JP2003009890A - 高処理能多型スクリーニング - Google Patents

高処理能多型スクリーニング

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JP2003009890A
JP2003009890A JP2002132063A JP2002132063A JP2003009890A JP 2003009890 A JP2003009890 A JP 2003009890A JP 2002132063 A JP2002132063 A JP 2002132063A JP 2002132063 A JP2002132063 A JP 2002132063A JP 2003009890 A JP2003009890 A JP 2003009890A
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Keith Jones
ジョンズ ケイス
Kerstin Leuther
リューザー カースティン
Michael H Shapero
エイチ.シャペロ ミカエル
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SmithKline Beecham Corp
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    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6813Hybridisation assays
    • C12Q1/6834Enzymatic or biochemical coupling of nucleic acids to a solid phase
    • C12Q1/6837Enzymatic or biochemical coupling of nucleic acids to a solid phase using probe arrays or probe chips
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    • C12Q1/6869Methods for sequencing
    • C12Q1/6874Methods for sequencing involving nucleic acid arrays, e.g. sequencing by hybridisation

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、1つ以上の異なる多型が混合物の
中に存在しうる核酸の複雑な混合物中のヌクレオチド多
型を検出するための高い処理能力を持つ方法であって、
複数の多型を並行してスクリーニングし得る方法に関す
る。 【解決手段】 本発明は、多型ヌクレオチドの同一性を
判定する方法であって、多型部位を含有する標的核酸
と、1種以上の遺伝子座特異的プライマー対を結合して
含む固相基板とを、ハイブリダイズする条件下で接触さ
せ;遺伝子座特異的プライマー対を用いて標的核酸を増
幅させ、該増幅によりそれぞれの末端で固相基板に結合
した増幅産物を得、多型ヌクレオチドと特異的な塩基対
をなす少なくとも1つの検出ヌクレオチドを含む標識化
プローブと上記増幅産物とを、該検出ヌクレオチドと該
増幅産物との間での共有結合の形成を触媒する酵素の存
在下で接触させ;そして、該標識を検出すること;を含
み、検出ヌクレオチド上の標識の同一性が多型ヌクレオ
チドの相補性を示すものであることを特徴とする、上記
方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は核酸サンプルにおけ
る多型の配列を決定するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】個体間の遺伝的変異を識別する能力は、
複雑な疾患に対する遺伝的素因についてのより良い理解
を成し遂げるために必須である。個体間のDNA配列変異
には、欠失、挿入、変数縦列反復(VNTR, variable num
ber tandem repeats)およびマイクロサテライトの2お
よび3ヌクレオチドリピートのような短い縦列反復など
を含む、多くの種類がある。遺伝的解析のためのマーカ
ーの新たなクラスには、一塩基多型(SNP)および他の
単純な多型、例えば欠失、二重ヌクレオチド多型などが
ある。SNPsは一般に二対立遺伝子系である。すなわち、
任意の特定のマーカーについて個体群内に2つの対立遺
伝子が存在する。これは、個体群内での頻度は非常に高
いけれども、10以上の対立遺伝子を持ちうるマイクロ
サテライトマーカーと比較して、SNPマーカーあたりの
情報量が比較的低いことを意味する。SNPsはまた、非常
に個体群特異的な傾向があり、ある個体群で多型を示す
マーカーは、他の個体群においては多型でないかもしれ
ない。
【0003】ヒトゲノムプロジェクトの主要な労力は、
ヒトゲノムDNA配列決定分析の完了に伴って、高密度
の、均等の間隔に並んだSNP地図の作成に向けられる。
新規なSNPsの同定およびマッピングに次いで、マーカー
の部分集合についての民族的に多様な個体群での対立遺
伝子頻度の決定が行われる。これらの地図は、APOE対立
遺伝子と晩発性家族性アルツハイマー病との関連(Cord
er, ら (1993) Science261:921-923)のように、複雑な
多遺伝子病において遺伝子を識別するための、強力で新
しい関連研究に対して枠組みを提供すると思われる。約
1キロベース毎に見いだされるSNPsは(Wangら (1998)
Science 280:1077-1082参照)、対象の遺伝子または領
域に対するハプロタイプ決定系を開発する上で非常に有
用な、非常に高密度の遺伝子地図を作成するための可能
性を提供し、SNPsの性質のため、それらは実際、研究中
の疾患の表現型に関連する多型であるかもしれない。SN
Psの低い突然変異率によりまた、SNPsは複雑な遺伝形質
の研究のための優れたマーカーとなる。
【0004】薬理ゲノム学の分野はSNPsの発見に高度に
依存している。例えば、CYP2D6における一塩基多型は、
個体の薬物代謝速度を予測するために用いることができ
る。抗不整脈薬、抗鬱薬、β-アドレナリン遮断薬、お
よび神経弛緩薬を含む約25%の薬物の代謝に関与しうる
CYP2D6は、少なくとも16の異なる対立遺伝子の変異体
が存在することによって、完全な欠失から極めて高いレ
ベルまでの範囲に及ぶ酵素活性を持つことができる。推
奨される治療薬投与量で副作用の危険性のある代謝不全
者を同定するための個体のスクリーニングは、臨床薬物
試験の時間とコストを減らすことができる。
【0005】薬理ゲノム学への広範囲に及ぶSNPsの応用
および候補ならびにゲノム内に広がる疾患感受性遺伝子
の同定は、多数のサンプルでの遺伝子型を記録するため
の、頑健で柔軟な、コスト効率の良い技術基盤のさらな
る開発を必要とするだろう。数年来、多様な分子的遺伝
子型決定スキームが記載されており(Landegren,ら (19
98) Genome Res. 8:769-776に論評される)、その多く
は、ローリングサークル型増幅(Hatch, ら (1999) Gen
etic Analysis, Biomolecular Engineering 15:35-4
0)、フローサイトメトリー、および一塩基鎖伸長法(C
hen, ら (2000) Genome Res. 10:549-557; Iannone, ら
(2000) Cytometry 39:131-140)、高密度オリゴヌクレ
オチドアレイ(Wang, ら (1998) Science 280:1077-108
2; Fan, ら(2000) Genome Res. 10:853-860)、および
光ファイバー遺伝子アレイ(Steemers, ら (2000) Nat.
Biotechnol. 18:91- 94)など、ビーズに基づくアプロ
ーチおよび固相アプローチを含む。これらの方法は正確
な遺伝子型決定の性能を提供することができるが、それ
らのすべてはまた、試料を生成する初期の前処理ステッ
プとして、標的配列の標準的なPCR増幅に依存してい
る。この固有の要求は、標準的な溶液に基づく多重(mul
tiplexed)PCRが技術的に必要とする性質のために、これ
らの様々な基盤が高度な多重遺伝子型決定のために改変
されうる範囲を、事実上限定する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】何百ものPCRプライマ
ー対を、複雑なゲノムDNA鋳型からの特異的で頑健な反
応生成物を産生する単一の試験管での多重反応に変換す
る能力は、大規模な個体群に基づくSNP遺伝子型決定の
ための必要条件を非常に容易にするであろう。従って、
正確で高い処理能を持つSNP遺伝子型決定の方法の開発
が必要である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の方法は、混合物
中に1以上の異なる多型が存在しうる場合、複雑な核酸
混合物中の多型ヌクレオチドの同一性を決定するために
提供し、複数の多型を同時にスクリーニングすることが
できる。本方法は、結合させた第一および第二遺伝子座
特異的プライマーを持つ固体基板を利用した、固相架橋
増幅技術を採用する。各々の一本鎖の遺伝子座特異的プ
ライマーは、1つの遊離末端と1つの基板に結合した末
端を持つ。第一プライマーはその標的核酸の一方の鎖に
相補的な配列の領域を包含し、第二プライマーは標的核
酸の逆鎖に相補性の領域を包含する。標的核酸は2つの
プライマーからのハイブリダイゼーション、伸長、およ
び変性の過程によって増幅される。二本鎖の増幅産物ま
たはアンプリコンはその後、アンプリコンに特異的に結
合可能な条件下で標識ヌクレオチドと接触させられる。
多型配列の読み出しはプライマー伸長プロトコールまた
は連結プロトコールのいずれかを利用しうる。いずれの
読み出しプロトコールでも、配列特異的標識後のアンプ
リコンは固形支持体上に保持されるか、または検出のた
めに解離されうる。
【0008】プライマー伸長プロトコールは、外来性の
プライマーまたはアンプリコンに内在するプライマーを
供給しうる、エンドヌクレアーゼ切断から生じる突出末
端の操作を通じて、利用することができる。ある実施形
態では、二本鎖の増幅産物は標識化プローブの結合前に
変性され、標的とされる多型部位と直に隣接している部
位に相補的な外来性の伸長用プライマーが、変性された
アンプリコンとハイブリダイズされる。伸長用プライマ
ーは、標識されたジデオキシヌクレオチドの存在下で多
型部位を横切ってDNA合成を開始する。合成反応に組み
込まれた特異的なジデオキシ塩基の検出は、標的核酸内
の多型ヌクレオチドの同一性を示唆する。
【0009】他のプライマー伸長プロトコールでは、切
断産物の一本鎖突出部における最初のヌクレオチドが多
型部位であるような(すなわち、陥凹鎖の1ヌクレオチ
ド伸長が多型部位と塩基対をとるように)、エンドヌク
レアーゼ認識部位が供給される。陥凹鎖は標識されたジ
デオキシヌクレオチドの存在下で多型部位を横切ってDN
A合成を開始するために使用することができる。
【0010】他の実施形態では、連結による読み出しを
用いて、認識部位から離れた部位で切断し、切断後に食
い違い(staggered)末端を生じるエンドヌクレアーゼの
ための認識部位が、1つの遺伝子座特異的プライマーの
遊離末端付近に提供される。エンドヌクレアーゼは多型
部位に隣接した位置での切断を提供するために選択さ
れ、その結果、多型部位は切断産物の一本鎖突出部上に
存在することになる。その突出部を、可能性のあるすべ
ての突出ヌクレオチド配列の組み合わせを包含する標識
化プローブとハイブリダイズし、連結することができ
る。多型部位のヌクレオチド配列が決定できるように、
標識はプローブに付加されることが好ましい。
【0011】本方法の利点は、調べられる各遺伝子座が
初期段階の別々の増幅、または溶液に基づく多重増幅を
受ける必要がないということである。本方法のもう一つ
の利点は、多数の多型部位が単一の反応チャンバーで同
時に分析できるということである。
【0012】以下でより完全に記述されるように、本発
明についてのこれらの目的および他の目的、利点および
特徴は、方法の詳細を読むに従って当業者にとって明白
になるであろう。
【0013】
【発明の実施の形態】好ましい実施形態の詳細な説明 本方法は、固相架橋増幅技術を用いて、核酸の複雑な混
合物において多型ヌクレオチドの同一性を決定するため
に提供される。特異的な多型残基の検出および同定のた
めに様々なアプローチが用いられる。両方の読み出しア
プローチは、相補的DNA配列に特異的な酵素の特異性を
利用し、両方のアプローチにより、ヌクレオチドの同一
性が多型配列の情報をもたらす場合、アンプリコンに共
有結合される、検出用ヌクレオチドと呼ばれることのあ
るヌクレオチドをもたらされる。都合の良いことに、検
出用ヌクレオチドは塩基の同一性を示す標識を包含す
る。1つの態様においては、読み出し過程はプライマー
伸長プロトコールを用い、そこでDNAポリメラーゼによ
って組み込まれた特定の塩基が多型部位の配列によって
決定される。また別の態様においては、アンプリコンに
ハイブリダイズされ連結される特定の塩基の同一性が多
型部位の配列によって決定される。標識が付加されたポ
リヌクレオチドはin situで、すなわち、増幅に用いら
れた固体基板に結合されて検出されるか、または解離さ
れて検出されうる。
【0014】プライマー伸長法では、二本鎖の増幅産物
は変性され、標的とされる多型部位に直に隣接したプラ
イマーとハイブリダイズされ、そのプライマーを用いて
標識されたジデオキシヌクレオチドの存在下で多型部位
を横切ってDNA合成を開始する。組み込まれたジデオキ
シ塩基の検出は、多型ヌクレオチドの同定を可能にす
る。他の実施形態では、切断産物の一本鎖突出部におけ
る最初のヌクレオチドが多型部位である(すなわち、陥
凹鎖の1ヌクレオチドの伸長が、多型部位と塩基対を形
成するだろう)。陥凹鎖は、標識されたジデオキシヌク
レオチドの存在下で、多型部位を横切ってDNA合成を開
始するために用いられる。
【0015】連結法を用いる場合、ある遺伝子座特異的
プライマーは、認識部位から離れ、標的とされた多型部
位と隣接した部位で切断するエンドヌクレアーゼの認識
部位を含むように設計される。増幅およびエンドヌクレ
アーゼによる切断後、多型部位は一本鎖突出部上にあ
り、それを検出のために標識されたプローブにハイブリ
ダイズさせ連結することができる。
【0016】種内には、多型を示す遺伝的部位がある。
すなわち、個体群内には、特定の位置に2以上のヌクレ
オチド(G、A、T、C)が見いだされる。多型は、特定部
位での1以上のヌクレオチドの置換、付加または欠失で
ありうる。頻繁に検出される変異は、点突然変異または
一塩基多型であろう。しかし、小規模の欠失、付加およ
び複数のヌクレオチド変異もまた、検出される。
【0017】多くの多型が同定されており、いくつかは
既知の疾患に関連づけられている。例えば、鎌状赤血球
性貧血、嚢胞性線維症および糖尿病はすべて、ゲノムの
多型と関連していた。しかし、多くの多型は依然として
疾患との関連を解析される必要がある。個体における遺
伝的変異の知見は、多くの疾患に対する遺伝的素因の診
断のためだけでなく、遺伝的に制御された治療剤に対す
る代謝および応答の差にとっても重要である。変異はま
た、いずれの遺伝子が、疾患に対する感受性の増加のよ
うな、複遺伝子性のもしくは量的な形質に寄与するのか
を決定するために、または、なぜ微生物のいくつかの株
が特に毒性なのかを理解するために、用いることができ
る。例えば、罹病群および対照群における多型遺伝子型
の連鎖解析は、疾患関連遺伝子の染色体上での検索範囲
を狭めるために用いることができる(Riley, ら (2000)
Pharmacogenetics 1 :39-47)。更に遺伝的変異は、微
生物学および法医学の両方において診断、同定の目的の
ために、組換えおよび集団遺伝学での研究のために用い
ることができる。本発明の方法は、単一の反応チャンバ
ーで多数の既知の多型について、核酸の複雑な混合物の
同時かつ効率的なスクリーニングを可能にする。また、
既知の多型についての核酸サンプルのスクリーニングに
使用するキットをも提供する。
【0018】定義 本方法が記述される前に、本発明は記述された特定の方
法に限定されず、従って当然変更しうることが理解され
るべきである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲に
よってのみ制限されているので、本明細書で用いられる
用語は特定の実施形態のみを記述する目的であって制限
的である意図はないこともまた、理解されるべきであ
る。
【0019】値の範囲が与えられている場合、その範囲
の上限および下限の間に介在する各値は、文脈が他で明
らかに指定しない限り、下限の単位の10分の1まで特
に明示されるということもまた、理解される必要があ
る。任意に定められた値もしくは定められた範囲内に入
る値と、他の任意に定められた値もしくはその定められ
た範囲内に入る値との間のより小さい各範囲は、本発明
に包含される。これらのより小さい範囲の上限および下
限は、独立して範囲に含まれるか、または除外されるこ
とがあり、限界値のどちらかもしくは両方がより小さい
範囲に含まれるか、もしくはどちらも含まれない各範囲
はまた、定められた範囲において特に除外された限界値
を条件として、本発明に包含される。定められた範囲が
限界値の一方または両方を含む場合、それらの含まれた
限界値の一方もしくは両方を除外する範囲もまた、本発
明に含まれる。
【0020】本明細書で用いられるすべての専門用語お
よび科学用語は、他で定義されない限り、本発明が属す
る当業者よって共通に理解されているものと同じ意味を
持つ。本明細書に記述されているものと類似のまたは等
価な方法および材料のいずれも、本発明の実行もしくは
試験に使用することができるが、好ましい方法および材
料が、現在、記述されている。本明細書に記載されたす
べての刊行物は、引用された刊行物と関連した方法およ
び/または材料を開示し記載するために、参照により本
明細書に組み入れられる。
【0021】本明細書および添付された特許請求の範囲
で用いられる場合、「a」、「an」あるいは「the」のよ
うな単数形は、文脈が他で明らかに指定しない限り、複
数の指示対象を含むことに注意しなければならない。従
って、例えば、「ある1つの遺伝子座特異的プライマ
ー」に対する言及は複数のかかる遺伝子座特異的プライ
マーを含み、「ある1つの多型部位」に対する言及は1
以上の多型部位および当業者に知られているその等価物
を含む。
【0022】本明細書に記載される刊行物は、本出願の
提出日以前に開示されたもののみが記載されている。本
明細書では、本発明が先行の発明の効力によってかかる
刊行物に先行する権利を持たないことを認めるものとし
て解釈されるべきではない。更に、記載された刊行物の
日付は、実際の刊行日とは異なる可能性があり、独立に
確認される必要がありうる。
【0023】核酸 ヌクレオチド(例えばデオキシリボヌクレオチド、リボ
ヌクレオチド)または配列特異的な様式で天然の核酸と
ハイブリダイズできる、合成的に産生された化合物を含
むその類似体の重合体。その用語は、一本鎖、二本鎖も
しくは多重鎖のDNAもしくはRNA、ゲノムDNA、cDNA、DNA
-RNAハイブリッド、プリンおよびピリミジン塩基または
他の天然の、化学的にもしくは生化学的に改変された
か、非天然のもしくは誘導されたヌクレオチド塩基、D
および/またはLヌクレオチド光学異性体を包含する重合
体、タンパク質核酸(PNA)などを含むが、それに限定
されない。ポリヌクレオチドのバックボーンは、一般的
にRNAもしくはDNAに見ることができるような糖およびリ
ン酸基、または、ホスホルアミダイトおよび/またはホ
スホロチオエート(Peyrottesら (1996) Nucl. Acids R
es. 24:1841-1848)のような合成サブユニットを含む、
改変あるいは置換された糖もしくはリン酸基を含むこと
ができる。核酸はまた、メチル化されたヌクレオチドお
よびヌクレオチド類似体のような改変されたヌクレオチ
ド、ウラシル、他の糖、およびフルオロリボースおよび
チオエートのような連結基、およびヌクレオチド分岐を
も含むことができる。ヌクレオチドの配列は非ヌクレオ
チド成分によって中断されうる。核酸は更に、標識成分
との結合、キャップ構造の付加、タンパク質、金属イオ
ン、標識成分、他のポリヌクレオチド、または固形支持
体へのポリヌクレオチド付加のための手段の導入、およ
び当技術分野で知られている他の改変によって、改変さ
れうる。
【0024】標的核酸 目的の標的ヌクレオチド多型を含む核酸。多型は、個体
群内における2つ以上の遺伝学的に決定される選択的な
配列または対立遺伝子の存在を指す。多型部位は、分岐
が生じる遺伝子座である。多型は、特定部位での1つ以
上のヌクレオチドの置換、付加または欠失でありうる。
頻繁に検出される変異は、点突然変異または一塩基多型
であろう。しかし、小規模の欠失、付加および複数のヌ
クレオチド変異もまた、検出される。
【0025】サンプルの複雑さ、すなわち解析される配
列の長さは、通常は約1010bp未満、より一般的には約10
9bp未満であり、約5×107bp未満の大きさであってもよ
い。ウイルスゲノムは通常長さ103ヌクレオチドより大
きく、一方、細菌ゲノムは通常長さ105ヌクレオチドよ
り大きい。より大きなゲノム、例えば、約107bpより大
きいまたは約108bpより大きい複雑さを持つものは、随
意に、解析のためにより低い複雑さのサンプルに分離さ
れうる。
【0026】標的核酸は、DNA、そのRNA転写産物、また
はRNA転写産物から調製されたcDNAでありうるが、通常
はゲノムDNAである。標的核酸は複数の異なる多型を含
むことができ、細胞培養物、単離細胞、組織サンプル、
器官などを含む、種々の生物学的供給源から誘導するこ
とができる。目的の生物は、例えば、酵母のような菌
類、細菌、ウイルス、原生動物などの単細胞生物を含
み、それらの生物は病原体、農学的に関心の高い生物、
研究モデルなどでありうる。目的の多細胞生物は、植物
および動物、特に、ヒト、ヒト以外の霊長類、ウシ、ヒ
ツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、トリ(例えば、ニワトリまた
は他の家禽類)、モルモット、ウサギ、ラット、マウ
ス、ウマなどを含む哺乳動物を含む。この場合、多細胞
生物からの生理学的供給源は、多細胞生物の特定の器官
もしくは組織、またはそれらに由来する単離細胞から誘
導されうる。
【0027】核酸サンプルは、初めに従来の方法に従っ
て調製される。従来の方法には例えば、細胞の溶解、細
胞残屑の除去、タンパク質、脂質または混合物中に存在
する他の成分からの核酸の分離の後、切断のために単離
されたDNAの使用が挙げられる。Molecular Cloning, A
Laboratory Manual, 第2版(Sambrookら編)CSH Labor
atory Press, Cold Spring Harbor, NY 1989を参照せ
よ。単離されたDNAは、制限エンドヌクレアーゼによる
消化、または物理的な操作によって(例えば、針の中を
くり返し通すことによって)切断されうる。通常少なく
とも約0.5μgのDNA、より通常には少なくとも約5μgのD
NAが用いられるが、通常、50μg未満のDNAで十分であろ
う。
【0028】遺伝子座特異的プライマー対 遺伝子座特異的プライマー対は、標的核酸の反対の鎖に
ハイブリダイズする2つのオリゴヌクレオチドを含み、
そのハイブリダイゼーション部位は、互いに向かい合っ
たプライマーの3'ヒドロキシル末端で、標的多型の側面
に位置する。プライマー配列の正確な構成は、本発明に
とって重要ではないが、多くの適用において、プライマ
ーは、当技術分野で知られるような、ストリンジェント
な条件下で標的核酸配列とハイブリダイズするであろ
う。(プライマーが寄与する長さを除き)少なくとも約
1ヌクレオチドの増幅産物を生じる一対のプライマーを
選択することが好ましく、プライマーの長さは20ヌクレ
オチドまたは50ヌクレオチドほどとされ、通常、約2500
0ヌクレオチド未満とすることができる。
【0029】既知の多型およびそれらの周囲の配列は、
SNP Database(The National Center for Biotechnolog
y Information, National Library of Medicine, Bethe
sda,MD)、Human Gene Mutation Database(Krawczakお
よびCooper (1997) TrendsGenet. 13:121-122参照)、
およびHuman Genic Bi-Allelic Sequences Database(C
enter for Genomics Research, Stockholm, Sweden; Eu
ropean Bioinformatics Institute, Cambridge, United
Kingdom; European Molecular Biology Laboratory, H
eidelberg, Germany)を含む、公共のデータベースで入
手可能であり、それらのすべてはワールドワイドウェー
ブを介して入手可能である。プライマー配列の選択のた
めのアルゴリズムは、一般的に知られており、市販のソ
フトウェアパッケージで利用できる。増幅プライマーは
相補的なDNA鎖にハイブリダイズし、互いに向かってプ
ライミングする。遺伝子座特異的プライマー対によって
生成される増幅産物は、標的多型を包含するであろう。
プライマー配列は、ユニークであるように選択される。
すなわち、プライマー配列は、他の多型部位付近に見ら
れる配列、または互いに対して、相補的もしくは同一で
ない。
【0030】当業者はその意味が単に便宜上の事柄に過
ぎないことを理解すると思われるが、プライマーを指し
て、「第一遺伝子座特異的プライマー」および「第二遺
伝子座特異的プライマー」という用語を使用する場合が
ある。各遺伝子座特異的プライマーは、一方の末端で固
体基板に結合され、それによって、ハイブリダイゼーシ
ョンに利用可能な遊離末端が残されている。通常、遊離
末端はプライマーの3'末端であり、結合末端はプライマ
ーの5'末端である。増幅産物が第一および第二プライマ
ーの間で形成できるように、第一および第二プライマー
は支持体上で空間的に分離されていないことが好まし
い。
【0031】プライマーはまた、結合末端にスペーサー
ドメインをも含むことができる。スペーサードメイン
は、無作為な配列または非ポリヌクレオチドの化学的ス
ペーサー(例えば、エチレングリコール系ポリエーテル
オリゴマー)を含む、任意の都合の良い配列でありう
る。スペーサードメインは、立体障害がプライマーへの
標的配列のハイブリダイゼーションに干渉することを防
ぐ。一般的に、存在する場合にはスペーサードメイン
は、サブユニットがヌクレオチド、アミノ酸、単糖類な
どでありうる、約1〜20サブユニット、通常は約1〜15、
より一般的には5〜10を含む約1〜10の範囲の長さを有す
る。本発明の一実施形態では、遺伝子座特異的プライマ
ーの一方または両方とも、基板-5'-S-H-3'という構造を
有する(ここでのSはスペーサードメイン、Hはハイブリ
ダイゼーション配列である)。
【0032】別の実施形態では、少なくとも一方の遺伝
子座特異的プライマーは、エンドヌクレアーゼ認識部位
を含み、そこでは同族のエンドヌクレアーゼは、認識部
位から離れた部位で切断し、その結果、食い違い末端、
すなわち一本鎖の突出鎖と陥凹鎖を含む切断核酸を有す
る切断産物を生じる酵素となるように、選択される。陥
凹鎖は3'末端を有することが好ましい。かかる酵素の多
くが当業者に知られており、市販されている(販売元
は、例えば、Stratagene、New England Biolabs、Prome
gaなどを含む)。本方法で使用される特定のエンドヌク
レアーゼには、IIS型制限エンドヌクレアーゼ、ホーミ
ングエンドヌクレアーゼ(例えば、BelfortおよびRober
ts, (1997) Nucleic Acids Research 25:3379-3388に記
述されるような)などが含まれるがそれらに限定されな
い。
【0033】IIS型制限酵素は二本鎖DNA上の2つの不連
続な部位(すなわち、4〜7bpの長さの認識部位、および
通常認識部位から1〜20bp離れた切断部位)に相互作用す
る。ENases-IISの認識配列は全体的に(または部分的
に)非対称である。本方法で使用するためのIIS型エン
ドヌクレアーゼの例としては、Alw XI、Bsm AI、Bsm F
I、Sts I、Hga I、Bsc AI、Bbv I、Bbv II、Bce fI、Bc
e 85I、Bcc I、Bcg I、Bsa I、Bsg I、Bsp MI、Bst 71
I、Ear I、Eco 57I、Esp 3I、Fau I、Fok I、GsuI、Hph
I、Mbo II、Mme I、Rle AI、Sap I、Sfa NI、Taq II、
Tth 111II、Bco 5I、Bpu AI、Fin I、Bsr DIなど、およ
びそれらのアイソシゾマーが挙げられるがそれらに限定
されない。好ましいエンドヌクレアーゼには、Fok Iお
よびBbv Iが含まれる。
【0034】ホーミングエンドヌクレアーゼはイントロ
ンまたはコードされたインテインであり、12〜40bpの認
識配列を有する。切断部位は1〜10bpの3'および5'突出
を生じる。ホーミングエンドヌクレアーゼの例として
は、I-Ppo I、I-Ceu I、I-DmoI、I-Sce I、PI-Sce I、P
I-Psp Iなどが挙げられる。
【0035】エンドヌクレアーゼ認識部位が存在するプ
ライマーでは、かかる認識部位、標的とされる多型部
位、および標的核酸上のプライマーのハイブリダイゼー
ション部位の間の距離は、多型部位に隣接した位置にエ
ンドヌクレアーゼ切断を提供するように選択される。言
い換えると、特定の制限エンドヌクレアーゼ、標的核酸
上のプライマーのハイブリダイゼーション部位の位置、
およびエンドヌクレアーゼ認識部位の位置はすべて、増
幅およびエンドヌクレアーゼ切断の後、多型ヌクレオチ
ドが切断産物の一本鎖突出部上に存在することを保証す
るように選択される。当業者であれば、認識部位の配列
に基づくプライマー内の認識部位の適切な位置、エンド
ヌクレアーゼが二本鎖の核酸を切断する認識部位から下
流の距離、および切断産物の一本鎖突出上の多型部位の
望ましい位置を、容易に決定することができる。選択さ
れた特定の酵素に応じて、認識部位はハイブリダイゼー
ション配列に対して5'側、3'側または内部であってよ
く、通常はハイブリダイゼーション配列に対して5'側に
配置される。
【0036】この実施形態の1つの態様において、制限
エンドヌクレアーゼおよび部位の位置は、切断産物の一
本鎖突出部の最初のヌクレオチドが多型ヌクレオチドで
あるように選択される。
【0037】本発明の別の実施形態では、遺伝子座特異
的プライマー対の少なくとも1メンバーは、解離認識部
位(release recognition site)を含む。「解離認識部
位」とは、二重らせんとして存在するときに、エンドヌ
クレアーゼによって認識、切断され、平滑末端を生じる
配列を意味する。平滑切断エンドヌクレアーゼの多く
が、当技術分野において知られているおり、AluI、BaI
I、EcoRV、HincII、NruI、SmaI、StuIなどを含むがそれ
に限定されない。選択された特定の酵素に応じて、解離
認識部位は、ハイブリダイゼーション配列に対して5'
側、3'側または内部であってよく、多くの場合、ハイブ
リダイゼーション配列の5'側に配置される。両方のプラ
イマーが解離認識部位を含む場合、異なる認識部位が各
プライマー上に存在することが好ましく、例えば、同じ
エンドヌクレアーゼが両方のプライマー上の解離認識部
位を認識しないことが好ましい。更に、消化後に生じる
突出部は、解離部位が消化後に平滑末端もしくは3'突出
のどちらかを提供するように、5'突出部以外であること
が好ましい。
【0038】捕捉プライマー 遺伝子座特異的配列に対して相補的な捕捉配列、また
は、例えばAlu配列、LINES、SINESなどの反復モチーフ
のように、ゲノムDNAで頻繁に見られるDNA塩基配列を含
む、一本鎖のオリゴヌクレオチド。捕捉配列は、その相
補的配列に対して特異的なハイブリダイゼーションを提
供するのに十分な長さである。捕捉プライマーは長さに
して約5〜50ヌクレオチドでありうるが、一般的には少
なくとも約10、通常は約15ヌクレオチドの長さで、一般
的には約40、通常は約30ヌクレオチドより長くはない。
一実施形態では、捕捉配列は実質的にはすべての標的核
酸、すなわち、標的核酸の少なくとも約80%、より通常
では標的核酸の少なくとも約90%、好ましくは標的核酸
の少なくとも約95%にハイブリダイズすることができ
る。捕捉プライマーは、標的核酸が捕捉プライマーと遺
伝子座特異的プライマーとの両方に同時にハイブリダイ
ズできるように、第一および第二遺伝子座特異的プライ
マーに近い位置で、固体基板に付加される。
【0039】一実施形態では、捕捉プライマーはスペー
サードメインによって固体基板に付加されるが、この場
合のかかるドメインは上述されたものと同様である。捕
捉プライマーを基板に付加させているスペーサードメイ
ンは、標的核酸との捕捉プライマーのハイブリダイゼー
ションの立体障害をさらに減らすために、第一および/
または第二遺伝子座特異的プライマーを基板に付加させ
るスペーサードメインがもしあれば、それより長くてよ
い。
【0040】伸長用プライマー 標的とされる多型部位に直に隣接している部位にハイブ
リダイズする核酸であるが、多型部位にわたって伸長し
ない核酸。標的核酸と伸長用プライマーがハイブリダイ
ズする場合、プライマーの3'末端のすぐ下流の、最初の
対になってない塩基が、標的とされる多型部位である。
伸長用プライマーは1つの多型部位だけとハイブリダイ
ズすることが好ましい。本発明の一実施形態では、複数
の伸長用プライマーがハイブリダイゼーション混合物中
に存在し、そこで各々の伸長用プライマーは異なる多型
部位に特異的にハイブリダイズする。すなわち、ハイブ
リダイゼーション条件下で、標的核酸上の2以上の部位
に結合する伸長用プライマーはない。
【0041】複数の伸長用プライマーが用いられる場
合、伸長用プライマーは、配列以外の物理的な特徴、例
えば空間的にアドレス可能なアレイ内での位置、ゲル電
気泳動中に異なる移動度を示す長さの違いなどによっ
て、識別できることが好ましい。従って、各プライマー
に対応する多型部位はゲル上の伸長用プライマーの位置
によって同定できる。伸長用プライマーは、ユニークな
ハイブリダイゼーションを提供するのに十分な長さを有
しており、通常少なくとも約12ヌクレオチドの長さ、よ
り通常では少なくとも約14ヌクレオチドの長さで、通常
は約40ヌクレオチド以下の長さである。複数の標的多型
がサンプル内に存在する場合、この範囲内のサイズ範囲
が用いられうる。
【0042】標識化プローブ 標的とされた核酸の増幅産物に結合する検出可能な標識
を含む、特異的結合メンバーであって、好ましくは多型
部位に結合するもの。好ましいプローブは、ポリヌクレ
オチド、オリゴヌクレオチド、リボヌクレオチド、なら
びに単一のデオキシヌクレオチド、ジデオキシヌクレオ
チド、リボヌクレオチド、ジデオキシリボヌクレオチド
などを含むヌクレオチドおよび核酸である。プローブ
は、鎖を終結させるヌクレオチド、例えばジデオキシヌ
クレオチドを含むことができる。検出可能な標識は結合
メンバーに連結されるが、それは直接的にまたは間接的
に検出可能であってよく、直接的に検出可能であること
が好ましい。通常1以上のヌクレオチド残基が標識を含
むために改変されるが、この場合改変された残基は鎖を
終結させるヌクレオチドであってもよい。
【0043】直接的に検出可能な標識には、アイソトー
プ標識が含まれ、その場合、1以上のヌクレオチドが32
S、32P、3Hなどの放射性標識で標識される。
【0044】目的の蛍光標識には、フルオレセイン、ロ
ーダミン、テキサスレッド、フィコエリトリン、アロフ
ィコシアニン、6-カルボキシフルオレセイン(6-FA
M)、2',7'-ジメトキシ-4',5'-ジクロロ-6-カルボキシ
フルオレセイン(JOE)、6-カルボキシ-X-ローダミン
(ROX)、6-カルボキシ-2',4',7',4,7-ヘキサクロロフ
ルオレセイン(HEX)、5-カルボキシフルオレセイン(5
-FAM)またはN,N,N',N'-テトラメチル-6-カルボキシロ
ーダミン(TAMRA)、Cy3、Cy5、Alexa 542、Bodipy 630
/650などのようなシアニン染料、蛍光粒子、蛍光半導体
ナノ結晶体などが含まれる。標識化プローブは、任意の
都合の良いプロトコールを用いて生産できる。
【0045】一実施形態では、標識化プローブは、遠位
切断エンドヌクレアーゼによる切断から生じる切断産物
の一本鎖突出部に相補的な一本鎖のオリゴヌクレオチド
であり、この場合、プローブは単にかかる相補的配列の
みから成っていても、または相補的配列を越えて拡張し
ていてもよい。
【0046】別の実施形態では、プローブは鎖を終結さ
せるヌクレオチド、例えば、ジデオキシアデノシン三リ
ン酸(ddATP)、ジデオキシシトシン三リン酸(ddCT
P)、ジデオキシチミジン三リン酸(ddTTP)、ジデオキ
シグアノシン三リン酸(ddGTP)、ジデオキシウリジン
三リン酸(ddUTP)などを含む。
【0047】「固相基板」または「固相支持体」は、本
発明の核酸プライマーが付加される任意の表面を意味す
る。様々な固相支持体または基板は、本発明の目的に適
したものであり、柔軟なおよび剛性の基板の両方を含
む。柔軟なという用語は、支持体が破損せずに曲げら
れ、折りたたまれ、あるいは同様に操作されることが可
能であることを意味する。柔軟な固相支持体の例として
は、ナイロン、ニトロセルロース、ポリプロピレン、ポ
リエチレンテレフタレートなどのようなポリエステルフ
ィルムが挙げられる。剛性の支持体は容易に曲げられな
いものであり、ガラス、溶融シリカ、石英、アクリルア
ミド、プラスチック(例えばポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート
およびそれらの混合物など)、金属(例えば金、プラチ
ナ、銀など)が含まれる。
【0048】基板は、フィルター、繊維、膜、ビーズ、
粒子、計量棒、シート、棒などを含む、様々な構造をと
ることができる。基板に加工されうる材料は、理想的に
は、ハイブリダイゼーション中の非特異的結合のレベル
が低いことを示すべきである。
【0049】本発明の一実施形態では、基板は平らな表
面を含み、プライマーは、第一および第二遺伝子座特異
的プライマーの両方が同じプライマースポットに存在す
るように、アレイの表面上にスポットされる。複数の遺
伝子座特異的プライマー対がアレイに結合されるため
に、基板は複数のプライマースポットを含むことができ
る。基板上のプライマースポットは、任意の都合の良い
形をとりうるが、多くの場合、円形、楕円形(ellipsoi
d)、卵円形(oval)または他の類似の曲形をとるだろう。
固体表面上のスポットの密度は、少なくとも約5/cm2
あり、通常は少なくとも約10/cm2であるが、約1000/cm2
を超えず、通常は約500/cm2を超えず、より通常では約3
00/cm2を超えない。スポットは、支持体表面に渡ってま
たは覆って、格子を形成するような行列、円形のパター
ンなどの、任意の都合の良いパターンで配置することが
でき、一般的には、スポットのパターンは固形支持体の
表面にわたって格子の形態で存在するであろう。
【0050】基板上のプライマースポットの総数は、異
なる標的多型部位の数ならびに、望ましい場合には対照
スポット、検量スポットなどの数に応じて変わるだろ
う。一般的には、支持体の表面上に存在するパターン
は、少なくとも約10の別個のスポット、通常は少なくと
も約20の別個のスポット、より通常では少なくとも約50
の別個のスポットを含み、この場合、スポットの数は5
0,000以上でありうるが、通常は約25,000の別個のスポ
ットを超えず、より通常には約15,000の別個のスポット
を超えないであろう。各々の別個のプローブ組成は、結
果の内部相関性を提供するために、2重に存在してもよ
い。
【0051】別の実施形態では、基板は物理的に分離し
た固体基板の集合、例えば、ビーズの集合、光ファイバ
ーケーブルの個々の線維束などである(例えば、米国特
許第6,023,540号、5,814,524号、5,633,972号および5,5
12,490号を参照)。各々の分離した基板は、ビーズ表面
に共有結合した1つ以上のプライマースポットを有する
ことができる。物理的に分離可能な個々の基板の集合
は、各遺伝子座特異的プライマー対の位置がわかるよう
に、あらかじめ決められたパターンに配置することがで
きる。あるいは、例えば蛍光タグのような標識が、基板
上の識別子として存在してもよい。
【0052】各スポットに存在するプライマー量は、ア
レイが使用されるアッセイの間中、標的核酸の適切なハ
イブリダイゼーションおよび検出を提供するために十分
な量であるだろう。スポットが全体的に円形の場合、ス
ポットの直径は、約10〜5,000μm、通常は約20〜2,000
μm、より通常には約50〜1000μmの範囲であり、各スポ
ットのポリヌクレオチド量は、少なくとも約0.1ng、通
常少なくとも約0.5ng、より通常には少なくとも約1ngで
あり、その量は、1000ng以上の量でありうるが、通常は
約20ngを超えず、より通常には約l0ngを超えないだろ
う。スポット内での各第一および第二遺伝子座特異的プ
ライマーのコピー数は、標的核酸が検出可能なシグナル
を生じるために十分なハイブリダイゼーション部位を提
供するのに十分な数であり、一般的には約0.01 fmol〜5
0 fmol、通常約0.05 fmol〜20 fmol、より通常には約0.
1fmol〜5 fmolの範囲であろう。
【0053】本基板は任意の都合の良い方法を用いて調
製できる。支持体を調製する1つの手段は、遺伝子座特
異的プライマーを合成し、その後、支持体表面上にスポ
ットとして沈着させることである。プライマーは、自動
化された固相合成プロトコール、準備的PCRなどのよう
な、任意の都合の良い方法を用いて調製でき、かかる技
術は当技術分野で知られている。調製されたプライマー
は、次いで例えばマイクロピペット、インクジェット、
ピンなどによる手動による技術、および自動化されたプ
ロトコールを含む、任意の都合の良い方法を用いて支持
体上にスポットされうる。特に関心が持たれるのは、Be
ckman Biomek 2000 (Beckman Instruments) のような自
動化スポット装置の使用である。あるいは、プライマー
を当技術分野において知られている標準の技術を用い
て、基板上に合成することができる。
【0054】配列多型決定の方法 本発明は、1つ以上の異なる多型が混合物の中に存在し
うる核酸の複雑な混合物中のヌクレオチド多型を検出す
るための高い処理能力を持つ方法であって、複数の多型
を並行してスクリーニングし得る方法を提供するもので
ある。本方法には、疾病のまたは疾病に対する遺伝子的
素因、治療薬の代謝における遺伝子に制御される差異、
および治療薬に対する応答の診断を含む多くの用途が包
含される。
【0055】多型を有する遺伝子は以下のもの; IL6
(Fishman (1998) J. Clin. Invest.102, 1369)、blnk
(Minegishi (1999) Science 286, 1954)、TM4SF2 (Zemn
i (2000) Nat. Genet. 24, 167)、SLC6A2 (Shannon (20
00) N. Engl. J. Med. 342, 541)、SCN1A (Escayg (200
0) Nat. Genet. 24, 343)、PIK3R1 (Oldridge (2000)Na
t. Genet. 24, 275)、NR2E3 (Haider (2000) Nat. Gene
t. 24, 127)、MAPK8IP1 (Waeber (2000) Nat. Genet. 2
4, 291)、IL1B (EI-Omar (2000) Nature 404,398)、HNF
4B (Yamada (2000) Diabetologia 43, 121)、GJB6 (Gri
fa (1999) Nat. Genet. 23, 16)、EVC (Ruiz-Perez (20
00) Nat. Genet. 24, 283)、CX3CR1 (Faure (2000) Sci
ence 287, 2274)、CTSD (Papassotiropoulos (2000) An
n. Neurol. 47, 399)、B4GALT7 (Okajima (1999) J. Bi
ol. Chem. 274, 28841)、AMACR(Ferdinandusse (2000)
Nat. Genet. 24, 188)、ACTN4 (Kaplan (2000) Nat. Ge
net. 24, 251)、およびSDHD (Baysal (2000) Science 2
87, 848)が関与する疾病と関連していることが知られて
いる。さらなる疾病関連遺伝子は、SNP データベース
(SNP Database)、ヒト遺伝子突然変異データベース
(Human Gene Mutation Detabase)、およびヒト遺伝子
バイアレリック配列データベース(Human Genetic Bi-A
llelic Sequences Database)といったような公衆に利
用可能なデーターベースに見出すことができる。
【0056】また、本方法を用いて、特定の形質との相
関についての多型を分析することもできる。1セットの
多型を各個体のセットについて分析する。それらの個体
の中には特定の形質を示すものもあり、また、示さない
ものもある(例えば、アルツハイマー病である、または
アルツハイマー病でないと診断されている、など)。次
に、特定の対立遺伝子の存在または不在が対象とする特
定の形質と関連しているか否かを決定するために、この
セット中の各々の多型の対立遺伝子を検討する。ある形
質に関してランダムに分離されない対立遺伝子は、ある
特定の個体がその形質を表す可能性を予測するのに利用
することができる。このような方法はまた、特定の種の
遺伝子地図を構築するために利用できる。
【0057】本方法において、標的多型部位を含む1つ
以上の標的核酸を架橋増幅法によって増幅する。まだ一
本鎖になっていない場合は標的核酸を含むサンプルを変
性させて、該プライマーの特異的なハイブリダイゼーシ
ョンを提供する条件下で、前記の1つのまたは遺伝子座
特異的なプライマー対を含む固相基板と接触させる。本
方法における特定の対象物の増幅方法は、米国特許第5,
641,658号に記載されており、この開示は参照により本
明細書中に組み込むものとする。
【0058】第1の遺伝子座特異的プライマーおよび標
的核酸の相補領域はハイブリダイズし、第1の遺伝子座
特異的プライマーを利用して、該標的核酸を鋳型として
用いるDNAポリメラーゼによる該プライマー配列の伸長
が開始される。この伸長産物と該標的核酸を変性させ
て、該固相基板に存在するプライマーと再びハイブリダ
イズ可能にする。第2の遺伝子座特異的プライマーを第
1鎖とハイブリダイズさせ、これらを逆鎖の伸長を開始
するのに利用する。
【0059】次に、増幅産物に少なくとも1種の標識化
ヌクレオチドを共有結合させる方法により、この二本鎖
増幅産物を多型ヌクレオチドを同定するために分析す
る。ここで、該標識ヌクレオチドは、そのハイブリダイ
ゼーション特性によって選択される。該ヌクレオチドと
該増幅産物との間に形成される結合は、例えば、DNAポ
リメラーゼ、DNAリガーゼなどの酵素により、その特性
を利用して触媒される。
【0060】DNAのポリメライゼーションを読み出し(r
eadout)として用いる方法では、該増幅産物を変性させ
て、第1および第2の遺伝子座特異的プライマーを含む2
つの一本鎖産物それぞれを生じるさせることができ、こ
こでこれら双方とも固相支持体に結合される。次に、多
型部位内の特定されるべきヌクレオチド塩基が該プライ
マーの3’末端のすぐ下流の1つめの対合しない塩基と
なるように、前記の伸長用プライマーを一方の鎖とハイ
ブリダイズさせる。該伸長用プライマーと該増幅産物と
の間にいかなる塩基のミスマッチもなく厳密な対合が得
られるようなストリンジェントな条件下で、該伸長用プ
ライマーを該増幅産物とハイブリダイズさせる。
【0061】別のプライマー伸長プロトコルにおいて、
DNA合成の鋳型を提供するために増幅産物により内部伸
長用プライマーが提供される。遠位(distance)エンド
ヌクレアーゼ認識部位を該プライマー内に配置して、切
断産物の突出一本鎖上の1つめのヌクレオチドが多型ヌ
クレオチドであり、陥凹鎖の3’末端の1ヌクレオチド
の伸長が多型ヌクレオチドと塩基対を形成するようにす
る。この実施形態において、平滑または3’突出エンド
ヌクレアーゼを提供する解離認識切断もまた用いられ
る。
【0062】該伸長用プライマーおよび相補配列によっ
て形成された二本鎖を、多型部位内のヌクレオチドと塩
基対を形成する標識化プローブと接触させる。該標識化
プローブは、2、3または4つの異種の標識を付したジ
デオキシヌクレオチド(例えばddATP、ddCTP、ddGTP、dd
TTP、ddUTPなど)でよい。伸長用プライマーから伸長を
開始する酵素(例えばDNAポリメラーゼ)を加えることに
より、標識化ジデオキシヌクレオチドが該伸長用プライ
マーの3’末端に共有結合により組み込まれる。ポリメ
ラーゼによる伸長は多型部位における正確な塩基対に依
存するため、組み込まれたジデオキシヌクレオチドの同
定は、多型部位に存在するヌクレオチドを相補するもの
の同定である。従って、該伸長用プライマーの3’末端
において検出可能な標識の同定により、多型部位のヌク
レオチドの相補物が示される。
【0063】該伸長産物は、基板に結合した増幅産物と
ハイブリダイズさせることで、その場で(in situ)標識
パターンを観察することにより分析可能である。あるい
はまた、例えば、長さの異なるプライマーなどの互いに
識別可能な伸長用プライマーを使用する場合、該伸長用
プライマーを変性させてゲル電気泳動によって分離し、
このゲルを分析することが可能である。上記標識は、当
技術分野において周知である通常の方法によって検出可
能である。例えば、標識が蛍光標識である場合、ジデオ
キシヌクレオチドの1つに対応する特定の標識の蛍光放
射を分離するためのフィルターセットと共に、レーザー
励起源を用いることが可能である。蛍光標識化プローブ
からの放射光を検出するために、光電子増倍管、電荷結
合素子(CCD)、または別の適当な蛍光検出法を用いる
ことができる。基板またはゲル上に存在する標識または
各々のプローブの位置が、標的核酸の多型部位の配列を
直接示す。
【0064】リガーゼによる読み出しを用いる方法にお
いて、第1の遺伝子座特異的プライマーは遠位切断(dis
tance cleaving)エンドヌクレアーゼ認識部位を含み、
また第1および第2の遺伝子座特異的プライマーの少なく
とも1つは解離認識部位を含む。該二本鎖増幅産物をエ
ンドヌクレアーゼと接触させて線状化することにより、
基板から増幅産物の一方の末端を遊離末端として解離さ
せる。該解離エンドヌクレアーゼは、多型を含む突出部
と同様の突出部を提供しないものとする。
【0065】次に、解離された増幅産物を遠位切断エン
ドヌクレアーゼと接触させて、増幅産物を切断して、多
型部位が切断産物の突出一本鎖上に存在するようにす
る。該切断産物を固形支持体上に結合させたまま、次に
エンドヌクレアーゼによって解離された断片を取り除く
ために基板を洗浄するとよい。
【0066】次に、基板に結合している切断産物を標識
化プローブと接触させる。ここで、1、2、3、または
4つの異種の標識を付したプローブを用いるが、これら
識別可能な標識のそれぞれが、多型部位におけるヌクレ
オチドと塩基対を形成する特定のヌクレオチドに対応す
る。
【0067】1つの実施形態において、切断産物の突出
一本鎖間においていかなる塩基のミスマッチもなく正確
に塩基対形成が得られるようなストリンジェンシーな条
件下で、基板に結合した切断産物を切断産物の突出一本
鎖と同じ長さの標識化オリゴヌクレオチドプローブの混
合物とハイブリダイズさせる。例えば、一本鎖突出部が
4ヌクレオチド長であり、また異種の4つの標識が多型
部位の4つの考えられ得るヌクレオチドを示すように用
いると、この4つのヌクレオチドの考えられ得る可能な
全ての組み合わせを示すためには256種のプローブが必
要である。即ち、各々の標識が64種のプローブに存在
し、それらはその多型部位における4番目の部位を固定
すると突出部位の3つの位置において考えられ得る全て
の組み合わせを含む。好ましくは、3または4種の識別
可能な標識が用いられ、その場合、プローブ混合物は19
2または256のプローブを含む。
【0068】一本鎖突出部と完璧な塩基対の対合のみが
可能な条件下でプローブをハイブリダイズさせる。ハイ
ブリダイズしたプローブを切断産物に連結させ、その結
果、共有結合を形成し、そしてハイブリダイズしていな
いかつ/または連結していないプローブを除去するため
にストリンジェントな条件で洗浄する。この標識の同定
が、オリゴヌクレオチドプローブのどのヌクレオチドが
多型部位に存在するヌクレオチドとハイブリダイズした
かということを示す。
【0069】該標識は、基板上のその場で観察される標
識パターンから分析することが出来る。あるいはまた、
切断産物を解離認識部位において切断する第二の平滑切
断エンドヌクレアーゼと接触させて基板から標識化切断
産物を解離させることにより、分析するために基板から
標識化切断産物を解離させる。この実施形態において、
該切断産物の遺伝子座特異的プライマーは、例えばプラ
イマーの長さが異なることにより、ゲル電気泳動におい
て異なる移動度を持つことなどにより互いに識別可能で
ある。切断産物の標識された鎖および標識されていない
鎖を変性させてゲル電気泳動に供する。切断産物の標識
された鎖もまた変性ゲル電気泳動によって標識されてい
ない鎖と分離することが出来る。多型部位におけるヌク
レオチドはゲル上で観察される標識のパターンから決定
される。
【0070】キット 本発明によって、核酸サンプル中の1つ以上の多型ヌク
レオチドの同一性を特定するのに用られるキットもまた
提供される。該キットには本方法で用いられる1つ以上
の多様な各々の試薬、例えばdNTP類、ポリメラーゼ、標
識化プローブ、捕捉プライマー、伸長用プライマーなど
が入った容器が含まれていてもよい。さらに、該キット
はまた複数の遺伝子座特異的プライマー対を含んでいて
よく、該プライマー対は、例えばアレイまたは物理的に
別々の固相基板の集合体などの1つ以上の固相基板に結
合されていてもよい。該キットはさらに使用説明書一式
を含むことができ、該使用説明書は、包装の中および/
または該キットもしくはキット構成物の包装に添付され
ていてもよい。
【0071】
【実施例】以下の実施例は、本発明の実施および使用の
方法についての完全な開示および記載を当業者に提供す
るために示される。またこれらは本発明者が彼らの発明
であると考える範囲に制限することを意図するものでは
なく、また以下の実験が実施した実験の全てまたは実施
した実験のみであることを示すことを意図するものでも
ない。使用した数字(例えば、量、温度など)に注意を
払い、精度を保証するために努力をしてきたが、しか
し、ある程度の実験誤差および偏りは考慮のうちに入れ
るべきである。特に記さない限り、割合は重量割合であ
り、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏であ
り、圧力は大気圧またはそれに近いものである。
【0072】実施例1 材料および方法 オリゴヌクレオチド合成 5’アクリルアミド基を持つオリゴヌクレオチドはOpero
n Technologies, Inc.(Alameda社製, CA)から入手し
た。この修飾はアクリルアミドホスホルアミダイト(Ac
rydite(商標名), Mosaic Technologies社製, Boston,
MA)を用いた自動合成により組み込まれた。図2に示
した多重増幅用のプライマー配列は依頼により入手可能
である。凍結乾燥されたオリゴヌクレオチドの濃度が1m
Mになるように1×TE(10mM Tris-HCl, pH8.0, 1mM EDT
A)に再懸濁し、-20℃で凍結保存した。
【0073】アクリルアミドビーズの調製 ゲル溶液は、10%アクリルアミド(29:1 w/wアクリルア
ミド:ビス−アクリルアミド)、10mMホウ酸ナトリウム
バッファー、0.2%過硫酸アンモニウム、および100μM
の各Acrydite(商標名)プライマーを含むものとした。
0.4% TEMED(N, N, N’, N’-テトラメチレンジアミ
ン)を含む窒素飽和化ミネラルオイルを小さなポリエチ
レンディッシュ(計量皿)の中に入れ、そして1.0μlま
たは0.5μlのゲル溶液のアリコートを該ミネラルオイル
の下にピペットで置いた。ビーズを室温で1時間重合さ
せた。該ミネラルオイルをデカンテーションにより除い
てから該ビーズをTE中で回収した。
【0074】ビーズを、0.5×TBE中の2%アガロースゲ
ルの大きなウエルの中に入れ、そして130Vで1時間の電
気泳動によって重合していないプライマーを除去した。
口径の大きなピペットチップを用いてビーズをウエルか
ら取り除き、そしてTEで洗浄した。ビーズをTE中4℃で4
週間まで保存した。非特異的増幅を減らすために、0.25
ng/μlの大腸菌ゲノムDNA(Sigma社製)を含む1×GeneA
mp PCRバッファー(10mM Tris-HCl, pH8.3, 50mM KCl,
1.5mM MgCl2, 0.001%(w/v)ゼラチン)中で、ビーズを
プレサイクルにかけた(94℃で10分間、次に94℃で45秒
間、45℃で1分間、72℃で1分間を15サイクル)。標的物
の回収前に、ビーズをSTE(50mM NaClを含むTE)で3
回、そして1×GeneAmp PCRバッファーで2回洗浄した。
【0075】標的ハイブリダイゼーションおよび固相増
標的ハイブリダイゼーションのために、Stu Iで切断ま
たは消化された100〜125ng/μlの変性ヒトゲノムDNAを
含む1×GeneAmpまたは1×Taq Extender(Stratagene社
製)バッファー(20mM Tris-HCl, pH8.8, 10mM KCl, 10
mM (NH4)2SO4, 2mMMgSO4, 0.1%Triton X-100, 0.1mg/m
lウシ血清アルブミン)中でビーズをインキュベートし
た。標的回収物の体積をちょうどビーズを覆うように調
整した(1μlのビーズ1個に対して10μl、1μlのビーズ
50個または0.5μlのビーズ100個に対して80〜100μ
l)。ヒトゲノムDNAを261/2ゲージの針に繰り返し通す
ことで平均サイズ2〜5kbに切断した。ゲノムDNAを95℃
で10分間加熱して変性させ、次に氷上で冷却した。
【0076】ビーズをエッペンドルフサーモミキサー
(Eppendorf Thermomixer)内で45℃および850rpmで12
〜24時間、ヒトゲノムDNAとハイブリダイズさせた。標
的物を回収後、反応物をSTE中で2回、そして1×Taq エ
クステンダー(Extender)バッファー中で2回洗浄した。
固相増幅反応液は、1×Taq Extenderバッファー、200μ
Mの各dNTP、2.5U Amplitaq、5U Amplitaq Taq Gold、お
よび5U Taq エクステンダー(Extender)を含むものとし
た。PCR産物を直接可視化させる場合には、1μl(10μC
i)の32P-α-dCTP(3000 Ci/mmole)も加えた。反応
は、開始時の伸長プロトコル(60℃で5分間、68℃で5分
間、72℃で10分間)を行った後、サイクリング(94℃で
10分間、94℃で45秒間、65℃-1℃/サイクルで1分間、7
2℃で1分間を20サイクル、次に94℃で45秒間、45℃で1
分間、72℃で1分間を70サイクル)を行った。サイクリ
ング後、ビーズをSTEで5回洗浄した。
【0077】 32 P-標識化固相PCR産物の解離 1種のビーズを適切な制限酵素を含む10μlの溶液中で12
〜16時間インキュベートした。上清を10%アクリルアミ
ド TBE(89mM Tris-ホウ酸バッファー, 89mMホウ酸, 2m
M EDTA)ゲル上に載せ、200Vで1時間泳動した。ゲルを
乾燥させ、そしてホスホイメージングカセットに1〜3時
間感光させた。スクリーンをモレキュラーダイナミクス
ストーム(Molecular Dynamics Storm) 860装置により解
像度200μmでスキャンした。
【0078】単色SNP ミニシーケンシング IIS型酵素で試験するのに用いた個々のビーズは、プラ
イマー5’-QTTTTTTGATATCGCAGCAGAGGGACTGGAGAAGCATACA
CTTCTGAT-3’(配列番号1)が含まれており、ここでQ
はアクリルアミド基を表す。相補オリゴヌクレオチド
5’-ATCAGAAGTGTGTATGCTTCTCCAGTCCCTCTGCTGCGATATCAAA
AAA-3’(配列番号2)をアニールさせて二本鎖を形成
させた。産物を10U のEcoRVで37℃16時間消化してから2
0%の1×TBEアクリルアミドゲル上で分離したこと以外
は、BbvIおよび単色ミニシーケンシング反応は以下に記
載するとおりに行った。
【0079】ヒト5-ヒドロキシトリプタミン2a型受容体
(5-HT2a)中の多型についてのプライマーを含む個々の
ビーズを固相上増幅に用いた。アクリダイトプライマー
として、5’-T12AGGCCTACACCAGGCTCTACAGCAGCGACTTTAAC
T-3’(配列番号3)(フォワード)および5’-T12CAGC
TGGGCACCCTTCACAGGAAAGGTTGGTTCG-3’(配列番号4)
(リバース)を用いた。増幅の後、ビーズを1×NEバッ
ファー2(New EnglandBiolabs社製; 50mM NaCl, 10mM
Tris-HCl pH7.9(25℃)、10mM MgCl2, 1mM DTT)中で平
衡化し、そして37℃で16時間、1ビーズ当たり10UのStu
Iで消化した。次にビーズを1×NEバッファー2で洗って
から1ビーズ当たり1UのBbvIと共に、37℃にて4時間イ
ンキュベートした。ビーズを洗浄後、1×Amplitaq FSバ
ッファー中で10分間室温で平衡化した。
【0080】単色シーケンシング反応物は、1×Amplita
q FSバッファー、1.5μMのFAM(5-カルボキシフルオレ
セイン)で標識された1種のddNTP(ddATP, ddCTP, ddGT
P,またはddUTP)と共に、1.5μMの3種の標識されてい
ないddNTPをそれぞれを含むものとした。反応物を68℃
で30分間インキュベートし、そして次にビーズをTEバッ
ファーで2回洗ってから、該ビーズを130Vで1時間の電
気泳動にかけることで取り込まれなかった蛍光ddNTPを
除去した。ビーズを1×NEバッファー2中で平衡化し、
そして10UのPvuII酵素によって37℃で一晩消化した。解
離した産物を10%アクリルアミド、1×TBEゲル上で200V
で1時間の電気泳動により分析した。蛍光シグナルを検
出するために、ゲルをStorm 860装置(Blue fluorescen
ce filter, PMT 900V)により解像度200μmでスキャン
した。次にゲルを1:10,000で1×TBEで希釈したSybr Gre
en I(Molecular Probes)で30分間染色し、全てのレー
ンにおける全解離PCR産物を検出するために同じ機器設
定を用いて再び画像化した。
【0081】4色SNPシーケンシング 各々8つのビーズを含む固相増幅反応物を1×NEバッフ
ァー2中で平衡化してから40UのStuI制限酵素によって3
7℃で一晩消化した。ビーズを新たな1×NEバッファー2
で1回洗浄し、そして次に10UのIIS型酵素BbvIによって
37℃で一晩消化した。次に反応物を1×Amplitaq FSバッ
ファー中で平衡化した。4色シーケンシング反応物(10
0μl)には1×Amplitaq FSバッファー、2mM クエン酸マ
ンガン、1.5μM R6G-ddATP、1.5μM R110-ddGTP、1.5μ
M ROX(6-カルボキシ-X-ローダミン)-ddUTP、1.5μM T
AMRA(N, N, N’, N’-テトラメチル-6-カルボキシロー
ダミン)-ddCTP、および5Uの Amplitaq FSが含まれてい
た。全ての蛍光標識化ddNTPはNEN Life Science Produc
tsから入手した。
【0082】反応物を68℃で30分間インキュベートし、
そして次にビーズをTEバッファーで2回洗ってから該ビ
ーズを130Vで1時間の電気泳動にかけることで取り込ま
れなかった蛍光ddNTPを除去した。ビーズを1×NEバッフ
ァー2中で平衡化し、そして40UのPvuII酵素によって37
℃で一晩消化した。反応物の上清を回収し、0.3M NaOAc
pH5.3に調整し、そして20μgのグリコーゲンキャリア
ーを加えた。2.2倍容のエタノールを加えて14,000rpmで
30分間遠心分離することで産物を沈殿させ、70%エタノ
ールで洗浄した後に空気乾燥させた。反応物を10μlのT
Eバッファー中に再懸濁した。アリコートを等容量のロ
ーディング溶液(5:1脱イオン化ホルムアミド:50mM EDT
A)と混合し、90℃で2分間加熱した後に氷冷し、そして
ウエルからの解析距離が36cmの6%アクリルアミド(19:
1アクリルアミド:ビス-アクリルアミド)、8.3M尿素、1
×TBEゲルを用いて泳動した。Applied Biosystems(ABI
社製)373 DNA シーケンサー(STRETCH社製)装置をGen
eScan PCR 解析ソフトウェア(バージョン 1.2.2-1)と
共に使用した。多様な構成成分のマトリックス物はTaq
ダイデオキシターミネーターマトリックススタンダード
(Taq DyeDeoxyTerminator Matrix Standards)(ABI社
製)を用いて作成した。
【0083】ヒトゲノムDNAを用いた多重固相PCR 多重固相PCRのためのビーズ結合化プライマー(Rehman
ら(1999) Nucl. AcidsRes. 27:649-655)は12塩基スペ
ーサー、NotI部位(8塩基)、および18〜33塩基の遺伝
子座特異的配列を含む。固相PCRは32P-α-dCTPの存在下
で実施した。つまり、ビーズを洗い、そして次に12〜16
時間NotIと共にインキュベートして反応産物を解離させ
た。反応産物を10%1×TBEアクリルアミドゲル上で分解
し、STORM860ホスホイメージャーで画像化した。
【0084】特異的なPCR産物が共有結合したプライマ
ー対を担持するアクリルアミドビーズ上でヒトゲノムDN
Aを鋳型として直接生成し得ることが確立された。固相P
CRが遺伝子型決定に必要とされる高処理能力で操作でき
るかどうかを評価するために、多様な1.0μlアクリルア
ミドビーズを含むPCR反応を実施した。図2は異なるプ
ライマー対を含む53のビーズから得た反応産物を示す。
この53の反応産物はサイズがおよそ70bp〜1300bpの範囲
内であり、16個の異なる染色体由来の遺伝子を表してい
る。102種以下の多様なビーズでもまた立証された(17
の個々のアンプリコンについて各々6回分が表されてい
る)。
【0085】実施例2 単色SNPミニシーケンシング 遺伝子型決定のための研究手段には、PCRプライマーの
1つにおいて正確に位置づけられたIIS型制限酵素部位
を必要とした。種々のIIS型酵素の精度を調べるため
に、合成DNA二本鎖をビーズ上で調製し、酵素の基質と
して用いた。図3AはBbvIおよびBsmFI認識部位を含む二
本鎖の配列を示す。BbvI切断後の予測される二本鎖の配
列もまた図3Aに示す。これらの切断二本鎖は、個々のF
AM-ddNTPsと共にミニシーケンシング反応における鋳型
として用いた。反応産物はEcoRV切断により解離され、
そして20%の1×TBEアクリルアミドゲル上で分離した。
蛍光ゲル画像(図3B)は、期待されるFAM-ddUTPヌク
レオチドだけが二本鎖に取り込まれたことを示してい
る。ゲルのサイバーグリーン(Sybr Green)I染色(図3
C)は等量の切断化二本鎖が全てのビーズから解離され
たことを示す。従ってBbvIはアクリルアミドミクロスフ
ェアの表面に固定された人工的二本鎖を正確に切断す
る。
【0086】遺伝子型決定法の特異性を評価するため
に、13q染色体上に座位する5-ヒドロキシトリプタミン2
a型(5- HT2a)受容体(Warrenら(1993) Hum. Mol. Gen
et. 2:338)のヒト遺伝子中のT102C多型にまたがる135b
pのアンプリコンを単色SNPミニシーケンシング法を用い
て評価した。固相増幅および遺伝子型決定のためのプラ
イマー設計にはいくつかの一般的な特性がある。多型遺
伝子座特異的に設計された各々のプライマー対は、得ら
れたPCR産物にStuI部位およびPvuII部位を導入した。さ
らに、遺伝子座特異的配列中に導入された6bpのIIS型Bb
vI制限酵素部位は常にSNPから12ヌクレオチド離れて位
置し、またフォワードプライマーまたはリバースプライ
マーの中に位置していた。該部位は5- HT2aモデルアン
プリコンのフォワードプライマー中に存在し、結果とし
てddNTPは非コード鎖に取り込まれる。BbvI部位はStuI
部位と結合するためのみに用いられた。StuI切断によ
り、ddNTPを取り込むための鋳型を提供しない平滑末端
を生じる結合したPCR産物を線状化した。線状化された
産物のBbvI消化は、BbvI認識配列を含む短い断片を解離
させ、ならびにビーズに結合した断片上の5’突出部内
の多型ヌクレオチドを露呈させた。1つの蛍光ddNTPを
持つ陥凹ヌクレオチドの3’ヒドロキシル基の伸長は、
遺伝子多様性の部位における取り込みをもたらした。
【0087】PvuIIによる切断により蛍光標識化断片を
ビーズから解離した。5- HT2aプライマー対を含む個々
のビーズを、1個体に由来するゲノムDNAの鋳型と共に
標的ハイブリダイゼーションおよび固相増幅に用いた。
5- HT2a PCR産物のダイレクトシーケンシングに加え、M
spIおよびBpmIによる制限酵素消化産物により、C/Tヘテ
ロ接合体としての遺伝子型が確認された。StuIおよびBb
vI切断の後に、ビーズを個々のFAM-ddNTPと共にミニシ
ーケンシング反応に用いた。PvuII切断により解離され
た産物を図3Dに示す。蛍光シグナルはFAM-ddATPおよ
びFAM-ddGTP標識反応によってのみ観察され、TおよびC
多型の逆鎖への取り込みに対応している。蛍光画像化後
のサイバーグリーン(Sybr Green)I染色(図3E)は、
等量の5- HT2aPCR産物が合成され、各々のビーズから解
離されたことを示す。この結果はBbvIが正確に線状化さ
れた固相増幅産物を切断し、そしてそれがddNTP取り込
みのための鋳型として提供され得ることを示す。
【0088】実施例3 4色SNPミニシーケンシング 異なるローダミン色素で個々に標識されたddNTPを用い
ることで、単色ミニシーケンシング反応を4色ミニシー
ケンシング反応に変更えた。蛍光産物をビーズから酵素
的に解離させ、変性ゲル電気泳動によって分離し、Gene
Scan ソフトウェアと共に自動シーケンサーを用いてデ
ータの収集および分析を行った。ローダミン色素で標識
化したddNTPの取り込みは、R110-ddGTPは青色、ROX-ddU
TPは赤色、R6G-ddATPは緑色、およびTAMRA-ddCTPが黄色
のゲル画像として得られた。従って、この基準は増幅産
物におけるいかなる単色(ホモ接合体遺伝子型)または
いかなる2色の組み合わせ(ヘテロ接合体遺伝子型)の
定量的検出も許容した。さらに、バイアレリック(複対
立遺伝子)ではない、あらゆるSNPsであってもまたこの
システムで検出可能であった。
【0089】固体増幅およびミニシーケンシング反応の
多重化は、各々の解離産物が特定の別異なる長さを有す
るように設計することで達成された。そして、検出産物
の長さにより多型遺伝子座を決定した。多重遺伝子型決
定法の精度を評価するために、8つの多型遺伝子座を用
いた。用いたプライマーの配列を以下の表1に示す。
【表1】
【0090】分析に用いた各々のヒトの遺伝子座を、多
型および基準となる遺伝子型決定に用いた制限酵素と共
に列挙する。それらを解離産物の長さ(最長から最短)
の順に列挙する;インターロイキン-1B(IL1B; Aval; C
/T)(Di Giovineら(1992) Hum. Mol. Genet. 1:45
0)、δ-アミノレブリン酸デヒドラターゼ(ALAD; Rsa
l;C/T)(Astrinら(1991) Nucl. Acids Res. 19:430
7)、ドーパミンD2受容体(DRD2a; Hincll; C/G)(Wet
murら(1991) Am. J. Hum. Genet. 49:757-763)、5-ヒ
ドロキシトリプタミン2a型受容体(5-HT2a; MspI; T/
C)(Haugeら(1991) Genomics 10:527-530)、ジペプチ
ジルカルボキシペプチダーゼ(アンジオテンシンI転移
酵素)(DCP1; BsmBI; T/C)(Reiderら(1999) Nat. Ge
net. 22:59-62)、ドーパミンD2受容体(DRD2b; TaqI;
C/T)(Wetmurら(1991) Am. J. Hum. Genet. 49:757-76
3)、D5ドーパミン受容体(DRD5; Eco57I; C/T)(Somm
erら(1993)Hum. Genet. 92:633-634)、およびL型Ca2+
チャネルのγ-サブユニット(CACNLG; Acil; G/A)(Ol
ckersら(1993) Hum. Mol. Genet. 2:2198)。
【0091】BbvI認識部位はALAD、5-HT2a、IL1B、DRD5
およびCACNLGアンプリコンのフォワードプライマー内に
配置した。このことにより非コード鎖の蛍光標識となっ
て現れた。その結果、青色のエレクトロフェログラムの
軌跡がC対立遺伝子を示し、赤色の軌跡がA対立遺伝子を
示し、緑色の軌跡がT対立遺伝子を示し、そして黒色
(黄色)の軌跡がG対立遺伝子を示した。BbvI認識部位
はDRD2a、DRD2b、およびDCP1アンプリコンのリバースプ
ライマー内に配置した。このことにより、コード鎖にお
ける蛍光標識となって現れた。その結果、青色のエレク
トロフェログラムの軌跡がG対立遺伝子を示し、赤色の
軌跡がT対立遺伝子を示し、緑色の軌跡がA対立遺伝子を
示し、そして黒色(黄色)の軌跡がC対立遺伝子を示し
た。
【0092】8つの多型遺伝子座に対するビーズセット
を、異なる8個体由来のゲノムDNAと共に標的ハイブリ
ダイゼーションおよび多重固相増幅に用いた。これらの
個体は、PCR産物の制限酵素切断によって、および場合
によってはPCR産物の直接DNA配列決定によって各々の多
型遺伝子座における遺伝子型が予め決定されていた。多
重固相PCRに続き、各々のビーズセットを4色SNPミニシ
ーケンシングに用いた。蛍光ddNTP取り込み反応はビー
ズ結合産物上で直接行った。これによりSNP遺伝子型が
視覚的に符号化されたビーズの数に直接読み出される形
式へと変換することができる。標識化産物をPvuII切断
により解離させ、6%、8M尿素アクリルアミドゲル上で
分離した。典型的なGeneScanゲル画像を図4に示した。
【0093】分析する特定の多型遺伝子座を符号化する
長さを持つ解離産物の同定は、GeneScan-500 ROXサイズ
標準物および内部参考標準との比較により決定した。こ
れら8つは、各々の個体に対してサイズが約420b(IL1
B)〜約110b(CACNLG)の範囲に渡る産物を提示した。
全てのアンプリコンはゲル画像上で検出可能である。分
析ソフトウエアは、あるデフォルト閾値以上で検出され
た各々の断片に対するピークの高さおよびスキャン番号
を割り当てた。このデータはエレクトロフェログラムと
して表示され、ここで、スキャン番号で表示された電気
泳動の時間の関数として相対的蛍光が全ての検出ピーク
について示される。8個体に由来する8つの産物それぞ
れは、エレクトロフェログラムによる分析の後に遺伝子
型が示される。各々の遺伝子型に対する典型的なエレク
トロフェログラムを図5に示す。
【0094】関連した色に対するピークの高さの比を、
全てのエレクトロフェログラムについて決定した。この
結果を各々の遺伝子座についてにまとめる。AvaI酵素切
断によって決定されたIL1B遺伝子型は、6つのCCホモ接
合体、1つのTTホモ接合体、および1つのCTヘテロ接合体
であった。CCホモ接合体に対する青色ピークの高さ(C
対立遺伝子)の緑色ピークの高さ(T対立遺伝子)に対
する比は、6.5(パネルA)、7.3、10.1、11.4、9.3、
および1.8(パネルD)であった。この最後の個体は、
指定されたCCまたはCTという明確な遺伝子型決定を妨げ
る高い緑色ピークを示した。青色ピークに対する緑色ピ
ークの高さの比は、TTホモ接合体に対して6.7(パネル
B)およびCTヘテロ接合体に対して1.1であった(パネ
ルC)。RsaI酵素切断によって決定されたALAD遺伝子型
として、5つのTTホモ接合体、2CCホモ接合体、および1
つのCTヘテロ接合体を同定した。
【0095】CCホモ接合体には緑色ピークは検出され
ず、これらがデフォルト閾値設定20以上ではないことを
示唆した。この値を用いると、CCホモ接合体についての
青色ピークの高さの緑色ピークの高さに対する比は22
(パネルG)および46であった。HincII酵素切断によっ
て決定されたDRD2a遺伝子型は7つのGGホモ接合体および
1つのGCヘテロ接合体を同定した。GGホモ接合体につい
ての黄色ピークの高さ(G対立遺伝子)に対する青色ピ
ークの高さ(C対立遺伝子)の比は、8(パネルH)、
6、89、90、152、89、および115であった。10以上の比
を有する個体には検出可能な黄色ピークがなく、従って
デフォルト設定20を用いた。CTヘテロ接合体に対するこ
の比は3.0であった(パネルI)。MspI切断によって決
定された5-HT2a遺伝子型は、3つのTTホモ接合体、3つの
CCホモ接合体、および2つのCTヘテロ接合体であった。T
Tホモ接合体についての青色ピークの高さ(C対立遺伝
子)に対する緑色ピークの高さ(T対立遺伝子)の比
は、13.8(パネルJ)、5.0および4.5であった。CCホモ
接合体に対する青色ピークの高さの緑色ピークの高さに
対する比は、10(パネルK)、3.0および2.0であった。
該ヘテロ接合体についての同様の比は、1.0(パネル
L)および0.7であった。BsmBI制限酵素切断によって決
定されたDCP1遺伝子型は、6つのCCホモ接合体、1つのTT
ホモ接合体、および1つのCTヘテロ接合体であった。6つ
のCCホモ接合体は全て検出可能な赤色ピーク(T対立遺
伝子)シグナルを伴わない明瞭な黄色ピーク(C対立遺
伝子)を示した。赤色ピークに対してデフォルト値20を
用いた赤色ピークの高さに対する黄色ピークの高さの比
は、113(パネルM)、170、131、120、133、および118
であった。TTホモ接合体は12.6(パネルN)の黄色ピー
クの高さに対する赤色ピークの高さの比を示した。CTヘ
テロ接合体に対する同様の比は1.3(パネルO)であっ
た。TaqI制限酵素切断によって決定されたDRD2遺伝子型
は、4つのTTホモ接合体、4つのCTヘテロ接合体であっ
た。TTホモ接合体についての赤色ピークの高さ(T対立
遺伝子)の黄色(黒色)ピークの高さ(C対立遺伝子)
に対する比は、21(パネルP)、21、18、および39であ
った。この最後の個体には検出可能な黄色のバックグラ
ウンドピークがなかった。CTヘテロ接合体についての同
様の比は、1.0(パネルQ)、0.8、0.7、および0.7であ
った。Eco57I制限酵素切断およびDNAシーケンシングに
よって決定されたDRD5遺伝子型は8つのCCホモ接合体で
あった。青色ピークの高さ(C対立遺伝子)の緑色ピー
クの高さ(T対立遺伝子)に対する比は、6.1(パネル
R)、3.2、3.4、3.5、4.1、4.2、5.4および5.6であっ
た。AciI制限酵素切断によって決定されたCACNLGに対す
る遺伝子型は、7つのGGホモ接合体および1つのCTホモ接
合体であった。7つのGGホモ接合体全ては、どのサンプ
ルにおいても20の最低検出限界に達する赤色ピーク(A
対立遺伝子)のバックグラウンドがない明瞭な黄色ピー
ク(G対立遺伝子)を示した。それらの個体に対する赤
色ピークの高さに対する黄色ピークの高さの比は、98
(パネルS)、31、125、62、102、48および19であっ
た。唯一のAAホモ接合体は、黄色ピークの高さに対する
赤色ピークの高さの比が4.5(パネルT)であった。こ
の収集データセットは、複数の固相増幅およびミニシー
ケンシング法によって決定された64のうち63の遺伝子型
が正確に決定されたことを示す。
【0096】上記のデータは、核酸サンプルにおける多
型の決定のための迅速かつ正確な方法を説明するもので
ある。このシステムは、単一の反応チャンバー内で各々
独自のプライマー対を持つ54のビーズで実証したよう
に、高度に多重PCRを可能にする。このシステムは、PCR
および蛍光検出の感度と共に、高い多重化可能性、精度
を備えた多型遺伝子型決定をするための確固とした研究
方法としての可能性を兼ね備えている。
【0097】本発明は特定の実施形態そのものに関連し
て記述されており、本発明の本来の精神および範囲から
逸脱することなく様々な変更が施され、また同等のもの
が代用されてもよいということは、当業者に理解される
であろう。さらに、多くの改変は、特定の状況、材料、
構成物、手順段階または段階が本発明の目的、精神およ
び範囲に適合するように施されてもよい。全てのこの様
な修飾は、ここに追加される本特許請求の範囲の中に含
まれるものとする。
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Keith W. Jones Kerstin K. Leuther Michael H. Shapero <120> HIGH THROUGHPUT POLYMORPHISM SCREENING <130> PA02-247 <140> to be assigned <141> <150> 60/289,606 <151> 2001-05-07 <160> 23 <170> FastSEQ for Windows(登録商標) Version 4.0 <210> 1 <211> 47 <212> DNA <213> homo sapien <400> 1 ttttttgata tcgcagcaga gggactggag aagcatacac ttctgat 47 <210> 2 <211> 49 <212> DNA <213> homo sapien <400> 2 atcagaagtg tgtatgcttc tccagtccct ctgctgcgat atcaaaaaa 49 <210> 3 <211> 37 <212> DNA <213> homo sapien <400> 3 taggcctaca ccaggctcta cagcagcgac tttaact 37 <210> 4 <211> 35 <212> DNA <213> homo sapien <400> 4 tcagctgggc acccttcaca ggaaaggttg gttcg 35 <210> 5 <211> 42 <212> DNA <213> homo sapien <400> 5 ttttttaggc cttcagaggc tcctgcagca gccagagagc tc 42 <210> 6 <211> 42 <212> DNA <213> homo sapien <400> 6 ttttttcagc tggaatacct gatttcacaa tcaagttaaa gg 42 <210> 7 <211> 42 <212> DNA <213> homo sapien <400> 7 ttttttaggc ctttcaaccc ctctaccgca gcccacacag gt 42 <210> 8 <211> 40 <212> DNA <213> homo sapien <400> 8 ttttttcagc tgcctcccac ctctccacct cccgagtagc 40 <210> 9 <211> 42 <212> DNA <213> homo sapien <400> 9 ttttttcagc tgatggaaat cacacagtca caaaggagca ga 42 <210> 10 <211> 43 <212> DNA <213> homo sapien <400> 10 ttttttaggc cttggactca cgaaggcgca gccggtgacc att 43 <210> 11 <211> 42 <212> DNA <213> homo sapien <400> 11 ttttttaggc ctacaccagg ctctacagca gcgactttaa ct 42 <210> 12 <211> 41 <212> DNA <213> homo sapien <400> 12 tttttcagct ggttggtggc attctgcggc tttttctcta g 41 <210> 13 <211> 42 <212> DNA <213> homo sapien <400> 13 ttttttcagc tgagggccgc tccctcctca ttcctgtctt tc 42 <210> 14 <211> 43 <212> DNA <213> homo sapien <400> 14 ttttttaggc ctagccgggg ttggcccgca gccgcaggga gac 43 <210> 15 <211> 42 <212> DNA <213> homo sapien <400> 15 ttttttaggc ctactgcatg gtcccttgca gcagtggaca cc 42 <210> 16 <211> 40 <212> DNA <213> homo sapien <400> 16 ttttttcagc tgggcaaaca ccttctgaaa gtcggcgttg 40 <210> 17 <211> 40 <212> DNA <213> homo sapien <400> 17 ttttttcagc tgataagcat caagtgtttg gaacagtgcc 40 <210> 18 <211> 43 <212> DNA <213> homo sapien <400> 18 ttttttaggc ctagaggaag gagtggcgca gcgttcccta gtc 43 <210> 19 <211> 42 <212> DNA <213> homo sapien <400> 19 ttttttaggc ctctgtgccg ccttcatgca gctctttctc gg 42 <210> 20 <211> 40 <212> DNA <213> homo sapien <400> 20 ttttttcagc tggagggtcg ctagggccgc aggagggtta 40 <210> 21 <211> 47 <212> DNA <213> homo sapien <400> 21 aaaaaactat agcgtcgtct ccctgacctc ttcgtatgtg aagacta 47 <210> 22 <211> 25 <212> DNA <213> homo sapien <400> 22 ttttttgata tcgcagcaga gggac 25 <210> 23 <211> 29 <212> DNA <213> homo sapien <400> 23 aaaaaactat agcgtcgtct ccctgacct 29
【図面の簡単な説明】
【図1A】図1Aは、固相増幅の方法を表す概略図であ
る。
【図1B】図1Bは、多重架橋増幅の方法を表す概略図
である。
【図1C】図1Cは、固相増幅産物の遺伝子型決定の方
法を表す概略図である。
【図2】図2は、ヒトゲノムDNAを用いた多重固相PCRの
核酸産物を表す。
【図3A】図3Aは、IIS型制限酵素部位を含むビーズ表
面上の人工二本鎖の配列およびBbvI消化後に予想される
配列の概略図である。
【図3B】図3Bは、単色のSNPミニシーケンシングを示
す蛍光画像である。
【図3C】図3Cは、図3Bのゲルのサイバーグリーン染
色の蛍光画像である。
【図3D】図3Dは、単色のSNPミニシーケンシングを示
す蛍光画像である。
【図3E】図3Eは、図3Dのゲルのサイバーグリーン染
色の蛍光画像である。
【図4】図4は、アクリルアミドゲル上で分離した、解
離された固相PCR/ミニシーケンシング産物の写真画像で
ある。
【図5】図5は、各遺伝子座の代表的な遺伝子型に対す
るエレクトロフェログラムを示す。Y軸は相対的蛍光強
度を示し、X軸はスキャン番号を示す。X軸は、完全に
は標識されていないが、左から右へ検出時間を増加させ
る(断片長を増加させる)方向に示されている。数によ
る遺伝子型の指定は表1注で示される。BbvI認識部位
は、ALAD、5-HT2a、IL1B、DRD5およびCACNLGアンプリコ
ンのフォワードプライマー内に配置された。これによ
り、青色のエレクトロフェログラムの軌跡がC対立遺伝
子を示し、赤色の軌跡がA対立遺伝子を示し、緑色の軌
跡がT対立遺伝子を示し、および黒色の(黄色の)軌跡
がG対立遺伝子を示すように、非コード鎖の蛍光標識が
生じた。BbvI認識部位は、DRD2a、DRD2vおよびDCP1アン
プリコンのリバースプライマー内に配置された。これに
より、青色のエレクトロフェログラムの軌跡がG対立遺
伝子を示し、赤色の軌跡がT対立遺伝子を示し、緑色の
軌跡がA対立遺伝子を示し、黒色の(黄色の)軌跡がC対立
遺伝子を示すように、コード鎖の蛍光標識が生じた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カースティン リューザー アメリカ合州国 94306 カリフォルニア 州,パロ アルト,ラ ドナ アヴェニュ ー 3895 1/2 (72)発明者 ミカエル エイチ.シャペロ アメリカ合州国 94061 カリフォルニア 州,レッドウッド シティ,カーソン ス トリート 2449 Fターム(参考) 4B024 AA11 BA80 CA02 CA09 GA18 HA14 4B063 QA01 QA12 QA18 QQ43 QR08 QR14 QR31 QR32 QR38 QR56 QR62 QR82 QS16 QS25 QS34 QS39 QX02 QX07

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多型ヌクレオチドの同一性を判定する方
    法であって、 多型部位を含有する標的核酸と、1種以上の結合した遺
    伝子座特異的プライマー対を含む固相基板とを、ハイブ
    リダイズする条件下で接触させ;遺伝子座特異的プライ
    マー対を用いて標的核酸を増幅させ、該増幅によりそれ
    ぞれの末端で固相基板に結合した増幅産物を得、 多型ヌクレオチドと特異的な塩基対をなす少なくとも1
    つの検出ヌクレオチドを含む標識化プローブと上記増幅
    産物とを、該検出ヌクレオチドと該増幅産物との間での
    共有結合の形成を触媒する酵素の存在下で接触させ;そ
    して、 該標識を検出すること;を含み、検出ヌクレオチド上の
    標識の同一性が多型ヌクレオチドの相補性を示すもので
    あることを特徴とする、上記方法。
  2. 【請求項2】 酵素がDNAポリメラーゼである、請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記標識化プローブと接触させる前に、
    増幅産物を変性させて、多型ヌクレオチドに隣接してい
    る部位にハイブリダイズする伸長用プライマーと接触さ
    せて、伸長用プライマーからDNAポリメラーゼにより伸
    長されてその3’末端に標識化プローブが共有結合する
    ことを特徴とする、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 上記増幅産物をエンドヌクレアーゼで切
    断して遊離末端を作製することを特徴とする請求項2記
    載の方法であって、 遠位切断エンドヌクレアーゼで切断することにより突出
    鎖と、3'末端を含む陥凹鎖とを有する切断産物が得ら
    れ、ここで、該切断産物の突出一本鎖上に多型ヌクレオ
    チドが存在しており、上記陥凹鎖によりDNAポリメラー
    ゼが作用する伸長用プライマーが提供されることを特徴
    とする、上記方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも2種の異種の標識を付したジ
    デオキシヌクレオチドからなる群より選択された複数の
    標識化プローブと上記増幅産物とを接触させることを特
    徴とする、請求項2記載の方法。
  6. 【請求項6】 複数の相互に識別可能な伸長用プライマ
    ーを使用することを特徴とする、請求項3記載の方法。
  7. 【請求項7】 上記酵素がリガーゼである、請求項1記
    載の方法。
  8. 【請求項8】 上記増幅産物をエンドヌクレアーゼで切
    断して遊離末端を得ることを特徴とする、請求項7記載
    の方法であって、 遠位切断エンドヌクレアーゼで上記増幅産物を切断する
    ことにより突出一本鎖と陥凹鎖を有する切断産物が得ら
    れ、ここで、該陥凹鎖が3’末端を有しており、該切断
    産物の突出一本鎖上に多型ヌクレオチドが存在してお
    り、上記切断産物をリガーゼおよび少なくとも1種の多
    型ヌクレオチドに相補的なヌクレオチドと共有結合が可
    能な条件下で接触させることを特徴とする、上記方法。
  9. 【請求項9】 上記突出一本鎖の全ての考えられうる配
    列からなる群より選択される複数の異種の標識を付した
    オリゴヌクレオチドプローブと増幅産物とを接触させる
    ことを特徴とする、請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 少なくとも2つの異種の標識を用いる
    ことを特徴とする請求項10記載の方法。
  11. 【請求項11】 多型ヌクレオチドが、切断産物の突出
    一本鎖上の1番目のヌクレオチドである、請求項8記載
    の方法。
  12. 【請求項12】 検出用ヌクレオチドを含む増幅産物が
    検出のために上記基板から解離することを特徴とする、
    請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】 検出用ヌクレオチドを含む増幅産物が
    その場で検出されることを特徴とする、請求項1記載の
    方法。
  14. 【請求項14】 固相基板が捕捉プライマーを含む、請
    求項1記載の方法。
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