JP2003006941A - 光記録媒体の評価方法 - Google Patents
光記録媒体の評価方法Info
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Abstract
評価できる方法を提供する。 【解決手段】 光記録媒体に対し記録を行い、次いで、
パワーレベルの相異なる少なくとも3種の再生パワーに
よりそれぞれ繰り返し再生を行って、それぞれの再生パ
ワーを用いた場合における、再生特性が許容範囲に収ま
る最大の再生回数を測定し、得られた測定値から、再生
回数の常用対数と再生パワーとの関係を示す一次の近似
式を最小二乗法によって求め、前記近似式に任意の再生
パワーを代入して求めた再生回数を、前記任意の再生パ
ワーを用いて繰り返し再生した場合における、再生特性
が許容範囲に収まる再生回数の最大値と推定する光記録
媒体の評価方法。
Description
体等の光記録媒体の繰り返し再生に対する耐久性を評価
する方法に関する。
情報を消去して書き換えることが可能な光記録媒体が注
目されている。書き換え可能型の光記録媒体のうち相変
化型のものは、レーザービームを照射することにより記
録層の結晶状態を変化させて記録を行い、このような状
態変化に伴なう記録層の反射率変化を検出することによ
り再生を行うものである。相変化型の光記録媒体は、駆
動装置の光学系が光磁気記録媒体のそれに比べて単純で
あるため、注目されている。
る際には、記録層が融点以上まで昇温されるような高パ
ワー(記録パワー)のレーザービームを照射する。記録
パワーが加えられた部分では記録層が溶融した後、急冷
され、非晶質の記録マークが形成される。一方、記録マ
ークを消去する際には、記録層がその結晶化温度以上で
あってかつ融点未満の温度まで昇温されるような比較的
低パワー(消去パワー)のレーザービームを照射する。
消去パワーが加えられた記録マークは、結晶化温度以上
まで加熱された後、徐冷されることになるので、結晶質
に戻る。したがって、相変化型光記録媒体では、単一の
レーザービームの強度を変調することにより、オーバー
ライトが可能である。
生波長の短縮、記録再生光学系の対物レンズの高開口数
化が進んでいる。記録再生用レーザービームの記録層表
面にスポット径は、レーザー波長をλ、開口数をNAと
したとき、λ/NAで表される。
記録マークの結晶状態に影響を与えない低パワーのレー
ザービームであるが、繰り返し再生を行うと記録マーク
の再結晶化が生じ、その結果、ジッタが増大する。本発
明者らの研究によれば、高密度記録がなされた媒体の記
録信号を再生するために、開口数の大きな対物レンズを
有する光学系によって短波長の再生ビームを照射した場
合、すなわち前記λ/NAが小さい場合、レーザービー
ムスポット内でのエネルギー密度が高くなるため、繰り
返し再生回数が比較的少なくてもジッタが増大するこ
と、すなわち再生耐久性が大きく低下することがわかっ
た。
めには、記録層の組成設計、媒体の光学設計や熱設計な
どに関する改良が必要である。そして、この改良の効果
を確認するためには、繰り返し再生を行って実際に再生
耐久性を評価する必要がある。再生耐久性の評価につい
ては適当な加速試験が存在しないため、例えば、ある媒
体について10万回の繰り返し再生を保証するために
は、実際に10万回再生を行い、記録/再生特性に問題
が生じないことを確認しなければならない。
ズの影響でCNR(carrier to noise ratio)が低くな
ってしまうため、必要とされる再生耐久性が確保できる
範囲内であれば、再生パワーは高いほうが好ましい。し
かし、この場合、最適な再生パワーを求めるためには、
膨大な数の繰り返し再生が必要となる。
性を評価するためには、長い時間と手間を要していた。
間で精度よく評価できる方法を提供することを目的とす
る。
(1)〜(3)の本発明により達成される。 (1) 光記録媒体の再生耐久性を評価する方法であっ
て、光記録媒体に対し記録を行い、次いで、パワーレベ
ルの相異なる少なくとも3種の再生パワーによりそれぞ
れ繰り返し再生を行って、それぞれの再生パワーを用い
た場合における、再生特性が許容範囲に収まる最大の再
生回数を測定し、得られた測定値から、再生回数の常用
対数と再生パワーとの関係を示す一次の近似式を最小二
乗法によって求め、前記近似式に任意の再生パワーを代
入して求めた再生回数を、前記任意の再生パワーを用い
て繰り返し再生した場合における、再生特性が許容範囲
に収まる再生回数の最大値と推定する光記録媒体の評価
方法。 (2) 光記録媒体の再生耐久性を評価する方法であっ
て、光記録媒体に対し記録を行い、次いで、パワーレベ
ルの相異なる少なくとも3種の再生パワーによりそれぞ
れ繰り返し再生を行って、それぞれの再生パワーを用い
た場合における、再生特性が許容範囲に収まる最大の再
生回数を測定し、得られた測定値から、再生回数の常用
対数と再生パワーとの関係を示す一次の近似式を最小二
乗法によって求め、前記近似式に任意の再生回数を代入
して求めた再生パワーを、前記任意の再生回数繰り返し
再生した場合における、再生特性が許容範囲に収まる再
生パワーの最大値と推定する光記録媒体の評価方法。 (3) 前記再生特性がクロックジッタまたはデータエ
ラーレートである上記(1)または(2)の光記録媒体
の評価方法。
記録媒体に対し記録を行う。次いで、パワーレベルの相
異なる少なくとも3種の再生パワーによりそれぞれ繰り
返し再生を行い、これらの繰り返し再生のそれぞれにお
いて、再生特性が許容範囲内に収まる最大再生回数を実
測する。次いで、得られた実測値から、再生回数の常用
対数と再生パワーとの関係を示す一次の近似式を最小二
乗法によって求める。この近似式は、一般に Y=-AlogX+B で表される。Xは再生回数、Yは再生パワー、Aおよび
Bは、評価対象の媒体に依存する定数である。
すると、前記任意の再生パワーに対応する再生回数
(X)が求まる。本発明者らは、このようにして求めら
れた再生回数が、前記任意の再生パワーを用いて繰り返
し再生した場合における、再生特性が許容範囲内に収ま
る再生回数の最大値とほぼ一致することを見いだした。
したがって、前記一次の近似式を求めれば、任意の再生
パワーを用いた場合における、再生特性が許容範囲内に
収まる最大再生回数を推定することが可能である。
代入すると、前記任意の再生回数に対応する再生パワー
(Y)が求まる。本発明者らは、このようにして求めら
れた再生パワーが、前記任意の再生回数繰り返し再生し
た場合における、再生特性が許容範囲内に収まる再生パ
ワーの最大値とほぼ一致することを見いだした。したが
って、前記一次の近似式を求めれば、任意の再生回数繰
り返し再生した場合における、再生特性が許容範囲内に
収まる最大再生パワーを推定することが可能である。
可能トラックに再生用レーザービームを照射する回数を
意味する。上記記録可能トラックには、データが記録さ
れるトラック(通常の記録トラック)に加え、試し書き
用トラックも含まれる。
使用する、パワーレベルの相異なる少なくとも3種の再
生パワー(以下、試験再生パワーという)は特に限定さ
れない。ただし、試験再生パワーが低すぎると、その試
験再生パワーにおける、再生特性が許容範囲内に収まる
最大再生回数が多くなりすぎる結果、評価時間を短縮で
きるという本発明の効果が損なわれる。一方、試験再生
パワーが高すぎると、その試験再生パワーにおける、再
生特性が許容範囲内に収まる最大再生回数が少なくなり
すぎる結果、推定誤差が大きくなりやすい。そのため、
少なくとも3種の試験再生パワーは、それぞれの試験再
生パワーにおける、再生特性が許容範囲内に収まる最大
再生回数が、好ましくは10〜10,000回、より好
ましくは10〜5,000回の範囲に収まるように決定
することが望ましい。
精度は向上するが、試験再生パワーの数が多いほど評価
に時間がかかる結果、評価時間を短縮できるという本発
明の効果が損なわれる。したがって、試験再生パワーは
5種以下とすることが好ましい。
は特に限定されないが、通常、前記再生特性としてクロ
ックジッタまたはデータエラーレートを選択することが
好ましい。クロックジッタは、再生信号をタイムインタ
ーバルアナライザにより測定して「信号の揺らぎ
(σ)」を求め、検出窓幅をTwとして、 σ/Tw (%) により算出することができる。従来の一般の光記録シス
テムでは、クロックジッタが13%以下であれば信号品
質に問題はないといえる。本発明では、再生特性が許容
範囲内に収まるか否かを評価基準とする。したがって、
通常、評価対象の光記録システムにおけるクロックジッ
タの許容範囲内に収まるか否かを評価基準とすればよ
い。ただし、クロックジッタが実質的に増大しないか否
かを評価基準とする場合でも、本発明による最大再生回
数および最大再生パワーの推定は有効である。なお、こ
の場合、クロックジッタが実質的に増大しないとは、繰
り返し再生後のクロックジッタが、好ましくは初期クロ
ックジッタ±0.3%範囲内に収まることを意味し、よ
り好ましくは初期クロックジッタから全く増大していな
いことを意味する。
内周部に存在する記録可能トラック、特に最内周の記録
可能トラックに対して評価を行うことが好ましい。内周
部の記録可能トラックに対し繰り返し再生を行う場合、
外周部の記録可能トラックに対し行うのに比べ、再生用
レーザービームの照射間隔がより短くなるため、記録可
能トラックの温度が下がりにくく、その結果、より厳し
い評価が可能となる。
化型記録層を有する媒体では、非晶質記録マークを消去
(再結晶化)するために、線速度に応じて記録層の結晶
化速度を決定する必要があり、線速度が速いほど記録層
の結晶化速度を速いものとする必要がある。CAV(Co
nstant Angular Velocity)やM−CAV(ModifiedC
AV)など、再生時の線速度が外周部ほど速くなる光記
録ディスクでは、記録層の結晶化速度は、最外周の記録
可能トラックにおける線速度に応じて設定される。その
ため、線速度がより遅い最内周の記録可能トラックにお
いては、線速度に対して記録層の結晶化速度が速すぎる
ことになる。その結果、再生用レーザービームを照射し
たときに結晶化が進みやすくなる。したがって、この場
合も、内周部、特に最内周の記録可能トラックに対して
本発明の評価を行うことにより、より厳しい評価が可能
となる。
体記録/再生装置内では、記録/再生時に温度が上昇す
る。したがって、このような温度上昇を考慮して、本発
明によって再生特性評価を行う際にも温度制御を行うこ
とが好ましい。
性の評価に特に有効であるが、ヒートモード記録を行う
他の光記録媒体、例えば光磁気記録媒体にも適用可能で
ある。また、本発明による前記最大再生回数および前記
最大再生パワーの推定の妥当性は、媒体構成(例えば相
変化型記録層の組成や媒体の熱設計)に依存しない。
製した。
した直径120mm、厚さ1.2mmのディスク状ポリカー
ボネートからなる支持基体を用意した。前記グルーブの
深さは、光路長でλ/6(波長λ=405nm)とした。
また、ランド・グルーブ記録方式における記録トラック
ピッチは、0.3μmとした。この支持基体のグルーブ
形成面に、Ag98Pd1Cu1からなる厚さ100nmの反
射層をスパッタ法により形成した。この反射層上に、A
l2O3からなる厚さ25nmの誘電体層をスパッタ法によ
り形成した。この誘電体層上に、組成(原子比)がAg
0.5In0.5Sb 76Te18Ge5である厚さ12nmの記録
層をスパッタ法により形成した。この記録層上に、Zn
S(80モル%)−SiO2(20モル%)からなる厚
さ135nmの誘電体層をスパッタ法により形成した。こ
の記録層上に、紫外線硬化型樹脂をスピンコートして硬
化することにより、厚さ100μmの光透過層を形成し
た。
(結晶化)した後、上記サンプルを光記録媒体評価装置
に載せ、 レーザー波長:405nm、 開口数:0.85、 記録線速度:6.5m/s、 記録信号:(1−7)RLL(最短マーク長0.173
μm) の条件で記録および再生を行ってジッタを測定した。こ
のジッタは、前記クロックジッタである。このジッタを
初期ジッタとする。このときの再生パワーは、表1に試
験再生パワーとして示す値とした。次いで、この試験再
生パワーで繰り返し再生を行ってジッタを測定し、ジッ
タが増大しない再生回数の最大値を調べた。この再生回
数を、実測最大再生回数として表1に示す。また、これ
らの測定における再生回数とジッタとの関係を、図1に
示す。図1に示すPrは、試験再生パワーである。
ワーを用いたときの実測最大再生回数とから、最小二乗
法により一次の近似式 Y=-0.0167logX+0.4537 を得た。この近似式において、Xは、再生パワーYで繰
り返し再生を行ったと仮定したときに、ジッタが増大し
ないと推定される再生回数の最大値である。あるいは、
Yは、繰り返し再生をX回行ったと仮定したときに、ジ
ッタを増大させないと推定される再生パワーの最大値で
あるともいえる。再生回数Xと再生パワーYとの関係
を、図2に示す。なお、図2には、表1に示す測定結果
もプロットしてある。
のY、すなわち、10,000回繰り返し再生したと仮
定したときに、ジッタを増大させないと推定される再生
パワーの最大値を求めた。また、X=100,000の
ときのYも求めた。これらの結果を表2に示す。
再生パワーで実際に10,000回および100,00
0回の繰り返し再生を行い、繰り返し再生後のジッタを
測定した。結果を表3に示す。
明らかである。表2によれば、10,000回繰り返し
再生を行ったときにジッタを増大させないと推定される
再生パワーの最大値は、0.39mWである。一方、表3
に示されるように、実際に再生パワー0.39mWで1
0,000回繰り返し再生を行ったときジッタは増大せ
ず、再生パワーを0.40mWまでわずかに上げると、繰
り返し再生によりジッタが大きく増大している。また、
繰り返し再生回数を100,000回としたときにも同
様に、本発明による推定値は実測値とほぼ一致してい
る。
短時間で精度よく評価できる。本発明の評価方法を用い
ることにより、必要とされる再生耐久性が確保できる範
囲内の最も高い再生パワーを短時間に知ることができ
る。したがって、本発明によれば、再生耐久性が良好で
かつ高CNRが得られる光記録システムの設計が容易と
なる。
る。
たときに、ジッタが増大しないと推定される再生回数の
最大値Xと、再生パワーYとの関係を示すグラフであ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 光記録媒体の再生耐久性を評価する方法
であって、 光記録媒体に対し記録を行い、次いで、パワーレベルの
相異なる少なくとも3種の再生パワーによりそれぞれ繰
り返し再生を行って、それぞれの再生パワーを用いた場
合における、再生特性が許容範囲に収まる最大の再生回
数を測定し、 得られた測定値から、再生回数の常用対数と再生パワー
との関係を示す一次の近似式を最小二乗法によって求
め、 前記近似式に任意の再生パワーを代入して求めた再生回
数を、前記任意の再生パワーを用いて繰り返し再生した
場合における、再生特性が許容範囲に収まる再生回数の
最大値と推定する光記録媒体の評価方法。 - 【請求項2】 光記録媒体の再生耐久性を評価する方法
であって、 光記録媒体に対し記録を行い、次いで、パワーレベルの
相異なる少なくとも3種の再生パワーによりそれぞれ繰
り返し再生を行って、それぞれの再生パワーを用いた場
合における、再生特性が許容範囲に収まる最大の再生回
数を測定し、得られた測定値から、再生回数の常用対数
と再生パワーとの関係を示す一次の近似式を最小二乗法
によって求め、 前記近似式に任意の再生回数を代入して求めた再生パワ
ーを、前記任意の再生回数繰り返し再生した場合におけ
る、再生特性が許容範囲に収まる再生パワーの最大値と
推定する光記録媒体の評価方法。 - 【請求項3】 前記再生特性がクロックジッタまたはデ
ータエラーレートである請求項1または2の光記録媒体
の評価方法。
Priority Applications (2)
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JP2001191839A JP2003006941A (ja) | 2001-06-25 | 2001-06-25 | 光記録媒体の評価方法 |
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