JP2003009542A - 電池電力貯蔵システム及びその初期充電方法 - Google Patents

電池電力貯蔵システム及びその初期充電方法

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JP2003009542A
JP2003009542A JP2001193278A JP2001193278A JP2003009542A JP 2003009542 A JP2003009542 A JP 2003009542A JP 2001193278 A JP2001193278 A JP 2001193278A JP 2001193278 A JP2001193278 A JP 2001193278A JP 2003009542 A JP2003009542 A JP 2003009542A
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Nobuyuki Tokuda
信幸 徳田
Yasuhei Kikuoka
泰平 菊岡
Takeshi Kawakatsu
健 川勝
Norikazu Kawakami
了司 川上
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Kansai Electric Power Co Inc
Nissin Electric Co Ltd
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Kansai Electric Power Co Inc
Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 専用の初期充電装置を別に設置することな
く、電力変換効率の向上およびコスト低減化を図り得る
電池電力貯蔵システムを提供することにある。 【解決手段】 系統電源1に連系用変圧器3を介して電
力変換器4を接続すると共に、その電力変換器4の直流
側に電解コンデンサ15を介して電池電圧0Vから初期
充電が必要な電解液循環型二次電池6を接続可能とした
電池電力貯蔵システムにおいて、前記電力変換器4の整
流動作により電解コンデンサ15の直流電圧を整流電圧
に確立した上で、電解液循環型二次電池6を電力変換器
4の直流側に接続し、電力変換器4の変調度が1を超え
ない値で固定し、かつ、電力変換器4の出力電圧と系統
電圧との位相差を電力変換器4の定格電力を超えない値
で固定した制御に基づいて電解液循環型二次電池6を初
期充電する制御回路16を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電池電力貯蔵システ
ム及びその初期充電方法に関し、詳しくは、電力系統に
おいて、二次電池の充放電によりピーク電力を低減化す
ることにより電力の平準化を行ったり電力品質を向上さ
せる電池電力貯蔵システム、及びその電池電力貯蔵シス
テムで使用する電解液循環型二次電池を電池電圧0Vか
ら初期充電する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、電力系統に用いられる電池電力
貯蔵システムは、図4に示すように系統電源1と連系さ
せた電力系統において、遮断器2及び連系変圧器3を介
して電力変換器4を接続し、その電力変換器4の直流側
にヒューズ5を介してレドックスフロー電池や亜鉛臭素
電池などの電解液循環型二次電池6(以下、単に二次電
池と称す)を接続した構成を具備し、その二次電池6の
充放電により負荷電力の平準化や電力品質の向上を実現
するものである。
【0003】電力変換器4の交流側には連系リアクトル
7が設けられ、その連系リアクトル7と連系変圧器3と
の間には交流側の主開閉器8が接続され、その主開閉器
8と並列に補助開閉器9及び制限抵抗10が接続されて
いる。また、電力変換器4の直流側には、二次電池6を
初期充電するための昇降圧チョッパ11が設けられ、そ
の昇降圧チョッパ11とヒューズ5との間には直流側の
主開閉器12が接続され、その主開閉器12と並列に補
助開閉器13及び制限抵抗14が接続されている。
【0004】電力変換器4は、インバータ機能とコンバ
ータ機能を有する双方向形交直変換器で、スイッチング
素子およびダイオードからなるブリッジ構成を有し、そ
の直流側に電解コンデンサ15を具備した構成を有す
る。この電力変換器4は、系統電源1の交流電力を直流
変換して二次電池6に充電するコンバータ運転と、二次
電池6に充電された直流電力を交流変換して負荷に供給
するインバータ運転とに切り換え制御される。また、昇
降圧チョッパ11は、例えばトランジスタ等の短絡用ス
イッチング素子、リアクトルおよびダイオードから回路
構成されている。
【0005】この種の電池電力貯蔵システムでは、交流
側または直流側主開閉器8,12を投入するに先立って
補助開閉器9,13を投入することにより制限抵抗1
0,14でもって電力変換器4または二次電池6に過電
流が流入することを未然に防止するようにしている。こ
の交流側および直流側主開閉器8,12の投入により、
電池電力貯蔵システムでは、負荷である電力需要家にお
ける1日の電力パターンが、例えばPM1〜4時頃の重
負荷時間帯に電力ピークとなるような特性を有すること
から、例えば、以下のようにシステムを制御している。
【0006】つまり、深夜並びに軽負荷時間帯(例えば
AM8時〜PM1時、PM5時〜10時頃)に電力変換
器4のコンバータ運転により二次電池6を充電し、その
二次電池6の充電電力を重負荷時間帯(例えばPM1〜
4時頃)に電力変換器4のインバータ運転により放電し
て、その二次電池6の放電電力を負荷に供給する。この
ように二次電池6の放電電力をピークシフトすることで
ピーク電力を低減することにより、電力の平準化を実現
している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電池電力貯
蔵システムで使用されるレドックスフロー電池などの電
解液循環型二次電池6は、電解液量を増やすことで容易
に電力貯蔵量を増大させることができることから、大容
量システム用二次電池として高い実用性を備えている。
【0008】この二次電池6を電池電力貯蔵システムに
使用する場合、工場から出荷された未使用の新品の二次
電池6は、電池電圧0Vで全く電位がない放電不可能な
状態もあるため、この二次電池6をそのまま電力変換器
4の直流側に接続して使用することができない。そのた
め、二次電池6の新設時または交換時に電力変換器4の
直流側に接続された二次電池6を初期充電する必要があ
る。
【0009】ここで、電力変換器4の交流側に設けられ
た主開閉器8の投入により、電力変換器4は、スイッチ
ング素子をオフしたダイオードによる整流動作により直
流電圧を電解コンデンサ15に充電するが、その電解コ
ンデンサ15に充電された直流電圧が、その電力変換器
4を構成するスイッチング素子のスイッチング動作によ
る電力制御を可能にする最低電圧に達しないため、その
二次電池6を電力変換器4により初期充電することがで
きない。
【0010】従って、従来では、例えば電力変換器4の
直流側に設けられた昇降圧チョッパ11により、電解コ
ンデンサ15に充電された直流電圧で、電力変換器4の
直流側に設けられた主開閉器12の投入により接続され
た二次電池6に初期充電する。
【0011】このように電力変換器4と昇降圧チョッパ
11とを組み合わせた構成により二次電池6を初期充電
するようにしているが、電力変換器4の電力制御により
二次電池6を充放電する通常の運転時、昇降圧チョッパ
11の運転分損失があるため、電力変換効率が低下して
システムの稼動効率が悪く、また、昇降圧チョッパ11
を回路構成することから、システム全体のコストアップ
を招来することになる。
【0012】一方、小容量の電池電力貯蔵システムで
は、専用の初期充電装置を電力変換器4の直流側に別に
設け、その初期充電装置により二次電池6を初期充電す
ることで対応しているが、専用の初期充電装置を設ける
にしても、二次電池6を初期充電するためだけに専用の
初期充電装置を設けていたのでは、電池電力貯蔵システ
ム全体のコストアップ、設置スペースの増大も招来する
という問題があった。
【0013】そこで、本発明は前記問題点に鑑みて提案
されたもので、その目的とするところは、専用の初期充
電装置を別に設置することなく、電力変換効率の向上お
よびコスト低減化を図り得る電池電力貯蔵システムを提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の技術的手段として、本発明に係る電池電力貯蔵システ
ムは、系統電源に連系用変圧器を介して電力変換器を接
続すると共に、その電力変換器の直流側に電解コンデン
サを介して電池電圧0Vから初期充電が必要な電解液循
環型二次電池を接続可能とした構成を前提とし、以下の
点を特徴とする。
【0015】第一に、前記電力変換器の整流動作により
電解コンデンサの直流電圧を整流電圧に確立した上で、
電解液循環型二次電池を電力変換器の直流側に接続し、
電力変換器の定電圧、定電流又は定電力制御に基づいて
電解液循環型二次電池を初期充電する制御回路を具備し
たこと(請求項1)。
【0016】第二に、前記電力変換器の整流動作により
電解コンデンサの直流電圧を整流電圧に確立した上で、
電解液循環型二次電池を電力変換器の直流側に接続し、
電力変換器の変調度が1を超えない値で固定し、かつ、
電力変換器の出力電圧と系統電圧との位相差を電力変換
器の定格電力を超えない値で固定した制御に基づいて電
解液循環型二次電池を初期充電する制御回路を具備した
こと(請求項2)。
【0017】また、本発明方法は、系統電源に連系用変
圧器を介して電力変換器を接続すると共に、その電力変
換器の直流側に電解コンデンサを介して電解液循環型二
次電池を接続可能とした電池電力貯蔵システムにおい
て、電解液循環型二次電池を電池電圧0Vから初期充電
する方法であって、以下の点を特徴とする。
【0018】第一に、前記電力変換器の整流動作により
電解コンデンサの直流電圧を整流電圧に確立した後、電
解液循環型二次電池を電力変換器の直流側に接続し、電
力変換器の定電圧、定電流又は定電力制御のいずれかに
基づいて電解液循環型二次電池を初期充電すること(請
求項3)。
【0019】第二に、前記電力変換器の整流動作により
電解コンデンサの直流電圧を整流電圧に確立した後、電
解液循環型二次電池を電力変換器の直流側に接続し、電
力変換器の変調度が1を超えない値で固定し、かつ、電
力変換器の出力電圧と系統電圧との位相差を電力変換器
の定格電力を超えない値で固定した制御に基づいて電解
液循環型二次電池を初期充電すること(請求項4)。
【0020】本発明では、電力変換器の整流動作により
電解コンデンサの直流電圧を整流電圧に確立した後、電
解液循環型二次電池を電力変換器の直流側に接続して電
力変換器を起動する。
【0021】ここで、電解コンデンサの整流電圧の確立
から電力変換器の電力制御を可能にする最低電圧までの
電圧立ち上がり時間が短時間である特性を有する電解液
循環型二次電池の場合には、この電力変換器の起動によ
りその電力変換器の定電圧、定電流又は定電力制御のい
ずれかに基づいて電解液循環型二次電池を電池電圧0V
から電力変換器の制御可能な最低電圧以上に初期充電す
ればよい。
【0022】また、電解コンデンサの整流電圧の確立か
ら電力変換器の電力制御を可能にする最低電圧までの電
圧立ち上がり時間が短時間でない特性を有する電解液循
環型二次電池の場合には、電力変換器の起動により電力
変換器の変調度が1を超えない値で固定し、かつ、電力
変換器の出力電圧と系統電圧との位相差を電力変換器の
定格電力を超えない値で固定した制御に基づいて電解液
循環型二次電池を電池電圧0Vから電力変換器の制御可
能な最低電圧以上に初期充電すればよい。
【0023】この二次電池の初期充電が完了すれば、電
力変換器のスイッチング動作により二次電池の充放電が
可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を以下に詳述す
る。図1は本発明の実施形態における電池電力貯蔵シス
テムを電力系統に設置した概略構成を示す。なお、図4
と同一部分には同一参照符号を付す。
【0025】実施形態における電池電力貯蔵システム
は、系統電源1と連系させた電力系統において、遮断器
2及び連系変圧器3を介して電力変換器4を接続し、そ
の電力変換器4の直流側にヒューズ5を介してレドック
スフロー電池や亜鉛臭素電池などの電解液循環型の二次
電池6を接続した構成を具備し、前述したようにその二
次電池6の充放電により負荷電力の平準化や電力品質の
向上を実現するものである。
【0026】電力変換器4の交流側には連系リアクトル
7が設けられ、その連系リアクトル7と連系変圧器3と
の間には交流側の主開閉器8が接続され、その主開閉器
8と並列に補助開閉器9及び制限抵抗10が接続されて
いる。また、電力変換器4の直流側とヒューズ5との間
には直流側の主開閉器12が接続され、その主開閉器1
2と並列に補助開閉器13及び制限抵抗14が接続され
ている。
【0027】電力変換器4は、インバータ機能とコンバ
ータ機能を有する双方向形交直変換器で、図2に示すよ
うに例えば三相ブリッジ構成のスイッチング素子Tr1
〜Tr6(例えばバイポーラトランジスタやIGBT
等)からなり、各スイッチング素子Tr1〜Tr6に還流
用ダイオードD1〜D6が並列に接続され、直流側に電解
コンデンサ15を具備した回路構成を有する。この電力
変換器4は、系統電源1の交流電力を直流変換して二次
電池6に充電するコンバータ運転と、二次電池6に充電
された直流電力を交流変換して負荷に供給するインバー
タ運転とに切り換え制御する制御回路16を具備する。
この制御回路16は、以下で詳述する二次電池6の初期
充電動作についても制御するものである。
【0028】二次電池6としては、レドックスフロー電
池や亜鉛臭素電池などがあり、これら二次電池6は一つ
の例示であり、二次電池6の新設時や交換時に電池電圧
0Vからの初期充電を必要とするものであれば適用可能
である。例えば、レドックスフロー電池は、最小単位電
池である複数の単セルを直並列接続した電池セルスタッ
クと、その電池セルスタックの各単セルに、バナジウム
イオンを溶解させた硫酸水溶液などの正負二種類の電解
液を循環させるタンクユニットで構成される。
【0029】電池セルスタックの各単セルは、内部にイ
オン選択性隔膜で仕切られた正電極室と負電極室を有
し、各室内にカーボンフェルト等の正電極と負電極が設
置されている。すべての単セルの正負電極が電気的に直
列接続され、電解液流れに対して並列接続されている。
タンクユニットは正負二種類の電解液を電池セルスタッ
クとの間で循環可能に貯蔵するタンクと電解液強制循環
用ポンプを備えている。
【0030】前記二次電池6では、各単セルを正負の電
解液が循環する間に、正負電解液間でレドックスイオン
反応が行われて、正電荷と負電荷のエネルギーが各タン
クの電解液に蓄積され、各単セルの正負一対の電極に最
小単位の数ボルト程度の直流電圧が生起される。この二
次電池6を電池電力貯蔵システムに適用する場合には、
システム効率を上げるために数ボルト程度の単セルの多
数を直並列接続して、全体の電池電圧を例えば必要な数
百ボルトまで高電圧化して必要な容量を確保している。
二次電池6は、電解液量を増やすことで容易に電力貯蔵
量を増大させることができて、大容量の電力系統に適用
できる二次電池として高い実用性を備える。
【0031】まず、前記構成からなる電池電力貯蔵シス
テムの稼動は、以下の要領でもって開始される(図3の
フローチャート参照)。つまり、系統電源1側に設けら
れた遮断器2を投入した上で、電力変換器4の交流側に
設けられた主開閉器8を投入するに先立って補助開閉器
9を投入することにより制限抵抗10でもって電力変換
器4に過電流が流入することを未然に防止し、所定時間
Tが経過した後、前記主開閉器8を投入し、その後、補
助開閉器9を開放する。この主開閉器8の投入により、
電力変換器4は連系変圧器3および連系リアクトル7を
介して系統電源1と連系することになる。
【0032】次に、電池電圧0Vである二次電池6を初
期充電するための電力変換器4の動作を以下に詳述す
る。
【0033】前述したように系統電源1と連系された電
力変換器4は、スイッチング素子Tr1〜Tr6がスイッ
チング動作せずに還流用ダイオードD1〜D6により整流
動作する。この電力変換器4の整流動作により、電力変
換器4に入力される交流電圧Vs(例えば210V)に
対して21/2倍の直流電圧Vdc(約290V)が電力変
換器4の直流側に設けた電解コンデンサ15に充電さ
れ、その電解コンデンサ15の直流電圧を整流電圧(約
290Vの直流電圧)に確立させる。
【0034】ここで、三相ブリッジ構成の電力変換器4
における出力電圧Vinvと電解コンデンサ15における
直流電圧Vdcとの関係は、 (Vdc/2)×m×(31/2/21/2)=Vinv となる。なお、Vdcは電解コンデンサ15の直流電圧、
invは電力変換器4の出力電圧、mは変調度である。
但し、デッドタイム等の影響による電圧降下は無視す
る。
【0035】変調度が1を超えると電力変換器4の出力
電圧Vinvが歪むことから、連系用変圧器3の偏励磁に
よる過電流や過大な出力電流歪みが生じる可能性が大き
いため、交流電圧210Vと電流ゼロで連系するには、
変調度を1以下とする必要があり、その場合、上式から
電解コンデンサ15の直流電圧Vdcを約343V以上と
する必要がある。
【0036】そこで、電解コンデンサ15の直流電圧V
dcを約290Vの整流電圧から約343V以上に上昇さ
せる必要があり、この電解コンデンサ15の直流電圧V
dcを約343V以上とすることにより、電力変換器4の
スイッチング素子Tr1〜Tr6のスイッチング動作によ
る電力制御が可能となる。従って、電解コンデンサ15
の直流電圧Vdcである約343Vは、電力変換器4のス
イッチング動作による電力制御が可能な最低電圧であ
る。
【0037】従って、電解コンデンサ15の直流電圧V
dcを約343V以上に上昇させるため、その電解コンデ
ンサ15の直流電圧Vdcが約290Vの整流電圧に確立
した時点で、電力変換器4の直流側に設けられた主開閉
器12を投入するに先立って補助開閉器13を投入して
二次電池6を接続する。この補助開閉器13の投入によ
り制限抵抗14でもって二次電池6に過電流が流入する
ことを未然に防止し、所定時間Tが経過した後、前記主
開閉器12を投入し、その後、補助開閉器13を開放す
る。この主開閉器12の投入により、二次電池6は、そ
の電池電圧が0Vから約290Vまで充電される。
【0038】ここで、電解コンデンサ15の直流電圧V
dcが整流電圧、つまり約290Vに確立してから電力変
換器4の電力制御を可能にする最低電圧、つまり約34
3Vまで上昇させる初期充電を行うための電力変換器4
の制御には、二次電池6の特性に応じて以下に述べる二
つの手法が可能である。
【0039】まず第一に、電解コンデンサ15の直流電
圧Vdcが整流電圧に確立してから電力変換器4の電力制
御を可能にする最低電圧、つまり約343Vまでの電圧
立ち上がり時間が短時間である特性を有する二次電池6
の場合には、主開閉器12の投入により、二次電池6の
電池電圧が0Vから約290Vまで充電された時点で電
力変換器4を起動させて、例えば直流400Vの定電圧
制御を行う。
【0040】これにより、電解コンデンサ15の直流電
圧Vdcを上昇させて二次電池6に充電し、その直流電圧
dcが電力変換器4の電力制御を可能にする最低電圧
(図3の設定値)、つまり約343V以上となったか否
かを判断する。電解コンデンサ15の直流電圧が約34
3V以上となれば、電力変換器4を力率1で電力制御す
ることが可能であるため、例えば定電力充電を実行し、
その後、二次電池6の充電電圧が400Vに達したこと
を終了条件として初期充電を完了する。なお、電力変換
器4の制御は、定電圧制御以外に定電流制御または定電
力制御でも可能である。
【0041】前述した電力変換器4の定電圧制御、定電
流制御または定電力制御では、電解コンデンサ15の直
流電圧Vdcが整流電圧(約290V)から最低電圧(約
343V)に達するまでの電圧立ち上がり時間内で変調
度が1を超えてしまうが、電力変換器4の直流側での電
圧立ち上がり時間が短時間であるため、電力変換器4の
出力電圧Vinvの歪み等が問題とならない。
【0042】しかしながら、その電圧立ち上がり時間が
短時間でない特性を有する二次電池6を使用する場合に
は、以下のような手法で電力変換器4を制御することが
好ましい。なお、電力変換器4の直流側での電圧立ち上
がり時間が短時間である場合も、以下の手法で電力変換
器4を制御することが望ましいのは勿論である。
【0043】電圧立ち上がり時間が短時間でない特性を
有する二次電池6を使用する場合、主開閉器12の投入
により、二次電池6の電池電圧が0Vから約290Vま
で充電された時点で電力変換器4を起動させて、電力変
換器4の変調度が1を超えない値で固定し、かつ、電力
変換器4の出力電圧Vinvと系統電圧Vsとの位相差を電
力変換器4の定格電力を超えない値で固定した制御を行
う。この制御では、電解コンデンサ15の直流電圧Vdc
が整流電圧(約290V)から最低電圧(約343V)
に達するまでの電圧立ち上がり時間が長い場合でも、電
力変換器4の変調度が1を超えることはない。
【0044】この制御により電解コンデンサ15の直流
電圧Vdcを電力変換器4の電力制御を可能にする最低電
圧(約343V)まで上昇させて二次電池6を充電し、
その直流電圧Vdcが最低電圧(約343V)以上となっ
たか否かを判断する。電解コンデンサ15の直流電圧V
dcが約343Vとなれば、電力変換器4を力率1で電力
制御することが可能であるため、例えば定電力充電を実
行し、その後、二次電池6の充電電圧が400Vに達し
たことを終了条件として初期充電を完了する。
【0045】この電力変換器4の変調度が1を超えない
値で固定し、かつ、電力変換器4の出力電圧Vinvと系
統電圧Vsとの位相差を電力変換器の定格電力を超えな
い値で固定した制御は、具体的に以下の要領で行うこと
が可能である。電解コンデンサ15の直流電圧Vdcが2
90Vで、電力変換器4の変調度が1に固定したときの
電力変換器4の出力電圧Vinvは、前述した式から17
7Vとなる。
【0046】そこで、電力変換器4の出力電流が定格8
25A(定格容量が300kVAの場合:300kVA
/(31/2)/210V)を超えないような電力変換器
4の出力電圧Vinv(177V)と系統電圧Vs(210
V)との位相差θと、系統の連系インピーダンスを20
%とした場合、定格電流825Aが連系リアクトル7を
通過するときの電圧降下分との関係が、 {(177・sinθ)2+(210−177・cosθ)2
1/2=210×0.2 となることから、θ=7.7°となる。この位相差θ
は、前記連系リアクトル7の大きさに応じて設計変更さ
れる。
【0047】従って、変調度が1を超えない値、例えば
1で、かつ、電力変換器4の出力電圧Vinvと系統電圧
sとの位相差θを固定し、つまり、系統電圧Vsに対し
て電力変換器4の出力電圧Vinvを7.7°遅らせるこ
とにより、定格容量を超えない充電が可能となる。そし
て、この初期充電が進行するにつれて電池電圧が上昇
し、無効電力が例えば0Varとなった時点で初期充電
を完了する。
【0048】以上で述べた二つの手法のいずれかによる
二次電池6の初期充電完了は、制御回路16内で電力変
換器4の直流側の電流値、電圧値または電力量を検出す
ることにより、予め設定された電流値、電圧値または電
力量となった時点で行えばよい。また、二次電池6のS
OC(State Of Charge:充電状態)を検出する回路か
らの初期充電完了指令を受けることにより行うことも可
能である。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、専用の初期充電装置を
別に設置することなく、電力変換器の直流側に昇降圧チ
ョッパを設ける必要もないので、その昇降圧チョッパの
運転損失分、電力変換効率を向上させることができ、ま
た、昇降圧チョッパが不要となったことによりコストの
低減化が容易に図れてコンパクトで高効率の電池電力貯
蔵システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電池電力貯蔵システムの実施形態
を示す概略構成図である。
【図2】図1の電池電力貯蔵システムの電力変換器を示
す概略構成図である。
【図3】本発明の初期充電方法を説明するためのフロー
チャートである。
【図4】電池貯蔵システムの従来例を示す概略構成図で
ある。
【符号の説明】
1 系統電源 3 連系用変圧器 4 電力変換器 6 電解液循環型二次電池 15 電解コンデンサ 16 制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊岡 泰平 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 川勝 健 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新電機株式会社内 (72)発明者 川上 了司 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日 新電機株式会社内 Fターム(参考) 5H007 AA05 AA07 BB05 CA01 CB05 CC03 CC13 CC23 CC32 DC02 DC05 FA03 GA01 GA08 5H030 AS03 BB01 BB02 BB03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 系統電源に連系用変圧器を介して電力変
    換器を接続すると共に、その電力変換器の直流側に電解
    コンデンサを介して電池電圧0Vから初期充電が必要な
    電解液循環型二次電池を接続可能とした電池電力貯蔵シ
    ステムにおいて、 前記電力変換器の整流動作により電解コンデンサの直流
    電圧を整流電圧に確立した上で、電解液循環型二次電池
    を電力変換器の直流側に接続し、電力変換器の定電圧、
    定電流又は定電力制御に基づいて電解液循環型二次電池
    を初期充電する制御回路を具備したことを特徴とする電
    池電力貯蔵システム。
  2. 【請求項2】 系統電源に連系用変圧器を介して電力変
    換器を接続すると共に、その電力変換器の直流側に電解
    コンデンサを介して電池電圧0Vから初期充電が必要な
    電解液循環型二次電池を接続可能とした電池電力貯蔵シ
    ステムにおいて、 前記電力変換器の整流動作により電解コンデンサの直流
    電圧を整流電圧に確立した上で、電解液循環型二次電池
    を電力変換器の直流側に接続し、電力変換器の変調度が
    1を超えない値で固定し、かつ、電力変換器の出力電圧
    と系統電圧との位相差を電力変換器の定格電力を超えな
    い値で固定した制御に基づいて電解液循環型二次電池を
    初期充電する制御回路を具備したことを特徴とする電池
    電力貯蔵システム。
  3. 【請求項3】 系統電源に連系用変圧器を介して電力変
    換器を接続すると共に、その電力変換器の直流側に電解
    コンデンサを介して電解液循環型二次電池を接続可能と
    した電池電力貯蔵システムにおいて、電解液循環型二次
    電池を電池電圧0Vから初期充電する方法であって、 前記電力変換器の整流動作により電解コンデンサの直流
    電圧を整流電圧に確立した後、電解液循環型二次電池を
    電力変換器の直流側に接続し、電力変換器の定電圧、定
    電流又は定電力制御のいずれかに基づいて電解液循環型
    二次電池を初期充電することを特徴とする電池電力貯蔵
    システムの初期充電方法。
  4. 【請求項4】 系統電源に連系用変圧器を介して電力変
    換器を接続すると共に、その電力変換器の直流側に電解
    コンデンサを介して電解液循環型二次電池を接続可能と
    した電池電力貯蔵システムにおいて、電解液循環型二次
    電池を電池電圧0Vから初期充電する方法であって、 前記電力変換器の整流動作により電解コンデンサの直流
    電圧を整流電圧に確立した後、電解液循環型二次電池を
    電力変換器の直流側に接続し、電力変換器の変調度が1
    を超えない値で固定し、かつ、電力変換器の出力電圧と
    系統電圧との位相差を電力変換器の定格電力を超えない
    値で固定した制御に基づいて電解液循環型二次電池を初
    期充電することを特徴とする電池電力貯蔵システムの初
    期充電方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012164495A (ja) * 2011-02-04 2012-08-30 Sumitomo Electric Ind Ltd 電解液流通型電池システム
JP2019221007A (ja) * 2018-06-15 2019-12-26 富士電機株式会社 電力変換装置

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