JP2003012810A - 着色剤並びにこの着色剤を含有するインキ及びその製造方法 - Google Patents

着色剤並びにこの着色剤を含有するインキ及びその製造方法

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JP2003012810A JP2001202276A JP2001202276A JP2003012810A JP 2003012810 A JP2003012810 A JP 2003012810A JP 2001202276 A JP2001202276 A JP 2001202276A JP 2001202276 A JP2001202276 A JP 2001202276A JP 2003012810 A JP2003012810 A JP 2003012810A
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直樹 櫻井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に染料の種類を限定することなく、該染料
の発色性を同程度に維持しつつ、耐光性、耐水性等の性
能を向上させた着色剤を提供し、油溶性染料を水性イン
キに利用可能とする。 【解決手段】 少なくとも熱可塑性樹脂と染料とを含有
する原料を加熱混練し、得られた着色樹脂塊を微粉砕し
た着色樹脂微粉末からなる着色剤、並びにこの着色剤を
含有するインキ及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着色剤並びにこの
着色剤を含有する印刷や筆記具等に用いられるインキ、
及びそのインキの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、染料はインキの着色剤として
一般的に使用されているが、概して耐光性が悪く、特に
染料が水溶性染料である場合は耐水性も弱くなるという
問題がある。また、染料が油溶性染料である場合、油溶
性染料は水に溶解しないため、水を主溶媒とする水性イ
ンキに用いることができなかった。
【0003】更に、樹脂を含む着色剤としては、染料と
樹脂との間の化学的結合により染着されている着色樹脂
粒子からなるもの、又は樹脂粒子と顔料との物理的混合
によって形成される着色樹脂粒子からなるもの等も知ら
れている。例えば特公平5−62629号公報に開示さ
れているように、蛍光染料で樹脂を着色してなる着色剤
が知られている。しかし、着色剤として、樹脂と染料と
の間の化学的結合により染着してなる着色樹脂粒子を製
造しようとする場合、染料は樹脂の原料であるモノマー
に可溶でなければならず、自ずと樹脂と染料との組み合
わせが限定されることとなる。また、樹脂粒子と顔料と
の物理的混合により製造される着色樹脂粒子の場合、着
色原料としての顔料に限定がされているため、色の種類
に限りがあった。
【0004】そこで、樹脂を含む着色剤として樹脂と染
料との物理的混合により製造される着色樹脂粒子が考え
られるが、これまでに染料の種類を限定せずに製造され
た着色樹脂粒子は知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の第一の
目的は、特に樹脂との組み合わせに染料の種類が限定さ
れることなく、且つ該染料の発色性を同程度に維持しつ
つ、耐光性、耐水性等の性能を向上させた着色剤を提供
することである。これにより、従来、高い耐光性、耐水
性等の性能を有すると言っている着色剤にない豊富な種
類の色を有する着色剤を提供し、もって印刷用インキ又
は筆記具用インキとして豊富な種類の色を有するインキ
を提供することができる。また、本発明の第二の目的
は、水を主溶剤とする水性インキに使用できる油溶性染
料を含有する着色剤を提供することである。これによ
り、従来の水性インキと比較して非常に多くの種類の色
を有する印刷用又は筆記具用の水性インキを提供するこ
とができる。そして、本発明の第三の目的は、熱可塑性
樹脂と染料とを加熱混練したものが微粉砕されることに
よって着色樹脂微粉末を形成し、これが含有されたイン
キの製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した本発明の目的を
達成する着色剤は、少なくとも熱可塑性樹脂と染料とを
含有する原料を加熱混練し、得られた着色樹脂塊を微粉
砕した着色樹脂微粉末からなることを特徴とする。この
着色剤は、その表面の大部分が樹脂でコーティングさ
れ、直接、紫外線や水、大気等に曝されることがないの
で、耐光性、耐水性等に優れたものとなる。この際、前
記着色剤に含有される染料には油溶性染料を用いること
ができる。また、本発明に係る着色剤及びこの着色剤を
含有するインキの製造方法は、熱可塑性樹脂に少なくと
も染料を加えて加熱混練し、得られた塊状の混練生成物
である着色樹脂塊を微粉砕して着色樹脂微粉末を形成す
ることにある。この際、前記熱可塑性樹脂を80〜98
重量%、前記染料を2〜20重量%、用いることが好ま
しい。そして、本発明に係るインキは、少なくとも熱可
塑性樹脂と染料とを含有する原料を加熱混練し、得られ
た着色樹脂塊を微粉砕した着色樹脂微粉末からなる着色
剤が含有されることを特徴とする。この際、前記インキ
に油溶性染料からなる着色剤を含有してもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の態
様を詳細に説明する。まず初めに、本発明の着色剤及び
その製造方法に係る実施の態様を詳細に説明する。本発
明に係る着色剤は、少なくとも熱可塑性樹脂と染料とを
含有する原料を加熱し、得られた着色樹脂塊を微粉砕し
た着色樹脂微粉末からなり、先ず熱可塑性樹脂に染料を
加えて加熱混練し、得られた塊状の混練生成物を微粉砕
する方法により製造される。即ち、原料である熱可塑性
樹脂と染料とをニーダーを用いて両原料が十分に混合さ
れるまで加熱混練し、得られた塊状の混練生成物を粉砕
することにより製造される。
【0008】原料である染料としては、直接染料、酸性
染料、塩基性染料等の水溶性染料、及び油溶性染料を使
用することができる。その中、直接染料としては、カラ
ーインデックスナンバーで示すと、例えばカラーインデ
ックス(以降C.I.)Direct Black 1
7,同19,同38,同154、C.I.Direct
Yellow 1,同4,同12,同29、C.I.
Direct Orange 6,同8,同26,同2
9、C.I.Direct Red 1,同2,同4,
同13、C.I.Direct Blue 2,同6,
同15,同78,同87等を使用することができる。ま
た、酸性染料としては、C.I.Acid Black
2,同31、C.I.Acid Yellow 3,
同17,同23,同73、C.I.AcidOrang
e 10,C.I.Acid Red 13,同14,
同18,同27,同52,同73,同87,同92、
C.I.Acid Blue 1,同9,同74,同9
0等を使用することができる。更に、塩基性染料として
は、C.I.Basic Yellow 2,同3、
C.I.Basic Red 1,同2,同8,同1
2、C.I.BasicViolet 1,同3,同1
0、C.I.Basic Blue 5,同9,同26
等を使用することができる。最後に、油溶性染料として
は、C.I.Solvent Black 3,同7,
同27,同29,同34、C.I.Solvent Y
ellow 14,同16,同29,同45,同56,
同79,同82、C.I.SolventOrange
45,同62、C.I.Solvent Red
1,同3,同8,同18,同24,同27,同109,
同132,同218、C.I.Solvent Blu
e 35,同38,同70等を使用することができる。
尚、上記の染料に限定されるものではなく、且つ上記の
染料を含む二種類以上の染料を組み合わせて使用しても
よい。
【0009】原料である熱可塑性樹脂としては、特にそ
の種類を限定するものではなく、ホモポリマー、コポリ
マー(共重合体)のいずれであってもよいが、粉砕の容
易な高い脆性を有し、且つ難透水性であることが好まし
い。具体的には、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン酢酸ビニル、非晶質ポリオレフィン、ポリ
スチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体
等が適しており、最も好ましくはポリスチレン、アクリ
ル樹脂、スチレン−アクリル共重合体がよい。
【0010】これら熱可塑性樹脂と染料とを混練する場
合、その配合は、熱可塑性樹脂を80〜98重量%、染
料を2〜20重量%にするのが好ましい。そして、染料
の割合が2重量%より低い場合は、着色剤としての発色
性が低下してしまう。また、熱可塑性樹脂の割合が98
重量%より高いと染料の割合は2重量%より低くなって
しまうので、同様に着色剤としての発色性が低下してし
まう。逆に、熱可塑性樹脂の割合が80重量%より低い
と、樹脂のコーティング効果が低下してしまい、着色剤
表面に染料が表出してしまう。染料の割合が20重量%
より高い場合も、熱可塑性樹脂の割合が80重量%より
低くなってしまうので、やはり樹脂のコーティング効果
が低下してしまい、着色剤表面に染料が表出し好ましく
ない。
【0011】更に、前記熱可塑性樹脂及び前記染料に加
えて、原料として紫外線吸収剤等の添加剤を添加して加
熱混練してもよい。例えばベンゾトリアゾール系等の紫
外線吸収剤を添加した場合、単なる樹脂によるコーティ
ングと比較して、より優れた耐光性を得ることができ
る。
【0012】混練時の加熱温度は熱可塑性樹脂の種類に
より異なるが、好ましくは100〜250℃がよい。加
熱温度が100℃より低いと、熱可塑性樹脂の溶融が不
十分となり、均一な着色剤を得ることができない。逆
に、混練時の加熱温度が250℃を越えると、有機物質
である熱可塑性樹脂及び染料が熱分解等により変質する
ことがあり好ましくない。
【0013】加熱混練によって得られた塊状の混練生成
物は、常法に従って粉砕する。粉砕にはジェットミル、
ボールミル等を用いることができるが、好ましくはジェ
ットミルがよい。粉砕後の着色樹脂微粉末は原則として
分級されるが、分級後の着色樹脂微粉末の好ましい粒径
は、溶媒の粘度及び該着色剤の用途等によって異なる。
例えば、着色樹脂微粉末がインキの原料として利用され
る場合、得られる着色樹脂微粉末の粒径が0.1〜12
5μmとなるように空気量等の調整を行うのが好まし
い。着色樹脂微粉末の粒径が0.1μmより小さいと、
発色性が著しく低下する。逆に、着色樹脂微粉末の粒径
が125μmより大きいと、インキ中の着色剤の分散性
が著しく低下し好ましくない。更に、着色樹脂微粉末が
筆記具用インキの原料として利用される場合、得られる
着色樹脂粉末の粒径が0.1〜15μmとなるように空
気量の調整をするのが好ましい。着色樹脂微粉末の粒径
が0.1μmより小さいと、発色性が著しく低下してし
まう。逆に、着色樹脂微粉末の粒径が15μmより大き
いと、ペン先のチップで詰まる等の弊害を起こし好まし
くない。以上、本発明の着色剤及び該着色剤の製造方法
に係る好ましい実施の態様を詳細に説明した。
【0014】次に、本発明のインキに係る好ましい実施
の態様を詳細に説明する。本発明の着色剤がインキの原
料として使用される場合、該インキは主溶剤が水である
水性インキにおいても、主溶剤が有機溶剤である油性イ
ンキにおいても、特に問題なく使用することができる。
この場合において、必要に応じて、インキの原料として
通常用いられる防錆剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、
表面張力調整剤、保湿剤、潤滑剤、分散安定剤、分散樹
脂、固着樹脂等の添加剤と併用することも可能である。
【0015】本発明のインキに係り、特筆すべきことの
一つとしては、油溶性染料を油性インキにおいてのみで
なく、従来利用できないと言われていた水性インキにお
いても利用可能であることを挙げることができる。従来
技術においては、油溶性染料を水性インキの原料として
用いようとした場合には、該染料が主溶媒である水に溶
解しないため、油溶性染料を水性インキの原料として利
用することはできなかった。一方、本発明に係る着色剤
を原料とする油溶性染料を利用する場合、得られた着色
樹脂粉末は、通常の有機顔料や無機顔料と比較しても密
度が低く、水中における分散性に優れているので、水性
インキの原料として利用することができるのである。
【0016】即ち、本発明の着色剤をマーカー、ボール
ペン等の筆記具用インキの原料として使用する場合、そ
の着色剤が経時的に沈降し、筆記線の濃度が極めて低く
ならないように、インキの粘度を一定の範囲内に収める
必要はある。しかしながら、例えば、この着色剤を水性
ボールペン用インキの原料として用いる場合、温度25
℃における剪断速度150s−1でのインキ粘度を20
〜300mPa・sの範囲に調整すれば、経時安定性に
優れた水性ボールペン用インキを提供することができ
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。 (実施例1)本発明に係る着色剤の原料として、熱可塑
性樹脂SB−150(三洋化成工業株式会社製ポリスチ
レン、商品名)95gとOIL BLACK HBB
(オリエント化学工業株式会社製黒色油溶性染料、C.
I.Solvent Black 3、商品名)5gと
を予め130℃に加熱したニーダーに入れ、30分間加
熱混練し、黒色樹脂塊を得た。この樹脂塊をジェットミ
ルで粉砕した後分級して、着色剤として5〜10μmの
着色樹脂微粉末を得た。この着色剤を含め、種々のイン
キ組成物を表1に示す組成で攪拌機に投入後、該攪拌機
で撹拌混合し、水性ボールペン用黒色インキを得た。
【表1】 インキ組成物 (重量%) 黒色着色樹脂微粉末 10.0 デルトップ(武田製薬株式会社製防腐剤、商品名) 0.3 エマルゲン707 0.8 (花王株式会社製非イオン性界面活性剤、商品名) オレスター UD−100N 10.0 (三井化学株式会社製ポリウレタン系塗料用原料樹脂、商品名) ベンゾトリアゾール 0.2 オレイン酸カリウム 0.5 キサンタンガム 0.6 イオン交換水 77.6 前記水性ボールペン用黒色インキの組成物粘度は121
mPa・s(25℃、剪断速度:150s−1)であっ
た。このインキを市販されている通常の水性ジェル式ボ
ールペン(ゼブラBW−100、ステンレスチップボー
ル径0.7mm)と同様の方法により、即ち、ポリプロ
ピレン製チューブにインキを充填した後、チップを嵌着
し、続いて尾部よりインキ追随体を適量注入し、最後に
遠心機により1960m・s−2(200G)にて脱泡
して水性ボールペンを作成し、通常のコピー用紙に筆記
を行い、後述の耐光性・耐水性試験のサンプル用筆記線
とした。
【0018】(実施例2)本発明に係る着色剤の原料と
して、熱可塑性樹脂TB−1000F(三洋化成工業株
式会社製スチレン−アクリル共重合体、商品名)90g
とローダミン B(保土谷化学工業株式会社製赤紫色染
料、C.I.Basic Violet10、商品名)
10gとを予め180℃に加熱したニーダーに入れ、3
0分間加熱混練し、赤紫色樹脂塊を得た。この樹脂塊を
ジェットミルで粉砕した後分級して、着色剤として3〜
5μmの着色樹脂微粉末を得た。この着色剤を含め、種
々のインキ組成物を表2に示す組成で攪拌機に投入後、
該攪拌機で撹拌混合し、水性マーカー用桃色インキを得
た。
【表2】 インキ組成物 (重量%) 赤紫色着色樹脂微粉末 10.0 デルトップ 0.3 スミカフレックス 10.0 (住友化学工業株式会社製樹脂エマルジョン、商品名) アエロジル200 0.5 (日本アエロジル株式会社製易再分散剤、商品名) イオン交換水 79.2 前記水性マーカー用桃色インキの組成物粘度は7.6m
Pa・s(25℃、剪断速度:75s−1)であった。
このインキを市販されている通常の直液式水性マーカー
(ゼブラポップスター極細)と同様の方法により、即
ち、予め極細側にバルブ組込済先端部を嵌着させておい
たポリプロピレン製チューブに、ステンレス製撹拌子を
入れ、インキを充填した後、細側にバルブ組込済先端部
を嵌着し、続いてポリエステル製チップを組み込み、チ
ューブ内を常圧にすることにより水性マーカーを作成
し、通常のコピー用紙に筆記を行い、後述の耐光性・耐
水性試験のサンプル用筆記線とした。
【0019】(実施例3)本発明に係る着色剤の原料と
して、熱可塑性樹脂MH−7057(藤倉化成株式会社
製アクリル樹脂、商品名)80gとWATER BLU
E 3(オリエント化学工業株式会社製青色直接染料、
C.I.Direct Blue 87、商品名)20
gとを予め200℃に加熱したニーダーに入れ、30分
間加熱混練し、濃青色樹脂塊を得た。この樹脂塊をジェ
ットミルでサブミクロンオーダーまで粉砕して、着色剤
として着色樹脂微粉末を得た。この着色剤を含め、種々
のインキ組成物を表3に示す組成で攪拌機に投入後、該
攪拌機で撹拌混合し、0.22μmのポリテトラフルオ
ロエチレンフィルターにて濾過し、インクジェット用青
色インキを得た。
【表3】 インキ組成物 (重量%) 青色着色樹脂微粉末 10.0 ジエチレングリコール 5.0 デルトップ 0.2 ジヒドロ酢酸ナトリウム 0.5 イオン交換水 84.3 前記インクジェット用青色インキの組成物粘度は2.4
mPa・s(25℃、剪断速度:75s−1)であっ
た。このインキをピエゾ素子を使用したインクジェット
プリンター(セイコーエプソン株式会社製PM700
J)のインクとし、通常のインクジェット用印刷用紙に
印刷し、後述の耐光性・耐水性試験のサンプル用印刷線
とした。
【0020】(実施例4)本発明に係る着色剤の原料と
して、熱可塑性樹脂TB−1000F(三洋化成工業株
式会社製スチレン−アクリル共重合体、商品名)90g
とオレオゾルファストブルー GL(田岡化学株式会社
製青色油溶性染料、C.I.Solvent Blue
70、商品名)10gとを予め180℃に加熱したニ
ーダーに入れ、30分間加熱混練し、濃青色樹脂塊を得
た。この樹脂塊をジェットミルで粉砕した後分級して、
着色剤として5〜10μmの着色樹脂微粉末を得た。こ
の着色剤を含め、種々のインキ組成物を表4に示す組成
で攪拌機に投入後、該攪拌機で撹拌混合し、凸版印刷用
青色インキを得た。
【表4】 インキ組成物 (重量%) 青色着色樹脂微粉末 15.0 デルトップ 0.3 クラレポバール(株式会社クラレ製乳化剤、商品名) 10.0 オレスター UD−100N 10.0 イオン交換水 64.7 前記凸版印刷用青色インキの組成物粘度は15mPa・
s(25℃、剪断速度:75s−1)であった。このイ
ンキを通常の凸版印刷で通常の印刷用紙に印刷し、後述
の耐光性・耐水性試験のサンプル用印刷線とした。
【0021】(比較例1)上述した実施例1の黒色着色
樹脂微粉末の代わりにOIL BLACK HBBを用
いて、水性ボールペン用黒色インキの作成を試みたが、
染料がイオン交換水に溶解せず、また、イオン交換水中
に分散せず、インキを作成することが不可能であった。
【0022】(比較例2)上述した実施例2の桃色着色
樹脂微粉末の代わりにローダミン Bを用いて、水性マ
ーカー用桃色インキを得た。該水性マーカー用桃色イン
キの粘度は7.0mPa・s(25℃、剪断速度:75
−1)であった。該インキを用いて、実施例2と同様
の方法で水性マーカーを作成した後、同様に通常のコピ
ー用紙に筆記を行い、後述の耐光性・耐水性試験の比較
サンプル用筆記線とした。
【0023】(耐光性試験)上述の各サンプル用筆記線
・印刷線を日光に暴露して得られた筆記線・印刷線を、
初期状態の筆記線・印刷線と目視で比較し褪色の程度を
調べた。暴露時間はブルースケール4級で約1ヶ月、ブ
ルースケール2級で約3日であった。
【0024】(耐水性試験)上述の各サンプル用筆記線
・印刷線を2時間乾燥した後、静水に1時間浸して得ら
れた筆記線・印刷線を、初期状態の筆記線・印刷線と目
視で比較し褪色の程度を調べた。
【0025】各試験の結果を表5に纏めて示す。
【表5】
【0026】なお、比較例1に関しては、インキを作成
できなかったため、耐光性試験、耐水性試験共に実施し
なかった。上記の表5が示すとおり、本発明の実施例に
係るインキは耐光性試験、耐水性試験とも変化が認めら
れず、良好な結果が得られた。一方、比較例2に係るイ
ンキは耐光性、耐水性試験とも褪色が認められた。更に
比較例1においては、試験用のサンプルさえ作成するこ
とができなかった。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の着色剤
は、樹脂と着色原料である染料とを単に物理的に混合す
ることにより得られ、樹脂と染料との組み合わせを特に
制限されることはないので、表面を樹脂でコーティング
されることにより耐光性、耐水性等に優れた着色剤であ
って、従来にない様々な色を有する着色剤を提供するこ
とができる。更に油溶性染料を用いた場合でも、樹脂の
コーティング効果により、例えば水性インキのような従
来では油溶性染料を利用できなかった水中においても利
用可能となる。また、本発明の着色剤をインキ等に用い
た場合、通常の有機顔料や無機顔料と比較して密度が低
いため、同じ粒径であれば、それらの顔料より本発明の
着色剤の方が沈降し難い。更に、もし沈降したとしても
樹脂のコーティング効果により、個々の着色剤粒子が凝
集し固まった状態となるハードケーキ化を抑制するとい
う効果も有する。また、筆記時に着色剤粒子が紙の繊維
間に侵入しないように、着色剤の粒子径を紙の繊維間に
侵入しない程度の大きさ、好ましくは約3μmまで大き
くすれば、消しゴムによる消去が可能となる。そして、
本発明の着色剤は外界と直接接する表面部を樹脂でコー
ティングされているため、樹脂に影響さえ与えない物質
ならば、該着色剤と併用することができる。従って、上
述した筆記具用、印刷用インキの原料としての利用に特
に限定されず、例えば塗料や化粧品の着色原料、又はプ
ラスチック等の着色等にも利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 11/00 C09D 11/00 // C08L 101:00 C08L 101:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも熱可塑性樹脂と染料とを含有
    する原料を加熱混練し、得られた着色樹脂塊を微粉砕し
    た着色樹脂微粉末からなることを特徴とする着色剤。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂を80〜98重量%、
    前記染料を2〜20重量%とすることを特徴とする請求
    項1記載の着色剤。
  3. 【請求項3】 前記染料が油溶性染料からなる請求項1
    記載の着色剤。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項記
    載の着色剤を含有することを特徴とする水性インキ。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂に少なくとも染料を加えて
    加熱混練し、塊状の混練生成物を得て、この着色樹脂塊
    が微粉砕されることによって着色樹脂微粉末を形成する
    工程を含有することを特徴とするインキの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性樹脂が80〜98重量%、
    前記染料が2〜20重量%用いられることを特徴とする
    請求項5記載のインキの製造方法。
JP2001202276A 2001-07-03 2001-07-03 着色剤並びにこの着色剤を含有するインキ及びその製造方法 Pending JP2003012810A (ja)

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JP2001202276A Pending JP2003012810A (ja) 2001-07-03 2001-07-03 着色剤並びにこの着色剤を含有するインキ及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2450409A1 (en) * 2003-11-28 2012-05-09 Daicel Chemical Industries, Ltd. Dispersion and process for producing colored organic solid particle

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