JP2003020118A - Uv洗浄装置における搬送用ローラ - Google Patents

Uv洗浄装置における搬送用ローラ

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JP2003020118A
JP2003020118A JP2001210918A JP2001210918A JP2003020118A JP 2003020118 A JP2003020118 A JP 2003020118A JP 2001210918 A JP2001210918 A JP 2001210918A JP 2001210918 A JP2001210918 A JP 2001210918A JP 2003020118 A JP2003020118 A JP 2003020118A
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JP2001210918A
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Kazuo Nishizawa
和夫 西澤
Fumio Takahashi
文夫 高橋
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Clean Technology Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 長時間使用して樹脂部が劣化しても、あるい
は劣化する前に交換する場合においても、簡単に樹脂部
の交換が可能となり、メンテナンス性を向上する。 【解決手段】 被洗浄物を搬入する洗浄室内に紫外線ラ
ンプを設けたUV洗浄装置の洗浄室内に被洗浄物を搬入
若しくは搬出するため支軸4に設ける搬送用に被洗浄物
を支承する樹脂部6を外周に突出状態に設け、ローラ体
5は、軸受孔部9を有する一対の金属製の挟持部10で構
成し、樹脂部6は、中心孔6Bを有するリング状若しく
はドーナツ板状などの環状形状に構成し、この環状形状
の樹脂部6に分断部14を一個所設け、架設固定されてい
る支軸4を取り外さなくてもこの分断部14を介して支軸
4から樹脂部6を着脱し得るように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば液晶,カラ
ーフィルタ,PDPなどの基盤を洗浄するUV洗浄装置
における搬送用ローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】電子機
器部品などでは非常に高い洗浄度が要求されている。汚
れを大別すると塵,切粉などの無機質と、切削油,フラ
ックス,指紋などの有機質とに分けられ、この無機質の
汚れは、主に水洗浄によって取り除くことができるが、
有機質の汚れは、水洗浄では完全に取り除けないため、
水,溶剤などで事前に洗浄してから紫外線洗浄による精
密洗浄が行われている。
【0003】即ち、この紫外線洗浄を行うUV洗浄装置
を、例えば製作ラインに配置し、精密洗浄を行ってい
る。
【0004】この紫外線洗浄は、簡単に説明すると、こ
の紫外線ランプの紫外線(UV)照射によって有機物の
分子鎖を分断し、ついでこの紫外線ランプの紫外線(U
V)照射によって洗浄室内にオゾンを発生させ、このオ
ゾンの分解・生成反応過程の酸化力の強い発生期の酸素
(O)と有機物との反応により被洗浄物の表面有機物を
蒸発気化させて洗浄するもので、乾式洗浄とも称されて
いる。
【0005】従来のこのようなUV洗浄装置は、例えば
図1に示すように、被洗浄物1(例えばカラーフィルタ
などの基板)を搬入口16から紫外線ランプ3を複数並設
したUV洗浄室2内に搬入し、洗浄後反対側の搬出口17
より搬出する構成で、順次搬送機構により被洗浄物1た
る基板1を送り込み紫外線洗浄するように構成してい
る。
【0006】従来のこのようなUV洗浄装置は、一般に
被洗浄物1の搬送方向に沿って多数の支軸4を回転自在
に並設架設し、この支軸4に前記被洗浄物1を支承する
多数の搬送用ローラ11を取り付けて前記搬送機構を構成
している。
【0007】この搬送用ローラは、紫外線(UV)の照
射を受け、またオゾン雰囲気中に配されるために、この
紫外線照射を長時間受けても劣化しにくいものを採用す
る必要がある。
【0008】しかし、例えば、搬送用ローラを単にステ
ンレスなどのオール金属製とすると、金属製のローラ外
周部で被洗浄物を支承することになり、この外周面にゴ
ミや塵などの異物が介在すると被洗浄物を傷つけるおそ
れがある。
【0009】即ち、例えば、被洗浄物としてガラス基板
を支承搬送する場合に、ガラス粉がローラ外周面に付着
していると、基板裏面をこのローラによって傷つけるお
それがある。
【0010】そこで、本出願人は、金属製のローラ体の
外周面の周方向に係合溝を形成し、この係合溝に外周部
がやや突出するように断面円形のOリング状の樹脂製支
承部材を係合してローラ体に樹脂部を設けた構成の搬送
用ローラを開発した。
【0011】そして更に耐久性を向上させるため、この
樹脂部を板厚より半径方向に長い板長を有するドーナツ
板形状とし、これを金属製の挟持部で外周よりやや突出
した状態で挟持する構成とした搬送用ローラ(特願平10
-186939)を開発した。
【0012】このように構成することで本体(ローラ
体)は金属製であるため、剛性や耐久性(耐UV性能)
に秀れると共に、被搬送物はローラ体の外周部よりやや
突出した樹脂部により支承されるため、被搬送物に傷を
付けにくい構成となる。
【0013】また、この樹脂部は紫外線照射を受けても
改質・変質が少なく耐UV性能の高いポリ四フッ化エチ
レン(PTFE)(例えば商品名テフロンと称されて市
販されている樹脂)を採用している。
【0014】しかしながら、耐UV性能に秀れた樹脂を
採用しても、また、更に耐久性に秀れたドーナツ板形状
としても、あるいは更に耐UV性能に秀れた樹脂に改良
したとしても、長時間のUV照射とオゾン雰囲気の下で
は、変質はやむをえない。即ち、使用限界時間を超えて
長時間使用すると、ひびが入ったり、割れたり、硬度や
弾性が失われた状態(ぼろぼろ質状態)に変質してしま
うことはやむをえない。
【0015】このため作業者は、前記樹脂部が劣化して
ひびが入ったり割れたりする前に、あるいはひび割れて
しまった場合には、この搬送用ローラの交換を余儀なく
され、しかも、この搬送用ローラはUV洗浄装置内に一
つだけではなく、多数個配されているため、この交換は
非常に手間のかかる作業であり、例えば多数本架設した
支軸を一本一本取り外し、その取り外した一本に取り付
けてある複数個の搬送用ローラを更に取り外して、この
取り外したローラ体から更に劣化した樹脂部を取り除い
た後、新たな樹脂部を取り付けて、そしてまた所定位置
に戻すという非常に煩雑なものであった。
【0016】そこで本発明は、これら問題点に着目し、
たとえ長時間使用して樹脂部が劣化しても、あるいは劣
化する前に交換する場合においても、簡単に樹脂部の交
換が可能となり、極めてメンテナンス性が向上する画期
的なUV洗浄装置における搬送用ローラを提供すること
を目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。
【0018】被洗浄物1を搬入する洗浄室2内に紫外線
ランプ3を設け、この紫外線ランプ3の紫外線(UV)
照射によって有機物の分子鎖を分断し、ついでこの紫外
線ランプ3の紫外線(UV)照射によって洗浄室2内に
オゾンを発生させ、このオゾンの分解・生成反応過程の
酸化力の強い発生期の酸素(O)と有機物との反応によ
り被洗浄物1の表面有機物を除去するように構成したU
V洗浄装置aの前記洗浄室2内に前記被洗浄物1を搬入
若しくは搬出するため支軸4に設ける搬送用ローラであ
って、前記支軸4に設けるローラ体5に前記被洗浄物1
を支承する樹脂部6を外周に突出状態に設け、前記樹脂
部6は、中心孔6Bを有するリング状若しくはドーナツ
板状などの環状形状に構成し、この環状形状の樹脂部6
に分断部14を1ヵ所設けた構成、若しくは分断部14を複
数ヵ所設けて複数の分断樹脂部6Cにより全体として環
状形状となるように構成して、架設固定されている前記
支軸4を取り外さなくてもこの分断部14を介して支軸4
から前記樹脂部6を着脱し得るように構成したことを特
徴とするUV洗浄装置における搬送用ローラに係るもの
である。
【0019】また、前記ローラ体5は、軸受孔部9を有
する一対の金属製の挟持部10で構成し、前記ローラ体5
の前記挟持部10間に前記樹脂部6をこの樹脂部6の外周
部が前記挟持部10間から突出状態となるように挟持配設
してローラ体5に樹脂部6を外周に突出状態に設けた構
成としたことを特徴とする請求項1記載のUV洗浄装置
における搬送用ローラに係るものである。
【0020】また、前記一対の挟持部10に、この挟持部
10間に挟持配設する前記樹脂部6を締め付け挟持固定す
る樹脂部6挟持用締め付け手段13を設け、この挟持用締
め付け手段13を緩めることで前記樹脂部6を前記分断部
14を介して支軸4から着脱し得るように構成したことを
特徴とする請求項2記載のUV洗浄装置における搬送用
ローラに係るものである。
【0021】また、前記ローラ体5の少なくとも一方の
挟持部10に前記軸受孔部9に挿入した前記支軸4に締め
付け固定する支軸4取付用締め付け手段12を設け、この
支軸4に締め付け固定した一方の挟持部10に他方の挟持
部10を前記樹脂部6を挟持して樹脂部6挟持用締め付け
手段13で挟持固定するように構成し、この樹脂部6挟持
用締め付け手段13を緩めて他方の挟持部10を支軸4に沿
ってスライド移動し、この挟持部10間から樹脂部6を前
記分断部14を介して支軸4から着脱し得るように構成し
たことを特徴とする請求項2,3のいずれか1項に記載
のUV洗浄装置における搬送用ローラに係るものであ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】好適と考える本発明の実施の形態
(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてそ
の作用効果を示して簡単に説明する。
【0023】ローラ体5から突出状態に設けるリング状
若しくはドーナツ板状などの環状形状の樹脂部6は分断
部14を一ヶ所設けた構成若しくは分断部14を複数ヵ所設
けて複数の分断樹脂部6Cにより全体として環状形状と
なるように構成されている。
【0024】即ち、ローラ体5が支軸4に取り付けられ
たままの状態であっても、この樹脂部6は、被洗浄物1
を支承する環状形状であるけれども従来のように閉じた
環でなく、分断部14を介して環状形状となっているもの
であるから、その分断部14を介して支軸4から取り外す
ことができ、これにより搬送用ローラ11は通常使用する
所定位置にありながら、紫外線(UV)により劣化した
樹脂部6のみを簡単に交換できることとなる。
【0025】また、樹脂部6には複数の分断部14を設け
て複数の分断樹脂部6Cにより全体としてリング状若し
くはドーナツ板状などの環状形状となるように構成すれ
ば、搬送用ローラ11から樹脂部6を各分断樹脂部6Cご
とに取り外すことが可能となり、支軸4が架設されたま
までも、この樹脂部6を一層簡単に交換できる。
【0026】従って、メンテナンス性が極めて向上す
る。
【0027】しかも例えば、ローラ体5を一方の挟持部
10と他方の挟持部10とで樹脂部6を挟持用締め付け手段
13により挟持固定するように構成すれば、この挟持用締
め付け手段13を締め付け固定することで樹脂部6はロー
ラ体5に確固に挟持固定され、一方、この挟持用締め付
け手段13を単に緩み回動して、一方の挟持部10に対して
他方の挟持部10を少しだけスライド移動可能させるだけ
で、樹脂部6は挟持固定状態から開放状態となり、たと
えローラ体5が支軸4に取り付けられた状態であって
も、また、支軸4にローラ体5が取り付けたままであっ
ても、容易にこの分断部14を介して支軸4から樹脂部6
を着脱できるようにすることもできる。
【0028】
【実施例】本発明の具体的な実施例について図面に基づ
いて説明する。
【0029】本実施例では、被洗浄物1の搬送方向に沿
って多数の支軸4を回転自在に並設架設し、この支軸4
に前記被洗浄物1を支承する搬送用ローラ11を取り付け
固定して搬送機構を構成している。
【0030】この搬送用ローラ11は、紫外線(UV)の
照射を受け、またオゾン雰囲気中に配されるために、こ
の紫外線(UV)照射を長時間受けても劣化しないもの
を採用する必要があるが、本実施例では以下のように構
成している。
【0031】本実施例の搬送用ローラ11の本体であるロ
ーラ体5は、軸受孔部9を有する一対の金属製挟持部10
で構成し、この金属製の挟持部10間にドーナツ板形状に
形成した樹脂部6をこの樹脂部6の外周部を前記金属製
の挟持部10間から突出状態となるように挟持配設してロ
ーラ体5に樹脂部6を外周に突出状態に設けた構成とし
ている。
【0032】即ち、このローラ体5の一方の挟持部10
は、板状基体の一方側に筒状の軸受孔部9を一体突出形
成した構成とし、この一方の挟持部10には軸受孔部9に
挿入した前記支軸4に締め付け固定する支軸4取付用締
め付け手段12(一方の挟持部10の軸受孔部9に形成する
螺子孔12Aと取付用螺子12Bにより構成)を設け、この
支軸4に締め付け固定した一方の挟持部10に他方の軸受
孔部9を有する板状の挟持部10を前記樹脂部6を挟んで
樹脂部6挟持用締め付け手段13(一方の挟持部10に形成
する挿入孔13A,他方の挟持部10に形成する螺子孔13
B,挟持用螺子13Cにより構成)により挟持固定するよ
うに構成し、一方、この樹脂部6挟持用締め付け手段13
を緩めることで他方の挟持部10を支軸4に沿ってスライ
ド移動可能に構成している。
【0033】また、他方の挟持部10の内面には、周方向
に樹脂部6の位置ずれを防止するための凹設部15を設
け、樹脂部6の一側面上に形成する凸条部6Dが丁度係
止するように構成している。
【0034】即ち、搬送用ローラ11の本体となるローラ
体5は、秀れた剛性,耐久性(耐UV性能)を発揮する
金属で形成し、このローラ体5の外周に樹脂材を突出状
態に設けたことで、被洗浄物1を極めて傷つけにくい状
態で、搬送することができる構成としている。
【0035】また、本実施例の樹脂部6は、その素材を
ポリ四フッ化エチレン(PTFE)を用いて形成してお
り、耐UV性能を高めた構成としている。
【0036】また、この樹脂部6は、ドーナツ板形状に
形成し、この板厚の二倍以上の板長を有するように形成
し、更にこの樹脂部6の一側面上には、前述の位置ずれ
を防止するための凸条部6Dを設け、確固に前記ローラ
体5の挟持部10に挟持されると共に、より良好な耐UV
性能を発揮する構成としている。
【0037】従って、Oリング状とせず、肉厚より長い
板長を有するドーナツ板状とすることで耐UV性能を高
めると共に、被洗浄物1を支承する突出外周部6A以外
はできるだけ紫外線(UV)照射を受けないように剛性
や耐久性(耐UV性能)に秀れる金属製の挟持部10によ
り隠蔽状態に挟持固定されているため、秀れた耐久性
(耐UV性能)を発揮することとなる。
【0038】言いかえれば、金属製ローラ体5の外周部
より露出突出している樹脂部6の突出外周部6Aが紫外
線(UV)照射によって改質・改変してこの部分がもろ
くなっても、この樹脂部6は板材であり、金属製の挟持
部10により隠蔽状態に挟持固定されているため、改質や
変質はこの板材の縁部のみに留まり、圧縮強度も十分確
保できると共に、折れたり割れたりしにくいため、秀れ
た耐久性(耐UV性能)を発揮することとなる。
【0039】また、本実施例の樹脂部6は、中心孔6B
を有するドーナツ板状の環状形状に構成し、このドーナ
ツ板形状の樹脂部6に外周縁から中心孔6Bに至る分断
部14を一ヶ所設けた構成、若しくは分断部14を複数ヵ所
設けて複数の分断樹脂部6Cにより全体として環状形状
となるように構成して、架設固定されている前記支軸4
を取り外さなくてもこの分断部14を介して支軸4から前
記樹脂部6を着脱し得るように構成している。
【0040】具体的には、本実施例の樹脂部6は、対向
位置に分断部14(二ヶ所)を設けて略半円形状の二つの
分断樹脂部6Cによりドーナツ板形状の樹脂部6を形成
するように構成している。
【0041】従って、前記挟持用締め付け手段13を単に
緩み回動して、一方の挟持部10に対して他方の挟持部10
を少しだけスライド移動可能させるだけで、樹脂部6は
挟持固定状態から開放状態となり、たとえローラ体5が
支軸4に取り付けられた状態であっても、本実施例の樹
脂部6は被洗浄物1を支承する環状形状であるけれども
従来のように閉じた環でなく、分断部14を介して環状形
状となっているものであるから、たとえ支軸4にローラ
体5が取り付けたままであっても、容易にこの分断部14
を介して支軸4から樹脂部6を着脱できることとなる。
【0042】また、例えばこの分断部14を二ヶ所だけで
はなく、三ヶ所設けて、三つの分断樹脂部6Cで全体と
して環状形状の樹脂部6を形成しても良く、この場合も
樹脂部6を取り外す際には、単に挟持用締め付け手段13
を緩め回動するだけで、挟持部10はスライド移動して各
分断樹脂部6Cを簡単に取り外すことができる。
【0043】また、例えば同様に、分断部14を四ヶ所
(上下左右部)に設けても良い。しかし、このように分
断部14を多数ヵ所設けると、取り外すときは容易となる
が、取付ける場合には分断樹脂部6Cの数が増えれば増
えるほど、手間がかかるおそれがある。
【0044】また、一方、この分断部14を樹脂部6に一
ヶ所だけ設けても良い。
【0045】分断部14が一ヶ所の場合は、分断樹脂部6
Cに分割されてはいないため、この一ヶ所の分断部14を
介して支軸4から引き取らなければならず、二ヵ所以上
の場合に比べて、やや取り外しにくくなるが、取り付け
に際しては、分断部8の数が多い場合より容易となる。
【0046】従って、これらの点を考慮すると、挟持部
10に配する樹脂部6は、分断部14を一ヶ所若しくは二ヶ
所ないしは三ヶ所程度が最良といえる。
【0047】また、本実施例では、前述のように二ヵ所
の分断部14を設けて樹脂部6が二つの分断樹脂部6Cに
分離し得る構成としているが、位置ずれを生じなく、位
置決めが容易で分断部14に隙間が生じないようにして容
易に取り付けされるように、前述したように挟持部10の
内面に凹設部15を設け、この凹設部15に各分断樹脂部6
Cが係合して挟持部10間に挟持固定されるように構成し
ている。
【0048】また、図8に示す実施例のように、樹脂部
6に前記挟持用締め付け手段13の挟持用螺子13Cを挿通
する挿通孔13Dを設けて、この挟持用螺子13Cを挿通孔
13Dに挿通して螺子孔13Bに螺着することで、樹脂部6
は挟持部10間に脱落するおそれなく確実に挟持(固定)
されるように構成すれば、前述のように、挟持部10の内
面に凹設部15を形成することを要しないため、既存の内
面が平坦な挟持部10を使用できる。しかし、この場合
は、単に挟持用螺子13Cを緩めただけでは樹脂部6(分
断樹脂部6C)を取り外すことはできず、挿通孔13Dに
挿通したこの挟持用螺13Cを引き抜かなければ分断樹脂
部6Cを取り外せないこととなる。また、この点、この
図8の実施例では、三ヵ所の挿通孔13Dの一ヶ所にこの
挿通孔13Dを分断する分断部14を形成したため、この一
ヶ所の挟持用螺子13Cだけは引き抜かなくても、残りの
二ヵ所の挟持用螺子13Cを抜き取れば、各分断樹脂部6
Cを取り外せるように構成している。尚、各々の挿通孔
13Dに分断部14を設ければ、即ち、三ヵ所すべての挿通
孔13Dを分断する分断部14を設ければ、挟持用締め付け
手段13を緩めて挟持部10をスライドさせるだけで三つの
分断樹脂部6Cは取り外し可能となるが、取り付けの際
には、既存の内面が平坦な挟持部10を使用すると、位置
決めができないことから取り付けに手間がかかることと
なる。
【0049】また、本実施例の樹脂部6は、単なるポリ
四フッ化エチレン(PTFE)ではなく、このPTFE
をベースに充填材7(例えばマイカ,ガラス,カーボン
など)を所定量含有した樹脂材としている。従って、従
来に比べ使用耐久限界(寿命)が飛躍的に向上する構成
としている。
【0050】本実施例ではマイカ(SiO2・K・A
l)あるいはガラス(SiO2)あるいはカーボン
(C)をPTFE中に所定量入れた市販の充填材7入り
PTFEを採用した。
【0051】即ち、樹脂部6は、PTFEに無機質の微
細な粒状若しくは微細な棒状の固体を前記充填材7とし
て所定量含有した構成としている。
【0052】例えば、充填材7にマイカ(SiO2・K
・Al)を採用し、このマイカ(SiO2・K・Al)
をPTFE中に30重量%含有させたものは、PTFEの
みで形成したものが単位照度20mW/cm2でUV照射
した場合、およそ2000時間の使用を超えると著しく劣化
し、ひび割れてしまったり、硬度や弾性が失われたぼろ
ぼろ質状態に劣化するのに対し、同様の条件下でおよそ
8000時間使用してもその状態は使用前とほとんど変わら
ず(ひび割れも一切生じず、変質も全く生じず)、紫外
線(UV)による劣化は極めて小さく、ほとんど使用前
と変わらぬ状態を維持することができることを出願人が
繰り返し行った耐久実験により確認している。
【0053】つまり、例えば磨耗,曲げ,圧縮,熱膨張
などの耐久性を向上するために充填材7を入れ強化した
市販の充填材7入りPTFEをこのUV洗浄装置aの搬
送用ローラ11の樹脂部6として採用することで、紫外線
(UV)照射及びオゾン雰囲気中で被洗浄物1を長時間
搬入・搬出のために使用しても、即ち、UV照射を長時
間受けても、オゾン雰囲気中に長時間あっても、変質劣
化せず亀裂なども極めて生じ難い搬送用ローラを実現で
きる構成としている。
【0054】言いかえれば、例えば、この充填材7を微
細な粒状若しくは微細な棒状の固体として無機質のマイ
カ,ガラス,あるいはカーボンなどをPTFEに混入し
て成形した樹脂部6とすることで、図8に示すように、
この充填材7の周囲に多数(無数)の微細な空隙8が形
成され、PTFEの組織にPTFE単独のときにはなか
った数ミクロンオーダーの前記空隙8が多数(無数)散
在形成された組織構造とすることができる。
【0055】従って、おそらくUV照射を長時間受ける
ことで樹脂材が収縮するが、この多数の空隙8の存在に
よりこの収縮をこの空隙8が許容すると推測される。即
ち、この空隙8が収縮によって更に小さくなるだけで、
長時間UV照射を受けても変質しない。言いかえれば、
空隙8のない単なるPTFEの場合は、この収縮によっ
てぼろぼろ質に変質してしまい硬度と弾性が失われ亀裂
が生じることとなるが、本発明の充填材7入りPTFE
ではこの空隙8が組織に予め多数形成されているため、
長時間UV照射してもこの空隙8が収縮するだけです
み、変質が生じないものと推測される。
【0056】従って、本実施例の樹脂部6は、PTFE
中に数ミクロンオーダーの多数(無数)の空隙8を散在
形成し得る磨耗,曲げ,圧縮,熱膨張などの耐久性を向
上するための充填材7、具体的には無機質の微細な粒状
若しくは微細な棒状の固体の混入により、極めて秀れた
耐UV性能を発揮する。
【0057】即ち、本実施例では、できるだけ樹脂部6
にはUV耐久性の高いものを活用して交換回数を減らす
と共に、前記分断部14の形成により、樹脂部6の交換が
極めて容易となるように構成している。
【0058】尚、本実施例の図1,図2に示すUV洗浄
装置の構成について説明する。
【0059】本実施例のUV洗浄装置aは、紫外線ラン
プ3を多数並設した洗浄室2の両端に、(被洗浄物1と
しての)薄板状の大型基板1を多数並設した前記搬送用
ローラ11上に水平架設状態にして送り込み搬送する搬入
口16と搬出口17とを設け、この洗浄室2はこの搬入口16
と搬出口17を残して封止状態に構成している。
【0060】この搬入口16と搬出口17とを覆う外装室18
を夫々搬送方向に沿って連設状態に設け、この外装室18
に夫々搬入口16A,搬出口17Aを設け、被洗浄物1が前
記洗浄室2に搬入される場合は、搬入口16A,外装室1
8,搬入口16を順次通過して搬入され、紫外線洗浄後搬
出される場合は、搬出口17,外装室18,搬出口17Aを順
次通過して搬出されるように構成している。
【0061】更に具体的に説明すれば、本実施例では、
搬入口16Aと搬出口17Aとを有する(開閉上蓋19によっ
て開放可能な)搬入収納部内に前記搬入口16と搬出口17
とを残して仕切区画する仕切部20を突設して、この搬入
収納部内に前記洗浄室2とその左右に夫々前記外装室18
とを設けた構成とし、いわば従来の洗浄室2の搬入口16
と搬出口17の夫々の外側に更に補助室として外装室18を
連設し、いわゆる全体として二重室構造に構成してい
る。
【0062】そしてこのような二重室構造とした上で従
来例のように搬入搬出口16,17から外部へ多量に漏れる
ことを恐れて洗浄室2からオゾン雰囲気を直接強力に排
気する構成とせずに、洗浄室2はあくまでオゾン雰囲気
が十分に充満できる構成とし、この洗浄室2の搬入口1
6,搬出口17から一旦必ず外装室18に漏れ出るオゾン雰
囲気を排気するように外装室18に排気部21を設けてい
る。
【0063】従って、本装置aの周囲に漏れ出ないよう
に洗浄室2の外側の外装室18から排気するため、紫外線
ランプ3によって生じるオゾン雰囲気が洗浄室2を充満
した上で洗浄室2外の外装室18へ漏れ出て、本装置a周
囲に漏らすことなくこの外装室18内で排気するため、本
装置aの設置周囲に漏れ出ないように洗浄室2内から直
接強力に排気する従来例とは異なり、洗浄室2内のオゾ
ン濃度を高く保持することができることとなる。
【0064】即ち、本装置aの設置周囲のオゾン雰囲気
漏れを従来例よりも完全に防止できる上、前記洗浄室2
内のオゾン濃度は、従来例に比して同じUV照射量であ
っても高く保持できることとなる。
【0065】本実施例においては、洗浄室2内にオゾン
濃度検知装置22(オゾンチェックポート)を所定間隔を
置いて多数並設し、このオゾン濃度検知装置22に基づ
き、洗浄室2内のオゾン濃度の微調整や不均一な場合の
濃度分布調整のために、外装室18だけでなく洗浄室2内
にもオゾン雰囲気を排気する濃度分布調整用の排気部23
を複数か所に配設し、この各排気部23を前記オゾン濃度
検知装置22に基づきコンピュータ制御作動させてオゾン
濃度が洗浄室2内で均一となるように構成している。
【0066】また、前記外装室18の前記排気部21からの
排気によって前記外装室18の搬入口16A並びに搬出口17
Aから外気が吸入されるため、いわゆるエアカーテンが
生じて、前記外装室18外の前記本装置aの設置周囲へこ
の搬入口16A並びに搬出口17Aから外装室18内のオゾン
雰囲気が確実にシャットアウトされる。
【0067】以上のように本実施例では、二重室構造ゆ
えにUV洗浄装置aの周囲へのオゾン雰囲気漏れを防止
でき周囲環境を悪化させることがない上、本実施例での
仕切部20を有しなく外装室18を有しない従来例では、洗
浄室2内のオゾン濃度が20〜40PPMでしかも不均
一であるのに対し、本実施例では同じ紫外線の累積照度
に対して100〜150PPMと洗浄室2内を高いオゾ
ン濃度に保持でき、接触角を約1.5倍小さくでき、し
かも均一な濃度となり洗浄効果が飛躍的に向上したこと
が確認できた。しかも、前述のように本実施例ではオゾ
ン濃度検知装置22によって検知しつつ複数配設した洗浄
室2内の排気部23による排気調整によって一層洗浄室2
内のオゾン濃度分布を均一化できるため、極めて高い洗
浄能力が発揮されることとなる。
【0068】また、そのため高価な大出力ランプや紫外
線照射時間を長くする必要がないため、製作コストやラ
ンニングコストの削減を図ることも可能となる。
【0069】また、本実施例の紫外線ランプ3は、低圧
水銀ランプを使用し、処理温度をIRヒータによって1
00〜250℃とし、洗浄室2内のオゾン濃度を500
〜1000PPMとし、例えば数百mm角の大型基板を
UV照射,高濃度オゾン,温度加熱の相乗効果によって
良好な乾式洗浄ができるように構成している。
【0070】尚、図中符号24は温度検知装置(温度チェ
ックポート)である。
【0071】尚、本発明は、本実施例に限られるもので
はなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るもの
である。
【0072】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したから、た
とえ長時間使用して樹脂部が劣化しても、あるいは劣化
する前に交換する場合においても、簡単に樹脂部の交換
が可能となり、極めてメンテナンス性が向上する画期的
なUV洗浄装置における搬送用ローラとなる。
【0073】即ち、ローラ体が支軸に取り付けられたま
まの状態であっても、この樹脂部は、被洗浄物を支承す
る環状形状であるけれども従来のように閉じた環でな
く、分断部を介して環状形状となっているものであるか
ら、その分断部を介して支軸から取り外すことができ、
これにより搬送用ローラは通常使用する所定位置にあり
ながら、紫外線(UV)により劣化した樹脂部のみを簡
単に交換できることとなるUV洗浄装置における搬送用
ローラとなる。
【0074】また、請求項2記載の発明においては、ロ
ーラ体を一対の剛性,耐久性(耐UV性能)に秀れる金
属製挟持部で形成し、この挟持部間に樹脂部を突出状態
に挟持配設する構成としたことで、耐UV性能を高める
と共に被洗浄物を極めて傷つけにくいUV洗浄装置にお
ける搬送用ローラとなる。
【0075】また、請求項3,4記載の発明において
は、樹脂部挟持用締め付け手段を少しだけ緩み回動する
だけで、たとえローラ体が支軸に取り付けられた状態で
あっても、また、支軸にローラ体が取り付けたままであ
っても、一層容易にこの分断部を介して支軸から樹脂部
を着脱できるUV洗浄装置における搬送用ローラとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のUV洗浄装置の概略構成説明図であ
る。
【図2】本実施例のUV洗浄装置の洗浄室並びに外装室
を蓋を持ち上げて開放した状態での説明斜視図である。
【図3】本実施例の分解説明斜視図である。
【図4】本実施例の使用状態を示す説明斜視図である。
【図5】本実施例の使用状態を示す説明断面図である。
【図6】本実施例の一部を切欠いた説明拡大斜視図であ
る。
【図7】本実施例の挟持用締め付け手段を緩めて一方の
挟持部に対して他方の挟持部を少しスライド移動させた
開放状態を示す(樹脂部を形成する二つの分断樹脂部を
取り外すことを示す)一部を切欠いた説明拡大斜視図で
ある。
【図8】本実施例の樹脂部に挟持用螺子を挿通する挿通
孔を設け、既存のローラ体を使用することができること
を示す分解説明斜視図である。
【符号の説明】
1 被洗浄物 2 洗浄室 3 紫外線ランプ 4 支軸 5 ローラ体 6 樹脂部 6B 中心孔 6C 分断樹脂部 9 軸受孔部 10 挟持部 12 取付用締め付け手段 13 挟持用締め付け手段 14 分断部 a UV洗浄装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年12月14日(2001.12.
14)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 UV洗浄装置における搬送用ローラ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば液晶,カラ
ーフィルタ,PDPなどの基盤を洗浄するUV洗浄装置
における搬送用ローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】電子機
器部品などでは非常に高い洗浄度が要求されている。汚
れを大別すると塵,切粉などの無機質と、切削油,フラ
ックス,指紋などの有機質とに分けられ、この無機質の
汚れは、主に水洗浄によって取り除くことができるが、
有機質の汚れは、水洗浄では完全に取り除けないため、
水,溶剤などで事前に洗浄してから紫外線洗浄による精
密洗浄が行われている。
【0003】即ち、この紫外線洗浄を行うUV洗浄装置
を、例えば製作ラインに配置し、精密洗浄を行ってい
る。
【0004】この紫外線洗浄は、簡単に説明すると、こ
の紫外線ランプの紫外線(UV)照射によって有機物の
分子鎖を分断し、ついでこの紫外線ランプの紫外線(U
V)照射によって洗浄室内にオゾンを発生させ、このオ
ゾンの分解・生成反応過程の酸化力の強い発生期の酸素
(O)と有機物との反応により被洗浄物の表面有機物を
蒸発気化させて洗浄するもので、乾式洗浄とも称されて
いる。
【0005】従来のこのようなUV洗浄装置は、例えば
図1に示すように、被洗浄物1(例えばカラーフィルタ
などの基板)を搬入口16から紫外線ランプ3を複数並設
したUV洗浄室2内に搬入し、洗浄後反対側の搬出口17
より搬出する構成で、順次搬送機構により被洗浄物1た
る基板1を送り込み紫外線洗浄するように構成してい
る。
【0006】従来のこのようなUV洗浄装置は、一般に
被洗浄物1の搬送方向に沿って多数の支軸4を回転自在
に並設架設し、この支軸4に前記被洗浄物1を支承する
多数の搬送用ローラ11を取り付けて前記搬送機構を構成
している。
【0007】この搬送用ローラは、紫外線(UV)の照
射を受け、またオゾン雰囲気中に配されるために、この
紫外線照射を長時間受けても劣化しにくいものを採用す
る必要がある。
【0008】しかし、例えば、搬送用ローラを単にステ
ンレスなどのオール金属製とすると、金属製のローラ外
周部で被洗浄物を支承することになり、この外周面にゴ
ミや塵などの異物が介在すると被洗浄物を傷つけるおそ
れがある。
【0009】即ち、例えば、被洗浄物としてガラス基板
を支承搬送する場合に、ガラス粉がローラ外周面に付着
していると、基板裏面をこのローラによって傷つけるお
それがある。
【0010】そこで、本出願人は、金属製のローラ体の
外周面の周方向に係合溝を形成し、この係合溝に外周部
がやや突出するように断面円形のOリング状の樹脂製支
承部材を係合してローラ体に樹脂部を設けた構成の搬送
用ローラを開発した。
【0011】そして更に耐久性を向上させるため、この
樹脂部を板厚より半径方向に長い板長を有するドーナツ
板形状とし、これを金属製の挟持部で外周よりやや突出
した状態で挟持する構成とした搬送用ローラ(特願平10
-186939)を開発した。
【0012】このように構成することで本体(ローラ
体)は金属製であるため、剛性や耐久性(耐UV性能)
に秀れると共に、被搬送物はローラ体の外周部よりやや
突出した樹脂部により支承されるため、被搬送物に傷を
付けにくい構成となる。
【0013】また、この樹脂部は紫外線照射を受けても
改質・変質が少なく耐UV性能の高いポリ四フッ化エチ
レン(PTFE)(例えば商品名テフロンと称されて市
販されている樹脂)を採用している。
【0014】しかしながら、耐UV性能に秀れた樹脂を
採用しても、また、更に耐久性に秀れたドーナツ板形状
としても、あるいは更に耐UV性能に秀れた樹脂に改良
したとしても、長時間のUV照射とオゾン雰囲気の下で
は、変質はやむをえない。即ち、使用限界時間を超えて
長時間使用すると、ひびが入ったり、割れたり、硬度や
弾性が失われた状態(ぼろぼろ質状態)に変質してしま
うことはやむをえない。
【0015】このため作業者は、前記樹脂部が劣化して
ひびが入ったり割れたりする前に、あるいはひび割れて
しまった場合には、この搬送用ローラの交換を余儀なく
され、しかも、この搬送用ローラはUV洗浄装置内に一
つだけではなく、多数個配されているため、この交換は
非常に手間のかかる作業であり、例えば多数本架設した
支軸を一本一本取り外し、その取り外した一本に取り付
けてある複数個の搬送用ローラを更に取り外して、この
取り外したローラ体から更に劣化した樹脂部を取り除い
た後、新たな樹脂部を取り付けて、そしてまた所定位置
に戻すという非常に煩雑なものであった。
【0016】そこで本発明は、これら問題点に着目し、
たとえ長時間使用して樹脂部が劣化しても、あるいは劣
化する前に交換する場合においても、簡単に樹脂部の交
換が可能となり、極めてメンテナンス性が向上する画期
的なUV洗浄装置における搬送用ローラを提供すること
を目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。
【0018】被洗浄物1を搬入する洗浄室2内に紫外線
ランプ3を設け、この紫外線ランプ3の紫外線(UV)
照射によって有機物の分子鎖を分断し、ついでこの紫外
線ランプ3の紫外線(UV)照射によって洗浄室2内に
オゾンを発生させ、このオゾンの分解・生成反応過程の
酸化力の強い発生期の酸素(O)と有機物との反応によ
り被洗浄物1の表面有機物を除去するように構成したU
V洗浄装置aの前記洗浄室2内に前記被洗浄物1を搬入
若しくは搬出するため支軸4に設ける搬送用ローラであ
って、前記支軸4に設けるローラ体5に前記被洗浄物1
を支承する樹脂部6を外周に突出状態に設け、前記樹脂
部6は、中心孔6Bを有するリング状若しくはドーナツ
板状などの環状形状に構成し、この環状形状の樹脂部6
に分断部14を1ヵ所設けた構成、若しくは分断部14を複
数ヵ所設けて複数の分断樹脂部6Cにより全体として環
状形状となるように構成して、架設固定されている前記
支軸4を取り外さなくてもこの分断部14を介して支軸4
から前記樹脂部6を着脱し得るように構成したことを特
徴とするUV洗浄装置における搬送用ローラに係るもの
である。
【0019】また、前記ローラ体5は、軸受孔部9を有
する一対の金属製の挟持部10で構成し、前記ローラ体5
の前記挟持部10間に前記樹脂部6をこの樹脂部6の外周
部が前記挟持部10間から突出状態となるように挟持配設
してローラ体5に樹脂部6を外周に突出状態に設けた構
成としたことを特徴とする請求項1記載のUV洗浄装置
における搬送用ローラに係るものである。
【0020】また、前記一対の挟持部10に、この挟持部
10間に挟持配設する前記樹脂部6を締め付け挟持固定す
る樹脂部6挟持用締め付け手段13を設け、この挟持用締
め付け手段13を緩めることで前記樹脂部6を前記分断部
14を介して支軸4から着脱し得るように構成したことを
特徴とする請求項2記載のUV洗浄装置における搬送用
ローラに係るものである。
【0021】また、前記ローラ体5の少なくとも一方の
挟持部10に前記軸受孔部9に挿入した前記支軸4に締め
付け固定する支軸4取付用締め付け手段12を設け、この
支軸4に締め付け固定した一方の挟持部10に他方の挟持
部10を前記樹脂部6を挟持して樹脂部6挟持用締め付け
手段13で挟持固定するように構成し、この樹脂部6挟持
用締め付け手段13を緩めて他方の挟持部10を支軸4に沿
ってスライド移動し、この挟持部10間から樹脂部6を前
記分断部14を介して支軸4から着脱し得るように構成し
たことを特徴とする請求項2,3のいずれか1項に記載
のUV洗浄装置における搬送用ローラに係るものであ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】好適と考える本発明の実施の形態
(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてそ
の作用効果を示して簡単に説明する。
【0023】ローラ体5から突出状態に設けるリング状
若しくはドーナツ板状などの環状形状の樹脂部6は分断
部14を一ヶ所設けた構成若しくは分断部14を複数ヵ所設
けて複数の分断樹脂部6Cにより全体として環状形状と
なるように構成されている。
【0024】即ち、ローラ体5が支軸4に取り付けられ
たままの状態であっても、この樹脂部6は、被洗浄物1
を支承する環状形状であるけれども従来のように閉じた
環でなく、分断部14を介して環状形状となっているもの
であるから、その分断部14を介して支軸4から取り外す
ことができ、これにより搬送用ローラ11は通常使用する
所定位置にありながら、紫外線(UV)により劣化した
樹脂部6のみを簡単に交換できることとなる。
【0025】また、樹脂部6には複数の分断部14を設け
て複数の分断樹脂部6Cにより全体としてリング状若し
くはドーナツ板状などの環状形状となるように構成すれ
ば、搬送用ローラ11から樹脂部6を各分断樹脂部6Cご
とに取り外すことが可能となり、支軸4が架設されたま
までも、この樹脂部6を一層簡単に交換できる。
【0026】従って、メンテナンス性が極めて向上す
る。
【0027】しかも例えば、ローラ体5を一方の挟持部
10と他方の挟持部10とで樹脂部6を挟持用締め付け手段
13により挟持固定するように構成すれば、この挟持用締
め付け手段13を締め付け固定することで樹脂部6はロー
ラ体5に確固に挟持固定され、一方、この挟持用締め付
け手段13を単に緩み回動して、一方の挟持部10に対して
他方の挟持部10を少しだけスライド移動可能させるだけ
で、樹脂部6は挟持固定状態から開放状態となり、たと
えローラ体5が支軸4に取り付けられた状態であって
も、また、支軸4にローラ体5が取り付けたままであっ
ても、容易にこの分断部14を介して支軸4から樹脂部6
を着脱できるようにすることもできる。
【0028】
【実施例】本発明の具体的な実施例について図面に基づ
いて説明する。
【0029】本実施例では、被洗浄物1の搬送方向に沿
って多数の支軸4を回転自在に並設架設し、この支軸4
に前記被洗浄物1を支承する搬送用ローラ11を取り付け
固定して搬送機構を構成している。
【0030】この搬送用ローラ11は、紫外線(UV)の
照射を受け、またオゾン雰囲気中に配されるために、こ
の紫外線(UV)照射を長時間受けても劣化しないもの
を採用する必要があるが、本実施例では以下のように構
成している。
【0031】本実施例の搬送用ローラ11の本体であるロ
ーラ体5は、軸受孔部9を有する一対の金属製挟持部10
で構成し、この金属製の挟持部10間にドーナツ板形状に
形成した樹脂部6をこの樹脂部6の外周部を前記金属製
の挟持部10間から突出状態となるように挟持配設してロ
ーラ体5に樹脂部6を外周に突出状態に設けた構成とし
ている。
【0032】即ち、このローラ体5の一方の挟持部10
は、板状基体の一方側に筒状の軸受孔部9を一体突出形
成した構成とし、この一方の挟持部10には軸受孔部9に
挿入した前記支軸4に締め付け固定する支軸4取付用締
め付け手段12(一方の挟持部10の軸受孔部9に形成する
螺子孔12Aと取付用螺子12Bにより構成)を設け、この
支軸4に締め付け固定した一方の挟持部10に他方の軸受
孔部9を有する板状の挟持部10を前記樹脂部6を挟んで
樹脂部6挟持用締め付け手段13(一方の挟持部10に形成
する挿入孔13A,他方の挟持部10に形成する螺子孔13
B,挟持用螺子13Cにより構成)により挟持固定するよ
うに構成し、一方、この樹脂部6挟持用締め付け手段13
を緩めることで他方の挟持部10を支軸4に沿ってスライ
ド移動可能に構成している。
【0033】また、他方の挟持部10の内面には、周方向
に樹脂部6の位置ずれを防止するための凹設部15を設
け、樹脂部6の一側面上に形成する凸条部6Dが丁度係
止するように構成している。
【0034】即ち、搬送用ローラ11の本体となるローラ
体5は、秀れた剛性,耐久性(耐UV性能)を発揮する
金属で形成し、このローラ体5の外周に樹脂材を突出状
態に設けたことで、被洗浄物1を極めて傷つけにくい状
態で、搬送することができる構成としている。
【0035】また、本実施例の樹脂部6は、その素材を
ポリ四フッ化エチレン(PTFE)を用いて形成してお
り、耐UV性能を高めた構成としている。
【0036】また、この樹脂部6は、ドーナツ板形状に
形成し、この板厚の二倍以上の板長を有するように形成
し、更にこの樹脂部6の一側面上には、前述の位置ずれ
を防止するための凸条部6Dを設け、確固に前記ローラ
体5の挟持部10に挟持されると共に、より良好な耐UV
性能を発揮する構成としている。
【0037】従って、Oリング状とせず、肉厚より長い
板長を有するドーナツ板状とすることで耐UV性能を高
めると共に、被洗浄物1を支承する突出外周部6A以外
はできるだけ紫外線(UV)照射を受けないように剛性
や耐久性(耐UV性能)に秀れる金属製の挟持部10によ
り隠蔽状態に挟持固定されているため、秀れた耐久性
(耐UV性能)を発揮することとなる。
【0038】言いかえれば、金属製ローラ体5の外周部
より露出突出している樹脂部6の突出外周部6Aが紫外
線(UV)照射によって改質・改変してこの部分がもろ
くなっても、この樹脂部6は板材であり、金属製の挟持
部10により隠蔽状態に挟持固定されているため、改質や
変質はこの板材の縁部のみに留まり、圧縮強度も十分確
保できると共に、折れたり割れたりしにくいため、秀れ
た耐久性(耐UV性能)を発揮することとなる。
【0039】また、本実施例の樹脂部6は、中心孔6B
を有するドーナツ板状の環状形状に構成し、このドーナ
ツ板形状の樹脂部6に外周縁から中心孔6Bに至る分断
部14を一ヶ所設けた構成、若しくは分断部14を複数ヵ所
設けて複数の分断樹脂部6Cにより全体として環状形状
となるように構成して、架設固定されている前記支軸4
を取り外さなくてもこの分断部14を介して支軸4から前
記樹脂部6を着脱し得るように構成している。
【0040】具体的には、本実施例の樹脂部6は、対向
位置に分断部14(二ヶ所)を設けて略半円形状の二つの
分断樹脂部6Cによりドーナツ板形状の樹脂部6を形成
するように構成している。
【0041】従って、前記挟持用締め付け手段13を単に
緩み回動して、一方の挟持部10に対して他方の挟持部10
を少しだけスライド移動可能させるだけで、樹脂部6は
挟持固定状態から開放状態となり、たとえローラ体5が
支軸4に取り付けられた状態であっても、本実施例の樹
脂部6は被洗浄物1を支承する環状形状であるけれども
従来のように閉じた環でなく、分断部14を介して環状形
状となっているものであるから、たとえ支軸4にローラ
体5が取り付けたままであっても、容易にこの分断部14
を介して支軸4から樹脂部6を着脱できることとなる。
【0042】また、例えばこの分断部14を二ヶ所だけで
はなく、三ヶ所設けて、三つの分断樹脂部6Cで全体と
して環状形状の樹脂部6を形成しても良く、この場合も
樹脂部6を取り外す際には、単に挟持用締め付け手段13
を緩め回動するだけで、挟持部10はスライド移動して各
分断樹脂部6Cを簡単に取り外すことができる。
【0043】また、例えば同様に、分断部14を四ヶ所
(上下左右部)に設けても良い。しかし、このように分
断部14を多数ヵ所設けると、取り外すときは容易となる
が、取付ける場合には分断樹脂部6Cの数が増えれば増
えるほど、手間がかかるおそれがある。
【0044】また、一方、この分断部14を樹脂部6に一
ヶ所だけ設けても良い。
【0045】分断部14が一ヶ所の場合は、分断樹脂部6
Cに分割されてはいないため、この一ヶ所の分断部14を
介して支軸4から引き取らなければならず、二ヵ所以上
の場合に比べて、やや取り外しにくくなるが、取り付け
に際しては、分断部14の数が多い場合より容易となる。
【0046】従って、これらの点を考慮すると、挟持部
10に配する樹脂部6は、分断部14を一ヶ所若しくは二ヶ
所ないしは三ヶ所程度が最良といえる。
【0047】また、本実施例では、前述のように二ヵ所
の分断部14を設けて樹脂部6が二つの分断樹脂部6Cに
分離し得る構成としているが、位置ずれを生じなく、位
置決めが容易で分断部14に隙間が生じないようにして容
易に取り付けされるように、前述したように挟持部10の
内面に凹設部15を設け、この凹設部15に各分断樹脂部6
Cが係合して挟持部10間に挟持固定されるように構成し
ている。
【0048】また、図8に示す実施例のように、樹脂部
6に前記挟持用締め付け手段13の挟持用螺子13Cを挿通
する挿通孔13Dを設けて、この挟持用螺子13Cを挿通孔
13Dに挿通して螺子孔13Bに螺着することで、樹脂部6
は挟持部10間に脱落するおそれなく確実に挟持(固定)
されるように構成すれば、前述のように、挟持部10の内
面に凹設部15を形成することを要しないため、既存の内
面が平坦な挟持部10を使用できる。しかし、この場合
は、単に挟持用螺子13Cを緩めただけでは樹脂部6(分
断樹脂部6C)を取り外すことはできず、挿通孔13Dに
挿通したこの挟持用螺13Cを引き抜かなければ分断樹脂
部6Cを取り外せないこととなる。また、この点、この
図8の実施例では、三ヵ所の挿通孔13Dの一ヶ所にこの
挿通孔13Dを分断する分断部14を形成したため、この一
ヶ所の挟持用螺子13Cだけは引き抜かなくても、残りの
二ヵ所の挟持用螺子13Cを抜き取れば、各分断樹脂部6
Cを取り外せるように構成している。尚、各々の挿通孔
13Dに分断部14を設ければ、即ち、三ヵ所すべての挿通
孔13Dを分断する分断部14を設ければ、挟持用締め付け
手段13を緩めて挟持部10をスライドさせるだけで三つの
分断樹脂部6Cは取り外し可能となるが、取り付けの際
には、既存の内面が平坦な挟持部10を使用すると、位置
決めができないことから取り付けに手間がかかることと
なる。
【0049】また、本実施例の樹脂部6は、単なるポリ
四フッ化エチレン(PTFE)ではなく、このPTFE
をベースに充填材(例えばマイカ,ガラス,カーボンな
ど)を所定量含有した樹脂材としている。従って、従来
に比べ使用耐久限界(寿命)が飛躍的に向上する構成と
している。
【0050】本実施例ではマイカ(SiO2・K・A
l)あるいはガラス(SiO2)あるいはカーボン
(C)をPTFE中に所定量入れた市販の充填材入りP
TFEを採用した。
【0051】即ち、樹脂部6は、PTFEに無機質の微
細な粒状若しくは微細な棒状の固体を前記充填材として
所定量含有した構成としている。
【0052】例えば、充填材にマイカ(SiO2・K・
Al)を採用し、このマイカ(SiO2・K・Al)を
PTFE中に30重量%含有させたものは、PTFEのみ
で形成したものが単位照度20mW/cm2でUV照射し
た場合、およそ2000時間の使用を超えると著しく劣化
し、ひび割れてしまったり、硬度や弾性が失われたぼろ
ぼろ質状態に劣化するのに対し、同様の条件下でおよそ
8000時間使用してもその状態は使用前とほとんど変わら
ず(ひび割れも一切生じず、変質も全く生じず)、紫外
線(UV)による劣化は極めて小さく、ほとんど使用前
と変わらぬ状態を維持することができることを出願人が
繰り返し行った耐久実験により確認している。
【0053】つまり、例えば磨耗,曲げ,圧縮,熱膨張
などの耐久性を向上するために充填材を入れ強化した市
販の充填材入りPTFEをこのUV洗浄装置aの搬送用
ローラ11の樹脂部6として採用することで、紫外線(U
V)照射及びオゾン雰囲気中で被洗浄物1を長時間搬入
・搬出のために使用しても、即ち、UV照射を長時間受
けても、オゾン雰囲気中に長時間あっても、変質劣化せ
ず亀裂なども極めて生じ難い搬送用ローラを実現できる
構成としている。
【0054】言いかえれば、例えば、この充填材を微細
な粒状若しくは微細な棒状の固体として無機質のマイ
カ,ガラス,あるいはカーボンなどをPTFEに混入し
て成形した樹脂部6とすることで、この充填材の周囲に
多数(無数)の微細な空隙が形成され、PTFEの組織
にPTFE単独のときにはなかった数ミクロンオーダー
の前記空隙が多数(無数)散在形成された組織構造とす
ることができる。
【0055】従って、おそらくUV照射を長時間受ける
ことで樹脂材が収縮するが、この多数の空隙の存在によ
りこの収縮をこの空隙が許容すると推測される。即ち、
この空隙が収縮によって更に小さくなるだけで、長時間
UV照射を受けても変質しない。言いかえれば、空隙の
ない単なるPTFEの場合は、この収縮によってぼろぼ
ろ質に変質してしまい硬度と弾性が失われ亀裂が生じる
こととなるが、本発明の充填材入りPTFEではこの空
隙が組織に予め多数形成されているため、長時間UV照
射してもこの空隙が収縮するだけですみ、変質が生じな
いものと推測される。
【0056】従って、本実施例の樹脂部6は、PTFE
中に数ミクロンオーダーの多数(無数)の空隙を散在形
成し得る磨耗,曲げ,圧縮,熱膨張などの耐久性を向上
するための充填材、具体的には無機質の微細な粒状若し
くは微細な棒状の固体の混入により、極めて秀れた耐U
V性能を発揮する。
【0057】即ち、本実施例では、できるだけ樹脂部6
にはUV耐久性の高いものを活用して交換回数を減らす
と共に、前記分断部14の形成により、樹脂部6の交換が
極めて容易となるように構成している。
【0058】尚、本実施例の図1,図2に示すUV洗浄
装置の構成について説明する。
【0059】本実施例のUV洗浄装置aは、紫外線ラン
プ3を多数並設した洗浄室2の両端に、(被洗浄物1と
しての)薄板状の大型基板1を多数並設した前記搬送用
ローラ11上に水平架設状態にして送り込み搬送する搬入
口16と搬出口17とを設け、この洗浄室2はこの搬入口16
と搬出口17を残して封止状態に構成している。
【0060】この搬入口16と搬出口17とを覆う外装室18
を夫々搬送方向に沿って連設状態に設け、この外装室18
に夫々搬入口16A,搬出口17Aを設け、被洗浄物1が前
記洗浄室2に搬入される場合は、搬入口16A,外装室1
8,搬入口16を順次通過して搬入され、紫外線洗浄後搬
出される場合は、搬出口17,外装室18,搬出口17Aを順
次通過して搬出されるように構成している。
【0061】更に具体的に説明すれば、本実施例では、
搬入口16Aと搬出口17Aとを有する(開閉上蓋19によっ
て開放可能な)搬入収納部内に前記搬入口16と搬出口17
とを残して仕切区画する仕切部20を突設して、この搬入
収納部内に前記洗浄室2とその左右に夫々前記外装室18
とを設けた構成とし、いわば従来の洗浄室2の搬入口16
と搬出口17の夫々の外側に更に補助室として外装室18を
連設し、いわゆる全体として二重室構造に構成してい
る。
【0062】そしてこのような二重室構造とした上で従
来例のように搬入搬出口16,17から外部へ多量に漏れる
ことを恐れて洗浄室2からオゾン雰囲気を直接強力に排
気する構成とせずに、洗浄室2はあくまでオゾン雰囲気
が十分に充満できる構成とし、この洗浄室2の搬入口1
6,搬出口17から一旦必ず外装室18に漏れ出るオゾン雰
囲気を排気するように外装室18に排気部21を設けてい
る。
【0063】従って、本装置aの周囲に漏れ出ないよう
に洗浄室2の外側の外装室18から排気するため、紫外線
ランプ3によって生じるオゾン雰囲気が洗浄室2を充満
した上で洗浄室2外の外装室18へ漏れ出て、本装置a周
囲に漏らすことなくこの外装室18内で排気するため、本
装置aの設置周囲に漏れ出ないように洗浄室2内から直
接強力に排気する従来例とは異なり、洗浄室2内のオゾ
ン濃度を高く保持することができることとなる。
【0064】即ち、本装置aの設置周囲のオゾン雰囲気
漏れを従来例よりも完全に防止できる上、前記洗浄室2
内のオゾン濃度は、従来例に比して同じUV照射量であ
っても高く保持できることとなる。
【0065】本実施例においては、洗浄室2内にオゾン
濃度検知装置22(オゾンチェックポート)を所定間隔を
置いて多数並設し、このオゾン濃度検知装置22に基づ
き、洗浄室2内のオゾン濃度の微調整や不均一な場合の
濃度分布調整のために、外装室18だけでなく洗浄室2内
にもオゾン雰囲気を排気する濃度分布調整用の排気部23
を複数か所に配設し、この各排気部23を前記オゾン濃度
検知装置22に基づきコンピュータ制御作動させてオゾン
濃度が洗浄室2内で均一となるように構成している。
【0066】また、前記外装室18の前記排気部21からの
排気によって前記外装室18の搬入口16A並びに搬出口17
Aから外気が吸入されるため、いわゆるエアカーテンが
生じて、前記外装室18外の前記本装置aの設置周囲へこ
の搬入口16A並びに搬出口17Aから外装室18内のオゾン
雰囲気が確実にシャットアウトされる。
【0067】以上のように本実施例では、二重室構造ゆ
えにUV洗浄装置aの周囲へのオゾン雰囲気漏れを防止
でき周囲環境を悪化させることがない上、本実施例での
仕切部20を有しなく外装室18を有しない従来例では、洗
浄室2内のオゾン濃度が20〜40PPMでしかも不均
一であるのに対し、本実施例では同じ紫外線の累積照度
に対して100〜150PPMと洗浄室2内を高いオゾ
ン濃度に保持でき、接触角を約1.5倍小さくでき、し
かも均一な濃度となり洗浄効果が飛躍的に向上したこと
が確認できた。しかも、前述のように本実施例ではオゾ
ン濃度検知装置22によって検知しつつ複数配設した洗浄
室2内の排気部23による排気調整によって一層洗浄室2
内のオゾン濃度分布を均一化できるため、極めて高い洗
浄能力が発揮されることとなる。
【0068】また、そのため高価な大出力ランプや紫外
線照射時間を長くする必要がないため、製作コストやラ
ンニングコストの削減を図ることも可能となる。
【0069】また、本実施例の紫外線ランプ3は、低圧
水銀ランプを使用し、処理温度をIRヒータによって1
00〜250℃とし、洗浄室2内のオゾン濃度を500
〜1000PPMとし、例えば数百mm角の大型基板を
UV照射,高濃度オゾン,温度加熱の相乗効果によって
良好な乾式洗浄ができるように構成している。
【0070】尚、図中符号24は温度検知装置(温度チェ
ックポート)である。
【0071】尚、本発明は、本実施例に限られるもので
はなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るもの
である。
【0072】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したから、た
とえ長時間使用して樹脂部が劣化しても、あるいは劣化
する前に交換する場合においても、簡単に樹脂部の交換
が可能となり、極めてメンテナンス性が向上する画期的
なUV洗浄装置における搬送用ローラとなる。
【0073】即ち、ローラ体が支軸に取り付けられたま
まの状態であっても、この樹脂部は、被洗浄物を支承す
る環状形状であるけれども従来のように閉じた環でな
く、分断部を介して環状形状となっているものであるか
ら、その分断部を介して支軸から取り外すことができ、
これにより搬送用ローラは通常使用する所定位置にあり
ながら、紫外線(UV)により劣化した樹脂部のみを簡
単に交換できることとなるUV洗浄装置における搬送用
ローラとなる。
【0074】また、請求項2記載の発明においては、ロ
ーラ体を一対の剛性,耐久性(耐UV性能)に秀れる金
属製挟持部で形成し、この挟持部間に樹脂部を突出状態
に挟持配設する構成としたことで、耐UV性能を高める
と共に被洗浄物を極めて傷つけにくいUV洗浄装置にお
ける搬送用ローラとなる。
【0075】また、請求項3,4記載の発明において
は、樹脂部挟持用締め付け手段を少しだけ緩み回動する
だけで、たとえローラ体が支軸に取り付けられた状態で
あっても、また、支軸にローラ体が取り付けたままであ
っても、一層容易にこの分断部を介して支軸から樹脂部
を着脱できるUV洗浄装置における搬送用ローラとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のUV洗浄装置の概略構成説明図であ
る。
【図2】本実施例のUV洗浄装置の洗浄室並びに外装室
を蓋を持ち上げて開放した状態での説明斜視図である。
【図3】本実施例の分解説明斜視図である。
【図4】本実施例の使用状態を示す説明斜視図である。
【図5】本実施例の使用状態を示す説明断面図である。
【図6】本実施例の一部を切欠いた説明拡大斜視図であ
る。
【図7】本実施例の挟持用締め付け手段を緩めて一方の
挟持部に対して他方の挟持部を少しスライド移動させた
開放状態を示す(樹脂部を形成する二つの分断樹脂部を
取り外すことを示す)一部を切欠いた説明拡大斜視図で
ある。
【図8】本実施例の樹脂部に挟持用螺子を挿通する挿通
孔を設け、既存のローラ体を使用することができること
を示す分解説明斜視図である。
【符号の説明】 1 被洗浄物 2 洗浄室 3 紫外線ランプ 4 支軸 5 ローラ体 6 樹脂部 6B 中心孔 6C 分断樹脂部 9 軸受孔部 10 挟持部 12 取付用締め付け手段 13 挟持用締め付け手段 14 分断部 a UV洗浄装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/13 101 G02F 1/13 101 H01L 21/304 645 H01L 21/304 645D 648 648A 21/68 21/68 A // B65G 49/07 B65G 49/07 B Fターム(参考) 2H088 FA21 FA30 HA01 MA20 3B116 AA01 AB14 AB47 BB82 BB89 BC01 CD11 CD41 3F033 GA06 GB02 GB08 GC04 GD07 GE01 5F031 CA05 FA02 GA53 HA02 HA03 HA57 HA60 JA01 JA17 JA45 JA46 MA23 NA01 NA07 NA11 PA06 PA20 PA23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被洗浄物を搬入する洗浄室内に紫外線ラ
    ンプを設け、この紫外線ランプの紫外線(UV)照射に
    よって有機物の分子鎖を分断し、ついでこの紫外線ラン
    プの紫外線(UV)照射によって洗浄室内にオゾンを発
    生させ、このオゾンの分解・生成反応過程の酸化力の強
    い発生期の酸素(O)と有機物との反応により被洗浄物
    の表面有機物を除去するように構成したUV洗浄装置の
    前記洗浄室内に前記被洗浄物を搬入若しくは搬出するた
    め支軸に設ける搬送用ローラであって、前記支軸に設け
    るローラ体に前記被洗浄物を支承する樹脂部を外周に突
    出状態に設け、前記樹脂部は、中心孔を有するリング状
    若しくはドーナツ板状などの環状形状に構成し、この環
    状形状の樹脂部に分断部を一ヶ所設けた構成、若しくは
    分断部を複数ヵ所設けて複数の分断樹脂部により全体と
    して環状形状となるように構成して、架設固定されてい
    る前記支軸を取り外さなくてもこの分断部を介して支軸
    から前記樹脂部を着脱し得るように構成したことを特徴
    とするUV洗浄装置における搬送用ローラ。
  2. 【請求項2】 前記ローラ体は、軸受孔部を有する一対
    の金属製の挟持部で構成し、前記ローラ体の前記挟持部
    間に前記樹脂部をこの樹脂部の外周部が前記挟持部間か
    ら突出状態となるように挟持配設してローラ体に樹脂部
    を外周に突出状態に設けた構成としたことを特徴とする
    請求項1記載のUV洗浄装置における搬送用ローラ。
  3. 【請求項3】 前記一対の挟持部に、この挟持部間に挟
    持配設する前記樹脂部を締め付け挟持固定する樹脂部挟
    持用締め付け手段を設け、この挟持用締め付け手段を緩
    めることで前記樹脂部を前記分断部を介して支軸から着
    脱し得るように構成したことを特徴とする請求項2記載
    のUV洗浄装置における搬送用ローラ。
  4. 【請求項4】 前記ローラ体の少なくとも一方の挟持部
    に前記軸受孔部に挿入した前記支軸に締め付け固定する
    支軸取付用締め付け手段を設け、この支軸に締め付け固
    定した一方の挟持部に他方の挟持部を前記樹脂部を挟持
    して樹脂部挟持用締め付け手段で挟持固定するように構
    成し、この樹脂部挟持用締め付け手段を緩めて他方の挟
    持部を支軸に沿ってスライド移動し、この挟持部間から
    樹脂部を前記分断部を介して支軸から着脱し得るように
    構成したことを特徴とする請求項2,3のいずれか1項
    に記載のUV洗浄装置における搬送用ローラ。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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TWI649253B (zh) * 2018-02-06 2019-02-01 明利科技股份有限公司 Roller belt body of roller platform

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