JP2003004716A - アンモニア性窒素測定システム - Google Patents

アンモニア性窒素測定システム

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JP2003004716A
JP2003004716A JP2001193885A JP2001193885A JP2003004716A JP 2003004716 A JP2003004716 A JP 2003004716A JP 2001193885 A JP2001193885 A JP 2001193885A JP 2001193885 A JP2001193885 A JP 2001193885A JP 2003004716 A JP2003004716 A JP 2003004716A
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ammonia nitrogen
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JP2001193885A
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Hiroshi Yotsumoto
浩 四元
Miyoko Kusumi
美代子 久住
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正確なベースライン電圧とピーク電圧を検出
してアンモニア性窒素濃度の演算処理を行う。 【解決手段】 試料溶液および中性水をそれぞれ選択的
に注入することが可能な流路切替用三方弁23を用い
る。試料溶液のpHが高くなった場合には、まず前記の
三方弁23を介して中性水を流下させることにより、検
出電圧をベースライン電圧まで低下させ、そのベースラ
イン電圧をコントロールユニット22にて記録する。そ
の後、試薬溶液注入部24により試薬溶液を注入し、検
出電圧におけるピーク電圧をコントロールユニット22
にて記録する。そして、前記のベースライン電圧とピー
ク電圧を用いて演算処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水中のアンモニ
ア性窒素の濃度を測定する窒素濃度測定システムに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】現在、水中に存在するアンモニア性窒素
を測定分析する方法としては、イオンクロマトグラフ
法、比色法、中和滴定法、イオン電極法およびフローイ
ンジェクション・化学発光法が用いられているが、ここ
ではこれらの内のフローインジェクション(FIA)・
化学発光法を用いたアンモニア性窒素濃度測定装置(以
下、濃度測定装置と称する)について以下説明する。
【0003】図9は、一般的な濃度測定装置の概略説明
図を示すものである。図9において、符号20はガス化
反応部(液相反応部)、符号21は化学発光測定部(気
相反応部)である。
【0004】前記のガス化反応部20の構成において、
まず、アンモニア性窒素を含有した試料溶液(試料水)
を試料溶液注入口WEから注入し、流体ポンプである定
量ポンプ1の駆動によって流路用細管2中を流下させ
る。また、前記のように試料溶液を流下させると共に、
試薬溶液注入口3から試薬溶液(有効塩素濃度0.2W
/V%の次亜塩素酸ナトリウム溶液に1.5%水酸化ナ
トリウムを添加)を、バルブインジェクションポート4
の流路切換によって流路用細管2に注入する。これによ
り、前記の試料溶液と試薬溶液とが混合コイル5に流入
し、それら両溶液は充分に混合されて反応が促進され
る。その反応溶液は、気液分離器6に供給される。
【0005】前記の化学発光測定部21の構成において
は、まず、前記気液分離器6により反応溶液の液相から
分離したガス成分(モノクロラミン)が、加熱酸化炉7
にて一酸化窒素に転換される。その後、除湿チューブ8
を経てから検出部である減圧タイプの化学発光検出部9
に供給される。化学発光検出部9には、オゾン発生器1
0で得られたオゾンガスが導入され、気相中の一酸化窒
素(NO)とオゾンガス(O3)との反応によって生じ
る化学発光強度を検出(例えば、化学発光強度を電圧に
変換して検出)し、その際の化学発光強度との関係から
試料溶液中のアンモニア性窒素濃度を定量する。
【0006】なお、図9中の符号11はガス乾燥器、符
号12はフィルタ、符号13は減圧ポンプ、符号14は
排オゾン処理部を示すものである。また、前記ガス化反
応部20には、気液分離器6からの液体成分(排水)を
強制廃液する定量ポンプ15、ガス乾燥器11から乾燥
空気を混合コイル5に供給するための定量ポンプ16、
および試薬吸引シリンジ17が設けられている。さら
に、試薬の注入操作や発光強度の濃度換算演算処理(以
下、演算処理と称する)、あるいは自動計測の条件設定
などにおいては、例えば図10(詳細を後述する)に示
すコントロールユニット22によって行われる。
【0007】図10は、一般的な濃度測定装置のシステ
ム構成図を示すものである。なお、図9に示すものと同
様なものには同一符号を用いて、その詳細な説明を省略
する。図10において、コントロールユニット22は、
シーケンサ22a,インターフェイスとして用いられる
グラフィックタッチパネル22bから構成され、測定値
表示や校正操作などの機器操作は、前記のグラフィック
タッチパネル22bが用いられる。
【0008】前記のシーケンサ22aからは、第1,第
2の制御信号がそれぞれガス化反応部20と化学発光測
定部21とに送出される。また、前記のシーケンサ22
aには、化学発光測定部21からの計測信号が供給され
る。さらに、シーケンサ22aの出力は、外部出力とし
て送出される。なお、化学発光測定部21の化学発光検
出部9は、発光チャンバー9aと発光検出部9bとから
構成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記のように試料溶液
中に溶存するアンモニア性窒素は、その試料溶液のpH
が高い場合、自然(例えば常温雰囲気下)にアンモニア
ガスとなり大気中に気散する性質を有する。そのため、
図9に示したような濃度測定装置では、試薬溶液として
例えば強アルカリ性の水酸化ナトリウム溶液を用い、そ
の水酸化ナトリウム溶液を注入して試料溶液のpHを高
くした後、気液分離器にてアンモニアガスを抽出する方
法が一般的に適用されている。
【0010】ここで、pHが7程度の中性の試料溶液に
おいて、図9に示した濃度測定装置を用いることによ
り、試薬溶液を定期的に注入した際の化学発光検出部に
おける化学発光強度を電圧に変換して検出し、その測定
結果を図11の電圧変化特性図に示した。
【0011】図11に示すように、化学発光検出部にて
検出された電圧(以下、検出電圧と称する)は、それぞ
れ試薬溶液を注入してから一定時間後にピーク電圧a
(V)まで上昇し、その後、時間経過と共にb(V)ま
で低下していることが読み取れる。この検出電圧bはベ
ースライン電圧(基準値)と称されるものであり、前記
のピーク電圧aとベースライン電圧bとの差「a−b」
(V)はアンモニア性窒素による応答電圧と称されてい
る。この応答電圧は、アンモニア性窒素濃度と比例関係
にあることから、前記の「a−b」において濃度換算す
ることにより、試料溶液中のアンモニア性窒素濃度を算
出することができる。
【0012】しかし、流下させる試料溶液中のアンモニ
ア性窒素濃度が常に一定の状態であっても、その試料溶
液のpHが試薬溶液を注入する前の段階で高くなってし
まった場合(試料溶液全体のうち、pHが高い部分が流
下された場合)には、検出電圧が影響を受ける問題があ
る。
【0013】例えば、図12に示すように、「n回目
(nは自然数)」に試薬溶液を注入した際に流下された
試料溶液のpHが7程度の中性である場合、図11と同
様に検出電圧は試薬溶液を注入してから一定時間後にピ
ーク電圧aまで上昇し時間経過と共にベースライン電圧
bまで低下するが、「n+1回目」(図12では、「n
+1回目」および「n+2回目」)の試薬溶液を注入す
る前の段階で試料溶液のpHが高くなってしまった場合
には、気液分離器にて試料溶液のアンモニアガスが気散
する。このため、前記の検出電圧は「n+1回目」の測
定前の段階で「b+c」まで上昇し、その「b+c」が
ベースライン電圧であるかのような現象が起こる。
【0014】その結果、前記の「n+1回目」での検出
電圧はピーク電圧aまで上昇した後「b+c」までしか
低下しない。これにより、本来ならば「a−b」である
はずの応答電圧は「a−b−c」(V)として算出さ
れ、そのまま濃度換算が実施されて実際のアンモニア性
窒素濃度値よりも低い値が測定計器に示されてしまう。
すなわち、図9に示したような濃度測定装置では、試料
溶液のpHに応じて測定結果に誤差が生じてしまう。
【0015】本発明は、前記課題に基づいてなされたも
のであり、各測定間において試料溶液のpHに応じて中
性水を流下させて通水し、試料溶液のpHに起因する検
出電圧の影響を解消し、正確なベースライン電圧および
ピーク電圧を短時間で検出して演算処理を行うアンモニ
ア性窒素測定システムを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を達成するために、請求項1に記載の発明は、アンモニ
ア性窒素を含んだ試料溶液をポンプの駆動により流路用
細管中に流下させながら、試薬溶液注入部から前記の試
料溶液中に対し試薬溶液を選択的に注入混合して反応溶
液を得、前記の反応溶液を気化分離器に供給して、液相
から分離したガス成分を加熱酸化炉にてそれぞれ一酸化
窒素に転換し、その一酸化窒素を化学発光検出器に供給
して化学発光強度を検出し、その化学発光強度のうち基
準値(ベースライン電圧)とピーク値(ピーク電圧)と
を記録して演算処理することにより、前記の試料溶液中
のアンモニア性窒素濃度を測定するアンモニア性窒素測
定システムに関するものである。そして、前記ポンプの
前段に流路切替用三方弁を設け、前記試料溶液のpHに
応じて(試料溶液のpHが8以上になった際に)流路切
替用三方弁を切り替えることにより、その試料溶液の代
わりに中性水を選択的(各測定間において選択的)に流
下させることを特徴とする。
【0017】請求項2に記載の発明は、前記の流路切替
用三方弁を、前記気液分離器の前段(気液分離器と混合
コイルとの間)に設けたことを特徴とする請求項1記載
のアンモニア性窒素測定システム。
【0018】請求項3に記載の発明は、前記の流路切替
用三方弁の前段(流路切替用三方弁と混合コイルとの
間)に排水用三方弁を設け、その排水用三方弁を切り替
えることにより試料溶液を選択的に排出することを特徴
とする。
【0019】請求項4に記載の発明は、前記の化学発光
強度の変化率を監視し、その変化率に応じて(変化率が
「0」になった際)、前記の三方弁の切り替えおよびポ
ンプの動作を制御すると共に前記の基準値を記録するこ
とを特徴とする。
【0020】請求項5に記載の発明は、前記のポンプの
前段にpH測定器を設けたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態におけ
るアンモニア性窒素濃度測定システムを図面(図1〜図
8)に基づいて説明する。なお、図9〜図12に示した
ものと同様なもの(本発明に係わる構成)には同一符号
を用いて、その詳細な説明を省略する。
【0022】本実施の形態では、図9に示したような濃
度測定装置において、図12に示した測定で用いた試料
溶液の測定を行う際に、「n+1回目」と「n+2回
目」との間に試料溶液の替わりに水道水を流下させるこ
とにより、試料溶液のpHによって起因する検出電圧の
影響の解消を試みた。その結果を、図1の電圧変化特性
図に示した。
【0023】図1において、図12に示した結果と同様
に、検出電圧は「n回目」の測定にてピーク電圧aまで
上昇しベースライン電圧bまで低下した後、その検出電
圧は試料溶液のpHに起因して「n+1回目」の測定前
の段階で「b+c」に上昇し、そのまま「n+1回目」
の測定にてピーク電圧aまで上昇した。
【0024】次に、前記の検出電圧が「b+c」まで低
下した後、試料溶液の替わりに水道水を流下させて通水
したところ、その検出電圧は本来のベースライン電圧b
まで低下した。その後、水道水の替わりに再び試料溶液
を流下させたところ、前記の検出電圧は「b+c」まで
上昇し、「n+2回目」の測定にてピーク電圧aまで上
昇してから「b+c」まで低下した。
【0025】図1に示した結果から、各測定間において
試料溶液の替わりに中性水を一時的に流下させて通水す
ることにより、その各測定間における検出電圧を確実に
本来のベースライン電圧に戻し、その戻された検出電圧
値をコントロールユニット22(図10のシーケンサ2
2a)にて記録(保存)することにより、試料溶液のp
Hによって上昇した分の検出電圧値(図1中ではc
(V))の影響を解消できることが解った。
【0026】すなわち、本実施の形態のように、各測定
間において試料溶液の替わりに水道水等の中性水(pH
8以下の清浄な液体)を流下させて通水することが可能
な濃度測定装置を構成し、試料溶液のpHに応じて中性
水を選択的に通水することにより、その試料溶液のpH
に起因する検出電圧の影響を解消して正確な濃度換算を
行うことができるため、その試料溶液における正確なア
ンモニア性窒素濃度を誤差が生じることなく測定でき
る。
【0027】次に、本実施の形態における濃度測定装置
の第1〜第7実施例を図2〜図8に基づいて説明する。
なお、図2〜図8中の記号「ON」は、それぞれ試薬溶
液を注入できるように試薬溶液注入部24(詳細を後述
する)の動作を切り替えた場合,試料溶液を流下できる
ように三方弁23(詳細を後述する)を切り替えた場
合,試料溶液を排出(ドレーン)するように三方弁51
(詳細を後述する)を切り替えた場合,コントロールユ
ニット22にて検出電圧値の記録操作を行う場合,定量
ポンプを動作させる場合を示すものである。
【0028】また、記号「OFF」は、それぞれ試薬溶
液を注入しないように試薬溶液注入部24の動作を切り
替えた場合,試料溶液を流下できるように三方弁23,
51を切り替えた場合,コントロールユニット22にて
検出電圧値の記録操作を行わない場合,定量ポンプを停
止させる場合を示すものとする。
【0029】さらに、T1は中性水を流下させる時間,
T2は試料溶液を流下させてから試薬溶液を注入するま
での時間,T3は中性水を流下させてからコントロール
ユニット22にて記録操作するまでの時間,T4はコン
トロールユニット22にて記録操作に要する時間,T5
はコントロールユニット22における各記録操作間の時
間を示すものとする。
【0030】(第1実施例)図2は、第1実施例におけ
る濃度測定装置の概略説明図を示すものである。図2に
おいて、符号23は試料溶液および中性水をそれぞれ選
択的に注入することが可能な流路切替用三方弁(例え
ば、ソレノイドバルブなどの電磁弁)を示すものであ
り、符号24は試薬吸引シリンジ17やバルブインジェ
クションポート4から成る試薬溶液注入部を示すもので
ある。前記の三方弁23および試薬溶液注入部24の動
作は、コントロールユニット22から送出される制御信
号によって制御される。
【0031】図3は、図2に示した濃度測定装置におい
て、流下された試料溶液のpHが高くなって中性水を用
いる必要がある場合の動作説明図(タイムチャート)で
ある。なお、定量ポンプ1は常に「ON」状態であるも
のとする。図3に示すように、まず三方弁23を「O
N」にして中性水をT1時間流下させる。すると、前記
の中性水が化学発光検出部9に到達した後に検出電圧が
低下し始める。
【0032】このように検出電圧が低下し始める時間
は、その中性水が流下する距離(三方弁から化学発光検
出部9までの距離)や化学発光検出部9等の各装置の応
答性(感度)に比例して常に一定であるため、前記の検
出電圧が十分低下(ベースライン電圧bに到達)するま
でに要する時間(図3中では、T3時間)を算出するこ
とができる。
【0033】そこで、中性水を流下させてからT3時間
経過後にコントロールユニット22の記録操作を「O
N」にし、その検出電圧値を所定時間記録(図3中で
は、ベースライン電圧bをT4時間記録)する。なお、
前記のようにT1時間経過後に試料溶液を流下させる
と、その試料溶液が化学発光検出部9に到達した後、検
出電圧はpHの影響により再び上昇し始める(図3中で
は、cVまで上昇)。
【0034】また、中性水を流下させてからT1時間経
過後に前記の三方弁23を「OFF」にして再び試料溶
液を流下させ、そのT2時間経過後に試薬溶液注入部2
4を「ON」にして試薬溶液を注入すると、その所定時
間後に試料溶液中のアンモニア性窒素濃度に応じて検出
電圧が上昇し始める。
【0035】このように検出電圧が上昇し始める時間
は、試薬溶液注入部から化学発光検出部9までの距離や
化学発光検出部9等の各装置の感度に比例して常に一定
であるため、前記の検出電圧が十分上昇(ピーク値に到
達)するまでに要する時間(図3中では、ベースライン
電圧bの記録操作からT5時間経過後)を算出すること
ができる。
【0036】そこで、コントロールユニット22におけ
るベースライン電圧bの記録操作からT5時間経過後
に、再びコントロールユニット22の記録操作を「O
N」にし、その検出電圧におけるピーク値(ピーク電圧
a)を所定時間記録する。
【0037】以上示したように濃度測定装置を動作させ
ることにより、試料溶液のpHに起因する検出電圧の影
響を解消して、正確なベースライン電圧およびピーク電
圧を検出してアンモニア性窒素濃度の演算処理を行うこ
とができる。
【0038】(第2実施例)前記の第1実施例の場合、
検出電圧を確実にベースライン電圧値まで戻し、そのベ
ースライン電圧値を記録して正確なアンモニア性窒素濃
度の演算処理を行うために、中性水を流下させる時間T
1,中性水を流下させてからコントロールユニット22
にて記録操作するまでの時間T3が長く設定される傾向
があり、測定時間の長期化に繋がってしまう場合があ
る。
【0039】そこで、第2実施例では、図2に示した濃
度測定装置において検出電圧の変化をコントロールユニ
ット22にて常に監視し、その検出電圧の変化率からベ
ースライン電圧bを検出して記録できるようにした。前
記の変化率が「0」になった際に検出電圧がベースライ
ン電圧bに戻されたことを意味することから、その変化
率が「0」になった直後に、三方弁23を「OFF」に
すると共にコントロールユニット22の記録操作を「O
N」にする。
【0040】以上示したように濃度測定装置を動作させ
ることにより、正確なアンモニア性窒素濃度の演算処理
を行うことができると共に、第1実施例と比較して、中
性水を流下させる時間T1,中性水を流下させてからコ
ントロールユニット22にて記録操作するまでの時間T
3を短縮することができる。
【0041】(第3実施例)図2の濃度測定装置では、
定量ポンプ1と気液分離器6との間にも中性水を流下さ
せてしまうため、再び試料溶液を流下させてからの時間
T2を十分長くし、その試料溶液により定量ポンプ1と
気液分離器6との間(特に、混合コイル5等の反応系の
装置)を十分共洗いしてから試薬溶液を注入して、試料
溶液と試薬溶液との反応において中性水の影響を受けな
いようにする必要がある。
【0042】そこで、第3実施例では図4に示すよう
に、三方弁23を混合コイル5と気液分離器6との間に
設け、その三方弁23を介し定量ポンプ41により中性
水を選択的に流下できるように構成した。また、第3実
施例では、コントロールユニット22の制御信号により
三方弁23,試薬溶液注入部24,定量ポンプ1,41
の動作をそれぞれ制御できるように構成した。
【0043】図5は、図4に示した濃度測定装置におい
て、流下された試料溶液のpHが高くなって中性水を用
いる必要がある場合の動作説明図(タイムチャート図)
である。図5に示すように、まず定量ポンプ1を「OF
F」にして試料溶液の流下を止めると共に、三方弁23
および定量ポンプ41を「ON」にして中性水をT1時
間流下させる。
【0044】また、第1実施例と同様に、中性水を流下
させてからT3時間経過後にコントロールユニット22
の記録操作を「ON」にして、ベースライン電圧bをT
4時間記録する。さらに、中性水を流下させてからT1
時間経過後に前記の三方弁23および定量ポンプ41を
「OFF」にし定量ポンプ1を「ON」にして再び試料
溶液を流下させ、そのT2時間経過後に試薬溶液注入部
24を「ON」にして試薬溶液を注入する。
【0045】そして、コントロールユニット22におけ
るベースライン電圧bの記録操作からT5時間経過後
に、再びコントロールユニット22の記録操作を「O
N」にし、その検出電圧におけるピーク電圧aを所定時
間記録する。
【0046】以上示したように濃度測定装置を動作させ
ることにより、図2の濃度測定装置と同様の作用・効果
が得られる。また、中性水を必要な箇所に対してのみ流
下させるため、混合コイル5等の反応系の装置において
共洗いする必要が無くなり、図2の濃度測定装置と比較
して測定時間(特に、時間T2)を短縮することができ
る。
【0047】(第4実施例)前記の第3実施例の場合、
第1実施例と同様に、検出電圧を確実にベースライン電
圧値まで戻し、そのベースライン電圧値を記録して正確
なアンモニア性窒素濃度の演算処理を行うために、中性
水を流下させる時間T1,中性水を流下させてからコン
トロールユニット22にて記録操作するまでの時間T3
が長く設定される傾向があり、測定時間の長期化に繋が
ってしまう場合がある。
【0048】そこで、第4実施例では、図4に示した濃
度測定装置において検出電圧の変化をコントロールユニ
ット22にて常に監視し、その検出電圧の変化率からベ
ースライン電圧bを検出して記録できるようにした。前
記の変化率が「0」になった際に検出電圧がベースライ
ン電圧bに戻されたことを意味することから、その変化
率が「0」になった直後に、三方弁23,定量ポンプ4
1を「OFF」にすると共に、コントロールユニット2
2の記録操作および定量ポンプ1を「ON」にする。
【0049】以上示したように濃度測定装置を動作させ
ることにより、正確なアンモニア性窒素濃度の演算処理
を行うことができると共に、第3実施例と比較して、中
性水を流下させる時間T1,中性水を流下させてからコ
ントロールユニット22にて記録操作するまでの時間T
3を短縮することができる。
【0050】(第5実施例)図4の濃度測定装置の場
合、定量ポンプ1を「OFF」にし三方弁23および定
量ポンプ41を「ON」にして中性水を流下させる間、
定量ポンプ1と三方弁23との間に試料溶液が残留す
る。この残留溶液は、化学発光検出部等の各装置の応答
性を低下させる要因であるため、再び試料溶液を流下さ
せて測定する際には排出する必要がある。
【0051】そこで、第5実施例では図6に示すよう
に、三方弁23と混合コイル5との間に排水用三方弁5
1を設け、その三方弁51により試料溶液を選択的に排
水できるように構成した。また、第5実施例では、コン
トロールユニット22の制御信号により三方弁23,5
1,試薬溶液注入部24,定量ポンプ1,41の動作を
それぞれ制御できるように構成した。なお、定量ポンプ
1は常に「ON」状態であるものとする。
【0052】図7は、図6に示した濃度測定装置におい
て、流下された試料溶液のpHが高くなって中性水を用
いる必要がある場合の動作説明図(タイムチャート図)
である。図7に示すように、まず三方弁51を「ON」
にして定量ポンプ1による試料溶液を排出すると共に、
三方弁23および定量ポンプ41を「ON」にして中性
水をT1時間流下させ、第1実施例と同様に中性水を流
下させてからT3時間経過後にコントロールユニット2
2の記録操作を「ON」にして、ベースライン電圧をT
4時間記録する。
【0053】そして、前記のように中性水を流下させて
からT1時間経過後に、前記の三方弁51を「OFF」
にして再び試料溶液を流下させ、そのT2時間経過後に
試薬溶液注入部24を「ON」にして試薬溶液を注入す
る。また、コントロールユニット22におけるベースラ
イン電圧bの記録操作からT5時間経過後に、再びコン
トロールユニット22の記録操作を「ON」にし、その
検出電圧におけるピーク電圧aを所定時間記録する。
【0054】以上示したように濃度測定装置を動作させ
ることにより、定量ポンプ1と三方弁23との間に対し
て試料溶液が常に通水されるため、図4の濃度測定装置
のような残留溶液による影響を無くすことができ、測定
時間を短縮することができる。
【0055】(第6実施例)前記の第5実施例の場合、
第1実施例と同様に、検出電圧を確実にベースライン電
圧値まで戻し、そのベースライン電圧値を記録して正確
なアンモニア性窒素濃度の演算処理を行うために、中性
水を流下させる時間T1,中性水を流下させてからコン
トロールユニット22にて記録操作するまでの時間T3
が長く設定される傾向があり、測定時間の長期化に繋が
ってしまう場合がある。
【0056】そこで、第6実施例では、図6に示した濃
度測定装置において検出電圧の変化をコントロールユニ
ット22にて常に監視し、その検出電圧の変化率からベ
ースライン電圧bを検出して記録できるようにした。前
記の変化率が「0」になった際に検出電圧がベースライ
ン電圧bに戻されたことを意味することから、その変化
率が「0」になった直後に、三方弁23,51,定量ポ
ンプ41を「OFF」にすると共に、コントロールユニ
ット22の記録操作を「ON」にする。
【0057】以上示したように濃度測定装置を動作させ
ることにより、正確なアンモニア性窒素濃度の演算処理
を行うと共に、第5実施例と比較して、中性水を流下さ
せる時間T1,中性水を流下させてからコントロールユ
ニット22にて記録操作するまでの時間T3を短縮する
ことができる。
【0058】(第7実施例)第7実施例では、図6の濃
度測定装置においてpH測定器を用いた。すなわち、図
8の概略説明図に示すように、定量ポンプ1の前段にp
H測定器81を設け、そのpH測定器81により試料溶
液のpHを常に検出しコントロールユニット22にて監
視できるように構成した。そして、前記の試料溶液のp
Hが8以上である場合のみ、第5,6実施例と同様に三
方弁51を「ON」にして試料溶液を排出すると共に、
三方弁23および定量ポンプ41を「ON」にして中性
水をT1時間流下させる。
【0059】以上示したようにpH測定器を用いた濃度
測定装置を動作させることにより、中性水における不必
要な消費を抑えることができる。なお、前記のpH測定
器を図2〜6の濃度測定装置にて用いた場合も、第7実
施例と同様の作用・効果が得られることは明らかであ
る。
【0060】以上、本発明において、記載された具体例
に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範
囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者
にとって明白なことであり、このような変形および修正
が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
【0061】
【発明の効果】以上、本発明の濃度測定装置によれば、
各測定間において試料溶液のpHに応じて中性水を流下
させて通水することができるため、試料溶液のpHに起
因する検出電圧の影響を解消し、正確なベースライン電
圧およびピーク電圧を短時間で検出してアンモニア性窒
素濃度の演算処理を行うことができる。
【0062】また、前記の中性水を必要な箇所に対して
のみ流下させることにより、試料溶液と試薬溶液との反
応において中性水の影響を抑えることができる。さら
に、定量ポンプ1と三方弁23との間に対して試料溶液
を常に流下させて通水することにより、残留溶液による
影響を無くすことができる。さらにまた、pH測定器を
用いることにより、中性水における不必要な消費を抑え
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図9に示したような濃度測定装置において水道
水を流下させた際の電圧変化特性図。
【図2】第1実施例における濃度測定装置の概略説明
図。
【図3】第1実施例における濃度測定装置の動作説明
図。
【図4】第3実施例における濃度測定装置の概略説明
図。
【図5】第3実施例における濃度測定装置の動作説明
図。
【図6】第5実施例における濃度測定装置の概略説明
図。
【図7】第5実施例における濃度測定装置の動作説明
図。
【図8】第7実施例における濃度測定装置の概略説明
図。
【図9】一般的な濃度測定装置の概略説明図。
【図10】一般的な濃度測定装置のシステム構成図。
【図11】一般的な濃度測定装置における電圧変化特性
図。
【図12】試料溶液のpHが高い場合の電圧変化特性
図。
【符号の説明】
1,41…定量ポンプ 2…流路用細管 5…混合コイル 6…気化分離器 21…化学発光測定部 22…コントロールユニット 23,51…三方弁 24…試料溶液注入部 81…pH測定器
フロントページの続き Fターム(参考) 2G042 AA01 BB06 BB07 CB03 DA04 DA10 EA05 GA05 HA03 HA07 HA10 2G052 AA06 AB01 AB07 AD06 AD26 AD42 BA03 CA03 CA04 CA12 CA35 EB01 EB11 GA28 HA00 HB09 HC10 HC21 JA07 JA09 2G054 AA02 AB07 BB13 CA05 CA06 CB01 CE02 EA01 FA10 FA25 FA37 FB08 JA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンモニア性窒素を含んだ試料溶液をポ
    ンプの駆動により流路用細管中に流下させながら、試薬
    溶液注入部から前記の試料溶液中に対し試薬溶液を選択
    的に注入混合して反応溶液を得、 前記の反応溶液を気化分離器に供給して、液相から分離
    したガス成分を加熱酸化炉にてそれぞれ一酸化窒素に転
    換し、その一酸化窒素を化学発光検出器に供給して化学
    発光強度を検出し、その化学発光強度のうち基準値とピ
    ーク値とを記録して演算処理することにより、前記の試
    料溶液中のアンモニア性窒素濃度を測定するアンモニア
    性窒素測定システムにおいて、 前記ポンプの前段に流路切替用三方弁を設け、前記試料
    溶液のpHに応じて流路切替用三方弁を切り替えること
    により、その試料溶液の代わりに中性水を選択的に流下
    させることを特徴とするアンモニア性窒素測定システ
    ム。
  2. 【請求項2】 前記の流路切替用三方弁を、前記気液分
    離器の前段に設けたことを特徴とする請求項1記載のア
    ンモニア性窒素測定システム。
  3. 【請求項3】 前記の流路切替用三方弁の前段に排水用
    三方弁を設け、その排水用三方弁を切り替えることによ
    り試料溶液を選択的に排出することを特徴とする請求項
    2記載のアンモニア性窒素測定システム。
  4. 【請求項4】 前記の化学発光強度の変化率を監視し、
    その変化率に応じて、前記の三方弁の切り替えおよびポ
    ンプの動作を制御すると共に前記の基準値を記録するこ
    とを特徴とする請求項1乃至3記載のアンモニア性窒素
    測定システム。
  5. 【請求項5】 前記のポンプの前段にpH測定器を設け
    たことを特徴とする請求項1乃至4記載のアンモニア性
    窒素測定システム。
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