JP2003018094A - 光信号出力装置、光信号伝送システム及び光信号伝送方法 - Google Patents

光信号出力装置、光信号伝送システム及び光信号伝送方法

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JP2003018094A
JP2003018094A JP2002009451A JP2002009451A JP2003018094A JP 2003018094 A JP2003018094 A JP 2003018094A JP 2002009451 A JP2002009451 A JP 2002009451A JP 2002009451 A JP2002009451 A JP 2002009451A JP 2003018094 A JP2003018094 A JP 2003018094A
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Japan
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optical signal
separated
phase modulation
output device
signal transmission
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JP2002009451A
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Takeshi Nishioka
毅 西岡
Yuichi Ishizuka
裕一 石塚
Toshio Hasegawa
俊夫 長谷川
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光子の偏波状態制御が不要な量子暗号装置を
提供する。 【解決手段】 量子暗号受信装置B(100)と量子暗
号送信装置A(200)との間に物理的に独立した二本
の量子暗号通信路1を設け、量子暗号受信装置B(10
0)のカプラ5から送出された二つの光子を二本の量子
暗号通信路1を通じてそれぞれ反対方向に環流させ、一
方の光子を量子暗号送信装置A(200)の位相変調器
9で位相変調させ、他方の光子を量子暗号受信装置B
(100)内の位相変調器7で位相変調させ、位相変調
後の二つの光子を量子暗号受信装置B(100)内のカ
プラ5に戻し、カプラ5で二つの光子に干渉作用を生じ
させ、干渉状態により光子検出器3又は光子検出器4の
いずれかが光子を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば干渉型量
子暗号システムおよびその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は例えば、R.Ribordy、e
t.al.”Automated’plug&pla
y’quantum key distributio
n、”ELECTRONICS LETTERS Vo
l.34 No.22 pp.2116−2117(1
998)もしくは国際特許公開公報WO98/1056
0 QUANTUM CRYPTOGRAPHY DE
VICE AND METHODに示された従来のファ
ラディーミラー方式量子暗号装置の構成図であり、図7
において量子暗号装置は、1対の量子暗号受信装置10
0と量子暗号送信装置200とこれらをつなぐ量子暗号
通信路1から構成される。量子暗号通信路1は具体的に
は通信用光ファイバを用いた光路である。量子暗号受信
装置100では、光子発生器2から光子が発生し、サー
キュレータ6を通りカプラ5に導かれる。このとき、偏
光コントローラ140により光子の偏波面が調整され
る。カプラ5に到達した光子は量子力学的に2つの光路
を伝送することになる。1つは偏光ビームスプリッタ9
0に直接至る「短光路」であり、もう1つは、位相変調
器7、光ファイバ8を通り偏光ビームスプリッタ90に
至る「長光路」である。いずれの光路を選択した光子も
量子暗号通信路1を通り、量子暗号送信装置200に送
られる。量子暗号送信装置200に到達した光子は、ア
ッテネータ110、位相変調器120、ファラディーミ
ラー130を順に通過する。ファラディーミラー130
に到達した光子は反射されてもときた経路を戻るのだ
が、その際その偏波面を90度回転させられる。往路に
おいて長光路を通った光子は位相変調器120において
位相変調を受ける。再び量子暗号通信路1を通って量子
暗号受信装置100に戻った光子は偏光ビームスプリッ
タ90において2つの光路に分離される。ここで鍵配送
に用いられる光子は、往路と復路とで異なる光路を通過
した光子である。つまり、往路において短光路を選択
し、復路で長光路を通過する光子、及び往路において長
光路を選択し、復路で短光路を通過する光子である。往
路復路とも同じ光路を通過する光子は観測時間の分解能
を高めることで破棄され、使用されない。復路において
長光路を通過する光子は位相変調器7において位相変調
を受ける。往路に長光路、復路に短光路を選択した光子
と往路に短光路、復路に長光路を選択した光子は同時に
カプラ5に戻り、位相変調器7及び位相変調器120で
受けた位相変調の大きさに応じた干渉を起こすことにな
る。干渉の結果、帰還した光子は光子検出器3と光子検
出器4のどちらかで選択的に検出される。量子力学的な
性質により2つの光子検出器において同時に検出される
ことはない。なお、光子検出器4において検出されるべ
き光子は、サーキュレータ6により光子発生器2に導か
れることなく光子検出器4に到達する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のファラディーミ
ラー方式量子暗号装置では、光子が通過する光路は4つ
可能である。往路に短光路、復路に長光路を通過する
「短長路」と往路に長光路、復路に短光路を通過する
「長短路」と往路復路ともに短光路を通過する「短々
路」と往路復路ともに長光路を通過する「長々路」の4
つである。このうち、鍵配送に使用される光子は干渉現
象を引き起こす短長路と長短路を通る光子であり、短々
路および長々路を通る光子は鍵配送には全く寄与しな
い。従って、短長路および長短路を通る光子の割合が少
ないと伝送速度が小さくなり性能が劣化してしまう。こ
のため、高性能な量子暗号装置を実現するためには量子
暗号受信装置にある偏光ビームスプリッタにおいてなる
べく多くの光子が短長路および長短路を通るように光子
の偏波状態を精妙に制御しなければならないという問題
点があった。特に高性能を得る完全な偏波状態制御を実
現するためには、高価な偏波保持ファイバを用いざるを
えないという問題点もあった。
【0004】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、光子の偏波状態制御が不要な量
子暗号システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光信号出力
装置は、光信号に対して所定の処理を行う光信号処理装
置に対して第一の光信号と第二の光信号とを出力する光
信号出力装置であって、前記光信号処理装置へ第一の光
信号を伝送する第一の光信号伝送路と、前記光信号処理
装置へ第二の光信号を伝送する第二の光信号伝送路とに
接続され、前記第一の光信号伝送路に第一の光信号を出
力し、前記第二の光信号伝送路に第二の光信号を出力す
ることを特徴とする。
【0006】前記光信号出力装置は、前記光信号出力装
置に接続されていない端同士が連結され、第一の光信号
と第二の光信号とを前記光信号処理装置を経由させて相
互に反対の方向に環流させ、第一の光信号と第二の光信
号とを前記光信号出力装置に戻す環状の光信号伝送路を
形成する第一の光信号伝送路と第二の光信号伝送路とに
接続されていることを特徴とする。
【0007】前記光信号出力装置は、光信号を発生する
光信号発生部と、前記光信号発生部より前記光信号を入
力し、入力した前記光信号を第一の分離光信号と第二の
分離光信号とに分離し、前記第一の分離光信号を前記第
一の光信号伝送路に出力し、前記第二の分離光信号を前
記第二の光信号伝送路に出力する光信号分離出力部とを
有することを特徴とする。
【0008】前記光信号分離出力部は、前記第一の光信
号伝送路に出力した第一の分離光信号を前記第二の光信
号伝送路より入力し、前記第二の光信号伝送路に出力し
た第二の分離光信号を前記第一の光信号伝送路より入力
し、入力した第一の分離光信号と第二の分離光信号とを
合成することを特徴とする。
【0009】前記光信号出力装置は、更に、少なくとも
いずれか一つが、前記光信号分離出力部で合成された第
一の分離光信号と第二の分離光信号とを入力する複数の
合成光信号入力部を有し、前記光信号分離出力部は、位
相変調処理が行われた位相変調後の第一の分離光信号を
前記第二の光信号伝送路より入力し、位相変調処理が行
われた位相変調後の第二の分離光信号を前記第一の光信
号伝送路より入力し、入力した位相変調後の第一の分離
光信号と位相変調後の第二の分離光信号とを合成し、合
成した位相変調後の第一の分離光信号と位相変調後の第
二の分離光信号とに干渉作用を生じさせ、前記複数の合
成光信号入力部の少なくともいずれか一つは、前記光信
号分離出力部において生じた干渉作用に応じて、合成さ
れた位相変調後の第一の分離光信号と位相変調後の第二
の分離光信号とを入力することを特徴とする。
【0010】前記光信号分離出力部は、前記光信号処理
装置により位相変調処理が行われた位相変調後の第一の
分離光信号及び位相変調後の第二の分離光信号のうち少
なくともいずれか一方を入力し、前記光信号出力装置
は、更に、第一の分離光信号及び第二の分離光信号のう
ち少なくともいずれか一方に位相変調処理を行う位相変
調処理部を有し、前記光信号分離出力部は、前記光信号
処理装置及び前記位相変調処理部のうち少なくともいず
れか一方により位相変調処理が行われた位相変調後の第
一の分離光信号を前記第二の光信号伝送路より入力し、
前記光信号処理装置及び前記位相変調処理部のうち少な
くともいずれか一方により位相変調処理が行われた位相
変調後の第二の分離光信号を前記第一の光信号伝送路よ
り入力することを特徴とする。
【0011】前記第一の光信号伝走路及び第二の光信号
伝走路には、それぞれ偏波コントローラが配置され、前
記光信号分離出力部は、前記偏波コントローラが配置さ
れた前記第一の光信号伝走路に前記第一の分離光信号を
出力し、前記偏波コントローラが配置された前記第二の
光信号伝走路に前記第二の分離光信号を出力することを
特徴とする。
【0012】前記光信号出力装置は、更に、前記第二の
光信号伝走路上に配置された半波長板を有することを特
徴とする。
【0013】前記半波長板は、前記第二の光信号伝走路
上であって前記光信号分離出力部の近傍に配置されたこ
とを特徴とする。
【0014】前記光信号出力装置は、更に、前記光信号
発生部と前記光信号分離出力部との間に配置されたデポ
ラライザを有することを特徴とする。
【0015】前記位相変調処理部は、それぞれが所定の
偏光軸を有し、それぞれの偏光軸が相互に直交する2つ
の位相変調器を直列に接続することにより構成されるこ
とを特徴とする。
【0016】前記光信号出力装置は、量子暗号方式によ
る鍵生成のために第一の光信号と第二の光信号とを出力
することを特徴とする。
【0017】本発明に係る光信号伝送システムは、第一
の光信号と第二の光信号とを出力する光信号出力装置
と、前記光信号出力装置より出力された第一の光信号と
第二の光信号とのうち少なくともいずれか一方に対して
所定の処理を行う光信号処理装置と、前記光信号出力装
置から前記光信号処理装置へ第一の光信号を伝送する第
一の光信号伝送路と、前記光信号出力装置から前記光信
号処理装置へ前記第二の光信号を伝送する第二の光信号
伝送路とを有することを特徴とする。
【0018】前記第一の光信号伝送路と前記第二の光信
号伝送路のそれぞれは、前記光信号出力装置に接続され
ていない端同士が連結され、第一の光信号と第二の光信
号とを前記光信号処理装置を経由させて相互に反対の方
向に環流させ、第一の光信号と第二の光信号とを前記光
信号処理装置に戻す環状の光信号伝送路を形成すること
を特徴とする。
【0019】前記光信号出力装置は、光信号を発生する
光信号発生部と、前記光信号発生部より前記光信号を入
力し、入力した前記光信号を第一の分離光信号と第二の
分離光信号とに分離し、前記第一の分離光信号を前記第
一の光信号伝送路に出力し、前記第二の分離光信号を前
記第二の光信号伝送路に出力する光信号分離出力部とを
有し、前記光信号処理装置は、前記第一の光信号伝送路
より第一の分離光信号を入力し、前記第二の光信号伝送
路より第二の分離光信号を入力し、前記第一の光信号伝
送路より入力した第一の分離光信号を前記第二の光信号
伝送路に出力し、前記第二の光信号伝送路より入力した
第二の分離光信号を前記第一の光信号伝送路に出力し、
前記光信号出力装置の前記光信号分離出力部は、第一の
分離光信号を前記第二の光信号伝送路より入力し、第二
の分離光信号を前記第一の光信号伝送路より入力し、入
力した第一の分離光信号と第二の分離光信号とを合成す
ることを特徴とする。
【0020】前記光信号出力装置は、更に、少なくとも
いずれか一つが、前記光信号分離出力部で合成された第
一の分離光信号と第二の分離光信号とを入力する複数の
合成光信号入力部と、第一の分離光信号及び第二の分離
光信号のうち少なくともいずれか一方に位相変調処理を
行う出力装置側位相変調処理部とを有し、前記光信号処
理装置は、第一の分離光信号及び第二の分離光信号のう
ち少なくともいずれか一方に位相変調処理を行い、位相
変調処理を行った位相変調後の第一の分離光信号を前記
第二の光信号伝送路に出力し、位相変調処理を行った位
相変調後の第二の分離光信号を前記第一の光信号伝送路
に出力する処理装置側位相変調処理部を有し、前記光信
号出力装置の前記光信号分離出力部は、前記出力装置側
位相変調処理部及び前記処理装置側位相変調処理部のう
ち少なくともいずれか一方により位相変調処理が行われ
た位相変調後の第一の分離光信号を前記第二の光信号伝
送路より入力し、前記出力装置側位相変調処理部及び前
記処理装置側位相変調処理部のうち少なくともいずれか
一方により位相変調処理が行われた位相変調後の第二の
分離光信号を前記第一の光信号伝送路より入力し、入力
した位相変調後の第一の分離光信号と位相変調後の第二
の分離光信号とを合成し、合成した位相変調後の第一の
分離光信号と位相変調後の第二の分離光信号とに干渉作
用を生じさせ、前記光信号出力装置の前記複数の合成光
信号入力部の少なくともいずれか一つは、前記光信号分
離出力部において生じた干渉作用に応じて、合成された
位相変調後の第一の分離光信号と位相変調後の第二の分
離光信号とを入力することを特徴とする。
【0021】前記第一の光信号伝走路及び第二の光信号
伝走路には、それぞれ偏波コントローラが配置され、前
記光信号出力装置の前記光信号分離出力部は、前記偏波
コントローラが配置された前記第一の光信号伝走路に前
記第一の分離光信号を出力し、前記偏波コントローラが
配置された前記第二の光信号伝走路に前記第二の分離光
信号を出力することを特徴とする。
【0022】前記光信号出力装置は、更に、前記第二の
光信号伝走路上に配置された半波長板を有することを特
徴とする。
【0023】前記半波長板は、前記第二の光信号伝走路
上であって前記光信号出力装置の前記光信号分離出力部
の近傍に配置されたことを特徴とする。
【0024】前記光信号出力装置は、更に、前記光信号
発生部と前記光信号分離出力部との間に配置されたデポ
ラライザを有することを特徴とする。
【0025】前記光信号出力装置の前記出力装置側位相
変調処理部は、それぞれが所定の偏光軸を有し、それぞ
れの偏光軸が相互に直交する2つの位相変調器を直列に
接続することにより構成され、前記光信号処理装置の処
理装置側位相変調処理部は、それぞれが所定の偏光軸を
有し、それぞれの偏光軸が相互に直交する2つの位相変
調器を直列に接続することにより構成されることを特徴
とする。
【0026】本発明に係る光信号伝送システムは、第一
の光信号と第二の光信号とを出力する光信号出力装置
と、前記光信号出力装置より出力された第一の光信号と
第二の光信号とのうち少なくともいずれか一方に対して
所定の処理を行う複数の光信号処理装置と、前記光信号
出力装置と前記複数の光信号処理装置とを直列に接続す
る環状の光信号伝送路であって、前記光信号出力装置に
より出力された第一の光信号と第二の光信号とを前記複
数の光信号処理装置を経由させて相互に反対の方向に環
流させ、第一の光信号と第二の光信号を前記光信号出力
装置に戻す環状の光信号伝送路とを有することを特徴と
する。
【0027】前記光信号伝送システムは、量子暗号方式
による鍵生成のために第一の光信号と第二の光信号とを
伝送させることを特徴とする。
【0028】本発明に係る光信号伝送方法は、光信号を
発生する発生工程と、前記光信号を第一の分離光信号と
第二の分離光信号とに分離する分離工程と、第一の分離
光信号及び第二の分離光信号を出力する出力工程と、前
記出力工程により出力された第一の分離光信号及び第二
の分離光信号のそれぞれに対して位相変調処理を行うと
ともに、第一の分離光信号と第二の分離光信号とを相互
に反対の方向に環流させる環流工程と、前記環流工程に
より位相変調処理が行われた位相変調後の第一の光信号
と位相変調後の第二の光信号とを合成し、合成した位相
変調後の第一の分離光信号と位相変調後の第二の分離光
信号とに干渉作用を生じさせる合成干渉工程と、合成干
渉工程における干渉作用に応じて、合成された位相変調
後の第一の分離光信号と位相変調後の第二の分離光信号
とを入力する光信号入力工程とを有することを特徴とす
る。
【0029】前記光信号出力工程は、所定の光信号伝送
路の一方の端から第一の分離光信号を出力し、前記光信
号伝送路の他方の端から第二の分離光信号を出力し、前
記環流工程は、前記光信号伝送路において第一の分離光
信号と第二の分離光信号とを相互に反対の方向に環流さ
せることを特徴とする。
【0030】前記光信号伝送方法は、量子暗号方式によ
る鍵生成のために第一の分離光信号と第二の分離光信号
とを伝送させることを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
干渉型量子暗号システム(光信号伝送システム)を示す
光学系構成図である。この実施の形態の係る量子暗号シ
ステムは、2本の量子暗号通信路を用いることにより、
光路の往路と復路を区別し環流するようにしたものであ
る。図において、量子暗号通信路1は光子(光信号)を
伝送する2本の通信用光ファイバからなる。量子暗号受
信装置(光信号出力装置)100はパルス状に光子を発
生する光子発生器(光信号発生部)2、発生した光子を
カプラ5にのみ導くサーキュレータ6がある。サーキュ
レータ6はカプラ5から戻ってきた光子を光子検出器
(合成光信号入力部)4にのみ送る。カプラ(光信号分
離出力部)5は2入力2出力方向性結合器であり、サー
キュレータ6と結合しないもう一方の入力端には光子検
出器(合成光信号入力部)3が接続する。カプラ5の2
つの出力端のうち一端は直接量子暗号通信路1の一方に
接続し、もう一端は位相変調器(位相変調処理部)7に
接続する。位相変調器7のもう一方の端は光ファイバ8
と接続し、もう一本の量子暗号通信路1とつながる。量
子暗号送信装置(光信号処理装置)200は2本ある量
子暗号通信路の両端を連結し光子を環流するようになっ
ている。その間に光パルス1個あたりの光子数を0.1
個までに減衰できる可変アッテネータ10と位相変調器
(処理装置側位相変調処理部)9が挿入されている。図
1において、カプラ5から可変アッテネータ10に至る
までの経路が第一の光信号伝送路に相当し、カプラ5か
ら量子暗号受信装置内の光ファイバ8(以下、単に光フ
ァイバという)、位相変調器9を経て可変アッテネータ
10に至るまでの経路が第二の光信号伝送路に相当す
る。すなわち、可変アッテネータ10において第一の光
信号伝送路と第二の光信号伝送路が連結されることにな
る。
【0032】光子発生器1において光子が発生し、発生
した光子はサーキュレータ6を経由しカプラ5に到達す
る。カプラ5において1個の光子は量子力学的に経路を
2つに分割され、それぞれ量子暗号送信装置200まで
到達した後光学路を環流してカプラ5に戻ってくる。こ
のとき、図1を上から見て時計回りに環流する光路を
「CW(Clock−Wise)光路」、反時計回りに
環流する光路を「CCW(Counter Clock
−Wise)光路」と呼ぶ。光ファイバ8によりCW光
路を選択した光子はCCW光路を選択した光子に比べて
十分な時間的遅延を伴って位相変調器9を通過する。従
って、量子暗号送信装置200はCW光路を経る光子の
みを位相変調器9において選択的に位相変調をかける。
この位相変調を受けた光子は可変アッテネータ10にお
いて量子暗号通信路1において盗聴がなされたとしても
その行為を検知できるまでに強度が落とされる。その
後、量子暗号通信路1を環流しカプラ5に戻る。CCW
光路を経る光子は量子暗号送信装置200において、可
変アッテネータ10でその強度をCW光路を経る光子と
同程度に減衰されるが位相変調器9において位相変調を
受けることなく環流し、量子暗号受信装置に戻る。量子
暗号受信装置に戻ったCCW光路を経た光子は光ファイ
バ8を通過し、位相変調器7で位相変調を選択的に受け
た後カプラ5に戻る。カプラ5に戻ったCCW光路を経
た光子とCW光路を経た光子は、向きは互いに逆である
が同一の光路を経たので、同一の光路長を環流してお
り、同じだけの偏波面の回転も被っている。従って、十
分な可干渉性を持っており、それぞれの位相変調を受け
た大きさに応じた干渉を引き起こす。結果として、光子
検出器3と光子検出器4のいずれかで選択的に光子検出
がなされることなる。ここで往路と復路の光路を物理的
に2本の通信用光ファイバを用いて構成しているので、
非干渉な光路を経る光子が存在しないことにより、完全
に偏波制御された、すなわち、無駄な光路を経る光子が
存在せず、ファラディーミラー方式量子暗号装置と同じ
ように高性能な量子暗号化システムを自然に実現でき
る。
【0033】次に動作について図2、図3を用いて説明
する。図2は量子暗号装置の動作フローチャートであ
る。図3は光子の各部における状態図である。図3にお
いて、P、P1、P2は光子を示す。
【0034】(1)発生工程S1 まず、図1の量子暗号受信装置100における光子発生
器1において、光子が発生する。この光子は、レーザパ
ルスのようにそのパルスあたりの光子数がポアソン分布
に従うように発生しても、単一光子源を用いてパルスあ
たり単一光子として発生してもいずれでもよい。発生し
た光子はサーキュレータ6を通ってカプラ5に導かれ
る。このとき、サーキュレータ6の機能により光子が光
子検出器4に導かれることはない。
【0035】(2)分離出力工程S2 カプラ5に到達した光子は、カプラ5の方向性結合器の
機能として、量子暗号通信路1の2本の光路の何れかに
導かれるように量子力学的に分離される。ここで、量子
力学的という意味は光子が粒子性と波動性の二重性を持
つことを示す。粒子的には何れか1本の光路を確率的に
選択するのであるが、波動的にはどちらの光路も選択す
るので、ここでは量子力学的に分離されると表現した。
なお、光子が光子検出器3に導かれることはカプラ5の
方向性により無い。ここで、図1において光子が時計回
りに環流する光路をCW(Clock−Wise)光
路、反時計回りに環流する光路をCCW(Counte
r Clock−Wise)光路と呼ぶ。図1において
CW光路を選んだ光子は位相変調器7、光ファイバ8を
順に通過する。このとき、位相変調器7において位相変
調を受けることはない。但し、十分な長さを有した光フ
ァイバ8を通過するので、CCW光路を選択した光子に
比べて十分な時間的遅延をもって量子暗号通信路1に送
出される。
【0036】(3)伝送(往路)工程(環流工程)S3 量子暗号受信装置100から送出された光子は量子暗号
通信路1を通って量子暗号送信装置200に伝送され
る。このとき、CW光路を選択した光子とCCW光路を
選択した光子は物理的に全く独立な光ファイバを通って
伝送される。但し、商用の光ファイバケーブルにおいて
は2本の光ファイバを束ねた2芯の光ファイバケーブル
は存在しており(例えば、(株)フジクラ製光ファイバ
ケーブル:OG−LAN×2C−LAP)、光ファイバ
ケーブルとしては1本でもよい。
【0037】(4)減衰1工程(環流工程)S4 量子暗号通信路1の2本の光路のうちCCW光路を選択
して量子暗号送信装置200に到達した光子は、まず図
1における可変アッテネータ10を通過するので、その
際1パルスあたりの光子数の減衰を受ける。CW光路を
選択した光子については未だ可変アッテネータ10を通
過しないので、当該工程において減衰を受けることはな
い。
【0038】(5)位相変調A工程(環流工程)S5 CW光路を選択した光子は量子暗号送信装置200にお
いてまず位相変調器9を通過する。このとき、適当な大
きさの位相変調を受ける。CCW光路を選択した光子は
位相変調器9において位相変調を受けることなく通過す
る。このように選択的に位相変調をかけることは十分可
能である。これは、CW光路を選択した光子が光ファイ
バ8を通過するときに十分な時間遅延を得たからであ
る。
【0039】(6)減衰2工程(環流工程)S6 CW光路を選択した光子は次に可変アッテネータ10を
通過する際に光子数の減衰を受ける。この減衰の大きさ
は、減衰1工程S4においてCCW光路を選択した光子
が受けた減衰と全く同じである。但し、減衰の大きさは
CW光路を選択した光子が受ける減衰の大きさにより調
整される。光子発生器2が単一光子源であれば全く減衰
する必要がなく、パルスレーザであれば、パルスあたり
の平均光子数が0.1個程度になるまで減衰させる。当
該工程が終了後、光子は量子暗号送信装置200から量
子暗号通信路1に再送出される。
【0040】(7)伝送(復路)工程(環流工程)S7 量子暗号送信装置200から再送出された光子は量子暗
号通信路1を通って量子暗号受信装置100に再伝送さ
れる。このとき、CW光路を選択した光子とCCW光路
を選択した光子は、互いに量子暗号通信路1のうち伝送
(往路)工程S3で通った通信用光ファイバではないも
う1本の方の通信用光ファイバを通って伝送される。
【0041】(8)位相変調B工程(環流工程)S8 量子暗号受信装置100において、CCW光路を選択し
て戻ってきた光子は光ファイバ8、位相変調器7を順に
通過する。位相変調器7を通過する際、適当な大きさの
位相変調を受けることになる。位相変調を受けた後、カ
プラ5に導かれる。CW光路を選択した光子は直にカプ
ラ5に導かれる。
【0042】(9)合流・干渉工程(合成干渉工程)S
9 CCW光路、CW光路それぞれを環流して戻ってきた光
子はカプラ5において合流し、それぞれが被った位相変
調の大きさに応じて干渉を引き起こす。
【0043】(10)検出工程(入力工程)S10 カプラ5において発生した干渉の結果、光子は光子検出
器3、光子検出器4のいずれか一方において検出され
る。
【0044】以上のように、この実施の形態では、量子
暗号通信路1として2本の独立な通信用光ファイバを用
いて同一であるが対向する2つの環流型光路により生じ
る干渉現象を利用した干渉型量子暗号システムを説明し
た。
【0045】この実施の形態では、干渉を引き起こす光
路として物理的には同一の、但し、向きだけが逆である
2つの光路を用いているので、従来のファラディーミラ
ー型量子暗号装置と同様に光路長が同じになり、なおか
つ、偏波面の回転量も同じになるので高い可干渉性を有
している。更に、干渉に寄与しない光路を精妙な偏波面
制御を実現しなくても排除できるので、容易に高性能を
実現できる。例えば、従来技術における完全な偏波面制
御の方法として高価な偏波保持ファイバの使用が考えら
れるが、本実施の形態では、安価な通常のシングルモー
ドファイバを用いても同程度の高性能が自然に得られ
る。従来のファラデーミラー型量子暗号装置では、光路
制御に必要であった偏波面制御およびそのための装置が
不要になるため、この実施の形態によれば伝送率が格段
に向上するなどの高性能が実現できる。
【0046】実施の形態2.以上の実施の形態1に対し
て、これから述べる実施の形態2、3では、光ファイバ
の複屈折性揺らぎに対して、より安定性の強い量子暗号
通信を実現する実施の形態を示す。まず、光ファイバの
複屈折性揺らぎをジョーンズ行列およびジョーンズベク
トルを用いて記述する。複屈折性とは光ファイバの断面
において直交する2軸があり、一方の軸(スロー軸)に偏
光面がある光信号ともう一方の軸(ファースト軸)に偏光
面のある光信号の伝播速度に差があり位相差Γが生じる
ことをいう。光信号の進行方向をz軸にとり光信号と共
動する右手系の座標軸をとるとき、スロー軸とx軸がな
す角度をφとすると、光信号の伝送の仕方を記述するジ
ョーンズ行列は、以下にて示される。
【0047】
【数1】
【0048】ここで、Rは座標軸からのずれを表す回転
行列である。
【0049】
【数2】
【0050】W0はスロー軸、ファースト軸が座標軸と
重なっているときの複屈折性をあらわす行列である。
【0051】
【数3】
【0052】この伝送行列がCCW光路を選択した光子
(第一の分離光信号)に対応するとすると、CW光路を
選択した光子(第二の分離光信号)に対しては、光の進
行方向が逆になるため、共動座標系におけるx軸とスロ
ー軸のなす角が正負反転し、以下に示すように異なる伝
送行列となる。
【0053】
【数4】
【0054】このため、第一の分離光信号と第二の分離
光信号を合成し干渉作用が生じるさいに、第一の分離光
信号と第二の分離光信号とにズレが生じるため完全な干
渉がおこらなくなってしまう。
【0055】このような干渉の不完全さは安定性の低下
を招くので、複屈折性揺らぎに対しても頑強な安定性を
実現する実施の形態を示す。図4はこのような場合の光
学系構成図の一例である。図1の光学系構成図に対し
て、本実施の形態においては、図4に示すように2つの
量子暗号通信路に偏波コントローラ22、23が各1個
が配置され、2つの量子暗号通信路の一方(第二の光信
号伝送路)上であってカプラ(光信号分離出力部)5の
近傍に半波長板21が配置されている。この半波長板2
1を透過する光信号の偏光は当該半波長板固有の直交軸
により2つの偏光状態に射影されるが、その際に、その
一方が他方に対して位相が半波長ずれることになる。偏
波コントローラ22、23は第一の分離光信号と第二の
分離光信号の各々の伝送行列が微小揺らぎを無視すると
恒等行列にするように調節する。これにより、複屈折性
揺らぎを微小揺らぎとして扱うことができ、第一の分離
光信号と第二の分離光信号を記述する伝送行列が互いに
可換となる。このとき、任意の微小複屈折性の揺らぎに
対して、カプラ5の近傍に配置された半波長板21によ
り、第一の分離光信号に対する伝送行列と第二の分離光
信号に対応する伝送行列が等しくなることが以下のよう
に示すことができる。
【0056】
【数5】
【0057】ここで、左辺は第一の分離光信号の伝送行
列、右辺は第二の分離光信号の伝送行列である。二つの
複屈折性揺らぎを表現する伝送行列は第一の光信号伝送
路、第二の光信号伝送路に対応する。添字1、2は第
一、第二の光信号伝送路を示す。HWPは半波長板21
を示す伝送行列である。
【0058】
【数6】
【0059】このように、揺らぎの有無によらず、伝送
行列が第一、第二の光分離信号において同じになるの
で、干渉時に第一、第二の分離光信号のズレが補償され
完全な干渉が起こる。従って、複屈折性揺らぎに対して
も安定な量子暗号通信が実現できる。
【0060】実施の形態3.実施の形態2では、ファイ
バの複屈折性揺らぎに対して、前記第一、第二の分離光
信号が伝送過程において等価な揺らぎを被るようにする
ことで量子暗号通信の安定性を実現したが、実施の形態
3では、光信号状態自体が揺らぎに対して不感であるよ
うな実施の形態を示す。光信号をカプラ5で出力する前
にあらゆる偏光状態を含む無偏光状態にすると、第一の
分離光信号が伝送中において揺らぎの効果を受けて偏光
状態が変化しても、その変化に応じて干渉が完全に起き
るような第二の分離光信号が必ず存在するので、干渉は
揺らぎに関わらず完全に起こり、安定な量子暗号通信を
実現できる。
【0061】図5はこのような場合の光学系構成図の一
例である。図1の光学系構成図に対して、本実施の形態
においては、図5に示すように、前記光子発生器2と前
記カプラ(光信号分離出力部)との間にデポラライザ2
4が挿入されている。このデポラライザ24を透過した
光信号は無偏光状態になるので、複屈折性揺らぎに対し
て安定性を実現できる。しかし、図1に示した位相変調
器7及び位相変調器9は一般に偏光依存性を有する。こ
のため、本実施の形態においては、図5に示すように、
2つの位相変調器を用意し、その偏光依存性(偏光軸)
が直交するように二段に直列接続した構成をとる。つま
り、偏光軸が相互に直交する2つの位相変調器を直列に
接続することで位相変調処理部が構成される。このよう
に、位相変調器を二段に直列接続したことで、デポララ
イザ24を透過した無偏光状態の光信号に対しても、均
一に位相変調をかけることができる。このようにするこ
とで、複屈折性の揺らぎに対しても安定な量子暗号通信
が実現できる。
【0062】実施の形態4.以上の実施の形態1、2、
3では、1対の量子暗号送受信装置間で量子暗号通信を
するようにしたものであるが、次に1つの量子暗号受信
装置と複数の量子暗号送信装置があり、複数ある量子暗
号送信装置の任意の1つを選択し、量子暗号送受信装置
間で量子暗号通信を実現する実施の形態を示す。図6
は、このような場合の光学系構成図の1例である。図1
においては環流型量子暗号通信路上に1つの量子暗号送
信装置のみが挿入されていたが、本実施の形態において
は、図6に示すように複数の量子暗号送信装置が挿入さ
れていてもかまわない。この形態において任意の1つの
量子暗号送信装置を選択した後は、その選択された量子
暗号送信装置と暗号受信装置の間では実施の形態1と全
く同様に量子暗号通信が実現できる。例えば、量子暗号
送信装置C(300)が選択された場合には、CCW光
路を選択した光子は量子暗号送信装置A(200)を素
通りし、量子暗号送信装置C(300)の可変アッテネ
ータ12で減衰される。その後量子暗号送信装置D(4
00)及び量子暗号送信装置F(500)を素通りし、
量子暗号受信装置B(100)内の位相変調器7で位相
変調を受け、カプラ5に戻る。一方、CW光路を選択し
た光子は量子暗号送信装置F(500)及び量子暗号送
信装置D(400)を素通りし、量子暗号送信装置C
(300)内の位相変調器11で位相変調を受け、可変
アッテネータ12で減衰される。その後、量子暗号送信
装置A(200)を素通りし、量子暗号受信装置B(1
00)のカプラ5に戻る。
【0063】このように、従来の方式では各量子暗号送
信装置と量子暗号受信装置の間をそれぞれ別々な量子暗
号通信路を敷設しなければならないが、本実施の形態に
よれば1つの量子暗号通信路で済む。また、1つの量子
暗号受信装置と複数の量子暗号送信装置とを接続する際
に、従来の方式では、エンド・ツー・エンドの通信形態
をとっているため、各量子暗号送信装置と量子暗号受信
装置の間をそれぞれ別々な量子暗号通信路を敷設しなけ
ればならないが、この実施の形態によれば1つの量子暗
号通信路ですむという効果がある。
【0064】ここで、以上にて説明した本発明の特徴を
まとめると以下のようになる。本発明による量子暗号受
信装置は、1個の量子暗号受信装置、1個の量子暗号送
信装置、および、その間を物理的に独立した2本の光路
で接続する量子暗号通信路とを備えたことを特徴とす
る。
【0065】前記量子暗号受信装置は、以下の手段を備
えたことを特徴とする (a)パルス状に光子を発生する光子発生器 (b)光子を検出する2つの光子検出器 (c)2本の量子暗号通信路と2つの光子検出器を接続
する2入力2出力のカプラ(方向性結合器) (d)一方の光子検出器とカプラの間に挿入され、この
2つの機器と光子発生器とを接続するサーキュレータ (e)2本ある量子暗号通信路のうちの1つの光路とカ
プラの間に挿入され通過する光子に対して選択的に位相
変調をかけることのできる位相変調器 (f)位相変調器と1つの量子暗号通信路の間に挿入さ
れる適当な長さを有する光ファイバ。
【0066】前記量子暗号送信装置は、以下の手段を備
えたことを特徴とする (a)2本の量子暗号通信路を接合し、通過する光子に
対して選択的に位相変調をかけることのできる位相変調
器 (b)位相変調器と一方の量子暗号通信路の間に挿入さ
れ、1パルスあたりの通過する光子数を調整できる可変
アッテネータ(可変減衰器)。
【0067】前記量子暗号受信装置は、以下のことを特
徴とする (a)光子発生器において発生した光子はサーキュレー
タを介してカプラに導かれ、カプラにおいて光子は2つ
の量子暗号通信路に向けて送信される (b)光子発生器において発生した光子は、サーキュレ
ータにより光子検出器には導かれることなく、カプラに
のみ導かれる (c)2つの量子暗号通信路を通って戻ってきた光子
は、位相変調器において選択的に位相変調を受ける。さ
らにカプラを通してこの光子は干渉作用を起こし、2つ
ある光子検出器のいずれかで検出される (d)カプラから光子検出器に向かう光子はサーキュレ
ータにより光子発生器に導かれることなく、光子検出器
にのみ導かれる。
【0068】前記量子暗号通信路は、以下のことを特徴
とする (a)量子暗号受信装置から送信された光子は量子力学
的に2つに分離して2本ある量子暗号通信路を介して量
子暗号送信装置まで伝送される (b)量子暗号送信装置から返信される光子は量子力学
的に2つに分離したまま2本ある量子暗号通信路を介し
て量子暗号受信装置まで伝送される。
【0069】本発明による量子暗号送信装置は、以下の
ことを特徴とする (a)2本ある量子暗号通信路を介してたどり着いた光
子は位相変調器により選択的に位相変調を受けた後、量
子暗号通信路に向けて逆送信される (b)位相変調を受けた光子は可変アッテネータにより
1パルスあたり1個以下になるように減衰を受ける。
【0070】本発明による量子暗号通信方法は、以下の
ことを特徴とする (a)光子を発生する工程 (b)2つの量子暗号通信路に応じて光子を分離する工
程 (c)分離された後2つの量子暗号通信路、それぞれを
通って量子暗号受信装置から量子暗号送信装置に光子が
伝送される伝送(往路)工程 (d)光子のアッテネートを受ける減衰1工程 (e)量子暗号送信装置において光子が位相変調される
位相変調A工程 (f)1回あたりに位相変調を受けた光子の数を1個以
下になるまでアッテネートさせる減衰2工程 (g)2つの量子暗号通信路、それぞれを通って量子暗
号送信装置から量子暗号受信装置に光子が伝送される伝
送(復路)工程 (h)量子暗号受信装置において光子が位相変調される
位相変調B工程 (i)分離されていた光子を合流し、干渉を起こす合流
・干渉工程 (j)干渉結果を光子検出として観測する検出工程。
【0071】本発明による量子暗号通信方法は、以下の
ことを特徴とする (a)分離工程において分離された光子は、2つの量子
暗号通信路のいずれか一方だけを往復するのではなく、
順番は違うが2つの量子暗号通信路のいずれをも通過す
る (b)往路において量子暗号受信装置側の位相変調器を
通過した光子が位相変調A工程において位相変調を受
け、減衰2工程において光子数が1以下になるまでアッ
テネートを受ける (c)復路において量子暗号受信装置側の位相変調器を
通過する光子が、減衰1工程においてアッテネートを受
け、位相変調B工程において位相変調を受ける。
【0072】本発明による量子暗号受信装置は、1個の
量子暗号受信装置、1個の量子暗号送信装置、および、
その間を物理的に独立した2本の光路で接続する量子暗
号通信路とを備えたことを特徴とする。
【0073】前記量子暗号受信装置は、以下の手段を備
えたことを特徴とする (a)パルス状に光子を発生する光子発生器 (b)光子を検出する2つの光子検出器 (c)2本の量子暗号通信路と2つの光子検出器を接続
する2入力2出力のカプラ(方向性結合器) (d)一方の光子検出器とカプラの間に挿入され、この
2つの機器と光子発生器とを接続するサーキュレータ (e)2本ある量子暗号通信路のうちの1つの光路とカ
プラの間に挿入され通過する光子に対して選択的に位相
変調をかけることのできる位相変調器 (f)位相変調器と1つの量子暗号通信路の間に挿入さ
れる適当な長さを有する光ファイバ。 (g)位相変調器と適当な長さを有する光ファイバとの
間に挿入され、通過する光信号の偏光状態を調節できる
偏波コントローラ。 (h)カプラと位相変調器の間に挿入され、通過する光
信号の2つの直交する偏光状態において、一方を他方に
対してその位相を半波長分ずらす半波長板。
【0074】前記量子暗号送信装置は、以下の手段を備
えたことを特徴とする (a)2本の量子暗号通信路を接合し、通過する光子に
対して選択的に位相変調をかけることのできる位相変調
器 (b)位相変調器と一方の量子暗号通信路の間に挿入さ
れ、1パルスあたりの通過する光子数を調整できる可変
アッテネータ(可変減衰器)。 (c)可変アッテネータと一方の量子暗号通信路の間に
挿入され、通過する光信号の偏光状態を調節できる偏波
コントローラ。
【0075】本発明による量子暗号受信装置は、1個の
量子暗号受信装置、1個の量子暗号送信装置、および、
その間を物理的に独立した2本の光路で接続する量子暗
号通信路とを備えたことを特徴とする。
【0076】前記量子暗号受信装置は、以下の手段を備
えたことを特徴とする (a)パルス状に光子を発生する光子発生器 (b)光子を検出する2つの光子検出器 (c)2本の量子暗号通信路と2つの光子検出器を接続
する2入力2出力のカプラ(方向性結合器) (d)一方の光子検出器とカプラの間に挿入され、この
2つの機器と光子発生器とを接続するサーキュレータ (e)2本ある量子暗号通信路のうちの1つの光路とカ
プラの間に挿入され通過する光子に対して選択的に位相
変調をかけることのできる、かつ、通過する光信号の偏
光状態に依存しない二段直列接続位相変調器 (f)位相変調器と1つの量子暗号通信路の間に挿入さ
れる適当な長さを有する光ファイバ。 (g)サーキュレータとカプラの間に挿入され、通過す
る光信号の偏光状態を無偏光状態にするデポラライザ。
【0077】前記量子暗号送信装置は、以下の手段を備
えたことを特徴とする (a)2本の量子暗号通信路を接合し、通過する光子に
対して選択的に位相変調をかけることのできる、かつ、
通過する光信号の偏光状態に依存しない二段直列接続位
相変調器 (b)位相変調器と一方の量子暗号通信路の間に挿入さ
れ、1パルスあたりの通過する光子数を調整できる可変
アッテネータ(可変減衰器)。
【0078】本発明による干渉型量子暗号装置は、1個
の量子暗号受信装置と複数の量子暗号送信装置、およ
び、その量子暗号受信装置から発し、複数の量子暗号送
信装置を貫いて、再び量子暗号受信装置に戻るようにル
ープ状に敷設された量子暗号通信路とを備えたことを特
徴とする。
【0079】前記量子暗号受信装置は、以下の手段を備
えたことを特徴とする (a)光子を発生する光子発生器 (b)光子を検出する2つの光子検出器 (c)ループ状量子暗号通信路の両端と2つの光子検出
器を接続する2入力2出力のカプラ(方向性結合器) (d)一方の光子検出器とカプラの間に挿入され、この
2つの手段と光子発生器とを接続するサーキュレータ (e)ループ状量子暗号通信路の両端のうちの一端とカ
プラの間に挿入され通過する光子に対して選択的に位相
変調かけることのできる位相変調器 (f)位相変調器と量子暗号通信路の間に挿入される適
当な長さを有する光ファイバ。
【0080】前記量子暗号送信装置は、以下の手段を備
えたことを特徴とする (a)ループ状量子暗号通信路上に挿入され、通過する
光子の位相を選択的に位相変調かけることのできる位相
変調器 (b)位相変調器と量子暗号通信路の一方の端との間に
挿入され、1回あたり通過する光子数を調整できる可変
アッテネータ(可変減衰器)。
【0081】前記量子暗号受信装置は、以下のことを特
徴とする (a)光子発生器において発生した光子はサーキュレー
タを介してカプラに導かれ、カプラにおいて光子はルー
プ状量子暗号通信路の両端に向けて送信される (b)光子発生器において発生した光子は、サーキュレ
ータにより光子検出器には導かれることなく、カプラに
のみ導かれる (c)ループ状量子暗号通信路を環流して戻ってきた光
子は、位相変調器において選択的に位相変調を受ける。
さらにカプラを通してこの光子は干渉作用を起こし、2
つある光子検出器のいずれかで検出される (d)カプラから光子検出器に向かう光子はサーキュレ
ータにより光子発生器に導かれることなく、光子検出器
にのみ導かれる。
【0082】前記量子暗号通信路は、以下のことを特徴
とする (a)量子暗号受信装置から送信された光子はループ状
の量子暗号通信路を量子力学的に2つに分離して互いに
反対向きに環流して量子暗号受信装置に戻る (b)ループ状量子暗号通信路は複数ある量子暗号送信
装置を直列に貫いており、その中を環流する光子は順番
に各量子暗号送信装置を通過する。
【0083】前記量子暗号送信装置は、以下のことを特
徴とする (a)ループ状量子暗号通信路を介して位相変調器を通
過する光子は位相変調器により選択的に位相変調を受け
る (b)位相変調を受けた光子は可変アッテネータにより
1パルスあたり1個以下になるように減衰を受ける。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、干渉を引き起こす光路
として物理的には同一の、但し、向きだけが逆である2
つの光路を用いているので、光路長が同じになり、なお
かつ、偏波面の回転量も同じになるので高い干渉性を有
している。
【0085】また、本発明によれば、偏波長コントロー
ラと半波長板の組合せ、又はデポラライザと二段直列構
成の位相変調器の組合せにより、複屈折性揺らぎに対し
ても安定な量子暗号通信が実現できる。
【0086】また、1つの量子暗号受信装置と複数の量
子暗号送信装置とを接続する際に、本発明によれば1つ
の量子暗号通信路で済むという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係る干渉型量子暗号システム
の光学系構成図。
【図2】 実施の形態1に係る干渉型量子暗号システム
の動作を示すフローチャート図。
【図3】 実施の形態1に係る干渉型量子暗号システム
内の光子の状態を示す図。
【図4】 実施の形態2に係る干渉型量子暗号システム
の光学系構成図。
【図5】 実施の形態3に係る干渉型量子暗号システム
の光学系構成図。
【図6】 実施の形態4に係る干渉型量子暗号システム
の光学系構成図。
【図7】 従来技術を示す光学系構成図。
【符号の説明】
1 量子暗号通信路、2 光子発生器、3 光子検出
器、4 光子検出器、5カプラ、6 サーキュレータ、
7 位相変調器、8 光ファイバ、9 位相変調器、1
0 可変アッテネータ、21 半波長板、22 偏波コ
ントローラ、23 偏波コントローラ、24 デポララ
イザ、100 量子暗号受信装置、200 量子暗号送
信装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 俊夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5J104 AA05 NA02 5K002 AA01 AA02 AA03 BA04 BA05 BA21 CA14 FA01

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光信号に対して所定の処理を行う光信号
    処理装置に対して第一の光信号と第二の光信号とを出力
    する光信号出力装置であって、 前記光信号処理装置へ第一の光信号を伝送する第一の光
    信号伝送路と、前記光信号処理装置へ第二の光信号を伝
    送する第二の光信号伝送路とに接続され、 前記第一の光信号伝送路に第一の光信号を出力し、前記
    第二の光信号伝送路に第二の光信号を出力することを特
    徴とする光信号出力装置。
  2. 【請求項2】 前記光信号出力装置は、 前記光信号出力装置に接続されていない端同士が連結さ
    れ、第一の光信号と第二の光信号とを前記光信号処理装
    置を経由させて相互に反対の方向に環流させ、第一の光
    信号と第二の光信号とを前記光信号出力装置に戻す環状
    の光信号伝送路を形成する第一の光信号伝送路と第二の
    光信号伝送路とに接続されていることを特徴とする請求
    項1に記載の光信号出力装置。
  3. 【請求項3】 前記光信号出力装置は、 光信号を発生する光信号発生部と、 前記光信号発生部より前記光信号を入力し、入力した前
    記光信号を第一の分離光信号と第二の分離光信号とに分
    離し、前記第一の分離光信号を前記第一の光信号伝送路
    に出力し、前記第二の分離光信号を前記第二の光信号伝
    送路に出力する光信号分離出力部とを有することを特徴
    とする請求項1又は2に記載の光信号出力装置。
  4. 【請求項4】 前記光信号分離出力部は、前記第一の光
    信号伝送路に出力した第一の分離光信号を前記第二の光
    信号伝送路より入力し、前記第二の光信号伝送路に出力
    した第二の分離光信号を前記第一の光信号伝送路より入
    力し、入力した第一の分離光信号と第二の分離光信号と
    を合成することを特徴とする請求項3に記載の光信号出
    力装置。
  5. 【請求項5】 前記光信号出力装置は、更に、少なくと
    もいずれか一つが、前記光信号分離出力部で合成された
    第一の分離光信号と第二の分離光信号とを入力する複数
    の合成光信号入力部を有し、 前記光信号分離出力部は、位相変調処理が行われた位相
    変調後の第一の分離光信号を前記第二の光信号伝送路よ
    り入力し、位相変調処理が行われた位相変調後の第二の
    分離光信号を前記第一の光信号伝送路より入力し、入力
    した位相変調後の第一の分離光信号と位相変調後の第二
    の分離光信号とを合成し、合成した位相変調後の第一の
    分離光信号と位相変調後の第二の分離光信号とに干渉作
    用を生じさせ、 前記複数の合成光信号入力部の少なくともいずれか一つ
    は、前記光信号分離出力部において生じた干渉作用に応
    じて、合成された位相変調後の第一の分離光信号と位相
    変調後の第二の分離光信号とを入力することを特徴とす
    る請求項3に記載の光信号出力装置。
  6. 【請求項6】 前記光信号分離出力部は、前記光信号処
    理装置により位相変調処理が行われた位相変調後の第一
    の分離光信号及び位相変調後の第二の分離光信号のうち
    少なくともいずれか一方を入力し、 前記光信号出力装置は、更に、第一の分離光信号及び第
    二の分離光信号のうち少なくともいずれか一方に位相変
    調処理を行う位相変調処理部を有し、 前記光信号分離出力部は、前記光信号処理装置及び前記
    位相変調処理部のうち少なくともいずれか一方により位
    相変調処理が行われた位相変調後の第一の分離光信号を
    前記第二の光信号伝送路より入力し、前記光信号処理装
    置及び前記位相変調処理部のうち少なくともいずれか一
    方により位相変調処理が行われた位相変調後の第二の分
    離光信号を前記第一の光信号伝送路より入力することを
    特徴とする請求項3に記載の光信号出力装置。
  7. 【請求項7】 前記第一の光信号伝走路及び第二の光信
    号伝走路には、それぞれ偏波コントローラが配置され、 前記光信号分離出力部は、前記偏波コントローラが配置
    された前記第一の光信号伝走路に前記第一の分離光信号
    を出力し、前記偏波コントローラが配置された前記第二
    の光信号伝走路に前記第二の分離光信号を出力すること
    を特徴とする請求項3に記載の光信号出力装置。
  8. 【請求項8】 前記光信号出力装置は、更に、前記第二
    の光信号伝走路上に配置された半波長板を有することを
    特徴とする請求項7に記載の光信号出力装置。
  9. 【請求項9】 前記半波長板は、前記第二の光信号伝走
    路上であって前記光信号分離出力部の近傍に配置された
    ことを特徴とする請求項8に記載の光信号出力装置。
  10. 【請求項10】 前記光信号出力装置は、更に、前記光
    信号発生部と前記光信号分離出力部との間に配置された
    デポラライザを有することを特徴とする請求項3又は6
    に記載の光信号出力装置。
  11. 【請求項11】 前記位相変調処理部は、それぞれが所
    定の偏光軸を有し、それぞれの偏光軸が相互に直交する
    2つの位相変調器を直列に接続することにより構成され
    ることを特徴とする請求項6に記載の光信号出力装置。
  12. 【請求項12】 前記光信号出力装置は、量子暗号方式
    による鍵生成のために第一の光信号と第二の光信号とを
    出力することを特徴とする請求項1に記載の光信号出力
    装置。
  13. 【請求項13】 第一の光信号と第二の光信号とを出力
    する光信号出力装置と、 前記光信号出力装置より出力された第一の光信号と第二
    の光信号とのうち少なくともいずれか一方に対して所定
    の処理を行う光信号処理装置と、 前記光信号出力装置から前記光信号処理装置へ第一の光
    信号を伝送する第一の光信号伝送路と、 前記光信号出力装置から前記光信号処理装置へ前記第二
    の光信号を伝送する第二の光信号伝送路とを有すること
    を特徴とする光信号伝送システム。
  14. 【請求項14】 前記第一の光信号伝送路と前記第二の
    光信号伝送路のそれぞれは、前記光信号出力装置に接続
    されていない端同士が連結され、第一の光信号と第二の
    光信号とを前記光信号処理装置を経由させて相互に反対
    の方向に環流させ、第一の光信号と第二の光信号とを前
    記光信号処理装置に戻す環状の光信号伝送路を形成する
    ことを特徴とする請求項13に記載の光信号伝送システ
    ム。
  15. 【請求項15】 前記光信号出力装置は、 光信号を発生する光信号発生部と、 前記光信号発生部より前記光信号を入力し、入力した前
    記光信号を第一の分離光信号と第二の分離光信号とに分
    離し、前記第一の分離光信号を前記第一の光信号伝送路
    に出力し、前記第二の分離光信号を前記第二の光信号伝
    送路に出力する光信号分離出力部とを有し、 前記光信号処理装置は、 前記第一の光信号伝送路より第一の分離光信号を入力
    し、前記第二の光信号伝送路より第二の分離光信号を入
    力し、前記第一の光信号伝送路より入力した第一の分離
    光信号を前記第二の光信号伝送路に出力し、前記第二の
    光信号伝送路より入力した第二の分離光信号を前記第一
    の光信号伝送路に出力し、 前記光信号出力装置の前記光信号分離出力部は、 第一の分離光信号を前記第二の光信号伝送路より入力
    し、第二の分離光信号を前記第一の光信号伝送路より入
    力し、入力した第一の分離光信号と第二の分離光信号と
    を合成することを特徴とする請求項13又は14に記載
    の光信号伝送システム。
  16. 【請求項16】 前記光信号出力装置は、更に、 少なくともいずれか一つが、前記光信号分離出力部で合
    成された第一の分離光信号と第二の分離光信号とを入力
    する複数の合成光信号入力部と、 第一の分離光信号及び第二の分離光信号のうち少なくと
    もいずれか一方に位相変調処理を行う出力装置側位相変
    調処理部とを有し、 前記光信号処理装置は、 第一の分離光信号及び第二の分離光信号のうち少なくと
    もいずれか一方に位相変調処理を行い、位相変調処理を
    行った位相変調後の第一の分離光信号を前記第二の光信
    号伝送路に出力し、位相変調処理を行った位相変調後の
    第二の分離光信号を前記第一の光信号伝送路に出力する
    処理装置側位相変調処理部を有し、 前記光信号出力装置の前記光信号分離出力部は、 前記出力装置側位相変調処理部及び前記処理装置側位相
    変調処理部のうち少なくともいずれか一方により位相変
    調処理が行われた位相変調後の第一の分離光信号を前記
    第二の光信号伝送路より入力し、前記出力装置側位相変
    調処理部及び前記処理装置側位相変調処理部のうち少な
    くともいずれか一方により位相変調処理が行われた位相
    変調後の第二の分離光信号を前記第一の光信号伝送路よ
    り入力し、入力した位相変調後の第一の分離光信号と位
    相変調後の第二の分離光信号とを合成し、合成した位相
    変調後の第一の分離光信号と位相変調後の第二の分離光
    信号とに干渉作用を生じさせ、 前記光信号出力装置の前記複数の合成光信号入力部の少
    なくともいずれか一つは、 前記光信号分離出力部において生じた干渉作用に応じ
    て、合成された位相変調後の第一の分離光信号と位相変
    調後の第二の分離光信号とを入力することを特徴とする
    請求項15に記載の光信号伝送システム。
  17. 【請求項17】 前記第一の光信号伝走路及び第二の光
    信号伝走路には、それぞれ偏波コントローラが配置さ
    れ、 前記光信号出力装置の前記光信号分離出力部は、 前記偏波コントローラが配置された前記第一の光信号伝
    走路に前記第一の分離光信号を出力し、前記偏波コント
    ローラが配置された前記第二の光信号伝走路に前記第二
    の分離光信号を出力することを特徴とする請求項15に
    記載の光信号伝送システム。
  18. 【請求項18】 前記光信号出力装置は、更に、前記第
    二の光信号伝走路上に配置された半波長板を有すること
    を特徴とする請求項17に記載の光信号伝送システム。
  19. 【請求項19】 前記半波長板は、前記第二の光信号伝
    走路上であって前記光信号出力装置の前記光信号分離出
    力部の近傍に配置されたことを特徴とする請求項18に
    記載の光信号伝送システム。
  20. 【請求項20】 前記光信号出力装置は、更に、前記光
    信号発生部と前記光信号分離出力部との間に配置された
    デポラライザを有することを特徴とする請求項15に記
    載の光信号出力装置。
  21. 【請求項21】 前記光信号出力装置の前記出力装置側
    位相変調処理部は、 それぞれが所定の偏光軸を有し、それぞれの偏光軸が相
    互に直交する2つの位相変調器を直列に接続することに
    より構成され、 前記光信号処理装置の処理装置側位相変調処理部は、 それぞれが所定の偏光軸を有し、それぞれの偏光軸が相
    互に直交する2つの位相変調器を直列に接続することに
    より構成されることを特徴とする請求項16に記載の光
    信号出力装置。
  22. 【請求項22】 第一の光信号と第二の光信号とを出力
    する光信号出力装置と、 前記光信号出力装置より出力された第一の光信号と第二
    の光信号とのうち少なくともいずれか一方に対して所定
    の処理を行う複数の光信号処理装置と、 前記光信号出力装置と前記複数の光信号処理装置とを直
    列に接続する環状の光信号伝送路であって、前記光信号
    出力装置により出力された第一の光信号と第二の光信号
    とを前記複数の光信号処理装置を経由させて相互に反対
    の方向に環流させ、第一の光信号と第二の光信号を前記
    光信号出力装置に戻す環状の光信号伝送路とを有する光
    信号伝送システム。
  23. 【請求項23】 前記光信号伝送システムは、量子暗号
    方式による鍵生成のために第一の光信号と第二の光信号
    とを伝送させる請求項13又は22に記載の光信号伝送
    システム。
  24. 【請求項24】 光信号を発生する発生工程と、 前記光信号を第一の分離光信号と第二の分離光信号とに
    分離する分離工程と、 第一の分離光信号及び第二の分離光信号を出力する出力
    工程と、 前記出力工程により出力された第一の分離光信号及び第
    二の分離光信号のそれぞれに対して位相変調処理を行う
    とともに、第一の分離光信号と第二の分離光信号とを相
    互に反対の方向に環流させる環流工程と、 前記環流工程により位相変調処理が行われた位相変調後
    の第一の光信号と位相変調後の第二の光信号とを合成
    し、合成した位相変調後の第一の分離光信号と位相変調
    後の第二の分離光信号とに干渉作用を生じさせる合成干
    渉工程と、 合成干渉工程における干渉作用に応じて、合成された位
    相変調後の第一の分離光信号と位相変調後の第二の分離
    光信号とを入力する光信号入力工程とを有することを特
    徴とする光信号伝送方法。
  25. 【請求項25】 前記光信号出力工程は、所定の光信号
    伝送路の一方の端から第一の分離光信号を出力し、前記
    光信号伝送路の他方の端から第二の分離光信号を出力
    し、 前記環流工程は、前記光信号伝送路において第一の分離
    光信号と第二の分離光信号とを相互に反対の方向に環流
    させることを特徴とする請求項24に記載の光信号伝送
    方法。
  26. 【請求項26】 前記光信号伝送方法は、量子暗号方式
    による鍵生成のために第一の分離光信号と第二の分離光
    信号とを伝送させることを特徴とする請求項24に記載
    の光信号伝送方法。
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