JP2003011317A - 平台型オフセット印刷機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被印刷物に対して効率よく積層印刷を施すこ
とができ、かつ印刷の精度を向上させることができる平
台型オフセット印刷機を提供する。 【解決手段】 平台型オフセット印刷機１０はフレーム
１１と、フレーム１１上に配置された版定盤１２および
印刷定盤１３とを備えている。印刷定盤１３上に被印刷
物Ｗが固定して配置されている。版定盤１２はフレーム
１１のフレーム本体３１に固定され、印刷定盤１３はフ
レーム１１の印刷定盤部３０に固定されている。印刷定
盤部３０は、フレーム本体１１に隣接する位置から移送
レール３５に沿って走行し、第１待機位置３５ａまたは
第２待機位置３５ｂまで送られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は平台型オフセット印
刷機に係り、とりわけ効率良く印刷することができる平
台型オフセット印刷機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、平台型オフセット印刷機とし
て、フレームと、フレーム上に固定された版定盤および
印刷定盤と、フレームに沿って移動するブランケット胴
とを備えたものが知られている。

【０００３】このような平台型オフセット印刷機におい
て、ブランケット胴がフレームに沿って移動することに
より、予め版定盤上の版に充てんされたインキがブラン
ケット胴のブランケットへ受理され、このブランケット
のインキがその後印刷定盤上のガラス等の被印刷物へ転
写される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の平台
型オフセット印刷機では、ガラス等の被印刷物の排出・
供給・アライメントに時間がかかり効率アップのさまた
げになっていた。

【０００５】また印刷定盤上にはガラス板等からなる被
印刷物が配置されているが、この被印刷物に対しては数
回インキが重ねて印刷される。この場合、印刷を１回行
なう毎に印刷定盤から被印刷物を取外し、インキを乾燥
させて硬化させた後、再度印刷定盤上に被印刷物を設置
する必要がある。

【０００６】しかしながら、印刷定盤に被印刷物を何回
か置き直す作業は煩雑であり、精度良く被印刷物を印刷
定盤上に配置することはむずかしい。

【０００７】本発明はこのような点を考慮してなされた
ものであり、印刷効率を向上させることができ、また印
刷定盤上の被印刷物に対して、精度良く重ねて印刷を施
すことができる平台型オフセット印刷機を提供すること
を目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、フレームと、
フレーム上に一方向に順次配置された版定盤および印刷
定盤と、フレーム上に移動自在に設けられ、版定盤上の
インキを受理するブランケット胴とを備え、版定盤には
ブランケットがインキを受理するための版が固定され、
印刷定盤上にはブランケット胴からのインキが転写され
る被印刷物が固定して配置され、フレームはフレーム本
体と、フレーム本体に隣接するとともに、印刷定盤を保
持する移動自在の印刷定盤部とを有し、この印刷定盤部
は版定盤および印刷定盤の配置方向に交差する他方向に
移動し、第１待機位置または第２待機位置をとることを
特徴とする平台型オフセット印刷機である。

【０００９】本発明によれば、フレーム上でブランケッ
ト胴を移動させることにより、版定盤上の版からインキ
がブランケット受理され、その後ブランケット胴のイン
キが印刷定盤上の被印刷物に転写される。インキが転写
された被印刷物を保持する印刷定盤の印刷定盤部は、そ
の後フレーム本体から離れて第１待機位置または第２待
機位置まで送られる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図１乃至図５は、本発明の
一実施の形態を示す図である。図１乃至図５に示すよう
に、平台型オフセット印刷機１０はフレーム１１と、フ
レーム１１上に一方向（図１の左右方向）に順次配置さ
れた版定盤１２および印刷定盤１３とを備えている。

【００１１】このうち版定盤１２は、その表面に印刷す
べき版１２ａが設置されており、版定盤１２の版１２ａ
にインキが充てんされるようになっている。なお、版１
２ａは版定盤１２にバキュームで吸着されたり、クラン
プにより固定されている。また印刷定盤１３は被印刷物
Ｗを保持するものであり、この被印刷物Ｗは金属板また
はガラス板からなっている。

【００１２】そして被印刷物Ｗに後述するブランケット
胴１４によりインキを用いて印刷を施す。

【００１３】またフレーム１１上には、フレーム１１の
一方向に沿って延びるレール１１ａ上を移動するキャリ
ッジ１５が配置されており、このキャリッジ１５内には
ブランケット胴１４と可動側インキ供給部２１が保持さ
れている。

【００１４】ブランケット胴１４は、その外周にゴム製
のブランケット１４ａが巻付けられている。ブランケッ
ト胴１４は版定盤１２上の版１２ａからインキをブラン
ケット１４ａ上に受理して、この受理したインキを印刷
定盤１３上の被印刷物Ｗへ転写するようになっている。

【００１５】また可動側インキ供給部２１が版定盤１２
上の版１２ａ側へインキを供給するようになっている。

【００１６】また、図２に示すようにフレーム１１に
は、可動側インキ供給部２１側へインキを供給する固定
側インキ供給部２５が設けられている。この固定側イン
キ供給部２５は、フレーム１１に対して固定して設置さ
れている。

【００１７】図２において、可動側インキ供給部２１と
固定側インキ供給部２５とによりインキ供給部２１、２
５が構成され、固定側インキ供給部２５から可動側イン
キ供給部２１へインキが供給されるようになっている。
そして可動側インキ供給部２１に供給されたインキは、
その後、版定盤１２を通過する際に版定盤１２に設けら
れた版１２ａへ供給される。

【００１８】なおキャリッジ１５は、ラックピニオン駆
動機構（図示せず）によりフレーム１１のレール１１ａ
上を移動することができるが、キャリッジ１５をレール
１１ａ上でリニアモータ（図示せず）を用いて駆動して
もよい。

【００１９】ところで、図１に示すように、被印刷物Ｗ
は、予め印刷定盤１３上に固定して配置されており、こ
の印刷定盤１３はフレーム１１のうち移動自在の印刷定
盤部３０により保持されている。また版定盤１２はフレ
ーム１１のフレーム本体３１に保持されている。

【００２０】すなわちフレーム１１は、版定盤１２を保
持する固定側のフレーム本体３１と、フレーム本体３１
に隣接するとともに印刷定盤１３を保持する可動側の印
刷定盤部３０とからなっている。また、フレーム１１の
レール１１ａは、フレーム本体３１と印刷定盤部３０と
に沿って延びている。

【００２１】さらに、印刷定盤部３０は版定盤１２およ
び印刷定盤１３の配置方向、すなわち図１の左右方向に
延びる一方向に直交する他方向（図１の上下方向）に延
びる移送レール３５上を走行して移動するようになって
いる。この場合、印刷定盤部３０は、リニアモータおよ
びボールネジ等により精度良く駆動される。

【００２２】移送レール３５の両端には、第１待機位置
３５ａと第２待機位置３５ｂとが設けられ、第１待機位
置３５ａおよび第２待機位置３５ｂには被印刷物Ｗに印
刷されたインキを乾燥させるためのＵＶ硬化装置３２が
設置されている。

【００２３】さらに第１待機位置３５ａに設置されたＵ
Ｖ硬化装置３２に隣接して、印刷定盤１３を搬出入する
ローダ３４が設けられ、第２待機位置３５ｂに設置され
たＵＶ硬化装置３２に隣接して印刷定盤１３を搬出入す
るローダ３３が設けられている。

【００２４】次にこのような構成からなる本実施の形態
の作用について説明する。

【００２５】図１において、まず版定盤１２上の版１２
ａにインキが予め充てんされている。次にフレーム１１
において、固定側インキ供給部２５から可動側インキ供
給部２１へインキが供給される。その後フレーム１１上
をキャリッジ１５が図１の右方向へ移動し、版定盤１２
上の版１２ａからインキがブランケット胴１４のブラン
ケット１４ａに受理される。

【００２６】その後、フレーム１１上をキャリッジ１５
が図１の右方向へ移動し、ブランケット胴１４のブラン
ケット１４ａに受理されたインキが印刷定盤１３に固定
された被印刷物Ｗに転写される。この間、可動側インキ
供給部２１によって版定盤１２上の版１２ａにインキが
充てんされる。

【００２７】その後、キャリッジ１５内のブランケット
胴１４と可動側インキ供給部２１がキャリッジ１５内で
わずかに浮上し、キャリッジ１５がフレーム１１上を図
１の左方向へ移動して元の位置まで戻る。この間、印刷
定盤１３を保持する印刷定盤部３０は、フレーム本体３
１に隣接した位置にある。

【００２８】上記のような作用を繰り返すことにより、
被印刷物Ｗ上にインキが積層して印刷される。

【００２９】次に被印刷物Ｗを固定して保持する印刷定
盤１３の移送作用について説明する。

【００３０】印刷定盤（第１印刷定盤）１３の印刷定盤
部（第１印刷定盤部）３０上の被印刷物Ｗと、他の印刷
定盤（第２印刷定盤）１３ａの印刷定盤部（第２印刷定
盤部）３０ａ上の被印刷物Ｗに対して、後述のように各
々積層して印刷が施された後、所定回数積層して印刷さ
れた被印刷物Ｗを保持する第１印刷定盤１３および第２
印刷定盤１３ａは、第１待機位置３５ａからローダ３４
を介して外部へ搬出されるか、または第２待機位置３５
ｂからローダ３３を介して外部へ排出される。代わりに
新しい被印刷物Ｗを保持する新しい印刷定盤が、ローダ
３４を介して第１待機位置３５ａの印刷定盤部上へ搬入
されるか、またはローダ３３を介して第２待機位置３５
ｂの印刷定盤部上へ搬入される。

【００３１】この場合、一方の印刷定盤の搬出・搬入作
業を行なっている間、他方の印刷定盤上の被印刷物Ｗに
対して印刷を施すことができるので、作業時間の短縮を
図ることができる。

【００３２】次に第１印刷定盤部３０と第２印刷定盤部
３０ａ上の被印刷物Ｗに対してインキを積層して印刷す
る作用について詳述する。

【００３３】図１において上述のように、印刷定盤１３
により固定して保持された被印刷物Ｗ上にインキが印刷
される。このとき、まだ印刷されない被印刷物Ｗを保持
した他の印刷定盤（第２印刷定盤）１３ａの印刷定盤部
（第２印刷定盤部）３０ａが、第２待機位置３５ｂに待
機している。

【００３４】図３に示すように被印刷物Ｗ上にインキが
一回印刷された後、印刷済の被印刷物Ｗを保持した印刷
定盤（第１印刷定盤）１３の印刷定盤部（第１印刷定盤
部）３０は、フレーム本体３１に隣接する位置から移送
レール３５を走行して第１待機位置３５ａにあるＵＶ硬
化装置３２まで移送される。

【００３５】このＵＶ硬化装置３２において、被印刷物
Ｗに印刷されたインキは、ＵＶ照射による硬化作用を受
けて乾燥して硬化する。同時に第２印刷定盤部３０ａ
は、移送レール３５を走行してフレーム本体３１に隣接
する位置まで移送される。

【００３６】その後、第２印刷定盤部３０ａ上の被印刷
物Ｗに対して、上述のようにブランケット胴１４により
インキを用いた印刷が施される。

【００３７】その後、図４に示すように、第１印刷定盤
部３０および第２印刷定盤部３０ａが、各々移送レール
３５に沿って走行する。このようにして第１印刷定盤部
３０がフレーム本体３１に隣接する位置まで達し、第２
印刷定盤部３０ａは第２待機位置３５ｂのＵＶ硬化装置
３２まで達し、第１印刷定盤部３０および第２印刷定盤
部３０ａは元の位置まで戻る（図５参照）。

【００３８】このような作用を繰り返すことにより、第
１印刷定盤部３０上の被印刷物Ｗと、第２印刷定盤部３
０ａ上の被印刷物Ｗに対してインキが積層して印刷され
る。

【００３９】以上のように、本実施の形態によれば、第
１印刷定盤部３０と第２印刷定盤部３０ａを交互に、フ
レーム本体３１に隣接する位置まで搬送して、各々の被
印刷物Ｗに対して積層印刷を施すことができるので、被
印刷物Ｗに対する積層印刷を効率良く行なうことができ
る。このため印刷作業の効率を全体として向上させるこ
とができる。また、被印刷物Ｗは、常に第１印刷定盤部
３０上の第１印刷定盤１３および第２印刷定盤部３０ａ
上の第２印刷定盤３０上に固定して保持されているの
で、フレーム本体３１に隣接する位置において、被印刷
物Ｗの位置決めを精度良く行なうことができる。すなわ
ち、積層して印刷する毎に被印刷物Ｗを印刷定盤から取
外す場合、被印刷物Ｗの位置決め精度が落ちることも考
えられるが、本発明によれば、第１印刷定盤部３０また
は第２印刷定盤部３０ａをフレーム本体３１に隣接する
位置に配置するだけで被印刷物Ｗの位置決めを精度良く
行なうことができる。

【００４０】さらに、ＵＶ硬化装置３２を第１待機位置
３５ａに配置したので、平台型オフセット印刷機１０内
でインキの乾燥および硬化を行なうことができる。

【００４１】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、被印刷物
は移動自在の印刷定盤部により保持された印刷定盤上に
固定して配置されているので、印刷定盤部をフレーム本
体に隣接する位置に配置して被印刷物に対して印刷を施
すことにより、被印刷物に対して効率よく印刷を施すこ
とができる。また、被印刷物の位置決めを精度良く行な
って、被印刷物に対して精度良く積層印刷を施すことが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による平台型オフセット印刷機を示す平
面図。

【図２】本発明による平台型オフセット印刷機を示す側
面図。

【図３】本発明による平台型オフセット印刷機による印
刷定盤の移送作用を示す図。

【図４】本発明による平台型オフセット印刷機による印
刷定盤の移送作用を示す図。

【図５】本発明による平台型オフセット印刷機による印
刷定盤の移送作用を示す図。

【符号の説明】

１０ 平台型オフセット印刷機 １１ フレーム １２ 版定盤 １３ 印刷定盤 １３ａ 他の印刷定盤 １４ ブランケット胴 １４ａ ブランケット １５ キャリッジ ２１ 可動側インキ供給部 ２５ 固定側インキ供給部 ３０ 印刷定盤部 ３１ フレーム本体 ３２ ＵＶ硬化装置 ３５ 移送レール ３５ａ 第１待機位置 ３５ｂ 第２待機位置 Ｗ 被印刷物

フロントページの続き (72)発明者 金 田 拓 也 東京都新宿区市谷加賀町一丁目１番１号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 八 木 真 一 東京都新宿区市谷加賀町一丁目１番１号 大日本印刷株式会社内 Ｆターム(参考） 2C020 CB00

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】フレームと、 フレーム上に一方向に順次配置された版定盤および印刷
   定盤と、 フレーム上に移動自在に設けられ、版定盤上のインキを
   受理するブランケット胴とを備え、 版定盤には、ブランケットがインキを受理するための版
   が固定され、 印刷定盤上にはブランケット胴からのインキが転写され
   る被印刷物が固定して配置され、 フレームはフレーム本体と、フレーム本体に隣接すると
   ともに、印刷定盤を保持する移動自在の印刷定盤部とを
   有し、 この印刷定盤部は版定盤および印刷定盤の配置方向に交
   差する他方向に移動し、第１待機位置または第２待機位
   置をとることを特徴とする平台型オフセット印刷機。
2. 【請求項２】第１待機位置または第２待機位置の少なく
   とも一方に、被印刷物上のインキを硬化させるＵＶ硬化
   装置を設けたことを特徴とする請求項１記載の平台型オ
   フセット印刷機。
3. 【請求項３】印刷定盤部は、版定盤および印刷定盤の配
   置方向に直交する他方向に移動することを特徴とする請
   求項１記載の平台型オフセット印刷機。
4. 【請求項４】印刷定盤部がフレーム本体から離れて第１
   待機位置に移動する間、他の印刷定盤部が第２待機位置
   からフレーム本体に隣接する位置まで送られることを特
   徴とする請求項１記載の平台型オフセット印刷機。