JP2003013124A - 冶金炉用ステーブクーラおよびその取付け方法 - Google Patents

冶金炉用ステーブクーラおよびその取付け方法

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JP2003013124A JP2001198789A JP2001198789A JP2003013124A JP 2003013124 A JP2003013124 A JP 2003013124A JP 2001198789 A JP2001198789 A JP 2001198789A JP 2001198789 A JP2001198789 A JP 2001198789A JP 2003013124 A JP2003013124 A JP 2003013124A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発生する熱応力により金属疲労に起因した亀
裂の発生を抑制または解消することができる、高炉の炉
体を冷却して保護するための銅または銅合金製の冶金炉
用ステーブクーラと、その取付け方法とを提供する。 【解決手段】 高炉30の内部に配置される本体32
c’を有し、本体32c’が、高炉30の高さ方向への
一つの高さ位置Bに、高炉30を構成する鉄皮31に固
定配置される固定部材36cを備えることによって、高
炉30の稼働時の温度上昇による熱膨張に起因する圧縮
応力を略解消することができるように、高炉を構成する
鉄皮30へ取付けられる冶金炉用ステーブクーラ32c
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば高炉等の冶
金炉の炉体を冷却して保護するための冶金炉用ステーブ
クーラおよびその取付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、高炉は、高いシャフトお
よび炉底の湯溜まり部を備え、鉱石とコークスとを炉頂
から装入するとともに湯溜まり部にある羽口から熱風を
炉内に送風することにより、コークスを燃焼させて鉱石
を還元溶解する冶金炉であり、最も高能率の銑鉄製造装
置として広く用いられている。現在、わが国における高
炉の炉体は、高炉の大型化に伴って、炉胸部に鉄皮を用
い、その荷重を数本の柱で支持し、炉頂部の荷重は櫓鉄
骨で支持するという、いわゆる鉄骨鉄皮式が採用されて
いる。この鉄皮は、主に溶接構造用鋼(SM材)からな
り、板厚が60〜120mm程度の小片を多数溶接する
ことによって構築される。鉄皮の内面側には、熱負荷の
低減を図るために耐熱レンガが積み上げられて配置され
る。
【0003】このように鉄皮と多数の耐熱レンガとによ
り構成される炉体の側壁は、側壁れんが積の寿命延長お
よび鉄皮保護の観点から、炉の高さ方向に30〜50
段程度、各段36〜52段程度の冷却盤を千鳥状に配置
する冷却盤方式、炉体に散水する散水冷却方式、炉
体周囲に配置した冷却水流路を用いるジャケット冷却
式、さらには内部に冷却水流路を有するステーブクー
ラを鉄皮と耐熱レンガとの間に多数配置するステーブク
ーラ方式等により、冷却される。
【0004】これらの冷却方式のうちステーブクーラ方
式に用いられるステーブクーラは、一般的に、直接高熱
雰囲気による熱負荷によって摩耗、損耗、本体の熱膨張
や反りによる冷却パイプの破損等により早期に寿命をき
たすため、これまでにもステーブクーラの耐久性を向上
するための発明が多数開示されている。
【0005】図4は、パンフレット「新日鉄式ステーブ
クーラー」により第3世代型ステーブクーラとして開示
された鋳鉄製のステーブクーラ1を示す説明図であり、
図4(a)は正面図、図4(b)は側面図である。図4
(a)および図4(b)に示すように、このステーブク
ーラ1の本体2は、鋳鉄により構成され、その内部に
は、事前に曲げ加工された合計10本もの冷却配管3が鋳
込まれて配置される。このステーブクーラ1は、本体2
の材質変更や冷却配管3の高密度化等の改良により、10
年以上の寿命を有するようになっている。
【0006】一方、図5は、特開平8−85808号公
報により開示された鋳鉄製のステーブクーラ4の鉄皮6
への取付け構造を示す説明図である。図5に例示するよ
うに、事前に曲げ加工された冷却配管7を冷却水供給お
よび排出水路として内部に鋳込まれた本体5が、鉄皮6
の内部に配置される。冷却配管7の端部は、鉄皮6に設
けられた貫通孔を貫通して鉄皮6の外部へ導かれ、露出
した冷却配管7の端部は、その周囲に配置された保護管
8により保護される。保護管8はガスシールプレート9
を介して、鉄皮6に取り付けられる。ステーブクーラ4
の本体5は、角形の頭部を有して本体5に埋設された取
付けボルト10a、10bと、座金11a、11bと、
ナット12a、12bとによって鉄皮6に固定される。
一般的に、鋳鉄製のステーブクーラ4は、高炉の高さ方
向への異なる二つの高さ位置で鉄皮6に取り付けられ
る。
【0007】しかし、図4や図5により示す冷却配管
3、7を用いると、炉外における配管の引き回しが複雑
となり、また本体2、5の大型化や図示しない給水設備
の大容量化も必要となる。このため、操業途中に短時間
で取り替える必要が生じる補修用ステーブクーラとして
は、用いることができない。
【0008】また、図5に示す取付け方法では、取付け
ボルト10a、10bが炉内面まで貫通することから、
長期間の使用により、摩耗や損耗等に起因した本体5の
冷却機能の喪失よりも先に、取付けボルト10a、10
bの支持機能が喪失してしまう。これにより、本体5の
熱膨張や反り等による荷重が全て冷却配管7の保護管8
に負荷されるため、冷却配管7にも多大な応力が作用
し、亀裂損傷を与えてしまい、しばしば高炉内に冷却水
が漏水するといった重大な事故になるおそれがある。
【0009】さらに、図6は、ステーブクーラ13の鉄
皮14への他の周知の取付け構造を示す説明図である。
この図6に示す取付け構造では、冷却配管16はガスシ
ール用金物である伸縮管17を介して、鉄皮14に取り
付けられる。この取付け構造によれば、確かに、ステー
ブクーラ13の本体15に鋳込まれた冷却配管16が移
動可能となるものの、図5に示す取付け構造と同様に、
本体15を鉄皮14に取り付ける取付けボルト18が炉
内まで貫通するため、本体15の冷却機能の喪失よりも
先に取付けボルト18の支持機能が喪失してしまい、伸
縮管17を残して本体15の支持機能がほとんど喪失さ
れてしまい、最悪の場合には、伸縮管17の破損や本体
15の脱落等を招来してしまう。
【0010】そこで、特開昭52−8553号公報に
は、図7に示すように、冷却管19から供給される冷却
水によって本体15の内部に埋設された取付けボルト1
8を冷却する構造が開示されている。しかし、この取付
け構造では、冷却管19やその給排水設備等が必要とな
る。通常、一基の冶金炉には400〜500個程度のス
テーブクーラが設置されるため、冷却管19や付帯設備
の設置コストは莫大なものになってしまう。
【0011】なお、図8に示すように、ステーブクーラ
13の本体15にタップ孔20を加工することにより取
付けボルト18を取り付ける構造も考えられる。しか
し、一般的に、鋳鉄製の本体15は熱応力に起因して亀
裂が生じ易く、しかも、ボルト孔では特に応力集中が発
生し易いために亀裂の起点となり易い。このため、図8
に示す取付け構造は採用できない。
【0012】一方、新規に高炉を建設する際や長期間の
操業中断時にステーブクーラを交換する際にも、高炉稼
働年数の延長に伴うステーブクーラ自体の更なる寿命延
長や設置コスト削減に対する要請が大きくなり、このよ
うな要請に対しては鋳鉄製のステーブクーラでは対応で
きなくなってきた。このため、鋳鉄製のステーブクーラ
よりも、本体の摩耗、損耗、熱膨張さらには反りが少な
いために長寿命であって構造が簡素化された銅および銅
合金製のステーブクーラが、特開昭55−122810
号公報や特開平11−293312号公報により開示さ
れている。
【0013】図9は、特開昭55−122810号公報
により開示された、銅および銅合金製のステーブクーラ
ー21の平面図である。このステーブクーラー21の本
体22の内部には、機械加工によって冷却水水路23が
設けられる。また、本体22に冷却水を導入および導出
する管材24は本体22に溶接固定される。
【0014】図10は特開平11−293312号公報
により開示された、銅および銅合金製のステーブクーラ
ー25の平面図である。このステーブクーラー25の本
体26の内部における冷却水水路27は、本体26の製
造時に中子を使用して一体的に鋳造される。また、本体
26に冷却水を導入および導出する管材28は、図9に
示すステーブクーラー21と同様に、本体26に溶接固
定されている。
【0015】図9および図10に示す、銅および銅合金
製のステーブクーラー21、25は、本体の亀裂、損
耗、反り等による変形の発生が少なく、寿命が長い。ま
た、本体に冷却水を導入および導出する管材24、28
の材質は、ガルバニック腐食 (異種金属間腐食) の発生
防止を考慮すると、本体22、26と同等の銅および銅
合金であることが望ましい。また、管材24、28を銅
および銅合金製とすると、炭素鋼に比較して強度的に劣
るため、本体22、26の固定支持は取付ボルトを用い
て行い、管材24、28の鉄皮への取付けは図6に例示
した伸縮管17を用いて、管材24、28に応力を負担
させない方法が広く採用される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】図9や図10に示すよ
うな銅および銅合金製のステーブクーラー21、25は
亀裂発生が少ないため、前述した図8に示すように本体
15にタップ孔20を設けることは、取付けボルト18
の損耗を防止する意味でも望ましい。しかし、図8に示
すような取付けボルト18では、本体とのガタを意図的
に設けることができないため、取付けボルト18と噛合
するナットの締め具合によっては、図9、図10の本体
21、25の熱変形を拘束することになり、発生する熱
応力によっては金属疲労が進行して本体21、25に亀
裂が発生してしまう。また、亀裂は疲労性のものである
ため、高炉使用期間が長期間化する傾向にある近年の状
況では、なおさらこの問題が顕在化してくる可能性があ
る。
【0017】また、高炉に装着されたステーブクーラー
の一部(例えば正円錐型のシャフト部に装着されたステ
ーブクーラー)は、操業途中に短時間で取り替えられる
ものがある。しかし、図9や図10に示すような銅およ
び銅合金製のステーブクーラー21、25を補修交換用
のステーブクーラーとして使用する場合、この補修交換
用のステーブクーラー本体を既設のステーブクーラーに
干渉しない位置で炉口部から炉内略中央部に吊り下げ、
これをシャフト部の内壁面まで略水平方向へ引き寄せる
必要がある。このため、炉内面に吊具を配置する必要が
ある。この際、吊り下げられたステーブクーラーと鉄皮
との間の傾斜が大きく異なるため、ステーブクーラーを
鉄皮に引き寄せ難いという問題があり、作業時間の増加
が生じていた。また、本体に接合される管材が銅および
銅合金製であれば、さらに問題は深刻となり、強度的に
炭素鋼に比較して劣るため、管材を曲げたり損傷したり
するおそれがあるという支障をきたすこともある。
【0018】本発明の第1の目的は、従来の技術が有す
るこのような課題、つまり発生する熱応力により金属疲
労に起因した亀裂の発生を抑制または解消することがで
きる、例えば高炉等の冶金炉の炉体を冷却して保護する
ための銅または銅合金製の冶金炉用ステーブクーラと、
その取付け方法とを提供することである。
【0019】本発明の第2の目的は、第1の目的に加え
て、補修交換用のステーブクーラーとして使用する場合
にも短時間で交換作業を行うことができ、さらには管材
を曲げたり損傷したりするおそれがない、銅または銅合
金製の冶金炉用ステーブクーラと、その取付け方法とを
提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、冶金炉の内部
に配置される本体を有し、この本体が、冶金炉の稼働時
の温度上昇による熱膨張に起因する応力を略解消するこ
とができるように、冶金炉を構成する外壁部へ取付けら
れることを特徴とする冶金炉用ステーブクーラである。
【0021】また、本発明は、冶金炉の内部に配置され
る本体を有し、この本体が、冶金炉の稼働時の温度上昇
による熱膨張に起因する反りを略吸収することができる
ように、冶金炉を構成する外壁部へ取付けられることを
特徴とする冶金炉用ステーブクーラである。
【0022】また、本発明は、冶金炉の内部に配置され
る本体を有し、この本体が、冶金炉の高さ方向への一つ
の高さ位置に、冶金炉を構成する外壁部に固定配置され
る固定部材を備えることを特徴とする冶金炉用ステーブ
クーラである。
【0023】また、これらの本発明にかかる冶金炉用ス
テーブクーラーにおいて、固定部材が、前記の高さ位置
において冶金炉の周方向に複数設けられることが、例示
される。
【0024】また、これらの本発明にかかる冶金炉用ス
テーブクーラーにおいて、固定部材の先端が、本体の内
部に設けられた冷却液体流路に接続された冷却液体の供
給管および排出管それぞれの先端よりも、本体から離れ
た位置に配置されることが、望ましい。
【0025】また、これらの本発明にかかる冶金炉用ス
テーブクーラの本体は、銅または銅合金からなること
が、例示される。別の観点からは、本発明は、冶金炉用
ステーブクーラの本体を、この冶金炉の内部に、冶金炉
の稼働時の温度上昇による熱膨張に起因する応力を略解
消することができるように、または、熱膨張に起因する
反りを略吸収することができるように、冶金炉を構成す
る外壁部へ取付けることを特徴とする冶金炉用ステーブ
クーラの取付け方法である。
【0026】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明にかかる冶金炉用ステーブクーラおよびその取付け方
法の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明
する。なお、以降の説明では、冶金炉が高炉30である
とともに、本発明にかかる冶金炉用ステーブクーラをこ
の高炉のシャフト部に装着する場合を例にとる。
【0027】図1は、高炉30のシャフト部を、一部簡
略化・省略するとともに破断状態で示す斜視図である。
また、図2は、図1におけるA−A断面図である。図1
に示すように、シャフト部は、正円錐型の斜面の一部を
なす鉄皮31と、鉄皮31の内面側に円周状に配置され
た本実施の形態の冶金炉用ステーブクーラ本体32と、
この本体32の内面に装着された耐火物33とにより構
成される。
【0028】シャフト部を構成する鉄皮31は、主に溶
接構造用鋼(SM材)からなり、板厚が30〜100mm 程度
の小片を多数溶接することによって、正円錐型に構築さ
れる。また、本体32は、銅または銅合金からなり、内
部に図示しない冷却水流路を設けられている。冷却水流
路の配置や構成は、周知慣用の手段によればよい。この
本体32は、鉄皮31の内面から一定距離だけ離れて配
置される。
【0029】さらに、図1および図2に示すように、本
体32側の平面には、凹凸部34に耐火物33が装着さ
れている。このようにして、本実施の形態では、耐火物
33を装着された本体32が多数積み上げられて、シャ
フト部の内壁面が構成される。
【0030】本実施の形態では、本体32が、高炉30
の高さ方向への一つの高さ位置Bに、鉄皮31に固定配
置される固定部材36a、36bを備えている。固定部
材36a、36bは、棒状部材であって、後述するよう
に、装着時に鉄皮31の内面に衝突することにより発生
する大きな外力に充分に耐え得る強度を有しており、本
体32を充分に支持することができる。また、固定部材
36a、36bの先端には牽引用の金具37a、37b
が固定されている。本実施の形態では、本体32にタッ
プ孔38を設け、このタップ孔38に固定部材36a、
36bの先端に設けたねじ部を螺合させることによっ
て、固定部材36a、36bを本体32に固定したが、
かかる形態に限定されるものではなく、例えば溶接する
ことにより固定してもよい。
【0031】固定部材36は、鉄皮31に設けられた貫
通孔39a、39bを介して、金具37a、37bが固
定された端部が、高炉30の外部に露出している。な
お、図1では図面の煩雑化を防ぐために省略してある
が、図2に示すように、貫通孔39cには環状の固定用
ワッシャ40が装着されており、固定部材36a、36
bを支持するとともに貫通孔39a、39bを封止す
る。
【0032】なお、本実施の形態では、図1および図2
に示すように、高さ位置Bに2本の固定部材36a、3
6bを設けたが、本実施の形態とは異なり、高さ位置B
において高炉30の周方向に固定部材36cを1本また
は2本以上設けてもよい。
【0033】さらに、本体32の上部には4本の冷却水
排出管41、42、45、46が装着され、本体32の
下部には4本の冷却水供給管43、44、47、48が
装着される。冷却水排出管41、42、45、46およ
び冷却水供給管43、44、47、48は、いずれも、
本体32の内部に設けられた図示しない冷却水流路に接
続される。冷却水供給管43、44、47、48から供
給された冷却水は、本体32の内部に設けられた図示し
ない冷却水流路を流通することにより本体32を冷却
し、冷却水排出管41、42、45、46から排出され
る。
【0034】図2に示すように、冷却水排出管41、4
2、45、46は、鉄皮31に設けられた貫通孔49を
貫通して、高炉30の外部に露出する。また、冷却水供
給管43、44、47、48は、鉄皮31に設けられた
貫通孔50を貫通して、高炉30の外部に露出する。
【0035】貫通孔49には、二つの貫通孔を設けられ
た円板状のシール部材51が溶接されており、これら二
つの貫通孔の内縁部にはそれぞれ伸縮管52が装着され
ている。これら伸縮管52の端部は、冷却水排出管4
1、42、45、46の端部に設けられたシール部材5
3に固定されている。これにより、本体32の熱膨張ま
たは熱収縮に起因して冷却水排出管41、42、45、
46が変位しても、本体32に熱膨張に起因する応力を
略解消しながら、換言すれば、高炉30の稼働時の温度
上昇による熱膨張に起因する反りを略吸収しながら、貫
通孔49の封止性を維持することができる。
【0036】なお、図2では図示を省略してあるが、冷
却水供給管43、44、47、48と貫通孔50との封
止も、同様の手段によりなされている。また、本実施の
形態では、図2に示すように、固定部材36a、36b
の先端が、本体32の内部に設けられた冷却水流路(図
示しない)に接続された冷却水排出管41、42、4
5、46および冷却水給水管43、44、47、48そ
れぞれの先端よりも、本体32から離れた位置に配置さ
れている。
【0037】このように、本実施の形態の冶金炉用ステ
ーブクーラ32は、高炉30のシャフト部30aの内部
に配置され、高炉30の稼働時の温度上昇による熱膨張
に起因する応力を略解消することができるように、換言
すれば、高炉30の稼働時の温度上昇による熱膨張に起
因する反りを略吸収することができるように、高炉30
を構成する外壁部である鉄皮31へ取付けられている。
【0038】本実施の形態の冶金炉用ステーブクーラ3
2は、以上のように構成される。次に、この冶金炉用ス
テーブクーラ32の取付け方法を説明する。図3は、本
実施の形態により冶金炉用ステーブクーラ32の取付け
方法を模式的に示す説明図である。図3を用いて、高炉
30の操業途中において短時間でステーブクーラ32の
取替えを行う状況を説明する。
【0039】まず、交換作業を開始する前に、予め、3
2のタップ孔38へ固定部材36a、36bを螺合させ
て装着しておく。固定部材36a、36bは、高さ位置
Bに2本設け、冷却水排出管41、42、45、46お
よび冷却水供給管43、44、47、48と略平行に取
り付けられている。
【0040】また、固定部材36a、36bは、冷却水
排出管41、42、45、46および冷却水供給管4
3、44、47、48よりも先に鉄皮31に接触する長
さとしている。
【0041】このようにして、固定部材36a、36b
を本体32に装着した後、本体32を、ワイヤ54によ
り吊り下げた後に高炉30の炉口を介して炉内に吊り下
げる。この後、固定部材36a、36bが貫通孔39
a、39bと略一致する高さに達した後、牽引ワイヤ5
5を貫通孔39a、39bから炉内から引き出し、そし
て、牽引ワイヤ55により金具37a、37bを介し
て、固定部材36a、36bを牽引し、本体32を鉄皮
31の内部の所定位置に配置する。
【0042】この際、本実施の形態では、固定部材36
a、36bが冷却水排出管41、42、45、46およ
び冷却水供給管43、44、47、48よりも先に鉄皮
31に衝突するため、冷却水排出管41、42、45、
46および冷却水供給管43、44、47、48が損傷
するという事故を防止することができ、徐々に固定部材
36a、36bへの荷重を負荷するように本体32の位
置を下ろしていけば、自然に鉄皮31の傾斜角度と本体
32の傾斜角度とが近づく。このため、冷却水排出管4
1、42、45、46および冷却水供給管43、44、
47、48と鉄皮31とが接触することなく、本体32
を鉄皮31に引き寄せて取り付けることが可能である。
【0043】このように、本実施の形態では、冶金炉用
ステーブクーラ32を、高炉30の内部に、稼働時の温
度上昇による熱膨張に起因する応力を略解消することが
できるように、または、熱膨張に起因する反りを略吸収
することができるように、高炉30を構成する鉄皮31
へ取付ける。
【0044】このように、本実施の形態によれば、発生
する熱応力による金属疲労に起因した亀裂の発生を抑制
または解消することができる、高炉の炉体を冷却して保
護するための銅または銅合金製の冶金炉用ステーブクー
ラ32と、その取付け方法とを提供することができた。
【0045】また、本実施の形態によれば、補修交換用
のステーブクーラーとして使用する場合にも短時間で交
換作業を行うことができ、さらには冷却水排出管41、
42、45、46および冷却水供給管43、44、4
7、48を曲げたり損傷したりするおそれがなく、交換
作業を円滑に行うことができる、銅または銅合金製の冶
金炉用ステーブクーラ32と、その取付け方法とを提供
することができた。
【0046】さらに、本実施の形態によれば、ステーブ
クーラーを長期に亘って安定して鉄皮に固定支持させる
ことができる。(変形形態)実施の形態では、冶金炉が
高炉である場合を例にとった。しかし、本発明は高炉に
は限定されず、高炉以外の冶金炉についても同様に適用
される。
【0047】また、実施の形態では、冶金炉用ステーブ
クーラをこの高炉のシャフト部に装着する場合を例にと
ったが、シャフト部以外の他の部位に適用することもで
きる。
【0048】また、実施の形態では、交換用の冶金炉用
ステーブクーラに適用した場合を例にとったが、例えば
高炉の新設時等にも適用できることはいうまでもない。
【0049】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、発生する熱応力による金属疲労に起因した亀裂の
発生を抑制または解消することができる、例えば高炉等
の冶金炉の炉体を冷却して保護するための銅または銅合
金製の冶金炉用ステーブクーラと、その取付け方法とを
提供することができた。
【0050】また、本発明によれば、補修交換用のステ
ーブクーラーとして使用する場合にも短時間で交換作業
を行うことができ、さらには管材を曲げたり損傷したり
するおそれがない、銅または銅合金製の冶金炉用ステー
ブクーラと、その取付け方法とを提供することができ
た。
【0051】かかる効果を有する本発明の意義は、著し
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】高炉のシャフト部を、一部簡略化・省略すると
ともに破断状態で示す斜視図である。
【図2】図1におけるA−A断面図である。
【図3】実施の形態による冶金炉用ステーブクーラの取
付け方法を模式的に示す説明図である。
【図4】パンフレット「新日鉄式ステーブクーラー」に
より第3世代型ステーブクーラとして開示された鋳鉄製
のステーブクーラ1を示す説明図であり、図6(a)は
正面図、図6(b)は側面図である。
【図5】特開平8−85808号公報により開示された
鋳鉄製のステーブクーラの鉄皮への取付け構造を示す説
明図である。
【図6】ステーブクーラの鉄皮への他の周知の取付け構
造を示す説明図である。
【図7】特開昭52−8553号公報により開示された
ステーブクーラの鉄皮へ取付け構造を示す説明図であ
る。
【図8】ステーブクーラの本体にタップ孔を加工するこ
とにより取付けボルトを取り付ける構造を示す説明図で
ある。
【図9】特開昭55−122810号公報により開示さ
れた、銅および銅合金製のステーブクーラーの平面図で
ある。
【図10 】特開平11−293312号公報により開示
された、銅および銅合金製のステーブクーラーの平面図
である。
【符号の説明】
30 高炉 31 鉄皮 32c 冶金炉用ステーブクーラ 32c’ 本体 36c 固定部材 B 一つの高さ位置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冶金炉の内部に配置される本体を有し、
    当該本体は、前記冶金炉の稼働時の温度上昇による熱膨
    張に起因する応力を略解消することができるように、前
    記冶金炉を構成する外壁部へ取付けられることを特徴と
    する冶金炉用ステーブクーラ。
  2. 【請求項2】 冶金炉の内部に配置される本体を有し、
    当該本体は、前記冶金炉の稼働時の温度上昇による熱膨
    張に起因する反りを略吸収することができるように、前
    記冶金炉を構成する外壁部へ取付けられることを特徴と
    する冶金炉用ステーブクーラ。
  3. 【請求項3】 冶金炉の内部に配置される本体を有し、
    当該本体は、前記冶金炉の高さ方向への一つの高さ位置
    に、当該冶金炉を構成する外壁部に固定配置される固定
    部材を備えることを特徴とする冶金炉用ステーブクー
    ラ。
  4. 【請求項4】 前記固定部材の先端は、前記本体の内部
    に設けられた冷却液体流路に接続された冷却液体の供給
    管および排出管それぞれの先端よりも、前記本体から離
    れた位置に配置される請求項3に記載された冶金炉用ス
    テーブクーラ。
  5. 【請求項5】 前記冶金炉用ステーブクーラの本体は、
    銅または銅合金からなる請求項1から請求項4までのい
    ずれか1項に記載された冶金炉用ステーブクーラ。
  6. 【請求項6】 冶金炉用ステーブクーラの本体を、当該
    冶金炉の内部に、前記冶金炉の稼働時の温度上昇による
    熱膨張に起因する応力を略解消することができるよう
    に、または、前記熱膨張に起因する反りを略吸収するこ
    とができるように、前記冶金炉を構成する外壁部へ取付
    けることを特徴とする冶金炉用ステーブクーラの取付け
    方法。
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