を阻害する物質や、結合して生理活性物質と同様なシグ
ナル伝達を引き起こす物質は、これらレセプターの特異
的なアンタゴニストまたはアゴニストとして、生体機能
を調節する医薬品として活用されてきた。従って、この
ように生体内での生理発現において重要であるばかりで
なく、医薬品開発の標的ともなりうるG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質を新規に見出し、その遺伝子(例えばc
DNA)をクローニングすることは、新規G蛋白質共役
型レセプター蛋白質の特異的リガンドや、アゴニスト、
アンタゴニストを見出す際に、非常に重要な手段とな
る。しかし、G蛋白質共役型レセプターはその全てが見
出されているわけではなく、現時点でもなお、未知のG
蛋白質共役型レセプター、またそのリガンドが同定され
ていない、いわゆるオーファンレセプターが多数存在し
ており、新たなG蛋白質共役型レセプターの探索および
機能解明が切望されている。G蛋白質共役型レセプター
は、そのシグナル伝達作用を指標とする、新たなリガン
ド(生理活性物質)の探索、また、該レセプターに対す
るアゴニストまたはアンタゴニストの探索に有用であ
る。一方、生理的なリガンドが見出されなくても、該レ
セプターの不活化実験(ノックアウト動物を使用する実
験)から該レセプターの生理作用を解析することによ
り、該レセプターに対するアゴニストまたはアンタゴニ
ストを作製することも可能である。これら該レセプター
に対するリガンド、アゴニストまたはアンタゴニストな
どは、G蛋白質共役型レセプターの機能不全に関連する
疾患の予防/治療薬や診断薬として活用することが期待
できる。さらにまた、G蛋白質共役型レセプターの遺伝
子変異に基づく、生体での該レセプターの機能の低下ま
たは昂進が、何らかの疾患の原因となっている場合も多
い。この場合には、該レセプターに対するアンタゴニス
トやアゴニストの投与だけでなく、該レセプター遺伝子
の生体内(またはある特定の臓器)への導入や、該レセ
プター遺伝子に対するアンチセンス核酸の導入による、
遺伝子治療に応用することもできる。この場合には該レ
セプターの塩基配列は遺伝子上の欠失や変異の有無を調
べるために必要不可欠な情報であり、該レセプターの遺
伝子は、該レセプターの機能不全に関与する疾患の予防
/治療薬や診断薬に応用することもできる。本発明は、
上記のように有用な新規G蛋白質共役型レセプター蛋白
質を提供するものである。すなわち、新規G蛋白質共役
型レセプター蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはそ
の塩、該G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部
分ペプチドをコードするポリヌクレオチド(DNA、R
NAおよびそれらの誘導体)を含有するポリヌクレオチ
ド(DNA、RNAおよびそれらの誘導体)、該ポリヌ
クレオチドを含有する組換えベクター、該組換えベクタ
ーを保持する形質転換体、該G蛋白質共役型レセプター
蛋白質またはその塩の製造法、該G蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対
する抗体、該G蛋白質共役型レセプター蛋白質の発現量
を変化させる化合物、該G蛋白質共役型レセプターに対
するリガンドの決定方法、リガンドと該G蛋白質共役型
レセプター蛋白質との結合性を変化させる化合物(アン
タゴニスト、アゴニスト)またはその塩のスクリーニン
グ方法、該スクリーニング用キット、該スクリーニング
方法もしくはスクリーニングキットを用いて得られうる
リガンドと該G蛋白質共役型レセプター蛋白質との結合
性を変化させる化合物(アンタゴニスト、アゴニスト)
またはその塩、およびリガンドと該G蛋白質共役型レセ
プター蛋白質との結合性を変化させる化合物(アンタゴ
ニスト、アゴニスト)もしくは該G蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質の発現量を変化させる化合物またはその塩を
含有してなる医薬などを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、マウス脳由来の新規なG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質をコードするcDNAを単離し、その全
塩基配列を解析することに成功した。そして、この塩基
配列をアミノ酸配列に翻訳したところ、第1〜第7膜貫
通領域が図1に示される疎水性プロット上で確認され、
これらのcDNAにコードされる蛋白質が7回膜貫通型
のG蛋白質共役型レセプター蛋白質であることを確認し
た。本発明者らは、これらの知見に基づいて、さらに研
究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、(1)配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一
のアミノ酸配列を含有することを特徴とするG蛋白質共
役型レセプター蛋白質またはその塩、(2)配列番号:
1で表されるアミノ酸配列を含有することを特徴とする
G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩、(3)
上記(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質の部
分ペプチドまたはその塩、(4)上記(1)記載のG蛋白
質共役型レセプター蛋白質をコードするポリヌクレオチ
ドを含有するポリヌクレオチド、(5)DNAである上
記(4)記載のポリヌクレオチド、(6)配列番号:2で
表される塩基配列を有する上記(5)記載のポリヌクレ
オチド、(7)上記(4)記載のポリヌクレオチドを含有
する組換えベクター、(8)上記(7)記載の組換えベク
ターで形質転換させた形質転換体、(9)上記(8)記載
の形質転換体を培養し、上記(1)記載のG蛋白質共役
型レセプター蛋白質を生成せしめることを特徴とする上
記(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質または
その塩の製造法、(10)上記(1)記載のG蛋白質共役
型レセプター蛋白質もしくは上記(3)記載の部分ペプ
チドまたはその塩を含有してなる医薬、(11)上記
(4)記載のポリヌクレオチドを含有してなる医薬、(1
2)上記(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質も
しくは上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩に対
する抗体、(13)上記(1)記載のG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質のシグナル伝達を不活性化する中和抗体で
ある上記(12)記載の抗体、(14)上記(12)記載の抗
体を含有してなる診断薬、(15)上記(1)記載のG蛋
白質共役型レセプター蛋白質もしくは上記(3)記載の
部分ペプチドまたはその塩を用いることにより得られう
る上記(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質ま
たはその塩に対するリガンド、(16)上記(15)記載の
リガンドを含有してなる医薬、(17)上記(1)記載の
G蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくは上記(3)記
載の部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とす
る上記(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質ま
たはその塩に対するリガンドの決定方法、(18)上記
(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくは
上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩を用いるこ
とを特徴とする、上記(1)記載のG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質またはその塩とリガンドとの結合性を変化
させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、(1
9)上記(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質も
しくは上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩を含
有することを特徴とする、上記(1)記載のG蛋白質共
役型レセプター蛋白質またはその塩とリガンドとの結合
性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング用
キット、(20)上記(18)記載のスクリーニング方法ま
たは上記(19)記載のスクリーニング用キットを用いて
得られうるリガンドと上記(1)記載のG蛋白質共役型
レセプター蛋白質またはその塩との結合性を変化させる
化合物またはその塩、(21)上記(18)記載のスクリー
ニング方法または上記(19)記載のスクリーニング用キ
ットを用いて得られうるリガンドと上記(1)記載のG
蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩との結合性
を変化させる化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(22)上記(4)記載のポリヌクレオチドとハイストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオ
チド、(23)上記(4)記載のポリヌクレオチドと相補
的な塩基配列またはその一部を含有してなるポリヌクレ
オチド、(24)上記(4)記載のポリヌクレオチドまた
はその一部を用いることを特徴とする上記(1)記載の
G蛋白質共役型レセプター蛋白質のmRNAの定量方
法、(25)上記(12)記載の抗体を用いることを特徴と
する上記(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質
の定量方法、(26)上記(24)または上記(25)記載の
定量方法を用いることを特徴とする上記(1)記載のG
蛋白質共役型レセプターの機能が関連する疾患の診断方
法、(27)上記(24)記載の定量方法を用いることを特
徴とする上記(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋
白質の発現量を変化させる化合物またはその塩のスクリ
ーニング方法、(28)上記(25)記載の定量方法を用い
ることを特徴とする細胞膜における上記(1)記載のG
蛋白質共役型レセプター蛋白質量を変化させる化合物ま
たはその塩のスクリーニング方法、(29)上記(27)記
載のスクリーニング方法を用いて得られうる上記(1)
記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質の発現量を変化
させる化合物またはその塩、(30)上記(28)記載のス
クリーニング方法を用いて得られうる細胞膜における上
記(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質量を変
化させる化合物またはその塩、(31)上記(27)記載の
スクリーニング方法を用いて得られうる上記(1)記載
のG蛋白質共役型レセプター蛋白質の発現量を変化させ
る化合物またはその塩を含有してなる医薬、(32)上記
(28)記載のスクリーニング方法を用いて得られうる細
胞膜における上記(1)記載のG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質量を変化させる化合物またはその塩を含有して
なる医薬、(33)中枢疾患、内分泌疾患、代謝疾患、癌
または心疾患の予防・治療剤である上記(21)、上記
(31)または上記(32)のいずれかに記載の医薬、(3
4)哺乳動物に対して、上記(20)、上記(29)または
上記(30)のいずれかに記載の化合物またはその塩の有
効量を投与することを特徴とする、該哺乳動物における
中枢疾患、内分泌疾患、代謝疾患、癌または心疾患の予
防・治療方法、(35)中枢疾患、内分泌疾患、代謝疾
患、癌または心疾患の予防・治療剤を製造するための、
上記(20)、上記(29)または上記(30)のいずれかに
記載の化合物またはその塩の使用等に関する。
【0007】さらには、(36)配列番号:1で表わさ
れるアミノ酸配列、配列番号:1で表わされるアミノ
酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個程
度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数
個(1〜5個))のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列に1または2
個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1
〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))のア
ミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:1で表わ
されるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは
1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好
ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が他のアミノ酸
で置換されたアミノ酸配列、またはそれらを組み合わ
せたアミノ酸配列を含有する上記(1)記載のG蛋白質
共役型レセプター蛋白質またはその塩、(37)上記
(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくは
上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩と、試験化
合物とを接触させることを特徴とする上記(17)記載の
リガンドの決定方法、(38)リガンドが、例えば、アン
ギオテンシン、ボンベシン、カンナビノイド、コレシス
トキニン、グルタミン、セロトニン、メラトニン、ニュ
ーロペプチドY、オピオイド、プリン、バソプレッシ
ン、オキシトシン、PACAP(例、PACAP27、
PACAP38)、セクレチン、グルカゴン、カルシト
ニン、アドレノメジュリン、ソマトスタチン、GHR
H、CRF、ACTH、GRP、PTH、VIP(バソ
アクティブ インテスティナル ポリペプチド)、ソマ
トスタチン、ドーパミン、モチリン、アミリン、ブラジ
キニン、CGRP(カルシトニンジーンリレーティッド
ペプチド)、ロイコトリエン、パンクレアチン、プロス
タグランジン、トロンボキサン、アデノシン、アドレナ
リン、ケモカインスーパーファミリー(例、IL−8、
GROα、GROβ、GROγ、NAP−2、ENA−
78、GCP−2、PF4、IP10、Mig、PBSF/S
DF-1などのCXCケモカインサブファミリー;MCAF/MCP
-1、MCP−2、MCP−3、MCP−4、eotaxin、
RANTES、MIP−1α、MIP−1β、HCC−
1、MIP-3α/LARC、MIP-3β/ELC、I−309、TAR
C、MIPF−1、MIPF-2/eotaxin-2、MDC、DC-CK1
/PARC、SLCなどのCCケモカインサブファミリー;l
ymphotactinなどのCケモカインサブファミリー;fract
alkineなどのCX3Cケモカインサブファミリー等)、
エンドセリン、エンテロガストリン、ヒスタミン、ニュ
ーロテンシン、TRH、パンクレアティックポリペプタ
イド、ガラニン、リゾホスファチジン酸(LPA)、ス
フィンゴシン1−リン酸、リゾホスファチジルセリン、
スフィンゴシルホスホリルコリン、リゾホスファチジル
コリン、ステロイド類、胆汁酸類、イソプレノイド、ア
ラキドン酸代謝物、アミン類、アミノ酸、ヌクレオチ
ド、ヌクレオシド、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸であ
る上記(37)記載のリガンドの決定方法、
【0008】(39)(i)上記(1)記載のG蛋白質共役
型レセプター蛋白質もしくは上記(3)記載の部分ペプ
チドまたはその塩と、リガンドとを接触させた場合と、
(ii)上記(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白
質もしくは上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩
と、リガンドおよび試験化合物とを接触させた場合との
比較を行なうことを特徴とする上記(18)記載のスクリ
ーニング方法、(40)(i)標識したリガンドを上記
(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくは
上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩に接触させ
た場合と、(ii)標識したリガンドおよび試験化合物を
上記(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質もし
くは上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩に接触
させた場合における、標識したリガンドの上記(1)記
載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくは上記
(3)記載の部分ペプチドまたはその塩に対する結合量
を測定し、比較することを特徴とするリガンドと上記
(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはそ
の塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスク
リーニング方法、(41)(i)標識したリガンドを上記
(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有す
る細胞に接触させた場合と、(ii)標識したリガンドお
よび試験化合物を上記(1)記載のG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質を含有する細胞に接触させた場合におけ
る、標識したリガンドの該細胞に対する結合量を測定
し、比較することを特徴とするリガンドと上記(1)記
載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩との
結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニン
グ方法、(42)(i)標識したリガンドを上記(1)記載
のG蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有する細胞の膜
画分に接触させた場合と、(ii)標識したリガンドおよ
び試験化合物を上記(1)記載のG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質を含有する細胞の膜画分に接触させた場合に
おける、標識したリガンドの該細胞の膜画分に対する結
合量を測定し、比較することを特徴とするリガンドと上
記(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質または
その塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のス
クリーニング方法、
【0009】(43)(i)標識したリガンドを上記(8)
記載の形質転換体を培養することによって該形質転換体
の細胞膜に発現したG蛋白質共役型レセプター蛋白質に
接触させた場合と、(ii)標識したリガンドおよび試験
化合物を上記(8)記載の形質転換体を培養することに
よって該形質転換体の細胞膜に発現したG蛋白質共役型
レセプター蛋白質に接触させた場合における、標識した
リガンドの該G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対する
結合量を測定し、比較することを特徴とするリガンドと
上記(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質また
はその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩の
スクリーニング方法、(44)(i)上記(1)記載のG蛋
白質共役型レセプター蛋白質またはその塩を活性化する
化合物を上記(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋
白質を含有する細胞に接触させた場合と、(ii)上記
(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはそ
の塩を活性化する化合物および試験化合物を上記(1)
記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有する細胞
に接触させた場合における、G蛋白質共役型レセプター
蛋白質を介した細胞刺激活性を測定し、比較することを
特徴とするリガンドと上記(1)記載のG蛋白質共役型
レセプター蛋白質またはその塩との結合性を変化させる
化合物またはその塩のスクリーニング方法、(45)上記
(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはそ
の塩を活性化する化合物を上記(8)記載の形質転換体
を培養することによって該形質転換体の細胞膜に発現し
たG蛋白質共役型レセプター蛋白質に接触させた場合
と、上記(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質
またはその塩を活性化する化合物および試験化合物を上
記(7)記載の形質転換体を培養することによって該形
質転換体の細胞膜に発現したG蛋白質共役型レセプター
蛋白質に接触させた場合における、G蛋白質共役型レセ
プター蛋白質を介する細胞刺激活性を測定し、比較する
ことを特徴とするリガンドと上記(1)記載のG蛋白質
共役型レセプター蛋白質またはその塩との結合性を変化
させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
【0010】(46)上記(1)記載のG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質を活性化する化合物が、アンギオテンシ
ン、ボンベシン、カンナビノイド、コレシストキニン、
グルタミン、セロトニン、メラトニン、ニューロペプチ
ドY、オピオイド、プリン、バソプレッシン、オキシト
シン、PACAP(例、PACAP27、PACAP3
8)、セクレチン、グルカゴン、カルシトニン、アドレ
ノメジュリン、ソマトスタチン、GHRH、CRF、A
CTH、GRP、PTH、VIP(バソアクティブ イ
ンテスティナル ポリペプチド)、ソマトスタチン、ド
ーパミン、モチリン、アミリン、ブラジキニン、CGR
P(カルシトニンジーンリレーティッドペプチド)、ロ
イコトリエン、パンクレアチン、プロスタグランジン、
トロンボキサン、アデノシン、アドレナリン、ケモカイ
ンスーパーファミリー(例、IL−8、GROα、GR
Oβ、GROγ、NAP−2、ENA−78、GCP−
2、PF4、IP10、Mig、PBSF/SDF-1などのCX
Cケモカインサブファミリー;MCAF/MCP-1、MCP−
2、MCP−3、MCP−4、eotaxin、RANTE
S、MIP−1α、MIP−1β、HCC−1、MIP-3
α/LARC、MIP-3β/ELC、I−309、TARC、MIP
F−1、MIPF-2/eotaxin-2、MDC、DC-CK1/PARC、S
LCなどのCCケモカインサブファミリー;lymphotact
inなどのCケモカインサブファミリー;fractalkineな
どのCX3Cケモカインサブファミリー等)、エンドセ
リン、エンテロガストリン、ヒスタミン、ニューロテン
シン、TRH、パンクレアティックポリペプタイド、ガ
ラニン、リゾホスファチジン酸(LPA)、スフィンゴ
シン1−リン酸、リゾホスファチジルセリン、スフィン
ゴシルホスホリルコリン、リゾホスファチジルコリン、
ステロイド類、胆汁酸類、イソプレノイド、アラキドン
酸代謝物、アミン類、アミノ酸、ヌクレオチド、ヌクレ
オシド、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸である上記(4
4)または(45)記載のスクリーニング方法、(47)上
記(39)〜(46)記載のスクリーニング方法で得られう
るリガンドと上記(1)記載のG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質またはその塩との結合性を変化させる化合物ま
たはその塩、(48)上記(39)〜上記(46)記載のスク
リーニング方法で得られうるリガンドと上記(1)記載
のG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩との結
合性を変化させる化合物またはその塩を含有してなる医
薬、
【0011】(49)上記(1)記載のG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質を含有する細胞を含有することを特徴と
する上記(19)記載のスクリーニング用キット、(50)
上記(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質を含
有する細胞の膜画分を含有することを特徴とする上記
(19)記載のスクリーニング用キット、(51)上記
(8)記載の形質転換体を培養することによって該形質
転換体の細胞膜に発現したG蛋白質共役型レセプター蛋
白質を含有することを特徴とする上記(19)記載のスク
リーニング用キット、(52)上記(49)〜(51)記載の
スクリーニング用キットを用いて得られうる、リガンド
と上記(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質ま
たはその塩との結合性を変化させる化合物またはその
塩、(53)上記(49)〜(51)記載のスクリーニング用
キットを用いて得られうる、リガンドと上記(1)記載
のG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩との結
合性を変化させる化合物またはその塩を含有してなる医
薬、(54)上記(12)記載の抗体と、上記(1)記載の
G蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくは上記(3)記
載の部分ペプチドまたはその塩とを接触させることを特
徴とする上記(1)のG蛋白質共役型レセプター蛋白質
もしくは上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩の
定量法、(55)上記(12)記載の抗体と、被検液および
標識化された上記(1)記載のG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質もしくは上記(3)記載の部分ペプチドまたは
その塩とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化
された上記(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白
質もしくは上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩
の割合を測定することを特徴とする被検液中の上記
(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくは
上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩の定量法、
および(56)被検液と担体上に不溶化した上記(12)記
載の抗体および標識化された上記(12)記載の抗体とを
同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の
標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の上
記(1)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質もしく
は上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩の定量法
等を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質(以下、レセプター蛋白質と略記する場合があ
る)は、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一
もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプ
ター蛋白質である。本発明のレセプター蛋白質は、例え
ば、ヒトや哺乳動物(例えば、モルモット、ラット、マ
ウス、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)のあら
ゆる細胞(例えば、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵
臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハン
ス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、
繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロフ
ァージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満
細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑
膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺
細胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前
駆細胞、幹細胞もしくはガン細胞など)や血球系の細
胞、またはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例え
ば、脳、脳の各部位(例、嗅球、扁頭核、大脳基底球、
海馬、視床、視床下部、視床下核、大脳皮質、延髄、小
脳、後頭葉、前頭葉、側頭葉、被殻、尾状核、脳染、黒
質)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、
甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管
(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下
腺、末梢血、末梢血球、前立腺、睾丸、精巣、卵巣、胎
盤、子宮、骨、関節、骨格筋などに由来する蛋白質であ
ってもよく、また合成蛋白質であってもよい。
【0013】配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列と約50%以上、好まし
くは約60%以上、より好ましくは約70%以上、さらに好
ましくは約80%以上、なかでも好ましくは約90%以上、
最も好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配
列などが挙げられる。本発明の配列番号:1で表わされ
るアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
る蛋白質としては、例えば、配列番号:1で表わされる
アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、配
列番号:1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同質の
活性を有する蛋白質などが好ましい。該活性としては、
例えば、リガンド結合活性、シグナル情報伝達作用など
が挙げられる。実質的に同質とは、それらの活性が性質
的に同質であることを示す。したがって、リガンド結合
活性やシグナル情報伝達作用などの活性が同等(例、約
0.01〜100倍、好ましくは約0.5〜20倍、より好ましくは
約0.5〜2倍)であることが好ましいが、これらの活性
の程度や蛋白質の分子量などの量的要素は異なっていて
もよい。リガンド結合活性やシグナル情報伝達作用など
の活性の測定は、公知の方法に準じて行なうことができ
るが、例えば、後に記載するリガンドの決定方法やスク
リーニング方法に従って測定することができる。
【0014】また、本発明のレセプター蛋白質として
は、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列中の1ま
たは2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好まし
くは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜5
個))のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列に1または2個以上
(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個
程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸
が付加したアミノ酸配列、配列番号:1で表わされる
アミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜
30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好まし
くは数個(1〜5個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置
換されたアミノ酸配列、またはそれらを組み合わせた
アミノ酸配列を含有する蛋白質なども用いられる。
【0015】本明細書におけるレセプター蛋白質のアミ
ノ酸配列は、ペプチド標記の慣例に従って、左端がN末
端(アミノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)
である。配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有
するレセプター蛋白質をはじめとする、本発明のレセプ
ター蛋白質は、C末端がカルボキシル基(−COOH)、カ
ルボキシレート(−COO)、アミド(−CONH2)または
エステル(−COOR)のいずれであってもよい。ここでエ
ステルにおけるRとしては、例えば、メチル、エチル、
n−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチルなどの
1-6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘ
キシルなどのC3-8シクロアルキル基、例えば、フェニ
ル、α−ナフチルなどのC6-12アリール基、例えば、ベ
ンジル、フェネチルなどのフェニル−C1-2アルキル基
もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C
1-2アルキル基などのC7-14アラルキル基のほか、経口
用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基
などが用いられる。本発明のレセプター蛋白質がC末端
以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を有
している場合、カルボキシル基がアミド化またはエステ
ル化されているものも本発明のレセプター蛋白質に含ま
れる。この場合のエステルとしては、例えば上記したC
末端のエステルなどが用いられる。さらに、本発明のレ
セプター蛋白質には、上記した蛋白質において、N末端
のメチオニン残基のアミノ基が保護基(例えば、ホルミ
ル基、アセチルなどのC2- 6アルカノイル基などのC1-6
アシル基など)で保護されているもの、N端側が生体内
で切断され生成したグルタミル基がピログルタミン酸化
したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基(例え
ば、−OH、−SH、アミノ基、イミダゾール基、イン
ドール基、グアニジノ基など)が適当な保護基(例え
ば、ホルミル基、アセチルなどのC2-6アルカノイル基
などのC1-6アシル基など)で保護されているもの、あ
るいは糖鎖が結合したいわゆる糖蛋白質などの複合蛋白
質なども含まれる。本発明のレセプター蛋白質の具体例
としては、例えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸
配列を含有するレセプター蛋白質などが用いられる。
【0016】本発明のレセプター蛋白質の部分ペプチド
(以下、部分ペプチドと略記する場合がある)として
は、上記した本発明のレセプター蛋白質の部分ペプチド
であれば何れのものであってもよいが、例えば、本発明
のレセプター蛋白質分子のうち、細胞膜の外に露出して
いる部位であって、実質的に同質の活性を有するものな
どが用いられる。ここで、「実質的に同質の活性」と
は、例えばリガンド結合活性を示す。リガンド結合活性
の測定は上記と同様に行なうことができる。具体的に
は、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を有するレ
セプター蛋白質の部分ペプチドとしては、図1に示され
る疎水性プロット解析において細胞外領域(親水性(Hy
drophilic)部位)であると分析された部分を含むペプ
チドである。また、疎水性(Hydrophobic)部位を一部
に含むペプチドも同様に用いることができる。個々のド
メインを個別に含むペプチドも用い得るが、複数のドメ
インを同時に含む部分のペプチドでもよい。本発明の部
分ペプチドのアミノ酸配列におけるアミノ酸数は、上記
した本発明のレセプター蛋白質の構成アミノ酸配列のう
ち少なくとも20個以上、好ましくは50個以上、より好ま
しくは100個以上である。実質的に同一のアミノ酸配列
とは、これらアミノ酸配列と約50%以上、好ましくは約
60%以上、より好ましくは約70%以上、さらに好ましく
は約80%以上、さらに好ましくは約90%以上、最も好ま
しくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列を示
す。
【0017】また、本発明の部分ペプチドのアミノ酸配
列において、上記アミノ酸配列中の1または2個以上
(好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1
〜5個))のアミノ酸が欠失していてもよく、上記ア
ミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜20個
程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは
数個(1〜5個))のアミノ酸が付加していてもよく、
上記アミノ酸配列中の1または2個以上(好ましく
は、1〜10個程度、より好ましくは数個、さらに好まし
くは1〜5個程度)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換さ
れていてもよい。さらに、これらないしから選ばれ
る任意の2種以上が適宜組み合わさっていてもよい。ま
た、本発明の部分ペプチドのC末端は、カルボキシル基
(−COOH)、カルボキシレート(−COO)、アミド
(−CONH2)またはエステル(−COOR)のいずれであっ
てもよい(Rは前記と同意義を示す)。本発明の部分ペ
プチドがC末端以外にカルボキシル基(またはカルボキ
シレート)を有している場合、カルボキシル基がアミド
化またはエステル化されているものも本発明の部分ペプ
チドに含まれる。この場合のエステルとしては、例えば
上記したC末端のエステルなどが用いられる。さらに、
本発明の部分ペプチドには、上記した本発明のレセプタ
ー蛋白質と同様に、N末端のメチオニン残基のアミノ基
が保護基で保護されているもの、N端側が生体内で切断
され生成したGlnがピログルタミン酸化したもの、分子
内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護さ
れているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプ
チドなどの複合ペプチドなども含まれる。本発明のレセ
プター蛋白質またはその部分ペプチドの塩としては、酸
または塩基との生理学的に許容される塩が挙げられ、と
りわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この
様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン
酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例え
ば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン
酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安
息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との
塩などが用いられる。
【0018】本発明のレセプター蛋白質またはその塩
は、上記したヒトや哺乳動物の細胞または組織から公知
のレセプター蛋白質の精製方法によって製造することも
できるし、後に記載する本発明のレセプター蛋白質をコ
ードするDNAを含有する形質転換体を培養することに
よっても製造することができる。また、後に記載する蛋
白質合成法またはこれに準じて製造することもできる。
本発明のレセプター蛋白質またはその塩をヒトや哺乳動
物の組織または細胞から製造する場合、ヒトや哺乳動物
の組織または細胞をホモジナイズした後、酸などでの抽
出を行ない、該抽出液をクロマトグラフィー(例、逆相
クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、
あるいはこれらの組み合わせ等)に付すことによって、
本発明のレセプター蛋白質またはその塩を精製単離する
ことができる。
【0019】本発明のレセプター蛋白質もしくはその部
分ペプチドまたはその塩またはそのアミド体の製造に
は、通常市販の蛋白質合成用樹脂を用いることができ
る。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹
脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹
脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルア
ルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、
PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセ
トアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−
(2',4'−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)
フェノキシ樹脂、4−(2',4'−ジメトキシフェニル
−Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂などが挙げら
れる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能
基を適当に保護したアミノ酸を、目的とする蛋白質また
はペプチドのアミノ酸配列通りに、公知の各種縮合方法
に従い、樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂から蛋
白質またはペプチドを切り出すと同時に各種保護基を除
去し、さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形
成反応を実施し、目的の蛋白質もしくは部分ペプチドま
たはそのアミド体を取得する。上記した保護アミノ酸の
縮合に関しては、蛋白質合成に使用できる各種活性化試
薬を用いることができるが、特に、カルボジイミド類が
好ましい。カルボジイミド類としては、DCC、N,N'
−ジイソプロピルカルボジイミド、N−エチル−N'−
(3−ジメチルアミノプロリル)カルボジイミドなどが
用いられる。これら活性化試薬を用いる場合、ラセミ化
抑制添加剤(例えば、HOBt、HOOBt)とともに
保護アミノ酸を直接樹脂に添加するか、または、対称酸
無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエス
テルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行なった
後に樹脂に添加することにより、アミノ酸の縮合が行わ
れる。
【0020】保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒は、蛋白質縮合反応に使用しうることが知
られている溶媒から適宜選択されうる。例えば、N,N
−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミ
ド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド類;塩化メチ
レン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;トリ
フルオロエタノールなどのアルコール類;ジメチルスル
ホキシドなどのスルホキシド類;ピリジンなどのアミン
類;ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル
類;アセトニトリル,プロピオニトリルなどのニトリル
類;酢酸メチル,酢酸エチルなどのエステル類;あるい
はこれらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度は
蛋白質結合形成反応に使用され得ることが知られている
範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範囲から
適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は通常1.
5〜4倍過剰量で用いられる。ニンヒドリン反応を用い
たテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離
を行うことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮
合を行なうことができる。反応を繰り返しても十分な縮
合が得られないときには、無水酢酸またはアセチルイミ
ダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化すること
ができる。
【0021】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、ターシャリーペンチルオキシカルボニ
ル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベン
ジルオキシカルボニル、Cl−Z、Br−Z、アダマン
チルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロ
イル、ホルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジ
フェニルホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられ
る。カルボキシル基は、例えば、アルキルエステル化
(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ターシ
ャリーブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シク
ロヘプチル、シクロオクチル、2−アダマンチルなどの
直鎖状、分枝状もしくは環状アルキルエステル化)、ア
ラルキルエステル化(例えば、ベンジルエステル、4−
ニトロベンジルエステル、4−メトキシベンジルエステ
ル、4−クロロベンジルエステル、ベンズヒドリルエス
テル化)、フェナシルエステル化、ベンジルオキシカル
ボニルヒドラジド化、ターシャリーブトキシカルボニル
ヒドラジド化、トリチルヒドラジド化などによって保護
することができる。セリンの水酸基は、例えば、エステ
ル化またはエーテル化によって保護することができる。
このエステル化に適する基としては、例えば、アセチル
基などの低級アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロ
イル基、ベンジルオキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基などの炭酸から誘導される基などが用いられる。
また、エーテル化に適する基としては、例えば、ベンジ
ル基、テトラヒドロピラニル基、t−ブチル基などであ
る。チロシンのフェノール性水酸基の保護基としては、
例えば、Bzl、Cl2−Bzl、2−ニトロベンジ
ル、Br−Z、ターシャリーブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、例えば、
Tos、4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼン
スルホニル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bum、
Boc、Trt、Fmocなどが用いられる。
【0022】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニト
ロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロフ
ェノール、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、N−
ヒドロキシフタルイミド、HOBt)とのエステル〕な
どが用いられる。原料のアミノ基の活性化されたものと
しては、例えば、対応するリン酸アミドが用いられる。
保護基の除去(脱離)方法としては、例えば、Pd−黒
あるいはPd−炭素などの触媒の存在下での水素気流中
での接触還元;無水フッ化水素、メタンスルホン酸、ト
リフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるい
はこれらの混合液などによる酸処理;ジイソプロピルエ
チルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジ
ンなどによる塩基処理;液体アンモニア中ナトリウムに
よる還元などが用いられる。上記酸処理による脱離反応
は、一般に約−20℃〜40℃の温度で行なわれるが、酸処
理においては、例えば、アニソール、フェノール、チオ
アニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジメチ
ルスルフィド、1,4−ブタンジチオール、1,2−エタ
ンジチオールなどのようなカチオン捕捉剤の添加が有効
である。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として
用いられる2,4−ジニトロフェニル基はチオフェノー
ル処理により除去され、トリプトファンのインドール保
護基として用いられるホルミル基は上記の1,2−エタ
ンジチオール、1,4−ブタンジチオールなどの存在下
の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶
液、希アンモニアなどによるアルカリ処理によっても除
去される。
【0023】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。蛋白質のアミド体を得る方法とし
ては、例えば、まず、C末端アミノ酸のα−カルボキシ
ル基をアミド化して保護し、アミノ基側にペプチド(蛋
白質)鎖を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖の
N末端のα−アミノ基の保護基のみを除いた蛋白質とC
末端のカルボキシル基の保護基のみを除去した蛋白質と
を製造し、この両蛋白質を上記したような混合溶媒中で
縮合させる方法も挙げられる。縮合は上記と同様にして
行われる。縮合により得られた保護蛋白質を精製した
後、上記方法によりすべての保護基を除去し、所望の粗
蛋白質を得ることができる。この粗蛋白質を、既知の各
種精製手段を用いて精製し、主要画分を凍結乾燥するこ
とによって所望の蛋白質のアミド体を得ることができ
る。蛋白質のエステル体を得るには、例えば、C末端ア
ミノ酸のα−カルボキシル基を所望のアルコール類と縮
合させてアミノ酸エステルとした後、蛋白質のアミド体
の場合と同様にして、所望の蛋白質のエステル体を得る
ことができる。
【0024】本発明の部分ペプチドまたはその塩は、公
知のペプチドの合成法に従って、あるいは本発明のレセ
プター蛋白質を適当なペプチダーゼで切断することによ
って製造することができる。ペプチドの合成法として
は、例えば、固相合成法、液相合成法などが挙げられ
る。例えば、本発明のレセプター蛋白質を構成し得る部
分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、
生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することに
より、目的とする部分ペプチドを製造することができ
る。ここで、縮合や保護基の脱離は、例えば、以下の
〜に記載された方法にしたがって行われる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptide),
Academic Press, NewYork (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 蛋白
質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合成
広川書店 また、このようにして得られた部分ペプチドは、通常の
精製法、例えば、溶媒抽出、蒸留、カラムクロマトグラ
フィー、液体クロマトグラフィー、再結晶あるいはこれ
らの組み合わせによって精製単離することができる。上
記方法で得られる部分ペプチドが遊離体である場合は、
公知の方法によって適当な塩に変換することができる
し、逆に塩で得られた場合は、公知の方法によって遊離
体に変換することができる。
【0025】本発明のレセプター蛋白質をコードするポ
リヌクレオチドとしては、上記した本発明のレセプター
蛋白質をコードする塩基配列(DNAまたはRNA、好
ましくはDNA)を含有するものであればいかなるもの
であってもよい。該ポリヌクレオチドとしては、本発明
のレセプター蛋白質をコードするDNA、mRNA等の
RNAが挙げられる。これらは、二本鎖であっても、一
本鎖であってもよい。二本鎖の場合は、二本鎖DNA、
二本鎖RNAまたはDNA:RNAのハイブリッドでも
よい。一本鎖の場合は、センス鎖(すなわち、コード
鎖)であっても、アンチセンス鎖(すなわち、非コード
鎖)であってもよい。本発明のレセプター蛋白質をコー
ドするポリヌクレオチドを用いて、公知の方法、例えば
実験医学増刊「新PCRとその応用」15(7)、1997記載
の方法またはそれに準じた方法、具体的にはTaqMan PCR
などの方法により、本発明のレセプター蛋白質のmRN
Aを定量することができる。本発明のレセプター蛋白質
をコードするDNAとしては、ゲノムDNA、ゲノムD
NAライブラリー、上記した細胞・組織由来のcDN
A、上記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、
合成DNAなどが挙げられる。ライブラリーに使用する
ベクターは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミ
ド、ファージミドなどいずれであってもよい。また、該
DNAは、上記した細胞・組織より調製した全RNAま
たはmRNA画分を用いて直接Reverse Transcriptase
Polymerase Chain Reaction(以下、RT−PCR法と
略称する)によって増幅することもできる。具体的に
は、本発明のレセプター蛋白質をコードするDNAとし
ては、例えば、配列番号:2で表わされる塩基配列を含
有するDNA、または配列番号:2で表わされる塩基配
列を有するDNAとハイストリンジェントな条件下でハ
イブリダイズするDNAを有し、本発明のレセプター蛋
白質と実質的に同質の活性(例、リガンド結合活性、シ
グナル情報伝達作用など)を有するレセプター蛋白質を
コードするDNAなどが挙げられる。配列番号:2で表
わされる塩基配列を有するDNAとハイストリンジェン
トな条件下でハイブリダイズするDNAとしては、例え
ば、配列番号:2で表わされる塩基配列と約70%以上、
好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、さ
らに好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列を
含有するDNAなどが用いられる。
【0026】ハイブリダイゼーションは、公知の方法あ
るいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・クロ
ーニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et
al.,Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の
方法などに従って行なうことができる。また、市販のラ
イブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の
方法に従って行なうことができる。ハイブリダイゼーシ
ョンは、ハイストリンジェントな条件に従って行なうこ
とが好ましい。ここで、ハイストリンジェントな条件と
は、例えば、ナトリウム濃度が約19〜40 mM、好まし
くは約19〜20 mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは
約60〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19
mMで温度が約65℃の条件が最も好ましい。より具体
的には、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有
するレセプター蛋白質をコードするDNAとしては、配
列番号:2で表わされる塩基配列を含有するDNAなど
が用いられる。本発明のレセプター蛋白質をコードする
DNAの塩基配列の一部、または該DNAと相補的な塩
基配列の一部を含有してなるポリヌクレオチドとは、下
記の本発明の部分ペプチドをコードするDNAを包含す
るだけではなく、RNAをも包含する意味で用いられ
る。本発明に従えば、G蛋白質共役型レセプター蛋白質
遺伝子の複製または発現を阻害することのできるアンチ
センス・ポリヌクレオチド(核酸)を、クローン化し
た、あるいは決定されたG蛋白質共役型レセプター蛋白
質をコードするDNAの塩基配列情報に基づき設計し、
合成しうる。そうしたポリヌクレオチド(核酸)は、G
蛋白質共役型レセプター蛋白質遺伝子のRNAとハイブ
リダイズすることができ、該RNAの合成または機能を
阻害することができるか、あるいはG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質関連RNAとの相互作用を介してG蛋白質
共役型レセプター蛋白質遺伝子の発現を調節・制御する
ことができる。G蛋白質共役型レセプター蛋白質関連R
NAの選択された配列に相補的なポリヌクレオチド、お
よびG蛋白質共役型レセプター蛋白質関連RNAと特異
的にハイブリダイズすることができるポリヌクレオチド
は、生体内および生体外でG蛋白質共役型レセプター蛋
白質遺伝子の発現を調節・制御するのに有用であり、ま
た病気などの治療または診断に有用である。また、G蛋
白質共役型レセプター蛋白質遺伝子の5'端ヘアピンル
ープ、5'端6−ベースペア・リピート、5'端非翻訳領
域、ポリペプチド翻訳終止コドン、蛋白質コード領域、
ORF翻訳開始コドン、3'端非翻訳領域、3'端パリンド
ローム領域、および3'端ヘアピンループは好ましい対
象領域として選択しうるが、G蛋白質共役型レセプター
蛋白質遺伝子内の如何なる領域も対象として選択しう
る。
【0027】目的核酸と、対象領域の少なくとも一部に
相補的なポリヌクレオチドとの関係、即ち、対象物とハ
イブリダイズすることができるポリヌクレオチドとの関
係は、「アンチセンス」であるということができる。ア
ンチセンス・ポリヌクレオチド(アンチセンス核酸)と
しては、2−デオキシ−D−リボースを含有しているポ
リヌクレオチド、D−リボースを含有しているポリヌク
レオチド、プリンまたはピリミジン塩基のN−グリコシ
ドであるその他のタイプのポリヌクレオチド、あるいは
非ヌクレオチド骨格を有するその他のポリマー(例え
ば、市販の蛋白質核酸および合成配列特異的な核酸ポリ
マー)または特殊な結合を含有するその他のポリマー
(但し、該ポリマーはDNAやRNA中に見出されるよ
うな塩基のペアリングや塩基の付着を許容する配置をも
つヌクレオチドを含有する)などが挙げられる。それら
は、二本鎖DNA、一本鎖DNA、二本鎖RNA、一本
鎖RNA、DNA:RNAハイブリッドのいずれであっ
てもよく、さらに非修飾ポリヌクレオチド(または非修
飾オリゴヌクレオチド)または公知の修飾の付加された
ポリヌクレオチド[例えば当該分野で知られた標識のあ
るもの、キャップの付いたもの、メチル化されたもの、
1個以上の天然のヌクレオチドを類縁物で置換したも
の、分子内ヌクレオチド修飾のされたもの[例えば非荷
電結合(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエス
テル、ホスホルアミデート、カルバメートなど)を持つ
もの、電荷を有する結合または硫黄含有結合(例えば、
ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)を持
つもの、例えば蛋白質(ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼ・
インヒビター、トキシン、抗体、シグナルペプチド、ポ
リ−L−リジンなど)や糖(例えば、モノサッカライド
など)などの側鎖基を有しているもの、インターカレン
ト化合物(例えば、アクリジン、ソラレンなど)を持つ
もの、キレート化合物(例えば、金属、放射活性をもつ
金属、ホウ素、酸化性の金属など)を含有するもの、ア
ルキル化剤を含有するもの、修飾された結合を持つもの
(例えば、αアノマー型の核酸など)]]のいずれであ
ってもよい。ここで「ヌクレオシド」、「ヌクレオチ
ド」および「核酸」は、プリンおよびピリミジン塩基以
外に、修飾された複素環型塩基(例、メチル化されたプ
リンおよびピリミジン、アシル化されたプリンおよびピ
リミジンなど)を含んでいて良い。また、「ヌクレオシ
ド」、「ヌクレオチド」および「核酸」は、糖部分が修
飾されていてもよく、1個以上の水酸基がハロゲンや脂
肪族基などで置換されていたり、あるいはエーテル、ア
ミンなどの官能基に変換されていてもよい。
【0028】本発明のアンチセンス核酸は、RNA、D
NA、あるいは修飾された核酸(RNA、DNA)であ
る。修飾された核酸の具体例としては、例えば硫黄誘導
体やチオホスフェート誘導体、ポリヌクレオシドアミド
やオリゴヌクレオシドアミドの分解に抵抗性の核酸など
が挙げられる。本発明のアンチセンス核酸は、細胞内で
のアンチセンス核酸をより安定なものにすること、アン
チセンス核酸の細胞透過性をより高めること、目標とす
るセンス鎖に対する親和性をより大きなものにするこ
と、アンチセンス核酸の毒性をより小さなものにするこ
と等を目的として修飾されうる。このような修飾は当該
分野で数多く知られており、例えば J. Kawakami et a
l., Pharm Tech Japan, Vol. 8, pp.247, 1992; Vol.
8, pp.395, 1992; S. T. Crooke et al. ed., Antisens
e Research and Applications, CRC Press, 1993などに
記載されている。本発明のアンチセンス核酸は、変化せ
しめられたり、修飾された糖、塩基、結合を含有してい
て良く、さらに、リポゾーム、ミクロスフェアのような
特殊な形態で供与されたり、遺伝子治療により適用され
たり、付加形態で与えられることができうる。ここで、
付加形態において用いられる付加物としては、リン酸基
骨格の電荷を中和するように働くポリリジンのようなポ
リカチオン体;細胞膜との相互作用を高めたり、核酸の
取込みを増大せしめるような脂質(例えば、ホスホリピ
ド、コレステロールなど)などの疎水性物質が挙げられ
る。該脂質としては、コレステロールやその誘導体(例
えば、コレステリルクロロホルメート、コール酸など)
が好ましく、これらは、核酸の3'端あるいは5'端に付
着させることができ、さらに、塩基、糖、分子内ヌクレ
オシド結合を介して付着させることができる。また、付
加物としては、核酸の3'端あるいは5'端に特異的に配
置されたキャップ用の基で、エキソヌクレアーゼ、RN
aseなどのヌクレアーゼによる分解を阻止するための
ものが挙げられる。こうしたキャップ用の基としては、
例えばポリエチレングリコール、テトラエチレングリコ
ールなどのグリコールをはじめとした当該分野で知られ
た水酸基の保護基などが挙げられる。アンチセンス核酸
の阻害活性は、本発明の形質転換体、本発明の生体内や
生体外の遺伝子発現系、あるいはG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質の生体内や生体外の翻訳系を用いて調べるこ
とができる。該核酸は公知の各種の方法で細胞に適用で
きる。本発明で用いられる蛋白質または部分ペプチドを
コードするポリヌクレオチド(例、DNA)の塩基配列
に相補的な、または実質的に相補的な塩基配列を有する
アンチセンスポリヌクレオチドは、本発明のポリヌクレ
チド(例、DNA)の塩基配列に相補的な、または実質
的に相補的な塩基配列を有し、該ポリヌクレオチド
(例、DNA)の発現を抑制し得る作用を有するポリヌ
クレオチドであればよい。該アンチセンスポリヌクレオ
チドとしては、アンチセンスDNAが好ましい。本発明
のポリヌクレオチド(例、DNA)に実質的に相補的な
塩基配列とは、例えば、本発明のポリヌクレオチド
(例、DNA)に相補的な塩基配列(すなわち、本発明
のポリヌクレオチドの相補鎖)の全塩基配列あるいは部
分塩基配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より
好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相
同性を有する塩基配列などが挙げられる。特に、本発明
のポリヌクレオチド(例、DNA)の相補鎖の全塩基配
列うち、本発明のタンパク質のN末端部位をコードする
部分の塩基配列(例えば、開始コドン付近の塩基配列な
ど)の相補鎖と約70%以上、好ましくは約80%以上、よ
り好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の
相同性を有するアンチセンスポリヌクレオチドが好適で
ある。具体的には、配列番号:2で表わされる塩基配列
を有するDNAの塩基配列に相補的な、もしくは実質的
に相補的な塩基配列、またはその一部分を有するアンチ
センスポリヌクレオチドなどが挙げられる。また、5’
非翻訳領域または3’非翻訳領域(好ましくは5’非翻
訳領域)の塩基配列に相補的な、もしくは実質的に相補
的な塩基配列、またはその一部分を有するアンチセンス
ポリヌクレオチドなどが挙げられる。具体的には、配列
番号:5または配列番号:6(好ましくは配列番号:
5)で表わされる塩基配列を有するDNAの塩基配列に
相補的な、もしくは実質的に相補的な塩基配列、または
その一部分を有するアンチセンスポリヌクレオチドなど
も挙げられる。アンチセンスポリヌクレオチドは通常、
10〜40個程度、好ましくは15〜30個程度の塩基から構成
される。ヌクレアーゼなどの加水分解酵素による分解を
防ぐために、アンチセンスポリヌクレオチドを構成する
各ヌクレオチドのりん酸残基(ホスフェート)は、例え
ば、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、ホスホ
ロジチオネートなどの化学修飾りん酸残基に置換されて
いてもよい。これらのアンチセンスポリヌクレオチド
は、公知のDNA合成装置などを用いて製造することが
できる。
【0029】本発明の部分ペプチドをコードするDNA
は、上記した本発明の部分ペプチドをコードする塩基配
列を含有するものであればよく、また、ゲノムDNA、
ゲノムDNAライブラリー、上記した細胞・組織由来の
cDNA、上記した細胞・組織由来のcDNAライブラ
リー、合成DNAのいずれでもよい。ライブラリーに使
用するベクターは、バクテリオファージ、プラスミド、
コスミド、ファージミドなどいずれであってもよい。ま
た、該DNAは、上記した細胞・組織より調製したmR
NA画分を用いて直接RT−PCR法によって増幅する
こともできる。具体的には、本発明の部分ペプチドをコ
ードするDNAとしては、例えば、(1)配列番号:2
で表わされる塩基配列を有するDNAの部分塩基配列を
有するDNA、または(2)配列番号:2で表わされる
DNAとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイ
ズするDNAを有し、本発明の部分ペプチドと実質的に
同質の活性(例、リガンド結合活性、シグナル情報伝達
作用など)を有する蛋白質をコードするDNAの部分塩
基配列を有するDNAなどが用いられる。配列番号:2
で表わされるDNAとハイストリンジェントな条件でハ
イブリダイズするDNAとしては、例えば、配列番号:
2で表わされる塩基配列と約70%以上、好ましくは約80
%以上、より好ましくは約90%以上、さらに好ましくは
約95%以上の相同性を有する塩基配列を含有するDNA
などが用いられる。
【0030】本発明のレセプター蛋白質またはその部分
ペプチド(以下、本発明のレセプター蛋白質と略記する
場合がある)を完全にコードするDNAのクローニング
の手段としては、本発明のペプチドをコードするDNA
の塩基配列の部分塩基配列を有する合成DNAプライマ
ーを用いてPCR法によって増幅する方法、適当なベク
ターに組み込んだDNAを本発明のレセプター蛋白質の
一部あるいは全領域をコードするDNA断片もしくは合
成DNAで標識したDNAとハイブリダイゼーションさ
せる方法などが挙げられる。ハイブリダイゼーション
は、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular
Cloning)2nd(J. Sambrook et al., ColdSpring Harbo
r Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行なう
ことができる。また、市販のライブラリーを使用する場
合、添付の使用説明書に記載の方法に従ってハイブリダ
イゼーションを行なうことができる。
【0031】DNAの塩基配列の置換は、PCRや公知
のキット、例えば、MutanTM−superExpress Km(宝酒造
(株))、MutanTM−K(宝酒造(株))等を用いて、OD
A−LA PCR法、gapped duplex法、Kunkel法等の公知の方
法あるいはそれらに準じる方法に従って行なうことがで
きる。クローン化されたレセプター蛋白質をコードする
DNAは目的によりそのまま、または所望により制限酵
素で消化したり、リンカーを付加したりして使用するこ
とができる。該DNAはその5'末端側に翻訳開始コド
ンとしてのATGを有し、また3'末端側には翻訳終止
コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有してい
てもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドン
は、適当な合成DNAアダプターを用いて付加すること
もできる。本発明のレセプター蛋白質の発現ベクター
は、例えば、(i)本発明のレセプター蛋白質をコード
するDNAを含む、例えばcDNAから目的とするDN
A断片を切り出し、(ii)該DNA断片を適当な発現ベ
クター中のプロモーターの下流に連結することにより製
造することができる。
【0032】ここで、発現ベクターとしては、例えば大
腸菌由来のプラスミド(例、pCR4、pCR2.1、pBR322、pB
R325、pUC12、pUC13);枯草菌由来のプラスミド(例、
pUB110、pTP5、pC194);酵母由来プラスミド(例、pSH
19、pSH15);λファージなどのバクテリオファージ;
レトロウイルス、ワクシニアウイルス、バキュロウイル
スなどの動物ウイルス;pA1-11、pXT1、pRc/CMV、pRc/R
SV、pcDNAI/Neoなどが用いられる。プロモーターは、特
に限定されず、遺伝子の発現に用いる宿主に応じて適宜
選択すればよい。該プロモーターとしては、例えば、動
物細胞を宿主として用いる場合は、SRαプロモータ
ー、SV40プロモーター、LTRプロモーター、CM
Vプロモーター、HSV−TKプロモーターなどが挙げ
られる。これらのうち、CMVプロモーター、SRαプ
ロモーターなどが好ましい。例えば、宿主がエシェリヒ
ア属菌である場合は、trpプロモーター、lacプロ
モーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、
lppプロモーターなどが;宿主がバチルス属菌である
場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモータ
ー、penPプロモーターなどが;宿主が酵母である場
合は、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、G
APプロモーター、ADHプロモーターなどが好まし
い。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプロモ
ーター、P10プロモーターなどが好ましい。
【0033】発現ベクターは、所望によりエンハンサ
ー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選
択マーカー、SV40複製オリジン(以下、SV40or
iと略称する場合がある)などを含有していてもよい。
該選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵
素(以下、dhfrと略称する場合がある)遺伝子〔メソト
レキセート(MTX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子
(以下、Ampと略称する場合がある)、ネオマイシ
ン耐性遺伝子(以下、Neoと略称する場合がある、
G418耐性)等が挙げられる。CHO(dhfr)細胞
を宿主として用い、dhfr遺伝子を選択マーカーとして使
用する場合、チミジンを含まない培地によっても目的遺
伝子を選択できる。また、必要に応じて、宿主に合った
シグナル配列を、本発明のレセプター蛋白質のN端末側
に付加してもよい。例えば、宿主がエシェリヒア属菌で
ある場合は、PhoAシグナル配列、OmpAシグナル
配列などが;宿主がバチルス属菌である場合は、α−ア
ミラーゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列
などが;宿主が酵母である場合は、MFα・シグナル配
列、SUC2・シグナル配列などが;宿主が動物細胞で
ある場合には、インシュリン・シグナル配列、α−イン
ターフェロン・シグナル配列、抗体分子・シグナル配列
などがそれぞれ利用できる。このようにして製造された
本発明のレセプター蛋白質をコードするDNAを含有す
るベクターを宿主に導入することによって、形質転換体
を製造することができる。
【0034】ここで、宿主としては、例えば、エシェリ
ヒア属菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物
細胞などが用いられる。エシェリヒア属菌としては、例
えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・D
H1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,160 (196
8)〕,JM103〔ヌクイレック・アシッズ・リサーチ,(N
ucleic AcidsResearch),9巻,309 (1981)〕,JA221
〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(Jo
urnal of Molecular Biology),120巻,517 (197
8)〕,HB101〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイ
オロジー,41巻,459 (1969)〕,C600〔ジェネティック
ス(Genetics),39巻,440 (1954)〕,DH5α〔Inoue,
H., Nojima, H. and Okayama, H., Gene, 96, 23-28 (1
990)〕,DH10B〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショ
ナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・
ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),87巻,
4645−4649 (1990)〕などが用いられる。バチルス属菌
としては、例えば、バチルス・ズブチルス(Bacillus s
ubtilis)MI114〔ジーン,24巻,255 (1983)〕,207−2
1〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal o
f Biochemistry),95巻,87 (1984)〕などが用いられ
る。酵母としては、例えば、サッカロマイセス セレビ
シエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22、AH22R、NA8
7-11A、DKD-5D、20B-12;シゾサッカロマイセスポンベ
(Schizosaccharomyces pombe)NCYC1913、NCYC2036;
ピキア パストリス(Pichia pastoris)などが用いら
れる。
【0035】昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodop
tera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia ni
の中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のH
igh FiveTM 細胞、Mamestrabrassicae由来の細胞、Esti
gmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイルスが
BmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mori
N;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞として
は、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21細
胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In Vivo),
13, 213-217 (1977))などが用いられる。昆虫として
は、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田ら、
ネイチャー(Nature),315巻,592 (1985)〕。動物細
胞としては、例えば、サル細胞COS−7、Vero、
チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO細胞
と略記)、dhfr遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞
CHO(以下、CHO(dhfr)細胞と略記)、マウス
L細胞,マウスAtT−20、マウスミエローマ細胞、
ラットGH3、ヒトFL細胞などが用いられる。
【0036】エシェリヒア属菌の形質転換は、例えば、
プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー
・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Pr
oc.Natl. Acad. Sci. USA),69巻,2110 (1972)やジー
ン(Gene),17巻,107 (1982)などに記載の方法に従っ
て行なうことができる。バチルス属菌の形質転換は、例
えば、モレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティ
ックス(Molecular & General Genetics),168巻,11
1 (1979)などに記載の方法に従って行なうことができ
る。酵母の形質転換は、例えば、メッソズ・イン・エン
ザイモロジー(Methods inEnzymology),194巻,182−
187(1991)、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナ
ル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユ
ーエスエー(Proc.Natl. Acad. Sci. USA),75巻,192
9 (1978)などに記載の方法に従って行なうことができ
る。昆虫細胞または昆虫の形質転換は、例えば、バイオ
/テクノロジー(Bio/Technology), 6, 47-55 (1988))
などに記載の方法に従って行なうことができる。動物細
胞の形質転換は、例えば、細胞工学別冊8 新細胞工学
実験プロトコール.263−267(1995)(秀潤社発行)、
ヴィロロジー(Virology),52巻,456(1973)に記載の
方法に従って行なうことができる。このようにして、G
蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAを含
有する発現ベクターで形質転換された形質転換体が得ら
れる。さらに、該形質転換体を、宿主に応じた培地中で
培養することによって、本発明のG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質を製造することができる。宿主がエシェリヒ
ア属菌、バチルス属菌である形質転換体を培養する際に
使用される培地としては液体培地が好ましい。このよう
な培地は、形質転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、
無機物などを含有していることが好ましい。ここで、炭
素源としては、例えば、グルコース、デキストリン、可
溶性澱粉、ショ糖などが;窒素源としては、例えば、ア
ンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、
ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽
出液などの無機または有機物質が;無機物としては、例
えば、塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化
マグネシウムなどが挙げられる。また、培地は、酵母エ
キス、ビタミン類、生長促進因子などを含有してもいて
よい。培地のpHは、好ましくは約5〜8である。
【0037】宿主がエシェリヒア属菌である形質転換体
を培養する際に用いられる培地としては、例えば、グル
コース、カザミノ酸を含むM9培地〔ミラー(Mille
r),ジャーナル・オブ・エクスペリメンツ・イン・モ
レキュラー・ジェネティックス(Journal of Experimen
ts in Molecular Genetics),431−433,Cold Spring
Harbor Laboratory, New York 1972〕が好ましい。該培
地には、プロモーターを効率よく働かせることを目的と
して、例えば、3β−インドリルアクリル酸のような薬
剤を加えてもよい。宿主がエシェリヒア属菌である形質
転換体を培養する場合、培養は通常約15〜43℃で約3〜
24時間行なわれる。必要により、通気や撹拌を行っても
よい。宿主がバチルス属菌である形質転換体を培養する
場合、培養は通常約30〜40℃で約6〜24時間行なわれ
る。必要により、通気や撹拌を行ってもよい。宿主が酵
母である形質転換体を培養する際に用いられる培地とし
ては、例えば、バークホールダー(Burkholder)最小培
地〔Bostian, K. L. ら、「プロシージングズ・オブ・
ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・
オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A),77巻,4505 (1980)」;0.5%カザミノ酸を含有す
るSD培地〔Bitter, G. A. ら、「プロシージングズ・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシ
イズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA),81巻,5330(1984)」などが挙げられる。培
地のpHは約5〜8であることが好ましい。培養は通常
約20℃〜35℃で約24〜72時間行なわれる。必要により、
通気や撹拌を行ってもよい。
【0038】宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換
体を培養する際に用いられる培地としては、例えば、Gr
ace's Insect Medium(Grace, T.C.C., ネイチャー(Na
ture),195, 788 (1962))に非動化した10%ウシ血清等
の添加物を適宜加えたものなどが挙げられる。培地のp
Hは約6.2〜6.4であることが好ましい。培養は通常約27
℃で約3〜5日間行なわれる。必要により、通気や撹拌
を行ってもよい。宿主が動物細胞である形質転換体を培
養する際に用いられる培地としては、例えば、約5〜20
%の胎児牛血清を含むMEM培地〔サイエンス(Scienc
e),122巻,501 (1952)〕;DMEM培地〔ヴィロロジ
ー(Virology),8巻,396 (1959)〕;RPMI1640培
地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・
アソシエーション(The Journal of the American Medi
cal Association)199巻,519 (1967)〕,199培地〔プ
ロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・
バイオロジカル・メディスン(Proceeding of the Soci
ety for the Biological Medicine),73巻,1 (195
0)〕などが挙げられる。培地のpHは約6〜8であるこ
とが好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜60時間
行なわれる。必要により、通気や撹拌を行ってもよい。
以上のようにして、形質転換体の細胞内、細胞膜または
細胞外に本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質を生
成せしめることができる。
【0039】このようにして得られる本発明のレセプタ
ー蛋白質は、例えば下記の方法により分離精製すること
ができる。例えば形質転換体の培養後、公知の方法で菌
体あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、
超音波、リゾチームおよび/または凍結融解などによっ
て菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過に
より、本発明のレセプター蛋白質の粗抽出液を得ること
ができる。ここで、緩衝液は、尿素や塩酸グアニジンな
どの蛋白質変性剤や、トリトンX−100TMなどの界面活
性剤などを含んでいてもよい。形質転換体の培養時に培
養液中にレセプター蛋白質が分泌される場合には、培養
終了後、公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離
し、培養上清を集めることにより、本発明のレセプター
蛋白質を分離することができる。このようにして得られ
た粗抽出液あるいは培養上清を、公知の分離・精製法に
付すことにより、レセプター蛋白質を精製することがで
きる。ここで、公知の分離、精製法としては、例えば塩
析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法;透析法、
限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用
する方法;イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の
差を利用する方法;アフィニティークロマトグラフィー
などの特異的新和性を利用する方法;逆相高速液体クロ
マトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法;等電
点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用
いられる。これらの方法は、適宜組み合わせることがで
きる。
【0040】このようにして得られるレセプター蛋白質
が遊離体である場合には、公知の方法あるいはそれに準
じる方法によって塩に変換することができる。また、レ
セプター蛋白質が塩である場合には、公知の方法あるい
はそれに準じる方法により、遊離体または他の塩に変換
することができる。なお、形質転換体が産生するレセプ
ター蛋白質に、精製前または精製後に適当な蛋白修飾酵
素を作用させることにより、任意に修飾を加えたり、ポ
リペプチドを部分的に除去することもできる。該蛋白修
飾酵素としては、例えば、トリプシン、キモトリプシ
ン、アルギニルエンドペプチダーゼ、プロテインキナー
ゼ、グリコシダーゼなどが用いられる。このようにして
得られる本発明のレセプター蛋白質またはその塩の活性
は、標識したリガンドとの結合実験および特異抗体を用
いたエンザイムイムノアッセイなどにより測定すること
ができる。
【0041】本発明のレセプター蛋白質もしくはその部
分ペプチドまたはその塩に対する抗体は、本発明のレセ
プター蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を
認識し得る抗体であれば、ポリクローナル抗体、モノク
ローナル抗体の何れであってもよい。本発明のレセプタ
ー蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩(以
下、本発明のレセプター蛋白質等と略記する場合があ
る)に対する抗体は、本発明のレセプター蛋白質等を抗
原として用い、公知の抗体または抗血清の製造法に従っ
て製造することができる。
【0042】以下に、本発明のレセプター蛋白質等に対
する抗体の製造法について詳述する。 〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクローナル抗体産生細胞(ハイブリドーマ)
の作製 本発明のレセプター蛋白質等は、哺乳動物に対して、投
与により抗体産生が可能な部位に、それ自体あるいは担
体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生
能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全
フロイントアジュバントを用いてもよい。投与は通常2
〜6週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行なわれる。用い
られる哺乳動物としては、例えば、サル、ウサギ、イ
ヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギが挙げ
られるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原を
免疫された哺乳動物、例えば、マウスから抗体価の認め
られた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓または
リンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨
髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナル抗体
産生ハイブリドーマを調製することができる。抗血清中
の抗体価の測定は、例えば、後記の標識化レセプター蛋
白質等と抗血清とを反応させたのち、抗体に結合した標
識剤の活性を測定することにより行なうことができる。
融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミルスタイ
ンの方法〔ネイチャー(Nature)、256巻、495頁(1975
年)〕に従い実施することができる。融合操作の際に融
合促進剤を用いてもよく、このような融合促進剤として
は、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)やセン
ダイウィルスなどが挙げられる。なかでも、PEGが好
ましい。骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、P3
U1、SP2/0などが挙げられるが、P3U1が好ましく
用いられる。抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞
数との好ましい比率は1:1〜20:1程度である。融合
操作は、10〜80%程度の濃度のPEG(好ましくは、PE
G1000〜PEG6000)の存在下、約20〜40℃、好ましくは約
30〜37℃で約1〜10分間インキュベートすることにより
効率よく実施できる。
【0043】モノクローナル抗体産生ハイブリドーマの
スクリーニングは、公知の方法にしたがって行われる。
このような方法としては、例えば、レセプター蛋白質等
の抗原を直接あるいは担体とともに吸着させた固相
(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ培養上清を
添加し、次に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グ
ロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場
合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる)または
プロテインAを加え、固相に結合したモノクローナル抗
体を検出する方法;抗免疫グロブリン抗体またはプロテ
インAを吸着させた固相にハイブリドーマ培養上清を添
加し、放射性物質や酵素などで標識したレセプター蛋白
質等を加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出
する方法などが挙げられる。モノクローナル抗体の選別
は、公知の方法あるいはそれに準じる方法に従って、選
別および育種用培地を用いて行なうことができる。モノ
クローナル抗体の選別は、通常はHAT(ヒポキサンチ
ン、アミノプテリン、チミジン)を添加した動物細胞用
培地などで行なわれる。選別および育種用培地として
は、ハイブリドーマが生育できるものならばどのような
培地であっても良く、具体的には、1〜20%、好ましく
は10〜20%の牛胎児血清を含むRPMI1640培地、1〜
10%の牛胎児血清を含むGIT培地(和光純薬工業
(株))またはハイブリドーマ培養用無血清培地(SF
M−101、日水製薬(株))などが用いられる。培養
温度は、通常20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養
時間は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間
である。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことがで
きる。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血
清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0044】(b)モノクローナル抗体の分離精製 モノクローナル抗体の分離精製は、公知の免疫グロブリ
ンの分離精製法〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電
点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体(例、DEAE)
による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相
またはプロテインAあるいはプロテインGなどの活性吸
着剤により抗体のみを採取し、結合を解離させて抗体を
得る特異的精製法〕に従って行なうことができる。
【0045】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、公知の方法あるいはそれに準じる
方法にしたがって製造することができる。本発明のポリ
クローナル抗体は、例えば、免疫抗原(本発明のレセプ
ター蛋白質等の抗原)を用いて、上記のモノクローナル
抗体の製造法と同様に哺乳動物に免疫を行ない、該免疫
動物から本発明のレセプター蛋白質等に対する抗体含有
物を採取して、抗体の分離精製を行なうことにより製造
できる。上記免疫抗原(本発明のレセプター蛋白質等の
抗原)は、キャリアー蛋白質との複合体であってもよ
い。この際、キャリアー蛋白質の種類およびキャリアー
蛋白質と免疫抗原との混合比は、キャリアーに架橋させ
て免疫した免疫抗原に対して抗体が効率良くできれば特
に限定されない。例えば、ウシ血清アルブミン、ウシサ
イログロブリン、キーホール・リンペット・ヘモシアニ
ン等のキャリアー蛋白質を、免疫抗原1に対し、約0.1〜
20、好ましくは約1〜5の重量比でカップリングするこ
とが好ましい。免疫抗原とキャリアー蛋白質とのカップ
リングは、種々の縮合剤を用いて行うことができる。該
縮合剤としては、グルタルアルデヒドやカルボジイミ
ド、マレイミド活性エステル、チオール基、ジチオビリ
ジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。免
疫抗原(免疫抗原とキャリアー蛋白質との複合体を含
む)は、哺乳動物に対して、抗体産生が可能な部位に、
それ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投
与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントア
ジュバントや不完全フロイントアジュバントを用いても
よい。投与は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜
10回程度行なうことができる。ポリクローナル抗体は、
上記の方法で免疫された哺乳動物の血液、腹水など、好
ましくは血液から採取することができる。抗血清中のポ
リクローナル抗体価は、上記の血清中の抗体価の測定と
同様にして測定できる。ポリクローナル抗体の分離精製
は、前記した公知の免疫グロブリンの分離精製法に従っ
て行なうことができる。
【0046】本発明のレセプター蛋白質またはその塩、
その部分ペプチドまたはその塩、および該レセプター蛋
白質またはその部分ペプチドをコードするDNAは、
(1)本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質に対す
るリガンド(アゴニスト)の決定、(2)本発明のG蛋
白質共役型レセプター蛋白質の機能不全に関連する疾患
の予防および/または治療剤、(3)遺伝子診断薬、
(4)本発明のレセプター蛋白質またはその部分ペプチ
ドの発現量を変化させる化合物のスクリーニング方法、
(5)本発明のレセプター蛋白質またはその部分ペプチ
ドの発現量を変化させる化合物を含有する各種疾病の予
防および/または治療剤、(6)本発明のG蛋白質共役
型レセプター蛋白質に対するリガンドの定量法、(7)
本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質とリガンドと
の結合性を変化させる化合物(アゴニスト、アンタゴニ
ストなど)のスクリーニング方法、(8)本発明のG蛋
白質共役型レセプター蛋白質とリガンドとの結合性を変
化させる化合物(アゴニスト、アンタゴニスト)を含有
する各種疾病の予防および/または治療剤、(9)本発
明のレセプター蛋白質もしくはその部分ペプチドまたは
その塩の定量、(10)細胞膜における本発明のレセプタ
ー蛋白質またはその部分ペプチドの量を変化させる化合
物のスクリーニング方法、(11)細胞膜における本発明
のレセプター蛋白質またはその部分ペプチドの量を変化
させる化合物を含有する各種疾病の予防および/または
治療剤、(12)本発明のレセプター蛋白質もしくはその
部分ペプチドまたはその塩に対する抗体による中和、
(13)本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコー
ドするDNAを有する非ヒトトランスジェニック動物の
作出などに用いることができる。特に、本発明の組換え
型G蛋白質共役型レセプター蛋白質の発現系を用いたレ
セプター結合アッセイ系を用いることによって、ヒトや
哺乳動物に特異的なG蛋白質共役型レセプターに対する
リガンドの結合性を変化させる化合物(例、アゴニス
ト、アンタゴニストなど)をスクリーニングすることが
でき、該アゴニストまたはアンタゴニストを各種疾病の
予防・治療剤などとして使用することができる。本発明
のレセプター蛋白質もしくは部分ペプチドまたはその
塩、本発明のレセプター蛋白質またはその部分ペプチド
をコードするDNA(以下、本発明のDNAと略記する
場合がある)および本発明のレセプター蛋白質等に対す
る抗体(以下、本発明の抗体と略記する場合がある)の
用途について、以下に具体的に説明する。
【0047】(1)本発明のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質に対するリガンド(アゴニスト)の決定 本発明のレセプター蛋白質もしくはその塩または本発明
の部分ペプチドもしくはその塩は、本発明のレセプター
蛋白質またはその塩に対するリガンド(アゴニスト)を
探索し、または決定するための試薬として有用である。
すなわち、本発明は、本発明のレセプター蛋白質もしく
はその塩または本発明の部分ペプチドもしくはその塩
と、試験化合物とを接触させることを特徴とする本発明
のレセプター蛋白質に対するリガンドの決定方法を提供
する。試験化合物としては、公知のリガンド(例えば、
アンギオテンシン、ボンベシン、カンナビノイド、コレ
シストキニン、グルタミン、セロトニン、メラトニン、
ニューロペプチドY、オピオイド、プリン、バソプレッ
シン、オキシトシン、PACAP(例、PACAP2
7、PACAP38)、セクレチン、グルカゴン、カル
シトニン、アドレノメジュリン、ソマトスタチン、GH
RH、CRF、ACTH、GRP、PTH、VIP(バ
ソアクティブ インテスティナル アンドリレイテッド
ポリペプチド)、ソマトスタチン、ドーパミン、モチ
リン、アミリン、ブラジキニン、CGRP(カルシトニ
ンジーンリレーティッドペプチド)、ロイコトリエン、
パンクレアチン、プロスタグランジン、トロンボキサ
ン、アデノシン、アドレナリン、ケモカインスーパーフ
ァミリー(例、IL−8、GROα、GROβ、GRO
γ、NAP−2、ENA−78、GCP−2、PF4、
IP10、Mig、PBSF/SDF-1などのCXCケモカイン
サブファミリー;MCAF/MCP-1、MCP−2、MCP−
3、MCP−4、eotaxin、RANTES、MIP−1
α、MIP−1β、HCC−1、MIP-3α/LARC、MIP-3
β/ELC、I−309、TARC、MIPF−1、MIPF-2
/eotaxin-2、MDC、DC-CK1/PARC、SLCなどのCC
ケモカインサブファミリー;lymphotactinなどのCケモ
カインサブファミリー;fractalkineなどのCX3ケモ
カインサブファミリー等)、エンドセリン、エンテロガ
ストリン、ヒスタミン、ニューロテンシン、TRH、パ
ンクレアティックポリペプタイド、ガラニン、リゾホス
ファチジン酸(LPA)、スフィンゴシン1−リン酸な
ど)、リゾホスファチジルセリン、スフィンゴシルホス
ホリルコリン、リゾホスファチジルコリン、ステロイド
類、胆汁酸類、イソプレノイド、アラキドン酸代謝物、
アミン類、アミノ酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、飽
和脂肪酸または不飽和脂肪酸の他に、例えば、ヒトまた
は哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ブタ、ウシ、ヒ
ツジ、サルなど)の組織抽出物、細胞培養上清などが用
いられる。例えば、該組織抽出物、細胞培養上清などを
本発明のレセプター蛋白質に添加し、細胞刺激活性など
を測定しながら分画し、最終的に単一のリガンドを得る
ことができる。
【0048】具体的には、本発明のリガンド決定方法
は、本発明のレセプター蛋白質もしくはその部分ペプチ
ドまたはその塩を用いるか、または組換え型レセプター
蛋白質の発現系を構築し、該発現系を用いたレセプター
結合アッセイ系を用いることによって、本発明のレセプ
ター蛋白質に結合して細胞刺激活性(例えば、アラキド
ン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細
胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトール
リン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸
化、c−fos活性化、pHの低下などを促進する活性
または抑制する活性)を有する化合物(例えば、ペプチ
ド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生
産物など)またはその塩を決定する方法である。本発明
のリガンド決定方法においては、本発明のレセプター蛋
白質またはその部分ペプチドと試験化合物とを接触させ
た場合の、例えば、該レセプター蛋白質または該部分ペ
プチドに対する試験化合物の結合量や、細胞刺激活性な
どを測定することを特徴とする。
【0049】より具体的には、本発明は、 標識した試験化合物を、本発明のレセプター蛋白質も
しくはその塩または本発明の部分ペプチドもしくはその
塩に接触させた場合における、標識した試験化合物の該
蛋白質もしくはその塩、または該部分ペプチドもしくは
その塩に対する結合量を測定することを特徴とする本発
明のレセプター蛋白質またはその塩に対するリガンドの
決定方法、 標識した試験化合物を、本発明のレセプター蛋白質を
含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合に
おける、標識した試験化合物の該細胞または該膜画分に
対する結合量を測定することを特徴とする本発明のレセ
プター蛋白質またはその塩に対するリガンドの決定方
法、 標識した試験化合物を、本発明のレセプター蛋白質を
コードするDNAを含有する形質転換体を培養すること
によって細胞膜上に発現したレセプター蛋白質に接触さ
せた場合における、標識した試験化合物の該レセプター
蛋白質またはその塩に対する結合量を測定することを特
徴とする本発明のレセプター蛋白質に対するリガンドの
決定方法、
【0050】試験化合物を、本発明のレセプター蛋白
質を含有する細胞に接触させた場合における、レセプタ
ー蛋白質を介した細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸
遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内
cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン
酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c
−fosの活性化、pHの低下などを促進する活性また
は抑制する活性など)を測定することを特徴とする本発
明のレセプター蛋白質またはその塩に対するリガンドの
決定方法、および 試験化合物を、本発明のレセプター蛋白質をコードす
るDNAを含有する形質転換体を培養することによって
細胞膜上に発現したレセプター蛋白質に接触させた場合
における、レセプター蛋白質を介する細胞刺激活性(例
えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内
Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生
成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内
蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下な
どを促進する活性または抑制する活性など)を測定する
ことを特徴とする本発明のレセプター蛋白質またはその
塩に対するリガンドの決定方法を提供する。特に、上記
〜の試験を行ない、試験化合物が本発明のレセプタ
ー蛋白質に結合することを確認した後に、上記〜の
試験を行なうことが好ましい。
【0051】まず、リガンド決定方法に用いるレセプタ
ー蛋白質としては、上記した本発明のレセプター蛋白質
または本発明の部分ペプチドを含有するものであれば何
れのものであってもよいが、動物細胞を用いて大量発現
させたレセプター蛋白質が適している。本発明のレセプ
ター蛋白質を製造するには、上記の発現方法が用いられ
るが、該レセプター蛋白質をコードするDNAを哺乳動
物細胞や昆虫細胞で発現させることが好ましい。目的と
する蛋白質部分をコードするDNA断片としては、通
常、cDNAが用いられるが、必ずしもこれに限定され
るものではなく、例えば、遺伝子断片や合成DNAを用
いてもよい。本発明のレセプター蛋白質をコードするD
NA断片を宿主動物細胞に導入し、それらを効率よく発
現させるためには、該DNA断片を昆虫を宿主とするバ
キュロウイルスに属する核多角体病ウイルス(nuclear
polyhedrosis virus;NPV)のポリヘドリンプロモー
ター、SV40由来のプロモーター、レトロウイルスの
プロモーター、メタロチオネインプロモーター、ヒトヒ
ートショックプロモーター、サイトメガロウイルスプロ
モーター、SRαプロモーターなどの下流に組み込むの
が好ましい。発現したレセプターの量と質の検査は公知
の方法、例えば、文献〔Nambi,P.ら、ザ・ジャーナル
・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol. Che
m.),267巻,19555〜19559頁,1992年〕に記載の方法
に従って行うことができる。
【0052】したがって、本発明のリガンド決定方法に
おいて用いられる本発明のレセプター蛋白質もしくはそ
の部分ペプチドまたはその塩は、公知の方法に従って精
製したレセプター蛋白質もしくはその部分ペプチドまた
はその塩であってもよいし、該レセプター蛋白質を含有
する細胞またはその細胞膜画分であってもよい。本発明
のリガンド決定方法において、本発明のレセプター蛋白
質を含有する細胞を用いる場合、該細胞をグルタルアル
デヒド、ホルマリンなどで固定化してもよい。固定化
は、公知の方法に従って行なうことができる。本発明の
レセプター蛋白質を含有する細胞とは、本発明のレセプ
ター蛋白質を発現した宿主細胞を意味するが、該宿主細
胞としては、大腸菌、枯草菌、酵母、昆虫細胞、動物細
胞などが用いられる。前記細胞膜画分とは、細胞を破砕
した後、公知の方法で得られる細胞膜が多く含まれる画
分を意味する。細胞の破砕方法としては、Potter−Elve
hjem型ホモジナイザーで細胞を押し潰す方法、ワーリン
グブレンダーやポリトロン(Kinematica社製)による破
砕方法、超音波による破砕方法、フレンチプレスなどで
加圧しながら細胞を細いノズルから噴出させることによ
る破砕方法などが挙げられる。このようにして得られる
細胞膜は、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの
遠心力による分画法などにより分画することができる。
例えば、細胞破砕液を低速(500〜3000 rpm)で短時
間(通常、約1分〜10分)遠心し、上清をさらに高速
(15000〜30000 rpm)で通常30分〜2時間遠心し、
沈澱を採取することにより、細胞膜画分を得ることがで
きる。該細胞膜画分中には、発現したレセプター蛋白質
と細胞由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含
まれる。
【0053】該レセプター蛋白質を含有する細胞やその
膜画分中のレセプター蛋白質の量は、1細胞当たり、好
ましくは103〜108分子、さらに好ましくは105〜107分子
である。なお、発現量が多いほど膜画分当たりのリガン
ド結合活性(比活性)が高くなり、高感度なスクリーニ
ング系の構築が可能になるばかりでなく、同一ロットで
大量の試験化合物をスクリーニングできる。本発明のレ
セプター蛋白質またはその塩に対するリガンドを決定す
る上記の〜の方法を実施するためには、適当なレセ
プター蛋白質画分と、標識した試験化合物が必要であ
る。レセプター蛋白質画分としては、天然型のレセプタ
ー蛋白質画分か、またはそれと同等の活性を有する組換
え型レセプター画分などが望ましい。ここで、同等の活
性とは、同等のリガンド結合活性、シグナル情報伝達作
用などを示す。標識した試験化合物としては、
3H〕、〔125I〕、〔14C〕または〔35S〕などの標
識体でそれぞれ標識したアンギオテンシン、ボンベシ
ン、カンナビノイド、コレシストキニン、グルタミン、
セロトニン、メラトニン、ニューロペプチドY、オピオ
イド、プリン、バソプレッシン、オキシトシン、PAC
AP(例、PACAP27、PACAP38)、セクレ
チン、グルカゴン、カルシトニン、アドレノメジュリ
ン、ソマトスタチン、GHRH、CRF、ACTH、G
RP、PTH、VIP(バソアクティブ インテスティ
ナル アンド リイテッド ポリペプチド)、ソマトス
タチン、ドーパミン、モチリン、アミリン、ブラジキニ
ン、CGRP(カルシトニンジーンリレーティッドペプ
チド)、ロイコトリエン、パンクレアチン、プロスタグ
ランジン、トロンボキサン、アデノシン、アドレナリ
ン、ケモカインスーパーファミリー(例、IL−8、G
ROα、GROβ、GROγ、NAP−2、ENA−7
8、GCP−2、PF4、IP10、Mig、PBSF/SDF
-1などのCXCケモカインサブファミリー;MCAF/MCP-1、
MCP−2、MCP−3、MCP−4、eotaxin、RA
NTES、MIP−1α、MIP−1β、HCC−1、
MIP-3α/LARC、MIP-3β/ELC、I−309、TARC、
MIPF−1、MIPF-2/eotaxin-2、MDC、DC-CK1/PAR
C、SLCなどのCCケモカインサブファミリー;lymph
otactinなどのCケモカインサブファミリー;fractalki
neなどのCX3ケモカインサブファミリー等)、エンド
セリン、エンテロガストリン、ヒスタミン、ニューロテ
ンシン、TRH、パンクレアティックポリペプタイド、
ガラニン、リゾホスファチジン酸(LPA)、スフィン
ゴシン1−リン酸、リゾホスファチジルセリン、スフィ
ンゴシルホスホリルコリン、リゾホスファチジルコリ
ン、ステロイド類、胆汁酸類、イソプレノイド、アラキ
ドン酸代謝物、アミン類、アミノ酸、ヌクレオチド、ヌ
クレオシド、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸などが好適
である。
【0054】具体的には、本発明のレセプター蛋白質ま
たはその塩に対するリガンドの決定方法を行なうには、
まず本発明のレセプター蛋白質を含有する細胞または細
胞の膜画分を、適宜のバッファーに懸濁することにより
レセプター標品を調製する。該バッファーは、pH4〜
10(望ましくはpH6〜8)のリン酸バッファー、トリ
ス−塩酸バッファーなどのリガンドとレセプター蛋白質
との結合を阻害しないバッファーであれば特に限定され
ない。また、非特異的結合を低減させる目的で、CHA
PS、Tween-80TM(花王−アトラス社)、ジギトニン、
デオキシコレートなどの界面活性剤やウシ血清アルブミ
ンやゼラチンなどの各種蛋白質をバッファーに加えても
よい。さらに、プロテアーゼによるレセプターやリガン
ドの分解を抑える目的で、PMSF、ロイペプチン、E
−64(ペプチド研究所製)、ペプスタチンなどのプロ
テアーゼ阻害剤をバッファーに加えてもよい。このよう
にして得られたレセプター標品0.01〜10 mlに、一定
量(5000〜500000 cpm)の〔3H〕、〔125I〕、〔
14C〕、〔35S〕などで標識した試験化合物を共存させ
る。一方、対照群においては、非特異的結合量(NS
B)を知るために、標識した試験化合物の代わりに大過
剰の未標識の試験化合物を共存させる。レセプター標品
と試験化合物との反応は、約0℃〜50℃、望ましくは約
4℃〜37℃で、約20分〜24時間、望ましくは約30分〜3
時間行なわれる。反応後、ガラス繊維濾紙等で反応液を
濾過し、ガラス繊維濾紙を適量のバッファー(レセプタ
ー標品と同様のバッファー)で洗浄した後、ガラス繊維
濾紙に残存する放射活性を液体シンチレーションカウン
ターあるいはγ−カウンターで計測する。得られる計測
値を用い、全結合量(B)から非特異的結合量(NS
B)を引いたカウント(B−NSB)が0 cpmを越
える試験化合物を本発明のレセプター蛋白質またはその
塩に対するリガンド(アゴニスト)として選択すること
ができる。
【0055】本発明のレセプター蛋白質またはその塩に
対するリガンドを決定する上記またはにおいて、細
胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリ
ン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞
内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位
変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、
pHの低下などを促進する活性または抑制する活性な
ど)は、公知の方法または市販の測定用キットを用いて
測定することができる。具体的には、まず、レセプター
蛋白質を含有する細胞をマルチウェルプレート等に培養
する。リガンド決定を行なうにあたっては前もって新鮮
な培地あるいは細胞に毒性を示さない適当なバッファー
に交換し、試験化合物などを添加して一定時間インキュ
ベートした後、細胞を抽出あるいは上清液を回収して、
生成した産物をそれぞれの方法に従って定量する。細胞
刺激活性の指標とする物質(例えば、アラキドン酸な
ど)の生成が、細胞が含有する分解酵素によって確認で
きない場合には、該分解酵素に対する阻害剤を添加して
アッセイを行なってもよい。また、cAMP産生抑制な
どの活性については、フォルスコリンなどで細胞の基礎
的産生量を増大させておいた細胞に対する産生抑制作用
として検出することができる。
【0056】本発明のレセプター蛋白質またはその塩に
結合するリガンド決定用キットは、本発明のレセプター
蛋白質もしくはその塩、本発明の部分ペプチドもしくは
その塩、本発明のレセプター蛋白質を含有する細胞、ま
たは本発明のレセプター蛋白質を含有する細胞の膜画分
などを含有するものである。本発明のリガンド決定用キ
ットの例としては、次のものが挙げられる。 1. リガンド決定用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.0
5%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45 μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃で
保存するか、あるいは用時調製しても良い。 G蛋白質共役型レセプター蛋白質標品 本発明のレセプター蛋白質を発現させたCHO細胞を、
12穴プレートに5×105個/穴で継代し、37℃、5% C
O2、95% airで2日間培養したもの。 標識試験化合物 市販の〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで
標識した化合物、または適当な方法で標識化したもの 水溶液の状態のものを4℃あるいは−20℃にて保存し、
用時に測定用緩衝液にて1 μMに希釈する。水に難溶
性の試験化合物については、ジメチルホルムアミド、D
MSO、メタノール等に溶解する。 非標識試験化合物 標識化合物と同じものを100〜1000倍高い濃度に調製す
る。
【0057】2. 測定法 12穴組織培養用プレートにて培養した本発明のレセプ
ター蛋白質発現CHO細胞を、測定用緩衝液1 mlで
2回洗浄した後、490 μlの測定用緩衝液を各穴に加え
る。 標識試験化合物を5 μl加え、室温にて1時間反応
させる。非特異的結合量を知るためには非標識試験化合
物を5 μl加えておく。 反応液を除去し、1 mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識試験化合物を0.2N NaOH−
1% SDSで溶解し、4 mlの液体シンチレーターA
(和光純薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマンコール
ター社製)を用いて放射活性を測定する。
【0058】本発明のレセプター蛋白質またはその塩に
結合することができるリガンドとしては、例えば、視床
下部、大脳皮質、結腸癌、肺癌、心臓、胎盤、肺などに
特異的に存在する物質などが挙げられ、具体的には、ア
ンギオテンシン、ボンベシン、カンナビノイド、コレシ
ストキニン、グルタミン、セロトニン、メラトニン、ニ
ューロペプチドY、オピオイド、プリン、バソプレッシ
ン、オキシトシン、PACAP(例、PACAP27、
PACAP38)、セクレチン、グルカゴン、カルシト
ニン、アドレノメジュリン、ソマトスタチン、GHR
H、CRF、ACTH、GRP、PTH、VIP(バソ
アクティブ インテスティナル アンドリイテッド ポ
リペプチド)、ソマトスタチン、ドーパミン、モチリ
ン、アミリン、ブラジキニン、CGRP(カルシトニン
ジーンリレーティッドペプチド)、ロイコトリエン、パ
ンクレアチン、プロスタグランジン、トロンボキサン、
アデノシン、アドレナリン、ケモカインスーパーファミ
リー(例、IL−8、GROα、GROβ、GROγ、
NAP−2、ENA−78、GCP−2、PF4、IP
10、Mig、PBSF/SDF-1などのCXCケモカインサブ
ファミリー;MCAF/MCP-1、MCP−2、MCP−3、M
CP−4、eotaxin、RANTES、MIP−1α、M
IP−1β、HCC−1、MIP-3α/LARC、MIP-3β/EL
C、I−309、TARC、MIPF−1、MIPF-2/eota
xin-2、MDC、DC-CK1/PARC、SLCなどのCCケモカ
インサブファミリー;lymphotactinなどのCケモカイン
サブファミリー;fractalkineなどのCX3ケモカイン
サブファミリー等)、エンドセリン、エンテロガストリ
ン、ヒスタミン、ニューロテンシン、TRH、パンクレ
アティックポリペプタイド、ガラニン、リゾホスファチ
ジン酸(LPA)、スフィンゴシン1−リン酸、リゾホ
スファチジルセリン、スフィンゴシルホスホリルコリ
ン、リゾホスファチジルコリン、ステロイド類、胆汁酸
類、イソプレノイド、アラキドン酸代謝物、アミン類、
アミノ酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、飽和脂肪酸ま
たは不飽和脂肪酸などが挙げられる。
【0059】(2)本発明のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質の機能不全に関連する疾患の予防および/または
治療剤 上記(1)の方法において、本発明のレセプター蛋白質
に対するリガンドが明らかになれば、該リガンドが有す
る作用に応じて、本発明のレセプター蛋白質または
該レセプター蛋白質をコードするDNAを、本発明のレ
セプター蛋白質の機能不全に関連する疾患の予防および
/または治療剤などの医薬として使用することができ
る。例えば、生体内において本発明のレセプター蛋白質
が欠損または減少しているためにリガンドの生理作用が
期待できない(該レセプター蛋白質の機能不全)患者が
いる場合に、本発明のレセプター蛋白質を該患者に投
与し該レセプター蛋白質の量を補充したり、(i)本
発明のレセプター蛋白質をコードするDNAを該患者に
投与し発現させることによって、あるいは(ii)対象と
なる細胞に本発明のレセプター蛋白質をコードするDN
Aを挿入し発現させた後に、該細胞を該患者に移植する
ことなどによって、患者の体内におけるレセプター蛋白
質の量を増加させ、リガンドの作用を充分に発揮させる
ことができる。すなわち、本発明のレセプター蛋白質を
コードするDNAは、安全で低毒性な本発明のレセプタ
ー蛋白質の機能不全に関連する疾患の予防および/また
は治療剤として有用である。本発明のレセプター蛋白質
は、5HT1D(セロトニンレセプター)にアミノ酸配
列レベルで、27%程度の相同性が認められる新規7回膜
貫通型レセプター蛋白質である。本発明のレセプター蛋
白質または該レセプター蛋白質をコードするDNAは、
中枢疾患(例えば、鬱病、アルツハイマー病、痴呆、摂
食障害など)、内分泌疾患(例えば、高血圧症、性腺機能
異常、甲状腺機能異常、下垂体機能異常など)、代謝疾
患(例えば、糖尿病、脂質代謝異常、高脂血症など)、癌
(例えば、非小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、膀
胱癌、乳癌、子宮頸部癌、結腸癌、直腸癌など)、心疾
患(例えば、狭心症、心筋梗塞など)などの予防および
/または治療に有用な医薬として用いられる。本発明の
レセプター蛋白質を医薬として使用する場合は、製剤技
術分野において慣用の方法に従って製剤化することがで
きる。一方、本発明のレセプター蛋白質をコードするD
NAを医薬として使用する場合は、本発明のDNAをそ
のまま、あるいはレトロウイルスベクター、アデノウイ
ルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイル
スベクターなどの適当なベクターに挿入した後、本発明
のレセプター蛋白質と同様にして製剤化することができ
る。なお、本発明のDNAは、そのままで、あるいは摂
取促進のための補助剤とともに、遺伝子銃やハイドロゲ
ルカテーテルのようなカテーテルによって投与すること
ができる。上記医薬の剤形としては、例えば、必要に応
じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マ
イクロカプセル剤などの経口剤;注射剤などの非経口剤
などが挙げられる。これらの製剤は、例えば、本発明
のレセプター蛋白質または該レセプター蛋白質をコー
ドするDNAを、製剤添加剤、例えば生理学的に許容さ
れる担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定
剤、結合剤などとともに混合することによって製造でき
る。これら製剤における本発明のレセプター蛋白質また
はDNAの含量は、後述する本発明のレセプター蛋白質
またはDNAの投与量を考慮して、適宜決定される。
【0060】例えば錠剤およびカプセル剤を製造する際
に用いられる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コー
ンスターチ、トラガント、アラビアゴムなどの結合剤;
結晶性セルロースなどの賦形剤;コーンスターチ、ゼラ
チン、アルギン酸などの膨化剤;ステアリン酸マグネシ
ウムなどの潤滑剤;ショ糖、乳糖またはサッカリンなど
の甘味剤;ペパーミント、アカモノ油またはチェリーな
どの香味剤などが用いられる。カプセル剤は、上記添加
剤以外に、さらに油脂のような液状担体を含有していて
もよい。注射剤を製造する際に用いられる添加剤として
は、例えば、注射用水、生理食塩水などの水性ベヒク
ル;ゴマ油、ヤシ油、大豆油などの植物油などの油性ベ
ヒクルなどが挙げられる。水性ベヒクルを用いる場合に
は、ブドウ糖、D−ソルビトール、D−マンニトール、
塩化ナトリウムなどの等張化剤;アルコール(例、エタ
ノール)、ポリアルコール(例、プロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤
(例、ポリソルベート80TM、HCO−50)などの溶解
補助剤を用いてもよい。油性ベヒクルを用いる場合に
は、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどの溶解
補助剤を用いてもよい。注射液は、通常、適当なアンプ
ルに充填される。
【0061】製剤添加剤としては、例えば、緩衝剤(例
えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛
化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカイン
など)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエ
チレングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルア
ルコール、フェノールなど)、酸化防止剤なども挙げら
れる。このようにして得られる製剤は低毒性であるの
で、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラット、マウ
ス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルな
ど)に対して安全に投与することができる。本発明のレ
セプター蛋白質の投与量は、投与対象、対象臓器、症
状、投与方法などにより異なるが、経口投与の場合、例
えば、癌患者(体重60 kg)に対して、一日あたり約
0.1〜100 mg、好ましくは約1.0〜50 mg、より好ま
しくは約1.0〜20 mgである。非経口投与の場合、本発
明のレセプター蛋白質の投与量は、例えば、注射剤を静
脈注射する場合には、通常例えば、癌患者(体重60 k
g)に対して、一日あたり約0.01〜30 mg、好ましく
は約0.1〜20 mg、より好ましくは約0.1〜10 mgをで
ある。本発明のDNAの投与量は、投与対象、対象臓
器、症状、投与方法などにより異なるが、経口投与の場
合、例えば、癌患者(体重60 kg)に対して、一日あ
たり約0.1〜100 mg、好ましくは約1.0〜50 mg、よ
り好ましくは約1.0〜20mgである。非経口投与の場
合、本発明のDNAの投与量は、例えば、注射剤を静脈
注射する場合には、通常例えば、癌患者(体重60 kg
として)に対して、一日あたり約0.01〜30 mg、好ま
しくは約0.1〜20 mg、より好ましくは約0.1〜10 mg
である。
【0062】(3)遺伝子診断薬 本発明のDNAは、プローブとして使用することによ
り、ヒトまたは哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウ
サギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に
おける本発明のレセプター蛋白質またはその部分ペプチ
ドをコードするDNAまたはmRNAの異常(遺伝子異
常)を検出することができるので、例えば、該DNAま
たはmRNAの損傷、突然変異あるいは発現低下や、該
DNAまたはmRNAの増加あるいは発現過多などの遺
伝子診断薬として有用である。本発明のDNAを用いる
上記の遺伝子診断は、例えば、公知のノーザンハイブリ
ダイゼーションやPCR−SSCP法(ゲノミックス
(Genomics),第5巻,874〜879頁(1989年)、プロシ
ージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンシイズ・オブ・ユーエスエー(Proceedings
of the NationalAcademy of Sciences of the United S
tates of America),第86巻,2766〜2770頁(1989
年))などにより実施することができる。
【0063】(4)本発明のレセプター蛋白質またはそ
の部分ペプチドの発現量を変化させる化合物のスクリー
ニング方法 本発明のDNAは、プローブとして用いることにより、
本発明のレセプター蛋白質またはその部分ペプチドの発
現量を変化させる化合物のスクリーニングに用いること
ができる。すなわち、本発明は、例えば、(i)非ヒト
哺乳動物の血液、特定の臓器、臓器から単離した
組織もしくは細胞、または(ii)形質転換体等に含まれ
る本発明のレセプター蛋白質またはその部分ペプチドの
mRNA量を測定することによる、本発明のレセプター
蛋白質またはその部分ペプチドの発現量を変化させる化
合物のスクリーニング方法を提供する。
【0064】本発明のレセプター蛋白質またはその部分
ペプチドのmRNA量の測定は具体的には以下のように
して行なう。 (i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物(例え
ば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネ
コ、イヌ、サルなど、より具体的には痴呆ラット、肥満
マウス、動脈硬化ウサギ、担癌マウスなど)に対して、
薬剤(例えば、抗痴呆薬、血圧低下薬、抗癌剤、抗肥満
薬など)あるいは物理的ストレス(例えば、浸水ストレ
ス、電気ショック、明暗、低温など)などを与え、一定
時間経過した後に、血液、あるいは特定の臓器(例え
ば、脳、肺、大腸など)、または臓器から単離した組
織、あるいは細胞を得る。得られた細胞に含まれる本発
明のレセプター蛋白質またはその部分ペプチドのmRN
Aは、例えば、通常の方法により細胞等からmRNAを
抽出し、例えば、TaqMan PCRなどの手法を用いることに
より定量することができ、公知の手段によりノザンブロ
ットを行うことにより解析することもできる。 (ii)本発明のレセプター蛋白質もしくはその部分ペプ
チドを発現する形質転換体を上記の方法に従い作製し、
該形質転換体に含まれる本発明のレセプター蛋白質また
はその部分ペプチドのmRNAを同様にして定量、解析
することができる。
【0065】本発明のレセプター蛋白質またはその部分
ペプチドの発現量を変化させる化合物のスクリーニング
は、(i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物に対
して、薬剤あるいは物理的ストレスなどを与える一定時
間前(30分前〜24時間前、好ましくは30分前〜12時間
前、より好ましくは1時間前〜6時間前)もしくは一定
時間後(30分後〜3日後、好ましくは1時間後〜2日
後、より好ましくは1時間後〜24時間後)、または薬剤
あるいは物理的ストレスと同時に試験化合物を投与し、
投与後一定時間経過後(30分後〜3日後、好ましくは1
時間後〜2日後、より好ましくは1時間後〜24時間
後)、細胞に含まれる本発明のレセプター蛋白質または
その部分ペプチドのmRNA量を定量、解析することに
より行なうことができ、(ii)形質転換体を常法に従い
培養する際に試験化合物を培地中に混合させ、一定時間
培養後(1日後〜7日後、好ましくは1日後〜3日後、
より好ましくは2日後〜3日後)、該形質転換体に含ま
れる本発明のレセプター蛋白質またはその部分ペプチド
のmRNA量を定量、解析することにより行なうことが
できる。
【0066】本発明のスクリーニング方法を用いて得ら
れる化合物またはその塩は、本発明のレセプター蛋白質
またはその部分ペプチドの発現量を変化させる作用を有
する化合物であり、具体的には、(a)本発明のレセプ
ター蛋白質またはその部分ペプチドの発現量を増加させ
ることにより、G蛋白質共役型レセプターを介する細胞
刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン
遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内
cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変
動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、p
Hの低下などを促進する活性または抑制する活性など)
を増強させる化合物、(b)本発明のレセプター蛋白質
またはその部分ペプチドの発現量を減少させることによ
り、該細胞刺激活性を減弱させる化合物である。該化合
物としては、ペプチド、蛋白、非ペプチド性化合物、合
成化合物、発酵生産物などが挙げられ、これら化合物は
新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であって
もよい。該細胞刺激活性を増強させる化合物は、本発明
のレセプター蛋白質等の生理活性を増強するための安全
で低毒性な医薬として有用である。該細胞刺激活性を減
弱させる化合物は、本発明のレセプター蛋白質等の生理
活性を減少させるための安全で低毒性な医薬として有用
である。
【0067】本発明のスクリーニング方法を用いて得ら
れる化合物またはその塩は、上記した本発明のレセプタ
ー蛋白質の場合と同様にして、各種製剤とすることがで
きる。このようにして得られる製剤は安全で低毒性であ
るので、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラット、マ
ウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サル
など)に対して投与することができる。該化合物または
その塩の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方
法などにより異なるが、経口投与の場合、例えば、癌患
者(体重60 kg)に対して、一日あたり約0.1〜100 m
g、好ましくは約1.0〜50 mg、より好ましくは約1.0
〜20 mgである。非経口投与の場合、該化合物または
その塩の投与量は、例えば、注射剤を静脈注射する場合
には、通常例えば、癌患者(体重60 kg)に対して、
一日あたり約0.01〜30 mg、好ましくは約0.1〜20 m
g、より好ましくは約0.1〜10 mgである。
【0068】(5)本発明のレセプター蛋白質またはそ
の部分ペプチドの発現量を変化させる化合物を含有する
各種疾病の予防および/または治療剤 本発明のレセプター蛋白質は上記のとおり、例えば、中
枢機能など生体内で何らかの重要な役割を果たしている
と考えられる。したがって、本発明のレセプター蛋白質
またはその部分ペプチドの発現量を変化させる化合物
は、本発明のレセプター蛋白質の機能不全に関連する疾
患の予防および/または治療剤として用いることができ
る。ここで、本発明のレセプター蛋白質の機能不全に関
連する疾患としては、例えば中枢疾患(例えば、鬱病、
アルツハイマー病、痴呆、摂食障害など)、内分泌疾患
(例えば、高血圧症、性腺機能異常、甲状腺機能異常、
下垂体機能異常など)、代謝疾患(例えば、糖尿病、脂質
代謝異常、高脂血症など)、癌(例えば、非小細胞肺
癌、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸部
癌、結腸癌、直腸癌など)、心疾患(例えば、狭心症、
心筋梗塞など)などが挙げられる。該化合物を本発明の
レセプター蛋白質の機能不全に関連する疾患の予防およ
び/または治療剤として使用する場合は、該化合物を、
上記した本発明のレセプター蛋白質の場合と同様にし
て、各種製剤とすることができる。このようにして得ら
れる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや哺
乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与するこ
とができる。該化合物またはその塩の投与量は、投与対
象、対象臓器、症状、投与方法などにより異なるが、経
口投与の場合、例えば、癌患者(体重60 kg)に対し
て、一日あたり約0.1〜100 mg、好ましくは約1.0〜50
mg、より好ましくは約1.0〜20 mgである。非経口
投与の場合、該化合物またはその塩の投与量は、例え
ば、注射剤を静脈注射する場合には、通常例えば、癌症
患者(体重60 kg)に対して、一日あたり約0.01〜30
mg、好ましくは約0.1〜20 mg、より好ましくは約0.
1〜10 mgである。
【0069】(6)本発明のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質に対するリガンドの定量法 本発明のレセプター蛋白質等は、リガンドに対して結合
性を有しているので、生体内におけるリガンド濃度を感
度良く定量することができる。本発明の定量法は、例え
ば、競合法と組み合わせることによって実施することが
できる。すなわち、被検体を本発明のレセプター蛋白質
等と接触させることによって被検体中のリガンド濃度を
測定することができる。具体的には、例えば、以下の
またはなどに記載の方法あるいはそれに準じる方法に
従って、本発明の定量法を実施することができる。 入江寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和49
年発行) 入江寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和
54年発行)
【0070】(7)本発明のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質とリガンドとの結合性を変化させる化合物(アゴ
ニスト、アンタゴニストなど)のスクリーニング方法 本発明のレセプター蛋白質等を用いるか、または組換え
型レセプター蛋白質等の発現系を構築し、該発現系を用
いたレセプター結合アッセイ系を用いることによって、
リガンドと本発明のレセプター蛋白質等との結合性を変
化させる化合物(例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチ
ド性化合物、合成化合物、発酵生産物など)またはその
塩を効率よくスクリーニングすることができる。このよ
うな化合物には、(a)G蛋白質共役型レセプターを介
して細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチ
ルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生
成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細
胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの
活性化、pHの低下などを促進する活性または抑制する
活性など)を有する化合物(いわゆる、本発明のレセプ
ター蛋白質に対するアゴニスト)、(b)該細胞刺激活
性を有しない化合物(いわゆる、本発明のレセプター蛋
白質に対するアンタゴニスト)、(c)リガンドと本発
明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質との結合力を増強
する化合物、あるいは(d)リガンドと本発明のG蛋白
質共役型レセプター蛋白質との結合力を減少させる化合
物などが含まれる(なお、上記(a)の化合物は、上記
したリガンド決定方法によってスクリーニングすること
が好ましい)。すなわち、本発明は、(i)本発明のレ
セプター蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩
と、リガンドとを接触させた場合と(ii)本発明のレセ
プター蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩
と、リガンドおよび試験化合物とを接触させた場合との
比較を行なうことを特徴とするリガンドと本発明のレセ
プター蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩と
の結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニ
ング方法を提供する。本発明のスクリーニング方法は、
(i)と(ii)の場合における、例えば、該レセプター
蛋白質等に対するリガンドの結合量、細胞刺激活性など
を測定して、比較することを特徴とする。
【0071】より具体的には、本発明は、 標識したリガンドを、本発明のレセプター蛋白質等に
接触させた場合と、標識したリガンドおよび試験化合物
を本発明のレセプター蛋白質等に接触させた場合におけ
る、標識したリガンドの該レセプター蛋白質等に対する
結合量を測定し、比較することを特徴とするリガンドと
本発明のレセプター蛋白質等との結合性を変化させる化
合物またはその塩のスクリーニング方法、 標識したリガンドを、本発明のレセプター蛋白質等を
含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合
と、標識したリガンドおよび試験化合物を本発明のレセ
プター蛋白質等を含有する細胞または該細胞の膜画分に
接触させた場合における、標識したリガンドの該細胞ま
たは該膜画分に対する結合量を測定し、比較することを
特徴とするリガンドと本発明のレセプター蛋白質等との
結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニン
グ方法、 標識したリガンドを、本発明のDNAを含有する形質
転換体を培養することによって細胞膜上に発現したレセ
プター蛋白質等に接触させた場合と、標識したリガンド
および試験化合物を本発明のDNAを含有する形質転換
体を培養することによって細胞膜上に発現した本発明の
レセプター蛋白質等に接触させた場合における、標識し
たリガンドの該レセプター蛋白質等に対する結合量を測
定し、比較することを特徴とするリガンドと本発明のレ
セプター蛋白質等との結合性を変化させる化合物または
その塩のスクリーニング方法、
【0072】本発明のレセプター蛋白質等を活性化す
る化合物(例えば、本発明のレセプター蛋白質等に対す
るリガンドなど)を本発明のレセプター蛋白質等を含有
する細胞に接触させた場合と、本発明のレセプター蛋白
質等を活性化する化合物および試験化合物を本発明のレ
セプター蛋白質等を含有する細胞に接触させた場合にお
ける、レセプターを介した細胞刺激活性(例えば、アラ
キドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+
離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシ
トールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリ
ン酸化、c−fosの活性化、pHの低下などを促進す
る活性または抑制する活性など)を測定し、比較するこ
とを特徴とするリガンドと本発明のレセプター蛋白質等
との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリー
ニング方法、および 本発明のレセプター蛋白質等を活性化する化合物(例
えば、本発明のレセプター蛋白質等に対するリガンドな
ど)を本発明のDNAを含有する形質転換体を培養する
ことによって細胞膜上に発現した本発明のレセプター蛋
白質等に接触させた場合と、本発明のレセプター蛋白質
等を活性化する化合物および試験化合物を本発明のDN
Aを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜
上に発現した本発明のレセプター蛋白質等に接触させた
場合における、レセプターを介する細胞刺激活性(例え
ば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内C
2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、
イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白
質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下などを
促進する活性または抑制する活性など)を測定し、比較
することを特徴とするリガンドと本発明のレセプター蛋
白質等との結合性を変化させる化合物またはその塩のス
クリーニング方法を提供する。
【0073】本発明のレセプター蛋白質等が得られる以
前は、G蛋白質共役型レセプターアゴニストまたはアン
タゴニストをスクリーニングする場合、まずラットなど
のG蛋白質共役型レセプター蛋白質を含む細胞、組織ま
たはその細胞膜画分を用いて候補化合物を得て(一次ス
クリーニング)、その後に該候補化合物が実際にヒトの
G蛋白質共役型レセプター蛋白質とリガンドとの結合を
阻害するか否かを確認する試験(二次スクリーニング)
が必要であった。細胞、組織または細胞膜画分をそのま
ま用いれば他のレセプター蛋白質も混在するために、目
的とするレセプター蛋白質に対するアゴニストまたはア
ンタゴニストを実際に直接的にスクリーニングすること
は困難であった。しかしながら、例えば、本発明のマウ
ス由来レセプター蛋白質を用いることによって、一次ス
クリーニングの必要がなくなり、リガンドとG蛋白質共
役型レセプター蛋白質との結合を阻害する化合物を効率
良くスクリーニングすることができる。さらに、スクリ
ーニングされた化合物がアゴニストかアンタゴニストか
を簡便に評価することができる。本発明のスクリーニン
グ方法の具体的な説明を以下にする。まず、本発明のス
クリーニング方法に用いる本発明のレセプター蛋白質等
としては、上記した本発明のレセプター蛋白質等を含有
するものであれば何れのものであってもよいが、本発明
のレセプター蛋白質等を含有する哺乳動物の臓器の細胞
膜画分が好適である。しかし、特にヒト由来の臓器は入
手が極めて困難なことから、スクリーニングに用いられ
るものとしては、組換え体を用いて大量発現させたマウ
ス由来のレセプター蛋白質等などが適している。
【0074】本発明のレセプター蛋白質等を製造するに
は、上記の方法が用いられるが、本発明のDNAを哺乳
細胞や昆虫細胞で発現させることが好ましい。目的とす
る蛋白質部分をコードするDNA断片にはcDNAが用
いられるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、
例えば、遺伝子断片や合成DNAを用いてもよい。本発
明のレセプター蛋白質をコードするDNA断片を宿主動
物細胞に導入し、それらを効率よく発現させるために
は、該DNA断片を、昆虫を宿主とするバキュロウイル
スに属する核多角体病ウイルス(nuclear polyhedrosis
virus;NPV)のポリヘドリンプロモーター、SV4
0由来のプロモーター、レトロウイルスのプロモータ
ー、メタロチオネインプロモーター、ヒトヒートショッ
クプロモーター、サイトメガロウイルスプロモーター、
SRαプロモーターなどの下流に組み込むのが好まし
い。発現したレセプターの量と質の検査は、公知の方
法、例えば、文献〔Nambi,P.ら、ザ・ジャーナル・オ
ブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol. Che
m.),267巻, 19555〜19559頁, 1992年〕に記載の方法に
従って行なうことができる。本発明のスクリーニング方
法において用いられる「本発明のレセプター蛋白質等」
は、公知の方法に従って精製したレセプター蛋白質等、
該レセプター蛋白質等を含有する細胞、該レセプター蛋
白質等を含有する細胞膜画分のいずれであってもよい。
【0075】本発明のスクリーニング方法において、本
発明のレセプター蛋白質等を含有する細胞を用いる場
合、該細胞をグルタルアルデヒド、ホルマリンなどで固
定化してもよい。固定化は、公知の方法に従って行なう
ことができる。上記「本発明のレセプター蛋白質等を含
有する細胞」および「細胞膜画分」としては、前記本発
明のリガンド決定方法において記載したものが用いられ
る。該レセプター蛋白質等を含有する細胞や膜画分中の
レセプター蛋白質の量は、1細胞当たり、好ましくは103
〜108分子、さらに好ましくは105〜107分子である。な
お、発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活性
(比活性)が高くなり、高感度なスクリーニング系の構
築が可能になるばかりでなく、同一ロットで大量の試験
化合物をスクリーニングできる。
【0076】リガンドと本発明のレセプター蛋白質等と
の結合性を変化させる化合物をスクリーニングする上記
の〜を実施するためには、例えば、適当なレセプタ
ー蛋白質画分と、標識したリガンドが必要である。レセ
プター蛋白質画分としては、天然型のレセプター蛋白質
画分か、またはそれと同等の活性を有する組換え型レセ
プター蛋白質画分などが望ましい。ここで、同等の活性
とは、同等のリガンド結合活性、シグナル情報伝達作用
などを示す。標識したリガンドとしては、標識したリガ
ンド、標識したリガンドアナログ化合物などが用いられ
る。例えば〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕な
どで標識されたリガンドなどが用いられる。具体的に
は、リガンドと本発明のレセプター蛋白質等との結合性
を変化させる化合物のスクリーニングを行なうには、ま
ず本発明のレセプター蛋白質等を含有する細胞または細
胞の膜画分を、適宜のバッファーに懸濁することにより
レセプター蛋白質標品を調製する。該バッファーは、p
H4〜10(望ましくはpH6〜8)のリン酸バッファ
ー、トリス−塩酸バッファーなどのリガンドとレセプタ
ー蛋白質との結合を阻害しないバッファーであれば特に
限定されない。また、非特異的結合を低減させる目的
で、CHAPS、Tween-80TM(花王−アトラス社)、ジ
ギトニン、デオキシコレートなどの界面活性剤をバッフ
ァーに加えてもよい。さらに、プロテアーゼによるレセ
プターやリガンドの分解を抑える目的で、PMSF、ロ
イペプチン、E−64(ペプチド研究所製)、ペプスタ
チンなどのプロテアーゼ阻害剤をバッファーに加えても
よい。このようにして得られたレセプター蛋白質標品0.
01〜10 mlに、一定量(5000〜500000 cpm)の標識
したリガンドを添加し、同時に10-4〜10-10 Mの試験化
合物を共存させる。一方、対照群においては、非特異的
結合量(NSB)を知るために、標識したリガンドの代
わりに大過剰の未標識のリガンドを共存させる。レセプ
ター蛋白質標品と試験化合物または標識したリガンドと
の反応は、約0℃から50℃、望ましくは約4℃から37℃
で、約20分から24時間、望ましくは約30分から3時間行
なわれる。反応後、ガラス繊維濾紙等で反応液を濾過
し、ガラス繊維濾紙を適量のバッファー(レセプター蛋
白質標品と同様のバッファー)で洗浄した後、ガラス繊
維濾紙に残存する放射活性を液体シンチレーションカウ
ンターまたはγ−カウンターで計測する。得られる計測
値を用い、拮抗する物質がない場合のカウント(B0
から非特異的結合量(NSB)を引いたカウント(B0
−NSB)を100%とした時、特異的結合量(B−NS
B)が、例えば、50%以下になる試験化合物を拮抗阻害
能力のある候補物質として選択することができる。
【0077】リガンドと本発明のレセプター蛋白質等と
の結合性を変化させる化合物をスクリーニングする上記
のまたはにおいて、細胞刺激活性(例えば、アラキ
ドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、
細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトー
ルリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸
化、c−fosの活性化、pHの低下などを促進する活
性または抑制する活性など)は、公知の方法または市販
の測定用キットを用いて測定することができる。具体的
には、まず、本発明のレセプター蛋白質等を含有する細
胞をマルチウェルプレート等に培養する。スクリーニン
グを行なうにあたっては前もって新鮮な培地あるいは細
胞に毒性を示さない適当なバッファーに交換し、試験化
合物などを添加して一定時間インキュベートした後、細
胞を抽出あるいは上清液を回収して、生成した産物をそ
れぞれの方法に従って定量する。細胞刺激活性の指標と
する物質(例えば、アラキドン酸など)の生成が、細胞
が含有する分解酵素によって検定困難な場合は、該分解
酵素に対する阻害剤を添加してアッセイを行なってもよ
い。また、cAMP産生抑制などの活性については、フ
ォルスコリンなどで細胞の基礎的産生量を増大させてお
いた細胞に対する産生抑制作用として検出することがで
きる。細胞刺激活性を測定してスクリーニングを行なう
には、適当なレセプター蛋白質を発現した細胞が必要で
ある。本発明のレセプター蛋白質等を発現した細胞とし
ては、天然型の本発明のレセプター蛋白質等を有する細
胞株、上記の組換え型レセプター蛋白質等を発現した細
胞株などが望ましい。試験化合物としては、例えば、ペ
プチド、蛋白、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵
生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液など
が用いられ、これら化合物は新規な化合物であってもよ
いし、公知の化合物であってもよい。
【0078】リガンドと本発明のレセプター蛋白質等と
の結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニ
ング用キットは、本発明のレセプター蛋白質等、本発明
のレセプター蛋白質等を含有する細胞、または本発明の
レセプター蛋白質等を含有する細胞の膜画分を含有する
ものなどである。本発明のスクリーニング用キットの例
としては、次のものが挙げられる。 1. スクリーニング用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.0
5%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45 μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃で
保存するか、あるいは用時調製しても良い。 G蛋白質共役型レセプター標品 本発明のレセプター蛋白質を発現させたCHO細胞を、
12穴プレートに5×105個/穴で継代し、37℃、5% C
O2、95% airで2日間培養したもの。 標識リガンド 市販の〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで
標識したリガンド水溶液の状態のものを4℃あるいは−2
0℃にて保存し、用時に測定用緩衝液にて1 μMに希釈
する。 リガンド標準液 リガンドを0.1% ウシ血清アルブミン(シグマ社製)を
含むPBSで1 mMとなるように溶解し、−20℃で保
存する。
【0079】2. 測定法 12穴組織培養用プレートにて培養した本発明のレセプ
ター蛋白質発現CHO細胞を、測定用緩衝液1 mlで
2回洗浄した後、490 μlの測定用緩衝液を各穴に加え
る。 10-3〜10-10 Mの試験化合物溶液を5 μl加えた
後、標識リガンドを5 μl加え、室温にて1時間反応
させる。非特異的結合量を知るためには試験化合物の代
わりに10-3 Mのリガンドを5 μl加えておく。 反応液を除去し、1 mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄
する。細胞に結合した標識リガンドを0.2N NaOH−
1% SDSで溶解し、4 mlの液体シンチレーターA
(和光純薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマンコール
ター社製)を用いて放射活性を測定し、Percent Maximu
m Binding(PMB)を次の式で求める。 PMB=[(B−NSB)/(B0−NSB)]×100 PMB:Percent Maximum Binding B :検体を加えた時の値 NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量) B0 :最大結合量
【0080】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、リガンドと本発明のレセプター蛋白質等との結合性
を変化させる作用を有する化合物であり、具体的には、
(a)G蛋白質共役型レセプターを介して細胞刺激活性
(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細
胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP
生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞
内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下
などを促進する活性または抑制する活性など)を有する
化合物(いわゆる、本発明のレセプター蛋白質に対する
アゴニスト)、(b)該細胞刺激活性を有しない化合物
(いわゆる、本発明のレセプター蛋白質に対するアンタ
ゴニスト)、(c)リガンドと本発明のG蛋白質共役型
レセプター蛋白質との結合力を増強する化合物、あるい
は(d)リガンドと本発明のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質との結合力を減少させる化合物である。該化合物
としては、ペプチド、蛋白、非ペプチド性化合物、合成
化合物、発酵生産物などが挙げられ、これら化合物は新
規な化合物であってもよいし、公知の化合物であっても
よい。本発明のレセプター蛋白質等に対するアゴニスト
は、本発明のレセプター蛋白質等に対するリガンドが有
する生理活性と同様の作用を有しているので、該リガン
ド活性に応じて安全で低毒性な医薬として有用である。
本発明のレセプター蛋白質等に対するアンタゴニスト
は、本発明のレセプター蛋白質等に対するリガンドが有
する生理活性を抑制することができるので、該リガンド
活性を抑制する安全で低毒性な医薬として有用である。
リガンドと本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質と
の結合力を増強する化合物は、本発明のレセプター蛋白
質等に対するリガンドが有する生理活性を増強するため
の安全で低毒性な医薬として有用である。リガンドと本
発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質との結合力を減
少させる化合物は、本発明のレセプター蛋白質等に対す
るリガンドが有する生理活性を減少させるための安全で
低毒性な医薬として有用である。
【0081】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、上記した本発明のレセプター蛋白質の場合と同様に
して、各種製剤とすることができる。このようにして得
られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや
哺乳動物(例えば、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウ
シ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することがで
きる。該化合物またはその塩の投与量は、投与対象、対
象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口
投与の場合、例えば、癌患者(体重60 kg)に対し
て、一日あたり約0.1〜100 mg、好ましくは約1.0〜50
mg、より好ましくは約1.0〜20 mgである。非経口
投与の場合、該化合物またはその塩の投与量は、例え
ば、注射剤を静脈注射する場合には、通常例えば、癌患
者(体重60 kg)に対して、一日あたり約0.01〜30 m
g、好ましくは約0.1〜20 mg、より好ましくは約0.1
〜10 mgである。
【0082】(8)本発明のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質とリガンドとの結合性を変化させる化合物(アゴ
ニスト、アンタゴニスト)を含有する各種疾病の予防お
よび/または治療剤 本発明のレセプター蛋白質は上記のとおり、例えば中枢
機能、循環機能、消化機能、心機能など生体内で何らか
の重要な役割を果たしていると考えられる。従って、本
発明のレセプター蛋白質とリガンドとの結合性を変化さ
せる化合物(アゴニスト、アンタゴニスト)や本発明の
レセプター蛋白質に対するリガンドは、本発明のレセプ
ター蛋白質の機能不全に関連する疾患の予防および/ま
たは治療剤として用いることができる。ここで、本発明
のレセプター蛋白質の機能不全に関連する疾患として
は、例えば中枢疾患(例えば、鬱病、アルツハイマー
病、痴呆、摂食障害など)、内分泌疾患(例えば、高血圧
症、性腺機能異常、甲状腺機能異常、下垂体機能異常な
ど)、代謝疾患(例えば、糖尿病、脂質代謝異常、高脂血
症など)、癌(例えば、非小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺
癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸部癌、結腸癌、直腸癌
など)、心疾患(例えば、狭心症、心筋梗塞など)など
が挙げられる。該化合物やリガンドを本発明のレセプタ
ー蛋白質の機能不全に関連する疾患の予防および/また
は治療剤として使用する場合は、該化合物やリガンド
を、上記した本発明のレセプター蛋白質の場合と同様に
して、各種製剤とすることができる。
【0083】さらに、上記予防・治療剤は適当な薬剤と
組み合わせて例えば本発明のレセプター蛋白質が高発現
している臓器や組織を特異的なターゲットとしたDDS
製剤として使用することもできる。このようにして得ら
れる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや哺
乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与するこ
とができる。該化合物またはその塩の投与量は、投与対
象、対象臓器、症状、投与方法などにより異なるが、経
口投与の場合、例えば、癌患者(体重60 kg)に対し
て、一日あたり約0.1〜100 mg、好ましくは約1.0〜50
mg、より好ましくは約1.0〜20 mgである。非経口
投与の場合、該化合物またはその塩の投与量は、例え
ば、注射剤を静脈注射する場合には、通常例えば、癌患
者(体重60 kg)に対しては、一日あたり約0.01〜30
mg、好ましくは約0.1〜20 mg、より好ましくは約0.
1〜10 mgである。
【0084】(9)本発明のレセプター蛋白質もしくは
その部分ペプチドまたはその塩の定量 本発明の抗体は、本発明のレセプター蛋白質等を特異的
に認識することができるので、被検液中の本発明のレセ
プター蛋白質等の定量、特にサンドイッチ免疫測定法に
よる定量などに使用することができる。すなわち、本発
明は、例えば、(i)本発明の抗体と、被検液および標
識化レセプター蛋白質等とを競合的に反応させ、該抗体
に結合した標識化レセプター蛋白質等の割合を測定する
ことを特徴とする被検液中の本発明のレセプター蛋白質
等の定量法、(ii)被検液と担体上に不溶化した本発明
の抗体および標識化された本発明の抗体とを同時あるい
は連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の活
性を測定することを特徴とする被検液中の本発明のレセ
プター蛋白質等の定量法を提供する。上記(ii)におい
ては、一方の抗体が本発明のレセプター蛋白質等のN端
部を認識する抗体で、他方の抗体が本発明のレセプター
蛋白質等のC端部に反応する抗体であることが好まし
い。
【0085】本発明のレセプター蛋白質等に対するモノ
クローナル抗体(以下、本発明のモノクローナル抗体と
略記することがある)を用いて本発明のレセプター蛋白
質等の測定を行なえるほか、組織染色等による検出を行
なうこともできる。これらの目的には、抗体分子そのも
のを用いてもよく、また、抗体分子のF(ab')2、Fab'、
あるいはFab画分を用いてもよい。本発明のレセプター
蛋白質等に対する抗体を用いる測定法は、特に制限され
るず、被測定液中の抗原量(例えば、レセプター蛋白質
量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の
量を化学的または物理的手段により検出し、これを既知
量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算
出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよ
い。該測定法としては、例えば、ネフロメトリー、競合
法、イムノメトリック法およびサンドイッチ法が好適に
用いられるが、感度、特異性の点で、後に記載するサン
ドイッチ法が特に好ましい。標識物質を用いる測定法に
用いられる標識剤としては、例えば、放射性同位元素、
酵素、蛍光物質、発光物質などが用いられる。放射性同
位元素としては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3
H〕、〔14C〕などが用いられる。上記酵素としては、
安定で比活性の大きなものが好ましく、例えば、β−ガ
ラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォス
ファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素な
どが用いられる。蛍光物質としては、例えば、フルオレ
スカミン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用
いられる。発光物質としては、例えば、ルミノール、ル
ミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用い
られる。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合に
ビオチン−アビジン系を用いることもできる。
【0086】抗原あるいは抗体を不溶化する場合には、
物理的吸着や、通常、蛋白質あるいは酵素等を不溶化ま
たは固定化するのに用いられる化学結合を用いる方法な
どが用いられる。物理的吸着に用いられる担体として
は、例えば、アガロース、デキストラン、セルロースな
どの不溶性多糖類;ポリスチレン、ポリアクリルアミ
ド、シリコン等の合成樹脂;ガラス等が挙げられる。サ
ンドイッチ法においては不溶化した本発明のモノクロー
ナル抗体に被検液を反応させ(一次反応)、さらに標識
化した本発明のモノクローナル抗体を反応させ(二次反
応)た後、不溶化担体上の標識剤の活性を測定すること
により被検液中の本発明のレセプター蛋白質量を定量す
ることができる。一次反応と二次反応は逆の順序に行な
っても、また、同時に行なってもよいし時間をずらして
行なってもよい。ここで、標識化剤としては前記と同様
のものが用いられる。また、不溶化は前記と同様にして
行われる。サンドイッチ法による免疫測定法において、
固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ず
しも1種類である必要はなく、測定感度を向上させる等
の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。本
発明のサンドイッチ法によるレセプター蛋白質等の測定
法においては、一次反応と二次反応に用いられる本発明
のモノクローナル抗体はレセプター蛋白質等の結合する
部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。すなわち、
一次反応および二次反応に用いられる抗体は、例えば、
二次反応で用いられる抗体が、レセプター蛋白質のC端
部を認識する場合、一次反応で用いられる抗体は、C端
部以外、例えばN端部を認識することが好ましい。
【0087】本発明のモノクローナル抗体は、サンドイ
ッチ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメ
トリック法あるいはネフロメトリーなどに用いることが
できる。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗
体に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原
と(F)と抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し(B/
F分離)、B、F何れかの標識量を測定し、被検液中の
抗原量を定量する。本反応法には、抗体として可溶性抗
体を用い、B/F分離をポリエチレングリコール、上記抗
体に対する第2抗体などを用いる液相法;および、第1
抗体として固相化抗体を用いるか、あるいは、第1抗体
は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗体を用い
る固相化法が用いられる。イムノメトリック法では、被
検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化抗体に対
して競合反応させた後、固相と液相を分離するか、ある
いは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体とを反応さ
せ、次に固相化抗原を加えて未反応の標識化抗体を固相
に結合させた後、固相と液相を分離する。次に、何れか
の相の標識量を測定し被検液中の抗原量を定量する。ま
た、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは溶液中で抗原
抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の量を測定する。
被検液中の抗原量が僅かであり、少量の沈降物しか得ら
れない場合には、レーザーの散乱を利用するレーザーネ
フロメトリーなどが好適に用いられる。
【0088】これら個々の免疫学的測定法を本発明の測
定方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に、当業者の通常の技術的配慮を加えて本
発明のレセプター蛋白質またはその塩の測定系を構築す
ればよい。このような技術的配慮については、総説、成
書などを参照することができる。具体的には、入江 寛
編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和49年発
行)、入江 寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談
社、昭和54年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」
(医学書院、昭和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫
測定法」(第2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川
栄治ら編「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭
和62年発行)、「メソッズ・イン・エンザイモロジー
(Methods in ENZYMOLOGY)」 Vol. 70 (Immunochemica
l Techniques (Part A))、 同書 Vol. 73 (Immunochemi
cal Techniques (Part B))、 同書 Vol. 74 (Immunoche
mical Techniques (Part C))、同書Vol. 84 (Immunoche
mical Techniques (Part D:Selected Immunoassays))、
同書 Vol. 92 (Immunochemical Techniques (Part E:M
onoclonal Antibodies andGeneral Immunoassay Method
s))、 同書 Vol. 121 (Immunochemical Techniques(Par
t I:Hybridoma TechnoloGy and Monoclonal Antibodie
s))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参照でき
る。以上のように、本発明の抗体を用いることによっ
て、本発明のレセプター蛋白質またはその塩を感度良く
定量することができる。さらに、本発明の抗体を用い
て、生体内での本発明のレセプター蛋白質またその塩を
定量することによって、本発明のレセプター蛋白質の機
能不全に関連する各種疾患の診断をすることができる。
また、本発明の抗体は、体液や組織などの被検体中に存
在する本発明のレセプター蛋白質等を特異的に検出する
ために使用することができる。また、本発明のレセプタ
ー蛋白質等を精製するために使用する抗体カラムの作
製、精製時の各分画中の本発明のレセプター蛋白質等の
検出、被検細胞内における本発明のレセプター蛋白質の
挙動の分析などのために使用することができる。
【0089】(10)細胞膜における本発明のレセプター
蛋白質またはその部分ペプチドの量を変化させる化合物
のスクリーニング方法 本発明の抗体は、本発明のレセプター蛋白質もしくはそ
の部分ペプチドまたはその塩を特異的に認識することが
できるので、細胞膜における本発明のレセプター蛋白質
またはその部分ペプチドの量を変化させる化合物のスク
リーニングに用いることができる。すなわち本発明は、
例えば、(i)非ヒト哺乳動物の血液、特定の臓
器、臓器から単離した組織もしくは細胞等を破壊した
後、細胞膜画分を単離し、細胞膜画分に含まれる本発明
のレセプター蛋白質またはその部分ペプチドを定量する
ことによる、細胞膜における本発明のレセプター蛋白質
またはその部分ペプチドの量を変化させる化合物のスク
リーニング方法、(ii)本発明のレセプター蛋白質もし
くはその部分ペプチドを発現する形質転換体等を破壊し
た後、細胞膜画分を単離し、細胞膜画分に含まれる本発
明のレセプター蛋白質またはその部分ペプチドを定量す
ることによる、細胞膜における本発明のレセプター蛋白
質またはその部分ペプチドの量を変化させる化合物のス
クリーニング方法、(iii)非ヒト哺乳動物の血液、
特定の臓器、臓器から単離した組織もしくは細胞等
を切片とした後、免疫染色法を用いることにより、細胞
表層での該レセプター蛋白質の染色度合いを定量化する
ことにより、細胞膜上の該蛋白質を確認することによ
る、細胞膜における本発明のレセプター蛋白質またはそ
の部分ペプチドの量を変化させる化合物のスクリーニン
グ方法、(iv)本発明のレセプター蛋白質もしくはその
部分ペプチドを発現する形質転換体等を切片とした後、
免疫染色法を用いることにより、細胞表層での該レセプ
ター蛋白質の染色度合いを定量化することにより、細胞
膜上の該蛋白質を確認することによる、細胞膜における
本発明のレセプター蛋白質またはその部分ペプチドの量
を変化させる化合物のスクリーニング方法を提供する。
【0090】細胞膜画分に含まれる本発明のレセプター
蛋白質またはその部分ペプチドの定量は具体的には以下
のようにして行なう。 (i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物(例え
ば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネ
コ、イヌ、サルなど、より具体的には痴呆ラット、肥満
マウス、動脈硬化ウサギ、担癌マウスなど)に対して、
薬剤(例えば、抗痴呆薬、血圧低下薬、抗癌剤、抗肥満
薬など)あるいは物理的ストレス(例えば、浸水ストレ
ス、電気ショック、明暗、低温など)などを与え、一定
時間経過した後に、血液、あるいは特定の臓器(例え
ば、脳、肺、大腸など)、または臓器から単離した組
織、あるいは細胞を得る。得られた臓器、組織または細
胞等を、例えば、適当な緩衝液(例えば、トリス塩酸緩
衝液、リン酸緩衝液、ヘペス緩衝液など)等に懸濁し、
臓器、組織あるいは細胞を破壊し、界面活性剤(例え
ば、トリトンX−100TM、Tween-20TMなど)などを用
い、さらに遠心分離や濾過、カラム分画などの手法を用
いて細胞膜画分を得る。
【0091】細胞膜画分とは、細胞を破砕した後、公知
の方法で得られる細胞膜が多く含まれる画分を意味す
る。細胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホモ
ジナイザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダ
ーやポリトロン(Kinematica社製)のよる破砕方法;超
音波による破砕方法;フレンチプレスなどで加圧しなが
ら細胞を細いノズルから噴出させることによる破砕方法
などが挙げられる。このようにして得られる細胞膜の分
画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠
心力による分画法などにより分画することができる。例
えば、細胞破砕液を低速(500〜3000 rpm)で短時間
(通常、約1〜10分)遠心し、上清をさらに高速(1500
0〜30000 rpm)で通常30分〜2時間遠心し、沈澱を
採取することにより、細胞膜画分を得ることができる。
該細胞膜画分中には、発現したレセプター蛋白質等と細
胞由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれ
る。
【0092】細胞膜画分に含まれる本発明のレセプター
蛋白質またはその部分ペプチドは、例えば、本発明の抗
体を用いたサンドイッチ免疫測定法、ウエスタンブロッ
ト解析などにより定量することができる。かかるサンド
イッチ免疫測定法は上記の方法と同様にして行なうこと
ができ、ウエスタンブロット解析は公知の手段により行
なうことができる。
【0093】(ii)本発明のレセプター蛋白質もしくは
その部分ペプチドを発現する形質転換体を上記の方法に
従って作製し、細胞膜画分に含まれる本発明のレセプタ
ー蛋白質またはその部分ペプチドを定量することができ
る。
【0094】細胞膜における本発明のレセプター蛋白質
またはその部分ペプチドの量を変化させる化合物のスク
リーニングは、 (i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物に対し
て、薬剤あるいは物理的ストレスなどを与える一定時間
前(30分前〜24時間前、好ましくは30分前〜12時間前、
より好ましくは1時間前〜6時間前)もしくは一定時間
後(30分後〜3日後、好ましくは1時間後〜2日後、よ
り好ましくは1時間後〜24時間後)、または薬剤あるい
は物理的ストレスと同時に試験化合物を投与し、投与後
一定時間経過後(30分後〜3日後、好ましくは1時間後
〜2日後、より好ましくは1時間後〜24時間後)、細胞
膜における本発明のレセプター蛋白質またはその部分ペ
プチドの量を定量することにより行なうことができ、 (ii)形質転換体を常法に従い培養する際に試験化合物
を培地中に混合させ、一定時間培養後(1日後〜7日
後、好ましくは1日後〜3日後、より好ましくは2日後
〜3日後)、細胞膜における本発明のレセプター蛋白質
またはその部分ペプチドの量を定量することにより行な
うことができる。
【0095】細胞膜画分に含まれる本発明のレセプター
蛋白質またはその部分ペプチドの確認は具体的には以下
のようにして行なう。 (iii)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物(例え
ば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネ
コ、イヌ、サルなど、より具体的には痴呆ラット、肥満
マウス、動脈硬化ウサギ、担癌マウスなど)に対して、
薬剤(例えば、抗痴呆薬、血圧低下薬、抗癌剤、抗肥満
薬など)あるいは物理的ストレス(例えば、浸水ストレ
ス、電気ショック、明暗、低温など)などを与え、一定
時間経過した後に、血液、あるいは特定の臓器(例え
ば、心臓、胎盤、肺など)、または臓器から単離した組
織、あるいは細胞を得る。得られた臓器、組織または細
胞等を、常法に従い組織切片とし、本発明の抗体を用い
て免疫染色を行う。細胞表層での該レセプター蛋白質の
染色度合いを定量化することにより、細胞膜上の該蛋白
質を確認することにより、定量的または定性的に、細胞
膜における本発明のレセプター蛋白質またはその部分ペ
プチドの量を確認することができる。 (iv)本発明のレセプター蛋白質もしくはその部分ペプ
チドを発現する形質転換体等を用いて同様の手段をとる
ことにより確認することもできる。
【0096】本発明のスクリーニング方法を用いて得ら
れる化合物またはその塩は、細胞膜における本発明のレ
セプター蛋白質またはその部分ペプチドの量を変化させ
る作用を有する化合物であり、具体的には、(a)細胞
膜における本発明のレセプター蛋白質またはその部分ペ
プチドの量を増加させることにより、G蛋白質共役型レ
セプターを介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸
遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内
cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン
酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c
−fosの活性化、pHの低下などを促進する活性また
は抑制する活性など)を増強させる化合物、(b)細胞
膜における本発明のレセプター蛋白質またはその部分ペ
プチドの量を減少させることにより、該細胞刺激活性を
減弱させる化合物である。該化合物としては、ペプチ
ド、蛋白、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産
物などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であっ
てもよいし、公知の化合物であってもよい。該細胞刺激
活性を増強させる化合物は、本発明のレセプター蛋白質
等の生理活性を増強するための安全で低毒性な医薬とし
て有用である。該細胞刺激活性を減弱させる化合物は、
本発明のレセプター蛋白質等の生理活性を減少させるた
めの安全で低毒性な医薬として有用である。
【0097】本発明のスクリーニング方法を用いて得ら
れる化合物またはその塩を医薬組成物として使用する場
合、該化合物またはその塩を、上記した本発明のレセプ
ター蛋白質の場合と同様にして、各種製剤とすることが
できる。このようにして得られる製剤は安全で低毒性で
あるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラット、
マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サ
ルなど)に対して投与することができる。該化合物また
はその塩の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与
方法などにより異なるが、経口投与の場合、例えば、癌
患者(体重60 kg)に対して、一日あたり約0.1〜100
mg、好ましくは約1.0〜50 mg、より好ましくは約1.
0〜20 mgである。非経口投与の場合、該化合物または
その塩の投与量は、例えば、注射剤を静脈注射する場合
には、通常例えば、癌患者(体重60 kg)に対して、
一日あたり約0.01〜30 mg、好ましくは約0.1〜20 m
g、より好ましくは約0.1〜10 mgである。
【0098】(11)細胞膜における本発明のレセプター
蛋白質またはその部分ペプチドの量を変化させる化合物
を含有する各種疾病の予防および/または治療剤 本発明のレセプター蛋白質は上記のとおり、例えば、心
臓または中枢機能など生体内で何らかの重要な役割を果
たしていると考えられる。したがって、細胞膜における
本発明のレセプター蛋白質またはその部分ペプチドの量
を変化させる化合物は、本発明のレセプター蛋白質の機
能不全に関連する疾患の予防および/または治療剤とし
て用いることができる。ここで、本発明のレセプター蛋
白質の機能不全に関連する疾患としては、例えば中枢疾
患(例えば、鬱病、アルツハイマー病、痴呆、摂食障害
など)、内分泌疾患(例えば、高血圧症、性腺機能異常、
甲状腺機能異常、下垂体機能異常など)、代謝疾患(例え
ば、糖尿病、脂質代謝異常、高脂血症など)、癌(例え
ば、非小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、膀胱癌、
乳癌、子宮頸部癌、結腸癌、直腸癌など)、心疾患(例
えば、狭心症、心筋梗塞など)などが挙げられる。該化
合物を本発明のレセプター蛋白質の機能不全に関連する
疾患の予防および/または治療剤として使用する場合
は、該化合物を、上記した本発明のレセプター蛋白質の
場合と同様にして、各種製剤とすることができる。この
ようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例
えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサ
ギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対
して投与することができる。該化合物またはその塩の投
与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによ
り異なるが、経口投与の場合、例えば、癌患者(体重60
kg)に対して、一日あたり約0.1〜100 mg、好まし
くは約1.0〜50 mg、より好ましくは約1.0〜20 mgで
ある。非経口投与の場合、該化合物またはその塩の投与
量は、例えば、注射剤を静脈注射する場合には、通常例
えば、癌患者(体重60 kg)に対して、一日あたり約
0.01〜30 mg、好ましくは約0.1〜20 mg、より好ま
しくは約0.1〜10 mgである。
【0099】(12)本発明のレセプター蛋白質、その部
分ペプチドまたはそれらの塩に対する抗体による中和 本発明のレセプター蛋白質もしくはその部分ペプチドま
たはその塩に対する抗体の、それらレセプター蛋白質な
どに対する中和活性とは、すなわち、該レセプター蛋白
質の関与するシグナル伝達機能を不活性化する活性を意
味する。従って、該抗体が中和活性を有する場合は、該
レセプター蛋白質の関与するシグナル伝達、例えば、該
レセプター蛋白質を介する細胞刺激活性(例えば、アラ
キドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+
離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシ
トールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリ
ン酸化、c−fosの活性化、pHの低下などを促進す
る活性または抑制する活性など)を不活性化することが
できる。したがって、中和活性を有する本発明の抗体
は、該レセプター蛋白質の過剰発現などに起因する疾患
の予防および/または治療に用いることができる。
【0100】(13)本発明のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードするDNAを有するトランスジェニック
動物の作出 本発明のDNAを用いて、本発明のレセプター蛋白質等
を発現するトランスジェニック動物を作出することがで
きる。動物としては、哺乳動物(例えば、ラット、マウ
ス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルな
ど)など(以下、動物と略記する場合がある)が挙げら
れるが、特に、マウス、ウサギなどが好適である。本発
明のDNAを対象動物に導入するにあたっては、該DN
Aを動物細胞で発現させうるプロモーターの下流に結合
した遺伝子コンストラクトとして用いるのが一般に有利
である。例えば、ウサギ由来の本発明のDNAを導入す
る場合、これと相同性が高い動物由来の本発明のDNA
を動物細胞で発現させうる各種プロモーターの下流に結
合した遺伝子コンストラクトを、例えば、ウサギ受精卵
へマイクロインジェクションすることによって本発明の
レセプター蛋白質等を高産生するDNA導入動物を作出
できる。該プロモーターとしては、例えば、ウイルス由
来プロモーター、メタロチオネイン等のユビキアスな発
現プロモーターなどが用いられるが、心臓で特異的に発
現する遺伝子のプロモーターが好ましい。
【0101】受精卵細胞段階における本発明のDNAの
導入は、対象動物の胚芽細胞および体細胞の全てに存在
するように確保される。DNA導入後の作出動物の胚芽
細胞において本発明のレセプター蛋白質等が存在するこ
とは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細胞
の全てに本発明のレセプター蛋白質等を有することを意
味する。遺伝子を受け継いだこの種の動物の子孫はその
胚芽細胞および体細胞の全てに本発明のレセプター蛋白
質等を有する。本発明のDNA導入動物は、交配により
遺伝子を安定に保持することを確認して、該DNA保有
動物として通常の飼育環境で飼育継代を行うことができ
る。さらに、目的DNAを保有する雌雄の動物を交配す
ることにより、導入遺伝子を相同染色体の両方に持つホ
モザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配する
ことによりすべての子孫が該DNAを有するように繁殖
継代することができる。本発明のDNAが導入された動
物は、本発明のレセプター蛋白質等が高発現しているの
で、本発明のレセプター蛋白質等に対するアゴニストま
たはアンタゴニストのスクリーニング用の動物などとし
て有用である。本発明のDNA導入動物を、組織培養の
ための細胞源として使用することもできる。例えば、本
発明のDNA導入マウスの組織中のDNAもしくはRN
Aを直接分析するか、あるいは遺伝子により発現された
本発明のレセプター蛋白質が存在する組織を分析するこ
とにより、本発明のレセプター蛋白質等を分析すること
ができる。本発明のレセプター蛋白質等を有する組織の
細胞を標準組織培養技術により培養し、これらを使用し
て、例えば、脳や末梢組織由来のような一般に培養困難
な組織からの細胞の機能を研究することができる。ま
た、その細胞を用いることにより、例えば、各種組織の
機能を高めるような医薬の選択も可能である。また、本
発明のレセプター蛋白質等の高発現細胞株があれば、そ
こから、本発明のレセプター蛋白質等を単離精製するこ
とも可能である。
【0102】(14)アンチセンスポリヌクレオチド(核
酸)を含有する医薬 本発明のポリヌクレオチド(例、DNA)に相補的に結
合し、該ポリヌクレオチド(例、DNA)の発現を抑制
することができる本発明のアンチセンスポリヌクレオチ
ドは低毒性であり、生体内における本発明のタンパク質
または本発明のポリヌクレオチド(例、DNA)の機能
を抑制することができるので、例えば、本発明のレセプ
ター蛋白質の機能不全に関連する疾患の予防および/ま
たは治療剤として用いることができる。ここで、本発明
のレセプター蛋白質の機能不全に関連する疾患として
は、例えば中枢疾患(例えば、鬱病、アルツハイマー
病、痴呆、摂食障害など)、内分泌疾患(例えば、高血圧
症、性腺機能異常、甲状腺機能異常、下垂体機能異常な
ど)、代謝疾患(例えば、糖尿病、脂質代謝異常、高脂血
症など)、癌(例えば、非小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺
癌、胃癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸部癌、結腸癌、直腸癌
など)、心疾患(例えば、狭心症、心筋梗塞など)など
が挙げられる。上記アンチセンスポリヌクレオチドを上
記の治療・予防剤として使用する場合は、該アンチセン
スポリヌクレオチドを、上記した本発明のレセプター蛋
白質をコードするDNAの場合と同様にして製剤化する
ことができる。このようにして得られる製剤は低毒性で
あり、ヒトまたは哺乳動物(例、ラット、ウサギ、ヒツ
ジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して経口
的または非経口的に投与することができる。なお、該ア
ンチセンスポリヌクレオチドは、そのままで、あるいは
摂取促進用の補助剤などの生理学的に認められる担体と
ともに、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカ
テーテルによって投与することもできる。該アンチセン
スポリヌクレオチドの投与量は、対象疾患、投与対象、
投与ルートなどにより異なるが、例えば、癌の治療の目
的で本発明のアンチセンスヌクレオチドを臓器(例、肝
臓、肺、心臓、腎臓など)に局所投与する場合、成人
(体重60 kg)に対して、一日あたり約0.1〜100 mg
である。さらに、該アンチセンスポリヌクレオチドは、
組織や細胞における本発明のDNAの存在やその発現状
況を調べるための診断用オリゴヌクレオチドプローブと
して使用することもできる。
【0103】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、その表示は、IUPAC-IU
B Commission on Biochemical Nomenclatureによる略号
あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであ
る。その例を以下に示す。またアミノ酸に関し光学異性
体があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すも
のとする。
【0104】 Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミ
ド基
【0105】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2Bzl :2,6−ジクロロベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl-Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br-Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェノール Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N-9−フルオレニルメトキシカル
ボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4
−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−
2,3−ジカルボキシイミド DCC :N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0106】本明細書の配列表の配列番号は、以下の配
列を示す。 配列番号:1 本発明のマウス由来新規G蛋白質共役型レセプター蛋白
質TGR38のアミノ酸配列を示す。 配列番号:2 本発明のマウス由来新規G蛋白質共役型レセプター蛋白
質TGR38をコードするcDNAの塩基配列を示す。 配列番号:3 以下の実施例1におけるPCR反応で使用したプライマ
ー1の塩基配列を示す。 配列番号:4 以下の実施例1におけるPCR反応で使用したプライマ
ー2の塩基配列を示す。 配列番号:5 本発明のマウス由来新規G蛋白質共役型レセプター蛋白
質TGR38をコードするDNAの5’非翻訳領域の塩
基配列を示す。 配列番号:6 本発明のマウス由来新規G蛋白質共役型レセプター蛋白
質TGR38をコードするDNAの3’非翻訳領域の塩
基配列を示す。
【0107】以下の実施例1で得られた形質転換体、大
腸菌(Escherichia coli)TOP10/pCR2.1-TGR38は、20
01年(平成13年)4月19日から茨城県つくば市東
1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−856
6)の独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託セ
ンターに寄託番号FERM BP−7554として、2
001年(平成13年)4月11日から大阪府大阪市淀
川区十三本町2−17−85(郵便番号532−868
6)の財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IF
O 16614として寄託されている。
【0108】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をより詳細に
説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものでは
ない。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作法は、モレキ
ュラー・クローニング(Molecular cloning)に記載され
ている方法に従った。
【0109】実施例1 (マウス脳由来G蛋白質共役型
レセプター蛋白質をコードするcDNAのクローニングと塩
基配列の決定) マウス脳cDNA(CLONTECH社)を鋳型とし、2個のプライ
マー、プライマー1(配列番号:3)およびプライマー2
(配列番号:4)を用いてPCR反応を行った。PCR反応で
は、上記cDNA 3μl、Advantage-GC2 Polymerase Mix
(CLONTECH社) 1μl、プライマー1(配列番号:3)お
よびプライマー2(配列番号:4) 各0.5μM、dNTPs 2
00μM、およびAdvantage-GC2 Polymerase Mixに添付の
バッファー10μl、GC Melt 5μlからなる反応液50μl
を用いた。また、PCR反応では、95℃・1分反応の後、95
℃・30秒、68℃・2分反応のサイクルを5回、95℃・30
秒、66℃・30秒、68℃・2分反応のサイクルを5回、95
℃・30秒、64℃・30秒、68℃・2分反応のサイクルを30
回繰り返し、最後に68℃・7分反応を行った。PCR反応産
物をTOPO-TAクローニングキット(Invitrogen社)に記
載の方法に従って、プラスミドベクターpCR2.1(Invitr
ogen社)へサブクローニングした。得られるプラスミド
ベクターを大腸菌TOP10に導入し、アンピシリンを含むL
B寒天培地に加えて、cDNAを持つクローンを選択した。
個々のクローンの配列を解析した結果、新規G蛋白質共
役型レセプター蛋白質をコードするcDNA配列(配列番
号:2)を得た。該cDNA配列を翻訳して得られるアミノ
酸配列を含有する新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質
をTGR38と命名した。さらに、その形質転換体を大腸菌
(Escherichia coli) TOP10/pCR2.1-TGR38 と命名し
た。
【0110】
【発明の効果】本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白
質もしくはその部分ペプチドまたはその塩、該レセプタ
ー蛋白質またはその部分ペプチドをコードするポリヌク
レオチド(例えば、DNA、RNAおよびそれらの誘導
体)は、リガンド(アゴニスト)の決定、抗体およ
び抗血清の入手、組換え型レセプター蛋白質の発現系
の構築、同発現系を用いたレセプター結合アッセイ系
の開発と医薬品候補化合物のスクリーニング、構造的
に類似したリガンド・レセプターとの比較にもとづいた
ドラッグデザインの実施、遺伝子診断におけるプロー
ブやPCRプライマーの作成のための試薬、トランス
ジェニック動物の作出または遺伝子予防・治療剤等の
医薬等として用いることができる。
【0111】
【配列表】 [SEQUENCE LISTING] <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Novel G Protein-Coupled Receptor Protein and its DNA <130> B02129 <150> JP 2001-132201 <151> 2001-04-27 <160> 6 <210> 1 <211> 299 <212> PRT <213> Mouse <400> 1 Met Asp Val Met Asp Val Asp Leu Val Ser Asn Gly Ser Ser Val Val 5 10 15 Met Pro Met Ala Glu Gln Val Cys Asp Ala His Cys Arg Ala Ile Leu 20 25 30 Thr Thr Ala Tyr Ser Val Val Phe Phe Gly Gly Thr Val Gly Thr Val 35 40 45 Met Met Ser His Met Met Phe Lys Arg Asn Cys Gln Ser Met Ile Ala 50 55 60 Thr Ile Ile Ile Asn Ile Ile Val Leu His Ser Leu Leu Leu Ile Ser 65 70 75 80 Leu Pro Phe Arg Leu Ser Tyr Tyr Leu Ser Ala Val Trp Lys Leu Gly 85 90 95 Ser Phe Thr Cys Arg Met Val Ser Gly Val Ile Tyr Gly His Met Tyr 100 105 110 Leu Thr Phe Ile Phe Tyr Val Ala Ile Val Thr Leu Arg Leu Leu Ile 115 120 125 Tyr Phe Lys Lys Leu Gln Met Gln Gln Leu Gln Lys Phe His Ala Val 130 135 140 Ala Leu Ser Ile Ile Ile Trp Val Thr Gly Ser Phe Ile Phe Leu Pro 145 150 155 160 Ile Phe Phe Leu Gln Tyr Gly Thr Asp Pro Ser Tyr Thr Glu Gln Gln 165 170 175 Arg Cys Phe Glu Phe His Lys Ser Leu Asn Ser Arg Asp Ile Ile Ile 180 185 190 Ile Asn Tyr Ser Ile Ile Val Ile Met Met Thr Thr Val Leu Leu Leu 195 200 205 Phe Leu Ile Gln Met Ala Val Ile Leu His Leu Ile Lys Ala Tyr Trp 210 215 220 Pro Asp Met Trp Ala His Gln Glu Tyr Arg Ala Gln Ile Lys Ser Phe 225 230 235 240 Phe Phe Leu Leu Val Ile Val Val Cys Phe Ile Pro His His Ala Phe 245 250 255 Arg Val Tyr Phe Ile Gln Asn Phe Pro Glu Gln Glu Asn Ser Lys Leu 260 265 270 Ile Leu Tyr Asn Glu Ile Cys Val Ala Leu Thr Ala Phe Cys Cys Leu 275 280 285 Asp Met Leu Cys Phe Ile Gly Gly Val Ile His 290 295 <210> 2 <211> 897 <212> DNA <213> Mouse <400> 2 atggatgtga tggatgtaga cctcgtgtca aatggctcaa gtgtggtgat gcctatggca 60 gagcaagtct gtgatgctca ctgcagagca attctgacaa cagcctatag tgtggtcttc 120 tttggaggca ccgttggaac agttatgatg tcacacatga tgttcaagag gaattgccaa 180 tcaatgattg ccactatcat cattaatatc attgtgttgc actcccttct cctgattagt 240 ctgccattcc gcctcagtta ctatctctca gcagtctgga agcttgggtc ttttacctgc 300 cgaatggtta gtggcgtcat atatggtcat atgtacctta ccttcatttt ttatgtggcc 360 attgttaccc ttcggctgct catctatttt aagaaactgc aaatgcaaca gttacaaaag 420 ttccatgccg tggctctaag tattattatt tgggtgacag gaagcttcat ctttttacca 480 atattttttt tacaatatgg cacagatcca agttatacag agcaacagcg gtgctttgag 540 tttcataaat ctctcaactc cagggacatc atcatcataa actattctat aattgttatt 600 atgatgacaa cagttctgct cctctttctg atacagatgg ctgtcattct tcatttgata 660 aaagcctatt ggcctgatat gtgggcccat caagagtaca gagctcaaat caagagtttt 720 ttcttcctgt tggtcatagt tgtctgcttt ataccccacc atgcattcag ggtatatttt 780 attcaaaatt ttccagagca agaaaattct aagttaattc tgtacaatga aatctgtgtt 840 gctttaacag ctttctgctg cctggatatg ttatgtttca taggtggtgt catccat 897 <210> 3 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 3 atggatgtga tggatgtaga cctc 24 <210> 4 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 4 ctaatggatg acaccaccta tgaa 24 <210> 5 <211> 202 <212> DNA <213> Mouse <400> 5 tcactcttgt cttcaggatg ttagaattac tgggcagaat ttacaacagt acttcttttg 60 tgtgatttca agattttgaa agagtcctca aggattgaaa agttcaatat ctatacatga 120 gtgcattgtt tcagtatgtc aatcataact ttgtaaaact tttgatttga cagtttgtgg 180 tctaatttct ccacgatcaa cc 202 <210> 6 <211> 1006 <212> DNA <213> Mouse <400> 6 agcttcccgt gctctttctg tgattggttt ataggccatc atgatgaaaa atacttcagt 60 tgaatggatg gagtgctatt attgtattta aaattttgaa gctctctgct cccgaacatc 120 agactttttt atttctctta gccacaattg ttttctttca aaaacttaat caaccctagt 180 tatctacttt tcctttgaga atgcttgtag gccccaaatg tatcccagaa tatgttgggt 240 ttcttagctg taccaaacac actattcctt cctctttgcg tttcattcag tattcacttc 300 aaccacgcat acctgtgagt tctccccata ctcctgaggc ttctagccaa ccatgttttc 360 ctctgaatat gtttgctccc ccctccattc ttatccacca aaatttagat aacctatagt 420 tataaatgag gctctaaaat agccttaagc tattaaaatt aagatttcct gccaataatt 480 gcattgggag tagagtatta ctttgagcag agatgtcaag aaagttagaa gaaactcttc 540 caagagactg ggcatctaca tgctccatcc tgttgaaggc acagaaagga cttggaagcc 600 agaggttacc tcctgatcta ccttcagtac aaaacagtaa aagacattgg aaatgacaaa 660 aaatatgacc aaaccaaacc aaccccccac cttgctacca ccaccaccac caccaccaac 720 aacaacaaca acaacaaaaa actggacctg ggctgagctt gccaacaaac tctttggcca 780 caaaccttga ggccatatag ctccttttat aatttttcag gacaccctat gctttcaaga 940 accatcatat aattaaaagc agtactcatt ctgtcacact taaaaaaaaa aaaaaaaaaa 1000 aaaaaa 1006
【図面の簡単な説明】
【図1】 TGR38の疎水性プロット図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 C07K 14/705 4C084 C07K 14/705 16/28 4H045 16/28 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12Q 1/68 A C12P 21/02 G01N 33/15 Z C12Q 1/68 33/50 Z G01N 33/15 33/53 D 33/50 M 33/53 33/567 C12N 15/00 ZNAA 33/567 5/00 A (72)発明者 宮嶋 伸行 茨城県つくば市吾妻4丁目16−4 プレビ ュー吾妻403 Fターム(参考) 2G045 AA29 AA40 BA13 BB20 CB17 CB21 DA12 DA13 DA14 DA36 FB02 FB03 FB05 FB07 4B024 AA01 AA11 BA63 CA04 DA02 DA06 EA04 GA11 HA01 HA11 4B063 QA01 QA05 QA18 QQ08 QQ53 QQ79 QR48 QR51 QR77 QS33 QX07 4B064 AG20 AG26 CA02 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA26X AA91X AA91Y AB01 BA02 CA44 CA46 4C084 AA17 ZA022 ZB262 ZC032 ZC212 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA40 DA50 EA20 EA50 FA74

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するこ
    とを特徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質または
    その塩。
  2. 【請求項2】 配列番号:1で表されるアミノ酸配列を
    含有することを特徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋
    白質またはその塩。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のG蛋白質共役型レセプタ
    ー蛋白質の部分ペプチドまたはその塩。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のG蛋白質共役型レセプタ
    ー蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリ
    ヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 DNAである請求項4記載のポリヌクレ
    オチド。
  6. 【請求項6】 配列番号:2で表される塩基配列を有す
    る請求項5記載のポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 請求項4記載のポリヌクレオチドを含有
    する組換えベクター。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の組換えベクターで形質転
    換させた形質転換体。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の形質転換体を培養し、請
    求項1記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質を生成せ
    しめることを特徴とする請求項1記載のG蛋白質共役型
    レセプター蛋白質またはその塩の製造法。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のG蛋白質共役型レセプ
    ター蛋白質もしくは請求項3記載の部分ペプチドまたは
    その塩を含有してなる医薬。
  11. 【請求項11】 請求項4記載のポリヌクレオチドを含
    有してなる医薬。
  12. 【請求項12】 請求項1記載のG蛋白質共役型レセプ
    ター蛋白質もしくは請求項3記載の部分ペプチドまたは
    その塩に対する抗体。
  13. 【請求項13】 請求項1記載のG蛋白質共役型レセプ
    ター蛋白質のシグナル伝達を不活性化する中和抗体であ
    る請求項12記載の抗体。
  14. 【請求項14】 請求項12記載の抗体を含有してなる
    診断薬。
  15. 【請求項15】 請求項1記載のG蛋白質共役型レセプ
    ター蛋白質もしくは請求項3記載の部分ペプチドまたは
    その塩を用いることにより得られうる請求項1記載のG
    蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩に対するリ
    ガンド。
  16. 【請求項16】 請求項15記載のリガンドを含有して
    なる医薬。
  17. 【請求項17】 請求項1記載のG蛋白質共役型レセプ
    ター蛋白質もしくは請求項3記載の部分ペプチドまたは
    その塩を用いることを特徴とする請求項1記載のG蛋白
    質共役型レセプター蛋白質またはその塩に対するリガン
    ドの決定方法。
  18. 【請求項18】 請求項1記載のG蛋白質共役型レセプ
    ター蛋白質もしくは請求項3記載の部分ペプチドまたは
    その塩を用いることを特徴とする、請求項1記載のG蛋
    白質共役型レセプター蛋白質またはその塩とリガンドと
    の結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニ
    ング方法。
  19. 【請求項19】 請求項1記載のG蛋白質共役型レセプ
    ター蛋白質もしくは請求項3記載の部分ペプチドまたは
    その塩を含有することを特徴とする、請求項1記載のG
    蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩とリガンド
    との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリー
    ニング用キット。
  20. 【請求項20】 請求項18記載のスクリーニング方法
    または請求項19記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られうるリガンドと請求項1記載のG蛋白質共役型
    レセプター蛋白質またはその塩との結合性を変化させる
    化合物またはその塩。
  21. 【請求項21】 請求項18記載のスクリーニング方法
    または請求項19記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られうるリガンドと請求項1記載のG蛋白質共役型
    レセプター蛋白質またはその塩との結合性を変化させる
    化合物またはその塩を含有してなる医薬。
  22. 【請求項22】 請求項4記載のポリヌクレオチドとハ
    イストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリ
    ヌクレオチド。
  23. 【請求項23】 請求項4記載のポリヌクレオチドと相
    補的な塩基配列またはその一部を含有してなるポリヌク
    レオチド。
  24. 【請求項24】 請求項4記載のポリヌクレオチドまた
    はその一部を用いることを特徴とする請求項1記載のG
    蛋白質共役型レセプター蛋白質のmRNAの定量方法。
  25. 【請求項25】 請求項12記載の抗体を用いることを
    特徴とする請求項1記載のG蛋白質共役型レセプター蛋
    白質の定量方法。
  26. 【請求項26】 請求項24または請求項25記載の定
    量方法を用いることを特徴とする請求項1記載のG蛋白
    質共役型レセプターの機能が関連する疾患の診断方法。
  27. 【請求項27】 請求項24記載の定量方法を用いるこ
    とを特徴とする請求項1記載のG蛋白質共役型レセプタ
    ー蛋白質の発現量を変化させる化合物またはその塩のス
    クリーニング方法。
  28. 【請求項28】 請求項25記載の定量方法を用いるこ
    とを特徴とする細胞膜における請求項1記載のG蛋白質
    共役型レセプター蛋白質量を変化させる化合物またはそ
    の塩のスクリーニング方法。
  29. 【請求項29】 請求項27記載のスクリーニング方法
    を用いて得られうる請求項1記載のG蛋白質共役型レセ
    プター蛋白質の発現量を変化させる化合物またはその
    塩。
  30. 【請求項30】 請求項28記載のスクリーニング方法
    を用いて得られうる細胞膜における請求項1記載のG蛋
    白質共役型レセプター蛋白質量を変化させる化合物また
    はその塩。
  31. 【請求項31】 請求項27記載のスクリーニング方法
    を用いて得られうる請求項1記載のG蛋白質共役型レセ
    プター蛋白質の発現量を変化させる化合物またはその塩
    を含有してなる医薬。
  32. 【請求項32】 請求項28記載のスクリーニング方法
    を用いて得られうる細胞膜における請求項1記載のG蛋
    白質共役型レセプター蛋白質量を変化させる化合物また
    はその塩を含有してなる医薬。
  33. 【請求項33】 中枢疾患、内分泌疾患、代謝疾患、癌
    または心疾患の予防・治療剤である請求項21、請求項
    31または請求項32のいずれかに記載の医薬。
  34. 【請求項34】 哺乳動物に対して、請求項20、請求
    項29または請求項30のいずれかに記載の化合物また
    はその塩の有効量を投与することを特徴とする、該哺乳
    動物における中枢疾患、内分泌疾患、代謝疾患、癌また
    は心疾患の予防・治療方法。
  35. 【請求項35】 中枢疾患、内分泌疾患、代謝疾患、癌
    または心疾患の予防・治療剤を製造するための、請求項
    20、請求項29または請求項30のいずれかに記載の
    化合物またはその塩の使用。
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