JP2003014129A - 板ブラシシール装置 - Google Patents

板ブラシシール装置

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JP2003014129A JP2001199142A JP2001199142A JP2003014129A JP 2003014129 A JP2003014129 A JP 2003014129A JP 2001199142 A JP2001199142 A JP 2001199142A JP 2001199142 A JP2001199142 A JP 2001199142A JP 2003014129 A JP2003014129 A JP 2003014129A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄板をブラシシールに形成してシール能力を
向上させると共に、ロータの当接に対する応答性を向上
することにある。 【解決手段】 薄板を短冊状に形成した板ブラシ部2a
をロータ60側に対向させると共に、板ブラシシール2
を被密封流体の圧力に応じて被封流体の圧力方向へ板ブ
ラシシール単体2Pを積層に重ねられる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、航空機、
ガスタービン等の回転軸と相対移動する相手部品との間
をシールする薄板をブラシ状に加工した板ブラシシール
装置に関する。特に、相対移動する二部品間で一方部品
が微少な変動をしても板ブラシシールが一方部品の変動
に追随して変形すると共に、両部品間を効果的にシール
するようにした板ブラシシール装置の技術分野に係わる
ものである。
【0002】
【従来技術】本発明に関する先行技術には、図8に示す
ブラシシール装置100が存在する。図8は、回転軸1
20が貫通するケーシング110との間に取り付けられ
たブラシシール装置100の断面図である。そして、こ
のケーシング110は、蒸気タービンやガスタービンの
部品であって、 ブラシシール装置100がケーシング
110と回転軸120との間を仕切るようにして被密封
流体をシールしているものである。
【0003】図8において、ブラシシール装置100
は、リング状に形成されて、ケーシング110の溝部1
12に取り付けられている。このブラシシール装置10
0の主要な構成は、ブラシシール109と背板102と
支持板103である。このブラシシール109は、剛毛
101が円周に沿って壁状に配列され、一端部が結合さ
れて取付部104を形成している。そして、ブラシシー
ル109の自由端面105は回転軸120に対向する。
この剛毛101の線形は、一般に、0.02mmから
0.5mmのものが用いられている。そして、その本数は
何万、何十万本と用いられている。
【0004】このブラシシール109の側面には、環状
をした背板102が側面108をブラシシール109と
接触状態にして配置され、被密封流体の圧力の作用に対
して剛毛101を支持している。又、ブラシシール10
9の他方の面には、保持板103がリング板に形成され
て背板102との間でブラシシール109の取付部10
4側を狭持するごとく一体に配置されている。この保持
板103は、被密封流体がブラシシール109の側面に
作用できるように径方向の幅が狭くされてブラシシール
109を露出させている。そして、背板102とブラシ
シール109の取付部104と保持板103とは、一端
が溶接されて結合部106に形成されている。
【0005】図9は、ブラシシール109の正面図であ
る。この図10のブラシシール装置100は、ブラシシ
ール109と回転軸120とが揺動しない正常に嵌合し
た状態であって、剛毛101は、直線状を成して回転軸
120の径方向に対して回転する方向へ傾斜している。
このブラシシール109の正常状態は、図8の実線で示
すように回転軸120が自由端面105に接触又は近接
しているものである。このために自由端面105は、ブ
ラシシール109に完成後回転軸に嵌合するように精密
仕上げ加工されている。この加工も困難な加工の1つで
ある。
【0006】更に、他の従来技術として特開平10−1
96801号公報には図11に示すブラシシール装置が
開示されている。この図11には、板ブラシシール20
9として薄板を回転軸120の周方向に重ねて高圧側領
域P1と低圧側領域P2をシールするものである。そし
て、板ブラシシール209の外周部はろう付けされて取
付部104に形成されていると共に、このろう付けされ
た取付部104を介してケーシング110の溝部に取り
付けられる。又、板ブラシシール209の低圧側領域P
2の側面には背板102が配置されていると共に、高圧
領域側P1の側面には保持板103が配置され、この両
板102,103により板ブラシシール209の両側を
支持している。
【0007】しかし、この様に形成された板ブラシシー
ル209に対し、回転軸120が偏心して圧接したとき
に、重ねられて環状体を成す板ブラシシール209は、
弾性変形する逃げ場を失って、弾性変形に対応するバネ
常数が大きくなるので、回転軸60の偏心に対して追随
することが困難になる問題を生じている。更に、被密封
流体の圧力が作用する方向に接合して重ねられた板ブラ
シシール209は、その接合面間に隙間が生じるから、
被密封流体の漏れに対してシール能力に問題が生じてく
る。更に、環状方向に薄板を積層した板ブラシシール2
09は環状全体では数十万枚にも成る場合があるから、
その製作が極めて困難である。更に又、板ブラシシール
209の環状の内周長さと外周長さとは、その周長さが
異なり、外周長さが長くなるから、その分、外周側にス
ペーサを設けなければ成らず、接合面間に間隙が生じる
ことになる。この点からもシール能力の問題が存する。
更に又、可撓性が阻害される構成の積層状態は、板ブラ
シシール209の自由端面105を早期に摩耗させる結
果となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のごとく構成され
たブラシシール装置1は、回転軸120が振動や揺動な
どにより、ブラシシール109に接触すると、ブラシシ
ール109は、図9(b)に示すように回転軸120と
圧接された状態になりながら傾斜角度も増加させる。
【0009】この状態で、被密封流体の圧力が高圧P1
の場合には、図8に示すように、低圧P2との差圧(P
1−P2)が大きくなるから、ブラシシール109の直
線状の剛毛101は、全体が板の様な状態で撓みにくく
なり、回転軸120に対して追随性を悪化させる。図1
0(a)と図10(b)は、ブラシシール109の内径
側から見た一部の正面図である。この図10(a)と図
10(b)に於いて、直線状の剛毛101間に被密封流
体が侵入すると内周面側から見て図10(a)の様に配
列されている各剛毛101は、図10(b)に示すよう
に剛毛101間が開くように押し分けられるので、この
分けられた間隙から被密封流体が漏洩することになる。
この作用は更に、傾斜した状態の剛毛101が圧力によ
り分けられると、分けられた一方側が、傾斜角度を小さ
くするように変位しようとするので、径方向の長さが長
い状態になり、回転軸120との圧接状態を更に増加さ
せて摩耗することになる。
【0010】この様な状態と共に、ブラシシール101
の回転軸120に圧接した位置に対し、軸心の径方向反
対側は剛毛101の自由端面105と回転軸120との
隙間C(図8の仮想線の回転軸を参照)が大きくなると
共に、この間隙Cから被密封流体の漏れが惹起する。
【0011】又、板ブラシシール209に於いても、被
密封流体が作用する方向に薄板が接合しているので、被
密封流体が作用すると、図10(b)と同様に薄板の接
合面間が分けられるので、被密封流体が漏洩することに
なる。更に、板ブラシシール209の自由端部105は
可撓性が阻害されるから、摩耗を早めることになる。
【0012】本発明は、上述のような問題点に鑑み成さ
れたものであって、その技術的課題は、ブラシシールの
加工、設計を容易にして製作、組立を容易にし、製品コ
ストを低減することにある。更に、回転軸からの押圧力
に対するブラシシールの弾性変形を向上させ、ブラシシ
ールが回転軸により摩耗させられるのを低減することに
ある。又、ブラシシールの回転軸の外周面との変動に対
応する追随性を良好にしてシール能力を向上させること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上述のような課
題を解決するために成されたものであって、その課題を
解決するための技術的手段は以下のように構成されてい
る。
【0014】請求項1に係わる本発明の板ブラシシール
は、間隙を有して相対回動する構成部品間の前記一方の
部品に取付けられて前記他方の部品との間をシールする
板ブラシシール装置であって、薄板の前記他方の部品の
相対面側にスリット(9)を有して短冊状に形成された
板ブラシ部(2a)を有すると共に、前記板ブラシ部
(2a)と反対側に前記一方の部品に固着される基部
(2b)から成る取付部(3)を有する板ブラシシール
単板を備えた板ブラシシール(2)と、前記板ブラシシ
ール(2)の取付部(3)と結合して前記板ブラシシー
ル(2)の側面が支持される支持面(7)を有する背板
部(6)と、前記板ブラシシール(2)の前記取付部
(3)を前記背板部(6)との間で保持する保持部(1
0)とを具備し、前記板ブラシシール(2)は被密封流
体の圧力に応じて被密封流体の圧力作用方向へ板ブラシ
シール単板を積層に重ねられているものである。
【0015】請求項1に係わる本発明の板ブラシシール
では、薄板の一方側が短冊状に加工されてその自由端部
が他方の部品の相対面と対向する形の板ブラシシール単
板を被密封流体の圧力に応じて被密封流体の圧力作用方
向へ積層に重ねられているので、被密封流体の圧力に応
じて複数枚積層にすればよいから、従来のように数十万
本の剛毛の取付部を一体化してブラシシールを製作する
ものに比較すると、極めて容易に製作することが可能に
なる。
【0016】しかも。従来の剛毛より成るブラシシール
は、数十万本から成るために内周面をワイヤー放電加工
等で円形に加工しなければならなかったが、薄板から数
枚で構成される板ブラシシールは内径面を加工すること
なく内径の精度を向上させることが可能になる。更に、
板ブラシシールは取付部側が短冊状に加工されてない薄
板の基部で一体化されており、板ブラシシールを重ねる
のみで形成されるから、剛毛を何十万本と無く溶接して
取付部に形成するものに比べて取付部を形成するのが極
めて容易である。
【0017】請求項2に係わる本発明の板ブラシシール
は、前記板ブラシ部(2a)を短冊に形成するスリット
(9)方向が前記他方の部品の移動方向に傾斜している
ものである。
【0018】請求項2に係わる本発明の板ブラシシール
では、板ブラシ部を短冊に形成するスリットがどの方向
にでも簡単に加工できるから、従来のように数十万本の
剛毛を傾斜させて整列させるために治具により傾斜させ
た取付部を長時間かけて一体化する必要もなく、取付部
や自由端部の製作精度を向上させ、且つ取付部や自由端
部の取付精度によるシール能力を向上させることが可能
になる。
【0019】請求項3に係わる本発明の板ブラシシール
は、前記板ブラシ部(2a)を短冊状に形成するスリッ
トの間隔が前記取付部側が広く、自由端部側が狭く形成
されているものである。
【0020】請求項3に係わる本発明の板ブラシシール
では、用途に応じて、円錐状をした板ブラシシールや円
弧状の板ブラシシールを形成するとき、スリットの間隔
を取付部側が広く成るように形成すると、短冊の自由端
部の間隙を互いに接合又は近接するまで板ブラシシール
の取付部側を曲げることが可能になる。
【0021】請求項4に係わる本発明の板ブラシシール
は、板ブラシシールが円弧状を成す板ブラシシール分割
片に形成されて周方向に組み合わせて環状に形成されて
いるものである。
【0022】請求項4に係わる本発明の板ブラシシール
では、板ブラシシールが大径の場合に、又は、環状を成
す薄板を短冊状にスリット加工ができない場合に、円弧
状の板ブラシシール分割片を、又は矩形状の板ブラシシ
ールを円弧状にプレス加工して形成し、この円弧状の板
ブラシシール分割片における分割面を互いに組み合わせ
れば、環状の板ブラシシールを容易に形成することが可
能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる実施の形態
についての板ブラシシール装置を図面に基づいて詳述す
る。尚、以下の図面は不正確な概念図ではなく、形状が
正確な寸法の設計図である。
【0024】図1は、ガスタービンのケーシング50と
ロータ60との間隙を高圧P1側と低圧P2側とに仕切
る板ブラシシール装置1の断面図である。又、図2は、
軸に嵌合した状態の図1に示す板ブラシシールの平面図
である。更に、図3は、板ブラシシール単板2Pの平面
図である。
【0025】図1において、1は板ブラシシール装置で
ある。この板ブラシシール装置1の外周側の固定部20
は、構成部品の一方の部品であるケーシング50の内周
面に設けられた段部51にスナップリング12を介して
取り付けられている。尚、固定部は組み合わせた溝部5
1に取り付けることできる。又、板ブラシシール装置1
の内周側の自由端部5は他方の部品であるロータ60の
外周面と対向して接面又は近接した状態に配置されてい
る。そして、板ブラシシール装置1により高圧P1側の
被密封流体をシールする。
【0026】板ブラシシール装置1は、板ブラシシール
2、背板部6及び保持部10が主要な構成である。この
うちの板ブラシシール2は、図2に示すように、環状を
成す薄板の内周側がロータ60の回転方向へ傾斜したス
リット9に加工されて短冊状に形成されており、このス
リット9により内周板が板ブラシ部2aに構成されてい
ると共に、外周板の基部2bが取付部3を構成する。こ
の板ブラシ部2aは、環状の薄板の内径側が細かい短冊
状に形成されて断面が矩形状のブラシ部分8に形成され
ているものである。そして、ロータ(回転軸)60の軸
方向へ板ブラシシール単板2Pが複数枚を積層状態に配
置して壁に形成している。又外周端部が溶接により一体
化されて取付部3を形成している。
【0027】この板ブラシシール2は、一実施例とし
て、リング状を成す薄板の内周側に3角形状の間隙を成
すスリット9を設けてブラシの断面が角形状(矩形又は
正方形)に形成されていると共に、その断面寸法の1辺
は、0.2〜0.005×0.3〜0.008mm、好
ましくは0.15〜0.008×0.2〜0.01mm
である。又、長さは5〜50mmの範囲である。更に、
壁の厚さは0.5〜5mmの範囲にしたが、この厚さ
は、被密封流体の圧力により決められるものである。更
に、板ブラシシール2の材質は、鋼、ステンレス、ニッ
ケル基の合金、セラミック材等が用いられる。
【0028】図3に示す板ブラシシール単板2Pは、本
発明に係わる第2の実施の形態である。この板ブラシシ
ール単板2Pは、被密封流体の圧力の大きさに応じて複
数の板ブラシシール単板2Pを積層に重ね合わせて板ブ
ラシシール2に構成する。そして、板ブラシシール単板
2Pは、環状を成す薄板の内周側をイッチング処理加
工、プレス加工、放電加工等の方法によりスリット9に
加工して短冊状に形成した板ブラシ部2aを設けてい
る。又、外周側はスリットのない薄板の基部2bに形成
されて板ブラシ部2aがばらつかないように一体化して
いる。又、各スリット9は、内径側が小さくなる寸法の
三角形状をした間隙に形成されている。このスリット9
の形状は必要に応じて平行な間隙に形成しても良い。更
に、このスリット9により、ロータ60の回転する方向
に傾斜したブラシ部分8を形成しているが、このブラシ
部分8の傾斜角度はロータ60の回転数などから決定さ
れる。又、正逆両用回転としてブラシ部分8を径方向に
形成することも可能である。
【0029】背板部6は、板ブラシシール2の取付部3
を保持する固着部6Aと板ブラシシール2に被密封流体
の圧力が作用して極端に曲げられないように支持する支
持面7とを設けている。そして、板ブラシシール2と支
持面7との間は、図1のように接合させても良いし、離
間する形に形成しても良い。
【0030】板ブラシシール2は、回転軸60が大きく
振れると自由端部5が回転軸60と接触するが、板ブラ
シ部2aは微細な角状板の各ブラシ部分8により形成さ
れているから、ばね常数が小さく、ロータ60の揺動に
よる当接に対して弾性的に追随して摩耗するのが防止さ
れる。このために、板ブラシシール2は、ロータ60に
当接してもロータ60の変動に応じて弾性的に変形する
ことができる。つまり、ロータ60に振れが生じても板
ブラシシール2に設定されたばね常数に応じて当接が弾
性的に和らげられる。更に、ロータ60がそれより少し
触れ回りが大きく揺動しても、角状板の板ブラシシール
2に有するブラシ部分8は、接触圧力を更に減少させる
から摩耗するのが更に防止される。
【0031】板ブラシシール2は、背板部6と保持板部
10とにより取付部3が電子ビーム等の溶接により一体
に結合され、この三部品の溶接部は固定部20を形成す
る。そして、保持部10は、リング状に形成されて、背
板部6より径方向幅が小さい寸法に形成されている。
尚、図1では、保持部10が固定部20を形成する長さ
であるが、背板部6に近い径方向の長さに形成すること
も可能である。そして、この長さの長い保持部10の場
合には、板ブラシシール2と保持板部10の側面との間
に被密封流体が流入できる空間部に形成される。
【0032】背板部6と保持部10は、ケーシング50
の線膨張係数に合わせて材質を選定することが好まし
い。例えば、ニッケル基の合金、鉄、鋼、ステンレスそ
の他非鉄金属で製作される。更には、被密封流体の種
類、温度、又は、その他の適用分野の条件によって種々
の材質が選定されている。
【0033】図4(a)は、図1の板ブラシシール装置
1の内径側から見た1部の平面図である。又、図4
(b)は図4(a)のC部の拡大図である。この図4
は、本発明に係わる第3の実施の形態を示す板ブラシシ
ール装置1である。図(a)において、板ブラシシール
2は、板ブラシシール単板2が8層に積層されている。
そして、図(b)に拡大して示すように、ブラシ部分8
は断面が正方形状に形成されているとともに、スリット
9が被密封流体の圧力が作用する方向に1列にならない
ように互いにづらして配置されている。この様に配列す
ることにより被密封流体の漏れは防止されるから、シー
ル能力が向上する。
【0034】図5(a)は、図1の板ブラシシール装置
1の内径側から見た1部の正面図である。又、図5
(b)は、図5(a)のD部の拡大図である。この図5
は、本発明に係わる第4の実施の形態を示す板ブラシシ
ール装置1である。図5(a)において、板ブラシシー
ル2は、板ブラシシール単板2Pが4層に積層されてい
る。そして、図(b)に拡大して示すように、ブラシ部
分8は断面が被密封流体の圧力が作用する方向に長手の
矩形状に形成されているとともに、スリット9が被密封
流体の圧力が作用する方向に1列にならないように互い
にずらして配置されている。この様なブラシ部分8の断
面形状の配列によりシール能力が向上すると共に、ブラ
シ部分8の弾性変形能力を向上させることが可能にな
る。
【0035】図6(a)は薄板の1方側にスリット9を
設けてブラシシール単板2Pに形成したものである。こ
の図6は、本発明に係わる第5の実施の形態を示す板ブ
ラシシール装置1である。尚、図6(b)は、図6
(a)のA部の拡大図である。この板ブラシ部2aはス
リット9の幅Tがほぼ平行な間隔に形成したものであ
る。このブラシシール単板2Pを図6(c)に示すよう
に円弧状にプレス加工して板ブラシシール分割片4を形
成する。又は、円錐状の板ブラシシール装置1を形成す
るときにはこの様にして形成しすることが出来る。
【0036】図7は、本発明に係わる第6の実施の形態
の板ブラシシール装置1の平面図である。この板ブラシ
シール単板2Pは円弧状に形成された板ブラシシール分
割片4の分割面11を互いに組み合わせて全体を環状に
形成するものである。この板ブラシシール分割片4は、
図6(c)のようにして形成することができる。又、円
弧状を成す薄板の内周面にスリット9を加工して板ブラ
シシール分割片4を形成することもできる。又、この板
ブラシシール分割片4は積層に配列するとき分割面11
をずらして配列することにより分割面11から被密封流
体が漏洩するのを防止することが可能になる。この様な
板ブラシシール分割片4の組合せによるブラシシール装
置1の構成は、大径の板ブラシシール装置1を製作する
のにコストの面からも、組立の面からも効果的である。
【0037】
【発明の効果】請求項1に係わる本発明の板ブラシシー
ル装置によれば、薄板の一方側が短冊状に加工されて自
由端部が他方の部品の相対面と対向するに板ブラシシー
ル単板を被密封流体の圧力に応じて被密封流体の圧力作
用方向へ積層に重ねられているので、被密封流体の圧力
が大きい場合には、この圧力に応じて複数枚積層にすれ
ばよいから、従来のように数十万本の剛毛の取付部を一
体化してブラシシールを製作するものに比較すると、製
作コストも飛躍的に低減できる効果を奏する。又、短冊
状の板ブラシシールにより被密封流体をシールするシー
ル能力を向上させる効果が期待できる。
【0038】しかも。従来の剛毛より成るブラシシール
は数十万本から成るために内周面をワイヤー放電加工等
で円形に加工しなければならなかったが、薄板から構成
された板ブラシシールは、薄板基部と板ブラシ部とは一
体であるから、内径面を加工することなく内径の精度を
向上させることが可能になる。又、この一体による精度
向上は、板ブラシシール装置の自由端部をロータに近接
できるから、ロータとの間隙のシール能力を向上させる
ことが可能になる。更に、板ブラシシールは取付部側が
短冊状に加工されてない薄板の基部で一体化されてお
り、板ブラシシールを重ねるのみで取付部が形成される
から、取付部を取り付ける精度が極めて向上する。
【0039】請求項2に係わる本発明の板ブラシシール
によれば、板ブラシ部を短冊に形成するスリットがどの
方向にでも簡単に加工できるから、又、スリットの間隔
も任意に設定できるから、従来のように数十万本の剛毛
を整列させるために治具により傾斜させて取付部を一体
化する必要もなく、製作コストと共に、加工精度を向上
させてシール能力を向上させる効果が期待できる。
【0040】請求項3に係わる本発明の板ブラシシール
によれば、用途に応じて、円錐状をした板ブラシシール
や円弧状の板ブラシシールを形成するとき、スリットの
間隔を取付部側が広く成るように形成すると、短冊の自
由端部の間隙を互いに接合又は近接するまで板ブラシシ
ールの取付部側を円弧状に曲げることが可能になる。そ
の結果、任意の円弧状の板ブラシシールを製作できるか
ら、他方の部品の外周面に合わせた板ブラシシール装置
の製作を可能として、自由端部と他方の部品との間隙を
シールする効果が期待できる。
【0041】請求項4に係わる本発明の板ブラシシール
によれば、板ブラシシールが大径の場合に、又は、環状
を成す薄板を短冊状にスリット加工ができない場合に、
円弧状の板ブラシシール分割片を、又は矩形状の板ブラ
シシールを円弧状にプレス加工して形成し、この円弧状
の板ブラシシール分割片を周方向に組み合わせれば、板
ブラシシールを容易に形成することができる効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる第1実施の形態を示す板ブラシ
シール装置の半断面図である。
【図2】図1の軸方向の正面図である。
【図3】本発明に係わる第2の実施の形態の板ブラシシ
ール単板の平面図である。
【図4】(a)は本発明に係わる第3実施の形態を示す
板ブラシシール装置の内径から見た1部平面図、(b)
は図4(a)のC部の拡大図である。
【図5】(a)は本発明に係わる第4の実施の形態を示
す板ブラシシール装置の内径から見た1部平面図、
(b)は図5(a)のD部の拡大図である。
【図6】(a)は本発明に係わる第5の実施の形態を示
す板ブラシシール装置の板ブラシシールの斜視図、
(b)は図6(a)のA部の拡大図、(c)は図6
(a)の板ブラシシールを板ブラシシール分割片に曲げ
加工した斜視図である。
【図7】本発明に係わる第6に実施の形態を示す板ブラ
シシールの平面図である。
【図8】従来例のブラシシール装置の半断面図である。
【図9】(a)は図8の1部平面図、(b)は図8の状
態に於いてロータが偏心した状態のブラシシール装置の
平面図である。
【図10】(a)は図8のブラシシール装置を内径側か
ら見た平面図、(b)は図8のブラシシール装置に被密
封流体が作用して剛毛間が開いた状態の内径側から見た
平面図である。
【図11】従来例の他のブラシシール装置の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 板ブラシシール装置 2 板ブラシシール 2a 板ブラシ部 2b 基部 2P 板ブラシシール単板 3 取付部 4 板ブラシシール分割片 5 自由端部 6 背板部 6A 固着部 7 支持面 8 ブラシ部分 9 スリット 10 保持部 11 分割面 12 スナップリング 20 固定部 50 一方の部品(ケーシング) 51 溝部 60 他方の部品(ロータ)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 間隙を有して相対回動する構成部品間の
    前記一方の部品に取付けられて前記他方の部品との間を
    シールする板ブラシシール装置であって、 薄板の前記他方の部品の相対面側にスリットを有して短
    冊状に形成された板ブラシ部を有すると共に、前記板ブ
    ラシ部と反対側に前記一方の部品に固着される基部から
    成る取付部を有する板ブラシシール単板を備えたた板ブ
    ラシシールと、 前記板ブラシシールの取付部と結合して前記板ブラシシ
    ールの側面が支持される支持面を有する背板部と、 前記板ブラシシールの前記取付部を前記背板部との間で
    保持する保持部とを具備し、 前記板ブラシシールは被密封流体の圧力に応じて被封流
    体の圧力方向へ板ブラシシール単板を積層に重ねたこと
    を特徴とする板ブラシシール装置。
  2. 【請求項2】 前記板ブラシシールの板ブラシ部を形成
    するスリット方向が前記他方の部品の移動方向に傾斜し
    ていることを特徴とする請求項1に記載の板ブラシシー
    ル装置。
  3. 【請求項3】 前記板ブラシシールの前記スリットの間
    隔が前記取付部側を広く形成されていると共に自由端部
    側を狭く形成されていることを特徴とする請求項1又は
    請求項2に記載の板ブラシシール装置。
  4. 【請求項4】 前記板ブラシシールは板ブラシシール分
    割片を周方向組み合わされて環状に形成されていること
    を特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3に記載
    の板ブラシシール装置。
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