JP2003010293A - 内視鏡や付属器具の光触媒性酸化チタン接触滅菌洗浄方法 - Google Patents

内視鏡や付属器具の光触媒性酸化チタン接触滅菌洗浄方法

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JP2003010293A
JP2003010293A JP2002052598A JP2002052598A JP2003010293A JP 2003010293 A JP2003010293 A JP 2003010293A JP 2002052598 A JP2002052598 A JP 2002052598A JP 2002052598 A JP2002052598 A JP 2002052598A JP 2003010293 A JP2003010293 A JP 2003010293A
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titanium oxide
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stirring
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JP2002052598A
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Akira Otani
明 大谷
Toshihiko Komatsu
俊彦 小松
Masamichi Kinomoto
雅通 木ノ本
Yoichi Ito
洋一 伊藤
Hideyo Yamaguchi
英世 山口
Motofumi Tokita
基文 時田
Satoshi Shinogaya
聰 篠ケ谷
Tazuru Izumi
田鶴 泉
Hiroshi Akaishi
啓 赤石
Akio Maeda
明男 前田
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Sougo Giken Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手間が掛かりすぎて洗浄、消毒、滅菌が不十
分なため感染が心配されている内視鏡や付属器具の感染
源を遮断する。 【解決手段】 内視鏡1や付属器具2に付着している病
原性微生物3に光励起された光触媒性酸化チタン4を接
触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、素早く完全に内視
鏡や付属器具に付着している病原性微生物の感染源を遮
断し医療従事者および患者の安全に貢献する光触媒性酸
化チタン接触滅菌洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来技術の方法としては、用手消毒、自
動洗浄機消毒、ガス滅菌および電解酸性水、低温プラズ
マ、過酢酸などの消毒滅菌方法が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】用手消毒方法にあって
は、血液、組織片等をブラシで擦り取る滅菌洗浄方法で
あるが、血液(脂肪、タンパク質)は水に溶けない粘着
性の汚れであり、ブラッシングすることは汚れを塗りつ
ぶし、汚染面を拡大させ付着強度を高める結果となって
いる。また、ブラッシング作業をすることによって汚染
飛沫を招き、肝炎ウィルス等の交差感染を生ずる危険性
の課題がある。
【0004】自動洗浄機消毒方法の場合でも、内視鏡を
用いた検査後には必ず用手洗浄が必要となる。特に、チ
ャンネル内のブラッシングが不十分な場合には確実な消
毒効果を得ることが出来ない等の課題がある。
【0005】ガス滅菌の場合にあっては、長時間を要す
るため消毒・滅菌方法としては一般的ではないが滅菌効
果は高い。ガス滅菌を実施する場合は、チャンネル内に
水分が残っていると十分な滅菌効果が得られない課題が
ある。
【0006】電解酸性水は微量な塩化ナトリウムを添加
した水道水を電気分解して得られる水であり、人体に対
する副作用はほとんど無く、低価格であり近年多くの現
場で採用されている。しかし、その作用が十分解明され
ていないことから消毒剤としての医療品認可が取れてい
ない課題がある。
【0007】低温プラズマにあっては、固体、液体、気
体とは異なり、イオンや電子等を多量に含む活性の高い
状態の物質であり、プラズマ中にはフリ−ラジカルが多
く含有されており、この作用により微生物を殺滅できる
と考えられている。しかしながら、セルロ−ス製品およ
び液体には使用できない課題がある。
【0008】過酢酸の殺菌力は公知であるが安全性に問
題があり余り採用されなかった。近年は技術の進歩によ
り新しい消毒剤として見直されてきた。過酢酸の強い酸
化力により細胞膜や細胞の酵素仕組みを破壊し、細菌を
殺滅できると考えられているが、腐食性を有するため殺
菌する対象物の耐久性を確認しなければならない課題が
存在する。
【0009】上記のごとく様々な方法が試みられている
が、現時点では解決しなければならない課題も多く、い
まだ完全な消毒・滅菌方法は確立されていない。医療施
設側も日本消化器内視鏡学会のガイドライン(GL洗浄
法)に添って洗浄・消毒・滅菌を実施するなど努力はし
ているが、処理作業時間が長いことや消毒剤の有害性、
GL洗浄法の実施に伴う機器の増設、人員の増員、経費
増等々の課題が生じている。
【0010】本発明は、手間が掛かりすぎて洗浄、消
毒、滅菌が不十分なため感染が心配されている内視鏡や
付属器具の感染源を遮断し医療従事者および患者の安全
に貢献する手段を提供することが目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、内視鏡や付属器具に付着している病原性微
生物に光励起された光触媒性酸化チタンを接触させる。
【0012】
【作用】光触媒性酸化チタンに光の波長が380nm以
下の近紫外線(一部では可視光も可)を照射すると電子
と正孔の二つのキャリアができる。光触媒性酸化チタン
の特徴でもある励起電子のもつ還元力よりも正孔のもつ
酸化力が強力である点を利用し、触媒表面のH2 Oに正
孔が作用し、ヒドロキシラジカルが生じる。このヒドロ
キシラジカルは水道の消毒などに広く使われている塩素
やオゾンに比べて非常に強い酸化力をもっており、有機
物を構成する分子中の炭素−炭素結合(83kcal/mol)、
炭素−水素結合(99kcal/mol)、炭素−窒素結合(73kc
al/mol)、炭素−酸素結合(84kcal/mol)、酸素−水素
結合( 111kcal/mol)、窒素−水素結合(93kcal/mo
l)、の結合エネルギ−であるのに対して、ヒドロキシ
ラ5−ジカルのエネルギ−は 120kcal/molとはるかに大
きいため、これらの結合を簡単に切断して分解すること
ができる。この作用により細菌感染症などで産出される
エンドトキシンなどの毒素も分解できることが確認され
ている。さらに、Pt、Ag、Cuなどの遷移金属を添
加することにより酸化還元機能を向上させ滅菌力を高め
ることが可能である。
【0013】接触滅菌洗浄処理槽は撹拌装置と光照射装
置を有し、前記撹拌装置で光触媒性酸化チタンと硝酸を
含有する複合溶液を撹拌すると共に、前記光照射装置で
光照射することで、当該複合溶液に含有されている光触
媒性酸化チタンは光励起に応じ、その光触媒反応によっ
て、接触する病原性微生物を不活化してなる手段が好ま
れる。
【0014】前記で述べた撹拌装置とは、前記複合溶液
に含有されている光触媒性酸化チタンを撹拌することが
目的であり、特に手段を指定する必要性は認められない
が、一般的には、超音波、マグネチックスタ−ラ−、気
泡装置などが想定できる。
【0015】前記で述べた光照射装置とは、光照射する
ことにより前記複合溶液に含有されている光触媒性酸化
チタンを光励起に応じ活性化させるためのものであり、
接触滅菌洗浄処理槽および接触滅菌洗浄処理装置に蓄え
てある当該複合溶液に均一に光照射することが大切であ
り、光の波長は380nm以下の近紫外線を発する機能
を有した蛍光灯、ブラックライトが好まれる。
【0016】前記で述べた光触媒性酸化チタンと硝酸を
含有する複合溶液には、イソプロパノ−ル、消毒用エタ
ノ−ルを混合しても構わない。
【0017】光触媒性酸化チタンと硝酸を含有する複合
溶液は、常に均一に撹拌されており、かつ、光照射され
て光励起に応じ当該複合溶液に含有されている光触媒性
酸化チタンの光触媒反応により接触する病原性微生物を
不活化する手段が望ましい。
【0018】接触滅菌洗浄処理装置には光触媒性酸化チ
タンと硝酸を含有する複合溶液の循環装置と浄化装置が
配設されており更に、当該複合溶液を蓄えておく滅菌溶
液処理槽と、撹拌装置と、光照射装置と、任意又は自動
噴射装置が装備されており、前記撹拌装置で撹拌すると
共に前記光照射装置で光照射することにより万遍なく光
励起された前記滅菌溶液処理槽内の当該複合溶液を前記
任意又は自動噴射装置により内視鏡や付属器具に任意又
は自動噴射することで付着している病原性微生物に光触
媒性酸化チタンを接触させ光触媒反応により当該病原性
微生物を不活化してなる手段が望まれる。
【0019】光触媒性酸化チタンと硝酸を含有する複合
溶液を撹拌装置で撹拌する工程、当該複合溶液に光照射
装置で光照射する工程、当該複合溶液を光励起する工
程、当該複合溶液を撹拌しながら光励起する工程、当該
複合溶液を撹拌すると共に光励起して接触滅菌洗浄処理
槽に蓄えておく工程、当該複合溶液を撹拌すると共に光
励起しながら接触滅菌洗浄処理槽に蓄えておく工程、撹
拌しながら光励起された当該複合溶液に内視鏡や付属器
具を浸漬する工程、当該複合溶液を撹拌すると共に光励
起しながら接触滅菌洗浄処理装置の滅菌溶液処理槽に蓄
えておく工程、前記滅菌溶液処理槽に蓄えられている撹
拌すると共に光励起されている当該複合溶液を任意又は
自動噴射する工程、任意又は自動噴射された当該複合溶
液を回収する工程、回収した当該複合溶液を浄化する工
程、浄化された当該複合溶液を循環使用する工程、を有
する手段が構成されているのが望ましい。
【0020】特許請求項1、2、3、4記載の方法を採
用する場合は、洗浄液処理槽を併設又は配設して当該洗
浄液処理槽に蓄えてある洗浄液を用いて、事前にあって
は内視鏡や医療器具に付着している血液や粘液などの汚
れを洗い落とす工程、事後にあっては内視鏡や付属器具
に付着している光触媒性酸化チタンと硝酸を含有する複
合溶液を含む残存物を当該洗浄液により洗い落とす工
程、洗い落としに使用した当該洗浄液を浄化する工程、
浄化した当該洗浄液を回収する工程、回収して浄化され
た当該洗浄液を循環使用する工程、が構成されている手
段が好まれる。
【0021】前記洗浄液処理槽に蓄え採用する洗浄液と
しては、洗浄剤、清浄水、無菌水などがあり、好ましく
は、酵素洗剤、両性界面活性剤、グルコン酸クロルヘキ
シジン等がある。
【0022】内視鏡や付属器具の光触媒性酸化チタン接
触滅菌洗浄方法は、接触滅菌洗浄処理槽内および接触滅
菌洗浄処理装置の滅菌溶液処理槽内に蓄えられている光
触媒性酸化チタンと硝酸を含有する複合溶液を撹拌装置
で撹拌しながら光照射装置で光照射すると当該複合溶液
に含有されている光触媒性酸化チタンの光触媒反応によ
って、接触する病原性微生物を不活化させる手段であ
り、用手滅菌洗浄による接触滅菌洗浄処理方法、或は、
任意又は自動滅菌洗浄による接触滅菌洗浄処理装置方法
であっても、残存物が生じる可能性は否定できない。し
かして、内視鏡や付属器具に付着している芽胞を含む全
ての病原性微生物は光触媒反応によって、すでに不活化
されており感染の危険性はなくなっている。さらに、洗
浄剤、清浄水、無菌水などにより洗い落とす工程が含ま
れており、より安全性が高まり危険性は皆無に等しくな
る。
【0023】病原性微生物は大旨1μm程度から、芽胞
菌である結核菌などは3×7μmと比較的大きく、病原
性微生物やウイルス類にあっては、例えば、内視鏡スコ
−プチュ−ブのクラック部分やチャンネル作動部分又
は、その他の被滅菌洗浄物の凹部等に侵入し潜んでいて
も、本発明に採用している光触媒性酸化チタンの粒子径
は7nmと究めて微細で分散性の優れたものを使用して
いるため、芽胞を含む全ての病原性微生物やウイルス等
が如何なる場所に侵入し、潜んでいても接触滅菌洗浄で
きる。
【0024】前記で述べてきたように本発明の接触滅菌
洗浄処理装置のシステムは、洗浄〜滅菌〜濯ぎ洗浄の工
程をもって構成されている。しかるに濯ぎ洗浄が終了し
た時点においては、内視鏡や付属器具は濡れているため
乾燥させる必要性が求められる。したがって、作業効率
・時間の短縮を考慮すれば、当該接触滅菌洗浄処理装置
には、乾燥装置を併設するのが望まれる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明は、従来から多く採用され
ている光触媒性酸化チタンをコ−テイング(薄膜塗布形
成)する方法とは異なり、目的とする内視鏡や付属器具
に光触媒性酸化チタンを固着させることなく活用する手
段に特徴を見いだしたことである。一般的な方法として
は、基材(内視鏡や付属器具)の表面に光触媒性酸化チ
タンを塗布(コ−ティング)して、その表面に光励起す
ることにより、表面の光触媒性酸化チタンに接触する病
原菌を含む有機物を分解除去できることは公知であり多
方面で実用化されている。しかしながら、そのすべて
(?)の方法は、基材の表面に光触媒性酸化チタンを固
定(接着)して出来るかぎり長期に渡り、その有効性を
維持する手段が用いられている。さらに、従来の方法で
は、内視鏡や付属器具の全部または一部に光触媒性酸化
チタンを塗布(コ−ティング)することにより、その部
分に光励起して接触する有害物を分解する手段による特
許出願も見受けられる。それに対して、光励起して活性
化させた光触媒性酸化チタンを内視鏡や付属器具の全部
または一部を浸漬、あるいは噴霧することで、いかなる
場所に潜んでいる芽胞を含む全ての病原性微生物に光触
媒性酸化チタンを接触させて光触媒反応により当該病原
性微生物を不活化する手段は前例が無く、全く新しい独
創的な考え方である。
【0026】内視鏡や付属器具の完全滅菌に着目した理
由は、使用された内視鏡等による「医原性感染」が社会
問題化している中、被検者に使用された内視鏡等を次の
被検者に使用するには二次感染を防ぐために完全に滅菌
された清潔なものを提供する義務と権利と責任感を痛感
したからである。院内感染の感染経路や感染源は究めて
多岐にわたり、多様化しているが少なくとも内視鏡や医
療器具による感染源の予防に大きく貢献でき、交差感染
の危険性が減少することにより看護婦等の安全業務の遂
行および二次感染防止を通じて社会に貢献できることで
ある。
【0027】最近、病原性大腸菌やエイズ(HIV)の
問題など医療方面では、細菌やウイルスによる感染症の
流行が問題視されています。少し前までは、結核が激減
しWHOは天然痘の撲滅を宣言するなど感染症はすでに
時代遅れとさえ言われた。しかし、エボラ出血熱ウィル
ス、病原性大腸菌O157は大きな社会問題となっている。
また、MRSAのように健常者にはほとんど影響がなく
とも、ひとたび抵抗力の落ちた病人やお年寄りには感染
症を引き起こし、抗生物質も効かず最悪の場合には死に
至らしめるという院内感染の問題もいまだに解決されて
いない。そのため、医学の方面では、どうすれば細菌や
ウィルスを退治できるかということに非常に関心が集ま
っている。細菌やウィルスの性質として、初めから大量
にそこにいるのではなく、よそから何かの方法で移って
きて、その場所が増殖するのに適した環境とわかるやネ
ズミ算的に増殖する。光触媒は一度に大量の物質を分解
することには不向きであるが、このように最初は少しの
ものが徐々に増えてくるようなものに対しては大変大き
な効果があることが判明している。抗菌剤、消毒剤、滅
菌剤ということならこれまでにもいくつもの種類が活躍
しているが、大きな違いはどこかと言うと、一つにAg
などの抗菌剤の場合、細菌を殺すことができてもその死
骸は残ってしまうのに対し、光触媒性酸化チタンの場合
は単に細菌を殺滅すだけではなく、その死骸も分解して
しまう性質を持っていることである。
【0028】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例によってなんら制限さ
れるものではない。 実施例1 試験目的:大腸菌の殺菌効果試験 試薬1・光触媒性酸化チタンと硝酸を含有する複合溶
液(クリアックスTH−No.1・総合技研)10mlにイ
ソプロパノ−ル10ml、精製水80mlを混合して試薬1
とした。 供試菌・大腸菌(Escherichia coli ATCC 8739) 菌液調整・供試菌をSCDブイヨン培地で35℃、2
4時間培養し、滅菌リン酸緩衝液に懸濁したものを菌液
とした。(菌液:約108cfu/ml) 操作・ガラス管(直径8mm, 高サ10mm)に0.1%アスパ
ラギン酸塩を被膜した後菌液に15分間浸漬し、滅菌ろ
紙上で30分間乾燥させキャリアとした 汚染したキャ
リアをあらかじめブラックライトで活性化させた試薬1
(100ml) の中にいれ、撹拌しながらブラックライトを照
射し、1分、2分、3分間作動させた。作動させた後、
キャリアを取り出し10mlの滅菌精製水で7回水洗し、10
mlの普通ブイヨン培地にいれ、35℃、48時間培養
し、菌の発育の有無を観察した。対照は汚染したキャリ
アを10mlの滅菌精製水で7回水洗したものを普通ブイヨ
ン培地にいれ培養した。ただし、試験は繰り返し10回
行った。 試験結果 10本中菌の発育した本数 作用時間
(分) 1分→0本 3分→0本 5分→0本 対照→1
0本
【0029】実施例2.試験目的:緑膿菌の殺菌効果試
験 試薬2・光触媒性酸化チタンと硝酸を含有する複合溶
液(クリアックスTH−No.1・総合技研)15mlにイ
ソプロパノ−ル15ml、精製水70mlを混合して試薬2
とした。 供試菌・緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa ATCC 902
7) 菌液調整・供試菌をSCDブイヨン培地で35℃、2
4時間培養し、滅菌リン酸緩衝液に懸濁したものを菌液
とした。(菌液:約108cfu/ml) 操作・ガラス管(直径8mm, 高サ10mm)に0.1%アスパ
ラギン酸塩を被膜した後、菌液に15分間浸漬し、滅菌
ろ紙上で30分間乾燥させキャリアとした。汚染したキ
ャリアをあらかじめブラックライトで活性化させた試薬
2(100ml) の中にいれ、撹拌しながらブラックライトを
照射し、1分、2分、3分間作動させた。作動させた
後、キャリアを取り出し10mlの滅菌精製水で7回水洗
し、10mlの普通ブイヨン培地にいれ、35℃、48時間
培養し、菌の発育の有無を観察した。対照は汚染したキ
ャリアを10mlの滅菌精製水で7回水洗したものを普通ブ
イヨン培地にいれ培養した。ただし、試験は繰り返し1
0回行った。 試験結果 10本中菌の発育した本数 作用時間
(分) 1分→0本 3分→0本 5分→0本 対照→1
0本
【0030】実施例3. 試験目的:枯草菌の殺菌効果試験 試薬3・光触媒性酸化チタンと硝酸を含有する複合溶
液(クリアックスTH−No.1・総合技研)20mlにイ
ソプロパノ−ル20ml、精製水60mlを混合して試薬3
とした。 供試菌・枯草菌(Bacillus subtilis ATCC 6633) 菌液調整・供試菌をSCDブイヨン培地で35℃、2
4時間培養し、滅菌リン酸緩衝液に懸濁したものを菌液
とした。(菌液:約108cfu/ml) 操作・ガラス管(直径8mm, 高サ10mm)に0.1%アスパ
ラギン酸塩を被膜した後菌液に15分間浸漬し、滅菌ろ
紙上で30分間乾燥させキャリアとした。汚染したキャ
リアをあらかじめブラックライトで活性化させた試薬3
(100ml) の中にいれ、撹拌しながらブラックライトを照
射し、1分、2分、3分間作動させた。作動させた後、
キャリアを取り出し10mlの滅菌精製水で7回水洗し、10
mlの普通ブイヨン培地にいれ、35℃、48時間培養
し、菌の発育の有無を観察した。対照は汚染したキャリ
アを10mlの滅菌精製水で7回水洗したものを普通ブイヨ
ン培地にいれ培養した。ただし、試験は繰り返し10回
行った。 試験結果 10本中菌の発育した本数 作用時間
(分) 1分→10本 3分→5本 5分→0本 対照→
10本
【0031】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されているような効果を奏す
る。
【0032】日本で多く使用されているグルタルアルデ
ヒド製剤は、蛋白変性作用が強く皮膚に付着すると着色
や皮膚炎等を起こし、更に、蒸気は眼や鼻などに粘膜刺
激を与えるため十分注意しなければならないが、本手段
の主剤に採用している酸化チタンは、歯磨剤、化粧品、
白色顔料など広く使われている人畜無害の食品添加物に
認定されている安全な物質であり、刺激臭や毒性がなく
医療従事者は安心して作業できる効果がある。
【0033】芽胞菌を含むすべての病原性微生物に光触
媒は有効であり、感染源の遮断方法としては、グルタル
アルデヒド製剤、電解酸性水、二酸化塩素水、過酢酸な
どと比較すると、消毒滅菌時間が短く毒性がなく品質が
安定しており低価格で安心して採用できる効果がある。
【0034】本発明で採用している光触媒性酸化チタン
の粒子径は、ナノメ−トルサイズで細菌と比べて究めて
微細であり細菌が内視鏡スコ−プのチュ−ブのクラック
部分やチャンネル作動部に侵入し潜んでいても、その全
ての部分に浸漬して接触することで完全滅菌する効果が
ある。
【0035】従来の消毒剤・滅菌剤では、細菌が殺滅さ
れるとその死骸が残ってしまうが、本発明に採用してい
る光触媒性酸化チタンは死骸も分解する効果がある。
【0036】洗浄液および複合溶液は、使用→回収→浄
化→再利用の循環サイクルシステムによりコストや資源
の節約に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】内視鏡や付属器具の一例を示す図である。
【図2】病原性微生物に光触媒性酸化チタンが接触して
いる一例を示す図である。
【符号の説明】
1 内視鏡 2 付属器具 3 病原性微生物 4 光触媒性酸化チタン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木ノ本 雅通 東京都新宿区高田馬場一丁目28番3号の 801 特定非営利活動法人バイオメディカ ルサイエンス研究会 (72)発明者 伊藤 洋一 東京都新宿区高田馬場一丁目28番3号の 801 特定非営利活動法人バイオメディカ ルサイエンス研究会 (72)発明者 山口 英世 東京都八王子市大塚359 帝京大学医真菌 研究センタ− (72)発明者 時田 基文 静岡県静岡市本通七丁目9番地の9 有限 会社総合技研 (72)発明者 篠ケ谷 聰 静岡県静岡市本通七丁目9番地の9 有限 会社総合技研 (72)発明者 泉 田鶴 静岡県静岡市本通七丁目9番地の9 有限 会社総合技研 (72)発明者 赤石 啓 静岡県静岡市井宮町6番地の1 アカイシ ア−ルディ株式会社 (72)発明者 前田 明男 東京都新宿区西新宿3丁目9番5号 株式 会社エス・エス・ジェイ Fターム(参考) 4C058 AA14 AA15 BB02 BB07 CC02 CC06 JJ07 JJ21 JJ26 4C061 GG09 JJ11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接触滅菌洗浄処理槽は撹拌装置と光照射
    装置を有し、前記撹拌装置で光触媒性酸化チタンと硝酸
    を含有する複合溶液を撹拌すると共に、前記光照射装置
    で光照射することで、当該複合溶液に含有されている光
    触媒性酸化チタンは光励起に応じ、その光触媒反応によ
    って、接触する病原性微生物を不活化してなることを特
    徴とする内視鏡や付属器具の光触媒性酸化チタン接触滅
    菌洗浄方法。
  2. 【請求項2】 前記接触滅菌洗浄処理槽に蓄えた光触媒
    性酸化チタンと硝酸を含有する複合溶液を前記撹拌装置
    で撹拌すると共に前記光照射装置で光照射することによ
    り万遍なく光励起された接触滅菌洗浄処理槽内の当該複
    合溶液に内視鏡や付属器具を浸漬することにより付着し
    ている病原性微生物に前記複合溶液に含有されている光
    触媒性酸化チタンが接触し光触媒反応により当該病原性
    微生物を不活化してなることを特徴とする特許請求項1
    記載の内視鏡や付属器具の光触媒性酸化チタン接触滅菌
    洗浄方法。
  3. 【請求項3】 接触滅菌洗浄処理装置には光触媒性酸化
    チタンと硝酸を含有する複合溶液の循環装置と浄化装置
    が配設されており更に、当該複合溶液を蓄えておく滅菌
    溶液処理槽と、撹拌装置と、光照射装置と、任意又は自
    動噴射装置が装備されており、前記撹拌装置で撹拌する
    と共に前記光照射装置で光照射することにより万遍なく
    光励起された前記滅菌溶液処理槽内の当該複合溶液を前
    記任意又は自動噴射装置により内視鏡や付属器具に任意
    又は自動噴射することで付着している病原性微生物に光
    触媒性酸化チタンを接触させ光触媒反応により当該病原
    性微生物を不活化してなることを特徴とする特許請求項
    1、2記載の内視鏡や付属器具の光触媒性酸化チタン接
    触滅菌洗浄方法。
  4. 【請求項4】 光触媒性酸化チタンと硝酸を含有する複
    合溶液を撹拌装置で撹拌する工程、当該複合溶液に光照
    射装置で光照射する工程、当該複合溶液を光励起する工
    程、当該複合溶液を撹拌しながら光励起する工程、当該
    複合溶液を撹拌すると共に光励起して接触滅菌洗浄処理
    槽に蓄えておく工程、当該複合溶液を撹拌すると共に光
    励起しながら接触滅菌洗浄処理槽に蓄えておく工程、撹
    拌しながら光励起された当該複合溶液に内視鏡や付属器
    具を浸漬する工程、当該複合溶液を撹拌すると共に光励
    起しながら接触滅菌洗浄処理装置の滅菌溶液処理槽に蓄
    えておく工程、前記滅菌溶液処理槽に蓄えられている撹
    拌すると共に光励起されている当該複合溶液を任意又は
    自動噴射する工程、任意又は自動噴射された当該複合溶
    液を回収する工程、回収した当該複合溶液を浄化する工
    程、浄化された当該複合溶液を循環使用する工程、を含
    んでなることを特徴とする特許請求項1、2、3記載の
    内視鏡や付属器具の光触媒性酸化チタン接触滅菌洗浄方
    法。
  5. 【請求項5】 特許請求項1、2、3、4記載の方法を
    採用する場合は、洗浄液処理槽を併設又は配設して当該
    洗浄液処理槽に蓄えてある洗浄液を用いて、事前にあっ
    ては内視鏡や付属器具に付着している血液や粘液などの
    汚れを洗い落とす工程、事後にあっては内視鏡や付属器
    具に付着している光触媒性酸化チタンと硝酸を含有する
    複合溶液を含む残存物を当該洗浄液により洗い落とす工
    程、洗い落としに使用した当該洗浄液を浄化する工程、
    浄化した当該洗浄液を回収する工程、回収して浄化され
    た当該洗浄液を循環使用する工程、を含んでなることを
    特徴とする内視鏡や付属器具の光触媒性酸化チタン接触
    滅菌洗浄方法。
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