JP2003002830A - フラボノイドのエストロゲン活性発現抑制方法およびエストロゲン活性発現抑制用組成物 - Google Patents
フラボノイドのエストロゲン活性発現抑制方法およびエストロゲン活性発現抑制用組成物Info
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Abstract
発現を抑制する方法およびエストロゲン活性発現抑制用
組成物を提供すること。 【解決手段】 一般式[I]: 【化1】 (式中、Rは、水素原子またはヒドロキシ基を意味し、
いずれの置換基も複数個存在していてもよい、R1およ
びR2は、いずれも水素原子、ヒドロキシ基、低級アル
キル基、低級アルコキシ基または置換基を有していても
よいフェニル基を意味し、R1とR2とのいずれかは置
換基を有していてもよいフェニル基を意味し、R1とR
2とがいずれも置換基を有していてもよいフェニル基を
意味することはない)で表されるフラボノイドを使用し
てエストロゲン活性発現を抑制する方法。
Description
エストロゲン活性発現抑制方法およびエストロゲン活性
発現抑制用組成物に関するものである。
の環境ホルモンについて多くの報告がなされ、食品およ
び環境中には種々の環境ホルモンが存在していることは
よく知られていて、野生動物のみならずヒトの内分泌系
を撹乱する可能性が示されている(Giulette L (1995):
Endocrine disrupting environmental contaminants a
nd developmental abnormalities in embryos. Human E
col Risk Asses, 1, 25-36)。これらの研究において、
様々なタイプの天然ならびに合成化学薬品が、体内なら
びに体外アッセイ系においてエストロゲン活性を示すこ
とが示された。環境エストロゲンの例としては、ポリ塩
化ビフェニル類、多環芳香族炭化水素類、ポリ塩化ジベ
ンゾダイオキシン類、アルキルフェノ−ル化合物、殺虫
剤、除草剤、植物エストロゲン類、菌エストロゲン類な
どが挙げられる。更に、様々の植物に由来する少なくと
も20グル−プの植物エストロゲン類があり、それらの
いくつかはエストロゲン活性を示す。動物によって摂取
されると、かかる物質はエストロゲンの合成ならびに代
謝に影響を及ぼし、エストロゲン効果もしくは抗エスト
ロゲン効果を示す。それらの弱いエストロゲン効果もし
くは抗エストロゲン効果に加えて、植物エストロゲン類
は、ほ乳類の細胞において、抗酸化、抗ウィルス、抗菌
活性ばかりではなく、増殖阻止活性や分化誘導活性を示
す。17β−エストラジオ−ルのような天然エストロゲ
ン類は、女性ならびに割合は少ないけれども男性の生殖
制御ならびにいくつかのタイプのガン発生ならびに発育
に中枢的な役割を果たしている。
分は、天然エストロゲン類とは構造が全く異なってい
る。したがって、現在では、その化学構造式の知識に基
づいてどの化合物がエストロゲン活性を有しているかど
うかの評価をすることはできない。これらの環境エスト
ロゲン類のなかでも、植物エストロゲン類は動物の不妊
に関連している。しかしながら、それらの植物エストロ
ゲン類は月経の症状を緩和することができ、乳がんや前
立腺がんに対する防衛手段となり得るという多くの証拠
がある。更にまた、乳がんならびに前立腺がんの発生率
が低い国々においては、フラボノイド類の摂取量は非常
に多いということが研究によって明らかにされている。
このことはフラボノイド類が化学予防薬として作用して
いることを示唆している。これらの結果から、フラボノ
イド類の生物学的ならびに生理学的活性はがんの予防に
有用であるばかりではなく、エストロゲン活性の修飾に
も有用であることが示唆されている。
ロゲン活性を有することが報告されている(Cheng E, Y
oder L, Story CD and Burrough W (1954): Estrogenic
activity of some isoflavone derivatives. Science,
120, 575-576;Setchell KDR (1998): Phytoestrogen
s: the biochemistry, physiology, and implicationsf
or human health of soy isoflavones. Am J Clin Nut
r, 68, 1333s-1346s)。しかし、大豆中のイソフラボン
のエストロゲン活性は、他の環境汚染物質と比較すると
格段に摂取量が多いことから、大豆イソフラボンの環境
ホルモン活性の正確な評価が重要視されている。そこ
で、微弱な環境ホルモン活性を評価するために、ヒト乳
癌MCF-7細胞を用いて環境ホルモン活性検定系の最適化
を行い、ダイゼインおよびゲニステインが10-9 M近辺
で弱いエストロゲン活性を発現することを確認した(山
田耕路・韓達昊・宮崎義之・菅野道廣・立花宏文 (200
0) ヒト乳がんMCF-7細胞の増殖に及ぼすイソフラボンの
作用、 大豆たん白質研究、 3, 54-58)。
との競合を通じて抗乳癌作用を発現する可能性があると
の報告がされている(Barnes S, Grubbs C, Setchell K
DR and Carlson J (1990): Soybean inhibits mammary
tumors in models of breastcancer. Prog Clin Biol R
es, 347, 239-253;Messina M and Barnes (1991):The
role of soy products in reducing risk of cancer. J
Natl Cancer Inst,83, 541-546;Hawrylewicz EJ, Zap
ata JJ and Blair WH (1995): Soy and experimental c
ancer: animal studies. J Nutr, 125, 698s-708s)。
モンのエストロゲン活性が、標的細胞に存在するエスト
ロゲン受容体との相互作用を通じて発現することに着目
して、種々の環境ホルモンのヒトエストロゲン受容体へ
の結合性とエストロゲン活性の関係について検討した。
また、本発明者は、大豆イソフラボンが、エストロゲン
との競合を通じて抗乳癌作用を発現する可能性があるこ
とに着目して、フラボノイドと環境ホルモンの相互作用
について検討した。これらの検討の結果、本発明者は、
フラボノイドがエストロゲン活性発現を抑制することを
見出して、この発明を完成した。したがって、この発明
は、フラボノイドのエストロゲン活性発現抑制方法およ
びエストロゲン活性発現抑制用組成物を提供することを
目的としている。更に、この発明は、フラボノイドのエ
ストロゲン活性発現抑制方法およびエストロゲン活性発
現抑制用組成物を提供することを目的としている。
に、この発明は、下記一般式[I]:
基を意味し、いずれの置換基も複数個存在していてもよ
い、R1およびR2は、いずれも水素原子、ヒドロキシ
基、低級アルキル基、低級アルコキシ基または置換基を
有していてもよいフェニル基を意味し、R1とR2との
いずれかは置換基を有していてもよいフェニル基を意味
し、R1とR2とがいずれも置換基を有していてもよい
フェニル基を意味することはない)で表されるフラボノ
イドを使用してエストロゲン活性発現を抑制することを
特徴とするエストロゲン活性発現抑制方法を提供する。
るフラボノイドを、エストロゲン活性発現を抑制するた
めに使用することを特徴とするエストロゲン活性発現抑
制用組成物を提供する。この発明の好ましい態様として
は、一般式[I]で表されるフラボノイドが、イソフラボ
ン類[II]と、フラボン類[III]とを包含していることで
ある。
れるフラボノイドにおいて、置換基Rは水素原子または
ヒドロキシ基を意味し、いずれの置換基も複数個存在し
ていてもよい。換言すると、置換基Rは総計で4個存在
する。つまり、例えば、置換基Rとしてヒドロキシ基が
存在しない場合には、置換基R全ては水素原子であり、
その総計は4個である。また、置換基Rとしてヒドロキ
シ基が1個存在する場合には、残り3個の置換基Rは水
素原子である。同様に、置換基Rとしてヒドロキシ基が
2個存在する場合には、残り2個の置換基Rは水素原子
である。
される低級アルキル基および低級アルコキシ基のアルキ
ル基は、炭素原子数が1個ないし4個の直鎖状もしくは
分岐鎖状の1価脂肪族炭化水素基を意味し、たとえは、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、イソブチル基、tert−ブチル基などが挙げられ
る。更に、上記一般式[I]において、R1またはR2で
表されるフェニル基の置換基としては、水素原子、ヒド
ロキシ基、低級アルキル基または低級アルコキシ基が挙
げられる。また、フェニル基の置換基の数は、1個に限
定されることはなく、複数個であってもよく、また、複
数個の置換基が存在する場合は、それらの置換基はいず
れも同じであっても、または異なっていてもよい。
表されるフラボノイドには、イソフラボン類[II]と、フ
ラボン類[III]とが包含されている。イソフラボン類[I
I]は、一般式[I]において、R1が水素原子、ヒドロキ
シ基、低級アルキル基または低級アルコキシ基を意味
し、R2が置換基を有していてもよいフェニル基を意味
する場合のフラボノイドを指称し、また、フラボン類[I
II]は、一般式[I]において、R1は置換基を有していて
もよいフェニル基を意味し、R2は水素原子、ヒドロキ
シ基、低級アルキル基または低級アルコキシ基を意味す
る場合のフラボノイドを指称する。
るイソフラボン類の代表的な例としては、例えば、ダイ
ゼインおよびゲニステインが挙げられる。また、フラボ
ン類の代表的な例としては、例えば、フラボン、ルテオ
リンおよびケルセチンが挙げられる。
々の環境ホルモンのエストロゲン受容体への結合能とエ
ストロゲン活性とを検討した。種々の環境ホルモンのヒ
エストロゲン受容体への結合能の測定は、Garrett eta
l.の方法(同上)に従い,inhibition ELISA法を用いて行
った。また、環境ホルモンのエストロゲン受容体との結
合能は、各種環境ホルモンが17β-エストラジオ−ル
とヒトエストロゲンβ受容体の結合を50%阻害する濃度
(IC50)を求めることにより比較検討して求めた。
々の環境ホルモンのエストロゲン受容体結合能とエスト
ロゲン活性について比較検討した。エストロゲン受容体
への結合能は、エストロゲン活性は、最高の増殖促進活
性が認められた濃度(IC50)とその濃度における増殖促
進活性で示した。この発明に係るフラボノイドについ
て、フラボノイドと環境ホルモンの相互作用について検
討した。大豆イソフラボンなどのフラボノイドが抗環境
ホルモン活性を発現するか否かについて検討するため、
フラボノイドと環境ホルモンの複合作用について検討を
行った。
ストロゲン受容体への結合に及ぼすフラボノイド共存の
影響を調べた。まず、200μlのエストロゲン標識ウ
シ血清アルブミン(BSA)溶液をELISA用マイク
ロプレ−トの各ウェルに入れ、室温に20時間放置して
結合させた。つぎに、0.05%のツイ−ン(Tween) 20
を含む生理リン酸緩衝液(pH7.4、PBS)で3回
洗浄し、1%BSAを含むPBS溶液300μlを加え
て37℃で1時間放置することによりブロッキングを行
った。Tween 20 含有PBS(TPBS)で洗浄した
後、10pMのリコンビナントヒトエストロゲン受容体
βと種々の濃度の環境ホルモンを含む混合物を加えて室
温に2時間放置し、遊離のヒトエストロゲン受容体βを
エストロゲン標識BSAに結合させた。TPBS洗浄
後、50μlのウサギ抗エストロゲン抗体溶液を加えて
室温に2時間放置した。再びTPBS洗浄を行い、10
0μlのホ−スラディッシュ・パ−オキシダ−ゼ (hors
eradish peroxidase) 標識抗ウサギIgG抗体を加えて室
温に2時間放置し、TPBS洗浄を行った。最後に10
0μlの基質溶液(0.006% H2O2 in 0.2 M くエン酸バ
ッファ (pH 4.0)、H2O、6mg/ml2,2'-アジノ-ビス(3
−エチル)ベンズチアゾリンスルホン酸の10:9:1
混合物)を加えて室温で10分間反応させ、1.5%シュ
ウ酸溶液50μlを加えて発色反応を停止させた。各ウ
ェルの415nmにおける吸光度をELISA用分光光
度計を用いて測定することにより、エストロゲン標識B
SAに結合したヒトエストロゲン受容体β量を測定し
た。各種化合物のエストロゲン受容体への結合活性はこ
の結合反応を50%阻害する濃度(IC50)で表した。実
験で得られた結果を表1に示す。
種のイソフラボンであるダイゼインおよびゲニステイン
は、いずれも10-9 M以上の濃度で17β-エストラジオ−
ルのエストロゲン受容体への結合を濃度依存的に阻害
し,10-7 M付近の濃度領域で結合量を50%に低下させる
ことが判明した。フラボノ−ルの一種であるケルセチン
は、イソフラボンと同様に10-9 M以上の濃度で17β-エ
ストラジオ−ルのエストロゲン受容体への結合を濃度依
存的に阻害し,10-7 M付近の濃度領域で結合量を50%に
低下させた。一方,フラボンの一種であるルテオリン
は、10-8 M以上の濃度で結合阻害活性を示し,50%阻害
濃度(IC50)は10-6 M前後であった。この結果は,ケ
ルセチンもイソフラボンと同等のエストロゲン受容体結
合能と有するが、ルテオリンの結合能は3種のフラボノ
イドの10分の1程度であることを示唆している。
ゲン活性を次のようにして調べた。まず、内在エストロ
ゲンを除去するために、ウシ胎児血清(FBS)100
mlを活性炭5gを用いて56℃で30分間2度処理し
た。次いで、活性炭を450xgで4℃、20分間遠心
分離して除去した。この操作を2度繰り返して、得られ
た上清液を0.22μm酢酸セルロ−スフィルタ−でろ
取した。次いで、活性炭処理FBS(cFBS)を使用
するまで−20℃で保存した。ヒトMCF-7細胞はFBS
を10%含むフェノ−ルレッド含有DMEM培地を用い
て増殖させ、同じ培地を用いて24ウェル培養プレ−ト
に104個/ウェルでまきこみ、24時間培養した。つぎ
に、10%cFBSを含むフェノ−ルレッド除去DME
M培地に交換し、各種濃度の環境ホルモンを添加して6
日間培養を行った。培地を除去した後、冷10%トリク
ロロ酢酸200μlを加えて4℃に30分放置して細胞
を固定し、500μlの精製水で5回洗浄後室温にて乾
燥させた。つぎに、1%酢酸に溶解した0.4%スルホ
ロ−ダミン B(SRB)溶液を500μl加え、室温に
10分放置してタンパク質を染色後、500μlの1%酢
酸溶液で1回洗浄した。エア−ドライア−の冷風を用い
て乾燥した後、200μlの10mMTris溶液(p
H10.4)を加えて結合したSRBを抽出し、抽出液
を96ウェルELISAプレ−トに移し、492nmの
吸光度を測定することにより細胞数の推定を行った。本
法を用いることにより、細胞数測定法に比べてより少な
い細胞数で増殖調節活性を評価することが可能となり、
各種環境ホルモンのMCF-7細胞増殖促進活性を鋭敏に検
出することが可能となった。また、測定結果のばらつき
も細胞数測定法より小さく、実験精度の向上をもたらし
た。実験で得られた結果を表2に示す。
ら10-6 Mの濃度領域でMCF-7細胞の増殖を促進し,10-8
Mで最も高い増殖促進活性を示した。また,10-5 M以
上では細胞毒性が認められた。ゲニステインの増殖促進
効果は、同様に10-10 M以上で認められたが,最高の増
殖促進効果は、10-6 Mで認められ,細胞毒性は10-4M
以上で認められた。ケルセチンおよびルテオリンは、10
-9 Mで最も高い増殖促進活性を示したが,細胞毒性が
イソフラボンより低濃度から認められ,ケルセチンは10
-8 M以上で,ルテオリンは10-7 M以上でMCF-7細胞に
対して増殖抑制もしくは致死作用を示した。以上の結果
は,ケルセチンおよびルテオリンが大豆イソフラボンよ
り低濃度でエストロゲン活性を発現するが,MCF-7細胞
毒性もより低濃度から発現することを示している。
法を用いて、種々の環境ホルモンのエストロゲン受容体
結合能およびエストロゲン活性を比較した。エストロゲ
ン活性については、最高のエストロゲン活性を示した濃
度およびその濃度における無添加群に対する細胞数増加
倍率を示した。実験で得られた結果を表3に示す。
ロゲン活性は最高の増殖促進活性が認められた濃度(IC
50)とその濃度における増殖促進活性で示した。内在性
エストロゲンである17β-エストラジオ−ルは、10-10
MでMCF−7細胞の増殖を2.2倍に促進したが,ジ
エチルスチルベストロ−ル(diethylstilbestrol)は10
-9 Mの17β-エストラジオ−ルの受容体への結合を4 x
10-10 Mで50%阻害し,17β-エストラジオ−ルと同等も
しくは若干強い結合活性を示した。また,エストロゲン
活性も10-8 Mで3.5倍にMCF-7細胞の増殖を促進した。1
7β-エチルエストラジオ−ル、タモキシフェン(tamoxi
fen)、メストラノ−ル(mestranol)およびクロミフェ
ン(clomiphene)も10-7 M以下のIC50を与え,かなり
強い結合活性を有することが示唆された。しかし,エス
トロゲン活性は17β-エチルエストラジオ−ルが10-8 M
で2.6倍とかなり強い活性を示したのに対し,他の3種の
エストロゲン活性はより高濃度で発現し,増殖促進倍率
も1.4倍以下の弱いものであった。イソフラボンにおい
ては、ダイゼインおよびゲニステインは、10-7 M前後
のIC50を与えたが、フォルモノネチン(formononetin)
およびビオチャニン(biochanin) Aは10-5 M前後の値
を与え、かなり結合能が低いことが示唆された。フォル
モノネチンのエストロゲン活性は、ゲニステインより若
干弱い程度であったが,ビオチャニンAは10-4 M前後で
1.3倍程度の増殖促進活性しか示さず、エストロゲン活
性は非常に弱いものであった。イソフラボンの生体内代
謝により生じるエクオ−ル(equol)のエストロゲン受
容体への結合能はビオチャニンAより高い傾向が認めら
れたが、エストロゲン活性はビオチャニンAより弱いも
のであった。
最も低いIC50値を与え,アピゲニン(apigenin)が最も
高いIC50値を与えたが,これらの化合物のエストロゲン
活性とは必ずしも一致せず,ルテオリンが最も低濃度で
MCF-7細胞の増殖を促進した。アピゲニンのエストロゲ
ン活性は10-6 M前後の高濃度領域においてのみ認めら
れたが,促進倍率は2.6倍とかなり高い促進活性が得ら
れた。フラボノ−ルのIC50は5 x 10-5 Mのかなり高い
濃度領域に認められたが,エストロゲン活性が認められ
たのはケルセチンの10-9 Mに対し、ケンフェロ−ル(k
aempferol)では10-5 Mと大きな違いが認められた。し
かしながら、促進倍率はケルセチンで2.0倍、ケンフェ
ロ−ルで2.3倍であり、同等のエストロゲン活性を与え
た。その他の環境ホルモンでは、4-ジヒドロキシフェノ
−ルが10-9 M、4-ノニルフェノ−ルおよびビスフェノ
−ル Aが10-8 Mの低濃度でエストロゲン活性を発現し
た。細胞増殖促進活性が2倍以上の化合物はナリンゲニ
ン(naringenin)(2.6倍)、サイアナジン(cyanazin
e)(2.6倍)、4-tert- オクチルフェノ−ル(2.6
倍)、ビス(2- エチルヘキシル)アジペ−ト (2.3
倍)、4- ジヒドロキシビフェノ−ル(2.3倍)、4- ノ
ニルフェノ−ル(2.1倍)、ビスフェノ−ル A(2.1倍)
などであった。多くの環境ホルモンでは、IC50で評価し
たエストロゲン受容体結合能とエストロゲン活性発現濃
度との間に相関関係が認められたが、かならずしも一致
しない場合もあり、これらの化合物におけるMCF-7細胞
増殖促進効果の発現にはエストロゲン受容体への結合以
外の因子も関与していることが示唆された。
相互作用 大豆イソフラボンなどのフラボノイドが抗環境ホルモン
活性を発現するか否かについて検討するため,フラボノ
イドと環境ホルモンの複合作用について検討を行った。
これらの化合物の添加濃度はそれぞれの化合物が最高の
エストロゲン活性を示した濃度とし、実施例2に示した
方法により細胞増殖に及ぼすエストロゲン活性物質とフ
ラボノイドの共存効果について検討した。実験で得られ
た結果を表4に示す。
ゲニステインは、最高もしくはそれに準じる増殖促進効
果が得られた10-8 Mを,ケルセチンおよびルテオリン
は最高の増殖促進効果が得られた10-9 Mを添加した。
他の環境ホルモン類も同様に最高もしくはそれに準じる
増殖促進効果が得られた濃度で添加した。ジエチルスチ
ルベストロ−ル、10-8 MでMCF-7細胞の細胞の増殖を3.
5倍に促進したが,フラボノイド共存下においても同等
の増殖促進効果を発現した。一方,17β-エチルエスト
ラジオ−ルの増殖促進効果は、ゲニステイン,ダイゼイ
ンおよびルテオリンの存在下で低下する傾向が認められ
た。また,これら3種のフラボノイドは、4-ノニルフェ
ノ−ル、4-tert-オクチルフェノ−ル、4-ジヒドロキシ
ビフェノ−ルおよびビスフェノ−ルAの細胞増殖促進効
果の発現を完全に抑制しただけでなく、かえって細胞数
を減少させた。しかしながら、ケルセチンの添加はこれ
らの環境ホルモンの活性発現に大きな効果は与えなかっ
た。これらの結果は、環境ホルモン活性を有する複数の
化合物が同時に作用した場合、互いに抑制的に作用する
だけでなく、逆の作用を発現する場合があることを示唆
している。したがって、環境ホルモンの生体調節機能の
評価およびその生理的意義の検討を行う場合、環境ホル
モンの相互作用に関する検討が不可欠であると思われ
る。
破壊するとの疑いを持たれているけれども、これらの化
学品が内分泌系を破壊する能力を有しているかどうかを
明らかにする必要がある。しかしながら、環境エストロ
ゲン類と、食物中の植物由来の天然エストロゲンの代表
であるフラボノイド類との組み合わせによる効果につい
てのデ−タは、これまでは限定的なものである。したが
って、それらが別の環境エストロゲン類と共存している
ときのそれらの効果ならびに組み合わせ効果を評価する
必要がある。それに加えて、ヒト乳がんセルラインは、
エストロゲンレセプタの発現によるエストロゲン応答性
によって特徴づけられている確立した体外系である。し
たがって、天然エストロゲン類の、エストロゲンレセプ
タである標的細胞に対する増殖効果はエストロゲン作用
の顕著な特長として残っている。環境エストロゲン類と
フラボノイド類とのエストロゲン性を決定する一つの方
法として、これらの化合物のMCF−7細胞に対する増
殖効果を試験した。さらに、フラボノイド類によるMC
F−4細胞の環境エストロゲン誘導増殖を試験した。
環境環境エストロゲンとフラボノイドの薬剤依存効果は
次のようにして検討した。 (細胞および細胞培養)ヒト乳がんMCF−7細胞を、
N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N‘−2−エタ
ンスルホン酸2.3mg/ml、ペニシリンG100U
/ml、ストレプトマイシン0.1mg/ml、炭酸水
素ナトリウム2.08mg/ml、5%FBSを添加し
たRPMI1640培地で培養した。細胞は、加湿雰囲
気で、5%CO2を用いて37℃で100mmプラスチ
ック組織培養デイッシュを使用して培養した。保存培養
細胞からMCF−7を、PBSを用いて2度洗浄した。
次いで、その細胞を、0.2%トリプシン/PBSで処
理し、4℃で3分間150xgで遠心分離することのよ
ってRPMI1940培地で1度洗浄した。細胞ペレッ
トを、RPMI1940培地で再懸濁し、該培地で2度
洗浄した。最後に、細胞ペレットを、RPMI1940
培地で再懸濁し、細胞数を計数計で計算した。ヒト乳が
んMCF−7細胞(1x105個/ml)を、24ウエ
ルプレ−トに接種し、24時間接触した。次いで、培地
を、環境エストロゲンとフラボノイドとを有する1%c
FBSを含むフエノ−ルレツド除去RPMI1640で
置換した。細胞数を、計数計で、各ウエル中の細胞数を
計算して5日目または6日目で特定した。
アッセイを2度行なって平均値±標準偏差として表示し
た。各実験からの平均細胞数は、初期プレ−テイング密
度中の差を補正するために、ホルモンフリ−対照培養細
胞(100%)に正常化した。異なる化学処理グル−プ
間の差はシグマプロットソフトウエアを使用して、変動
の分析とStudent‘s t−testによって決
定した。上記MCF−7細胞を、異なる濃度の環境エス
トロゲンとフラボノイド類を有する1%FBS含有フェ
ノ−ルレッド除去RPMI1640培地で培養し、細胞
増殖を積分生育相(図1ないし3)間に5日目で決定し
た。対照として、エタノ−ル/PBSを使用した。この
溶媒は、MCF−7細胞の増殖に影響するかを調べた。
この溶媒は、MCF−7細胞増殖を促進することはでき
なかった。エタノ−ル/PBSは、すべての環境エスト
ロゲンに使用される第一義的な溶媒であるので、この溶
媒を活性のネガティブコントロ−ルとして使用した。
モンフリ−の対照細胞と比較して約3倍の強い増殖促進
力を示した。薬品では(図2)、DESが、1nMない
し1μMの全濃度において、ホルモンフリ−の対照細胞
に比べて2倍もしくは3倍以上の増殖促進力を示した。
特に、10nMDESは、E2と同等の強い増殖促進力
を示した。また、17ESは、10nMないし10μM
の濃度において増殖促進力を示した。他方、TamとC
loとは、10nMないし1μMの濃度において強力な
細胞増殖促進力を示した。同様に、Mesもまた100
nMないし10μMの濃度においてMCF−7細胞を増
殖した。BisA、OP、BiPなどの工業用化学品
は、濃度を増やすと細胞増殖促進活性が増加する方向に
強い薬剤依存傾向を示した(図2)。その中で、1μM
濃度のBisAは10nME2に匹敵する強力な細胞増
殖促進力を示した。さらにまた、ダイゼインおよびゲニ
ステインは、MCF−7細胞に対して増殖促進活性を示
したのに対して、ケルセチンとルテオリンは、1nMな
いし1μMの全濃度において、細胞増殖促進活性を示す
強力な薬剤依存傾向を示した。この結果、17ES、B
isA、OP、NP、ダイゼインおよびゲニステイン
は、上に示した濃度でMCF−7細胞に対する増殖促進
効果を有することが判明した。
る環境エストロゲンとフラボノイド類の時間依存性効果 MCF−7細胞の増殖パタ−ンを調べるために、細胞
を、1%cFBS含有フェノ−ルレッド除去RPMI1
640培地中で1μM濃度の環境エストロゲンおよび1
0nM濃度のフラボノイドまたは10nM濃度のE2と
ともに6日間培養した。TamおよびCloを1μM添
加した後、MCF−7細胞は強力な増殖阻害活性を示し
た(図4)。他方、1μM濃度の17ESは、10nM
濃度のE2と同等の強力な細胞促進活性を示した。17
ESの最強増殖活性は3日目に検出でき、4日目に最大
レベルに達した。これに対して、10nM濃度のE2
は、その最強増殖活性は5日目に検出された。さらにま
た、DESは4日目と5日目に弱い増殖促進活性を示
し、またMesは5日目および6日目に増殖阻害活性を
示した。工業用化学品の場合、BisA、OP、NPお
よびBiPは、それぞれ1μMの濃度で、5日間の処理
によってMCF−7細胞に対して強力な増殖促進活性を
示した。その中でも、1μM濃度のBisAは10nM
濃度のE2と同等の強力な細胞増殖促進活性を示した。
10nM濃度のフラボノイド類においては、ダイセイン
およびゲニステインは、5日間の処理で弱い増殖促進活
性を示した。これに対して、ケルセチンおよびルテオリ
ンは活性を示さなかった。
−7細胞に対する環境エストロゲン促進増殖の阻害 ダイセイン、ゲニステイン、ケルセチンおよびルテオリ
ンなどのフラボノイド類によるMCF−7細胞に対する
環境エストロゲン促進増殖の阻害を調べるために、細胞
を10nM濃度のフラボノイド類の存在下もしくは非存
在下において10nM濃度の環境エストロゲンと共に5
日間培養した。環境エストロゲンの個々の増殖効果は、
フラボノイド類と組み合わせた効果と比較した。この実
験における初期の結果で、ダイセインおよびゲニステイ
ンは、10nMの濃度で増殖促進活性を示したので、こ
れらのフラボノイド類が環境エストロゲンによって刺激
されたMCF−7細胞増殖を阻止することができるかど
うかを調べた。フラボノイド類10nMを17ES、T
aMおよびClo(それぞれ1μM)と組み合わせた場
合、MCF−7細胞の増殖を阻止した。それらのうち、
TaMおよびCloは、その環境エストロゲン誘導増殖
活性を基準レベルにまで阻止することができた。11μ
MMesとの組み合わせでは、これらのフラボノイド類
はほとんど効果を示さなかった。さらにフラボノイド類
によるMCF−7の工業用化学品誘導増殖阻止を調べる
ために、1μM濃度の工業用化学品を10nM濃度のフ
ラボノイド類と組み合わせて処理した。10nM濃度の
フラボノイド類をBisA、OPおよびBiP(それぞ
れ1μM)と組み合わせた場合、フラボノイド類はこれ
らの化学品で刺激されたMCF−7細胞に対して強力な
阻害活性を示した。他方、BisAと組み合わせたルテ
オリンはほとんど活性を示さなかった。その上、10n
M濃度のフラボノイド類を1μM濃度のNPと組み合わ
せた場合、フラボノイド類は増殖促進に対して弱い阻止
活性を示した。しかしながら、フラボノイド類の阻止レ
ベルはホルモンフリ−のコントロ−ル細胞よりも高かっ
た。
野生動物および人間において内分泌系ならびに生殖機能
を損なうことは乳がんの発生と関連して幅広く報告され
ている。環境エストロゲンのこれらの作用は、次のよう
な原因に基づくものと考えられている。つまり、(1)
エストロゲンやアンドロ−ゲンなどの内生ホルモンの作
用と類似していること、(2)通常の内生ホルモンの作
用に拮抗していること、(3)天然ホルモンの合成なら
びに代謝パタ−ンを変化させること、(4)ホルモンレ
セプタ−レベルを修飾することなどが挙げられる。内分
泌系の破壊については、多くの種類の環境エストロゲン
のエストロゲン活性について研究されている。各種環境
ホルモンが17β-エストラジオ−ルとヒトエストロゲン
β受容体の結合を50%阻害する濃度(IC50)を求めるこ
とにより,環境ホルモンのエストロゲン受容体との結合
能を比較検討した。また,ヒト乳癌由来MCF-7細胞を用
いてエストロゲン活性の評価を行った。その結果,大豆
イソフラボンであるダイゼインは10-8 M前後で最高の
エストロゲン活性を示し,17β-エストラジオ−ルとエ
ストロゲン受容体の結合を50%阻害する濃度(IC50)は1
0-7 M前後であることが明らかとなった。一方,ゲニス
テインは10-8 Mでも強い活性を示すが最高のエストロ
ゲン活性は10-6 Mで得られ,そのIC50は5 x 10-8 Mで
あった。その他の環境ホルモンでは,エストロゲン活性
を示す最高濃度とIC50濃度との間にほぼ正の相関が認め
られたが,若干の例外も認められた。また,ダイゼイ
ン,ゲニステインあるいはルテオリンの添加により、4-
ノニルフェノ−ル、4-tert-オクチルフェノ−ル、4-ジ
ヒドロキシビフェノ−ルおよびビスフェノ−ルAのMCF-7
細胞増殖促進活性の発現が完全に抑制されるだけでな
く、細胞増殖がかえって抑制されることが明らかとなっ
た.これらの結果は環境ホルモン活性を有する化合物に
おいてはその複合作用の解明が重要な意味を有すること
を示唆している。
る増殖調節作用として数種類の環境エストロゲンの発情
原性を評価した。そのうち、ダイセイン、ゲニステイ
ン、ケルセチンおよびルテオリンは、大豆や植物食品の
主要なフラボノイド類である。これらの化合物は歴史的
に受精能力を増進したり、減退させたりするために使用
されてきた。したがって、これらの化合物がエストロゲ
ン性を有することは何ら驚くことではない。また、これ
らの化合物はラットや人において抗エストロゲン性を有
している。抗エストロゲン性および抗酸化活性は抗発が
ん性であるいわれている。またゲニステインはチロシン
キナ−ゼを阻害し、インビトロでの血管形成を阻止し、
またこれらの作用は抗発がん性の機能でもあると提案さ
れている。各化合物の薬剤依存性作用の研究は、MCF
−7細胞の増殖を促進するために必要な最少濃度を決定
するために行われている。この実験において、エストロ
ゲン性拮抗作用を有するダイゼインやゲニステインなど
のフラボノイド類は、10nM濃度でMCF−7細胞の
増殖を促進することができることが判明した。これに対
して、エストロゲン拮抗作用を有するケルセチンやルテ
ノ−ルは試験したすべての濃度で増殖阻害活性を示し
た。
amやCloなどの医薬化学品は、エストロゲン標的組
織において様々な作用を有していると報告されている。
これらの化学薬品は一般的には抗エストロゲンといわれ
ているけれども、ラットや人においてはエストロゲンア
ゴニストとアンタゴニストとの両方の性質を有してい
る。これと対照して、抗エストロゲンは、マウスにおい
てはエストロゲンアゴニストとして、鶏においてはエス
トロゲンアンタゴニストとして、主に作用するものと思
われる。これらの様々な作用にもかかわらず、Tamは
乳がん患者の管理に有効であることが証明されている。
この実験では、TamやCloが10nMないし1μM
範囲の濃度において強力な増殖阻害活性を示した。他
方、Mesなどの医薬化学品は、1nMまたは10nM
濃度で増殖促進活性を示した。また17ESは10nM
ないし1μM範囲の濃度で増殖促進活性を示した。
のフラボノイド類は、環境エストロゲンで促進されたM
CF−7細胞の増殖を阻害することができた。いくつか
の免疫学的研究において、乳がんまたは前立腺がんの危
険性と、大豆食物の摂取もしくは植物エストロゲンの尿
排泄との間には逆の関係があるとの示唆もある。また、
植物エストロゲンは、強力な抗エストロゲン作用があ
り、それによってホルモン関連がんの発生を阻止してい
ることが示唆されている。この研究では、フラボノイド
類は、MCF−7細胞においてエストロゲン活性と、抗
エストロゲン活性とを有していることが示されたけれど
も、この研究に使用した大豆食物中のフラボノイド類を
含むその他のフラボノイド類はすべてエストロゲン活性
だけを有していた。フラボノイド類の提案された化学予
防作用に対するその他のいくつかの機構としては、がん
細胞分化の誘導、タンパクチロシンキナ−ゼの阻害、血
管形成の抑制、直接的抗酸化作用などが挙げられる。
時間依存的効果。
依存的効果。
依存的効果。
医薬化学品との併合による効果。
工業化学品との併合による効果。
Claims (10)
- 【請求項1】 一般式[I]: 【化1】 (式中、Rは、水素原子またはヒドロキシ基を意味し、
いずれの置換基も複数個存在していてもよい、 R1およびR2は、いずれも水素原子、ヒドロキシ基、
低級アルキル基、低級アルコキシ基または置換基を有し
ていてもよいフェニル基を意味し、R1とR2とのいず
れかは置換基を有していてもよいフェニル基を意味し、
R1とR2とがいずれも置換基を有していてもよいフェ
ニル基を意味することはない)で表されるフラボノイド
を使用してエストロゲン活性発現を抑制することを特徴
とするフラボノイドのエストロゲン活性発現抑制方法。 - 【請求項2】 上記一般式[I]で表されるフラボノイド
が、一般式[I]において、Rは水素原子またはヒドロキ
シ基を意味し、R1は水素原子、ヒドロキシ基、低級ア
ルキル基または低級アルコキシ基を意味し、R2は置換
基を有していてもよいフェニル基を意味する)で表され
るイソフラボン類[II]であることを特徴とする請求項1
に記載するフラボノイドのエストロゲン活性発現抑制方
法。 - 【請求項3】 上記一般式[I]で表されるフラボノイド
が、一般式[I]において、Rは水素原子またはヒドロキ
シ基を意味し、R1は置換基を有していてもよいフェニ
ル基を意味し、R2は水素原子、ヒドロキシ基、低級ア
ルキル基または低級アルコキシ基を意味する)で表され
るフラボン類[III]であることを特徴とする請求項1に
記載するフラボノイドのエストロゲン活性発現抑制方
法。 - 【請求項4】 上記イソフラボン類[II]がダイゼインま
たはゲニステインであることを特徴とする請求項1また
は2に記載するフラボノイドのエストロゲン活性発現抑
制方法。 - 【請求項5】 上記フラボン類[III]がフラボン、ルテ
オリンまたはケルセチンであることを特徴とする請求項
1または3に記載するフラボノイドのエストロゲン活性
発現抑制方法。 - 【請求項6】 一般式[I]: 【化2】 (式中、Rは、水素原子またはヒドロキシ基を意味し、
いずれの置換基も複数個存在していてもよい、 R1およびR2は、いずれも水素原子、ヒドロキシ基、
低級アルキル基、低級アルコキシ基または置換基を有し
ていてもよいフェニル基を意味し、R1とR2とのいず
れかは置換基を有していてもよいフェニル基を意味し、
R1とR2とがいずれも置換基を有していてもよいフェ
ニル基を意味することはない)で表されるフラボノイド
をエストロゲン活性発現を抑制するために使用すること
を特徴とするフラボノイドのエストロゲン活性発現抑制
用組成物。 - 【請求項7】 上記一般式[I]で表されるフラボノイド
が、一般式[I]において、Rは水素原子またはヒドロキ
シ基を意味し、R1は、水素原子、ヒドロキシ基、低級
アルキル基または低級アルコキシ基を意味し、R2は置
換基を有していてもよいフェニル基を意味する)で表さ
れるイソフラボン類[II]であることを特徴とする請求項
6に記載するフラボノイドのエストロゲン活性発現抑制
用組成物。 - 【請求項8】 上記一般式[I]で表されるフラボノイド
が、一般式[I]において、Rは水素原子またはヒドロキ
シ基を意味し、R1は置換基を有していてもよいフェニ
ル基を意味し、R2は水素原子、ヒドロキシ基、低級ア
ルキル基または低級アルコキシ基を意味する)で表され
るフラボン類[III]であることを特徴とする請求項6に
記載するフラボノイドのエストロゲン活性発現抑制用組
成物。 - 【請求項9】 上記一般式[II]で表されるイソフラボン
類がダイゼインまたはゲニステインであることを特徴と
する請求項6または7に記載するフラボノイドのエスト
ロゲン活性発現抑制用組成物。 - 【請求項10】 上記一般式[III]で表されるフラボン
類がフラボン、ルテオリンまたはケルセチンであること
を特徴とする請求項6または8に記載するフラボノイド
のエストロゲン活性発現抑制用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001186118A JP2003002830A (ja) | 2001-06-20 | 2001-06-20 | フラボノイドのエストロゲン活性発現抑制方法およびエストロゲン活性発現抑制用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001186118A JP2003002830A (ja) | 2001-06-20 | 2001-06-20 | フラボノイドのエストロゲン活性発現抑制方法およびエストロゲン活性発現抑制用組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003002830A true JP2003002830A (ja) | 2003-01-08 |
Family
ID=19025595
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001186118A Pending JP2003002830A (ja) | 2001-06-20 | 2001-06-20 | フラボノイドのエストロゲン活性発現抑制方法およびエストロゲン活性発現抑制用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003002830A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004345982A (ja) * | 2003-05-20 | 2004-12-09 | Maruzen Pharmaceut Co Ltd | 抗アレルギー剤、抗老化剤及び抗老化用皮膚外用剤 |
JP2005220100A (ja) * | 2004-02-06 | 2005-08-18 | Maruzen Pharmaceut Co Ltd | 抗老化剤、血小板凝集抑制剤、抗酸化剤、抗アレルギー剤、皮膚化粧料及び飲食品 |
WO2006112330A1 (ja) * | 2005-04-15 | 2006-10-26 | Genomembrane Co., Ltd. | エストロン3硫酸トランスポーター活性阻害剤 |
-
2001
- 2001-06-20 JP JP2001186118A patent/JP2003002830A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004345982A (ja) * | 2003-05-20 | 2004-12-09 | Maruzen Pharmaceut Co Ltd | 抗アレルギー剤、抗老化剤及び抗老化用皮膚外用剤 |
JP4703948B2 (ja) * | 2003-05-20 | 2011-06-15 | 丸善製薬株式会社 | 抗アレルギー剤、抗老化剤及び抗老化用皮膚外用剤 |
JP2005220100A (ja) * | 2004-02-06 | 2005-08-18 | Maruzen Pharmaceut Co Ltd | 抗老化剤、血小板凝集抑制剤、抗酸化剤、抗アレルギー剤、皮膚化粧料及び飲食品 |
JP4672269B2 (ja) * | 2004-02-06 | 2011-04-20 | 丸善製薬株式会社 | 抗老化剤、血小板凝集抑制剤、抗酸化剤、抗アレルギー剤、皮膚化粧料及び飲食品 |
WO2006112330A1 (ja) * | 2005-04-15 | 2006-10-26 | Genomembrane Co., Ltd. | エストロン3硫酸トランスポーター活性阻害剤 |
JP2006298781A (ja) * | 2005-04-15 | 2006-11-02 | Geno Membrane:Kk | エストロン3硫酸トランスポーター活性阻害剤 |
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